JP4501272B2 - 表面処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小な空隙構造を有する被処理物の空隙内部表面および容易に表面を処理しがたい被処理物の表面をエッチング・アッシング・改質・薄膜の形成を行う表面処理技術に関し、特に大気圧およびその近傍の雰囲気で短時間で効率のよい表面処理をすることのできる、生産性が高く製造コスト並びに製造設備コストがかからない表面処理方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラズマ放電による表面処理は真空中又は減圧された環境において行われていたが、近年になり大気圧若しくはその近傍での処理が可能となってきた。
【0003】
これらは、例えば、特公平2−48626号、同4−74372号、同6−72308号、同7−48480号、特開平2−281734号、同3−229886号、同3−236475号等に開示されている。
【0004】
更に近年に至っては被処理物の特定の部分のみを処理する方法として、大気圧下でのプラズマにより生成した放電用ガスの励起活性種を所望の処理領域のみに吹き付ける吹き出し型プラズマ処理法が見いだされている。これらについては、例えば、特開平3−219082号、同6−2149号、同4−358076号、同9−232293号、同11−251304号、同11−260597号、同11−335868号に記載がある。
【0005】
容易にその表面が処理しがたい被処理物の表面、例えば微小な空隙構造(細孔)を有した処理物の空隙内部を処理する方法として前述のような吹き出し型プラズマ処理がある。しかしながら、吹き出し型大気圧プラズマはプラズマ発生部にて生成した励起活性種(ラジカル・イオン等)を処理したい箇所に接触させて処理する方法であるため、その原理から励起活性種の失活が処理効果に大きく影響を与える。つまりプラズマ発生部と被処理部との距離が大きくなればなるほど改質効果は激減し、更には微小であったり複雑な空隙構造の場合は励起活性種がより内部へ進入しにくくなり殆ど改質効果が失われてしまう。
【0006】
又、最もオーソドックスな従来の処理法、つまり電極間に微小空間を有する被処理物そのものを配置し処理する方法では、被処理物外部表面は処理されるが、微小空間内部では殆どプラズマが発生しないため微小空間内部を処理することができない。若しくはその処理効率が極めて低く非常に多くの処理時間を要していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、上記問題に鑑み、微小空隙を有する被処理物の空隙内部を効率よく処理する表面処理方法に関するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は以下の手段により達成される。
【0009】
1.大気圧又はその近傍の圧力下で、微細な空隙と少なくとも2つの口をもつ貫通口を有する被処理物の1つの口から内部に放電用ガスを導入し、そして該放電用ガスを導入した口と異なる少なくとも1つの口から排気しながら、該放電用ガスを導入する口近傍と該放電用ガスを排気する口近傍にそれぞれ配置した、誘電体を表面に配設した電極間に通電して、前記被処理物内部空隙に放電を発生させ、前記被処理物の内部表面を処理することを特徴とする表面処理方法。
【0010】
2.放電用ガスの流れる方向に沿った電位勾配を有することを特徴とする前記1記載の表面処理方法。
【0011】
3.放電用ガスが、ヘリウム若しくはアルゴンを含有することを特徴とする前記1又は2に記載の表面処理方法。
【0012】
4.放電用ガスを導入する口近傍に配置した、誘電体を表面に配設した電極が、該放電用ガスを導入する口に連結した、該放電用ガス導入管の外部表面の少なくとも一部に接した状態で存在することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の表面処理方法。
【0013】
5.放電を発生させる電極間の距離が50mm以下であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の表面処理方法。
【0014】
6.前記1〜5のいずれか1項に記載の表面処理方法によりインク流路表面を親水化処理することを特徴とするインクジェットプリンター用ヘッドの製造方法。
【0015】
本発明の処理法によれば、微小空隙構造を有する被処理物の空隙入り口(以下、口とも呼ぶ)のうち、少なくとも1つの口から内部に、大気圧又はその近傍の圧力下で、所定の放電用ガスを導入し、そして前記放電用ガスを導入した口と異なる少なくとも1つの口から排気しながら、前記放電用ガスを導入する口近傍と前記放電用ガスを排気する口近傍にそれぞれ配置した、誘電体を表面に配設した電極間に通電して、前記被処理物内部に放電を発生させることにより非常に効率よく微小空隙内部表面が処理できることを見いだしたものである。
【0016】
一般にプラズマ放電処理は、放電用ガスの存在下、高圧の高周波電源によりプラズマ放電を発生させ生じた励起活性種により、被処理物基体表面に改質等の処理を行うものである。放電用ガスの種類を選ぶことにより、所望とする表面の改質、例えば親水化処理や疎水化処理等を行うことが可能である。プラズマ放電による表面処理は真空中又は減圧された環境において行われているが、本発明は大気圧プラズマ放電において微小空隙内表面の処理を効率よく行う方法に関するものである。大気圧プラズマ放電とは、減圧下で行う真空プラズマ放電に対し、大気圧又は大気圧近傍でプラズマ放電を発生させ生じた励起活性種により表面処理を行うものである。励起活性種の濃度を高くできるため処理の効率がいいのが特徴であるが、本発明において、大気圧近傍とは、1.013×102±0.507×102kPa、好ましくは1.013×102±0.304×102kPaの範囲であり、さらに好ましくは1.013×102±0.203×102kPaの範囲である。特に本発明のように、微細な空隙(貫通口有する)中の内部表面を処理するためには、放電用ガス導入口から被処理物機体内部の微細空隙に放電用ガスを効率よく導入しなければならず、装置としては、該導入口に放電用ガス導入管を密着させ放電用ガスを導入する必要がある。
【0017】
又、効率よく、貫通孔を有する微細な空隙中(例えば、後述するインクジェットヘッドのインク流路となる細孔)の内部表面にプラズマ処理を施すには、該細孔のガス導入口から、排出口までの経路に沿って(従ってガスの流れる方向に沿って)電位勾配を有していることが好ましい。
【0018】
上記放電用ガスを導入する口および排気する口のそれぞれ近傍に配置された2つの電極間に高周波電源を印加し、この貫通する空隙構造に放電用ガスを流し、プラズマ放電を発生させ該貫通する空隙構造の内部表面に表面処理を行うことが特徴である。
【0019】
プラズマ放電を起こさせるには、2つの電極間の距離である実用的な放電ギャップは50mm以下である。但し、電圧をあげることでギャップの大きくすることは可能であり必ずしも限定はされないが、好ましいギャップは電極間が20mm以下であり、更に好ましいのは10mm以下である。
【0020】
電極が放電用ガスの導入口および排気する口の近傍にあるとは、外部表面に沿った放電を起こすことなく、該貫通する空隙構造中で放電による励起活性種を内部表面に充分に行えるに必要なだけ発生させる距離に配置するということであり、プラズマ処理条件、又その処理装置の形態等により変化するが、通常は導入口より10mm以内の範囲である。又、通常はガスの導入を効率よく行うため導入口には連続して導入管が接続し、導入管の末端が導入口となるのが通常の方法である。従って、この場合は放電用ガス導入側の電極は導入口の近傍(従って10mm以内の場所である)でかつ導入管の外部表面の一部に接した形で配置される。好ましいのは該導入管の外部に貼りつけられた形であり、電極は誘電体を配設した金属電極でも直接金属電極でも良いが、該導入管を構成する素材がガラス、セラミック等の誘電体である場合は、導入管自体が電極の誘電体をかねることができる。
【0021】
導入管の形態は処理を必要とする細孔の形態や、数で異なっていてもよく、例えば内部を表面処理しようとする細孔が複数ある場合には、複数の細孔導入口全てをカバーできるような形態にしてもよい。また、その一部をカバーできる形にしてもよい。従って管の断面は必ずしも円とは限らず、楕円、矩形等、被処理物の形態により選択することができる。導入管の材質は、加工が容易であり,被処理物と密着が可能に加工できるものであれば選ばないが金属、ガラス、セラミック等が好ましい。金属の場合にはガス導入口の内部に誘電体を配設し、直接電極としても用いることができる。基本的には、電極表面に配設する誘電体と同じ素材を用いるのが、前記の如く導入側の電極の表面に配設する誘電体を兼ねることができ有利である。
【0022】
どの様な表面処理を施すかは、放電用ガスの種類等条件で異なってくるが、本発明の一態様として以下にインクジェットヘッドのインク流路となる細い貫通孔内部表面の親水化表面処理を行う方法について、いくつかの該方法を実施する装置とともに具体的に説明する。
【0023】
インクジェットヘッドは、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電性セラミックを用いたいわゆるシェアモード型ヘッドである。この圧電性セラミック基板上にインク流路となる微細な(例えば70μm間隔で)貫通した溝を複数形成したものに、蒸着によりアルミニウム電極を形成し、更に研磨加工し溝内部に電極を残し、この基板上に例えば特開2000−71451号に記載された条件でCVD法を用いて電極を保護するために保護膜としてパリレンからなる膜を形成し、更にチタン酸ジルコン鉛からなるカバーをエポキシ系接着剤で接着し、インク流路を形成した後、例えばポリイミド等からなるノズルプレートを実装したインクジェットヘッド試料を用いる。前記パリレンからなる保護膜は疎水性が高いため、親水性であるインクとの親和性を上げ泡の混入を防ぎ、排出性を向上させてインク流路内部に泡の滞留を防ぐためパリレン膜で覆われたインク流路表面を親水化する必要がある。
【0024】
この様なインク流路となる微細な貫通した空隙内部表面を本発明の方法は効率よく処理できる。
【0025】
インクジェットヘッドについては、前記特開2000−71451号に記載された方法に準じて作製したものである。パリレン等の保護膜についても詳細は該明細書中、又特開平10−250078号等に記載されている。
【0026】
図1はこのインクジェットヘッドに本発明のプラズマ処理を施している一態様を示している。図1において、1は被処理物のインクジェットヘッドを示しており、複数のインク流路を有するインクジェットヘッドの一つのインク流路に沿った断面を示しており、その内部表面には電極保護膜(例えばパリレン膜)11が塗設されている。2は放電用ガスの導入管を表し例えばセラミック或いはガラス等の誘電体でつくられており、該導入管の外側のインクジェットヘッドの放電用ガス導入口10に接するように電極21がその周囲に取り付けられている(この場合は電極表面の誘電体を導入管が兼ねているが、導入管によりこの様な効果が得られない場合には、電極表面に別に誘電体を配設してもよい)。
【0027】
又、放電用ガスの排出口12となるインクヘッドのノズルプレート13側の近傍にも誘電体24を表面に有する電極22が配置され接地されている。
【0028】
親水化処理のためには例えば、アルゴン、酸素等の放電用ガスを用いるが、放電用ガスは矢印で示すように導入管2を通し、導入口10からインク流路に導入される。電極21には高周波電源20から高周波電圧が印加される。インク流路中は放電用ガスの流れに沿った電圧勾配を有しており、ガスはインク流路中でプラズマ放電により励起活性種を発生し、この場合保護膜表面を親水化する。電極がインクヘッドのインク流路入り口(放電用ガス導入口)とノズルプレートの放電用ガス排出口すぐ近くに配置されていることにより、インク流路内部表面が効率よく処理できる。
【0029】
図2、図3はインクジェットヘッドに従来の大気圧プラズマ処理を行う例を示す図である。図2においては、放電用ガス導入管の被処理物(この場合インクジェットヘッド)のインク流路(反応ガス導入口)に接する部分に対向するように配置された電極21,22の間に高周波電源20により電圧を印加し反応ガスを通すことで電極間の放電により微細な貫通孔であるインク流路をプラズマ処理する例である。この場合2つの電極間で発生した励起活性種はインク流路中の内部表面を均一に処理するに充分な寿命をもっていないためと考えられるが、十分均一に内部表面を処理できない。
【0030】
又、図3はやはり従来のプラズマ処理装置中に被処理物をおき大気圧プラズマ処理を施す場合を示しているが、2つの電極21,22と電極表面に敷設された誘電体23,24と被処理物1(この場合インクジェットヘッド)のみを示している。例えばインクジェットヘッドの場合で、電極放電面積を75mm×75mmとし、電極間距離5mmで処理する例である。この場合大気圧放電では励起活性種が微細な内部空間まで入り込めないためにインク流路等の微細な貫通孔までは表面処理できない。
【0031】
又、励起活性種の失活の少ない(励起活性種の寿命が大気圧中よりも長い)真空プラズマ処理とした場合においても、内部表面まで均一に処理するにはかなりの時間を必要とする。
【0032】
従って、本発明の方法によれば、単に被処理物をプラズマ放電装置内部において全体をプラズマ処理するだけでは行えない微細な内部空間を有する被処理物の細孔内部の表面処理を行うことが出来、又、真空プラズマ処理に比べても処理時間を大きく短縮できる。
【0033】
図4は本発明の表面処理方法を実施する別の一形態を示す図である。図4の例においては、放電用ガス導入口10側の電極がガス導入管の周囲の外側の一部の表面に配置されているものである。
【0034】
図5は導入側の誘電体23が表面に配設された電極21を放電用ガス導入口10(微細貫通孔の入り口)にたいし対向する形で配置した例であり、その為に導入管の形態をかえ、反応ガスの導入を矢印で示す様に導入した例である。ガス排出口12側の対極となる接地した電極22(誘電体24が表面に配設されている)はガス流(矢印で示す)と平行に配置されている。
【0035】
図6は更に反応ガス排出口12側の接地した電極22(誘電体24が表面に配設されている)をガスの流れに対し対向する形で配置した例である。
【0036】
電極はガス流に対し直交する形で配置した方が放電効率は向上するが、ガスの流れを妨げないように設置する必要がある。この場合ノズルプレートの近傍でかつ流れを妨げず、放電が有効に起こる位置としては5mm程度の距離が適当である。
【0037】
図7はガス導入管2の内部に誘電体を表面に有する電極を配置した例である。ガスの流れを矢印で示すが導入口10付近でのガスの流れが余り極端に変化せずスムーズに流れるため好ましい。この例においては、放電用ガスの流れ即ち貫通する微細空孔の排出口12側の対極となる電極22は排出口でのガスの流れに対し電極面が平行に設置されているが、対向するように設置することも可能である。
【0038】
図8は被処理物が貫通する細孔のガス導入口側と一つの排出口側のみでなく、更にもう一つの排出口を有する場合の例を示しているが、この場合もガス導入口から放電用ガスを電極付きの導入管を通し導入し、2つの出口側それぞれに対極となる接地した電極を配置することで、それぞれの排出口に通ずる内部表面を効率よく処理できる。一方の電極のみとすることで選択的に一方の細孔の内部表面のみ表面処理することも可能である。
【0039】
図9は複数の微細な貫通孔を有するインクジェットヘッドの処理形態を示す図であり、インク流路等の貫通する微細な空孔が複数(図では3つの流路しか示していない)あるインクジェットヘッドを複数の溝を横切る形でみた際の断面を示しているが、放電用ガス導入口側に設置したガス導入管および該導入管に付設された誘電体23を表面に有する電極21、更にガス排出口側に対向する形で配置された対極となる誘電体24を表面に有する電極22間でのガス導入管から導入された放電用ガスにより流路内部表面がプラズマ放電処理される様子を示している。図9の(a)および(c)は、複数のガス排出口全体を対極となる電極がカバーする形になっており、被処理物内部細孔の表面全体を処理することができる。又、(b)、(d)の様に複数のガス排出口の一つに微小な対極となる電極を配置することで、放電用ガス導入口から電極を配置した排出口迄の微細な貫通孔内部表面が優先的に表面処理を受けることになるので、選択的な内部細孔表面の処理が可能である。
【0040】
本発明の方法で用いられるプラズマ放電処理装置に用いられる電極については、通常は金属例えばステンレス、アルミニウム、銅、銀等が用いられるが、電極の形は平板状でも、円筒状、棒状であってもよい。通常は、放電の効率を上げ安定に放電を起こさせるため、又電極の劣化を防ぐため、その表面に絶縁体(誘電体を)を配設したものが電極として用いる。
【0041】
放電電極に用いられる電極誘電体(被覆絶縁物)としては、誘電率が高く、熱伝導が高いものが好ましく、高分子樹脂(ポリイミド樹脂やポリエステル樹脂など)、ガラス、セラミック(ホワイトアルミナなど)、雲母などの絶縁物による固体誘電体であれば特に規定しない。厚みは電源周波数に応じて薄くしてゆくのがよいが5mm以下が適当であり、0.1〜2mmがより好ましい。熱伝導(冷却効率)および誘電率は高いほど好ましく、その観点からセラミック若しくはセラミックとガラスの複合材が特に好ましい。セラミックの場合、緻密性が必要となるため焼結体が最も好ましく、溶射による被覆セラミックであれば無機材料若しくは一部有機物を含む無機材料による封孔処理を施したものが好ましい。
【0042】
本発明は、大気圧又はその近傍(1.013×102±0.507×102kPaの範囲、好ましくは1.013×102±0.304×102kPaの範囲であり、さらに好ましく1.013×102±0.203×102kPaの範囲である)の気圧下、一対の電極間で放電させ、真空下で起こるグロー放電に似た放電により発生したプラズマにより被処理物表面を活性化するものである。放電用ガス中放電プラズマ処理の放電強度は、アーク放電も起こらず安定した効果的な処理を行うには、50W・min/m2以上500W・min/m2未満が好ましい。この範囲で放電用ガス中放電プラズマ処理を行うことにより、ダメージなく均一に処理を行うことが出来る。
【0043】
さらに、処理する際の交流の周波数は1kHz〜60MHzの範囲が好ましく、3kHz〜800kHzがより好ましい。1kHz未満では放電が起こりにくく、又出力を得るために数十kVという膨大な電圧が必要となるため、電源設備のコストアップ、沿面放電対策(該微細細孔外での被処理物外表面に沿った放電が起こってしまう)によるコストアップなどがあるため余り好ましくない。一方、周波数アップは低電圧での出力アップが行えるため、高効率処理に対して非常に有効であるが、プラズマ励起時の発熱量が非常に高くなるため電極および電極誘電体の耐久性に充分注意する必要があり、冷却手段が必須となる。又、放電を安定して発生させるために放電ギャップを小さくする必要がある。従って、前記の範囲が比較的本発明の電源周波数としては好ましい。
【0044】
対向電極に印加する電圧の大きさは適宜決められるが、電極に印加した際に電界強度が1〜100kV/cmとなる範囲にすることが好ましく、通常は電界強度(電位勾配)として4〜40kV/cmの範囲である。1kV/cm未満であると処理に時間がかかりすぎ、100kV/cmを超えるとアーク放電が発生しやすくなる。又、大きい程処理速度は増加するが上げすぎると基材にダメージを与えるのは同様である。また、直流が重畳されたパルス電界を印加してもよい。
【0045】
又、これらの印加電圧の波形としてはsin波形が好ましいが、電圧印加/非印加を繰り返すパルス波形も勿論有効であり、特に被処理物が熱に弱くプラズマ発熱量を余りあげたくないときはパルス化が有効である。しかしながら、プラズマ化率の低下による効率低下があるため、熱的問題がない場合は電圧印加/非印加のON/OFF比(デューティー比)は大きい方がより好ましい。
【0046】
又、より効率的な処理(≒短時間処理)を望む場合は、電極誘電体の耐久性が得られる範囲で出力を上げることが有効であり、印加電圧を上げる或いは誘電体の誘電率(ε)を上げるなどの手段を行うとよい。前述のように誘電体としては誘電率が高く、熱伝導が高いものが好ましい。
【0047】
プラズマによる表面処理においては、反応ガスの種類を含めたプラズマ処理条件により、表面をどの様に改質するかが決められる。従って目的とする、所望の処理に合わせてガス条件を自由に選ぶことができる。放電を均一に安定して発生させるために不活性ガスのアルゴン又はヘリウムなどの希ガスを主体にするのが好ましく、目安としては80%以上を不活性ガスとするのがよい。
【0048】
親水処理を目的とする場合は、酸素、窒素、炭酸ガス、水、アルコール、ケトン類等を混合させればよく、疎水化処理を目的とする場合は、フッ素含有低分子量ガス、低分子量の炭化水素ガス等が利用できる。
【0049】
又、重合膜を形成させたい場合は、炭化水素系ガス、フッ素含有ガス、有機モノマーガス等、特に、常温で液体の重合性モノマーの場合はキャリアーガスを通気してバブリングさせる方法が利用できる。
【0050】
本発明表面処理は特にインクジェットヘッドインク流路製造に用いられる保護膜等に用いられるパリレン等の炭化水素系高分子材料を改質する表面処理に最も有効であるが、それに限定されるものではなく、セラミック、金属などの無機物に対しても有効である。本発明のインク流路内部表面のプラズマ処理を用いた親水化処理以外について、インクジェットヘッドの構造、更にその製造方法自体等については特開平10−250078号、特開2000−250078号等に記載された方法を用いる事ができる。
【0051】
【実施例】
以下に本発明の実施の形態をインクジェットヘッドのインク流路表面の親水化処理に即して説明するが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
【0052】
実施例
先ず、特開2000−71451号に準じ、インクジェットヘッドを作製した。即ち、チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電性セラミック基板上に、ダイシングソーによりインク流路となる貫通した微細な溝を以下のように形成したインクジェットヘッド圧電セラミック基板を作製した。
【0053】
I型 70μm間隔で、
1流路のサイズ:
70μm(幅)×360μm(深さ)×3mm(流路長さ)
流路数:64個
II型 105μm間隔で、
1流路のサイズ:
105μm×420μm×7mm(流路長さ)
流路数:64個
次いで、それぞれの圧電セラミック基板にアルミニウム電極を蒸着により形成し、更に研磨加工し溝内部に電極を残した。これらの基板、およびやはりチタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電素子カバーに、電極を被覆保護し、かつ絶縁性を保持するためにパリレンC(スリーボンド株式会社より入手した)を用いてCVD法にて3μmのパリレン膜からなる電極保護膜を形成した。更にチタン酸ジルコン酸鉛からなるカバーをエポキシ接着剤にて接着しインク流路を形成した後、開口径φ45μmのポリイミド樹脂製ノズルプレートを実装しインクヘッドとした。
【0054】
このパリレン膜は疎水性のため、親水性であるインクは濡れ性がわるく、パリレン表面のままではインク流路表面を完全にインクで置換することができない。その為、親水化処理を施し、パリレン表面を親水化させてインクの濡れ性を向上させ、流路表面をインクで置換しやすくする。
【0055】
該インクヘッド2種につき、図6に示すようなインク流路の放電用ガス導入口側に、放電用ガス導入管および該導入管の外側に配置された表面に誘電体が配設された電極からなる導入装置、およびインク流路のガス排出口(ノズルプレート側)には5mmの距離を置いて対向するように電極表面に誘電体を配設した接地電極からなる表面処理装置を用いてインク流路内部表面のプラズマ処理し、親水化効果並びに圧電性セラミックの分極特性への影響(ダメージ)を調べることにより、本発明の効果を確認することとした。尚放電用ガス導入管はパイレックスガラス(厚さ1mm)管をインクジェットヘッド試料の64個のインク流路の全てをカバーできるように加工し、ステンレス電極を導入口の反対側に配置したものを、放電用ガスが漏れないように試料のガス導入口に密着させ用いた。対極となる電極はやはり厚み1mmのパイレックスガラスをステンレス表面に配設したものである。
【0056】
プラズマ処理条件は以下の通りである。処理時間は表1に示した。
(電源) 50kHz高周波電源(神鋼電機製)
(ガス) アルゴン:0.95L/min、酸素:0.05L/min
(放電条件) 印加電圧6kV、放電出力800W
(電極誘電体) パイレックスガラス(厚み1mm)
(環境) 大気圧近傍(1.013×102±0.101×102kPaであった)、気温25℃
親水化の効果確認は、インクの表面エネルギー(一般に30〜40mN/m)よりも表面エネルギーの高い純水(72mN/m)をインク流路内に充填し、気体が完全に流路内部から排出されて(気泡排出)、内部が完全に純水に置換されているかどうかを顕微鏡にて目視確認することで行った。
【0057】
比較例1
図2の従来の大気圧プラズマ処理装置で表面処理を施した。
【0058】
実施例で用いた2種インクヘッド(従ってインク流路および構成は実施例と同様)を用い、処理条件も同じである。
【0059】
但し、処理装置構成として図1におけるガス導入口側の電極を図2に示すようにかえた。即ち、ガス導入口側に対向した二つの電極を置き電極間で放電を発生させる(一方を接地する)。本発明における如くインク流路のノズルプレート側には接地電極がない。表1に処理時間を示した。
【0060】
比較例2
やはり実施例で用いた2種のインクヘッド(従ってインク流路および構成は実施例と同様)を用い、処理条件も同じである。
【0061】
但し、処理装置構成は図3に示した。インクジェットヘッドそのものを対向した電極間(有効放電面積75×75mm、電極間距離距離5mm)に配置し、インクジェットヘッド全体を放電に曝す形態とする。表1に処理時間を示した。
【0062】
比較例3
平行平板型ドライエッチング装置(ドライエッチング装置DEM−451 アネルバ(株)製)にて、対向する電極間にインクジェットヘッドをおき、全体を放電に曝す形態で、以下のプラズマ条件で、表1に示す時間プラズマ処理を行った。これも実施例で用いた2種のインクヘッドを使用した。
【0063】
プラズマ条件
(装置) 平行平板型反応装置
(電源) 13.56MHz高周波電源
(ガス) 酸素:0.05L/min
(放電条件) 放電出力200W
(環境) 10Pa
上記実施例、比較例について結果を以下に示した。但し、インク流路のサイズが異なったI型、II型いずれにおいても気泡排出性および処理物へのダメージの結果はほぼ同一であったためI型の結果を記載する。
【0064】
【表1】
【0065】
〈気泡排出性〉
チャネル内部に水を注入した際の泡の排出性。チャネル内部が充分に親水化されていないと、水が気泡を押しのけて壁面全体をぬらすことができず、結果気泡がチャネル内部に留まってしまう。
【0066】
前記のように、インクの表面エネルギー(一般に30〜40mN/m)よりも表面エネルギーの高い純水(72mN/m)をインク流路内に充填し、気体が完全に流路内部から排出されて(気泡排出)、内部が完全に純水に置換されているかどうかを顕微鏡にて目視確認することで行った。
【0067】
以下の基準で評価した。
◎ 気泡が容易に完全に排除される
○ 90%以上の確率で気泡が排除される
× 殆ど気泡が排除されない
〈被処理物へのダメージ〉
被処理物は圧電性セラミックを母材としており、圧電特性を得るために分極処理が施されている。圧電特性について、半導体基板を組み込んだヘッドの状態で、64個の各チャネル全てについてプラズマ処理前後の静電容量の変化をみることで判定した。即ち静電容量の変化が3%以内の変動幅におさまっていれば影響なしと判断した。
【0068】
○ 影響なし
× 影響有り
又、上記実施例、比較例でもちいたパリレンCに代えて、パリレンN(スリーボンド株式会社より入手した)を用いたほか同様の試験を行ったところ、こちらにおいても同様の結果が得られた。
【0069】
【発明の効果】
上記技術により極めて処理しにくい複雑形状内部や微細空隙内部も表面処理が可能となり、処理効率も大幅に向上できる。その結果処理時間の短縮化による生産性の向上や、使用ガス量の低減・放電出力の低減などによる省エネルギー・低ランニングコスト化によるコストダウン、又安定な処理が可能となるため高品質安定生産が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ処理をインクジェットヘッドに施している一態様を示す図。
【図2】インクジェットヘッドに従来の大気圧プラズマ処理を行う一例を示す図。
【図3】インクジェットヘッドに従来の大気圧プラズマ処理を行う別の一例を示す図。
【図4】本発明の表面処理方法を実施する別の一形態を示す図。
【図5】導入側の電極を導入口に対向する形で配置した本発明の表面処理方法を実施する別の一形態を示す図。
【図6】ガス排出口側の電極をガスの流れに対し対向する形で配置した本発明の表面処理方法を実施する別の一形態を示す図。
【図7】ガス導入管の内部に電極を配置した本発明の表面処理方法を実施する別の一形態を示す図。
【図8】2つの出口側それぞれに電極を配置した本発明の表面処理方法を実施する別の一形態を示す図。
【図9】複数の微細な貫通孔を有するインクジェットヘッドの処理形態を示す図。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド
10 ガス導入口
11 保護膜
12 ガス排出口
2 放電用ガス導入管
20 高周波電源
21,22 電極
23,24 誘電体
Claims (6)
- 大気圧又はその近傍の圧力下で、微細な空隙と少なくとも2つの口をもつ貫通口を有する被処理物の1つの口から内部に放電用ガスを導入し、そして該放電用ガスを導入した口と異なる少なくとも1つの口から排気しながら、該放電用ガスを導入する口近傍と該放電用ガスを排気する口近傍にそれぞれ配置した、誘電体を表面に配設した電極間に通電して、前記被処理物内部空隙に放電を発生させ、前記被処理物の内部表面を処理することを特徴とする表面処理方法。
- 放電用ガスの流れる方向に沿った電位勾配を有することを特徴とする請求項1記載の表面処理方法。
- 放電用ガスが、ヘリウム若しくはアルゴンを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理方法。
- 放電用ガスを導入する口近傍に配置した、誘電体を表面に配設した電極が、該放電用ガスを導入する口に連結した、該放電用ガス導入管の外部表面の少なくとも一部に接した状態で存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面処理方法。
- 放電を発生させる電極間の距離が50mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面処理方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の表面処理方法によりインク流路表面を親水化処理することを特徴とするインクジェットプリンター用ヘッドの製造方法。
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