以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、この発明の一実施の形態である実施の形態1の構造物設置支持装置の外観を示す斜視図である。図1において、この構造物設置支持装置100は、複数の固定具としての一方の支持金具101および他方の支持金具102と、支持具としての縦取付金具103とを備える。
一方の支持金具101および他方の支持金具102は、支持金具側部105に、縦取付金具103を固定するための固定部を含み、固定部は丸穴としての絞りタップ106が形成された部分を有する。すなわち、絞りタップ106において、支持金具側部105には絞り穴が形成されている。この絞り穴の内側にタップ加工が施され螺刻されており、螺杆(ネジ棒)で螺着できるようになっている。
縦取付金具103は、第一の固着部と第二の固着部とを含む。第一の固着部は、縦取付金具の一方の端部108において一組の対向する縦取付金具側部107に形成され、丸穴としての第一の支持金具固定穴109が形成された部分を有する。第二の固着部は、縦取付金具の他方の端部110において一組の対向する縦取付金具側部107に形成され、長穴としての第二の支持金具固定穴112が形成された部分を有する。また、縦取付金具103の上面には、横桟取付溝113が形成され、縦取付金具103の長手方向と交差するように横桟が取付けられる。
第一の固着部が有する第一の支持金具固定穴109において、支持具としての縦取付金具103は、複数の固定具のうちの一つである一方の固定具としての一方の支持金具101の固定部が有する丸穴としての絞りタップ106と、縦取付金具側部107と垂直な方向を回動軸方向として、一方の支持金具101に対し、相対的に回動可能に結合される。また、第二の固着部が有する第二の支持金具固定穴112において、支持具としての縦取付金具103は、複数の固定具のうちの他の一つである他方の固定具としての他方の支持金具102の固定部が有する丸穴としての絞りタップ106と、締着部材としてのボルト111により締着される。
より具体的には、一方の支持金具101における支持金具側部105の外側と、縦取付金具103における縦取付金具側部107の内側とが、相互に対向するように配置し、好ましくは互いの側部が密接している。そして、ボルト104を第一の支持金具固定穴109を貫通させ、一方の支持金具101に形成された絞りタップ106に捩じ込む。これにより縦取付金具103は、第一の支持金具固定穴109と絞りタップ106とを貫通して挿入されるボルト104により軸支される。回動軸方向としてのボルト104が挿入される方向は、縦取付金具側部107を含む平面とほぼ垂直であればよい。これを、縦取付金具103の両側の側部において行なうことにより、ボルト104を軸として、縦取付金具103は一方の支持金具101に対して相対的に回動可能に支持される。また、一方の支持金具101と縦取付金具103とは当接するような形状でも構わない。たとえば、一方の支持金具101と縦取付金具103との相対的な回動運動を妨げないように、支持金具側部105の形状は、上部の一部が円弧状に切り落とされて上端部を有するように成形され、支持金具側部105の上端部と縦取付金具103の内側背面部(縦取付金具103の上面内側、すなわち、横桟取付溝113が形成される面の、屋根の上に設置するとき野地板と対向する側)とが部分的に当接するのが好ましい。部分的に当接することにより、一方の支持金具101の縦取付金具103を支持する箇所がボルト104と当接箇所とに分散されるため、より堅固に取り付けが可能となる。また、一方の支持金具101と縦取付金具103とは相対的に回動可能に結合されればよいため、ボルト104を用いる他に、たとえば、ピンを貫通させて軸支する、縦取付金具側部107に形成した凸部と支持金具側部105に形成した凹部とを嵌合する、などの方法によって、結合することができる。
そして、他方の支持金具102における支持金具側部105の外側と、縦取付金具103における縦取付金具側部107の内側とが、相互に対向するように配置し、好ましくは互いの側部が密接している。そして、締着部材としてのボルト111を第二の支持金具固定穴112を貫通させ、他方の支持金具102に形成された絞りタップ106に捩じ込む。このとき、第二の支持金具固定穴112は、縦取付金具103の長手方向に沿って伸びる長穴である。そのため、ボルト111が第二の支持金具固定穴112を貫通する位置を、長穴である第二の支持金具固定穴112の範囲において、任意に調整することができる。換言すると、第二の支持金具固定穴112は、締着部材としてのボルト111により他方の支持金具102と締着され得る締着部位を複数有し、他方の支持金具102と縦取付金具103とが最適な配置となる締着部位を、複数の締着部位から任意に選択して、他方の支持金具102と縦取付金具103とを締着固定することができる。これを、縦取付金具103の両側の側部において行なうことにより、縦取付金具103は第二の支持金具固定穴112の範囲内で、他方の支持金具102に固定される。このとき、他方の支持金具102と縦取付金具103とは密接するのが好ましい。また、他方の支持金具102と縦取付金具103とは、たとえば図1に示すボルト111および絞りタップ106のように、着脱可能な部材で挟持して互いに結合され固定されるのが好ましい。また、第二の固着部が有する複数の締着部位から、他方の支持金具102と縦取付金具103とが最適な配置となる締着部位を選択できればよい。そのため、第二の支持金具固定穴112は、縦取付金具103の長手方向に対して傾斜して形成されてもよい。またたとえば第二の固着部が、複数の丸穴が形成された部分を有していてもよく、湾曲する長穴が形成された部分を有していてもよく、複数の長穴が平行にまたは交差して形成された部分を有していてもよい。
次に、構造物設置支持装置100を用いて、傾斜角度の異なる複数の野地板を備える屋根の上側に構造物を取付ける例について説明する。図2は、図1に示す構造物設置支持装置100を屋根の上側に複数設置した実施形態を示す模式図であり、水平面に対する野地板の傾きの角度である傾斜角度が一定角度で変化する円弧を描くドーム型の屋根に設置する場合の例である。図2において、屋根の流方向に軒側から頂上部へ順に、野地板121、野地板122、野地板123および野地板124が設置されている。野地板121〜124は、たとえば、流方向寸法910mm、流方向と直交する桁行方向寸法1820mmのものを用いることができる。また、野地板121〜124は、それぞれ屋根頂上部に向かって水平面に対して、たとえば5度ずつ減少した傾斜角度を呈している。そして、図2において、野地板121〜124には、屋根の流方向に、構造物設置支持装置100が3台設置されている。構造物設置支持装置100は、たとえば、長手方向寸法1085mmのものを用いることができる。またそれぞれの構造物設置支持装置100は、隙間をもって配置されている。それぞれの構造物設置支持装置100には、構造物としてのパネル130、たとえば太陽電池モジュールが設置固定されている。以下、屋根の流方向に軒側から頂上部へ向かって順に、1段目、2段目および3段目の構造物設置支持装置と称する。
図3は、図2に示す1段目の構造物設置支持装置を示す模式図である。また図4は、図2に示す2段目の構造物設置支持装置を示す模式図である。図3において、複数の固定具のうちの一つである一方の固定具としての一方の支持金具101が、野地板121に、野地板121に対して垂直な方向に固定される。また、複数の固定具のうちの他の一つである他方の固定具としての他方の支持金具102が、野地板121と傾斜角度の異なる他の野地板である野地板122に、野地板122に対して垂直な方向に固定される。屋根の仕上げ材である曲面を有する屋根材120は野地板によって支えられ、曲面の屋根面を形成している。屋根材120は、たとえば金属製とすることができる。屋根材120は、一方の支持金具101が野地板121に固定される位置において、一方の支持金具101を野地板121に固定するための、たとえばボルトなどの部材によって、貫通穴が形成される。他方の支持金具102が野地板122に固定される位置においても、同様に貫通穴が形成される。支持具としての縦取付金具103は、複数の固定具、すなわち一方の支持金具101と他方の支持金具102とによって担持されており、構造物としてのパネル130を固定支持する。縦取付金具103は第二の支持金具固定穴112が形成された部分を有しており、第二の支持金具固定穴112は、縦取付金具103の長手方向に沿って伸びる長穴である。すなわち、第二の支持金具固定穴112は、野地板に対してほぼ平行方向に長い横長に形成されている。これにより、他方の支持金具102を、野地板表面の任意の位置を自在に選択して固定することができる。よって、下地である野地板の繋ぎ目の頂部127を避けるように、他方の支持金具102を野地板に固定することが容易となる。縦取付金具103が複数の第二の固着部を含む、すなわち第二の支持金具固定穴112を複数有することにより、野地板表面の任意の位置をより自在に選択して他方の支持金具102を固定することができ、野地板の繋ぎ目の頂部127を避けて他方の支持金具102を野地板に固定することがより容易となる。たとえば図3では、縦取付金具103の長手方向に形成される2箇所の第二の支持金具固定穴112のうち、縦取付金具103の端部側を用いている。また図4では、縦取付金具103の中央寄り側の、第二の支持金具固定穴112を用いている。
架台を固定する固定具、すなわち一方の支持金具101と他方の支持金具102とを、屋根材下方の野地板に対して垂直な方向に固定しつつ、架台の一部である支持具、すなわち縦取付金具103と、支持金具側部105および縦取付金具側部107において設置固定することができる。縦取付金具103に形成される第一の支持金具固定穴109は丸穴形状であり、また第二の支持金具固定穴112は長穴形状であるため、複数の固定具により担持される支持具の一端側において一方の固定具と支持具とを結合した後に、支持具の他端側を揺動可能とし他方の固定具と支持具とを締着する位置に自由度を与えて、固定具と支持具とを設置固定することが可能となる。すなわち、第一の支持金具固定穴109を一方の支持金具101の丸穴形状の絞りタップ106と結合し位置決めした後に、第二の支持金具固定穴112と他方の支持金具102の絞りタップ106とを締着する位置を調整した上で、他方の支持金具102と縦取付金具103とを締着することができる。したがって、構造物設置支持装置100を容易に屋根の上側に取付けることができ、施工性が向上する。また、一方の支持金具101および他方の支持金具102と縦取付金具103とはそれぞれの側部において結合されるので、一方の支持金具101の上面と他方の支持金具102の上面とが同一平面上に揃っていなくても、容易に結合できる。よって、曲面を有する屋根へ容易に構造物設置支持装置100を取付けることができるため、たとえば、曲面を有する屋根へ太陽電池モジュールを適用することが可能となる。その上、他方の支持金具102の野地板への固定位置を任意に選択することにより、野地板の繋ぎ目である頂部127と縦取付金具103との隙間を調整することが可能となる。したがって、屋根曲面に沿ってパネル130を設置することが可能となり、屋根との一体感が得られ美観が向上する。さらに、第一の支持金具固定穴109を基準点として屋根曲面とパネル130との隙間を少なく設定するよう、パネル130の設置角度調整が可能であり、これにより風耐圧が強い設置構造が得られ、耐風性が向上する。
図2および図3において、縦取付金具103は、丸穴としての第一の支持金具固定穴109が形成された部分と、長穴としての第二の支持金具固定穴112が形成された部分とを有しているが、この形状に限られるものではない。構造物設置支持装置が備える支持具と固定具とが、それぞれの側部において相対的に回動可能に結合されれば、曲面を有する屋根へ構造物設置支持装置を容易に取付けることができる。すなわち、固定具は、固定具側部に支持具を固定する固定部を含み、また支持具は、支持具側部において固定具により固定されるものであって、そして複数の固定具は支持具側部と垂直な方向を回動軸方向として、固定部を軸として支持具に対し相対的に回動可能であればよい。これにより、一方の固定具を野地板に、野地板に対して垂直な方向に固定し、また他方の固定具を野地板と傾斜角度の異なる他の野地板に、他の野地板に対して垂直な方向に固定した上で、支持具と一方の固定具とを結合し、また支持具と他方の固定具とを結合して、支持具を設置固定することができる。たとえば、支持具において固定具により固定される部分である第一の固着部と第二の固着部とが、いずれも丸穴が形成された部分を有するように、支持具を成形することができる。また、第一の固着部と第二の固着部とが、いずれも長穴が形成された部分を有するように、支持具を成形することができる。固定具を野地板に固定する位置を自在に選択するためには、支持具は長穴が形成された部分を有するのが好ましい。
次に、構造物設置支持装置100を構成する部品の構造について説明する。図5は、図1に示す支持具、すなわち縦取付金具103の三面図である。図5において、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図をそれぞれ示す。側面図に示されるように、縦取付金具103は、外側にヒレ形状を備えるコの字状に形成される。正面図に示される縦取付金具側部107に、第一の支持金具固定穴109および第二の支持金具固定穴112が形成される。また上面に、横桟取付溝113が形成される。縦取付金具103は、金属板を金型によるプレス成型により製造することができる。また金属板をロールフォーミングして製造することもでき、押出し成型により製造することもできる。素材となる金属板は、構造物設置支持装置100が屋外に設置されることを考慮し、高耐食性を有するものがより好ましい。たとえば、新日本製鐵株式会社のスーパーダイマ(R)のような亜鉛めっき鋼や、ステンレス鋼、アルミニウム合金などを用いることができる。
図6は、図1に示す固定具、すなわち一方の支持金具101および他方の支持金具102の三面図である。図6において、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図をそれぞれ示す。上面図に示される一方の支持金具101および他方の支持金具102の底面、すなわち野地板と接する面には、一方の支持金具101および他方の支持金具102を野地板に固定するためのネジ穴114が2箇所形成されている。また、正面図に示される支持金具側部105に、絞り穴が形成されており、この絞り穴の内側にタップ加工が施され、絞りタップ106を形成している。また、一方の支持金具101および他方の支持金具102が縦取付金具103に取付けられるときに、一方の支持金具101および他方の支持金具102の上部が縦取付金具103の上面に干渉し、一方の支持金具101および他方の支持金具102と縦取付金具103との相対的な回動運動を妨げないように、支持金具側部105の形状は、上部の一部が斜めに切り落とされている。さらに、支持金具側部105の上面から絞りタップ106までの距離は、縦取付金具103における縦取付金具側部107の内側の上部端から第一の支持金具固定穴109および第二の支持金具固定穴112までの距離よりも、小さくなるように成形される。これにより、絞りタップ106と第一の支持金具固定穴109とを結合するボルト104を軸として、縦取付金具103は一定範囲で回動可能に支持される。支持金具側部105の形状は図6に示される形状に限らず、縦取付金具103が一定範囲で回動可能に支持される形状であればよい。たとえば、支持金具側部105の上部を湾曲した頂上部を有する円弧形状とし、支持金具側部105を蒲鉾形状とすることができる。
図7は、図1に示す固定具、すなわち一方の支持金具101および他方の支持金具102の、変形例の正面図および側面図である。図7において、(a)は正面図、(b)は側面図をそれぞれ示す。正面図に示される固定具の底面外側、すなわち野地板と接する面の野地板と接する側に、一方の支持金具101および他方の支持金具102を野地板に固定するための野地板面ネジ止め部との止水を目的として、止水部材115が接着されている。止水部材115は、図7に示すように板状に成形することができ、その場合底面より一回り小さく形成されるのが好ましい。止水部材115の素材は、固定具を野地板にネジ止めすることにより押圧されて、野地板面ネジ止め部を止水できるものであればよく、たとえば、ブチルゴムや発泡EPDM(エチレンプロピレン)ゴムなどを用いることができる。
次に、構造物設置支持方法について説明する。図8は、構造物設置支持方法の概略を示す流れ図である。図8を参照して、構造物設置支持装置100を用いて、傾斜角度の異なる複数の野地板を備える屋根の上側に構造物を取付けるための構造物設置支持方法について説明する。
まず工程(S100)において、野地板に複数の固定具を固定する。この工程においては、たとえば、一方の支持金具101および他方の支持金具102を縦取付金具103に仮組みし、屋根面において野地板の繋ぎ目(頂部127)を避けながら、流方向の位置決めを行なう。次に、一方の支持金具101および他方の支持金具102の設置位置をマークする、流方向の墨出しを行なう。次に、縦取付金具103に固定される横桟が有する長穴の位置を確認し、縦取付金具103と横桟とが固定できる位置に設置されることを確認した上で、たとえば太陽電池モジュールなどの構造物の桁行方向寸法に合わせて、流方向と直交する桁行方向の墨出しを行なう。次に、流方向・桁行方向の墨出し線の交点に、一方の支持金具101および他方の支持金具102を配置し、ネジ止めにより野地板に、野地板に対して垂直な方向に一方の支持金具101および他方の支持金具102を固定する。
次に工程(S200)において、複数の固定具に支持具を固定する。この工程の詳細については後述する。次に工程(S300)において、複数の支持具に桟を架設する。この工程においては、たとえば、一方の支持金具101および他方の支持金具102により固定された縦取付金具103の、T型の横桟取付溝113に、タップ金具をスライドさせて挿入する。その上に横桟を置き、横桟が有する長穴が横桟取付溝113の上にあることを確認し、横桟と縦取付金具103とをボルトで固定し架設する。図1および図5に示す縦取付金具103は2箇所の横桟取付溝113を有しており、軒側の横桟を先に取付ける方が好ましい。軒側の横桟を架設した後に、軒側の横桟に軒側カバーを取付けることもできる。
次に工程(S400)において、桟に構造物を設置支持する。この工程においては、たとえば、構造物としての太陽電池モジュールを、軒側の横桟に係合するように、野地板の表面に対し傾斜した状態で仮置きする。次に太陽電池モジュールの表面が野地板の表面と平行になるように移動させ、棟側の横桟に棟側の太陽電池モジュール辺を係合させて固定する。太陽電池モジュールを固定した後に、棟側の横桟に棟側カバーを取付けることもできる。以上の手順を繰り返すことによって、屋根の上側に構造物を配列させて取付けることができる。
図9は、図8に示す構造物設置支持方法のうち、複数の固定具に支持具を固定する支持具固定工程(S200)の詳細を示す流れ図である。図9を参照して、支持具固定工程(S200)の詳細を説明する。まず工程(S210)において、野地板に固定された複数の固定具に架設するように、支持具を仮置きする。具体的には、野地板に固定された一方の支持金具101および他方の支持金具102に、縦取付金具103を仮置きする。このとき、縦取付金具の一方の端部108が軒側となるように縦取付金具103を設置する。
次に工程(S220)において、一方の固定具と支持具とを結合する。具体的には、一方の支持金具101の、支持金具側部105に形成される絞りタップ106と、縦取付金具103の、縦取付金具側部107における縦取付金具の一方の端部108に形成される第一の支持金具固定穴109とを結合する。絞りタップ106と第一の支持金具固定穴109とは、ボルト104を用いて固定することができる。これにより、縦取付金具側部107と垂直な方向を回動軸方向として、複数の固定具のうちの一つである一方の支持金具101と、支持具としての縦取付金具103とを、相対的に回動可能に結合することができる。
次に工程(S230)において、他方の固定具と支持具とを締着する位置を調整する。具体的には、縦取付金具103の、縦取付金具側部107における縦取付金具の他方の端部110に形成される長穴形状の第二の支持金具固定穴112に対し、他方の支持金具102の支持金具側部105に形成される丸穴形状の絞りタップ106を締着する位置を調整する。第二の支持金具固定穴112は、縦取付金具103の長手方向に沿って伸びる長穴である。すなわち、第二の支持金具固定穴112は、野地板に対して平行方向に長い横長に形成されている。長穴である第二の支持金具固定穴112の範囲において、他方の支持金具102と縦取付金具103とを締着する位置を調整することができる。
次に工程(S240)において、他方の固定具と支持具とを締着する。具体的には、縦取付金具103の、縦取付金具側部107における縦取付金具の他方の端部110に形成される長穴形状の第二の支持金具固定穴112に、ボルト111を貫通させる。そして、他方の支持金具102の支持金具側部105に形成される丸穴形状の絞りタップ106へボルト111を捩じ込み、他方の支持金具102と縦取付金具103とを締着する。
以上説明した構造物設置支持方法により、架台を固定する固定具、すなわち一方の支持金具101と他方の支持金具102とを、屋根材下方の野地板に対して垂直な方向に固定しつつ、架台の一部である支持具、すなわち縦取付金具103と、支持金具側部105および縦取付金具側部107において設置固定することができる。第一の支持金具固定穴109を一方の支持金具101の丸穴形状の絞りタップ106と結合し位置決めした後に、縦取付金具の他方の端部110が揺動可能な状態において、第二の支持金具固定穴112と他方の支持金具102の絞りタップ106とを締着する位置を調整した上で、他方の支持金具102と縦取付金具103とを締着することができる。したがって、構造物設置支持装置100を容易に屋根の上側に取付けることができ、施工性が向上する。また、一方の支持金具101および他方の支持金具102と縦取付金具103とはそれぞれの側部において結合されるので、一方の支持金具101の上面と他方の支持金具102の上面とが同一平面上に揃っていなくても、容易に結合できる。よって、曲面を有する屋根へ容易に構造物設置支持装置100を取付けることができる。その上、他方の支持金具102と縦取付金具103との固定位置を任意に選択することにより、野地板の繋ぎ目である頂部127と縦取付金具103との隙間を調整することが可能となる。したがって、屋根曲面に沿ってパネル130を設置することが可能となり、屋根との一体感が得られ美観が向上する。さらに、第一の支持金具固定穴109を基準点として屋根曲面とパネル130との隙間を少なく設定するよう、パネル130の設置角度調整が可能であり、これにより風耐圧が強い設置構造が得られ、耐風性が向上する。
(実施の形態2)
図10は、この発明の実施の形態2の構造物設置支持装置の外観を示す斜視図である。実施の形態2の構造物設置支持装置と、上述した実施の形態1の構造物設置支持装置とは、基本的に同様の構成を備えている。しかし、実施の形態2では、第二の支持金具固定穴212と、縦取付金具の一方の端部108および縦取付金具の他方の端部110付近が図10に示すような構成となっている点で実施の形態1とは異なっている。
具体的には、図10において、この構造物設置支持装置200は、第二の固着部を含む。第二の固着部は、長穴としての第二の支持金具固定穴212が形成された部分を有し、第二の支持金具固定穴212は、縦取付金具103の長手方向と直交する短手方向に沿って伸びる長穴である。また、支持具としての縦取付金具103は、長手方向の両端部に形成され、複数の縦取付金具103を長手方向に連結する、連結部を含む。すなわち、縦取付金具の一方の端部108に第一の連結部216を含み、縦取付金具の他方の端部110に第二の連結部217を含む。第一の連結部216は、縦取付金具の一方の端部108において縦取付金具側部107に形成され、丸穴が形成された部分を有する。第二の連結部217は、縦取付金具の他方の端部110において縦取付金具側部107から突出するヒレ状の部材であり、丸穴が形成された部分を有する。そして、複数の構造物設置支持装置200が、たとえば屋根の流方向に連設されるとき、第一の連結部216と第二の連結部217とによって、複数の構造物設置支持装置200を互いに連接固定することができる。たとえば、第一の連結部216が有する丸穴の内側に螺刻し、また第二の連結部217が有する丸穴の内側に螺刻し、第一の連結部216が有する丸穴と第二の連結部217が有する丸穴とをボルトによって螺合することで、複数の構造物設置支持装置200を互いに連接固定することができる。
図11は、支持具固定工程の変形例の詳細を示す流れ図である。図11に示す支持具固定工程と、上述した図9に示す支持具固定工程とは、基本的に同様の工程を備えている。しかし、図11に示す支持具固定工程では、図9において工程(S240)に相当する工程が、図11に示すような工程(S241)から工程(S281)となっている点で、図9に示す支持具固定工程とは異なっている。
すなわち、工程(S230)において、他方の固定具と支持具とを締着する位置を調整した後に、他方の固定具と支持具とを締着せずに、工程(S241)において、他方の固定具と支持具とを仮固定する。具体的には、縦取付金具103の第二の支持金具固定穴212と、他方の支持金具102の絞りタップ106とにボルト111を嵌挿し、長穴形状の第二の支持金具固定穴212の範囲内でボルト111を緩やかに仮締着する。
次に工程(S251)において、屋根の流方向に沿って支持具の棟側に、支持具と隣接して設置されるよう、他の支持具を仮置きする。次に工程(S261)において、他の支持具の第一の固着部を固定する。具体的には、図9に示す工程(S210)および工程(S220)と同様の方法を用いることができる。また、構造物設置支持装置200の縦取付金具103が有する第二の連結部217と、構造物設置支持装置200の棟側に隣接設置される他の構造物設置支持装置200の縦取付金具103における縦取付金具側部107とが、互いに干渉しないように、第二の連結部217は内側に湾曲されているのが好ましい。これにより、構造物設置支持装置200の縦取付金具103が有する第二の連結部217の外側面と、構造物設置支持装置200の棟側に隣接設置される他の構造物設置支持装置200の縦取付金具103における縦取付金具側部107の内側面とが、互いに対向する状態で、屋根の流方向に隣接設置される構造物設置支持装置200を配置することができる。
次に工程(S271)において、支持具の第二の連結部と、他の支持具の第一の連結部とを連結する。具体的には、構造物設置支持装置200の縦取付金具103が有する第二の連結部217と、構造物設置支持装置200の棟側に隣接設置される他の構造物設置支持装置200の縦取付金具103が有する第一の連結部216とを、たとえばボルトによる螺合によって、連結固定する。
次に工程(S281)において、他方の固定具と支持具とを締着する。具体的には、工程(S241)において仮固定された、縦取付金具103の第二の支持金具固定穴212と他方の支持金具102の絞りタップ106とに嵌挿されたボルト111によって、他方の支持金具102と縦取付金具103とを締着する。
以上説明した支持具固定工程を備える構造物設置支持方法により、支持具の棟側に形成される第二の連結部と、上記支持具の棟側に連接設置される他の支持具の軒側に形成される第一の連結部とを、ボルトなどで連結し固定することで、より風耐圧が強い構造物設置支持装置が得られる。また、各段の構造物を均等に設置可能であるので整然と配列が行え、より美観が向上する。また、構造物が太陽電池モジュールの場合は、設置屋根面積に対してより効率良く太陽電池モジュールを敷設することが可能となるため、発電量をより増大させることができる。
次に、構造物設置支持装置200を用いて、傾斜角度の異なる複数の野地板を備える屋根の上側に構造物を取付ける例について説明する。図12は、図10に示す構造物設置支持装置200を屋根の上側に複数設置した実施形態を示す模式図であり、傾斜角度が一定角度で変化する円弧を描くドーム型の屋根に設置する場合の例である。図12において、屋根の流方向に軒側から頂上部へ順に、野地板221、野地板222、野地板223、野地板224、野地板225および野地板226が設置されている。野地板221〜226は、たとえば、流方向寸法910mm、流方向と直交する桁行方向寸法1820mmのものを用いることができる。野地板221〜224は、それぞれ屋根頂上部に向かって水平面に対して、たとえば5度ずつ減少した傾斜角度を呈している。野地板221〜224は円弧形状を形成し、また、野地板225〜226は、異なる円弧形状を形成する。野地板224と野地板225との繋ぎ目においては、谷形状が形成される。そして、図12において、野地板221〜226には、屋根の流方向に、構造物設置支持装置200が4台設置されている。構造物設置支持装置200は、たとえば、長手方向寸法1085mmのものを用いることができる。またそれぞれの構造物設置支持装置200は、互いに連結されている。それぞれの構造物設置支持装置200には、構造物としてのパネル230、たとえば太陽電池モジュールが設置固定されている。以下、屋根の流方向に軒側から頂上部へ向かって順に、1段目、2段目、3段目および4段目の構造物設置支持装置と称する。
図13は、図12に示す1段目の構造物設置支持装置を示す模式図である。図14は、図12に示す2段目の構造物設置支持装置を示す模式図である。図15は、図12に示す3段目の構造物設置支持装置を示す模式図である。図16は、図12に示す4段目の構造物設置支持装置を示す模式図である。
図13において、一方の固定具としての一方の支持金具101が、野地板221に、野地板221に対して垂直な方向に固定される。また他方の固定具としての他方の支持金具102が、野地板222に、野地板222に対して垂直な方向に固定される。屋根の仕上げ材である曲面を有する屋根材220は、野地板によって支えられ、曲面の屋根面を形成する。支持具としての縦取付金具103は、複数の固定具、すなわち一方の支持金具101と他方の支持金具102とによって担持されており、構造物としてのパネル230を固定支持する。縦取付金具103は第二の支持金具固定穴212を有し、第二の支持金具固定穴212は、縦取付金具103の長手方向と直交する短手方向に沿って伸びる長穴である。すなわち、第二の支持金具固定穴212は、野地板に対してほぼ垂直方向に長い縦長に形成される。第二の支持金具固定穴212を複数有することにより、野地板表面の任意の位置を自在に選択して他方の支持金具102を固定することができ、下地である野地板の繋ぎ目の頂部227を避けて他方の支持金具102を野地板に固定することが容易となる。たとえば図13では、野地板の繋ぎ目の頂部227が縦取付金具103の中央寄りにあるため、縦長に形成される第二の支持金具固定穴212の中央において、他方の支持金具102と縦取付金具103とを締着している。
また、1段目の構造物設置支持装置200の第二の連結部217と、2段目の構造物設置支持装置200の第一の連結部216とを用いて、1段目の構造物設置支持装置200と2段目の構造物設置支持装置200とを連結している。これにより、複数の構造物設置支持装置200を屋根上に均等に配置することができる。構造物が太陽電池モジュールの場合は、設置屋根面積に対して効率よく太陽電池モジュールを敷設することが可能となるため、発電量を増大させることができる。また、曲面を有する屋根面において、屋根曲面に沿って構造物を設置することが可能となり、屋根との一体感が得られ美観が向上する。さらに、複数の構造物設置支持装置200を一体として固定することにより、互いの構造物設置支持装置200の耐風性がさらに向上する。
図14に示す2段目の構造物設置支持装置200では、野地板の繋ぎ目の頂部227が縦取付金具103の軒側にある。そのため、縦取付金具103の長手方向に4箇所形成される第二の支持金具固定穴212のうち縦取付金具103の中央側を用い、また縦長に形成される第二の支持金具固定穴212の野地板に近接する側において、他方の支持金具102と縦取付金具103とを締着している。
図15では、異なる円弧を形成する野地板224と野地板225との繋ぎ目が、3段目の構造物設置支持装置200の棟側に示されている。図16では、異なる円弧を形成する野地板224と野地板225との繋ぎ目が、4段目の構造物設置支持装置200の軒側に示されている。構造物設置支持装置200を用いることにより、野地板の繋ぎ目の谷部228と、縦取付金具103との隙間を調整しつつ、3段目の構造物設置支持装置200と4段目の構造物設置支持装置200とを連結することが容易に可能である。すなわち、図11に示す支持具固定工程に従って、3段目の構造物設置支持装置200の第二の連結部217と、4段目の構造物設置支持装置200の第一の連結部216とを連結する。そして、縦長に形成される第二の支持金具固定穴212において、他方の支持金具102と縦取付金具103とを締着する位置を調整して、3段目の構造物設置支持装置200において他方の支持金具102と縦取付金具103とを締着する。たとえば、図15においては、縦取付金具103の長手方向に4箇所形成される第二の支持金具固定穴212のうち縦取付金具103の中央から2つ目を用い、また縦長に形成される第二の支持金具固定穴212の中央において、他方の支持金具102と縦取付金具103とを締着している。また、図16においては、縦取付金具103の長手方向に4箇所形成される第二の支持金具固定穴212のうち縦取付金具103の中央から3つ目を用い、また縦長に形成される第二の支持金具固定穴212の野地板に近接する側において、他方の支持金具102と縦取付金具103とを締着している。これにより、3段目の構造物設置支持装置200に設置固定されるパネル230と、4段目の構造物設置支持装置200に設置固定されるパネル230とを、いずれも屋根曲面に沿って設置しつつ、3段目の構造物設置支持装置200と4段目の構造物設置支持装置200とを連結することができる。
なお、異なる円弧を形成する曲面屋根への設置においては、野地板の繋ぎ目の谷部228を基点とし、軒側および棟側にそれぞれ構造物設置支持装置200を配列するのが好ましい。
(実施の形態3)
図17は、この発明の実施の形態3の構造物設置支持装置の外観を示す斜視図である。実施の形態3の構造物設置支持装置と、上述した実施の形態2の構造物設置支持装置とは、基本的に同様の構成を備えている。しかし、実施の形態3では、一方の支持金具101と他方の支持金具102とが図17に示すような構成となっている点で実施の形態2とは異なっている。
具体的には、図17において、この構造物設置支持装置300は、一方の支持金具101と他方の支持金具102とを備える。一方の支持金具101は、支持金具側部105の一部を切り開き形成されるヒレ部318を含む。ヒレ部318は、一方の支持金具101の底面、すなわち野地板と接する面と、同一平面に形成される。ヒレ部318は、一方の支持金具101が含む一組の対向する支持金具側部105の両方において、形成される。またヒレ部318は、一方の支持金具101を野地板に固定するためのネジ穴314を有する。他方の支持金具102においても、同様に2箇所のヒレ部318が形成される。
図18は、図17に示す固定具、すなわち一方の支持金具101および他方の支持金具102の三面図である。図18において、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図をそれぞれ示す。正面図において、支持金具側部105の一部が切り開かれている。そして、上面図に示すように、支持金具側部105の切り開かれた部分が、底面と同一平面上においてヒレ部318を形成する。ヒレ部318は、固定具を野地板に固定するためのネジ穴314を有する。
図17に示す、一方の支持金具101と他方の支持金具102とを野地板へ固定するためのネジ穴314を支持金具側部105の外側に形成する、構造物設置支持装置300を用いることにより、予め支持具に固定具を取付ける構造物設置支持方法が可能となる。
図19は、固定具および支持具固定工程の他の変形例の詳細を示す流れ図である。図19を参照して、構造物設置支持装置300を用いる場合の構造物設置支持方法の一例について説明する。この方法を用いる場合は、図8に示す工程(S100)において説明した方法を用いて屋根面の流方向・桁行方向の墨出しを行なう。その後、図19に示す、固定具および支持具固定工程が実施される。
図19において、まず工程(S230)において、他方の固定具と支持具とを締着する位置を調整する。具体的には、縦取付金具103の、縦取付金具側部107における縦取付金具の他方の端部110に形成される長穴形状の第二の支持金具固定穴212に対し、他方の支持金具102の支持金具側部105に形成される丸穴形状の絞りタップ106を締着する位置を調整する。
次に工程(S241)において、他方の固定具と支持具とを仮固定する。具体的には、縦取付金具103の第二の支持金具固定穴212と、他方の支持金具102の絞りタップ106とにボルト111を嵌挿し、長穴形状の第二の支持金具固定穴212の範囲内でボルト111を緩やかに仮締着する。
次に工程(S150)において、一方の固定具を野地板に固定する。具体的には、流方向・桁行方向の墨出し線の交点に、一方の支持金具101を配置し、ネジ止めにより野地板に、野地板に対して垂直な方向に固定する。
次に工程(S210)において、支持具を仮置きする。具体的には、縦取付金具103を、野地板に固定された一方の支持金具101と、縦取付金具103に仮固定されている他方の支持金具102とによって架設されるように、縦取付金具103を屋根面に仮置きする。このとき、縦取付金具の一方の端部108が軒側となるように縦取付金具103を設置する。
次に工程(S220)において、一方の固定具と支持具とを結合する。具体的には、一方の支持金具101の、支持金具側部105に形成される絞りタップ106と、縦取付金具103の、縦取付金具側部107における縦取付金具の一方の端部108に形成される第一の支持金具固定穴109とを結合する。この状態では、縦取付金具側部107と垂直な方向を回動軸方向として、一方の支持金具101と縦取付金具103とは相対的に回動可能に結合されている。
次に工程(S160)において、他方の固定具を野地板に固定する。具体的には、他方の支持金具102を、ネジ止めにより野地板に、野地板に対して垂直な方向に固定する。このとき、ネジ穴314を支持金具側部105の外側に形成しているため、他方の支持金具102と縦取付金具103とが工程(S241)の仮締着により一体となっていても、他方の支持金具102を容易に野地板に固定することができる。
次に工程(S281)において、他方の固定具と支持具とを締着する。具体的には、工程(S241)において仮固定された、縦取付金具103の第二の支持金具固定穴212と他方の支持金具102の絞りタップ106とに嵌挿されたボルト111によって、他方の支持金具102と縦取付金具103とを締着する。
以上説明した通り、構造物設置支持装置300を用いることにより、予め支持具に他方の固定具を取付ける構造物設置支持方法が可能となる。よって、屋根上での墨出し回数を減少できる。すなわち、他方の支持金具102を配置する位置を墨出しにより決定する必要がなくなる。したがって、屋根上での設置作業を軽減することができるので、より効率的な構造物設置支持方法を提供することができる。
なお、これまでの説明においては、支持具と固定具とを、また固定具と野地板とを、ボルトを用いて締着する例を述べているが、たとえばビスを用いて鋲着することもできる。また、野地板の寸法は、流方向寸法910mm、桁行方向寸法1820mmが標準であるが、これ以外の寸法の野地板を有する屋根に対しても、支持具の長手方向寸法を調整することによって、この発明の構造物設置支持装置を適用することが可能である。また、構造物としてパネル状の太陽電池モジュールを例に挙げているが、構造物はこの形態に限られず、たとえば太陽光集熱装置、表示装置または発光装置であってもよい。
そして、構造物設置支持装置の長手方向を屋根の流方向に沿って配置する形態に限られず、たとえば屋根の桁行方向に傾斜角度の異なる複数の野地板を備える屋根にも適用可能である。また、傾斜角度の異なる複数の野地板を備える屋根の上側に構造物を取付ける例を述べているが、平面屋根の上側に構造物を取付ける場合にも適用可能である。さらに、屋根の上側に構造物を取付ける場合に限られず、たとえば天井から構造物を釣支する場合、または壁面に構造物を保持する場合にも、この発明の構造物設置支持装置を適用することが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 構造物設置支持装置、101 一方の支持金具、102 他方の支持金具、103 縦取付金具、104 ボルト、105 支持金具側部、106 絞りタップ、107 縦取付金具側部、108 縦取付金具の一方の端部、109 第一の支持金具固定穴、110 縦取付金具の他方の端部、111 ボルト、112 第二の支持金具固定穴、113 横桟取付溝、114 ネジ穴、115 止水部材、120 屋根材、121,122,123,124 野地板、127 頂部、130 パネル、200 構造物設置支持装置、212 第二の支持金具固定穴、216 第一の連結部、217 第二の連結部、220 屋根材、221,222,223,224,225,226 野地板、227 頂部、228 谷部、230 パネル、300 構造物設置支持装置、314 ネジ穴、318 ヒレ部。