JP4503210B2 - デジタルスチルカメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影光学系の透過光束をCCD等の撮像素子で撮像するデジタルスチルカメラ、特に撮影光学系のフォーカシングやズーミングをモータにより行うものに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のデジタルスチルカメラでは、フォーカシングモータにより撮影光学系中のフォーカシング光学系を駆動してフォーカシングを行うとともに、ズーミングモータにより同ズーミング光学系を駆動しててズーミングを行う。従来カメラでは、レンズ駆動機構の構成上、撮影光学系と上記各モータとを撮影光軸と直交する方向に並べて配置するのが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにモータを撮影光学系と並べる配置では、それらの配置部が少なくとも撮影光学系の径とモータの径とを合わせただけの幅あるいは厚さを必要とし、これがカメラの小型化を阻害していた。
【0004】
本発明の目的は、撮影光学系およびモータの配置部の幅および厚さを最小限に小さくしたデジタルスチルカメラを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るデジタルカメラは、光軸方向に移動可能な撮影光学系と、撮影光学系の後方に設けられ、撮影光学系の透過光束を受光して光電変換する撮像素子と、撮影光学系を光軸方向に駆動するための駆動源であるモータとを有し、モータは、撮像素子の後方において、その出力軸が前記撮影光学系の光軸と平行になるように、かつ光軸方向から見た場合に前記モータの一部が前記撮像素子と重なるよう配置されていることを特徴とする
請求項2の発明は、撮影光学系の光軸方向に延在し、回転により撮影光学系を光軸方向に移動せしめる軸部材と、撮影光学系の後方に設けられ、撮影光学系の透過光束を受光して光電変換する撮像素子と、撮像素子の更に後方に配置され、出力軸が前記軸部材に同軸で連結されて該軸部材を回転駆動するモータとを具備し、モータは、光軸方向から見た場合にその一部が撮像素子と重なるよう配置されていることを特徴とする
請求項の発明は、モータの出力軸が、撮像素子が実装される基板に形成された切欠きまたは孔を通って軸部材に連結されるようにしたものである。
請求項の発明は、本体部と、本体部に対して光軸と直交する方向の軸回りに回転可能な撮影レンズ鏡筒部とから成るデジタルカメラであって、上記撮影光学系,撮像素子およびモータが撮影レンズ鏡筒部に収容されるものである。
請求項の発明は、撮影光学系の側方において部分的に本体部側に膨出する膨出部を撮影レンズ鏡筒部に設け、膨出部に閃光発光部を配置し、本体部の撮影レンズ鏡筒部側の部分に、膨出部を収容可能なへこみを設けたものである。
請求項6の発明は、上記モータの更に後方に閃光発光用のコンデンサを配置したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1,図2により本発明の一実施の形態を説明する。
図1は本実施形態におけるデジタルスチルカメラの平面図、図2はそのII−II線断面図である。デジタルスチルカメラは、二点鎖線で示す本体部10と、実線で示す撮影レンズ鏡筒部(以下、単に鏡筒部)20とから成り、鏡筒部20がその撮影光軸OXと直交する軸回りに本体部10に対して回転可能に構成される。鏡筒部20に配置される撮影光学系21は、レンズ枠21aに保持されたフォーカシング光学系と、レンズ枠21bに保持されたズーム光学系とを有し、両レンズ枠21a,21bは光軸方向に延在する一対の駆動軸22(1本のみ図示)にそれぞれねじ結合されている。
【0007】
撮影光学系21の後方には、撮像素子としてのCCD24が実装された基板23が配置されている。撮影光学系21を通った被写体光束は、CCD24に受光されて電気的な画像信号に変換され、この画像信号に所定の画像処理が施された後、画像データとして本体部10側のメモリーカード(不図示)に記録される。なお、CCDに代えて他の撮像素子(例えば、C−MOS)を用いたものでもよい。
【0008】
基板23の更に後方にはフォーカス用のステッピングモータ25およびズーム用のステッピングモータ26が設けられている。これらのモータ25,26は、図2の如くカメラ上下方向に並べられ、基板23とともに不図示の保持部材に保持される。モータ25,26の出力軸25a,26aは、上述した一対の駆動軸22にそれぞれ同軸で連結され、各モータ25,26の回転により各駆動軸22が回転する。そして、一方の駆動軸22の回転によりレンズ枠21aが光軸方向に移動してフォーカシングが行われ、他方の駆動軸22の回転によりレンズ枠21bが光軸方向に移動してズーミングが行われる。
【0009】
このように本実施形態では、モータ25,26の出力軸25a,26aを駆動軸22と同軸で連結し、モータ25,26により駆動軸22を回転させることでフォーカシングおよびズーミングを行うよう構成されている。この構成によりモータ25,26を撮影光学系21やCCD24の後方に配置することが可能となり、モータ25,26と撮影光学系21とを光軸OXと直交する方向に並べる場合と比べて鏡筒部中央付近の幅Wおよび厚さDを小さくすることができる。なお、これ以外の構成でもモータをCCDの後方に配置すること自体は可能であるが、この場合はモータ駆動力伝達系の配置により幅Wまたは厚さDを大きくせざるを得ず、スペースの大きさによっては配置不可である。
また本実施形態では、出力軸25a,26aと駆動軸22とを直結、あるいはごく簡単な動力伝達系で連結することができるため、モータ自体も駆動トルクの小さい小型のもので済み、このことも鏡筒部20の小型化に寄与する。
【0010】
さらに本実施形態では、出力軸25a,26aが基板23の上下端部に形成した切欠き23a,23bを通って駆動軸22に連結されるようになっている。このように基板23に出力軸25a,26aを避けるための切欠きを設けることで、出力軸25a,26aとCCD24の間隔をぎりぎりまで詰めて、モータ25,26を可能な限り光軸OXに近づけて配置できる。図2から分かるように、光軸方向から見た場合にモータ25,26の一部がCCD24と重なり合うような配置も可能となる。したがって、上記鏡筒部20の厚さDをより一層小さくできる。なお、切欠きに代えて孔でもよい。
【0011】
因みに、図3はモータ25,26をCCD24の前方に配置した比較例を示している。この場合はモータ25,26が撮影光学系21の上方および下方に配置されることになり、本実施形態と比べて鏡筒部20の厚さDを大幅に厚くせざるを得ない。
【0012】
図1に戻り、モータ25,26の更に後方である鏡筒部20の後端部には、閃光発光用のメインコンデンサ28が配置される。メインコンデンサ28は撮影光学系21の幅よりも大径のため、その配置部分はコンデンサ28を収めるのに必要な分だけ本体部10側に若干膨出している。また鏡筒部20の前面から撮影光学系21の中央部付近に至るまでの箇所も本体部10側に膨出され、その膨出部分に閃光発光部29が配置される。閃光発光部29は、閃光発光管,リフレクタ,閃光発光回路等から成り、これを本体側に膨出させたため鏡筒部20は従来のような直方体形状ではなく、断面略L字状となる。
【0013】
このように閃光発光部29およびコンデンサ28も撮影光学系21の上方あるいは下方に配置するのでなく、閃光発光部28は撮影光学系21の側方、コンデンサ28はCCD24の後方にそれぞれ配置されるので、これらの配置が鏡筒部20の薄型化を妨げることはない。
【0014】
一方、本体部10は鏡筒部20の形状に対応した形状とされ、上記閃光発光部29(膨出部)の後方に位置する部分を逆に鏡筒部20側に膨出させることで、カメラ全体としてほぼ直方体形状となるよう構成される。この本体部10の膨出部分は、鏡筒部20側の幅Wを小さくしことによって十分なスペースを確保でき、ここに液晶モニタ、メモリカード、電源電池、電気回路基板等を問題なく配置できる。
【0015】
なお、以上では鏡筒部20が本体部10に対して回転可能なカメラを示したが、カメラ本体にレンズ鏡筒が固定的に突設されたカメラにも本発明を適用できる。
【0016】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、モータをその出力軸が撮影光学系の光軸と平行になるように撮像素子の後方に配置したので、撮影光学系とモータとを光軸と直交する方向に並べて配置する場合と比べて配置部の厚さや幅が小さくて済み、カメラの小型化が図れる。
請求項2の発明によれば、モータの出力軸を軸部材に同軸で連結して軸部材を回転させ、これにより撮影光学系を光軸方向に移動させるようにしたので、モータを撮像素子の方向に配置することができ、上述と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるデジタルスチルカメラの平面断面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】モータを撮像素子の前方に配置した場合の問題点を説明する図。
【符号の説明】
10 本体部
20 鏡筒部
21 撮影光学系
21a フォーカシング光学系を保持するレンズ枠
21b ズーム光学系を保持するレンズ枠
22 駆動軸(軸部材)
23 基板
23a,23b 切欠き
24 CCD
25,26 モータ
25a,26a 出力軸
28 メインコンデンサ
29 閃光発光部
OX 撮影光軸

Claims (6)

  1. 光軸方向に移動可能な撮影光学系と、
    該撮影光学系の後方に設けられ、該撮影光学系の透過光束を受光して光電変換する撮像素子と、
    前記撮影光学系を前記光軸方向に駆動するための駆動源であるモータとを有し、
    前記モータは、前記撮像素子の後方において、その出力軸が前記撮影光学系の光軸と平行になるように、かつ光軸方向から見た場合に前記モータの一部が前記撮像素子と重なるよう配置されていることを特徴とするデジタルスチルカメラ。
  2. 撮影光学系の光軸方向に延在し、回転により撮影光学系を光軸方向に移動せしめる軸部材と、
    前記撮影光学系の後方に設けられ、該撮影光学系の透過光束を受光して光電変換する撮像素子と、
    該撮像素子の更に後方に配置され、出力軸が前記軸部材に同軸で連結されて該軸部材を回転駆動するモータとを具備し、
    前記モータは、光軸方向から見た場合にその一部が前記撮像素子と重なるよう配置されていることを特徴とするデジタルスチルカメラ。
  3. 前記モータの出力軸は、前記撮像素子が実装される基板に形成された切欠きまたは孔を通って前記軸部材に連結されていることを特徴とする請求項2に記載のデジタルスチルカメラ。
  4. 前記デジタルスチルカメラは、本体部と、該本体部に対して前記光軸と直交する方向の軸回りに回転可能な撮影レンズ鏡筒部とから成り、前記撮影光学系,撮像素子およびモータは前記撮影レンズ鏡筒部に収容されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のデジタルスチルカメラ。
  5. 前記撮影レンズ鏡筒部には、前記撮影光学系の側方において部分的に前記本体部側に膨出する膨出部が設けられ、該膨出部に閃光発光部が配置され、前記本体部の前記撮影レンズ鏡筒部側の部分には、前記膨出部を収容可能なへこみが設けられていることを特徴とする請求項4に記載のデジタルスチルカメラ。
  6. 前記撮影レンズ鏡筒部には、前記モータの更に後方に閃光発光用のコンデンサが配置されていることを特徴とする請求項5に記載のデジタルスチルカメラ。
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