JP4503139B2 - 作業ダクトを含む内視鏡 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、請求項１の前提部に記載の種類の内視鏡に関する。
【０００２】
【従来の技術】
中実シャフト構造と呼ばれるこの種の構造の内視鏡は、例えば、腹腔鏡検査において又は泌尿器科学における腎臓鏡及び尿道鏡として使用される。内視鏡を長さ方向に完全に貫通する作業ダクトは、端部において開放し、内視鏡の長さを介して手術範囲まで作業器具を案内するのに役立つ。作業ダクトを密封状態で囲むハウジングは、その内部スペースに、内視鏡の操作に必要であり、内視鏡の使用時に、特に、内視鏡の使用時以降の殺菌時に蒸気及び水分に対して保護すべき装置を受容する。このような保護すべき装置は、特に、光学系、照明装置（例えば、慣用の光伝送繊維束）又は他の装置（例えば、電子装置）である。この場合、内視鏡の耐久性構造のために、ハウジングの極めて良好な密封が重要である。
【０００３】
作業ダクトは、この種の機器において、流動体の案内にも使用される。このため、以降の流通管路を接続した側部排出ダクトが設けてある。作業ダクトの遠位端を介して、例えば、洗浄液を手術範囲に送液するため又は手術範囲から吸引排出するため、作業ダクトの近位端を弁で閉じ、排出ダクトを他の弁で開くことができるようにしている。流通管路によって、例えば、ガスも吸引排出又は導入できる。
【０００４】
この種の内視鏡は、そのシャフトの外方にも、シャフトの遠位端導入範囲のまわりに配置され、例えば、継手によって、例えば、シャフトの近位端に続く主要部材に、着脱自在に結合された補足の外側シャフトを有することができる。シャフトと外側シャフトとの間の中間スペースは、洗浄ダクト又は吸引ダクトとして使用でき、このため、外側シャフトには、シャフトとの間の中間スペースに接続された他の排出ダクトが設けてある。
【０００５】
公知のこの種の内視鏡の場合、排出ダクトは、ハウジング近位端から突出する作業ダクト部分に接続されている。この接続方式には、構造が簡単であるという利点があるが、内視鏡の使用中に排出ダクトに懸架されるホースが過度に近位端に位置するという欠点がある。ホースは、内視鏡に対して機器の重心の後方へ近位端へ向かってホース重量を負荷し、オペレータの操作に、及び光学系のアイピースによる観察に必要な範囲に位置する。
【０００６】
ドイツ特許第４１０１４７２号には、回転自在に結合された外側シャフトをシャフトに設けた泌尿器科用切除鏡の形の異種の内視鏡が記載されている。外側シャフトには、２つの排出ダクトが設けてあり、このうち１つの排出ダクトは、シャフトの間の中間スペースに接続され、他の排出ダクトは、密封された環状ダクト及び内側シャフトの開口を介して内側シャフトに接続される。この機器は、中空シャフト構造方式で設計され、したがって、排出ダクトの範囲に、密封ハウジングの問題点はない。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、内視鏡操作が排出ダクト及びこの排出ダクトに設けたホースによって妨害されることのないように構成した内視鏡を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
この課題は、請求項１の特徴によって解決される。
【０００９】
本発明に基づき、排出ダクトは、ハウジング近位端から突出する作業ダクトの範囲に直接に設けるのではなく、ハウジングの範囲にハウジングを貫通するように設置される。かくして、排出ダクトを本質的に更に遠位に、特に、光学系及び光伝送体の引出口から遠くに設置できる。排出ダクトに装着されるホースは、引出される他の管路、例えば、光伝送ケーブルと共に、重心に対して好適な平衡状態に設置できる。更に、排出ダクトは、オペレータの作業範囲から離れて位置する。排出ダクト及びこのダクトに設けたホースによる妨害は、十分に制限される。本発明に係る内視鏡によって、本質的に簡単且つ容易に作業できる。
【００１０】
請求項２の特徴は有利である。かくして、ハウジングの内部スペースに対する排出ダクトの必要な密封を、構造的に簡単に実現できる。
【００１１】
排出ダクトは、ハウジングに不動に設置できる。しかしながら、請求項３の特徴が有利である。かくして、排出ダクトを内視鏡の軸線のまわりに旋回自在に設けることができ、これにより、排出ダクトは、内視鏡のすべての回転位置において、好適な引出し角度に、例えば、下方へ向けて、調節できる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
次に、実施の形態について説明する。本発明の実施の形態を図面に模式的に示した。
【００１３】
模式的図面から明らかな如く、内視鏡は、患者の体内に導入される遠位端の管状シャフト１と、上記シャフト１の近位端に続く頭体部２とからなるハウジングを有する。これら双方の部材は、詳細には説明しない態様で、例えば、接着、ろう付けなどによって、相互に密封状態で結合されている。
【００１４】
作業ダクト３を囲む作業パイプ４は、ハウジング１，２を通過し、図１に示すように、頭体部２の端壁を密封状態で貫通し、近位端範囲において上記頭体部２から突出する。
【００１５】
頭体部２に設けてあり光伝送ケーブルの接続に役立つ接続スタッド５には、ハウジング１，２の内部スペースを縦方向へ通過してシャフト１の遠位端に達する光伝送繊維束６の近位端が固定されている。更に、頭体部２からアイピーススタッド７が延びており、シャフト１を介して同じく内視鏡の遠位端まで案内された光学系８が、上記スタッド７を通過する。アイピーススタッド７には、光学系８の近位端のアイピース９が設けられている。
【００１６】
シャフト１の遠位端（図示していない）において、ハウジング１，２は、例えば、光学系８の窓によって且つシャフト１の内部の横断面及び作業パイプ４及び光学系８の外部横断面に充填された光伝送繊維束６の繊維の十分に密な接着によって、適切に密閉されている。十分に密閉されたハウジング１，２は、内視鏡の操作によって、又は殺菌時に侵入する水又は蒸気によって、内部に設けた光学系８及び露出状態で敷設されることのある光伝送繊維束６が損傷されるのを防止するのに役立つ。
【００１７】
作業ダクト３は、両端において開放している。作業ダクトの近位端には、横断面を閉鎖する弁10が設けられている。
【００１８】
上述の内視鏡は、先行技術から公知である。この種の公知の内視鏡は、ハウジング１，２の近位端から突出する作業ダクト１の端部範囲に、弁12を備え作業パイプ４に側方へ接続された排出ダクト11（図１に破線で示している）を有する。上記排出ダクト11には、ホースの形の流通管路の始端が接続されている。弁10を閉じ、弁12を開ければ、洗浄液、ガスなどの導入又は排出に作業ダクト３を使用できる。図１から明らかな如く、この場合、しかしながら、排出ダクト11から出発するホースは、著しく近位端の近傍に、すなわち、アイピース９及び接続スタッド５の近傍に位置する。かくして、重心位置が不適となり、オペレータの操作領域がホースによって妨害される。
【００１９】
他方、図１に示した構造の場合、頭体部２の遠位端には、シャフト１を囲む頭体部２の壁部、シャフト１自体及び作業パイプ４の壁部を貫通する内部排出ダクト13が設けてある。作業パイプ４とシャフト１との間には、適切な形状に構成され、作業パイプ４の壁部とシャフト１の壁部との間で内部排出ダクト13の縁のまわりに密封当接し、例えば、接着、ろう付けなどによって、適切に密封固定された密封部材14が設けられている。密封部材14は、ハウジング１，２の内部スペースに対して内部排出ダクト13を良好に密封するのに役立つ。密封部材４は、例えば、作業パイプ４の軸線に直角をなす短いパイプ片として構成することもできる。
【００２０】
弁16を備えた外側作業ダクト15は、内側排出ダクト13の外側出口部17に直接に固定できる。シャフト１が頭体部２で囲まれていない場合、外側排出ダクト15をシャフト１に直接に固定できる。
【００２１】
しかしながら、図示の実施の形態の場合、外側排出ダクト15は、シャフト１の軸線のまわりに旋回自在に設けられている。
【００２２】
外側排出ダクト15は、内周面ダクト19と共に内側排出ダクト13の外側出口部17を被うリング18に固定されている。リング18は、図示の如く、軸線方向へ保持され、頭体部２に回転自在に支持され、図示してない手段によって回転可能に密封されている。この構造の場合、シャフト１の軸線のまわりの外側排出ダクト15のすべての旋回位置において、作業ダクト３から外側排出ダクト15に接続されたホース（図示していない）への流通路が確保される。
【００２３】
リング18は、クリーニングのために、図示していない態様で頭体部２から取外し得るよう構成されている。排出ダクト15は、図示の内視鏡に、他の軸線方向位置（例えば、接続スタッド５の軸線方向位置）に設けることもできる。上記排出ダクトは、上記接続スタッドに対して径方向において対向させて設けることができ、この場合、リング18の回転自在な構成は不可能である。しかしながら、このような回転自在な構成は、例えば、接続スタッド５とアイピーススタッド７との間の頭体部２上において可能である。
【００２４】
同様に、例えば、リング18に固定でき、上記リングによって近位端において密封され、シャフト１を囲む外側シャフトを設けることができる。補足して設けた外側シャフトは、リング18によって回転自在に支持でき、上記リングから取外し得るように構成できる。補足外側シャフトには弁を備え、シャフト１と補足外側シャフトとの間の中間スペースに、更にホースを接続できる他の排出ダクトを設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る内視鏡の実施の形態を示す部分断面図である。
【図２】図１の線２−２に沿う断面図である。
【符号の説明】
１ シャフト
２ 頭体部
３ 作業ダクト
４ 作業パイプ
５ 接続スタッド
６ 光伝送繊維束
７ アイピーススタッド
８ 光学系
９ アイピース
10 弁
11 排出ダクト
12 弁
13 内部排出ダクト
14 密封部材
15 外側排出ダクト
16 弁
17 外側出口部
18 リング
19 内周面ダクト

Claims (3)

1. 長いシャフト（１）であって密封ハウジング（１，２）を構成するシャフト（１）を備え、前記密封ハウジングは光学系（８）及び照明手段（６）を密封状態で取り囲んでおり、且つ、端部において開放し、近位端でハウジングから突出し、流通路の接続のための側部排出ダクト（13，15）を有する作業ダクト（３）が、上記ハウジングを長さ方向に隙間をふさぐように通過する形式の医療用内視鏡において、排出ダクト（13）が、ハウジング（１，２）の壁部及び作業ダクト（３）の壁部（４）を貫通するように設置されていることを特徴とする内視鏡。
2. 作業ダクト（３）の壁部とハウジング（１，２）の壁部との間には、排出ダクト（13）を囲む密封部材（14）が設けられていることを特徴とする請求項１に係る内視鏡。
3. ハウジング（１，２）の壁部において外方へ開口する排出ダクト（13）の内側部分が、ハウジング（２）に回転自在に且つ密封状態で支持されたリング（18）の内側ダクト（19）に開口し、排出ダクト（15）の外側部分が、上記内側ダクトから出始めていることを特徴とする請求項１に係る内視鏡。

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