JP4505283B2 - 屋根置き設備の設置装置、その支持部材及び止め具 - Google Patents

屋根置き設備の設置装置、その支持部材及び止め具 Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池モジュール、温水器のような屋根置き設備を金属板による横葺屋根上に設置し、安定的に維持するための設置装置に関する。
この種の設置装置は、屋根置き設備が載りかつ固定される支持部材と、この支持部材を屋根葺き金属板に固定する止め具とから構成される。屋根置き設備と支持部材との結合及び支持部材と止め具との結合は代表的にはボルト・ナットによるが、止め具の屋根への固定には、通常、ネジ釘が使用される。
特開2000−129868号公報 特開平11−200565号公報 特開平09−184264号公報
金属板による横葺屋根において、金属板の折り重ね部が屋根の傾斜方向(前後方向)を横切る方向(横方向)へ伸び、横葺屋根上に屋根置き設備を設置しようとするとき、この横方向へ伸びる金属板の折り重ね部が利用される。その代表的な1例は、止め具を金属板の折り重ね部に差し込んで野地板に達するネジ釘で固定するものである。この釘打ちに似た例は、豪雪地帯における雪止め構造にも見られる。
止め具により屋根に固定される支持部材には、該支持部材と屋根置き設備とのボルト結合のために、一定の間隔でボルト穴が設けられねばならないが、作業の効率と組立精度の観点から可能な限り現場作業を廃し、予め工場でボルト穴を設けることが好ましい。屋根置き設備と支持部材はいずれも工場製品であり、予め両者の結合のためのボルト穴を設けておくことは勿論可能なことである。
しかし、横葺屋根における金属板の折り重ね部の間隔や設置する屋根置き設備の種類又は同じ種類における規格が変わるたびに、支持部材に異なる径や間隔のボルト穴を設けることは、作業上面倒なことであり、その寸法誤差は施工トラブルの元となり、高コストにつくという問題がある。また、支持部材を屋根に固定するためのネジ釘の使用は、金属板の熱伸縮、積雪荷重、風圧等による屋根漏水を招くことから、漏水防止策の如何に関わらず施主への心理的不安を解消しにくいという問題がある。
したがって、本発明は、ネジ釘によらないで止め具を屋根に固定し、この止め具により支持部材を屋根に固定することにより雨漏りの問題を解決すると共に、支持部材にボルト穴に代わる1又は2以上のスロットを設け、支持部材の止め具に対する相対的な動きを可能とすることにより、上記作業性及びコストの問題を解決するものである。
上記の問題を解決する本発明は、太陽電池モジュール、温水器のような屋根置き設備を金属板による横葺屋根上に設置するための装置であり、この装置は、前記屋根置き設備が載る、それぞれがコの字型の横断面形状を有する複数の支持部材と、該支持部材を前記横葺屋根に固定する複数の止め具とを含み、各支持部材はコの字の縦部分に相当する部分にその長手方向へ伸びる1つ又は間隔を置いて設けられた複数のスロットを有し、前記止め具は、前記金属板の折り重ね部を受け入れかつこれを挟持する屋根結合部と、該屋根結合部に連結された、長穴を有する支持板と、該長穴に通されたボルトとナットの組立体とを有する部材結合部とを備え、前記長穴は、使用時、前記支持部材に設けられた前記スロットと同じ方向に伸び、また前記長穴の長さは前記スロットの間隔より大きいことを特徴とする。
前記長穴の長さは、前記スロットの間隔と前記ボルトの直径の2倍との和に等しいことがより好ましく、また、前記スロットの間隔と前記ボルトの直径の2倍との和より大きいことがさらに好ましい。
前記スロットは一定の長さを有する。スロットは、また、互いに異なる長さを有してもよい。支持部材は、その端部にスロットに隣接して設けたスリットを有してもよい。
また、太陽電池モジュール、温水器のような設備を屋根に設置するための装置に用いるコの字の横断面形状を有する支持部材は、コの字の縦部分に相当する部分にその長手方向へ伸びる1つ又は間隔を置いて設けられた複数のスロットを有する。この支持部材は、端部に前記スロットに隣接して設けられたスリットを有することができる。
さらに、太陽電池モジュール、温水器のような設備を金属板による横葺屋根に設置するための装置に用いる支持部材の止め具は、前記金属板の折り重ね部を受け入れかつこれを挟持する屋根結合部と、該屋根結合部に連結された支持板及びボルト・ナット組立体を有する支持部材結合部とを備える。前記結合部は、ベース部と、該ベース部と一体の可動部と、前記ベース部と前記可動部との間に前記金属板の折り重ね部を受け入れたときこれを前記ベース部と前記可動部とにより挟持すべく、該可動部を前記ベース部に圧するボルト・ナットとを有する。
本発明によれば、ネジ釘によらない止め具により支持部材を屋根に固定することにより、雨漏りのおそれを全く無くしたほか、支持部材にボルト穴に代わるスロットを設け、かつ支持部材の止め具に対する相対的な動きを可能としたことにより、横葺屋根における金属板の折り重ね部の間隔、支持部材に載る屋根置き設備の種類、その規格等の変更に容易に対応することができ、支持部材の製作、現場への搬入、設置作業の効率が改善され、製作及び設置作業のコストを低減することができる。
図1を参照するに、野地板(図示せず)上において金属板10の折り重ね部12が横方向に伸びる横葺屋根14の一部と、該屋根上に設置された太陽電池モジュール16の一部とが示されている。
太陽電池モジュール16は、複数の支持部材18上に載り、該支持部材により横葺屋根14上に支持されている。太陽電池モジュール16は複数のボルト・ナット20により支持部材18に固定され、該支持部材は複数の止め具22により横葺屋根14に固定されている。
支持部材18は、コの字型の横断面形状を有し、コの字の縦部分に相当する部分にその長手方向へ伸びるスロット24を有する(図2〜5)。スロット24は、打ち抜きにより、1つ又は間隔を置いて複数設けることができる。スロット24の数が1つであれば任意の位置での太陽発電モジュール16と支持部材18とのボルト止めに最も有利であるが、必要な部材剛性を確保するのためには、その数が2以上(すなわちスロット間の非打ち抜き部が2以上)あることが好ましい。スロット24の長さは互いに等しくすることも(図2)、また互いに異ならせることもできる(図3)。また、作業上の便宜のために、単一又は複数のスロットに隣接して、支持部材18の両端部のそれぞれにスリット26を形成することもできる(図4、5)。図示しないが、支持部材18の一端部にのみスロットに隣接したスリットを形成してもよい。
図6に示すように、支持部材18を横葺屋根14に固定する止め具22は、金属板10の折り重ね部12を受け入れかつこれを挟持する屋根結合部28を備える。また、止め具22は、屋根結合部28に連結された、長穴30を有する支持板32と、この長穴30に通されたボルト・ナットの組立体34を有する部材結合部36とを備える。支持板32には支持部材18が載り、ボルト・ナット組立体34は支持板32と支持部材18とを連結する(図1)。支持板32は、支持部材18と同じコの字型の横断面形状を有し、該支持部材を受けたときこれを頂面と2つの側面で安定的に支持する。
屋根結合部28は、両側部に立ち上がり部分を有するベース部38と、該ベース部と一体に形成され、通常該ベース部に対して間隔を維持している可動部40と、止め具22と横葺屋根14との結合のために、両部38,40間に屋根板10の折り重ね部12(図1)が受け入れられたとき、これを両部間に挟持すべく、可動部40をベース部38に向けて圧するボルト・ナット42とを備える。ベース部38の立ち上がり部分は該ベース部に剛性を与える。
図6に示す部材結合部36の支持板32に設けられた長穴30は、図1に示す止め具22の使用時、支持部材18に設けられたスロット24と同じ方向に伸びる。長穴30の長さは、スロット24の間隔(s)より大きい。これにより、ボルト・ナット20は支持部材18のどこにおいても、間隔(s)にわたる非打ち抜き部に妨げられることなく、太陽電池モジュール16と支持部材18とを結合することができる。また、長穴30の長さは、スロットの間隔(s)とボルト・ナット組立体34のボルト34bの直径の2倍との和に等しいことが好ましい。これにより、ボルト・ナット20は支持部材18のどこにおいても、より支障なく、太陽電池モジュール16と支持部材18とを結合することができる。さらに、長穴30の長さは、スロットの間隔(s)とボルト34bの直径の2倍との和より大きいことがより好ましい。これにより、ボルト・ナット20は支持部材18のどこにおいても、確実に支障なく、太陽電池モジュール16と支持部材18とを結合することができる。
支持板32の一方の側でボルト34bの頭部に回り止めを形成し、その軸部にリングのような長穴からの抜け止めを固定することにより、ボルト34bを長穴30内で移動できるが、長穴から抜け落ちることもなく、また回転することもないように保持することができる。
同様に、作業上の便宜のために、太陽電池モジュール16と支持部材18とを結合するボルト・ナット20のボルトに回り止めを施すことが好ましい。
本発明に係る設置装置により金属板横葺屋根上に太陽電池モジュールを設置した例を示す部分斜視図。 本発明に係る設置装置を構成する支持部材の1例を示す平面図。 本発明に係る設置装置を構成する支持部材の他の例を示す平面図。 本発明に係る設置装置を構成する支持部材のさらに他の例を示す平面図。 本発明に係る設置装置を構成する支持部材のさらに他の例を示す平面図。 本発明に係る設置装置を構成する止め具の1例を示す斜視図。
符号の説明
10 金属板
12 折り重ね部
14 横葺屋根
16 太陽電池モジュール
18 支持部材
20 (太陽電池モジュールと支持部材とを結合する)ボルト・ナット
22 止め具
24 スロット
26 スリット
28 屋根結合部
30 長穴
32 支持板
34 (支持部材と止め具とを結合する)ボルト・ナット組立体
36 部材結合部
38 ベース部
40 可動部
42 ボルト・ナット

Claims (6)

  1. 太陽電池モジュール、温水器のような屋根置き設備を金属板による横葺屋根上に設置するための装置であって、
    前記屋根置き設備が載る、それぞれがコの字型の横断面形状を有する複数の支持部材と、該支持部材を前記横葺屋根に固定する複数の止め具とを含み、
    各支持部材はコの字の縦部分に相当する部分にその長手方向へ伸びる1つ又は間隔を置いて設けられた複数のスロットを有し、
    前記止め具は、前記金属板の折り重ね部を受け入れかつこれを挟持する屋根結合部と、該屋根結合部に連結された、長穴を有する支持板と、該長穴に通されたボルトとナットの組立体とを有する部材結合部とを備え、
    前記長穴は、使用時、前記支持部材に設けられた前記スロットと同じ方向に伸び、また前記長穴の長さは前記スロットの間隔より大きい、屋根置き設備の設置装置。
  2. 前記長穴の長さは前記スロットの間隔と前記ボルトの直径の2倍との和に等しい、請求項1に記載の設置装置。
  3. 前記長穴の長さは前記スロットの間隔と前記ボルトの直径の2倍との和より大きい、請求項1に記載の設置装置。
  4. 前記スロットは一定の長さを有する、請求項1に記載の設置装置。
  5. 前記スロットは互いに異なる長さを有する、請求項1に記載の設置装置。
  6. 前記支持部材は前記スロットに隣接して設けられたスリットを有する、請求項1に記載の設置装置。
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