JP4504825B2 - 災害時誘導システム、災害時誘導方法およびプログラム - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態の災害時誘導システムの構成を示すブロック図の例である。図1に示すように、本実施形態の災害時誘導システム1は、温度・圧力・光などの物理量やそれらの変化量を検出し、適切な信号に変換し、ゲート5の通信部51を介してサーバ7に送るセンサノード2、個人の識別情報である入場者情報を保持し、また必要に応じて音声出力などを行う出力部を有するICタグ3、建物に入場する人の識別情報であると同時に、個人情報が格納されている入場者情報を入力し、入力された入場者情報をICタグ3の記憶部31に記録すると共に、入場者情報をサーバ7に送るICタグ発行装置4、ICタグ3の入場者情報を読み取ることで、人の移動を検出し、またセンサノード2からの信号を受信し、サーバ7に送るゲート5、建物内に設置され、サーバ7が算出した避難経路に従った表示を行う表示器6、センサノード2からの情報、ICタグ3からの情報などを基に避難経路の算出などを行うサーバ7、センサノード2の建物内の位置、ゲート5の建物内の位置などの災害誘導情報が格納されたデータベース8、データベース8に情報を入力する端末9を含んで構成される。
センサノード2は、温度・圧力・光などの物理量やそれらの変化量を検出する素子であるセンサ21、センサ21からの出力値を監視し、センサ21の出力値が異常を示しているか否かを監視する監視部22、センサノードIDなどの情報を保持する記憶部23、サーバ7からの要求に応じ、センサ21の出力値に対する各種の演算を行い、センサ21からの出力値、あるいはセンサ21の出力値に対する各種の演算の結果とセンサノードIDを対応付ける演算部24、ゲート5との通信を行う通信部25を含んで構成される。
ICタグ3は、ICタグに一意の識別情報であるICタグIDと、個人の入場者情報を含んだ情報などを対応付けて保持する記憶部31、必要に応じて音声などの出力を行う出力部32、ゲート5、ICタグ発行装置4との通信を行う通信部33を含んで構成される。なお、出力部32は省略することも可能である。
ICタグ発行装置4は、例えばキーボードなどで構成された建物への入場者の個人情報などを入力する入力部42、入力部42によって入力された入場者情報をICタグ3の記憶部31に格納する記録部41、そしてICタグ3、サーバ7との通信を行う通信部43を含んで構成される。
ゲート5は、ICタグ3(すなわち、ICタグ3を携帯した人)がゲート5を通過したか否かを監視する監視部54、ICタグ3がゲート5を通過したときにICタグ3の記憶部31に格納されている入場者情報を読み取り、ゲート5の記憶部53に格納されているゲートIDと対応付けるICタグ情報読取部52、前記したゲートIDなどの情報が格納されている記憶部53、センサノード2、ICタグ3、およびサーバ7との通信を行う通信部51を含んで構成される。
表示器6は、サーバ7が算出した避難経路に従って表示を行う表示部62、サーバ7との通信を行う通信部61を含んで構成される。
サーバ7は、データベース8への情報の入力を行う入力部72、各種の演算、比較、照合、取得、算出などを行う演算部73、各種の判定、取得を行う判定部74、ゲート5、ICタグ発行装置4、表示器6などとの通信を行う通信部71を含んで構成される。
センサノード2の建物内の位置や、ゲート5の建物内の位置などを含んだ建物情報や、前記した入場者情報、後記するエリア情報などを含んだ災害誘導情報が格納されている。
データベース8に、前記した各種の情報を入力する入力部91を含んで構成されている。
図2は、エリア情報の例を示す図である。図2に示すように、エリア情報は、各エリアに付された番号であるエリアID、そのエリア内に現在存在する人の人数であるエリア内人数、出口を有するエリアには、その出口が許容できる人数、例えば単位時間当たりに出口を通過できる人の量である最大許容人数が含まれる。さらに、エリア情報は、そのエリア内にいる人が携帯しているICタグ3のICタグID、エリア内に存在するゲート5のIDであるゲートID、エリア内に存在する表示器6のIDである表示器ID、エリア内に存在するセンサノード2のIDであるセンサノードID、エリア内に存在する出口のIDである出口IDが含まれる。
それぞれの出口、部屋の出入り口には、ゲート5が設けられている。ゲート5は、2つのアンテナで1対となっている。建物100は、ゲート5を基準としたエリアであるエリアA1からエリアA25に分けられている。これらのエリアには、エリアIDが付されており、エリアの建物100内の配置とエリアIDは、例えば図5のような形で、それぞれ対応付けられて、CADデータとして建物情報に格納されている。このCADデータには、図示しない寸法などの情報も格納されている。図5の破線は、エリアの境界線を示している。なお、図5から図8、および図17から図22において、破線はエリアの境界線を示すことととする。エリアの分け方は後記する。
なお、本実施形態では、建物100は1階建てを例としているが、多層階建てとしても、階段やエレベータを出口の一種とみなすことで、本発明を実施することができる。また、多層階建てとした場合は、階ごとに、エリアIDを付してもよいし、建物100全体に対し、エリアIDを通しで付してもよい。
図9は、本発明の災害時誘導システムの処理の流れを示すフローである。
次に、ゲート5の監視部54は、ゲート5をICタグ3(すなわち、ICタグ3を携帯した人)が通過したか否かを判定する(S102)。判定の詳細は、後記する。ゲート5を通過したICタグ3がないときは(S102→No)、ステップS104へ処理を進める。ゲート5をICタグ3が通過したときは(S102→Yes)、ステップS103へ処理を進める。
ステップS103では、人の移動の検出が行われる。詳細は、図11を参照して後記する。
そして、ステップS107では、ステップS106、具体的には後記する図12のステップS406から第1の所定時間後に、サーバ7の演算部73が、各センサノード2からセンサ21の出力値(β)とセンサノードIDを取得し、取得した各センサ21の出力値(β)とセンサノードIDとステップS105で取得した建物情報を基に、避難経路の決定が行われる。詳細は、図13を参照して後記する。
次に、サーバ7の判定部74は、ステップS105でサーバ7の演算部73が取得した建物情報と、ステップS109で算出した火災の拡大方向、拡大速度を取得し、所定時間以内に火災が到達するおそれのあるエリア、もしくはゲート5が存在するか否かを判定する(S110)。具体的には、建物情報の建物の寸法と、火災の拡大方向、拡大速度を用いて、所定時間以内に火災が到達するエリア、もしくはゲート5が存在するか否かを判定する。所定時間以内に、火災が到達するおそれのあるエリア、もしくはゲート5が存在しないときは、ステップS112へ処理を進める(S110→No)。所定時間以内に、火災が到達するおそれのあるエリア、もしくはゲート5が存在する場合は(S110→Yes)、サーバ7の判定部74がそのエリアのエリアID、もしくはゲート5のゲートIDを特定し、サーバ7の演算部73に送る。
次に、避難経路の変更が行われる(S111)。詳細は、図15を参照して後記する。
そして、表示器6による避難経路の表示が行われる(S112)。詳細は、後記する。
次に、ゲート5の監視部54は、ゲート5をICタグ3が通過したか否かを判定する(S113)。ゲート5を通過したICタグ3がないときは(S113→No)、ステップS115へ処理を進める。ゲート5をICタグ3が通過したときは(S113→Yes)、ステップS114へ処理を進める。ステップS113の処理は、ステップS102の処理と同一である。
ステップS114では、人の移動の検出が行われる。詳細は、図11を用いて後記する。
次に、サーバ7の判定部74は、一連の処理の結果に基づき、建物内に人が残っているか否かを、各エリアのエリア情報のエリア内人数を参照することによって判定する(S116)。その結果、建物内に人が残っている場合は(S116→Yes)、ステップS108へ処理を戻す。建物内に人が残っていない、すなわち全てのエリア情報内のエリア内人数が0であれば(S116→No)、避難は完了しているので処理を終了する。
次に、適宜図1、図9を参照しつつ、図10を参照して図9のステップS101の各種情報の入力の処理を詳細に説明する。
図10は、各種の情報の入力の流れを示すフローである。
まず、サーバ7、あるいは端末9のキーボードなどで構成された入力部72,91によって、建物情報と、ICタグID以外のエリア情報がデータベース8に入力される(S201)。
次に、適宜図1、図9を参照しつつ、図11を参照して図9におけるステップS102のゲート5をICタグ3が通過したか否かの判定の処理、ステップS103、およびステップS114の人の移動の検出の処理を詳細に説明する。
まず、ステップS102の処理を説明する。ゲート5の監視部54は図示しないアンテナから無線電波を送信している。この無線電波は、ゲート5間を通過したときのみICタグ3が受信できるような指向性に調節されている。ICタグ3がゲート5を通過すると、ゲート5からの無線電波をICタグ3の図示しないアンテナが受信し、その電波エネルギによりICタグ3が起動する。そして、起動したICタグ3は図示しないアンテナからゲート5に対し、ICタグ3の記憶部31に格納されている所定のデータ(本実施形態では、入場者情報)を、ICタグ3の通信部33、ゲート5の通信部51を介して、ゲート5の監視部54に返信することで、ゲート5の監視部54はICタグ3を携帯した人の通過を判定する。
ゲート5によって、ICタグ3の通過が判定されると、ICタグ3が通過したゲート5のICタグ情報読取部52が、ゲート5の監視部54から、ICタグ3によって返信された入場者情報を取得する(S301)。次に、ゲート5のICタグ情報読取部52は、ICタグ3が通過したゲート5の記憶部53からゲートIDを取得し、取得し入場者情報とゲートIDを対のデータとして、ゲート5の通信部51、サーバ7の通信部71を介して、サーバ7の演算部73へと送る(S302)。
図17は、本発明の一実施形態を示す図であり、建物100内の人の様子を模式的に示した図である。
そして、図18は、本発明の一実施形態を示す図であり、建物100内の人の様子をデータとして示した模式図である。図18に示すように、コンピュータにおいて、建物100内の各人の位置はエリア内にいる人の人数として、認識される。実際には、データベース8内のエリア情報のエリア内人数によって、図18の情報は管理されることになる。
まず、最初に建物100内には、エリアA1に1人、エリアA2に1人、エリアA3に2人、エリアA7に1人、エリアA11に1人、エリアA12に3人、エリアA13に2人、エリアA14に1人、エリアA19に2人、エリアA20に1人、エリアA24に1人、エリアA25に1人の人がいたとする。このうち、エリアA12にいたICタグT1(ICタグ3)を携帯した人H1が、ゲートG17を通過して、エリアA12からエリアA11へ移動したとする。
ゲート5によって、ICタグT1の通過が判定されると、ICタグT1が通過したゲートG17のICタグ情報読取部52が、ゲートG17の監視部54から、ICタグT1によって返信された入場者情報を取得する(S301)。次に、ゲートG17のICタグ情報読取部52は、ICタグT1が通過したゲートG17の記憶部53からゲートIDを取得し、さらに取得し入場者情報とゲートIDを対のデータとして、ゲートG17の通信部51、サーバ7の通信部71を介して、サーバ7の演算部73へと送る(S302)。
次に、適宜図1、図9を参照しつつ、図12を参照して図9におけるステップS106の火災発生地域の特定の処理を詳細に説明する。
図12は、火災発生地域の特定の処理の流れを示すフローである。
ステップS104で、センサノード2の監視部22から指示を受けたサーバ7の演算部73は、建物内の全てのセンサノード2(以下、各センサノード2と記す)の演算部24に対し、各センサ21の出力値(α)と各センサノードIDを取得して、記憶し、さらにサーバ7の演算部73へ送るよう、サーバ7の通信部71、ゲート5の通信部51、センサノード2の通信部25を介して指示する。そして、各センサノード2の演算部24は、各センサノード2のセンサ21の出力値(α)とセンサノード2の記憶部23からセンサノードIDを取得して、記憶する(S401)。
次に、図9のステップS105でサーバ7の演算部73が取得した建物情報のセンサノード2の配置とセンサノードIDと、ステップS403で取得した最も大きな出力値を示したセンサノードIDとを照合する(S404)。サーバ7の演算部73は、ステップS403で取得した最も大きな出力値を示したセンサ21が属しているセンサノードIDをもつセンサノード2付近を火災発生地域と特定し、火災発生地域のエリアIDをデータベース8から取得する(S405)。
次に、サーバ7の演算部73が、ステップS405で取得したエリアIDを、図9のステップS105で記憶した避難経路の候補から削除する(S406)。
図19は、本発明の一実施形態を示す図である。
図19において、建物100内の人は図示しないこととする。なお、本実施形態では、センサノード2に含まれているセンサ21は温度センサとする。温度センサの最大出力値は、例えば100、センサノード2の監視部22が、異常を検知する閾値は、例えば50であり、これ以上の出力値を異常とすることとする。
次に、サーバ7の演算部73が、取得した各センサ21の出力値(α)を比較し、最も大きな出力値を示しているセンサ21のセンサノードIDを取得する(S403)。本実施形態では、センサノードSN33のセンサ21からの出力値が最も大きかったとする。
次に、図9のステップS105でサーバ7の演算部73が取得した建物情報のセンサノード2の配置とセンサノードIDと、ステップS403で、取得した最も大きな出力値を示したセンサ21が属するセンサノードIDとを照合する(S404)。例えば、データベース8に建物情報のセンサノード2の配置とセンサノードIDが、図8の形で、入っているとすると、センサノードSN33は、エリアA3の図8に示す位置に位置しており、サーバ7の演算部73は、この付近を火災発生地域と特定し、火災発生地域のエリアすなわちエリアA3のエリアIDをデータベース8から取得する(S405)。次に、サーバ7の演算部73はエリアA3のエリアIDを、ステップS105で記憶した避難経路の候補から削除する(S406)。
次に、適宜図1、図9、図12を参照しつつ、図13を参照してステップS107の避難経路の決定の処理を詳細に説明する。
図13は、避難経路の決定の処理の流れを示す図である。
まず、図12のステップS406の処理から第1の所定時間後に、サーバ7の演算部73は各センサノード2の演算部24に、各センサ21の出力値とセンサノードIDを各センサ21と各センサノード2の記憶部23から取得して記憶するよう、サーバ7の通信部71、ゲート5の通信部51、センサノード2の通信部25を介して指示する。指示を受けた各センサノード2の演算部24は、各センサ21の出力値(β)とセンサノード2の記憶部23からセンサノードIDを取得、記憶する(S501)。そして、各センサノード2の演算部24は、サーバ7の演算部73へ、取得した各センサ21の出力値(β)とセンサノードIDを対のデータとしてセンサノード2の通信部25、ゲート5の通信部51、サーバ7の通信部71を介して送る。
次に、ステップS503で取得したエリアIDをステップS105で記憶した避難経路の候補から削除する(S504)。
図20は、本発明の一実施形態を示す図である。
なお、本図では建物100内の人は、図示しないものとする。
図12のステップS406の処理から第1の所定時間後に、火災は図19に示す状態から図20に示す状態に拡大したとする。図20のエリアA3における斜線部は、火災地域を示す。
このとき、サーバ7の演算部73は各センサノード2(図8に示すセンサノードSN11からセンサノードSN258)の演算部24に、各センサ21の出力値(β)とセンサノードIDを各センサ21とセンサノード2の記憶部23から取得して記憶するよう、サーバ7の通信部71、ゲート5の通信部51、センサノード2の通信部25を介して指示する。指示を受けた各センサノード2の演算部24は、サーバ7の演算部73へ各センサ21の出力値(β)とセンサノード2の記憶部23からセンサノードIDを取得、記憶する(S501)。そして、センサノード2の演算部24は、取得した現在の各センサ21の出力値(β)とセンサノードIDを対のデータとして、センサノード2の通信部25、ゲート5の通信部51、サーバ7の通信部71を介して送る。
ステップS503で取得したエリアIDをステップS105で記憶した避難経路の候補から削除する(S504)。本実施形態では、エリアA3のエリアIDが、ステップS105で記憶した避難経路の候補から削除されることになるが、エリアA3は、図19に示す実施形態において、既に避難経路の候補から削除されているので、ここでは何も実行しない。
次に、適宜図1、図9、図12を参照しつつ、図14を参照して図9のステップS109における火災の拡大方向、拡大速度の算出の処理を詳細に説明する。
図14は、火災の拡大方向、拡大速度の算出の処理の流れを示すフローである。
まず、サーバ7の演算部73は、図9のステップS105でサーバ7の演算部73が取得した建物情報と、図9のステップS108で、サーバ7の判定部74が特定し、サーバ7の演算部73へ送った新たに異常値を示したセンサ21が属するセンサノード2のセンサノードIDとを照合する(S601)。具体的には、建物情報のセンサノード2の配置とセンサノードIDの情報と、ステップS108で特定したセンサノードIDを照合する。
次に、サーバ7の演算部73は、ステップS601の照合結果と、図12のステップS404、もしくは1ループ前のステップS601の結果(後記するS604の結果)を照合して、火災の拡大方向を算出し(S602)、続いて火災の拡大速度を算出し(S603)、算出した火災の拡大方向と拡大速度を、サーバ7の判定部74へ送る。さらに、サーバ7の演算部73が、現在の各センサ21の出力値とセンサノードID、さらにステップS601の結果を次のループにおける火災の拡大方向、拡大速度の算出のために記憶する(S604)。火災の拡大方向は、新たに異常値を示したセンサ21が属するセンサノード2の位置と、第2の所定時間前に異常値を示していたセンサ21が属するセンサノード2の位置を比較することで特定でき、拡大速度は第2の所定時間以内に、拡大方向に向かって、いくつのセンサノード2のセンサ21が新たに異常値を示したかによって算出することができる。また、所定時間以内に、拡大方向に対する1つ分のセンサノード2間の距離が格納されている建物情報のセンサノード2の配置とセンサノードIDの情報からセンサノード2間の距離を参照することによって、火災の拡大速度を算出してもよい。
次に、適宜図1、図9を参照しつつ、図15を参照して避難経路の変更の処理を詳細に説明する。
図15は、避難経路の変更の処理の流れを示すフローである。
まず、サーバ7の演算部73は、図9のステップS110でサーバ7の判定部74から送られたエリアIDとゲートIDを、所定時間以内に火災が到達するおそれのあるエリア、もしくはゲート5のエリアID、ゲートIDとして記憶する(S701)。
さらに、サーバ7の判定部74は、データベース8から建物情報を取得し、ステップS701で記憶したエリア、あるいはゲート5を通らないと避難できないエリアがあるか否かを判定する(S702)。具体的には、サーバ7の判定部74が、図9のステップS110で特定したエリアから最も近い出口までの経路を建物情報のエリアと出口の配置とエリアIDと出口IDから検索し、特定する。図9のステップS110で特定したエリア、ゲート5を通らないと避難できないエリアが存在しない場合は、ステップS705へ処理を進める(S702→No)。ステップS110で特定したエリアとゲート5を通らないと避難できないエリアが存在する場合は、そのエリアとゲート5を特定し、ステップS703へ処理を進める(S702→Yes)。
次に、サーバ7の演算部73が、残ったエリアとゲート5を基に避難経路を変更する(S705)。
図21は、本発明の一実施形態を示す図であり、図19から第2の所定時間後の建物100の様子を示した図である。図20から図21にかけて、火災は拡大していないものとする。
なお、本図では建物100内の人は、図示しないものとする。
前記したステップS406の処理から所定時間後に、各センサノード2(図8に示すセンサノードSN11からセンサノードSN258)の演算部24は、各センサ21の現在の出力値と、センサノードIDをセンサノード2の通信部25、ゲート5の通信部51、サーバ7の通信部71を介して、サーバ7の演算部73とサーバ7の判定部74へ送る。サーバ7の判定部74は、図12のステップS401でサーバ7の演算部73が取得した第2の所定時間前の各センサ21の出力値(α)と、取得した現在の各センサ21の出力値を比較し、新たに異常値を示したセンサ21を有するセンサノード2が存在するか否かを判定し(S108)、サーバ7の演算部73へ結果を送る。本実施形態では、新たに異常値を示したセンサノード2のセンサ21は、センサノードSN31,SN32,SN35,SN36のセンサ21であることを、サーバ7の判定部74が特定し(S108→Yes)、サーバ7の演算部73へ送った。
次に、サーバ7の演算部73は、図9のステップS105でサーバ7の演算部73が取得した建物情報と、図9のステップS108で、サーバ7の判定部74が特定した新たに異常値を示したセンサノード2のセンサノードIDとを照合する(S601)。具体的には、建物情報のセンサノード2の配置とセンサノードIDの情報と、ステップS108で特定したセンサノードIDを照合する。
本実施形態では、エリアA8がエリアA9、ゲートG13とゲートG14を避難経路から削除されると、非難できなくなるおそれがあるエリアとして特定された(S702→Yes)。
次に、サーバ7の判定部74が、ステップS702で特定したエリアのエリア情報を、データベース8から取得し、そのエリア情報のエリア内人数を検索することによって、ステップS702で特定したエリア内に人がいるか否かを判定する(S703)。本実施形態では、図示しない人がエリアA8にいるとする(S703→Yes)。よって、サーバ7の判定部74は、ステップS704の結果をサーバ7の演算部73へ送り、サーバ7の演算部73はステップS702で特定したエリアにおける避難経路は保持しておく処理を行う(S704)。具体的には、ステップS701において所定時間以内に火災が到達するおそれのあるエリア、もしくはゲート5としてサーバ7の演算部73に記憶されているエリアIDとゲートIDから、エリアA9とゲートG13,G14のエリアIDとゲートIDを削除する。本実施形態では、エリアA8の避難経路、すなわちエリアA9とゲートG13そしてゲートG14における避難経路は保持する。すなわち、エリアA9と、ゲートG13,G14は、ステップS701でサーバ7の演算部73が記憶した避難経路からの削除対象から外す。
次に、サーバ7の演算部73が、残ったエリアとゲート5を基に避難経路を変更する(S705)。例えば、図21の矢印で示す避難経路である。図20とは、エリアA2の矢印が消えていること、エリアA2からエリアA1に向かうゲートG3上の矢印が消えていること、エリアA7の矢印が反対方向をむいていること、エリアA14からエリアA15に向かう矢印が消えていることが挙げられる。
次に、適宜図1、図6、図9、図13および図15を参照しつつ、図9のステップS112における表示器による避難経路の表示の説明を行う。
サーバ7の演算部73は、各表示器IDごとに図13のステップS507、もしくは図15のステップS705で決定、もしくは変更した避難経路を表示するような、各表示器6(図6の表示器D11から表示器D254)の表示を決定し、サーバ7の通信部71、各表示器6の通信部61を介して、決定した表示を行うよう各表示器6の表示部62に指示する。各表示器6の表示部62は、サーバ7の演算部73からの指示に従って、避難経路を示すように表示を行う(S112)。
次に、適宜図1、図2、図9を参照しつつ、図16を用いて、図9のステップS115における建物内の人の分散の処理の流れを詳細に説明する。
図16は、建物内の人の分散の処理の流れを示すフローである。
まず、サーバ7の判定部74が、データベース8から出口を有する(図2のエリア情報に出口IDは格納されている)エリアのエリアIDを取得し、そのエリアIDをキーとしてエリア情報を取得する。サーバ7の判定部74は、取得した出口を有するエリアのエリア情報に格納されているエリア内人数と、最大許容人数を比較し、エリア内人数が最大許容人数を超えている(エリア内人数>最大許容人数)出口を有するエリアが存在するか否かを判定する(S801)。現在のエリア内人数が最大許容人数を超えている出口を有するエリアが存在しない場合は、建物内の人の分散の処理を終了し、ステップS116に処理を進める(S801→No)。現在のエリア内人数が最大許容人数を超えているエリアが存在する場合は、ステップS802に処理を進め(S801→Yes)、エリア内人数が最大許容人数を超えているエリアのエリア情報をサーバ7の演算部73に送る。
そして、サーバ7の演算部73が、現在避難経路となっているエリアの内、出口を有するエリアについて、エリア情報のエリア内人数が最大許容人数を超えておらず、かつ建物情報のエリアと出口の配置とエリアIDと出口IDを基に火災地域と特定されているエリアからの距離が所定値以上であり、かつステップS801で特定したエリアから所定距離以内の出口を有するエリアを検索し、特定する(S802)。
図22は、本発明の一実施形態を示す図である。
図22は、図21で示した時刻での、人の分布状態を示した図である。図22に示すように、エリアA11に20人、エリアA20に15人の人がいたとする。他に、エリアA8に図示しない人がいる。そして、エリア出口E2(エリアA11)の最大許容人数は10人、出口E3(エリアA20)の最大許容人数は8人、出口E7(エリアA18)の最大許容人数は5人、出口E8(エリアA24)の最大許容人数は8人、出口E9(エリアA25)の最大許容人数は10人であったとする。
サーバ7の判定部74が、データベース8から出口を有するエリア(エリアA1,A2,A3,A4,A10,A11,A17,A18,A20,A24,A25)のエリア情報を取得する。サーバ7の判定部74は、取得した出口を有するエリアのエリア情報に格納されているエリア内人数と、最大許容人数とを比較し、エリア内人数が最大許容人数を超えている出口を有するエリアが存在するか否かを判定した結果、エリアA11とエリアA20が最大許容人数を超えていることを判定した(S801→Yes)。サーバ7の判定部74は、エリアA11とエリアA20のエリア情報をサーバ7の演算部73に送る。
次に、サーバ7の演算部73が、現在避難経路となっている全てのエリア(エリアA2,A3以外の全てのエリア)のエリア情報をデータベース8から取得する。
本実施形態では、火災時における災害時誘導システム1として、センサノード2を構成するセンサ21に、温度センサを用いたが、これに限らず、煙センサと温度センサとを組み合わせる、もしくは温度センサを用いずに煙センサを用いてセンサノード2を構成することも可能であり、この場合も本実施形態と同様の処理を行うことで、実施することが可能である。
このような構成とすることで、安全性をより高めることができる。
このような構成とすることで、災害の規模に応じた避難経路の特定や、災害の規模をICタグ3の出力部32を通じて、建物内の人に伝達することが可能となる。
また、本実施形態では、エリア情報において、出口IDと窓IDを同じ情報として格納しているが、別の情報として格納し、出口と窓の間に避難出口としての優先順位を付してもよい。
2 センサノード
3 ICタグ
4 ICタグ発行装置
5 ゲート
6 表示器
7 サーバ
8 データベース
9 端末
22 センサノードの監視部
24 センサノードの演算部
31 ICタグの記憶部
52 ICタグ情報読取部
53 ゲートの記憶部
54 ゲートの監視部
73 サーバの演算部
74 サーバの判定部
Claims (7)
- 個人に携帯され一意な識別情報を無線による読み取り可能なように格納すると共に、情報を無線で受信して、前記個人に報知する識別手段と、
前記識別手段の通過を検知し、前記識別手段の識別情報を取得する識別情報検知手段と、
災害の発生により変化する所定の物理量を検出する建物内に配置された複数の物理量検出手段と、
前記物理量検出手段の建物内の配置に関する情報と、前記識別情報検知手段の建物内の配置に関する情報と、建物に関する情報と、前記識別情報を含む前記個人に関する情報と、前記建物を区分したエリアにおける許容人数に関する情報と、エリア内の人数であるエリア内人数に関する情報と、が格納されたデータベースと、
前記物理量検出手段から前記物理量を取得し、前記データベースから前記物理量検出手段の建物内の配置に関する情報を取得し、この取得した情報を基に、建物内における災害区域を特定する手順、
前記識別情報検知手段から前記識別情報を取得し、前記データベースから前記識別情報検知手段の建物内の配置に関する情報を取得し、この取得した情報を基に、建物内の前記識別手段の位置を特定する手順、
前記データベースから前記建物に関する情報を取得し、
前記災害区域、前記建物内の識別手段の位置、および前記建物に関する情報を基に避難経路を算出する手順、
前記データベースに格納された前記許容人数と、該当するエリアにおける前記エリア内人数とを比較し、前記エリア内人数が前記許容人数より大きい場合、前記データベースに格納された前記個人に関する情報を基に、該当するエリアにいる人物から前記エリア内人数が前記許容人数以下である避難エリアへ移動する人物を選択し、前記選択された人物が携帯している前記識別手段を、前記個人に関する情報に含まれる前記識別情報を基に決定し、前記決定した識別手段に対して前記避難エリアへの移動を指示する手順を実行する情報処理手段とを含んで構成すること、
を特徴とする災害時誘導システム。 - 前記情報処理手段は、
前記災害区域を特定する手順を繰り返して実行することで災害の拡大方向を特定する手順、
前記建物内の識別手段の位置を特定する手順を繰り返して実行することで前記識別手段の位置の変化を特定する手順、
および前記災害の拡大方向と、前記識別手段の位置の変化と、前記建物に関する情報とを基に、避難経路を算出する手順を実行することを特徴とする請求項1に記載の災害時誘導システム。 - 前記情報処理手段は、
前記災害区域を特定する手順を繰り返して実行することで災害の拡大速度を特定する手順、
前記建物内の識別手段の位置を特定する手順を繰り返して実行することで前記識別手段の位置の変化を特定する手順、
および前記災害の拡大速度と、前記識別手段の位置の変化と、前記建物に関する情報とを基に、避難経路を算出する手順を実行することを特徴とする請求項1に記載の災害時誘導システム。 - 個人に携帯され一意な識別情報を無線による読み取り可能なように格納すると共に、情報を無線で受信して、前記個人に報知する識別手段と、
前記識別手段の通過を検知し、前記識別手段の識別情報を取得する識別情報検知手段と、
災害の発生により変化する所定の物理量を検出する建物内に配置された複数の物理量検出手段の建物内の配置に関する情報と、前記識別情報検知手段の建物内の配置に関する情報と、建物に関する情報と、前記識別情報を含む前記個人に関する情報と、前記建物を区分したエリアにおける許容人数に関する情報と、エリア内の人数であるエリア内人数に関する情報と、が格納されたデータベースと、
避難経路を算出する情報処理手段とを備えて構成される災害時誘導システムにおける災害時誘導方法であって、
前記情報処理手段が、
前記物理量検出手段から前記物理量を取得し、前記データベースから前記物理量検出手段の建物内の配置に関する情報を取得し、この取得した情報を基に建物内における災害区域を特定する手順と、
前記識別情報検知手段から前記識別情報を取得し、前記データベースから前記識別情報検知手段の建物内の配置に関する情報を取得し、この取得した情報を基に、建物内の前記識別手段の位置を特定する手順と、
前記データベースから前記建物に関する情報を取得し、
前記災害区域と、前記建物内の識別手段の位置と、前記建物に関する情報とを基に前記避難経路を算出する手順と、
前記データベースに格納された前記許容人数と、該当するエリアにおける前記エリア内人数とを比較し、前記エリア内人数が前記許容人数より大きい場合、前記データベースに格納された前記個人に関する情報を基に、該当するエリアにいる人物から前記エリア内人数が前記許容人数以下である避難エリアへ移動する人物を選択し、前記選択された人物が携帯している前記識別手段を、前記個人に関する情報に含まれる前記識別情報を基に決定し、前記決定した識別手段に対して前記避難エリアへの移動を指示する手順と、を含んで実行すること
を特徴とする災害時誘導方法。 - 前記情報処理手段が、
前記災害区域を特定する手順を繰り返して実行することで災害の拡大方向を特定する手順と、
前記建物内の識別手段の位置を特定する手順を繰り返して実行することで前記識別手段の位置の変化を特定する手順と、
前記災害の拡大方向と、前記識別手段の位置の変化と、前記建物に関する情報とを基に、避難経路を算出する手順とを、さらに含んで実行することを特徴とする請求項4に記載の災害時誘導方法。 - 前記情報処理手段が、
前記災害区域を特定する手順を繰り返して実行することで災害の拡大速度を特定する手順と、
前記建物内の識別手段の位置を特定する手順を繰り返して実行することで前記識別手段の位置の変化を特定する手順と、
前記災害の拡大速度と、前記識別手段の位置の変化と、前記建物に関する情報とを基に、避難経路を算出する手順とを、さらに含んで実行することを特徴とする請求項4に記載の災害時誘導方法。 - コンピュータに、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の災害時誘導方法を実行させるプログラム。
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