図1は本発明の一実施形態に係る内視鏡用可撓管の製造装置の概略的平面図であり、図2は同じくその製造装置の概略的正面図であり、また、図3は同じくその製造装置の概略的側面図である。
この内視鏡用可撓管の製造装置1は、図4に示す如く、外皮を被覆した可撓管2を保持する可撓管保持具(保持装置)3の搬入口4と、予備加熱炉5と、前記搬入口4に投入された可撓管保持具3を予備加熱炉5に送り込む搬送コンベア装置6と、可撓管2を炉内で加熱処理する加熱炉7と、可撓管保持具3を加熱炉7内の各タクト位置に移送する、いわゆるウオーキングビーム方式の搬送装置8と、前記加熱炉7内で可撓管保持具3を回転させる回転装置9(図2参照)と、前記加熱炉7から搬出口11に繰り出された可撓管保持具3を前記搬入口4側へ回収するための戻し(回収)コンベア装置12と、前記搬入口4と前記戻しコンベア装置12の末端部分の間にわたり設けられた第1の自動昇降装置(作業者側昇降装置)13と、前記加熱炉7の搬出口11と前記戻しコンベア装置12の基端部分の間にわたり設けられた第2の自動昇降装置(作業方向変換用昇降装置)14を備える。
図4に示すように、前記搬入口4と前記予備加熱炉5の間には前記予備加熱炉5の入り口を遮断するシャッタ(扉)16が設けられている。前記予備加熱炉5と前記加熱炉7の間には加熱炉7の入り口用遮断シャッタとしての中間遮断シャッタ(扉)17が設けられている。また、前記加熱炉7の搬出口11には出口遮断シャッタ(扉)18が設けられている。
さらに、前記加熱炉7の搬出口11の外側で、前記第2の自動昇降装置14の上部に続く上方の領域は前記第2の自動昇降装置14や前記戻しコンベア装置12を設置した装置内に形成される冷却域とも通じる、外部に開放される空間19となっており、この空間19の外部に通じる出口にはその開口を開閉する回動式の遮蔽シャッタ20が設置されている。この遮蔽シャッタ20は図示しない駆動モータ等により操作されて回動し、前記空間19の出口を開閉し、空間19を外部から遮断したり、開放したりするようになっている。
図1および図2に示すように、本装置本体の上部には予備加熱炉5のヒータ部21及び前記予備加熱炉5内に熱風を送り込み、その熱風を予備加熱炉5内で循環させる送風機を備えた熱風循環装置22が設けられている。
図5に示すように、前記加熱炉7の加熱室内は、この加熱炉7内に設置する前記内視鏡用可撓管の長手方向に沿ってその加熱炉7内の空間を直列に複数の空間領域に概念的に分けられている。つまり、加熱炉7の横幅方向で複数、ここでは4つの加熱領域23a,23b,23c,23dの空間ブロックに分けられている。各加熱領域23a,23b,23c,23dは機械的に区分されるものではない。つまり、各加熱領域23a,23b,23c,23dは空間としては互いに連通している。
また、前記加熱炉7の上部は各領域23a,23b,23c,23dそれぞれに対応した設置スペースが複数の仕切り壁24により仕切られており、各設置スペースには、ヒータ部25a及びこのヒータ部25aで熱した熱風を噴出し口25cから加熱炉7内の加熱作業領域へ送り込み、かつその熱風を循環させるための送風機を備えた熱風循環装置25bを含む加熱装置(加熱手段)がそれぞれ別々に設置されている。各領域23a,23b,23c,23d毎の対応する各加熱装置は個別的に駆動制御される。このことにより、加熱炉7内の加熱領域23a,23b,23c,23dを独立して加熱し、各加熱領域23a,23b,23c,23dの加熱温度を個別にコントロールすることができる。各加熱領域23a,23b,23c,23dにはその領域の温度を検出する温度センサー(図示せず)がそれぞれ配置されている。これらの温度センサーによって各領域の温度を検出して図示しない制御手段によって各加熱領域23a,23b,23c,23dの加熱温度をそれぞれ個別的に調節するようになっている。もちろん、各加熱領域23a,23b,23c,23dの温度を関連付けて温度を調節することもできる。
また、図6に示すように、ヒータ部25aを配置した設置スペースには、それぞれ外気導入孔40a,40b,40c,40dが形成され、これらの外気導入孔40a,40b,40c,40dには自動的に制御されるバルブが設けられていて、これらを通じて必要に応じて装置内に外気を導入し、各加熱領域23a,23b,23c,23d内でそれぞれ空気が循環させるようにした外気導入装置を構成している。各加熱領域23a,23b,23c,23d内でそれぞれ空気が循環させると、各加熱領域23a,23b,23c,23d内で温度制御が容易になると共に、各加熱領域23a,23b,23c,23dに温度差を持たすことも容易になる。
次に、上述した可撓管2を保持する可撓管保持具3について、図10及び図11を参照して説明する。前記可撓管保持具3は細長な軸部26と、この軸部26の両端夫々に固定配置された固定側保持板27a,27bと、前記軸部26の一方の端部に軸方向へ摺動自在に配置される移動側保持板28と、同じく前記軸部26の一方の外端部所定位置に固定配置された歯車部(スプロケット)29と、前記軸部26の両端部に配設されて前記軸部26を回転自在に支持する一対の耐熱性を有する回転ローラ30を備え、前記固定側保持板27aの方には前記可撓管2の輪部31が係着されるフック32が複数設けられている。前記移動側保持板28には前記可撓管2の輪部31に係着するフック32を有して前記可撓管2に一定のテンションで荷重を加える負荷調整部33が前記各フック32毎に対応して複数設けられている。
図10に示すように、本実施形態での可撓管保持具3は4本の可撓管2を等間隔で配置して装着するものである。この可撓管保持具3の最大外形寸法となる保持板27a,27bの外径寸法は内視鏡用可撓管の製造装置1の加熱空間の高さ寸法を考慮して例えば200mmに設定してある。
また、図11に示すように、前記負荷調整部33はフック32を一端部に設けた耐熱性を有する引張バネ36と、前記引張バネ36の他端部を係着するバネ配置孔37を備えた細長い棒状の突出長調整棒38を備えてなり、前記突出長調整棒38の外周面には螺旋状の配置位置調整溝39が形成されている。
また、図11に示すように、突出長調整棒38が配置される前記保持板28にはその突出長調整棒38を貫通する孔41と、前記突出長調整棒38の配置位置調整溝39に係入配置され、その突出長調整棒38の突出長を設定する爪部42を有した調整棒保持板43が設けられている。前記孔41は突出長調整棒38の外周部分の径寸法よりもやや大きく形成され、突出長調整棒38の外周部分には配置位置調整溝39が形成されている。このため、前記突出長調整棒38はその孔41に対してスムーズに摺動して、その突出長調整棒38の突出量を容易に変化させ得る。前記調整棒保持板43を固定状態とした図示しない固定手段を解除して前記爪部42を移動し、その爪部42と配置位置調整溝39との係入状態を解除して前記突出長調整棒38を移動させることができる。これにより、フック32の移動側保持板28の端面からの突出寸法を任意に選定することができる。また、前記調整棒保持板43の爪部42を前記配置位置調整溝39に係入配置させた状態で、突出長調整棒38を所望の方向に回転させることによって前記調整棒保持板43の突出寸法の微調整も行える。
上述した2つの調整方法を併用して、前記フック32の位置を適宜変えることによって、一方の固定側保持板27aと、これから遠く離れた移動側保持板28との間に配置された可撓管2の張力を所定の張力状態になるように設定することができる。
図10および図11中で示す符号45は固定用ネジであり、この固定ネジ45を緩めることによって前記移動側保持板28を軸部26に対して移動が可能である。
ここで、前記可撓管保持具3に取り付けて可撓管2に所定の張力を付与するまでの手順について説明する。
まず、可撓管製造工程から可撓管2が廻ってきたらその可撓管2の長さ寸法を確認する。この後、可撓管2の長さ寸法に合わせて移動側保持板28の位置調整を行う。
次に、可撓管2の一端側に設けられている輪部31を前記固定側保持板27aのフック32に引っ掛けて配置するとともに、可撓管2の他端側の輪部31を対応する引張バネ36のフック32に引っ掛ける。このとき、可撓管保持具3に取り付けられた可撓管2はやや弛んだ状態にあるのが普通である。
次いで、可撓管保持具3に引っ掛け配置されている可撓管2に所定の張力を付与する作業を行なう。まず、配置位置調整溝39への調整棒保持板43の爪部42の係入状態を解除し、突出長調整棒38の突出寸法を調整し、前記可撓管2をある程度引っ張った状態にする。その後、調整棒保持板43の爪部42を配置位置調整溝39に係入配置した状態としたまま、突出長調整棒38のみを所望の方向に回転させて突出長調整棒38の突出長さの微調整を行う。これによって、前記可撓管2には所定の張力が付与され、図10に示すように、可撓管2は真っ直ぐな状態で可撓管保持具3に保持される。
以上の如く、可撓管保持具3は、突出長調整棒38の一端部にフック32を有する引張バネ36を配置する一方、この突出長調整棒38の移動側保持板28の端面からの突出長さを変化させることができる。可撓管2の長さ寸法に若干の長短の違いがあっても、可撓管保持具3に取り付けられた可撓管2に所定の張力を付与することができる。
次に、前記可撓管製造装置1の各部の構成について具体的に説明する。図2および図4に示すように、前記可撓管製造装置1の装置本体50には搬入口4から搬入された可撓管保持具3を予備加熱炉5に搬送するための駆動モータ51を備えた搬送コンベア装置と、搬送用駆動モータ53を備えて前記加熱炉7内の可撓管保持具3を各タクト位置に搬送する前記搬送装置8と、前記加熱炉7内で可撓管2を保持した可撓管保持具3を回転させる冶具回転用駆動モータ54(図2参照)を備えた前記回転装置9と、コンベア用駆動モータ57を備えて可撓管保持具3を前記搬入口4側へ戻す前記戻しコンベア装置12と、図示しないエアーシリンダ等によって駆動され、上下動される入り口用上昇保持テーブル61を備えた第1の自動昇降装置(作業者側昇降装置)13と、下降保持テーブル64を備えた第2の自動昇降装置(作業方向変換用昇降装置)14とが設置されている。
前記装置本体50の上部領域には、上述した搬送コンベア装置6、搬送装置8、回転装置9、戻しコンベア装置12、第1の自動昇降装置13、第2の自動昇降装置14等の各装置の動作を制御するための制御部を調整するための操作盤66が設けられている。前記搬送用駆動モータ51、冶具回転用駆動モータ54、コンベア用駆動モータ57、第1の自動昇降装置13および第2の自動昇降装置14を駆動する図示しないエアーシリンダは、いずれも加熱炉5,7の外側に配置されている。
前記入り口遮断シャッタ16、中間遮断シャッタ17および出口遮断シャッタ18はそれぞれエアーシリンダ68a,68b,68cによって個別的に開閉駆動される。図4に示すように、各遮断シャッタ16,17,18は、予備加熱炉5から加熱炉7への搬送方向に順次配置されており、各加熱炉5,7の間を含む各出入り口をそれぞれ開閉するようになっている。
図9に示すように、前記加熱炉7及びこの加熱炉7を挟んだ長手搬送方向の両側部位には可撓管保持具3を担持する左右一対の回転ローラ載置台(以下、ローラ台と略記する)81が複数組設けられている。ここでは、予備加熱炉5の入り口手前部位の一個所と、加熱炉7内に複数、例えば4個所と、加熱炉7の搬出口11の一個所それぞれにローラ台81が設置されている。ここでは、各回転ローラ載置台81は加熱炉7の入り口の手前から加熱炉7の搬出口11の外まで均等な間隔で配置されている。前記各ローラ台81はいずれも上面に略U字形状の凹部82を形成しており、この凹部82に前記可撓管保持具3を構成する左右両端の回転ローラ30がそれぞれ回転自在に載置し得るようになっている。
図7乃至図9に示すように、前記搬入口4には、前記第1の自動昇降装置(作業者側昇降装置)13の上側停止位置から予備加熱炉5の入り口に向かって徐々に下るように傾斜した第1傾斜板83が設けられている。また、図4に示すように、前記戻しコンベア装置12の搬送先端と、前記第1の自動昇降装置13の下側停止位置に位置する上昇保持テーブル61の間にはその上昇保持テーブル61に向かって徐々に下るように傾斜した第2傾斜板84と、前記戻しコンベア装置12によって移動されてきた可撓管保持具3を第2傾斜板84上での移動を停止させる停止板85とが設けられている。
前記可撓管保持具3に可撓管2を取り付ける作業は、前記第1の自動昇降装置13の上昇保持テーブル61上に載置された上側停止位置、つまり、可撓管製造準備位置に可撓管保持具3が停止しているときに行われる。また、前記可撓管2が前記可撓管保持具3に装着された状態で加熱炉7を通過して蛇管と外皮チューブとが熱溶着によって一体になった可撓管2の回収は、前記第1の自動昇降装置13の上昇保持テーブル61上に載置された可撓管保持具3が上側停止位置である可撓管回収位置に停止している状態にあるときに行われる。つまり、本実施形態での可撓管製造装置1では可撓管製造準備位置と可撓管回収位置とが、第1の自動昇降装置13の上昇保持テーブル61が上側停止位置にあるときの位置で同位置である。
また、可撓管2を取り付けた可撓管保持具3は第1の自動昇降装置13の上昇保持テーブル61の上側停止位置から予備加熱炉5及び加熱炉7を経て、前記戻しコンベア装置12の冷却領域を移動して再び作業者側昇降装置62の上側停止位置に戻るルートを通る。そして、可撓管保持具3が第1の自動昇降装置13の上昇保持テーブル61が上側停止位置に戻ってきたとき、この可撓管保持具3に取り付けられていた可撓管2が可撓管として完成する。
前記回転装置9は、図2及び図3に示す回転用駆動モータ54と、この回転用駆動モータ54で回転される駆動側スプロケット71及び従動側スプロケット72と、これらスプロケット71,72に噛合するように掛け渡されたチェーン73とで構成される。そして、回転用駆動モータ54によって駆動側スプロケット71が回転駆動されることによってチェーン73が回転し、従動側スプロケット72を回転させる。
また、図4に示すように、従動側スプロケット72と前記加熱炉7の入り口付近に配置された別の従動側プーリ76との間には駆動用チェーン77が掛け渡されている。この駆動用チェーン77は前記ローラ台81の凹部82に前記可撓管保持具3の回転ローラ30を載置したとき、その可撓管保持具3の歯車部29に噛合するように配置されている。つまり、前記可撓管保持具3の回転ローラ30が前記ローラ台81の凹部82に載置されると、その可撓管保持具3の歯車部29が前記回転装置9のチェーン77に対して噛合する。この噛合状態において、前記回転用駆動モータ54を駆動し、チェーン77を回転させると、このチェーン77の回転と共に前記歯車部29が回転させられ、この歯車部29が固定されている軸部26が一緒に回転する。これによって、前記軸部26に支持されている固定側保持板27a及び移動側保持板28も回転し、前記保持板27a,28の間に所定の張力で引っ張り配置されている可撓管2も一緒に回転する。
また、前記チェーン73は加熱炉7内を通り移動するため、その加熱炉7内で加熱され、使用中に伸びる。最も高い温度で処理するときの伸び量が最も大きくなる。そこで、比較的高い温度、例えば230℃での伸びに合わせて設定している。これは、低い温度の短い方に設定してしまうと、チェーン73が使用中に切断してしまうからである。しかし、それより高い温度で処理するとき、チェーン73が長くなって弛みが生じ、駆動に無理が生じてしまう。この場合も回転異常を起し易い。
そこで、前記回転装置9の回転用駆動モータ54、駆動側スプロケット71及び従動側スプロケット72のユニット74全体を伸縮方向へ移動自在に取り付けると共に、図3に示すように、調整バネ75によって前記ユニットを前記チェーン73が張る向きに移動して前記チェーン73に適切なテンションが常にかかるように構成した。
テンション自動調整装置を設けたので、熱によりチェーン73が伸び縮みしても調整バネ75によって適切な長さに自動的に調整され、チェーン73の回転異常や切断等の不具合が起きない。
このようなテンション自動調整装置としては、ユニット74全体を移動させることなく、従動側スプロケット72または他のスプロケット76を移動させて、チェーン73に張る向きにテンションがかかる方式としても良い。
また、図2に示すように、加熱炉7内で可撓管保持具3を移動させる搬送装置8は、前述した搬送用駆動モータ53で回転される同期軸78と、この同期軸78の両端部所定位置に固設された一対の駆動力伝達部79と、この駆動力伝達部79から伝達される回転駆動力によって後述する保持板91に所定の動作である上下運動(図9中H1に示す)及び平行移動運動(図9中L1に示す)の動きを与える受渡機構として構成されている。すなわち、前記搬送装置8は前記可撓管保持具3の軸部26の一部が載置される凹部89を有した保持部(アーム腕)90を備えた保持具用保持板(以下、保持板と略記する)91と、この保持板91を支持する一対の支持板92とを備えてなり、複数の保持部(アーム腕)90は保持板91の上端に搬送方向にわたり等間隔で設けられている。
この受渡機構は、保持板91を上昇させると、前述した各ローラ台81の凹部82にそれぞれ載置されている可撓管保持具3を、保持部90で持ち上げ、保持板91を水平に移動して可撓管保持具3を別のローラ台81の位置まで運び、その後、保持板91が降下し、そのローラ台81の凹部82に可撓管保持具3をローラ台81に置くことにより、先のローラ台81に移し換えるようになっている。
また、図9に示すように、保持板91に設けられた複数の保持部(アーム腕)90のうちで最初に位置するものは予備加熱炉5内の領域に位置して設けられ、次の4つの保持部90はいずれも加熱炉7内の領域に位置して設けられている。さらに、最後の保持部90には、加熱炉7の搬出口11に位置した1つの保持部91が設けられている。また、合計6つの保持部90はいずれも保持板91と一体化して設けられている。
前記搬送用駆動モータ53により、この受渡機構部の動作を開始させると、図9中の実線に示す位置に待機していた保持板91が上昇を開始し、前記可撓管保持具3の軸部26を保持部90に載せる。この載置状態で保持板91をさらに上昇させる。そして、ローラ台81の凹部82に載置されていた可撓管保持具3の回転ローラ30が凹部82から完全に抜け出た破線に示すH1の高さまで上昇すると、今度は、前記保持板91および支持板92が一点鎖線に示すように加熱炉7の先方へ向けて「L1」だけ平行に移動し、その後、保持板91は降下を開始する。この下降の途中において、隣に配置されているローラ台81の凹部82及び後述する第2の自動昇降装置14における台部材93の凹部94に可撓管保持具3の回転ローラ30を載置する。また、前記保持板91は可撓管保持具3の移し換えが完了した後も、図9の実線で示す位置までさらに降下し、所定の待機位置に達したところで、元の待機位置側へ平行移動して初期位置に戻り、その初期位置に停止する。
すなわち、前記搬送用駆動モータ53が駆動されてから停止するまでの間、前記受渡機構の保持板91は待機位置から上昇移動してローラ台81に載置されている可撓管保持具3を持ち上げ、このローラ台81の先に位置する隣のローラ台81上に可撓管保持具3を平行移動し、その後、降下してそのローラ台81に可撓管保持具3を載置させた後、待機位置に戻る。
このようにして、保持板91は一定の決まった軌跡を描くウオーキングビーム方式により、可撓管保持具3を持ち上げて移動させ、ローラ台81にセット(置く)、待機位置に戻るという1サイクルの作動を行う。この1サイクルの動作は間欠的に繰り返して行なわれる。前記搬送装置8により予備加熱炉5から加熱炉7を出るまで可撓管保持具3は間欠的に順次移動する。
図9に示すように、加熱炉7の搬出口11側、つまり、作業者から遠い位置である反作業者側の部位には前述した第2の自動昇降装置14が設置されている。この第2の自動昇降装置14は下降保持テーブル64を備える。この下降保持テーブル64には前記ローラ台81に形成されている凹部82と略同形状の凹部94を形成した前記台部材93が設けられている。この台部材93の凹部94には前記ローラ台81に載置されていた可撓管保持具3の回転ローラ30が移し換え載置されるようになっている。
そして、この台部材93に前記可撓管保持具3の回転ローラ30が載置された後、この下降保持テーブル64が待機位置である上側停止位置から自動的に下降を開始して下側停止位置まで移動する。この下降保持テーブル64の降下移動の途中において、前記台部材93に載置されている前記可撓管保持具3が、後続の戻しコンベア装置12に送り渡たされる。前記可撓管保持具3が前記戻しコンベア装置12に渡された後に前記下降保持テーブル64が上昇を開始して台部材93が、再び受け取り待機位置に戻り、その位置で次の動作まで待機する。
また、図4に示すように、前記戻しコンベア装置12は、前記コンベア用駆動モータ57と、このコンベア用駆動モータ57で回転される駆動側プーリ95と、従動側プーリ96と、これらのプーリ95,96に掛け渡されたチェーン状のコンベア部97とを含み構成されている。そして、この戻しコンベア装置12はコンベア部97の上に前記可撓管保持具3の例えば軸部26の両端部を載置して搬送する。したがって、コンベア部97上に載置された可撓管保持具3は前記駆動側プーリ95が回転駆動されることにより、そのコンベア部97の回転移動に伴って第1の自動昇降装置13側へ移る。前記可撓管保持具3は、前述した停止板85に当接するまで移送されが、停止板85に当って停止し、そこで、第1の自動昇降装置13の受け取りを待つ。
図4に示すように、第1の自動昇降装置13は上昇保持テーブル61を有しており、この上昇保持テーブル61は作業者が駆動を促す操作を行ったとき、上側停止位置から下側停止位置、或いはその逆方向へ移動するように構成されている。具体的には、冷却空間に配置された前記戻しコンベア装置12によって移送されてきた可撓管保持具3を第2傾斜板84から受け取り、この可撓管保持具3を上昇保持テーブル61に載せて搬入口4の上側停止位置まで上昇させる。そして、上昇保持テーブル61が上側停止位置に位置したとき、可撓管保持具3を取り外し作業、或いは搬入口4内で前記可撓管保持具3から可撓管2を取り外す作業ができるようになっている。また、前記上昇保持テーブル61を冷却空間に位置する新たな可撓管保持具3を求めて下側の停止位置に向かって降下させることができる。この降下動作を、可撓管保持具3を搬送コンベア装置6に供給するとき、連動して始めるように制御しても良い。
また、本実施形態の可撓管製造装置1では、可撓管保持具3を搬入する際、投入装置を利用して、搬入口4から第1傾斜板83に可撓管保持具3を移動し、前記搬送コンベア装置6に供給する。この投入装置は次のように構成されている。すなわち、図7に示すように、前記上昇保持テーブル61に載置されている可撓管保持具3を前記ローラ台81に向けて移動させるための移動手段となる押し板101を有し、この押し板101は操作軸102に一体的に取り付けられている。前記操作軸102に固設された操作レバー103を作業者が矢印に示すように回転させる操作を行なって押し板101を回動させると、この押し板101が前記可撓管保持具3の例えば軸部26の周面に押し当り、前記可撓管保持具3を第1傾斜板83上に押し出す。そして、可撓管保持具3を第1傾斜板83上に押し出すと、可撓管保持具3の回転ローラ30が第1傾斜板83上を転がって予備加熱炉5の搬送コンベア装置6に送り込まれる。
また、前記搬送コンベア装置6は、図4に示すように、図示しない駆動モータによって回転させられる駆動プーリ105と従動プーリ106に掛け渡した搬送ベルト107によって構成されている。そして、予備加熱炉5の入り口遮断シャッタ16が開いた状態で可撓管保持具3を予備加熱炉5内に搬入し、予備加熱炉5内に前記可撓管保持具3を送り込む。また、予備加熱炉5内に取り込まれた可撓管保持具3は予備加熱炉5内において待機する前記ローラ台81の凹部82に前記可撓管保持具3の回転ローラ30が転がり込み配置される。この後、前記可撓管保持具3が予備加熱炉5内のローラ台81に載置しているものがなくなったときは、前記上昇保持テーブル61が冷却領域に配置されている可撓管保持具3を受け取りに上側停止位置から下側停止位置まで降下する。
前記上昇保持テーブル61が下側停止位置に停止しているとき、この下側停止位置の上昇保持テーブル61上に可撓管保持具3が載置されると、この上昇保持テーブル61が上側停止位置に向かって上昇移動を開始できるようになっている。また、図7に示すように、前記装置の前面には例えば一対のテーブル上昇指示スイッチ110が左右に離れて設置してあり、この複数のテーブル上昇指示スイッチ110を同時に作業者が操作することによって前記上昇保持テーブル61の上昇を開始させることができるようになっている。具体的には、前記上昇保持テーブル61が下側停止位置に停止している状態で、作業者が前記2つのテーブル上昇指示スイッチ110を同時に操作すると、図4に示すところの前記可撓管保持具3が第2傾斜板84に転がり落ちることを停止させていた停止板85の停止状態が解除される。すると、前記可撓管保持具3が第2傾斜板84を自然に転がって前記上昇保持テーブル61の上に移動してそれに載置される。そして、上昇保持テーブル61上に前記可撓管保持具3が載置されたことが検知されると、可撓管保持具3を載置したまま、上昇保持テーブル61が、下側停止位置から搬入口4に位置する上側停止位置まで上昇する。作業者が前記テーブル上昇指示スイッチ110から手を離すことによって前記上昇保持テーブル61の動作が上昇途中でも停止する。
次に、前述した入り口遮断シャッタ16、中間遮断シャッタ17および出口遮断シャッタ18について説明する。各シャッタ16,17,18はいずれも他の部分の動作に連動して自動で開閉するように制御されるが、図示しない手動スイッチを操作することにより選択的に開閉させることもできる。
前記搬送用駆動モータ53が駆動されると、略同時に中間遮断シャッタ17および出口遮断シャッタ18が開動作を開始して、加熱炉7は開放する状態になる。また、この動作に連動して、搬送装置8の受渡機構部が動作を開始する。すなわち、図9に示すように、保持板91の1サイクル動作によって前のローラ台81の凹部82に載置されていた可撓管保持具3が、次のローラ台81の凹部82に送り渡される。そして、可撓管保持具3の部分が、開状態の中間遮断シャッタ17および出口遮断シャッタ18を通過した後、中間遮断シャッタ17および出口遮断シャッタ18は閉状態に戻る。
尚、各遮断シャッタ16,17,18の下端縁部分は、前記搬送コンベア装置6または前記搬送装置8の可動部材に対応位置した部分に切欠き部を形成してあるため、シャッタ16,17,18が閉状態のとき、可動部材との接触を防止できる。各遮断シャッタ16,17,18の下端縁部分に対応する隣接部位には、各遮断シャッタ16,17,18が閉じたとき、その下端面が当接すると共に前記切り欠き部を覆い塞ぐ凸部を設けた耐熱樹脂製の断熱板が配置されている。このため、前記切り欠き部を設けても、前記各遮断シャッタ16,17,18が閉状態になったときは、その切り欠き部が塞がれ、予備加熱炉5や加熱炉7内2の熱気が外部に逃げることを防止できる。
前記操作盤66には、図12(a)に示すように、電源ランプ112、異常ランプ113、自動/手動切替スイッチ114、加熱スタートスイッチ115、スタートスイッチ116、ブザー作動スイッチ117、原点復帰スイッチ118、加熱停止スイッチ119、運転停止スイッチ120、ブザー停止スイッチ121、タクトタイマ122、ウィークリータイマ123、非常停止スイッチ124及びタッチパネル125等の機器が配設されている。また、操作盤66のボックス内部には図示しない予熱炉温調計が設置されている。
本装置及び操作盤66により選択できる作業項目としては、図12(b)に示すようなものがある。該項目を大別すると、図12(b)に示すように、モード選択1、モード選択2、手動スイッチ、エラー表示、その他の項目がある。大分類の項目は、図12(b)に示すように細分類することができる。主な項目は、タッチパネル125の画面に表示するようになっている。
また、タッチパネル125の画面は、図13乃至図20にそれぞれ示すように、複数種の画面1〜8がある。図13に示す画面1はメニュー設定用画面131であり、図14に示す画面2は昇温モニター画面であり、図15に示す画面3は運転モニター画面であり、図16に示す画面4は運転設定用画面であり、図17に示す画面5は温調計設定用画面であり、図18に示す画面6は手動操作用画面であり、図19に示す画面7は温度異常を示すモニター画面であり、図20に示す画面8は搬送異常のモニター画面である。
次に、上述した可撓管製造装置1の動作を、作業の流れに従って説明する。まず、図12に示す操作盤66のボックス内にある図示しない主電源スイッチを投入し、その操作盤66のタッチパネル125の画面から運転条件を設定する。主電源が入ると、タッチパネル125の画面に図13に示すメニュー画面131が映し出される。このメニュー画面131から運転設定モニター132を選択し、図16に示す運転設定画面135に切り替える。この運転設定画面135から運転モード136の1タクト(1×4タクト)、2タクト(2×2タクト)、3タクト(3×1タクト)のいずれかを選択する。
次に、同じく図16に示すタッチパネル125の画面で、予熱炉モード137の予備加熱炉5の運転が必要かどうかを選択する。必要であれば、ONのスイッチを操作し、必要でなければ、スイッチを押す必要がない。
さらに、図16に示すタッチパネル125の画面で、定温時限モード138を選択する。設定温度で止める処理条件であれば、ONのスイッチを操作し、タイマ時間処理を選択する場合にはスイッチを押す必要がない。
以上の設定を終了した後、同じく図16に示すタッチパネル125の画面で、右下のメニューモード139を選択して、画面表示を、図13に示す最初のメニュー画面131に戻す。
次に、加熱炉7の温度設定操作について説明する。図13に示すメニュー画面131から温調計設定モード140を選択して、温調計設定画面141を図17に示すように映し出す。この表示によっても分かるように、前記加熱炉7内は、4つのブロックの領域に分かれ、各々の場所での温度設定が個別的に可能である。
均一モードの温度設定は、均一モードキー142を押し、テンキー143にて第1ブロック145に設定温度を打ち込むことにより行う。例えば、第1ブロック145に230℃と打ち込めば、自動的に第2ブロック146、第3ブロック147、第4ブロック148についても、同じく230℃に設定がなされる。この温度設定後、エンターキー149を押し、設定を完了する。
尚、タクト選択、予備加熱炉5の有り無しの選択、定温時限138の処理の有り無しの選択の条件設定は、頻繁に使われ条件を、このタッチパネル125内の他の画面に条件A、B…として入れておくことが可能であり、生産時、これらの煩わしい設定操作が省略できる。
次に、操作盤66のボックス内に設置されている予備加熱炉5や加熱炉7の温度計に設定温度の設定を行なう。通常は150℃に設定しており、設定の間違いがないかの確認を行う。
図12の画面にて加熱SW115をON操作し、予備加熱炉5および加熱炉7内の温度上昇、タクトタイマ設定122、自動/手動切替SW114の自動への切り換えを行なう。また、タクトタイマ設定122は、前記したタッチパネル125内の図16に示す運転設定モードで、定温時限SW138がONの場合、時間を零にすることにより定温でストップする定温時限停止運転、タイマ時間を併用すれば、定温時限+タイマ運転となる。前記定温時限SW138がOFFの場合はタイマ運転となる。この後、自動スタートSW140の運転入り釦を押す操作により、サイクル運転の作動が開始する。
ここでは、予備加熱炉5と加熱炉7の両方を使用して運転する場合について説明する。まず、搬入口4の作業台において、処理しようとする可撓管2を可撓管保持具3に装着する。
次に、図7に示すレバー103を引き上げ、このレバー103に連動する押し板101を前方に傾動させて搬入口4から予備加熱炉5内へ可撓管保持具3を押し込む。すると、可撓管保持具3は、図9に示すように、第1傾斜板83上をころがりながら搬送コンベア装置6に載る。
この後、自動スタートSW115の加熱入り釦をON操作し、処理をスタートさせる。このスタート時は、加熱炉7内に可撓管保持具3が搬入されていないとする。スタートさせると、予備加熱炉5の入り口遮断シャッタ16が自動的に開き、可撓管保持具3が、搬送コンベア装置6に乗って予備加熱炉5内に入り込み、加熱炉7の直前の場所まで移動し、ローラ台81の上にセットされる。この後、予備加熱炉5の入り口遮断シャッタ16が自動的に閉まり、予備加熱炉5内で可撓管保持具3およびこれに装着された可撓管2の予備加熱が開始される。
次に、予備加熱炉5内で予備加熱されると、可撓管保持具3は、搬送装置8の上昇した保持具保持板91の保持部90に乗って加熱炉7内に搬入される。まず、予備加熱炉5内で最初のローラ台81に配置されていた可撓管保持具3は、上昇した保持具保持板91の保持部90に乗り、加熱炉7内まで移動させられる。
そして、加熱炉7内の最初のローラ台81に可撓管保持具3が位置したところで、保持具保持板91が降下し始め、その最初のローラ台81の凹部82にその可撓管保持具3の回転ローラ30を載置する。この結果、可撓管保持具3の歯車部29は回転装置9のチェーン73に噛み合う。
この後、保持具保持板91は逆方向へ移動して元の位置に戻り、その後、前述した入り口遮断シャッタ16および出口遮断シャッタ18が閉まる。各シャッタ16,18が閉まると同時に回動式遮蔽シャッタ20が開く。
尚、回動式遮蔽シャッタ20を独自に開け得るようにしても良い。
前記加熱炉7内では、加熱中、可撓管保持具3を回転させて、可撓管2の位置を変え続ける。次に、タクトタイマ122(定温時限138がOFFのとき)がスタートし、最初のタクト位置での加熱処理が開始される。この加熱処理中、回転装置9のチェーン73が回転し、可撓管保持具3を回転させる。
そして、前記搬送装置8により前述したような移送動作により可撓管保持具3を次のタクト位置に搬送し、再び加熱処理する。このように前記搬送装置8により、加熱炉7内での各タクト位置に間欠的に順次搬送しながら可撓管保持具3に一連の加熱処理を施す。
また、最初の可撓管保持具3に続けて、加熱炉7内に、次の可撓管保持具3を搬入して処理できる。加熱炉7内には、タクト位置が4つあるので、4本の可撓管保持具3を同時に処理が可能である。
処理時間は設定温度で停止する定温時限138の設定をON、タイマ時間を零に設定しておけば、その設定温度で停止する。また、定温時限138の設定をONで、タイマ時間1秒以上に設定すれば、定温時限138の設定に加えてそのタクトタイマ122による運転時間で停止する。また、定温時限138の設定がOFFの場合は設定したタクトタイマ122の設定時間で停止する。そして、タイムアップすると、回転装置9の駆動が止まり、可撓管保持具3の回転が止まる。
各加熱処理が一旦、停止すると、中間遮断シャッタ17及び出口遮断シャッタ18が自動的に開く。これと同時またはその前に加熱炉7の搬出口11にある回動式遮蔽シャッタ20が閉じ、それまで外部に開いていた搬出口11の開口部分を閉じ、装置外から加熱炉7への吸引される外気の進入を遮断する。
このため、加熱炉7内の温度が大きく急激に下がることがなく、次に加熱処理する際の設定温度に復帰する時間が短く、かつ、加熱炉7内の温度コントロールも容易であり、また、正確な温度管理も可能である。さらに、加熱炉7内に4本の内視鏡用可撓管保持具3を同時に設置してまとめて処理することができ、加熱炉7による加熱処理を、その可撓管2に必要な処理時間に合わせて、後述するような1×4タクト、2×2タクト、3×1タクトの3種の運転による熱処理が可能である。つまり、複数のタクト運転ができるように構成したので、熱処理時間を分散することができ、その結果、処理時間の異なる可撓管2であっても効率的に処理可能である。
一方、加熱炉7内で可撓管2の熱処理が開始されたとき、図4に示すように、前記加熱炉7の搬入口4側に位置する第1の自動昇降装置13の上昇保持テーブル61が下降し、冷却領域に位置していた次の可撓管保持具3を受け取りに行く。つまり、図7に示す両方の手動SW110を同時に押して、可撓管保持具3を載せた上昇保持テーブル61をセット作業台の位置まで上昇させ、次の可撓管保持具3を受け取る。この可撓管保持具3から処理済みの可撓管2を取り外して、空になった可撓管保持具3にはこれから処理しようとする可撓管2を再びセットする。そして、新たな可撓管2をセットした可撓管保持具3を上述したと同様にして予備加熱炉5の前の搬送コンベア装置6に送り込む。予備加熱炉5内に可撓管保持具3がない場合は、直ちに入り口遮断シャッタ16が開き、搬送コンベア装置6が作動して加熱炉7の中間遮断シャッタ17の直前位置まで搬送して停止する。
ところで、上述したように、可撓管保持具3は加熱炉7内に送り込まれる前に予め前記搬送装置8の保持具保持板86を含め、予備加熱炉5内で温められる。そして、この予備加熱された可撓管保持具3を加熱炉7内に送り出して、加熱炉7内で所定の温度で加熱処理がなされる。このため、加熱炉7内で所定の設定温度まで速やかに上昇し、所定の加熱処理が速やかに終了させることができる。また、加熱炉7内の温度コントロールが容易であり、さらに正確な温度管理が可能である。
一方、加熱処理終了後、加熱炉7の外に搬出された可撓管保持具3はその場所から冷却が始まる。加熱炉7の外に搬出された可撓管保持具3は出口側に位置する第2の自動昇降装置14の下降保持テーブル64上に載る。第2の自動昇降装置14の下降保持テーブル64が下降し、戻しコンベア装置12に可撓管保持具3を送り渡す。このようにして可撓管保持具3は冷却領域を経て、第1の自動昇降装置13の下方部位に戻り、第2傾斜板84の停止板85に載り移って止まる。この間も可撓管保持具3及び可撓管2は図示しない冷却装置によって強制的に空冷され続ける。
最初の可撓管保持具3は第2傾斜板84の停止板85に当り、その位置に止まるが、それに続く可撓管保持具3は先に処理された可撓管保持具3の鍔部である、例えば、固定側保持板22aに当って止まり複数の可撓管保持具3が連なって待機する。尚、最前の可撓管保持具3を、第1の自動昇降装置13を駆動するシリンダの主軸や支柱等に当てて止めておくようにしても良い。
次に、前記可撓管製造装置1による可撓管2の製造ステップについて具体的に説明する。まず、第1ステップとして、操作盤66のタッチパネル125を操作し、予備加熱有り無し運転切り替え、タクト運転設定、定温時限138の処理か定温時限138+タクトタイマ122の運転処理か、タクトタイマ122の運転処理かの設定を選ぶ。
第2ステップとして、操作盤66のタッチパネル123を操作し、可撓管製造装置1の温度設定を行う。
第3ステップとして、操作盤66の加熱SW115をONにし、可撓管製造装置1の予備加熱炉5と加熱炉7の送風装置を可動し、各ヒータ部21,25aをそれぞれ駆動する。すると、予備加熱炉5内は約15分で150℃に上昇し、加熱炉7内は約20分で可撓管2が熱溶着する温度まで加温される。
第4ステップとして、前記温度が適正な温度になった時点で図示しない表示灯が点滅から点灯に斬り切り替わり、スタート準備の告知がなされる。
第5ステップとして、原点ランプの点灯の有無を確認し、その原点ランプが点灯されている場合に次のステップに進む。
第6ステップとして、自動/手動切替えSW114を自動に変更し、図示しないランプが自動に設定されている表示であるかどうかを確認する。
第7ステップとして、可撓管2がセットされた可撓管保持具3を予備加熱炉5にセットする。
第8ステップとして、自動スタートSW115をONすると、以下の動作が自動的に行なわれる。以下のステップは自動的に行われる動作を説明するものである。
第9ステップとして、予備加熱炉5の入り口遮断シャッタ16が開放する。
第10ステップとして、搬送コンベア装置6が作動して予備加熱炉5に可撓管保持具3を送り込む。
第11ステップとして、中間遮断シャッタ17が開き、前記ウオーキングビーム装置としての前記搬送装置8を作動し、可撓管保持具3を浮かしながら加熱炉7内に搬入させる。
第12ステップとして、可撓管保持具3を加熱炉7内の所定位置に搬送する。
第13ステップとして、可撓管保持具3を加熱炉7のローラ台81に定置する。
第14ステップとして、ウオーキングビーム装置としての搬送装置8を元に戻す。これにより、可撓管保持具3の加熱炉7内への搬入が完了する。
第15ステップとして、中間遮断シャッタ17が閉まり、可撓管保持具3が回転及びタクトタイマ122がスタートし、熱処理が開始される。また、中間遮断シャッタ17が閉まると同時に入り口遮断シャッタ16が自動的に開き、搬送コンベア装置6が作動して、次の可撓管保持具3が予備加熱炉5内に搬入する。
熱処理はステップ16で第1の移動が行われ、この第1の移動が行われた後のステップ17で、次の可撓管保持具3が予備加熱炉5から加熱炉7内に移動し、以下に示す第2番目以降の可撓管保持具3の移動が同様に順次開始される。つまり、ステップ18、ステップ19、ステップ20で、上述したステップ15、ステップ16と同様に予備加熱炉5および加熱炉7内で順次後続の可撓管保持具3が移動する。
ステップ21で最初の可撓管保持具3が加熱炉7の外に出て出口に待機し、ステップ22で可撓管保持具3が第2の自動昇降装置14で下降する。
ステップ23で可撓管保持具3が戻しコンベア装置12に渡され、第1の自動昇降装置13側に戻される。
ステップ24で第1の自動昇降装置13により可撓管保持具3を手動等で上昇させ、可撓管保持具3から可撓管2を取り外し、その後、次の可撓管2を可撓管保持具3にセットする。以上の繰り返しを行うことにより、可撓管2の加熱溶融処理を、順次行うことが可能になる。
ところで、加熱炉7内で可撓管2を熱処理する場合、その加熱炉7の入り口または出口が開放すると、炉内の温度が急激に下がり易く、また、下がった温度が、再び設定温度に復帰するまで、長い時間がかかってしまう。
そこで、本実施形態では、その不具合を解消し、短い時間で、タクト運転ができる対策が施されている。
まず、加熱炉7の入り口の開閉による温度低下を防ぐため、図4に示すように、その加熱炉7の前段に予備加熱炉5を設置するようにした。また、予備加熱炉5の入り口には入り口遮断シャッタ16を設けるようにした。
すなわち、可撓管保持具3を予備加熱炉5内に搬入するとき、入り口遮断シャッタ16が開き、搬送コンベア装置6により、予備加熱炉5内に可撓管保持具3を搬入する。それ以外では中間遮断シャッタ17が閉じている。
予備加熱炉5内に搬入された可撓管保持具3はその予備加熱炉5内で温められる。そして、タクトタイマ122の時間に合わせて、加熱炉7の中間遮断シャッタ17を開き、加熱炉7内に可撓管保持具3を搬入し、加熱炉7内において、本来の設定温度で、可撓管2を加熱溶融する処理を施す。
以上の如く、予備加熱炉5及び入り口遮断シャッタ16を設けたので、加熱炉7の入り口を開閉する際の温度低下が防げる。さらに、予備加熱炉5内は例えば150℃の温度に設定されており、冷えていた可撓管2及び可撓管保持具3を、予め150℃の温度まで温めておけるので、可撓管保持具3が加熱炉7内に送り込んでも、加熱炉7内には急激な温度の低下が起きない。つまり、加熱炉7内の温度が下がり難い。
また、それなりに炉内温度が下がったとしても、再び設定した所定の温度に速やかに復帰させることができる。しかも、加熱炉7の出口遮断シャッタ18よりも後段側には遮蔽シャッタ20を設けており、加熱炉7の出口遮断シャッタ18を開くとき、その遮蔽シャッタ20により搬出口11の外部開放部を塞ぐので、装置外の冷たい外気が加熱炉7内に入り込むことを防ぎ、加熱炉7内の温度が下がることを防止する。このため、加熱炉7の出口遮断シャッタ18が開いても加熱炉7の炉内温度が下がり難くなり、また、加熱炉7内の温度を設定した温度に速やかに復帰させることができる。
さらに、加熱炉7の炉内温度の変化が小さくて済むので、短い時間でのタクト運転が可能である。
図21は可撓管2を含む可撓管保持具3を炉内温度が150℃に設定された予備加熱炉5内で予め加温し、この可撓管保持具3を加熱炉7内に搬入して加熱する場合の加熱炉7の炉内温度変化を示す実験結果である。
しかして、このような方式により、加熱炉7内の温度管理が改善された。すなわち、一連の搬送方式による中間遮断シャッタ17および出口遮断シャッタ18の開閉が行なわれても、図21に示すように、加熱炉7内で急激な温度低下がなく、また、設定温度に復帰するのも早い。例えば230℃の設定時の結果として、温度低下は5〜8℃、復帰するのに30〜40秒程度と大幅に改善される。特に、可撓管2の加熱処理時間が短い、外皮が薄く、且つ外径が細い製品を対象とする場合、可撓管2の加熱処理時間が長い、外皮が厚く、且つ外径が太い製品を処理する場合に比べて、この予備加熱炉5を使用する利点が大きい。
予備加熱炉5の温度を150℃程度に設定したのは次の理由である。すなわち、加熱溶融温度以上に設定すると、可撓管2の樹脂の変形防止のため(変形すると不良となる)に可撓管2を回転する回転機構を取り入れる必要がある。この回転機構を入れると、機械が複雑になること、加熱炉7への搬送とのやりとりも煩雑になる。このことから、機械を製作する上で得策ない。また、加熱溶融温度が変わる毎に予備加熱炉5や加熱炉7の温度もその都度設定する必要が生じ、その管理作業も煩わしいことにある。但し、今後、加熱溶融温度の低い樹脂が選定された場合はその樹脂にあった温度設定をする必要がある。
また、ウレタン系の樹脂を使用し、肉厚が厚く外径の大きい可撓管2の処理や、ポリエステルまたはポリオレフイン樹脂を使用し、肉厚の極薄い樹脂の熱処理は低い温度から設定温度で停止させる処理方法を採用する際には予備加熱炉5を使用しなくても良いので、内視鏡用可撓管製造装置1から予備加熱炉5の機構を取り外せるように構成している。
この予備加熱炉5を取り外したときは、図8に示すように、入り口部分が開放される。そして、操作盤66のタッチパネル125内の、図16で示す運転設定画面135の予熱炉の運転なしOFFを選択することにより、自動運転する時、図22に示すように、予備加熱炉5の入り口遮断シャッタ16が常時開放状態、出口遮断シャッタ18が常時閉じる常時OFFの状態となり、この予備加熱炉5の使用のない処理が可能となる。
また、この搬送方式では搬入口から搬送コンベア装置6により送られた可撓管保持具3が加熱炉7の前まで直ちに搬送され、加熱炉7の処理時間に合わせ、中間遮断シャッタ17、出口遮断シャッタ18が開き、可撓管保持具3が加熱炉7内に搬送されて可撓管2が連続的に処理される。
次に、可撓管保持具3の搬送運転の切り替え方式について説明する。図12に示すタッチパネル125により、図21に示すメニュー画面から、運転設定モード132を選択し、図16に示す運転設定画面135を出し、運転モード136を選択して、1タクト、2タクト、3タクトの切り替え運転ができるようになる。ここで、1タクトとは1×4タクト運転、2タクトとは2×2タクト運転、3タクトとは3×1タクト運転のことである。
この1タクト運転は図9および図22に示される形式のものである。このような運転は可撓管保持具3の搬送を加熱処理時間に合わせて、中間遮断シャッタ17および出口遮断シャッタ18を開閉させながら、可撓管保持具3を順次1タクト、2タクト、3タクト、4タクトの各タクト位置で順次処理していく方式である。また、加熱炉7での処理後、可撓管保持具3はその加熱炉7の出口側部分で一旦待機し、その後、第2の自動昇降装置14に乗り移り、下降して、戻しコンベア装置12から第1の自動昇降装置13にわたり搬送され、搬入口4まで戻ってくる。このようなタクト運転は、処理時間の長いものに対して特に有効である。尚、図9は予備加熱炉5を使用するときの搬送方式を示しており、図22は予備加熱炉5を使用しないときの搬送方式を示しており、両方の方式の運転が可能である。
次に、2タクト運転の場合について説明する。この場合は図23と図24で示すようになる。すなわち、この運転方法では加熱処理時間に合わせ、中間遮断シャッタ17と出口遮断シャッタ18が開くと、可撓管保持具3は1タクトを飛ばし、2タクト目まで送られて加熱処理される。可撓管保持具3が再び搬送されると、4タクト目まで搬送されて処理される。つまり、2タクト目と4タクト目の各位置で順次加熱処理がなされ、加熱炉7からの搬出後は待機場所を飛ばし、第2の自動昇降装置14に乗り、下降し、戻しコンベア装置12、第1の自動昇降装置13に乗り、搬入口4まで戻ってくる。このタクト運転は処理時間の短いものに有効なものである。これも1タクト運転と同様、予備加熱炉5有り無しの切り替え運転が可能である。図23は予備加熱炉5を使用するときの搬送方式を示しており、図24は予備加熱炉5を使用しないときの搬送方式を示している。
次に、3タクト運転の場合を図25と図26に示す。この場合の運転は加熱処理時間に合わせて、中間遮断シャッタ17と出口遮断シャッタ18が開くと、可撓管保持具3は1タクト、2タクトを飛ばして3タクト目まで送られて処理され、搬出後は待機場所を飛ばし、第2の自動昇降装置14に乗って下降し、戻しコンベア装置12を経て、第1の自動昇降装置13に乗り、搬入口4まで戻ってくる。この場合にも予備加熱炉5の有り無しの切り替え運転が可能である。図25は予備加熱炉5を使用するときの搬送方式を示しており、図26は予備加熱炉5を使用しないときの搬送方式を示している。予備加熱炉5を使用した運転を使用すれば極短い処理時間のものの処理が可能である。
以上の如く、本実施形態では種々の形態の可撓管2を処理できるので、加熱処理時間の極端に短い仕様の可撓管2から長い加熱処理時間の可撓管2まで、1台の装置で処理可能となる。
次に、加熱処理を停止する場合について説明する。この場合には図12に示す操作盤66のタッチパネル125のメニュー画面から図16の運転設定画面135を選択し、定温時限モード138のON−OFF切り替えと、操作盤66のタクトタイマ122の使用を併用することで、以下の3通りの停止方法を選択できる。
まず、第1のタイプでは、定温時限モードON、タクトタイマ122の時間を零に設定する、定温時限+タイマ時間零の運転方式であり、これは、加熱炉7の中間遮断シャッタ17が閉まり、加熱炉7内の温度が設定温度に達したら加熱処理停止する。
第2のタイプは、定温時限モードON、タクトタイマ時間を任意に設定する、定温時限+タイマ時間ありの運転方式であり、これは、加熱炉7の中間遮断シャッタ17が閉まり、設定温度に達してからタクトタイマ122が作動し、時間が経過したら停止する。
第3のタイプは、定温時限モード137をOFFにし、タクトタイマ時間を任意に設定する方式であり、これは、加熱炉7の中間遮断シャッタ17が閉まると、タイマ運転が開始され、時間が経過すると停止する。
次に、前述した加熱方式〜搬送方式〜処理方式の組み合わせの関係を、図27に示す。合計18通りの組み合わせとなり、全て可撓管2の仕様に合わせた処理が可能である。
また、前述したように、本実施形態では、可撓管2を設置する加熱炉7の加熱処理室内が前記可撓管2の長手方向において4つの領域23a,23b,23c,23dに区分けされる。そして、各領域23a,23b,23c,23dそれぞれが対応したヒータ部25aと、このヒータ部25aで熱した熱風を噴出し口25cからそれぞれが対応した領域23a,23b,23c,23dに個別的に噴き出し、その熱風を熱風循環装置25bによって領域23a,23b,23c,23d毎に極力循環させるようにしている。各加熱装置の駆動が個別的に制御が可能であり、加熱炉7内の加熱領域23a,23b,23c,23dの温度を独立して制御して個別的に管理することができる。
また、各領域23a,23b,23c,23dそれぞれの温度を各領域の状況に応じて個別的に制御するので、単一のヒータ部と熱風循環装置によって熱風を加熱炉7の加熱室内全体に循環させる場合に比べて、各領域23a,23b,23c,23dで得られる温度が安定すると共に各領域23a,23b,23c,23dの温度が正確に設定温度となるよう調節することができる。また、各領域23a,23b,23c,23dに温度差を持たせることも可能であり、そのときにも、各領域23a,23b,23c,23dの温度を正確な設定温度となるよう調節することができると共に各領域23a,23b,23c,23dの温度が安定する。
このような場合の実験結果を図5および図6において各領域23a,23b,23c,23dそれぞれに対応させて付記する。図5は加熱炉7における加熱室の略全幅にわたり一定の温度に制御する場合の実験結果であり、左端から距離(mm)が相違しても温度差は230℃を中心に上下に2.5℃の範囲で制御される。前述した予備加熱炉5や遮蔽シャッタ20による保温効果を加味すれば、一層、温度差が小さくなる。図28はその場合の異なるサンプルについての加熱炉7内の温度分布を時間経過に対応させて示した。
また、図6は第1領域23aの設定温度と、第2〜第4領域23b,23c,23dの設定温度が相違し、第1領域23aの温度を低く設定し、第2〜第4領域23b,23c,23dの温度を高く設定した例のものである。各ブロックの温度を異ならしめることができる。このため、内視鏡用可撓管には挿入性の向上から軟性部の先端側外皮部分が軟らかく、後側外皮部分を硬いものとして前後で外皮樹脂が異なる2段の仕様のものがあるが、このような内視鏡用可撓管は、例えば、可撓性を付与する外皮樹脂の選定は先端側に使用する樹脂は軟化点が低く、後端側に使用する樹脂は軟化点が高い樹脂となる。例えば、先端側に使用する樹脂の軟化点の温度は170℃前後、後端側に使用する樹脂の軟化点は230℃前後と加熱溶融温度が異なる。
本実施形態では、内視鏡用可撓管2の各段に合う加熱溶融温度の温度差に合わせて加熱炉7内の温度域を適宜設定できるため、加熱溶融温度が部位によって異なる多段仕様の内視鏡用可撓管に適する。
また、前述した予備加熱炉5や遮蔽シャッタ20による保温効果を加味すれば、一層、温度差が小さくなる。図29はその場合の異なるサンプルについての加熱炉7内の第1領域23aに対応した第1ブロックの温度分布と、第2〜第4領域23b,23c,23dに対応した第2〜4ブロックの温度分布を時間経過に対応させて示したものである。
図30乃至図33は各種の処理方式で運転する場合、それら処理方式を組み合わせて実験した結果について示したものである。
図30は、タクト運転方式、加熱運転(処理停止)方式、製品(可撓管)の仕様(外径及び肉厚)、加熱処理時間、処理温度及び可撓管外皮の使用樹脂、予備加熱の有無の組み合わせの処理結果を表形式で示し、更にタクト運転方式の動作態様を概念的に示している。図30の備考欄でも指摘する如く、可撓管の仕様や外皮の使用樹脂等に応じて適切な処理と効率の良い最適な組み合わせを選択することができる。
図31は、設定温度に達した時に加熱処理を止める定温時限モード(第1のタイプ)での実験結果である。設定温度まで上がる時間は外気温度によって異なる。可撓管2の左右の位置では温度を異ならせた場合を示している。
図32は、設定温度域の温度で指定時間維持する定温時限+タイマ時間モード(第2のタイプ)での実験結果である。この場合にも設定温度まで上がる時間は外気温度によって異なる。可撓管2の左右の位置では温度を異ならせた場合を示している。
図33は、タクトタイマ時間を任意に設定するタイマ運転方式の(第3のタイプ)での実験結果である。この場合にも設定温度まで上がる時間は外気温度によって異なる。可撓管2の左右の位置では温度を異ならせた場合を示している。この方式は処理時間の長いものに有効である。
前述した実施形態によれば、加熱炉内を複数のブロックに分け、各ブロックの領域ごとに加熱手段(ヒータ)を配置して、それぞれのブロックを別々に温度制御することを可能ならしめたことにより、各ブロックごとに細やかな温度調整を行うことができる。
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施が可能である。