JP4503587B2 - 半導体探針を利用した情報再生方法及びそれを適用した装置 - Google Patents
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Description
図1Aは、電界効果型半導体探針とメディアとの関係を説明する図面である。
図1Aに概略的に示したように、探針は、カンチレバーと、メディア表面に対面するようにカンチレバーの先端に形成される電界効果トランジスタ型半導体チップとを備える。ここで、カンチレバーで発生した熱は、メディア側に放出されるが、この時にメディア表面の粗度(roughness)によってその距離の変化が発生すれば、熱放出量が変化し、この熱放出量の変化によってカンチレバーとこれに固定された半導体チップとで熱的な抵抗変化が発生する。このような抵抗変化は、探針の全電流iRPに影響を及ぼす。
分極ドメイン(polarization domain)によって情報を保存する強誘電体メディア10に対して、電界効果半導体チップ31を有する半導体探針30が所定間隔をおいて配置される。探針30からの出力は、信号検出部20に連結され、信号検出部20は、復調器50に連結されている。ここで、信号検出部20は、一種の信号前処理部であって、探針における電流変化から情報信号が含まれている変調信号を抽出する。そして、探針30には、メディア10の分極によって捕獲された電荷によって誘起された電流変化、すなわち、前記情報信号を変調する変調器40が連結される。前記変調器40は、所定の周波数の正弦波を発生し、半導体チップ31のチャンネル領域に変調電界を形成する。この変調電界により前記情報信号が変調される。前記信号検出部20は、前記変調された信号を含んで前記半導体探針30から発生した信号を検出して復調器50に送る。前記復調器50は、前記検出された信号の中から、前記変調器40によって変調された信号のみを分離して復調する。すなわち、本発明によれば、高周波変調信号によって情報信号が変調され、熱的な抵抗変化によるノイズ信号は変調されず、したがって、前記復調部で前記情報信号とノイズ信号とが分離される。
本発明による図2Aに示された情報再生装置の構成要素は機能的に分離したものであって、設計によって機能が統合されてもよく、このような再生装置には、追加的な機能がさらに含まれうる。
基板にp層が形成されており、p層の表面にn型ソース及びドレイン並びにこれらソース・ドレイン間に弱くドーピングされたn−チャンネル領域が設けられている。基板には、所定周波数の正弦波が印加され、チャンネル領域には、正弦波による移動度の変化が起こる。この時にメディアからの電界が印加されれば、メディアからの電界がチャンネル領域に印加されて、正弦波による移動度の変化が現れるチャンネル領域の移動度の変化幅が拡張される。すなわち、電界による移動度の変化は、正弦波によって増幅され、この時に増幅された信号、すなわち、変調された信号が出力される。このとき、電界による信号のみが増幅され、前述したような熱的変化によって発生する移動度の変化、すなわち熱的な抵抗変化(電流変化)には前記変調正弦波が影響を及ぼさない。このような変調によれば、熱的変化による抵抗変化に比べて、電界変化による抵抗変化、すなわちメディアから得られた情報信号をさらに大きく増幅させうる。
図4は、本発明にある実施形態による情報再生装置の概略的な回路図である。
図4に示された実施形態の信号検出部20は、第1抵抗R1と抵抗性半導体探針30の抵抗成分rwとが直列に連結されたハーフブリッジ回路を構成して、前記半導体探針30にバイアス電圧Vssを分配印加して、情報再生信号を前記第1抵抗R1と抵抗性半導体探針30の抵抗成分rwとが連結されたノードから検出する。詳細には、探針30の末端に形成されている電界効果半導体チップ31のドレイン電極34は、前記第1抵抗R1に連結され、前記ハーフブリッジには、バイアス電圧Vssが印加される。ここで、基板33、望ましくは、変調電極35aには、変調信号発生部41から変調電圧または変調信号vsubが印加される。
前記のように、本発明の情報再生装置及び方法は、SNRを高めるために情報信号の変調及び復調過程を経ることによって、熱的な抵抗変化によるノイズ信号を分離して復調する。さらに具体的に説明すれば、下記の通りである。
前記の出力電圧voから電界によって変わる抵抗成分rfを抜き出すために復調器50を使用する。復調器50は、マルチプライヤー51とLPF 52とを備える。前記変調信号vsubと同じ周波数を有し、前記出力電圧voと位相が同じ復調信号vsub’と、前記出力voとを前記マルチプライヤー51を利用して乗算すれば、下記のような出力電圧vomが得られる。
したがって、前記出力電圧vomをLPF 52に通過させて前記変調信号の周波数ω成分を有さない直流成分rf 0のみを検出すれば、電界によって変わる抵抗成分rfのみを検出できる。
図5に示した実施形態の情報再生装置は、変調信号の検出が二つのブランチを有するホイートストンブリッジによってなされる。図面で、左側のブランチは、直列に連結される抵抗性半導体チップ31と第1抵抗器R1とによって構成され、右側のブランチは、第2抵抗器R2及び第3抵抗R3によって構成される。探針30の末端に形成されている抵抗性半導体チップ31のドレイン電極34は接地され、ソース電極32は、前記第1抵抗R1に連結される。直列の第2抵抗器R2と第3抵抗器R3とによるブランチで第3抵抗器R3によって接地される。ホイートストンブリッジの左側ブランチと右側ブランチとには、共にバイアス電圧Vssが印加される。
したがって、LPF 52を利用して直流成分のみを検出すれば、電界によって変わる抵抗成分rfのみを検出できる。
図6を参照すれば、前記半導体探針で帰還ループを形成した演算増幅器を含む反転増幅回路を使用して、半導体探針に電圧を分配印加して演算増幅器の出力端から信号を検出しうる。抵抗性探針30の先端に設けられた抵抗性半導体チップ31のソース電極32は、演算増幅器21の出力端端に連結され、ドレイン電極34は、演算増幅器21の反転入力端(−)に連結されている。前記演算増幅器21の反転入力端には、第1抵抗器R1が接続され、バイアスVssが印加される。これに加えて、非反転入力端(+)は接地される。前記演算増幅器21の出力端は、復調器50に連結する。復調器50は、マルチプライヤー51とフィルター、例えばLPF 52を有する。
前記のように、本発明は、熱的変化によるノイズ信号が混在する半導体チップからの信号を所定周波数の信号に変調し、これにより電界によって変わる抵抗による信号のみを変調し、これを復調することによって、熱的なノイズ信号のない純粋な情報信号を得る。
前記のように、本発明は、熱的変化によるノイズ信号が混在する半導体チップからの信号を所定周波数の信号に変調し、これにより電界によって変わる抵抗による信号のみを変調し、これを復調することによって、熱的ノイズ信号のない純粋な情報信号を得る。
ステップ10で、媒体に記録された情報によって発生する電界は、前記情報媒体の表面にトラップされた電荷またはダイポールモーメントによって発生する。前記電界によって半導体探針のチャンネル領域が変わり、探針30の抵抗が変わる。探針30に駆動電圧を加えて発生する信号は、探針の純抵抗成分と、前記電界によって変動される抵抗成分及び熱抵抗変動成分によるものに分けられる。
信号検出ステップ20で、半導体探針に駆動電圧を加えて検出する信号には、前記変調信号によって変調された信号、すなわち、電界によって変動される変調された抵抗成分信号と探針の純抵抗成分、熱抵抗変動成分の信号の和で表現されうる。
図9で、第一の波形図1は、電界によって変わる抵抗rfの波形、第二の波形図2は、熱変化による抵抗成分rt(単一正弦波と見なす)の波形、第三の波形図3は、差動増幅器の出力波形、第四の波形図4は、差動増幅器の出力を復調して電界によって変化される抵抗変化の波形を示す。
前記のような本発明によれば、熱的不安定性に起因したノイズ信号から、メディアから得られた情報信号を成功的に得られ、特に、変調及び復調の過程を通じてSNRを高めうるので、さらに感度高く情報を再生しうる。
20 信号検出部
30 探針
31 半導体チップ
40 変調器
41 変調信号発生部
50 復調器
Claims (20)
- 情報記録媒体が発生する電界によってチャンネルが変わる半導体チップを有する半導体探針と、
前記電界によって誘起された情報信号を変調するように、前記半導体探針に高周波変調信号を加えて変調電界を形成させる変調部と、
前記半導体探針で発生された信号を検出する信号検出部と、
前記信号検出部で検出された信号から前記変調電界によって変調された情報信号を抽出する復調部と、を備える半導体探針を利用した情報再生装置。 - 前記半導体探針は、p型半導体で形成されたチップと、前記電界によって前記チップの尖頭部に前記チャンネル状態が形成される領域と、前記チャンネルが形成される領域の両側の傾斜面にn型不純物でドーピングされたソース及びドレイン領域と、前記チップが設けられる末端を有するものであってp型半導体で形成されたカンチレバーと、を備え、
前記変調部は、高周波変調信号発生器と、前記カンチレバーに設けられ、前記高周波変調信号発生器から前記高周波変調信号が印加される電極と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体探針を利用した情報再生装置。 - 前記半導体探針は、p型半導体で形成されたチップと、前記チップの尖頭部にn型半導体で低濃度ドーピングされて前記チャンネルが形成される領域と、前記チャンネルの両側の傾斜面にn型半導体で高濃度ドーピングされたソース及びドレイン領域と、前記チップの末端に設けられ、p型半導体で形成されたカンチレバーと、を備え、
前記変調部は、高周波変調信号発生器と、前記カンチレバーに設けられ、前記高周波変調信号発生器から前記高周波変調信号が印加される電極と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体探針を利用した情報再生装置。 - 前記高周波変調信号は、正弦波信号であることを特徴とする請求項1ないし3のうち何れか1項に記載の半導体探針を利用した情報再生装置。
- 前記高周波変調信号は、前記情報記録媒体が発生する電界の周波数より少なくとも5倍以上大きい高周波信号であることを特徴とする請求項4に記載の半導体探針を利用した情報再生装置。
- 前記復調部は、前記信号検出部で検出された信号と復調信号とを乗算するマルチプライヤと、前記マルチプライヤから出力された信号から所定の周波数より小さい周波数領域の信号を抽出する低域通過フィルターと、を備え、前記復調信号は、前記変調信号と周波数が同じであり、前記信号検出部から検出された信号と位相が同じであることを特徴とする請求項1ないし3のうち何れか1項に記載の半導体探針を利用した情報再生装置。
- 前記低域通過フィルターのカットオフ周波数は、前記変調信号の周波数より少なくとも10倍以上小さいことを特徴とする請求項6に記載の半導体探針を利用した情報再生装置。
- 前記信号検出部は、前記半導体探針に電圧を分配印加して信号を抽出できるように電圧ディバイダ回路で構成されたことを特徴とする請求項1ないし3のうち何れか1項に記載の半導体探針を利用した情報再生装置。
- 前記電圧ディバイダ回路は、少なくとも一つ以上の抵抗と前記半導体探針とで構成されたブリッジ回路であることを特徴とする請求項8に記載の半導体探針を利用した情報再生装置。
- 前記復調部は、前記信号検出部で検出された信号と復調信号とを乗算するマルチプライヤ及び前記マルチプライヤから出力された信号から所定の周波数より小さい周波数領域の信号を抽出する低域通過フィルターを備え、前記復調信号は、前記変調信号と周波数が同じであり、前記信号検出部から検出された信号と位相が同じであることを特徴とする請求項9に記載の半導体探針を利用した情報再生装置。
- 前記ブリッジ回路は、前記半導体探針と一つの抵抗とを含むハーフブリッジ回路であり、前記抵抗と前記半導体探針とが直列に連結されたノードで信号が検出されることを特徴とする請求項9に記載の半導体探針を利用した情報再生装置。
- 前記ブリッジ回路は、前記半導体探針と3個の抵抗とを含むホイートストンブリッジ回路であり、差動増幅器をさらに備え、前記差動増幅器の反転あるいは非反転入力端は、前記半導体探針が含まれて第1抵抗と連結された第1ハーフブリッジ連結ノードまたは前記抵抗のみで構成された第2抵抗と第3抵抗との間の第2ハーフブリッジ連結ノードに連結され、前記差動増幅器の出力端から信号を検出することを特徴とする請求項9に記載の半導体探針を利用した情報再生装置。
- 前記第1抵抗の抵抗値は、前記半導体探針の純抵抗成分の抵抗値と同じであり、前記第2抵抗及び前記第3抵抗の抵抗値が同じであることを特徴とする請求項12に記載の半導体探針を利用した情報再生装置。
- 前記復調部は、前記信号検出部で検出された信号と復調信号とを乗算するマルチプライヤー及び前記マルチプライヤーから出力された信号から所定の周波数より小さい周波数領域の信号を抽出する低域通過フィルターを備え、前記復調信号は、前記変調信号と周波数が同じであり、前記信号検出部から出力された信号と位相が同じであることを特徴とする請求項13に記載の半導体探針を利用した情報再生装置。
- 前記電圧ディバイダ回路は、少なくとも一つ以上の抵抗を含み、前記半導体探針で帰還ループを形成した演算増幅器を備える反転増幅回路であることを特徴とする請求項8に記載の半導体探針を利用した情報再生装置。
- 前記復調部は、前記信号検出部で検出された信号と復調信号とを乗算するマルチプライヤー及び所定の周波数より小さい周波数領域の信号を抽出する低域通過フィルターを備え、前記復調信号は、前記変調信号と周波数が同じであり、前記信号検出部から出力された信号と位相が同じであることを特徴とする請求項15に記載の半導体探針を利用した情報再生装置。
- 情報記録媒体が発生する電界によってチャンネルが変わる半導体チップを有する半導体探針を利用して媒体に記録された情報を再生する方法において、
前記半導体探針に高周波変調信号を加えて変調電界を形成して、前記電界によって誘起された情報信号を変調する変調ステップと、
前記半導体探針で発生された信号を検出する信号検出ステップと、
前記信号検出ステップで検出された信号から前記変調電界によって変調された情報信号を抽出する復調ステップと、を含む半導体探針を利用した情報再生方法。 - 前記復調ステップは、前記信号検出ステップで検出された信号と復調信号とを乗算するステップと、前記乗算するステップから出力された信号から所定の周波数より小さい周波数領域の信号を抽出するステップと、を含み、前記復調信号は、前記変調信号と周波数が同じであり、前記信号検出ステップで検出された信号と位相が同じであることを特徴とする請求項17に記載の半導体探針を利用した情報再生方法。
- 前記信号検出ステップは、前記半導体探針に電圧を分配する前記半導体探針で発生する信号を抽出することを特徴とする請求項18に記載の半導体探針を利用した情報再生方法。
- 前記信号検出ステップは、前記分配された電圧のオフセット電圧を除去し、かつ増幅するステップをさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の半導体探針を利用した情報再生方法。
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