JP4500132B2 - 耐食性、加工性及び外観品質が優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

耐食性、加工性及び外観品質が優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4500132B2
JP4500132B2 JP2004240432A JP2004240432A JP4500132B2 JP 4500132 B2 JP4500132 B2 JP 4500132B2 JP 2004240432 A JP2004240432 A JP 2004240432A JP 2004240432 A JP2004240432 A JP 2004240432A JP 4500132 B2 JP4500132 B2 JP 4500132B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
meth
acrylic acid
metal
solid content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2004240432A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005097734A (ja
Inventor
隆文 山地
晃 松崎
和久 岡井
啓二 吉田
正明 山下
祐一 福島
俊之 大熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
JFE Galvanizing and Coating Co Ltd
Original Assignee
JFE Steel Corp
JFE Galvanizing and Coating Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp, JFE Galvanizing and Coating Co Ltd filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2004240432A priority Critical patent/JP4500132B2/ja
Publication of JP2005097734A publication Critical patent/JP2005097734A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4500132B2 publication Critical patent/JP4500132B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D

Description

本発明は、建材や家電分野の用途に主として無塗装で用いられるAl−Zn系合金めっき鋼板の表面処理材、特に、所謂55%Al−Zn系合金めっき鋼板に代表される高Al−Zn系合金めっき鋼板に好適な、皮膜中にCrを含まないクロメートフリー表面処理材に関する。
所謂55%Al−Zn系合金めっき鋼板に代表される高Al−Zn系合金めっき鋼板は、めっき外観が美麗で且つ耐食性にも優れていることから、建材用途として屋根材や外壁材等に、また家電用途として例えば冷蔵庫の裏板等に、いずれも無塗装のままで用いられている。これらの用途では、めっき鋼板に長期に亘る防食性が要求されるだけでなく、めっき表面が直接目に触れる部分に用いられることから、湿潤環境等に曝されてもめっき表面が変色することなく、美麗な表面外観が長期間に亘って維持される耐食性を有することが必要である。また、建材用途の場合には、めっき鋼板がロールフォーミングにより成形されるため、めっきがロールにピックアップしないこと(すなわち、ロールフォーミング性が良好であること)が求められ、また家電用途の場合には、プレス成形後の外観が金型との摺動により黒化しない特性が必要である。
従来、このような用途に対しては、有機樹脂とCr6+を含むクロム化合物を含有する表面処理層をめっき表面に形成することにより対応してきた(例えば、特許文献1〜3)。しかしその一方で、最近では環境に対する影響度の観点からCrの規制が進みつつあり、これに伴い表面処理のクロメートフリー化が指向されている。また、Cr3+は無害であるが実際に市場で使用された場合、皮膜中のCr6+とCr3+を見分けることは困難である。このような背景から、Cr化合物を含まず、しかもクロメート処理に匹敵する優れた耐食性等の性能を有するクロメートフリー皮膜が強く望まれている。
特公平1−53353号公報 特公平4−2672号公報 特公平6−146001号公報
従来、クロムに代わる成分としてバナジウム化合物を含有した処理液を用い、浸漬、塗布、電解処理等の方法によってめっき表面に薄膜を形成させる技術が数多く開示されている。具体的には、(a)主にリン酸イオンとバナジン酸イオンを含有する塗料で処理を行う方法(例えば、特許文献4,5)、(b)有機樹脂とチオカルボニル基含有化合物、バナジウム化合物を含む塗膜を形成する方法(特許文献6)、(c)特殊変性フェノール樹脂とバナジウム化合物とジルコニウム、チタニウム等の金属化合物を含む表面処理剤により処理を行う方法(特許文献7)、(d)バナジウム化合物とジルコニウム化合物、チタニウム化合物等を含む表面処理液で処理を行う方法(特許文献8)などが挙げられる。
特開平1−92279号公報 特開平1−131281号公報 特開2000−248380号公報 特開2001−181860号公報 特開2002−30460号公報
しかし、上記(a)〜(c)の方法は、基本的に従来から防錆剤として用いられている5価のバナジウム化合物を用いたものであり、その効果を高める目的で有機化合物の添加がなされているが、5価のバナジウム化合物を用いた皮膜は溶解性が高いため、十分な耐食性が得られない、外観ムラを生じやすいなどの問題があり、また着色しやすいという問題もある。
また、上記(d)の方法は、皮膜の耐アルカリ性(耐水性)を向上させることを目的として、主として2〜4価のバナジウム化合物とZr、Ti、Mo、W、Mn等との複合皮膜を形成させるものであるが、特に2価または3価のバナジウム化合物を用いた場合には、5価のバナジウム化合物を用いた場合よりもさらに溶解性が高い皮膜となり、また、酸化或いは分解反応が進みやすいため処理液が不安定となり、安定した皮膜品質が得られにくいという問題もある。
このように従来技術によるクロメートフリーの表面処理皮膜では、従来から高Al−Zn合金めっき鋼板に用いられてきたクロメート処理皮膜に匹敵するような耐食性や外観品質は得られない。
したがって本発明の目的は、クロメート処理皮膜による表面処理材に匹敵する優れた耐食性、外観品質、加工性等の性能を有するAl−Zn合金めっき鋼板のクロメートフリー表面処理材及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の特徴は以下のとおりである。
[1]Alを25〜75mass%含有するAl−Zn系合金めっき皮膜を有するAl−Zn系合金めっき鋼板の前記めっき皮膜表面に、4価の価数を有する少なくとも1種のバナジウム化合物(A)と、リン酸又は/及びリン酸系化合物(B)と、Al,Mg,Znからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の金属成分(C)(但し、上記リン酸系化合物の一部として含有される金属及びその他の金属化合物の一部として含有される金属を含む)と、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(D)とを主成分とし、金属成分(C)が、第一リン酸亜鉛、第一リン酸アルミニウム、第一リン酸マグネシウム、フッ化物、硝酸塩からなる群の中から選ばれる少なくとも1種の金属化合物の一部として含有される金属成分であり、有機樹脂(D)が、スチレン(a)と、(メタ)アクリル酸(b)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)と、これら成分(a)〜(c)と共重合可能なビニルモノマー(d)とから得られる共重合樹脂であって、該共重合樹脂の固形分100mass%に対するスチレン(a)の固形分割合が20〜60mass%、(メタ)アクリル酸(b)の固形分割合が0.5〜10mass%、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)の固形分割合が20〜60mass%である有機樹脂であり、バナジウム化合物(A)の金属V換算での付着量が1〜100mg/m、有機樹脂(D)の付着量が0.5〜5g/m である表面処理皮膜を有することを特徴とする、耐食性、加工性及び外観品質が優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板。
[2]Alを25〜75mass%含有するAl−Zn系合金めっき皮膜を有するAl−Zn系合金めっき鋼板の前記めっき皮膜表面に、4価の価数を有する少なくとも1種のバナジウム化合物(A)と、リン酸又は/及びリン酸系化合物(B)と、Al,Mg,Znからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の金属成分(C)(但し、上記リン酸系化合物の一部として含有される金属及びその他の金属化合物の一部として含有される金属を含む)と、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(D)とを主成分し、金属成分(C)が、第一リン酸亜鉛、第一リン酸アルミニウム、第一リン酸マグネシウム、フッ化物、硝酸塩からなる群の中から選ばれる少なくとも1種の金属化合物の一部として含有される金属成分であり、有機樹脂(D)が、スチレン(a)と、(メタ)アクリル酸(b)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)と、これら成分(a)〜(c)と共重合可能なビニルモノマー(d)とから得られる共重合樹脂であって、該共重合樹脂の固形分100mass%に対するスチレン(a)の固形分割合が20〜60mass%、(メタ)アクリル酸(b)の固形分割合が0.5〜10mass%、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)の固形分割合が20〜60mass%である処理液を塗布した後、到達板温60〜250℃で乾燥することを特徴とする、耐食性、加工性及び外観品質が優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板の製造方法。
[3]Alを25〜75mass%含有するAl−Zn系合金めっき皮膜を有するAl−Zn系合金めっき鋼板の前記めっき皮膜表面に、4価の価数を有する少なくとも1種のバナジウム化合物(A)と、リン酸又は/及びリン酸化合物(B)と、Al,Mg,Znからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の金属成分(C)(但し、上記リン酸系化合物の一部として含有される金属及びその他の金属化合物の一部として含有される金属を含む)とを主成分とし、金属成分(C)が、第一リン酸亜鉛、第一リン酸アルミニウム、第一リン酸マグネシウム、フッ化物、硝酸塩からなる群の中から選ばれる少なくとも1種の金属化合物の一部として含有される金属成分である処理液を塗布した後、到達板温60〜250℃で乾燥し、さらにその上部に、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(D)を主成分し、該有機樹脂(D)が、スチレン(a)と、(メタ)アクリル酸(b)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)と、これら成分(a)〜(c)と共重合可能なビニルモノマー(d)とから得られる共重合樹脂であって、該共重合樹脂の固形分100mass%に対するスチレン(a)の固形分割合が20〜60mass%、(メタ)アクリル酸(b)の固形分割合が0.5〜10mass%、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)の固形分割合が20〜60mass%である処理液を塗布した後、到達板温60〜250℃で乾燥することを特徴とする、耐食性、加工性及び外観品質が優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板の製造方法。
本発明によれば、耐食性、加工性及び外観品質等に優れたクロメートフリーの表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板を安定して得ることができる。
本発明のクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板のベースとなるめっき鋼板は、めっき皮膜中にAlが25〜75mass%含まれるAl−Zn系合金めっき鋼板であり、所謂55%Al−Zn系合金めっき鋼板が最も代表的なものとして知られている。通常、この種のめっき皮膜中には、SiがAl量の0.5mass%以上含まれている。また、所謂55%Al−Zn系合金めっき鋼板とは、通常、Alが50〜60mass%程度含まれるAl−Zn系合金めっき鋼板(以下の説明において、「高Al−Zn系合金めっき鋼板」という場合、上記Al含有量のAl−Zn合金めっき鋼板を指すものとする)を指し、その皮膜中には通常Siが1〜3mass%程度含まれている。
本発明において、めっき皮膜中のAl含有量が25〜75mass%のAl−Zn系合金めっき鋼板を対象とするのは、このAl含有量の範囲において、特に優れた耐食性(耐赤錆性)が得られるためである。但し、このめっき鋼板には、めっき皮膜中にAlを多く含むことに由来する問題として、Alに腐食が生じると黒錆が発生し、赤錆に対しては防錆性を保つものの外観品質が著しく損なわれるという難点がある。また、このめっき鋼板を無塗装で用いる場合、めっきままの外観であることが好まれるためにスキンパスによる表面の著しい平滑化が行われず、このためめっき表面は微細な凹凸が形成されたままの状態になっている。この状態で例えばロールフォーミング加工を受けると、ロールとの接触によってめっき表面にかじりが生じ、ロール損傷の原因となるほか、成形後の外観が劣るという品質面での問題がある。したがって、これらを解消するために、めっき表面にさらに皮膜を形成することが必要となる。
以下に述べるように、本発明による特性改善効果は、めっき皮膜中のAl含有量が25〜75mass%のAl−Zn系合金めっき鋼板において顕著に得られるものであるが、そのなかでも上記高Al−Zn系合金めっき鋼板において特に顕著な特性改善効果が得られる。
次に、Al−Zn系合金めっき皮膜の表面に形成する表面処理皮膜について説明する。
本発明において、Al−Zn系合金めっき皮膜の表面に形成する表面処理皮膜は、クロム化合物を含まず、4価の価数を有する少なくとも1種のバナジウム化合物(A)と、リン酸又は/及びリン酸系化合物(B)と、Al,Mg,Znからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の金属成分(C)(但し、上記リン酸系化合物の一部として含有される金属及びその他の金属化合物の一部として含有される金属を含む)と、特定の水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(D)とを主成分とするものである。なお、この表面処理皮膜には、上記成分(A)〜(D)を主成分とする処理液を塗布して乾燥させて得られる皮膜のほか、上記成分(A)〜(C)を主成分とする処理液を塗布して乾燥させた後、その上に上記成分(D)を主成分とする処理液を塗布して乾燥させて得られる皮膜も含まれる。
本発明が対象とするAl−Zn系合金めっき鋼板(特に、高Al−Zn系合金めっき鋼板)の耐食性を向上させるためには、Znめっき鋼板、低Al−Zn系合金めっき鋼板(例えば、5%Al−Zn系合金めっき鋼板)、Al系めっき鋼板とは異なり、めっき皮膜中のAl、Zn双方の耐食性を向上させることが必要となる。無機化合物の防食効果について検討を行った結果、本発明が対象とするようなAl−Zn系合金めっき、とりわけ高Al−Zn系合金めっきに対しては、周期表5Aに属する元素(V,Nb,Ta)の化合物に顕著な防食効果があることを見出した。これら特定元素の化合物による顕著な防食効果は、本発明が対象とするAl−Zn系合金めっき(特に、高Al−Zn系合金めっき)に特有のものであり、Znめっき等の他めっき種においては認められない効果である。すなわち、Znめっき等の他めっき種においては、上記化合物と周期表5Aに属さない他の元素の化合物の効果の違いは認められない。
以上の理由から、表面処理皮膜中には周期表5Aに属する元素の化合物を用いることが好ましいが、そのなかでもTa系化合物とNb系化合物は、V系化合物と較べて非常に高価であるため、V系化合物が実用性(防食効果及びコスト)の面から最も有望である。そこで、このバナジウム化合物に着目した検討を行った結果、バナジウム化合物の中でも、バナジウムの価数によって得られる耐食性に著しい違いがあることが判明した。具体的には、5価のバナジウム化合物(例えば、バナジン酸アンモン、バナジン酸ナトリウム等)では大きな耐食性向上効果は認められないのに対して、4価のバナジウム化合物(例えば、硫酸酸化バナジウム、水溶液中で5価のバナジウム化合物を還元したもの)では耐食性が顕著に向上することが判明した。また、4価のバナジウム化合物は、5価のバナジウム化合物に較べて溶解性が低く、このため耐水性に優れた皮膜を形成できる特徴を有している。このため、5価のバナジウム化合物を含む表面処理皮膜は水に濡れることによりVが溶解し、外観品質が著しく低下するが、4価のバナジウム化合物を含む表面処理皮膜は耐水性が向上し、外観品質の向上効果が認められる。
以上のように4価のバナジウム化合物を含む表面処理皮膜は、耐食性に優れ、しかも耐水性や外観品質の向上効果もあることが判ったが、本発明者らはさらに、着色を起こすことなく優れた皮膜外観が得られ、且つより優れた耐食性が得られる表面処理用の無機化合物を見出すべく検討を行った。その結果、高Al−Zn系合金めっき鋼板の表面に、4価の価数を有するバナジウム化合物(A)とリン酸又は/及びリン酸系化合物(B)とからなる皮膜を形成することにより、特に優れた耐食性が得られることを見出した。この皮膜は、4価のバナジウム化合物とリン酸又は/及びリン酸系化合物を配合した表面処理組成物でめっき皮膜表面を処理した後、乾燥することによって形成することが可能である。
上記リン酸及びリン酸系化合物としては、例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸などのほか、リン酸とMg、Zn、Ni、Co等の1種以上の金属との金属塩、その他のリン酸化合物(いずれも処理液中に溶解可能なもの)の1種又は2種以上を用いることができる。
4価のバナジウム化合物(A)とともにリン酸又は/及びリン酸系化合物(B)を添加することによって耐食性が飛躍的に向上する理由は必ずしも明らかではないが、リン酸又は/及びリン酸系化合物が4価のバナジウム化合物とめっき皮膜との反応性を高める作用をすること、4価のバナジウム化合物とリン酸又は/及びリン酸系化合物の複合皮膜が形成されること、等の理由が考えられる。
しかし、4価のバナジウム化合物(A)とリン酸又は/及びリン酸系化合物(B)とからなる皮膜は耐溶解性が不十分であり、例えば、濡れた状態でスタックされていると、皮膜の一部が溶解して外観ムラが生じたり、濡れることにより皮膜の密着性が低下して皮膜が剥離しやすくなるという問題があることが判った。また、これらの現象は、加工性を向上させるために有機樹脂を用いた皮膜系で特に顕著に生じることが判った。
そこで、この問題を解決するために種々検討を行った結果、Zn,Al,Mgの中から選ばれる少なくとも1種の金属成分(C)を皮膜中に添加することにより、皮膜の耐溶解性が著しく向上することを見出した。この金属成分(C)の添加形態に特別な制限はないが、通常、金属化合物の一部として皮膜中に添加される。したがって、金属成分(C)は、上記リン酸系化合物の一部として含有される金属であってもよいし、その他の金属化合物の一部として含有される金属であってもよく、例えば、第一リン酸亜鉛、第一リン酸アルミニウム、第一リン酸マグネシウム、上記金属のフッ化物、硝酸塩等として添加することが可能である。
本発明において、Al−Zn系合金めっき鋼板のめっき皮膜の組成をAl:25〜75mass%に限定した別の理由は、上記処理液を亜鉛めっき等のようなAl:25mass%未満のめっき皮膜に塗布した場合、耐黒変性が低下するのに対して、Al:25mass%以上のAl−Zn系合金めっきにおいては、リン酸の添加により耐黒変性が向上することによる。また、Al:75mass%を超えた場合、皮膜の密着性が低下し、剥離が生じやすくなる。
4価のバナジウム化合物としては、バナジウムの酸化物、水酸化物、硫化物、硫酸物、炭酸物、ハロゲン化物、窒化物、フッ化物、炭化物、シアン化物(チオシアン化物)及びこれらの塩などが挙げられる。このようにバナジウムの供給源は特に制限はなく、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。但し、4価のバナジウム化合物の中でも、特に優れた耐食性を発現できるという点でバナジウムの硫酸物が特に望ましい。
上記成分(A)〜(C)に更に有機樹脂(D)を添加することにより、皮膜に加工性が付与され、耐食性、外観品質、耐溶解性、加工性を全て兼ね備えた表面処理皮膜となる。
有機樹脂(D)は、スチレン(a)と、(メタ)アクリル酸(b)(アクリル酸又は/及びメタクリル酸)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)(アクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル)と、これら成分(a)〜(c)と共重合可能なビニルモノマー(d)とから得られる共重合樹脂であって、この共重合樹脂の固形分100mass%に対するスチレン(a)の固形分割合が20〜60mass%、(メタ)アクリル酸(b)の固形分割合が0.5〜10mass%、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)の固形分割合が20〜60mass%である有機樹脂である。
この共重合樹脂は、アクリル−スチレン樹脂中でスチレン(a)が占める割合が20mass%未満では耐食性が低下し、一方、60mass%を超えると加工性が低下する。したがって、共重合樹脂の固形分100mass%に対するスチレン(a)の固形分割合が20〜60mass%のアクリル−スチレン系樹脂を用いることにより、安価で耐食性、可能性に優れた皮膜を形成することが可能となる。
前記(メタ)アクリル酸(b)は、エマルジョンの分散安定性及び金属表面との密着性を高める効果がある。共重合樹脂の固形分100mass%に対する(メタ)アクリル酸の固形分割合は0.5〜10mass%、好ましくは0.5〜7mass%、より好ましくは1〜4mass%とする。(メタ)アクリル酸(b)の固形分割合が0.5mass%未満では、エマルジョンの安定性および金属表面との密着性が低下するので好ましくなく、一方、10mass%を超えると皮膜の親水性が強くなり耐水性が低下するので好ましくない。
前記炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)としては、メチルメタクリレート及びその異性体、(メタ)アクリル酸−n−プロピル及びその異性体、(メタ)アクリル酸−n−ブチル及びその異性体、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル及びその異性体、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル及びその異性体などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。(メタ)アクリル酸エステルは皮膜の加工性向上に寄与する。(メタ)アクリル酸エステルのアルキル鎖が7以上の有機樹脂により得られる皮膜は、加工性が低く、加工時の金型との摺動により皮膜が剥離しやすい。したがって、(メタ)アクリル酸エステルはアルキル鎖の炭素数が6以下、好ましくは3〜5のものを用いる。共重合樹脂の固形分100mass%に対する、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)の固形分割合は20〜60mass%、好ましくは20〜55mass%、より好ましくは25〜55mass%とする。炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)の固形分割合が20mass%未満では皮膜の加工性向上効果が乏しく、一方、60mass%を超えると皮膜の耐食性向上に効果のあるスチレンの絶対量が少なくなるので好ましくない。なお、メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルの比率については特に制限はなく、共重合樹脂に含まれる(メタ)アクリル酸エステルがすべてメタクリル酸エステル若しくはアクリル酸エステルでも構わない。
前記成分(a)〜(c)と共重合可能なビニルモノマー(d)の種類は特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、炭素数7以上のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なお、共重合樹脂の固形分100mass%に対するビニルモノマー(d)の固形分割合は特に限定しないが、40mass%以下とし、共重合樹脂のガラス転移温度を10〜70℃、好ましくは15〜60℃の範囲に調整する割合で配合することが好ましい。
表面処理皮膜中には上記成分(A)〜(D)以外の添加成分として、例えば、Ca、Ca系化合物、SiO、その他のケイ酸系化合物、Ta、Nb、Ta系化合物、Nb系化合物の1種又は2種以上を添加することができる。これらの成分は、耐食性のさらなる向上を目的として添加される。添加の方法としては、例えば、リン酸系化合物(リン酸亜鉛、ポリリン酸亜鉛、トリポリリン酸アルミニウム等)を水中に分散させた状態で、珪酸Na、炭酸Caを適宜添加することにより得られる沈殿物を水洗し、可溶成分を除去した残渣を用いることができる。また、SiOはコロイダルシリカ(湿式シリカ)又は乾式シリカとして、TaやNbはフッ化物等として添加することができる。但し、これらの化合物の種類や添加方法については特別な制限はない。
次に、表面処理皮膜の付着量について述べると、まず、表面処理皮膜中の有機樹脂(D)の付着量は0.5〜5g/mとする。有機樹脂の付着量が0.5g/m未満では加工性が著しく低下し、加工によりめっきにかじりが生じる。一方、有機樹脂を5g/mを超えて付着させると、ロールフォーミングのロールに皮膜が付着しやすくなる。また、以上の観点から有機樹脂(D)の付着量のより好ましい範囲は1.0〜4.5g/m、さらに望ましくは1.5〜4g/mである。
また、バナジウム化合物(A)の付着量は、金属V換算で1〜100mg/mとする。バナジウム化合物の付着量が1mg/m未満では耐食性向上効果が認められず、一方、100mg/mを超えて付着させても耐食性向上効果が飽和し、逆に、皮膜の加工性が低下する傾向が認められる。また、以上の観点からバナジウム化合物(A)の金属V換算での付着量のより好ましい範囲は3〜50mg/m、さらに望ましくは5〜40mg/mである。
また、リン酸又は/及びリン酸系化合物(B)の付着量は、PO換算で5〜200mg/mとすることが好ましい。付着量が5mg/m未満では耐食性向上効果が十分ではなく、一方、過剰に添加すると皮膜の耐水性が低下し、水との接触により皮膜が白化する傾向がある。但し、この白化に関しては樹脂の物性によっても大きく影響されるため、これらの観点から添加量を選択することができる。
さらに、Zn,Al,Mgからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の金属成分(C)の付着量は、その各金属換算(Zn換算,Al換算,Mg換算)の合計量[Zn+Al+Mg]と上記リン酸又は/及びリン酸系化合物(B)のPO換算量[PO]との質量比[Zn+Al+Mg]/[PO]で0.05〜0.5、好ましくは、0.1〜0.3とすることが適当である。上記金属成分(C)の付着量が過少であると耐水性向上効果が十分に得られず、一方、付着量が過剰であると処理液安定性が劣る。
次に、本発明の表面処理材の製造方法について説明する。
本発明の第1の製造方法では、上述したようなAl−Zn系合金めっき鋼板のめっき皮膜表面に、4価の価数を有する少なくとも1種のバナジウム化合物(A)と、リン酸又は/及びリン酸系化合物(B)と、Al,Mg,Znからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の金属成分(C)(但し、上記リン酸系化合物の一部として含有される金属及びその他の金属化合物の一部として含有される金属を含む)と、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(D)とを主成分し、該有機樹脂(D)が、スチレン(a)と、(メタ)アクリル酸(b)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)と、これら成分(a)〜(c)と共重合可能なビニルモノマー(d)とから得られる共重合樹脂であって、該共重合樹脂の固形分100mass%に対するスチレン(a)の固形分割合が20〜60mass%、(メタ)アクリル酸(b)の固形分割合が0.5〜10mass%、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)の固形分割合が20〜60mass%である処理液を塗布した後、到達板温60〜250℃で乾燥する。
また、本発明の第2の製造方法では、上述したようなAl−Zn系合金めっき鋼板のめっき皮膜表面に、まず、4価の価数を有する少なくとも1種のバナジウム化合物(A)と、リン酸又は/及びリン酸化合物(B)と、Al,Mg,Znからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の金属成分(C)(但し、上記リン酸系化合物の一部として含有される金属及びその他の金属化合物の一部として含有される金属を含む)とを主成分とする処理液を塗布した後、到達板温60〜250℃で乾燥し、さらにその上部に、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(D)を主成分し、該有機樹脂(D)が、スチレン(a)と、(メタ)アクリル酸(b)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)と、これら成分(a)〜(c)と共重合可能なビニルモノマー(d)とから得られる共重合樹脂であって、該共重合樹脂の固形分100mass%に対するスチレン(a)の固形分割合が20〜60mass%、(メタ)アクリル酸(b)の固形分割合が0.5〜10mass%、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)の固形分割合が20〜60mass%である処理液を塗布した後、到達板温60〜250℃で乾燥する。
この2つの製造方法のうち、耐食性の観点からは第2の製造方法の方が優れる傾向を示すが、設備的負荷の観点では第1の製造方法が有利である。但し、いずれにおいても必要レベルの品質が得られる。
また、上記第2の製造方法においては、有機樹脂(D)を主成分とする処理液中に、バナジウム化合物(A)と、リン酸又は/及びリン酸化合物(B)と、Al,Mg,Znからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属成分(C)(但し、上記リン酸系化合物の一部として含有される金属及びその他の金属化合物の一部として含有される金属を含む)のうちの1種以上を添加することも可能である。
処理液は、水に対して各成分(A)〜(D)を添加することにより調整される。各成分(A)〜(D)の種類、各成分を添加する際の化合物の形態や添加方法は先に述べたとおりである。また、処理液には、上記成分(A)〜(D)以外に、必要に応じて先に述べたSiOなどの添加成分を添加することができる。
本発明の製造方法においては、一般に各処理液の塗布後は、水洗することなく乾燥させる。また、処理液の塗布方法は、例えば、スプレー+ロール絞り、ロールコーターなど任意であり、また、塗布後の乾燥方式についても、例えば、熱風方式、誘導加熱方式、電気炉方式など任意である。
処理液の乾燥温度については、乾燥温度が60℃未満では、皮膜形成が不十分となり耐食性等に劣る皮膜となる。一方、250℃を超える板温で乾燥させても耐食性等の品質を高める効果が得られず、逆に低下する場合がある。これは、特に有機樹脂の耐熱限界を超えているために皮膜が熱により損傷されるためであると考えられる。
表2〜表5に示す各成分を添加した処理液を、めっき鋼板(表1)の表面に塗布し、加熱乾燥させることにより表面処理材を製造した(表6に示す「単層処理」)。また、No.44の本発明例については、表2〜表4に示す各成分を添加した処理液をめっき鋼板(表1)の表面に塗布し、加熱乾燥させた後、その上に表5に示す樹脂を添加した処理液を塗布し、加熱乾燥させることにより表面処理材を製造した(表6に示す「二層処理」)。このようにして得られた各表面処理材について、耐白錆性、耐黒変性、耐水試験後着色外観ムラ、耐水試験後皮膜密着性、加工性(耐かじり性)を評価した。その結果を各表面処理材の製造条件とともに表7〜表12に示す。
上記各性能評価は、以下のような試験により行った。
(1)耐白錆性
表面処理材の各サンプルについて、塩水噴霧試験(JIS−Z−2371)を実施し、240時間後の白錆面積率で評価した。その評価基準は以下のとおりである。
◎ :白錆面積率5%未満
○ :白錆面積率5%以上、10%未満
○−:白錆面積率10%以上、25%未満
△ :白錆面積率25%以上、50%未満
× :白錆面積率50%以上
(2)耐黒変性
表面処理材の各サンプルについて、同一条件のサンプル処理面を合わせてスタック状態とし、50℃>98%RHの環境下で28日間放置した後の外観を目視評価した。その評価基準は以下のとおりである。
◎:黒変部なし
○:斜めから見て確認できる程度のうすい黒変部有り(表面積の10%未満)
△:斜めから見て確認できる程度のうすい黒変部有り(表面積の10%以上)或いは明らかな黒変部有り(表面積の10%未満)
×:明らかな黒変部有り(表面積の10%以上)
(3)耐水試験後着色外観ムラ
表面処理材の各サンプルについて、同一条件のサンプル処理面を合せてスタック状態とし、50℃>98%RHの環境下で5日間放置した後の外観を目視評価した。その評価基準は以下のとおりである。
○:ムラが全く無い均一な外観
△:ムラが若干目立つ外観
×:ムラが目立つ外観
(4)耐水試験後皮膜密着性
表面処理材の各サンプルについて、同一条件のサンプル処理面を合せてスタック状態とし、50℃>98%RHの環境下で5日間放置した後、碁盤目試験、テープ剥離を行い、皮膜の剥離の有無により評価した。その評価基準は以下のとおりである。
○:皮膜の剥離なし
×:皮膜の剥離有り
(5)加工性(耐かじり性)
各表面処理材のサンプルについて、先端が5mmRのビードを100Kgfで表面に押付けた状態でサンプルを一定速度で引き抜く試験を7回繰り返して実施し、表面の黒化又は皮膜の剥離の程度を評価した。その評価基準は以下のとおりである。
◎ :黒化部10%未満,剥離無
○ :黒化部10%以上25%未満,剥離10%未満
△ :黒化部25%以上,剥離10%未満
△−:剥離10%以上25%未満
× :剥離25%以上
Figure 0004500132
Figure 0004500132
Figure 0004500132
Figure 0004500132
Figure 0004500132
Figure 0004500132
Figure 0004500132
Figure 0004500132
Figure 0004500132
Figure 0004500132
Figure 0004500132
Figure 0004500132

Claims (3)

  1. Alを25〜75mass%含有するAl−Zn系合金めっき皮膜を有するAl−Zn系合金めっき鋼板の前記めっき皮膜表面に、4価の価数を有する少なくとも1種のバナジウム化合物(A)と、リン酸又は/及びリン酸系化合物(B)と、Al,Mg,Znからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の金属成分(C)(但し、上記リン酸系化合物の一部として含有される金属及びその他の金属化合物の一部として含有される金属を含む)と、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(D)とを主成分とし、金属成分(C)が、第一リン酸亜鉛、第一リン酸アルミニウム、第一リン酸マグネシウム、フッ化物、硝酸塩からなる群の中から選ばれる少なくとも1種の金属化合物の一部として含有される金属成分であり、有機樹脂(D)が、スチレン(a)と、(メタ)アクリル酸(b)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)と、これら成分(a)〜(c)と共重合可能なビニルモノマー(d)とから得られる共重合樹脂であって、該共重合樹脂の固形分100mass%に対するスチレン(a)の固形分割合が20〜60mass%、(メタ)アクリル酸(b)の固形分割合が0.5〜10mass%、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)の固形分割合が20〜60mass%である有機樹脂であり、バナジウム化合物(A)の金属V換算での付着量が1〜100mg/m、有機樹脂(D)の付着量が0.5〜5g/m である表面処理皮膜を有することを特徴とする、耐食性、加工性及び外観品質が優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板。
  2. Alを25〜75mass%含有するAl−Zn系合金めっき皮膜を有するAl−Zn系合金めっき鋼板の前記めっき皮膜表面に、4価の価数を有する少なくとも1種のバナジウム化合物(A)と、リン酸又は/及びリン酸系化合物(B)と、Al,Mg,Znからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の金属成分(C)(但し、上記リン酸系化合物の一部として含有される金属及びその他の金属化合物の一部として含有される金属を含む)と、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(D)とを主成分し、金属成分(C)が、第一リン酸亜鉛、第一リン酸アルミニウム、第一リン酸マグネシウム、フッ化物、硝酸塩からなる群の中から選ばれる少なくとも1種の金属化合物の一部として含有される金属成分であり、有機樹脂(D)が、スチレン(a)と、(メタ)アクリル酸(b)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)と、これら成分(a)〜(c)と共重合可能なビニルモノマー(d)とから得られる共重合樹脂であって、該共重合樹脂の固形分100mass%に対するスチレン(a)の固形分割合が20〜60mass%、(メタ)アクリル酸(b)の固形分割合が0.5〜10mass%、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)の固形分割合が20〜60mass%である処理液を塗布した後、到達板温60〜250℃で乾燥することを特徴とする、耐食性、加工性及び外観品質が優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板の製造方法。
  3. Alを25〜75mass%含有するAl−Zn系合金めっき皮膜を有するAl−Zn系合金めっき鋼板の前記めっき皮膜表面に、4価の価数を有する少なくとも1種のバナジウム化合物(A)と、リン酸又は/及びリン酸化合物(B)と、Al,Mg,Znからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の金属成分(C)(但し、上記リン酸系化合物の一部として含有される金属及びその他の金属化合物の一部として含有される金属を含む)とを主成分とし、金属成分(C)が、第一リン酸亜鉛、第一リン酸アルミニウム、第一リン酸マグネシウム、フッ化物、硝酸塩からなる群の中から選ばれる少なくとも1種の金属化合物の一部として含有される金属成分である処理液を塗布した後、到達板温60〜250℃で乾燥し、さらにその上部に、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(D)を主成分し、該有機樹脂(D)が、スチレン(a)と、(メタ)アクリル酸(b)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)と、これら成分(a)〜(c)と共重合可能なビニルモノマー(d)とから得られる共重合樹脂であって、該共重合樹脂の固形分100mass%に対するスチレン(a)の固形分割合が20〜60mass%、(メタ)アクリル酸(b)の固形分割合が0.5〜10mass%、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(c)の固形分割合が20〜60mass%である処理液を塗布した後、到達板温60〜250℃で乾燥することを特徴とする、耐食性、加工性及び外観品質が優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板の製造方法。
JP2004240432A 2003-08-20 2004-08-20 耐食性、加工性及び外観品質が優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板及びその製造方法 Active JP4500132B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004240432A JP4500132B2 (ja) 2003-08-20 2004-08-20 耐食性、加工性及び外観品質が優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板及びその製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003296802 2003-08-20
JP2004240432A JP4500132B2 (ja) 2003-08-20 2004-08-20 耐食性、加工性及び外観品質が優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005097734A JP2005097734A (ja) 2005-04-14
JP4500132B2 true JP4500132B2 (ja) 2010-07-14

Family

ID=34467009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004240432A Active JP4500132B2 (ja) 2003-08-20 2004-08-20 耐食性、加工性及び外観品質が優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4500132B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009155688A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Nisshin Steel Co Ltd 保存安定性に優れる鋼板用化成処理液
JP5616669B2 (ja) * 2010-03-31 2014-10-29 日本ペイント株式会社 アルミニウム基材用耐食処理剤、及びそれを用いたアルミニウム基材の耐食処理方法
JP7063298B2 (ja) * 2019-03-27 2022-05-09 Jfeスチール株式会社 溶融亜鉛系めっき鋼板用の表面処理液ならびに亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000055390A1 (fr) * 1999-03-12 2000-09-21 Toyo Kohan Co., Ltd. Procede d'obtention d'une tole d'acier traitee en surface, tole d'acier traitee en surface, et tole d'acier traitee en surface revetue de resine organique
JP2003213395A (ja) * 2002-01-18 2003-07-30 Jfe Engineering Kk 加工性と加工部耐食性に優れた表面処理鋼板及びその製造方法
JP2003221681A (ja) * 2002-01-31 2003-08-08 Jfe Engineering Kk 加工性および耐食性に優れた表面処理鋼板
JP2003221680A (ja) * 2002-01-31 2003-08-08 Jfe Engineering Kk 加工性および耐食性に優れた表面処理鋼板

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000055390A1 (fr) * 1999-03-12 2000-09-21 Toyo Kohan Co., Ltd. Procede d'obtention d'une tole d'acier traitee en surface, tole d'acier traitee en surface, et tole d'acier traitee en surface revetue de resine organique
JP2003213395A (ja) * 2002-01-18 2003-07-30 Jfe Engineering Kk 加工性と加工部耐食性に優れた表面処理鋼板及びその製造方法
JP2003221681A (ja) * 2002-01-31 2003-08-08 Jfe Engineering Kk 加工性および耐食性に優れた表面処理鋼板
JP2003221680A (ja) * 2002-01-31 2003-08-08 Jfe Engineering Kk 加工性および耐食性に優れた表面処理鋼板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005097734A (ja) 2005-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5144660B2 (ja) 亜鉛系めっき鋼板用水系表面処理液及び亜鉛系めっき鋼板
WO2008072752A1 (ja) 平板部耐食性、耐黒変性およびプレス成形後の外観と耐食性に優れた表面処理亜鉛系めっき鋼板、並びに亜鉛系めっき鋼板用水系表面処理液
US7842400B2 (en) Surface-treated steel sheet and method for manufacturing the same
JP2011068996A (ja) 金属材料表面処理用組成物及び処理方法
WO2001081653A1 (fr) Plaque d'acier traitee en surface et procede de production associe
JPS6369984A (ja) 改良被覆部品、コ−テイング及びその適用方法
JP4500132B2 (ja) 耐食性、加工性及び外観品質が優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板及びその製造方法
JP2000129460A (ja) 有機被覆亜鉛系メッキ鋼板
JP4455223B2 (ja) 耐食性、加工性及び外観品質が優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板及びその製造方法
JPH0711453A (ja) 亜鉛含有金属めっき鋼板の表面処理組成物および表面処理方法
JP2007321223A (ja) 耐食性に優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板及びその製造方法
JP4298575B2 (ja) 耐食性に優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板及びその製造方法
JP2007321224A (ja) 耐食性に優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板及びその製造方法
JP2003213394A (ja) 塗装鋼板及びその製造方法
JP4291204B2 (ja) 耐食性に優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板及びその製造方法
JP4041368B2 (ja) 耐熱性および耐食性に優れた亜鉛系メッキ鋼板
JP4298567B2 (ja) 耐食性に優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板及びその製造方法
JP4298563B2 (ja) 耐食性に優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板及びその製造方法
KR100368254B1 (ko) 롤 코팅작업성이 우수한 절연피막 형성용 피복조성물 및 이를이용한 무방향성 전기강판의 절연피막 형성방법
TW202003879A (zh) 表面處理鋼板
JP2002225176A (ja) 耐食性に優れた塗装冷延鋼板
JP2010242155A (ja) 防食鋼材及びその製造方法
JP3069027B2 (ja) 耐クロム溶出性、耐食性及び塗装性能に優れた白色クロメート処理方法
JPH07300683A (ja) 低温焼付性に優れたクロメート処理方法
JP3845445B2 (ja) 高耐食表面処理鋼板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070629

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100413

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100416

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4500132

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140423

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250