JP4505715B2 - 識別マーク、及び該識別マークの判別方法、及び判別システム、並びに該識別マークを形成するためのラベル、及び転写箔 - Google Patents

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Description

本発明は、カード、商品券、有価証券、身分証明書、紙幣、免許証等の偽造を防止する識別マーク、前記識別マークを有する物品、前記識別マークの判別方法、前記識別マークの判別システム、前記識別マークを設けるためのラベル、及び転写箔に関するものである。
カード、商品券、有価証券、身分証明書、紙幣、免許証等は、直接的、もしくは間接的に、経済的、もしくはその他の価値を有していることから、偽造、変造、改ざん等の被害を被りやすい。これらの偽造、変造、改ざん等を防止する目的で、偽造のされ難い識別マークをその対象物品の少なくとも一部分に設けることが行われている。これらの識別マークは、その存在の有無を目視、もしくは機械を利用することにより判別し、真正な識別マークが設けられた対象物品を真、そうでない物品を偽として判定する。
従来、識別マークとしては、蛍光材料を利用した識別マークが広く利用されている。これは、通常光線下では不可視である識別マークに、特定波長の励起光を照射することによって、蛍光発光を誘起せしめ、その発光の有無、もしくはその発光の形状が真正なデザインであるかどうかによって、物品の真偽判定を行うものである。
しかし、蛍光発光を利用した識別マークは、その存在が明らかでないことに偽造等の防止効果があり、ひとたびその存在が知られてしまった場合には、蛍光材料の入手が比較的容易であることから、その偽造等の防止効果は著しく低減する。また、蛍光材料の励起光源としては、紫外線を用いる場合がほとんどであるが、ブラックライト等の紫外線照射装置が一般的に使用されるようになってきており、識別マークの存在を知られる危険性は増してきている。
そこで、偽造防止性を高めた識別マークとして、蛍光材料の吸収帯に対応する励起光で照明されると、偏光された固有波長の蛍光又は燐光を放出するよう一方向整列構造を有していることを特徴とする識別マーク、および、その蛍光の偏光状態を用いて物品の真偽を検出するシステムが開示されている(特許文献1参照)。これは、識別マークとして単なる蛍光の有無を利用するのではなく、蛍光の偏光状態をも利用することによって、その偽造防止効果を高めようとするものである。
しかしながらこのシステムにおいては、蛍光の直線偏光の向きを偏光板を介して観察することにより検出しており、偏光板の入手が比較的容易である現在においては、高度な偽造防止システムとはなり得ない。
また、蛍光に偏光を付与するように一方向整列構造を識別マークに与える必要があり、識別マークの製造方法に大きな制約がある。例えば、この特許には一方向整列構造を与える手法として、フィルムの延伸法が開示されている。これは、蛍光材料を分散したフィルムを一方向に延伸し、蛍光材料をフィルム中で整列させて、その蛍光に偏光性を付与する方法である。しかしながらこの延伸法は、フィルム状の材料にのみ適用可能な方法であり、例えば印刷インキの様な液体状の材料からこの様な一方向整列構造を有する識別マークを作成することは不可能である。すなわち、この特許に開示されている方法では、一度、フィルム状の蛍光発光素子を作成し、その後、その素子を識別マークの形へと加工する必要がある。そのため、任意の方向に整列構造を有するマークを、任意の形状に設けることは非常に難しく、また、加工が複雑になるという問題がある。
またこの特許には、四分の一波長板を利用して、放出された蛍光の直線偏光を円偏光へと変換し、その円偏光状態を円偏光板を用いることにより検出する方法も開示されている。しかしながらこの方法は、上記の方法で得られた偏光を単に円偏光へと変換して検出するものであり、蛍光発光部分のメカニズムは偏光発光の場合と同様である。さらにこの方法では、蛍光発光が全波長領域に渉って円偏光化されているため、蛍光発光が円偏光化されていることが露見しやすく、やはり高度な偽造防止システムとはなり得ない。また、四分の一波長板を余計に付設する必要が生じて、識別マーク自体の層構成が複雑になるという問題が残る。
特表2001−506191号公報
本発明の目的は、従来の識別マークよりもその存在と識別方法を知られにくく、また偽造することが困難な識別マーク、該識別マークを用いた物品の真贋判別方法、及び該識別マークを用いた真贋判別システムを提供することである。
さらに本発明の目的は、該識別マークを設けるためのラベル、及び転写箔を提供することである。
発明者らは円偏光性の蛍光を放出する蛍光材料を用いることにより、従来より偽造の困難な識別マークを作製することができ、また該識別マークを用いることによりその識別方法を知られにくい真贋判別システムを作製することが可能であることを見出した。
すなわち本発明は、円偏光性の蛍光を放射する蛍光材料を含んだ識別マークを、物品上に形成し、該識別マークから放射される蛍光の、右円偏光成分と、左円偏光成分との強度差を用いて真贋判定を行うことを特徴とする物品の真贋判定方法を提供する。
また本発明は、前記識別マークから放射される蛍光を、右円偏光板または左円偏光板を通して測定することにより、右円偏光成分と左円偏光成分それぞれの強度を求める物品の真贋判定方法を提供する。
また本発明は、円偏光性の蛍光を放射する蛍光材料を含む識別マークと、該識別マークに励起光を照射する手段と、前記識別マークより放射された蛍光の右円偏光成分と、左円偏光成分の強度差の有無を判別する手段とからなる識別マークの判別システムを提供する。
さらにまた本発明は、前記判別システムにて用いられる識別マークであって、該識別マークが特定波長領域の励起光照射により蛍光を発する蛍光材料を含み、かつ、該蛍光材料より放射される蛍光の右円偏光成分の強度と、左円偏光成分の強度とが異なることを特徴とする識別マークを提供する。
これらの識別マークの判別方法、判別システムは右円偏光と左円偏光の強度の異なる蛍光を放出する識別マークを用いて、両者の強度差の有無または大小を利用して真贋判定を行うため、偽造防止手段の存在とその手法が明かになりにくい。このため前記方法またはシステムに用いる識別マークは偽造されにくい。
また本発明は、前記識別マークを設けるために使用される転写箔であって、少なくとも仮支持体フィルムと、仮支持体フィルムから順に保護層、光学活性希土類錯体を含有する層、接着剤層が設けられていることを特徴とする転写箔を提供する。
また本発明は、前記識別マークを設けるために使用されるラベルであって、少なくとも支持体フィルムと、光学活性希土類錯体を含有する層と、接着剤層とからなるラベルを提供する。
さらにまた本発明は、前記識別マークがその表面の少なくとも一部分に設けられたことを特徴とする物品を提供する。
これらの転写箔またはラベルを用いることによって、右円偏光と左円偏光の強度の異なる蛍光を放出する識別マークを、種々の物品上に形成することができる。
本発明によれば、従来の蛍光材料を利用した識別マークに比べて、さらにセキュリティー性の高い識別マークを提供することができる。また、該識別マークを有する物品を本発明の識別マークの判別システムを用いて判別することにより、前記物品の真贋判定をその存在と判定方法を知られることなく行うことができる。
以下に、図を利用して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、特定波長領域の励起光照射により、識別マークから放射される蛍光の右円偏光成分の強度と、左円偏光成分の強度とを測定し、その比較結果より識別マークの真偽を判定するシステムの概念を示した図である。
励起光源1は、蛍光材料の励起源となるものであり、蛍光材料の吸収波長に対応する波長の励起光を照射する。偽造防止用の識別マークとしては、識別マークが、可視光線下では不可視であり、特定の波長の励起光の照射により可視光を発することが望まれ、その観点から、励起光源1より照射される励起光の波長は、紫外領域の波長が望ましい。そのため、励起光源1としては、紫外LED、ブラックライト、キセノンランプ、短波長半導体レーザーなどの紫外領域において発光可能な光源が用いられる。
識別マーク2は、励起光源より照射された特定波長の励起光により蛍光を放射する識別マークであって、右円偏光成分と、左円偏光成分との強度の異なった蛍光を放射する識別マークである。
レンズ系3は、識別マーク2より発光した蛍光を有効に集めた後、コリメーターレンズ系で平行光として波長選択部4へと導く。
波長選択部4は、識別マーク2より発せられた蛍光のうち、任意の波長の蛍光のみを取り出す目的で設けられる。波長選択部4としては例えば、波長選択フィルター等を用いることができる。通常、蛍光発光は、様々な波長の蛍光が同時に放出されている。真偽判定の精度を高めるためには、波長選択フィルターとして、蛍光の右円偏光成分と左円偏光成分の蛍光強度の差が、その選択波長領域における全蛍光発光強度と比較して、最も大きい波長領域を抽出する波長選択フィルターを選択することが望ましい。
円偏光分割部5は、蛍光に含まれる右円偏光成分と左円偏光成分の一方のみを抽出する目的で用いられる。例えば、円偏光板を用いることによって、どちらか一方の円偏光成分のみを抽出することができる。円偏光板は通常、1/4波長板と直線偏光板より構成されており、1/4波長板の光学軸方向と直線偏光板の光学軸方向とを特定の関係とすることによって、右円偏光板と左円偏光板とを作成することができる。従って、1/4波長板と直線偏光板の相対的な光学軸方向を切り替えることによって、蛍光の右円偏光成分のみ、もしくは左円偏光成分のみを抽出することが可能となる。あるいは、右円偏光板、左円偏光板をそれぞれ作成しておき、それらを切り替えて光路に入れることによって、右円偏光成分のみ、もしくは左円偏光成分のみを抽出することもできる。また、2分割左右円偏光板、4分割左右円偏光板等を用いることによって、蛍光発光を入射面に応じて左右の円偏光成分に分離して抽出することができる。
光検出部7は、円偏光分割部5によって分割された蛍光の右円偏光成分と左円偏光成分の各々の強度を計測するために用いられる。光検出器としては、フォトダイオード、光電子倍増管、CCDなどが利用できる。
演算部9は、光検出部7によって計測された蛍光の右円偏光成分の強度と左円偏光成分の強度とを比較する部分である。
また、蛍光発光が微弱な場合には、その検出感度を上げるために、上記のシステム中に光変調部6、ロックインアンプ8などを設けることもできる。
光変調部6としては、光チョッパ、光弾性変調器、ネマチック液晶を用いた光位相変調素子、磁気光学効果(ファラデーセル)光変調素子、電気光学効果光変調素子などが利用できる。あるいは半導体レーザーまたはLEDによる励起光自体を変調して用いても良い。具体的な判別システムの例を以下に示す。図2は最も簡単な構成であって、光路に右円偏光板20と左円偏光板21を交互に挿入し、左右円偏光の強度を個々に直接的に測定して、測定値から両円偏光の強度差を求めるものである。左右の円偏光板は、例えばλ/4波長板と直線偏光板とから作成される。
なお光路に挿入する左右の円偏光板は別個に作製してもよいが、円偏光板をλ/4波長板22と直線偏光板23とから作成する場合には、直接偏光板23を光の進行方向と平行で直線偏光板を通る軸の回りで回転して、右円偏光板と左円偏光板とを切り替えて測定を行っても良い(図3参照)。それぞれの円偏光の発光強度から簡単な演算器を用いて両偏光の強度差を求めることができる。
また蛍光が微弱な時は、光検出器の前に機械的な光チョッパや電気光学効果を用いた光変調器を用いて被検出光を変調しておき、変調信号を参照信号としてロックインアンプを用いて位相検波を行うこともできる(図4参照)。励起源に半導体レーザ等を用いて励起光そのものを変調してもよい。
また、分割された左右円偏光板を用いると、両円偏光強度を光検出部で同時に検出できるため、光検出部の出力をそのまま差動増幅して両円偏光強度の差を求めることができる。(図5参照)。蛍光が微弱なときは、前記光変調を用いた検出を左右それぞれの円偏光に対して同時に行っても良い。
これら蛍光発光における両円偏光強度を、時間的にあるいは空間的に分離して測定し、その差を算出する方法の他に、光弾性変調器を用いて一度に測定を行う方法もある。すなわち、図6に示すように、フィルター4で特定波長領域選択された後、光弾性変調器24に入射した蛍光は変調器に印加された交流電圧に応じて位相変調され、直線偏光板23を通った後、光検出部7で検出され、変調信号を参照信号としてロックインアンプ8で位相検波される。検波出力は入射光が右あるいは左円偏光のみの蛍光発光のときに最大となり、円偏光性の無い蛍光発光のときゼロとなって左右円偏光の差に比例した出力を得ることがきる。
円偏光性とは、例えば紫外線の照射等により蛍光または燐光を発する化合物において、該化合物の発する蛍光または燐光の左右の円偏光成分の強度が異なるという性質を表すが、円偏光の程度そのものを表すときには、放射された蛍光または燐光の右円偏光成分の強度をIとし、左円偏光成分の強度をIとし、次式
Figure 0004505715
で表されるg値を用いることができる。
本発明の識別マークを、図1に示したような識別マークの判別システムにて測定した場合、蛍光発光の右円偏光成分の強度と左円偏光成分の強度とが異なっていることから、上記のg値は0ではない値となる。
一方、一般的な蛍光材料を利用した識別マークの場合には、このような円偏光発光性はみられないことから、g値は実質的に0となる。
したがって、本発明の識別マークを用いた場合、励起光の照射によって放射される蛍光のg値を円偏光強度の測定値から算出し、このg値が0である場合には“偽”、0でない場合には“真”の判定を行うこともできる。すなわち識別マークから放射される蛍光に円偏光性が確認されるか否かによって、本発明に開示の識別マークであるかどうかを判別することができる。
なお、g値は左右各々の円偏光成分の強度差を全蛍光強度で除した値となっており、測定誤差の影響もあって、円偏光性のない蛍光発光においても完全に0となることはまれである。そのため、g値については、閾値を設定しておき、運用することが望ましい。
本システムの識別マークの蛍光発光層に含まれる蛍光材料から放出される蛍光は、蛍光発光そのものが円偏光性を有しており円偏光化の度合いは、波長依存性を有している。したがって、通常の円偏光板を介して広い波長領域の光全体を目視観察したのでは、特定の波長領域における円偏光の存在が露見しがたく、偽造防止性は著しく向上する。例えば、蛍光発光を構成する複数の波長領域の発光のうち、メインピークの円偏光の度合いが小さく、サブピークの円偏光の度合いが大きい場合には、円偏光板を介した観察においても、メインピークの発光が円偏光板を透過して観察されることから、両円偏光板によってサブピークが遮蔽される程度が異なっていたとしても、その事実を感知することは非常に難しい。従って、このサブピークの円偏光発光の有無を識別マークの識別手段として採用することによって、非常にセキュリティー性の高いシステムを構築することが可能となる。
本発明で使用する識別マークに用いる蛍光材料としては、円偏光性の蛍光を放射する蛍光材料が用いられるが、種類の多さ、蛍光の発光強度の点で光学活性希土類錯体を使用することが好ましい。
光学活性希土類錯体とは、光学活性部位を持つ希土類錯体のことをいい、光学活性部位を持つ配位子が配位している希土類錯体か、もしくは希土類錯体の正四角反柱型の配位構造の、希土類金属原子周辺の絶対配置に関して存在する2種の立体異性体(Δ体、Λ体)のうち、一方が過剰に含まれている状態の希土類錯体をいう。
光学活性部位を持つ配位子としては、例えば、
a)一般式(1)
Figure 0004505715
(式中、XおよびXはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基を表し、Y、Y、YおよびYはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で表される配位子(以下、配位子(1)と言う。)、

b)下記式(2)〜(20)
Figure 0004505715
Figure 0004505715
Figure 0004505715
Figure 0004505715
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Figure 0004505715
Figure 0004505715
Figure 0004505715
Figure 0004505715
で表される配位子のいずれか及びその誘導体、
c)不斉部位を有するメタロセン骨格を含む、ビス(シクロペンタジエニル)金属錯体及びその誘導体を挙げることができる。
特に配位子(1)は、希土類金属と安定な錯体を形成するため好ましい。
配位子(1)はビナフチル基の部分に軸不斉を有するため、2種の光学異性体が存在する。以下、この2種の異性体をRとSで区別する。配位子(1)を用いた光学活性錯体の例としては、例えば下記一般式(21)
Figure 0004505715
が挙げられる。(以下、希土類錯体(21)という。)
式中、XおよびXはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、及び炭素数1〜4のアルコキシル基からなる群のうちいずれか一つを表し、Y、Y、YおよびYはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、及び炭素数1〜4のアルキル基からなる群のうちいずれか一つを表し、R、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のフッ素置換アルキル基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、炭素数1〜3のアルキルスルホニル基及びアルキルシリル基、置換基を有してもよいフェニルスルホニル基及びフェニルシリル基、アリール基及びヘテロアリール基からなる群のうちいずれか一つを表し、Lnは希土類金属原子を表す。
一般式(21)に示される希土類錯体の光学活性は、配位子(1)自身の絶対配置と配位子(1)の持つジアステレオ選択性により、以下の2つの構造を有する光学活性な異性体に起因する。すなわち、一般式(21−1)
Figure 0004505715
(式中、点線の円弧は一般式(21−1a)
Figure 0004505715
(式中R、Rは一般式(21)においてと同じ意味を表す。)
で示される配位子を、実線の円弧は一般式(21−1b)
Figure 0004505715
(式中X、X、Y、Y、Y、Yは、一般式(21)においてと同じ意味を表す。)で示される配位子を表す。)で表されるR−Δ構造を有する希土類錯体(21)(以下R−Δ希土類錯体(21)と言う。)である。
さらにもう一方は、一般式(21−2)
Figure 0004505715
(式中、点線の円弧は一般式(21−1a)で示される配位子を、実線の円弧は一般式(21−2b)
Figure 0004505715
(式中X、X、Y、Y、Y、Yは、一般式(21)においてと同じ意味を表す。)で示される配位子を表す。)で表されるS−Λ構造を有する希土類錯体(21)(以下、S−Λ希土類錯体(21)と言う。)である。
ここで、配位子の持つジアステレオ選択性とは、2種の鏡像異性体が存在する(以下、R、Sで表す)配位子で、一方の鏡像体(例えばR体の配位子)を用いて希土類と錯体を形成するとき、希土類錯体の一方の立体異性体(例えばΔ体の希土類錯体)が選択的に生成するという性質のことを意味する。すなわち、例えばR体の配位子を用いて希土類錯体を形成するとき、希土類錯体としては、ジアステレオマーの関係にあるR−Δ体とR−Λ体のうち、一方の立体異性体である例えばR−Δ体のみが生成する性質をいう。ジアステレオ選択性を持つ配位子は2種より多い立体異性体を持っていても良い。
前述のジアステレオ選択性により配位子(1)としてR体を用いると、希土類錯体(21)としては、R―Δ希土類錯体(21)が選択的に生成する。また、配位子(1)としてS体を用いると、希土類錯体(21)としては、S―Λ希土類錯体(21)が選択的に生成する。
希土類錯体(21)を円偏光発光材料として使用するときはR−Δ希土類錯体(21)、S−Λ希土類錯体(21)の2種の光学異性体のうち、どちらか一方を過剰に含んだ状態で使用するとよいが、好ましくは、その光学純度が90%以上、さらに好ましくは95%以上で使用するとよい。
なお、ジアステレオ選択性の無い配位子を用いた場合においても、配位子自身に1つ以上の光学活性部位が存在する場合、同様の効果を発現させることができる。
また、光学活性のない配位子を用いた場合でも、希土類錯体の正四角反柱型の配位構造の、希土類金属原子周辺の絶対配置に関して存在するΔ体とΛ体の2つの立体異性体の混合物であるいわゆるラセミ体から、Δ体のみ、もしくはΛ体のみを分離し、同様の効果を発現させることも可能である。しかしながら、このような光学異性体の分割は非常に困難であり、その結果、得られる希土類錯体も非常に高価なものとなり、コスト的に実用に供されるものではない。また、得られる希土類錯体の光学純度の高いものを得ることは非常に難しく、その結果、円偏光発光性の小さな錯体となってしまうことから、識別マークとしての応用は難しい。従って、既に述べた光学活性部位を持つ配位子を用いた光学活性希土類錯体を用いることが望ましい。
なお一般式(21)
Figure 0004505715
(式中、XおよびXはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、及び炭素数1〜4のアルコキシル基からなる群のうちいずれか一つを表し、Y、Y、YおよびYはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、及び炭素数1〜4のアルキル基からなる群のうちいずれか一つを表し、R、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のフッ素置換アルキル基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、炭素数1〜3のアルキルスルホニル基及びアルキルシリル基、置換基を有してもよいフェニルスルホニル基及びフェニルシリル基、アリール基及びヘテロアリール基からなる群のうちいずれか一つを表し、Lnは希土類金属原子を表す。)
で表される光学活性希土類錯体化合物においては、発光強度の点を考慮すると、XおよびXは水素原子が好ましい。Y、Y、YおよびYは水素原子が好ましい。Rは、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のフッ素置換アルキル基、またはフェニル基が好ましい。Rは、
(a)シクロペンタジエニル基(基中に存在する1個のCH基はまた、−O−または−S−により置き換えられていてもよい)、
(b)フェニル基(基中に存在する1個または2個のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよい)、
(c)ナフチル基(基中に存在する1個または2個のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよい)、
からなる群から選ばれる基、及びこれらの基のアルキル基置換体またはハロゲン原子置換体が好ましい。LnはEuが好ましい。
さらには、Rはトリフルオロメチル基が最も好ましく、Rは、チエニル基が最も好ましい。
本発明の識別マークは特にその形状を限定されるものではない。例えば、印刷によって設けられた識別マーク、転写箔を転写することによって設けられた識別マーク、ラベルを貼り付けることによって設けられた識別マークなどを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
印刷によって識別マークを設ける場合には、少なくとも右円偏光と左円偏光の強度が異なる蛍光を発光する蛍光材料を含有する印刷インキを用いて印刷を行う。蛍光材料としては光学活性希土類錯体を用いることがこのましい。通常はこれら蛍光材料好ましくは光学活性希土類錯体を適当なバインダー樹脂及び、バインダー樹脂を溶解する溶剤と共に混合・溶解・分散して印刷インキを調整する。
印刷インキに用いるバインダー樹脂としては、公知一般の樹脂が使用されるが、例えば、セルロース系樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体、あるいは、前記共重合体にさらにビニルアルコール、無水マレイン酸あるいはアクリル酸などを加えた共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、およびこれらの樹脂の混合物を使用することができる。
また、溶剤としては、バインダー樹脂を溶解するものであれば、特に制限無く使用できるが、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、エタノール等のアルコール類、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素類を挙げることができ、これらの溶剤は、2種類以上を混合して使用することもできる。
識別マークを設ける印刷手段としては公知慣用の印刷手段を用いることができる。例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット方式による印刷などが挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
印刷によって識別マークを設けた場合には、物品上に光学活性希土類錯体等の蛍光材料を含有する印刷層が存在することとなる。
一方、識別マークとして、物品上に接着剤層を介して光学活性希土類錯体を含有する層を設ける場合もある。この場合識別マークは、例えば、光学活性希土類錯体を含有する層を含む転写箔、もしくはラベルを用いることによって設けることができる。
図7に一例として、保護層が積層されている場合の識別マーク形成用転写箔の断面構成図を示す。
識別マーク形成用転写箔は、仮支持体フィルム10、蛍光発光層12、及び接着剤層13を基本構成とするが、仮支持体フィルム10との剥離性を有し、物品に転写された後は識別マークの最表面の層として表面を保護する保護層11を積層してもよい。蛍光発光層12が仮支持体フィルム10との剥離性を有している場合には、保護層11は省略することが可能である。しかし、この場合、転写後の識別マークでは、蛍光発光層12が識別マークの表面に直接露出することになる。そのため、識別マークの耐擦性を考慮した場合、保護層11を設けることが好ましい。保護層11、蛍光発光層12、接着剤13は、通常光線下では無色透明であることが好ましく、この場合、通常光線下では転写箔の存在を目視確認することはできない。また、蛍光発光層12と接着剤層13との間に着色層を設けても良い。この場合、通常光線下では、着色層の色合いが目視可能に露出することとなる。
通常、このような転写箔は、支持体フィルム10に各構成層を塗工もしくは印刷することによって形成することにより得られる。
仮支持体フィルム10としては公知慣用のフィルムがいずれも使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド等のプラスチック等を挙げることができる。中でも抗張力や耐熱性を兼ね備えたポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、仮支持体フィルムの厚さには特に制限はないが、通常3〜100μm、好ましくは5〜50μmである。
保護層11は、バインダー樹脂を主成分としており、バインダー樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体、あるいは、さらにビニルアルコール、無水マレイン酸あるいはアクリル酸などを加えた共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、およびこれらの樹脂の混合物を使用することができる。
保護層11は、例えばこれらのバインダー樹脂を溶剤に溶解した塗布液を、仮支持体フィルム上に塗布することによって得ることができる。
溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、エタノール等のアルコール類、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素類を挙げることができ、これらの溶剤は、2種類以上を混合して使用することもできる。
さらに、保護層11には、必要に応じて、皮膜改質剤として大豆レシチン、マイクロシリカ、あるいはワックス等を添加することができる。また、ポリイソシアネート化合物などの硬化剤を添加して、バインダー樹脂分子間を架橋することは、保護層11の耐久性を向上させるために好ましい。
蛍光発光層12は、少なくとも既に述べた光学活性希土類錯体を含有してなり、通常は、この光学活性希土類錯体をバインダー樹脂中に分散させた組成となっている。蛍光発光層12に使用するバインダー樹脂としては特に限定される物ではないが、光学活性希土類錯体の吸収波長領域及び蛍光発光波長領域に吸収の無いバインダー樹脂が望ましく、例えば、既に保護層に関して述べたバインダー樹脂等が使用できる。
蛍光発光層12は、バインダー樹脂を溶解する溶剤に、バインダー樹脂および蛍光材料を溶解・分散して調整された塗布液を、塗工、もしくは印刷することにより得ることができる。溶剤としては、例えば既に述べた溶剤等が使用できる。
接着剤層13は、転写箔と物品との接着性を確保するために設けられ、感熱接着性を有するバインダー樹脂を主成分とする。感熱接着性を示す樹脂としては、例えば、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体、あるいは、さらにビニルアルコール、無水マレイン酸あるいはアクリル酸などを加えた共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。
以上の構成層からなる転写箔原反を、任意の幅にスリット・裁断することによって、テープ状もしくはシート状の転写箔である転写テープ、もしくは転写シートを得ることができる。
図8に転写箔を利用して識別マークを設けた物品の断面構成図を示す。図7に示した識別マーク形成用転写箔は、その接着剤層13が物品14と接するように重ね合わされ、熱・圧力を加えられることによって、物品と接着する。その後、仮支持体フィルム10を剥離・取り去ることによって、図8に示したように保護層11を最表層とした識別マークが物品14の表面に設けられる。
図9に識別マーク形成用ラベルであって、保護層と離型紙が積層されている場合の断面構成図を示す。識別マーク形成用ラベルは、支持体フィルム15の一方の面に蛍光発光層16が、もう一方の面に粘着性接着剤層18が形成された構成を基本構成とする。蛍光発光層の上にはさらに保護層17が積層されていてもよい。もう一方の面に粘着性接着剤層18の上には離型紙19が形成されていてもよい。
通常、このような識別マーク形成用ラベルは、支持体フィルム15に各構成層を塗工もしくは印刷することによって形成することにより得られる。
しかる後にこの原反をシート状に裁断し、または、原反もしくはシートから打ち抜き等の方法により、ラベルを作成する。また、識別マーク形成用ラベルは、その形状に何ら制限を加えるものではなく、例えば、原反からスリット等の方法により、テープ状態のラベルを作成することもできる。
これらの識別マーク形成用ラベルを利用して、識別マークを物品に貼り付ける際は、離型紙19がある場合にはその離型紙を剥がした後、蛍光発光層16を含む積層構成物を、前記の物品14に、粘着性接着剤層18を介して重ね合わせ、圧力及び熱を加えて物品14上に接着させる。識別マーク形成用ラベルを利用して識別マークをその表面に設けた物品の断面構成図を図10に示す。
支持体フィルム15としては公知のものがいずれも使用でき、例えば、識別マーク形成用転写箔の部分で述べたものを用いることができる。
また、支持体フィルムの厚みには特に制限はないが、通常10〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
蛍光発光層16は、少なくとも光学活性希土類錯体を含有してなり、通常は、この光学活性希土類錯体をバインダー樹脂中に溶解・分散させた組成となっている。蛍光発光層16に使用するバインダー樹脂としては特に限定される物ではないが、光学活性希土類錯体の吸収領域及び蛍光発光領域に吸収の無いバインダー樹脂が望ましく、例えば、既に述べたバインダー樹脂等が使用できる。
保護層17は、識別マークとしての機能には関与しないため、必ずしも設ける必要はないが、識別マークの耐久性を確保するために設けることが望ましい。保護層17は、既に述べた光学活性希土類錯体の励起波長領域、蛍光発光波長領域に吸収が無い材料が望ましく、また、吸収があったとしてもその値が小さい物であれば使用できる。例えば、既に述べたバインダー樹脂等を用いることができる。
識別マーク作成用ラベルを用いて識別マークを物品に設ける際は、識別マーク作成用ラベルの粘着性接着剤層18を物品14の所定の箇所に常温で圧着させ、望ましくは、次いで120℃程度の温度で加熱すると共に加圧して接着をより強固にする。従って、粘着性接着剤層18は、常温圧着時及び加熱加圧後いずれにおいても接着力に優れている感圧性粘着性接着剤が望ましい。
粘着性接着剤層18に使用する樹脂としては、例えば、アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸との共重合体、アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸と酢酸ビニルの共重合体、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体、あるいは、更にビニルアルコール、無水マレイン酸あるいはアクリル酸などを加えた共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができる。
更に上記樹脂組成物に架橋剤を添加する事により、常温圧着時の接着力及び加熱後の接着力をコントロールする事が出来る。この架橋剤は従来から粘着性接着剤に用いられていたものを使用でき、具体的にはイソシアネート系架橋剤、アミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤を挙げることができる。
粘着性接着剤層18に用いることの出来る感圧粘着性接着剤層用塗料は、感圧粘着性を示す樹脂を溶剤に溶解させ、混合攪拌して調整する。粘着性接着剤層18の塗布には公知公用の塗布方式を使用できる。
また、粘着性接着剤層18に、光学活性希土類錯体を含有させることにより、粘着性接着剤層の機能と蛍光発光層の機能とを同一の層で両立することも可能である。
以下に、実施例にて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の例に限るものではない。また、以下で部は質量部を表す。
光学活性希土類錯体の合成1
下記式(22)で表される(S)−BINAPO2.00部、下記式(23)で表されるユウロピウム−テノイルトリフルオロアセトナート錯体2.60部、メタノール75部を室温で2時間攪拌して反応させた。反応終了後、エバポレーターで溶媒を留去して、薄黄色粉末を得た。これをエタノールから再結晶して下記式(24)で表される希土類錯体(S−Λ体;以下S−Λ希土類錯体(24)と言う。)を2.91部得た。
Figure 0004505715
Figure 0004505715
Figure 0004505715
以下の方法で式(24)で表される希土類錯体が生成していることを確認した。
H NMR(d−Acetone) δ 5.12(s), 6.44(s), 6.71(t), 6.89(t), 7.18(q), 7.23(t), 7.30(t), 7.63(t), 7.76(t), 7.89(m), 8.05(m), 8.31(t)
31P NMR(d−Acetone) δ −67.47(s)
元素分析 測定値 C57.19% H3.71% Eu10.4%
計算値 C55.55% H3.02% Eu10.3%
光学活性希土類錯体の合成2
(S)−BINAPO1.98部、下記式(25)で示されるユウロピウム−ベンゾイルトリフルオロアセトナート錯体2.56部、メタノール70部を室温で2時間攪拌して反応させた。反応終了後、エバポレーターで溶媒を留去して、薄黄色粉末を得た。これをエタノールから再結晶して下記式(26)で示される希土類錯体(S−Λ体;以下S−Λ希土類錯体(26)と言う。)を2.12部得た。
Figure 0004505715
Figure 0004505715
以下の方法で式(26)で表される希土類錯体が生成していることを確認した。
H NMR(d−Acetone) δ 5.56(s), 6.42(s), 6.91(t), 7.13(m), 7.25(d), 7.36(t), 7.64(s), 7.75(t), 7.93(m), 7.99−8.14(m)
31P NMR(d−Acetone) δ −62.55(s)
元素分析 測定値 C60.92% H3.96% Eu10.3%
計算値 C61.21% H3.47% Eu10.5%
支持体フィルムとして、厚み24μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、このフィルムの片面上に下記aの組成物を用い、乾燥厚さ5μmの蛍光発光層を設けた。
a 蛍光発光層用組成物
S−Λ希土類錯体(24) 5部
アクリル樹脂 5部
(三菱レーヨン社製『BR−85』)
メチルエチルケトン 20部
トルエン 20部
シクロヘキサノン 10部
ついで下記bの組成物を用い、乾燥厚さ1μmの保護層を、蛍光発光層上に設けた。
b 保護層用組成物
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 8部
(ユニオンカーバイド社製『VAGH』)
ポリウレタン樹脂 2部
(大日本インキ化学工業社製『TS−03』)
メチルエチルケトン 45部
トルエン 45部
さらに、支持体フィルムの蛍光発光層を設けた側とは反対側に、下記cの組成物を用い、粘着性接着剤層を乾燥30μmとなるように形成し、その後、この粘着性接着剤層に接するように離型紙を張り合わせた。そして、得られたフィルムを所定の形状に打ち抜き、識別マーク形成用ラベルを作成した。
c 粘着性接着剤層用組成物
アルキルフェノール樹脂 6部
(荒川化学工業社製『タマノル100S』)
アクリル酸エステル・アクリル酸・酢酸ビニル共重合体 67部
(サイデン化学工業社製『サイビノールSD−102』)
トルエン 26部
イソシアネート系硬化剤 1部
(日本ポリウレタン社製『コロネートL』)
実施例1において、S−Λ希土類錯体(24)の代わりにS−Λ希土類錯体(26)を用いることによって、識別マーク形成用ラベルを得た。
[比較例1]
実施例1において、S−Λ希土類錯体(24)の代わりに下記の蛍光材料dを用いることによって、識別マーク形成用ラベルを得た。
d 蛍光材料(セイシン企業社製 ルミカラー)
(試験項目及び結果)
上記実施例1、実施例2、比較例1の識別マーク形成用ラベルを用いて、ケント紙上に識別マークを形成した。これらの蛍光発光層に関して、日本分光(株)製CPL−200を用いて円偏光発光特性の測定を行った。
(蛍光発光、及びCPL)
図11から図13に実施例1、実施例2、比較例1の蛍光発光スペクトルを示す。実施例1、実施例2、比較例1は、非常によく似た蛍光スペクトルを示しており、また、目視観察においては、これらの発光色の違いを見分けることができなかった。
図14から図16に実施例1、実施例2、比較例1のCPLスペクトルを示す。CPLスペクトルは、蛍光の右円偏光成分と左円偏光成分との非平衡性を示すものであり、この値が0から離れるに従って、蛍光の右円偏光成分と左円偏光成分の強度が異なることを示している。実施例1、実施例2では590nm付近の発光に対応して明確なピークが存在するのに対し、比較例1では、ピークがみられなかった。
(g値)
波長590nmの発光光における右円偏光と左円偏光の強度の測定値より算出されたg値は、実施例1で−0.04、実施例2で−0.05であったのに対して、比較例1では0.01であった。
(識別マークとしての利用)
上記の結果より、590nmの発光光におけるg値を用いて、本特許に開示の識別マークを判別することができる。すなわち、g値の閾値として、絶対値0.03を設定し、これよりも絶対値の大きなg値を示す識別マークを“正”、絶対値の小さなg値を示す識別マークを“偽”とすれば、本発明の判別システムによって、本発明の識別マークと、他の蛍光材料を利用した識別マークとを判別することができ、物品の真贋判定を行うことができる。
本発明の識別マークの判別システムの概念図である。 右円偏光板と左円偏光板を用いる識別マークの判別システムの構成図である。 直線偏光板を回転して右円偏光板と左円偏光板を切り替える識別マークの判別システムの構成図である。 ロックインアンプを用いた識別マークの判別システムの構成図である。 分割された左右円偏光板を用いた識別マークの判別システムの構成図である。 光弾性変調器を用いた識別マークの判別システムの構成図である。 本発明の識別マーク形成用転写箔の断面構成図である。 本発明の識別マーク形成用転写箔を用いて、識別マークを設けた物品の断面構成図である。 本発明の識別マーク形成用ラベルの断面構成図である。 本発明の識別マーク形成用ラベルを用いて、識別マークを設けた物品の断面構成図である。 実施例1の蛍光発光スペクトルである。 実施例2の蛍光発光スペクトルである。 比較例1の蛍光発光スペクトルである。 実施例1のCPLスペクトルである。 実施例2のCPLスペクトルである。 比較例1のCPLスペクトルである。
符号の説明
1 励起光源
2 識別マーク
3 レンズ系
4 波長選択部
5 円偏光分割部
6 光変調部
7 光検出部
8 ロックインアンプ
9 演算部
10 仮支持体フィルム
11 保護層
12 蛍光発光層
13 接着剤層
14 物品
15 支持体フィルム
16 蛍光発光層
17 保護層
18 粘着性接着剤層
19 離型紙
20 右円偏光板
21 左円偏光板
22 λ/4波長板
23 直線偏光板
24 光弾性変調器


Claims (15)

  1. 励起光の照射により、右円偏光成分と左円偏光成分の強度の異なる円偏光性の蛍光を放射する蛍光材料を含んだ識別マークを、物品上に形成し、該識別マークから放射される前記蛍光の特定波長領域の右円偏光成分と、左円偏光成分との強度差を用いて真贋判定を行うことを特徴とする物品の真贋判定方法。
  2. 前記識別マークから放射される蛍光を、右円偏光板または左円偏光板を通して測定することにより、右円偏光成分と左円偏光成分それぞれの強度を求める請求項1に記載の物品の真贋判定方法。
  3. 励起光の照射により、右円偏光成分と左円偏光成分の強度の異なる円偏光性の蛍光を放射する蛍光材料を含む識別マークと、該識別マークに励起光を照射する手段と、前記識別マークより放射された蛍光の特定波長領域の右円偏光成分と、左円偏光成分の強度差の有無を判別する手段とからなる識別マークの判別システム。
  4. 前記識別マークが光学活性部位を持つ希土類錯体を含有する請求項3に記載の識別マークの判別システム。
  5. 励起光の照射により、右円偏光成分と左円偏光成分の強度の異なる円偏光性の蛍光を放射する蛍光材料を含む識別マークであって、該識別マークに励起光を照射する手段と、前記識別マークより放射された蛍光の特定波長領域の右円偏光成分と、左円偏光成分の強度差の有無を判別する手段とからなる識別マークの判別システムに用いられることを特徴とする識別マーク。
  6. 前記蛍光材料が光学活性部位を持つ希土類錯体である請求項5に記載の識別マーク。
  7. 前記識別マークが、励起光の照射により、右円偏光成分と左円偏光成分の強度の異なる円偏光性の蛍光を放射する蛍光材料を含む印刷インキの印刷により設けられていることを特徴とする請求項5または6に記載の識別マーク。
  8. 請求項7に記載の識別マークを形成するための印刷インキ。
  9. 識別マークが、少なくとも光学活性希土類錯体を含有する層と、接着剤層とからなることを特徴とする請求項6に記載の識別マーク。
  10. 請求項9に記載の識別マークを設けるために使用される転写箔であって、仮支持体フィルム上に、光学活性希土類錯体を含有する蛍光発光層、及び接着剤層をこの順に積層したことを特徴とする転写箔。
  11. 請求項9に記載の識別マークを設けるために使用されるラベルであって、支持体フィルム上の一方の側に、光学活性希土類錯体を含有する蛍光発光層を有し、他方の側に接着剤層を有することを特徴とするラベル。
  12. 請求項5から8及び9のいずれか1項に記載の識別マークがその表面の少なくとも一部分に設けられたことを特徴とする物品。
  13. 前記物品がカードであることを特徴とする請求項12記載の物品。
  14. 前記物品が有価証券であることを特徴とする請求項12記載の物品。
  15. 前記物品が紙幣であることを特徴とする請求項12記載の物品。
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