JP4298563B2 - 耐食性に優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

耐食性に優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、建材や家電分野の用途において主として無塗装で用いられるAl−Zn系合金めっき鋼板の表面処理材、特に、所謂55%Al−Zn系合金めっき鋼板に代表される高Al−Zn系合金めっき鋼板に好適な、皮膜中にCrを含まないクロメートフリー表面処理材に関する。
所謂55%Al−Zn系合金めっき鋼板に代表される高Al−Zn系合金めっき鋼板は、めっき外観が美麗で且つ耐食性にも優れていることから、建材用途として屋根材や外壁材等に、また家電用途として例えば冷蔵庫の裏板等に、いずれも無塗装のままで用いられている。これらの用途では、めっき鋼板に長期にわたる防食性が必要となり、湿潤環境に曝されても優れた密着性、耐食性を有することが求められる。また、建材用途の場合には、めっき鋼板がロールフォーミングにより成形されるため、めっきがロールにピックアップしないこと(すなわち、ロールフォーミング性が良好であること)が求められ、また家電用途の場合には、プレス成形後の外観が金型との摺動により黒化しない特性が必要である。さらに、屋根材に適用される場合には、ペフと呼ばれる断熱材と貼り合わせた場合の密着性、特に湿気等により湿った環境で濡れた状態での密着性が求められる。
従来、このような用途に対しては、有機樹脂とCr6+を含むクロム化合物を含有する表面処理層をめっき表面に形成することにより対応してきた(例えば、特許文献1〜3)。しかしその一方で、最近では環境に対する影響度の観点からCrの規制が進みつつあり、これに伴い表面処理のクロメートフリー化が指向されている。また、Cr3+は無害であるが実際に市場で使用された場合、皮膜中のCr6+とCr3+を見分けることは困難である。このような背景から、Cr化合物を含まず、しかもクロメート処理に匹敵する優れた耐食性等の性能を有するクロメートフリー皮膜が強く望まれている。
特公平1−53353号公報 特公平4−2672号公報 特公平6−146001号公報
そのなかで、クロムに代わる成分としてバナジウム化合物を含有した処理液を用い、浸漬、塗布、電解処理等の方法によってめっき表面に薄膜を形成させる技術が数多く開示されている。具体的には、(a)主にリン酸イオンとバナジン酸イオンを含有する塗料で処理を行う方法(例えば、特許文献4,5)、(b)有機樹脂とチオカルボニル基含有化合物、バナジウム化合物を含む塗膜を形成する方法(特許文献6)、(c)特殊変性フェノール樹脂とバナジウム化合物とジルコニウム、チタニウム等の金属化合物を含む表面処理剤により処理を行う方法(特許文献7)、(d)バナジウム化合物とジルコニウム化合物、チタニウム化合物等を含む表面処理液で処理を行う方法(特許文献8)などが挙げられる。
特開平1−92279号公報 特開平1−131281号公報 特開2000−248380号公報 特開2001−181860号公報 特開2002−30460号公報
しかしながら、特許文献4、特許文献5の方法は、主に5価のバナジウム化合物による防錆効果を狙ったものであるため、大きな防食効果は得られない。また、特許文献6の場合、耐食性向上効果を発揮しているのはチオカルボニル基を含む化合物であり、バナジウム化合物は主に5価のバナジウム化合物であるため、これも大きな防食効果は得られない。特許文献7の場合も、最も耐食性に効果のあるのは特殊変性フェノール樹脂であって、バナジウム、ジルコニウム等の金属塩の効果は小さく、クロメート処理皮膜に比べ耐食性が十分とは言えない。さらに、特許文献8の場合は、2〜5価のバナジウム化合物とジルコニウム化合物やチタニウム化合物との複合皮膜を形成したものであり、2〜4価のバナジウム化合物を用いることにより皮膜の溶解性はある程度まで向上するが、特に高耐食性を要求される高Al−Zn系合金めっき鋼板に適用するまでの耐食性レベルには至っていない。
このように従来技術によるクロメートフリーの表面処理皮膜では、従来から高Al−Zn合金めっき鋼板に用いられてきたクロメート処理皮膜に匹敵するような耐食性は得られない。
したがって本発明の目的は、クロメート処理皮膜による表面処理材に匹敵する優れた耐食性を有するとともに、外観品質、加工性及び耐水密着性等の性能にも優れたAl−Zn合金めっき鋼板のクロメートフリー表面処理材及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の特徴は以下のとおりである。
[1]Alを25〜75質量%含有するAl−Zn系合金めっき皮膜を有するAl−Zn系合金めっき鋼板の前記めっき皮膜表面に、4価の価数を有するバナジウム化合物(A)と、リン酸又は/及びリン酸系化合物(B)と、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂からなる有機樹脂(C)とを主成分とし、前記バナジウム化合物(A)が硫酸酸化バナジウム又はバナジン酸還元生成物からなり、前記有機樹脂(C)が、−OH基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマー(i)と、エポキシ基又は/及びアミノ基を有するシラン化合物(ii)と、アクリル酸又は/及びメタクリル酸(iii)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つアクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル(iv)と、前記成分(i)〜(iv)と共重合可能なビニルモノマー(v)(但し、−OH基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマーを除く。)とから得られる共重合樹脂であって、該共重合樹脂の固形分100質量部に対して、前記ビニルモノマー(i)の割合が0.1〜10質量部、前記シラン化合物(ii)の割合が0.1〜30質量部、前記アクリル酸又は/及びメタクリル酸(iii)の割合が0.5〜10質量部、前記炭素数1〜6のアルキル鎖を持つアクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル(iv)の割合が20〜95質量部であり、前記バナジウム化合物(A)の金属V換算での付着量が1〜100mg/m、前記有機樹脂(C)の付着量が0.5〜5g/mである表面処理皮膜を有することを特徴とする耐食性に優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板。
[2]Alを25〜75質量%含有するAl−Zn系合金めっき皮膜を有するAl−Zn系合金めっき鋼板の前記めっき皮膜表面に、4価の価数を有するバナジウム化合物(A)と、リン酸又は/及びリン酸系化合物(B)と、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂からなる有機樹脂(C)とを主成分とし、前記バナジウム化合物(A)が硫酸酸化バナジウム又はバナジン酸還元生成物からなり、前記有機樹脂(C)が、−OH基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマー(i)と、エポキシ基又は/及びアミノ基を有するシラン化合物(ii)と、アクリル酸又は/及びメタクリル酸(iii)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つアクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル(iv)と、前記成分(i)〜(iv)と共重合可能なビニルモノマー(v)(但し、−OH基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマーを除く。)とから得られる共重合樹脂であって、該共重合樹脂の固形分100質量部に対して、前記ビニルモノマー(i)の割合が0.1〜10質量部、前記シラン化合物(ii)の割合が0.1〜30質量部、前記アクリル酸又は/及びメタクリル酸(iii)の割合が0.5〜10質量部、前記炭素数1〜6のアルキル鎖を持つアクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル(iv)の割合が20〜95質量部である処理液を塗布した後、水洗することなく乾燥することを特徴とする、耐食性に優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板の製造方法。
[3]Alを25〜75質量%含有するAl−Zn系合金めっき皮膜を有するAl−Zn系合金めっき鋼板の前記めっき皮膜表面に、4価の価数を有するバナジウム化合物(A)とリン酸又は/及びリン酸系化合物(B)とを主成分とし、前記バナジウム化合物(A)が硫酸酸化バナジウム又はバナジン酸還元生成物からなる処理液を塗布した後、水洗することなく乾燥し、さらにその上部に、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂からなる有機樹脂(C)を主成分とし、該有機樹脂(C)が、−OH基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマー(i)と、エポキシ基又は/及びアミノ基を有するシラン化合物(ii)と、アクリル酸又は/及びメタクリル酸(iii)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つアクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル(iv)と、前記成分(i)〜(iv)と共重合可能なビニルモノマー(v)(但し、−OH基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマーを除く。)とから得られる共重合樹脂であって、該共重合樹脂の固形分100質量部に対して、前記ビニルモノマー(i)の割合が0.1〜10質量部、前記シラン化合物(ii)の割合が0.1〜30質量部、前記アクリル酸又は/及びメタクリル酸(iii)の割合が0.5〜10質量部、前記炭素数1〜6のアルキル鎖を持つアクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル(iv)の割合が20〜95質量部である処理液を塗布した後、水洗することなく乾燥することを特徴とする、耐食性に優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板の製造方法。
本発明によれば、耐食性に優れ、且つ外観品質、加工性及び耐水密着性にも優れたクロメートフリーの表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板を安定して得ることができる。
本発明のクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板のベースとなるめっき鋼板は、めっき皮膜中にAlが25〜75mass%含まれるAl−Zn系合金めっき鋼板であり、所謂55%Al−Zn系合金めっき鋼板が最も代表的なものとして知られている。通常、この種のめっき皮膜中には、SiがAl量の0.5mass%以上含まれている。また、所謂55%Al−Zn系合金めっき鋼板とは、通常、Al−Zn系合金めっき皮膜中にAlが50〜60mass%程度含まれるAl−Zn系合金めっき鋼板(以下の説明において、「高Al−Zn系合金めっき鋼板」という場合、上記Al含有量のAl−Zn合金めっき鋼板を指すものとする)を指し、そのめっき皮膜中には通常Siが1〜3mass%程度含まれている。
本発明において、めっき皮膜中のAl含有量が25〜75mass%のAl−Zn系合金めっき鋼板を対象とするのは、このAl含有量の範囲において、特に優れた耐食性(耐赤錆性)が得られるためである。但し、このめっき鋼板には、めっき皮膜中にAlを多く含むことに由来する問題として、Alに腐食が生じると黒錆が発生し、赤錆に対しては防錆性を保つものの外観品質が著しく損なわれるという難点がある。また、このめっき鋼板を無塗装で用いる場合、めっきままの外観であることが好まれるためにスキンパスによる表面の著しい平滑化が行われず、このためめっき表面は微細な凹凸が形成されたままの状態になっている。この状態で例えばロールフォーミング加工を受けると、ロールとの接触によってめっき表面にかじりが生じ、ロール損傷の原因となるほか、成形後の外観が劣るという品質面での問題がある。したがって、これらを解消するために、めっき表面にさらに皮膜を形成することが必要となる。
以下に述べるように、本発明による特性改善効果は、めっき皮膜中のAl含有量が25〜75mass%のAl−Zn系合金めっき鋼板において顕著に得られるものであるが、そのなかでも上記高Al−Zn系合金めっき鋼板において特に顕著な特性改善効果が得られる。
次に、Al−Zn系合金めっき皮膜の表面に形成する表面処理皮膜について説明する。
本発明において、Al−Zn系合金めっき皮膜の表面に形成する表面処理皮膜は、クロム化合物を含まず、4価の価数を有するバナジウム化合物(A)と、リン酸又は/及びリン酸系化合物(B)と、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂からなる有機樹脂(C)とを主成分とするものである。なお、この表面処理皮膜には、上記成分(A)〜(C)を主成分とする処理液を塗布して乾燥させて得られる皮膜のほか、上記成分(A)及び(B)を主成分とする処理液を塗布して乾燥させた後、その上に上記成分(C)を主成分とする処理液を塗布して乾燥させて得られる皮膜も含まれる。
本発明が対象とするAl−Zn系合金めっき鋼板(特に、高Al−Zn系合金めっき鋼板)の耐食性を向上させるためには、Znめっき鋼板、低Al−Zn系合金めっき鋼板(例えば、5%Al−Zn系合金めっき鋼板)、Al系めっき鋼板とは異なり、めっき皮膜中のAl、Zn双方の耐食性を向上させることが必要となる。無機化合物の防食効果について検討を行った結果、本発明が対象となるするようなAl−Zn系合金めっき、とりわけ高Al−Zn系合金めっきに対しては、周期表5Aに属する元素(V,Nb,Ta)の化合物に顕著な防食効果があることを見出した。これら特定元素の化合物による顕著な防食効果は、本発明が対象とするAl−Zn系合金めっき(特に、高Al−Zn系合金めっき)に特有のものであり、Znめっき等の他めっき種においては認められない効果である。すなわち、Znめっき等の他めっき種においては、上記化合物と周期表5Aに属さない他の元素の化合物の効果の違いは認められない。
以上の理由から、表面処理皮膜中には周期表5Aに属する元素の化合物を用いることが好ましいが、そのなかでもTa系化合物とNb系化合物は、V系化合物と較べて非常に高価であるため、V系化合物が実用性(防食効果及びコスト)の面から最も有望である。そこで、このバナジウム化合物に着目した検討を行った結果、バナジウム化合物の中でも、バナジウムの価数によって得られる耐食性に著しい違いがあることが判明した。具体的には、5価のバナジウム化合物(例えば、バナジン酸アンモン、バナジン酸ナトリウム等)では大きな耐食性向上効果は認められないのに対して、4価のバナジウム化合物(例えば、硫酸酸化バナジウム、水溶液中で5価のバナジウム化合物を還元したもの)では耐食性が顕著に向上することが判明した。また、4価のバナジウム化合物は、5価のバナジウム化合物に較べて溶解性が低く、このため耐水性に優れた皮膜を形成できる特徴を有している。このため、5価のバナジウム化合物を含む表面処理皮膜は水に濡れることによりVが溶解し、外観品質が著しく低下するが、4価のバナジウム化合物を含む表面処理皮膜は耐水性が向上し、外観品質の向上効果が認められる。以上の理由から本発明では、表面処理皮膜中に4価の価数を有するバナジウム化合物(A)を添加する。
4価の価数を有するバナジウム化合物としては、バナジウムの酸化物、水酸化物、硫化物、硫酸物、炭酸物、ハロゲン化物、窒化物、フッ化物、炭化物、シアン化物(チオシアン化物)及びこれらの塩などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。具体的には、硫酸酸化バナジウム水溶液中で5価のバナジウム化合物を還元したバナジン酸還元生成物等が挙げられる。
表面処理皮膜中にリン酸又は/及びリン酸系化合物(B)を添加する理由は、リン酸又は/及びリン酸系化合物の添加により、4価のバナジウム化合物による防食効果をさらに飛躍的に高めることができるからである。
リン酸及びリン酸系化合物としては、例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸などのほか、リン酸とMg、Zn、Ni、Co等の1種以上の金属との金属塩、その他のリン酸化合物(いずれも処理液中に溶解可能なもの)の1種又は2種以上を用いることができる。
4価のバナジウム化合物(A)とともにリン酸又は/及びリン酸系化合物(B)を添加することによって耐食性が飛躍的に向上する理由は必ずしも明らかではないが、リン酸又は/及びリン酸系化合物が4価のバナジウム化合物とめっき皮膜との反応性を高める作用をすること、4価のバナジウム化合物とリン酸又は/及びリン酸系化合物の複合皮膜が形成されること、等の理由が考えられる。また、4価のバナジウム化合物とリン酸又は/及びリン酸系化合物を複合添加した皮膜では、上記のような耐食性の向上効果が得られるだけでなく、皮膜の耐溶解性が向上する結果、皮膜の外観品質(着色防止)及び耐黒変性も向上し、さらにペフ密着性も向上する。
表面処理皮膜中に水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂からなる有機樹脂(C)を添加する理由は、主に加工性と耐食性を向上させる点にある。
皮膜中に有機樹脂を含むことによりロールフォーミングやプレス加工におけるロール、金型とのかじりや摺動傷を防止することが可能となる。また、本表面処理材は屋外で使用されることが多いため、有機樹脂には優れた耐候性を必要とされる。このような観点から、有機樹脂としては脂肪族ポリエステル又は脂肪族ポリカーボネートを主骨格とするウレタン系樹脂或いはアクリル系樹脂が有望である。特にウレタン系樹脂は、アクリル系樹脂よりも優れた耐食性等の特性を有しているが、高価な樹脂であるため汎用的に用いるには支障がある。したがって、アクリル系樹脂の耐食性等の特性をウレタン系樹脂同等のレベルまで高め、そのようなアクリル系樹脂を用いることが好ましい。そこで、アクリル系樹脂の特性を高めることを目的としてモノマー組成の検討を行った結果、−OH基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマー(i)と、エポキシ基又は/及びアミノ基を有するシラン化合物(ii)と、アクリル酸又は/及びメタクリル酸(iii)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つアクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル(iv)と、前記成分(i)〜(iv)と共重合可能なビニルモノマー(v)(但し、−OH基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマーを除く。)とから得られる、すなわち、これら成分を共重合して得られる共重合アクリル系樹脂を用いることにより、ウレタン系樹脂同等以上の優れた特性が得られることを見出した。
上記共重合アクリル系樹脂を得るための各成分は、共重合樹脂の固形分100質量部に対する割合で、ビニルモノマー(i)を0.1〜10質量部、シラン化合物(ii)を0.1〜30質量部、(メタ)アクリル酸(iii)を0.5〜10質量部、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル(iv)を20〜95質量部とする。
前記ビニルモノマー(i)としては、例えば、−OH基を有する2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、エポキシ基を有するグリシジルメタクリレート、アミノ基を有するアクリルアミド、ニトリル基を有するアクリルニトリル等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
これらのビニルモノマーは、表面処理皮膜とAl−Zn系めっき皮膜との密着性向上に寄与し、耐食性、加工性を向上させる効果がある。しかし、過剰に添加すると皮膜の親水性が高くなり、ペフと呼ばれる断熱材を鋼板表面に貼り付けた場合に、優れた耐水密着性が得られなくなる。また、腐食環境下においてAlが腐食しやすくなって黒色の錆が生成し、耐食性が劣化して外観品質を著しく低下させる。このためビニルモノマー(i)の配合量は、共重合樹脂の固形分100質量部に対する固形分の割合で0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部とする。
前記エポキシ基又は/及びアミノ基を有するシラン化合物(ii)のうち、エポキシ基を有するシラン化合物としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシキラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシキラン、3−グリシドキシプロピルトリメチルジエトキシキラン等が挙げられ、また、アミノ基を有するシラン化合物としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。このようなシラン化合物をアクリル系樹脂に重合することにより、アクリル系樹脂による防食効果が飛躍的に高められることが判った。これに対して、エポキシ基又はアミノ基を有しないシラン化合物、例えば、メタクリロキシ基やアクリロキシ基を有するシラン化合物をアクリル系樹脂に重合した場合には、逆に皮膜特性が低下する。したがって、エポキシ基又は/及びアミノ基を有するシラン化合物を重合することが必要である。
シラン化合物(ii)の配合量が、共重合樹脂の固形分100質量部に対する固形分の割合で0.1質量部未満では、耐食性、加工性、ペフ密着性の向上効果が十分に認められず、一方、30質量部を超えても耐食性、加工性、ペフ密着性が低下する。したがって、エポキシ基又はアミノ基を有するシラン化合物(ii)の配合量は、共重合樹脂の固形分100質量部に対する固形分の割合で0.1〜30質量部とする。
前記ビニルモノマー(i)とシラン化合物(ii)は、いずれもエポキシ基又はアミノ基等の官能基を有しているが、これら両成分を併用することにより、特に耐食性に関して相乗的な効果が得られる。この理由としては、ビニルモノマー(i)では、ビニル基が樹脂と重合し、官能基は末端になるのに対して、シラン化合物(ii)では、官能基が樹脂と重合し、末端はシラノール基となるため、末端官能基どうしの相互作用により耐食性が向上するものと考えられる。
前記アクリル酸又は/及びメタクリル酸(iii)の配合量は、共重合樹脂の固形分100質量部に対する固形分の割合で0.5〜10質量部、好ましくは0.5〜7質量部、より好ましくは1〜4質量部とする。アクリル酸又は/及びメタクリル酸の固形分の割合が0.5質量部未満ではエマルジョンの安定性及び金属表面との密着性が低下し、一方、10質量部を超えると、得られる皮膜の親水性が強くなり耐水性が低下し、ペフ密着性、加工性も劣る。
前記炭素数1〜6のアルキル鎖を持つアクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル(iv)としては、メチルメタクリレート及びその異性体、(メタ)アクリル酸−n−プロピル及びその異性体、(メタ)アクリル酸−n−ブチル及びその異性体、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル及びその異性体、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル及びその異性体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。この(メタ)アクリル酸エステル(iii)は皮膜の加工性向上に寄与する。アルキル鎖が7以上の(メタ)アクリル酸エステルから得られる有機樹脂を含む皮膜は、加工性が劣るために加工時の金型との摺動により皮膜が剥離しやすい。したがって、(メタ)アクリル酸エステルは炭素数1〜6、好ましくは3〜5のアルキル鎖を持つものを用いる必要がある。
前記アクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル(iv)の配合量は、共重合樹脂の固形分100質量部に対する固形分の割合で20〜95質量部とする。(メタ)アクリル酸エステルの固形分の割合が20質量部未満或いは95質量部を超えると加工性が劣る。
前記成分(i)〜(iv)と共重合可能なビニルモノマー(v)(但し、−OH基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマーを除く。)に特別な制限はなく、皮膜の親水性、造膜性、恒温における皮膜の耐軟化性を調整する目的等で、適宜な種類のビニルモノマー(v)を用いることが可能であり、例えば、高い疎水性を示すスチレンを用いることができる。前記官能基(i、ii)は親水性が高いため、鋼板表面にペフと呼ばれる断熱材を貼り合わせた際の耐水密着性が低下する場合があり、樹脂の親水性を調整する目的で疎水性のスチレンを重合させることにより耐水密着性を向上させることが可能となる。また、皮膜のTg又はMFTを調整する目的で、2−エチルヘキシルアクリレート等のモノマーを用いることも可能である。
表面処理皮膜は、4価の価数を有するバナジウム化合物(A)と、リン酸又は/及びリン酸系化合物(B)と、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂からなる有機樹脂(C)とを主成分とするものであるが、それ以外に、耐食性のさらなる向上等を目的として適宜な添加成分を添加してもよい。例えば、コロイダルシリカ及びその派生化合物、リン酸塩系防錆剤及びその複合化化合物、Zn,Mg,Co,Ni,Fe,Sr,Y,Nb,Ta,Ca,Ba系の金属化合物等を添加することが可能である。また、Ta系化合物、Nb系化合物、4価のバナジウム化合物以外のバナジウム化合物を添加してもよい。
次に、表面処理皮膜の付着量について述べると、まず、表面処理皮膜中の有機樹脂(C)の付着量は0.5〜5g/mとする。有機樹脂の付着量が0.5g/m未満では耐食性、加工性が著しく低下する。一方、有機樹脂を5g/mを超えて付着させると、ロールフォーミングやプレス加工の際のロールや金型に皮膜が付着しやすくなる。また、以上の観点から有機樹脂(C)の付着量のより好ましい範囲は1.0〜4.5g/m、さらに望ましくは1.5〜4.0g/mである。
また、バナジウム化合物(A)の付着量は、金属V換算で1〜100mg/mとする。バナジウム化合物の付着量が1mg/m未満では耐食性向上効果が認められず、一方、100mg/mを超えて付着させても耐食性向上効果が飽和し、逆に、皮膜の耐水性、加工性が低下する傾向が認められる。また、以上の観点からバナジウム化合物(A)の金属V換算での付着量のより好ましい範囲は3〜50mg/m、さらに望ましくは5〜40mg/mである。
また、リン酸又は/及びリン酸系化合物(B)の付着量は、PO換算で5〜200mg/mとすることが好ましい。付着量が5mg/m未満では耐食性やペフ密着性の向上効果が十分ではなく、一方、過剰に添加すると皮膜の耐水性が低下し、水との接触により皮膜が白化する傾向がある。但し、この白化に関しては樹脂の物性によっても大きく影響されるため、これらの観点から添加量を選択することができる。
さらに、Zn、Ni、Mg等のリン酸塩を用いる場合は、処理液に溶解することが必要であり、また、過剰に多いと処理液安定性が低下するため、適正範囲に収めることが必要である。
次に、本発明の表面処理材の製造方法について説明する。
本発明の第1の製造方法では、上述したようなAl−Zn系合金めっき鋼板のめっき皮膜表面に、4価の価数を有するバナジウム化合物(A)と、リン酸又は/及びリン酸系化合物(B)と、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂からなる有機樹脂(C)とを主成分とする処理液(上記成分(A)〜(C)を水に溶解又は/及び分散させた処理液)を塗布した後、水洗することなく乾燥する。
また、本発明の第2の製造方法では、上述したようなAl−Zn系合金めっき鋼板のめっき皮膜表面に、まず、4価の価数を有するバナジウム化合物(A)とリン酸又は/及びリン酸系化合物(B)とを主成分とする処理液(上記成分(A)及び(B)を水に溶解又は/及び分散させた処理液)を塗布した後、水洗することなく乾燥し、さらにその上部に、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂からなる有機樹脂(C)を主成分する処理液(有機樹脂(C)を水に溶解又は/及び分散させた処理液)を塗布した後、水洗することなく乾燥する。
この2つの製造方法のうち、耐食性の観点からは第2の製造方法の方が優れる傾向を示すが、設備的負荷の観点では第1の製造方法が有利である。但し、いずれにおいても必要レベルの品質が得られる。
また、上記第2の製造方法においては、有機樹脂(C)を主成分とする処理液中に、バナジウム化合物(A)とリン酸又は/及びリン酸系化合物(B)のうちの1種以上を添加することも可能である。
処理液は、水に対して各成分(A)〜(C)を添加することにより調整される。各成分(A)〜(C)の種類、各成分を添加する際の化合物の形態や添加方法は先に述べたとおりである。また、処理液には、上記成分(A)〜(C)以外に、必要に応じて先に述べた添加成分を添加することができる。
処理液の塗布方法は、例えば、スプレー+ロール絞り、ロールコーターなど任意であり、また、塗布後の乾燥方式についても、例えば、熱風方式、誘導加熱方式、電気炉方式など任意である。
処理液の乾燥温度は60〜250℃程度とすることが好ましい。乾燥温度が60℃未満では、皮膜形成が不十分となり耐食性等に劣る皮膜となる。一方、250℃を超える板温で乾燥させても耐食性等の品質を高める効果が得られず、逆に低下する場合がある。これは、特に有機樹脂の耐熱限界を超えているために皮膜が熱により損傷されるためであると考えられる。
[実施例1]
表1及び表2に示す金属化合物及び有機樹脂とリン酸(オルトリン酸)が添加された処理液を55%Al−Zn系合金めっき鋼板と電気亜鉛めっき鋼板に塗布し、板温120℃で乾燥したものを供試材とした。
処理液に配合した有機樹脂(a)〜(h)は、以下のような成分で合成した。
・有機樹脂(a):本発明条件を満足する
ビニルモノマー(i):2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2部)
シラン化合物(ii):3−アミノプロピルトリメトキシシラン(5部)
(メタ)アクリル酸(iii):アクリル酸(5部)
(メタ)アクリル酸エステル(iv):メチルメタクリレート、ブチルアクリレート(58部)
ビニルモノマー(v):スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート(30部)
・有機樹脂(b):本発明条件を満足しない
シラン化合物(ii):3−アミノプロピルトリメトキシシラン(5部)
(メタ)アクリル酸(iii):アクリル酸(5部)
(メタ)アクリル酸エステル(iv):メチルメタクリレート、ブチルアクリレート(60部)
ビニルモノマー(v):スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート(30部)
・有機樹脂(c):本発明条件を満足しない
ビニルモノマー(i):2−ヒドロキシエチルメタクリレート(20部)
シラン化合物(ii):3−アミノプロピルトリメトキシシラン(5部)
(メタ)アクリル酸(iii):アクリル酸(5部)
(メタ)アクリル酸エステル(iv):メチルメタクリレート、ブチルアクリレート(40部)
ビニルモノマー(v):スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート(30部)
・有機樹脂(d):本発明条件を満足しない
ビニルモノマー(i):2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2部)
(メタ)アクリル酸(iii):アクリル酸(5部)
(メタ)アクリル酸エステル(iv):メチルメタクリレート、ブチルアクリレート(63部)
ビニルモノマー(v):スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート(30部)
・有機樹脂(e):本発明条件を満足しない
ビニルモノマー(i):2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2部)
シラン化合物(ii):3−アミノプロピルトリメトキシシラン(35部)
(メタ)アクリル酸(iii):アクリル酸(5部)
(メタ)アクリル酸エステル(iv):メチルメタクリレート、ブチルアクリレート(40部)
ビニルモノマー(v):スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート(18部)
・有機樹脂(f):本発明条件を満足しない
ビニルモノマー(i):2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2部)
シラン化合物(ii):3−アミノプロピルトリメトキシシラン(5部)
(メタ)アクリル酸(iii):アクリル酸(0.4部)
(メタ)アクリル酸エステル(iv):メチルメタクリレート、ブチルアクリレート(62.6部)
ビニルモノマー(v):スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート(30部)
・有機樹脂(g):本発明条件を満足しない
ビニルモノマー(i):2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2部)
シラン化合物(ii):3−アミノプロピルトリメトキシシラン(5部)
(メタ)アクリル酸(iii):アクリル酸(20部)
(メタ)アクリル酸エステル(iv):メチルメタクリレート、ブチルアクリレート(43部)
ビニルモノマー(v):スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート(30部)
・有機樹脂(h):本発明条件を満足しない
ビニルモノマー(i):2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2部)
シラン化合物(ii):3−アミノプロピルトリメトキシシラン(5部)
(メタ)アクリル酸(iii):アクリル酸(5部)
(メタ)アクリル酸エステル(iv):メチルメタクリレート、ブチルアクリレート(10部)
ビニルモノマー(v):スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート(78部)
Figure 0004298563
Figure 0004298563
得られた供試材について、以下の試験条件で耐食性、ペフ密着性及び加工性を評価した(但し、電気亜鉛めっき鋼板の供試材は耐食性のみ)。
(1)耐食性
複合腐食試験(CCT:JIS K 5621)を、高Al−Zn系合金めっき鋼板の供試材では360サイクル、電気亜鉛めっき鋼板の供試材では30サイクルで各々実施し、白錆の発生状況を下記基準にて評価した。
○:白錆(黒錆)発生面積率10%未満
△:白錆(黒錆)発生面積率10%以上、50%未満
×:白錆(黒錆)発生面積率50%以上
(2)ペフ密着性
上記耐食性試験で“○”又は“△”の評価を示した高Al−Zn系合金めっき鋼板の供試材についてのみ、ペフ密着性(耐水性)の評価試験を行った。
ペフに接着剤を薄く塗布し、鋼板と室温で圧着した状態で、40℃温水に30分浸漬を行った後、手でペフを剥離し、供試材表面に残存するペフの面積率に基づき下記基準にて評価した。
○:残存面積率80%以上
△:残存面積率40%以上、80%未満
×:残存面積率40%未満
(3)加工性
上記耐食性試験で“○”及び“△”の評価を示した高Al−Zn系合金めっき鋼板の供試材についてのみ、加工性の評価試験を行った。
24時間水に浸漬した供試材について、ドロービード試験機を用い、先端5mmR、高さ6mmのビードを幅30mmの供試材表面に300kgfの荷重で押し付けて引抜き試験を行い、目視により下記基準にて評価した。
○:異常なし
△:供試材表面が黒化するか、若しくは供試材の外観は良好であるがビードに著しい付着物あり
×:明らかに皮膜が剥離
各供試材の皮膜構成を表1及び表2に、上記試験の結果を表3及び表4に示す。
No.1〜No.16は表面処理皮膜中に添加した金属化合物による防食効果を比較したものであり、高Al−Zn系合金めっき鋼板の表面処理皮膜中に4価のバナジウム化合物を添加したNo.7(発明例)のみが優れた耐食性を示している。また、このような4価のバナジウム化合物による効果は、亜鉛めっき鋼板では得られておらず、高Al−Zn系合金めっき鋼板に特有の効果であることが判る。
No.17〜No.19は皮膜付着量の影響を調べたものであり、皮膜付着量が本発明範囲未満であるNo.17(比較例)は耐食性が劣り、一方、皮膜付着量が本発明範囲を超えるNo.19(比較例)はペフ密着性、加工性が劣っている。
No.20、No.21(いずれも比較例)は、有機樹脂のビニルモノマー(i)の量が過剰に少ない場合と多い場合の例であり、いずれも耐食性が劣っている。さらに、ビニルモノマー(i)の量が過剰に少ないNo.20では加工性が劣り、また、ビニルモノマー(i)の量が過剰に多いNo.21ではペフ密着性が劣っている。
No.22、No.23(いずれも比較例)は、有機樹脂に重合したシラン化合物(ii)が過剰に少ない場合と多い場合の例であり、いずれも耐食性、ペフ密着性、加工性が劣っている。
No.24、No.25(いずれも比較例)は、(メタ)アクリル酸(iii)が過剰に少ない場合と多い場合の例であり、いずれもペフ密着性、加工性が劣っている。
No.26(比較例)は、(メタ)アクリル酸エステル(iv)が過剰に少ない場合の例であり、加工性が劣っている。
No.27(発明例)は、上記No.1〜No.26とは製造条件が異なり、4価のバナジウム化合物とリン酸を含む処理液を塗布・乾燥した後、有機樹脂を含む処理液を塗布・乾燥することにより表面処理皮膜を形成したものであり、No.7(発明例)と同様の優れた特性が得られている。
Figure 0004298563
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[実施例2]
表5に示す金属化合物とリン酸又はリン酸系化合物、実施例1の有機樹脂(a)が添加された処理液を55%Al−Zn系合金めっき鋼板に塗布し、板温120℃で乾燥したものを供試材とした。各供試材の耐食性、ペフ密着性、加工性について、実施例1と同じ方法及び基準で評価した。
各供試材の皮膜構成を表5に、上記試験の結果を表6に示す。
No.1(比較例)は表面処理皮膜中にリン酸が添加されていない例であり、耐食性とペフ密着性が劣っている。
No.2〜No.5(いずれも発明例)は表面処理皮膜中に添加するリン酸又はリン酸系化合物の種類の影響を調べたものであり、オルトリン酸、リン酸Mg、リン酸Znのいずれについても優れた特性が得られている。
No.6(発明例)は4価のバナジウム化合物として、5価のバナジウム化合物の還元生成物を用いた例であり、No.2〜No.5で用いた硫酸酸化バナジウムと同様の優れた特性が得られている。
Figure 0004298563
Figure 0004298563
[実施例3]
表7に示す金属化合物及び有機樹脂とリン酸(オルトリン酸)が添加された処理液を55%Al−Zn系合金めっき鋼板に塗布し、板温120℃で乾燥したものを供試材とした。
処理液に配合した有機樹脂は、ビニルモノマー(i):2部、シラン化合物(ii):5部、(メタ)アクリル酸(iii)としてアクリル酸:5部、(メタ)アクリル酸エステル(iv)としてメチルメタクリレート、ブチルアクリレート:58部、ビニルモノマー(v)としてスチレン、2−エチルヘキシルアクリレート:30部で合成したが、ビニルモノマー(i)としては下記A〜Jの中から選ばれる1種を、シラン化合物(ii)としては下記a〜fの中から選ばれる1種をそれぞれ用いた。なお、No.1では、ビニルモノマー(i)及びシラン化合物(ii)を配合しないで合成されたものを用いた。
・ビニルモノマー(i)
A:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
B:2−ヒドロキシエチルアクリレート
C:ヒドロキシプロピルアクリレート
D:ヒドロシキプロピルメタクリレート
E:グリシジルメタクリレート
F:アクリルアミド
G:アクリロニトリル
H:マレイン酸
I:イタコン酸
J:酢酸ビニル
・シラン化合物(ii)
a:ビニルトリメトキシシラン
b:ビニルトリエトキシシラン
c:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
d:3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
e:3−アミノプロピルトリメトキシシラン
f:3−アミノプロピルトリエトキシシラン
各供試材の耐食性、ペフ密着性、加工性について、実施例1と同じ方法及び基準で評価した。
各供試材の皮膜構成を表7に、上記試験の結果を表8に示す。
No.1(比較例)は有機樹脂にビニルモノマー(i)及びシラン化合物(ii)が含まれていない例であり、耐食性、加工性が劣っている。
No.2〜No.6は、シラン化合物(ii)の種類の影響を調べたものであり、エポキシ基を有するシラン化合物を用いたNo.4、No.5(いずれも発明例)、アミノ基を有するシラン化合物を用いたNo.6(発明例)では、いずれも優れた耐食性、加工性が得られているのに対して、ビニル基を有するシラン化合物を用いたNo.2、No.3(いずれも比較例)では耐食性、加工性が劣っている。
No.7〜No.15は、ビニルモノマー(i)の種類の影響を調べたものであり、−OH基を有するビニルモノマーを用いたNo.7〜No.9(いずれも発明例)、エポキシ基を有するビニルモノマーを用いたNo.10(発明例)、アミノ基を有するビニルモノマーを用いたNo.11(発明例)、ニトリル基を有するビニルモノマーを用いたNo.12(発明例)では、いずれも優れた耐食性、加工性が得られているのに対して、上記官能基を含まないビニルモノマーを用いたNo.13〜No.15(いずれも比較例)では耐食性、加工性が劣っている。
Figure 0004298563
Figure 0004298563

Claims (3)

  1. Alを25〜75質量%含有するAl−Zn系合金めっき皮膜を有するAl−Zn系合金めっき鋼板の前記めっき皮膜表面に、4価の価数を有するバナジウム化合物(A)と、リン酸又は/及びリン酸系化合物(B)と、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂からなる有機樹脂(C)とを主成分とし、前記バナジウム化合物(A)が硫酸酸化バナジウム又はバナジン酸還元生成物からなり、前記有機樹脂(C)が、−OH基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマー(i)と、エポキシ基又は/及びアミノ基を有するシラン化合物(ii)と、アクリル酸又は/及びメタクリル酸(iii)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つアクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル(iv)と、前記成分(i)〜(iv)と共重合可能なビニルモノマー(v)(但し、−OH基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマーを除く。)とから得られる共重合樹脂であって、該共重合樹脂の固形分100質量部に対して、前記ビニルモノマー(i)の割合が0.1〜10質量部、前記シラン化合物(ii)の割合が0.1〜30質量部、前記アクリル酸又は/及びメタクリル酸(iii)の割合が0.5〜10質量部、前記炭素数1〜6のアルキル鎖を持つアクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル(iv)の割合が20〜95質量部であり、前記バナジウム化合物(A)の金属V換算での付着量が1〜100mg/m、前記有機樹脂(C)の付着量が0.5〜5g/mである表面処理皮膜を有することを特徴とする耐食性に優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板。
  2. Alを25〜75質量%含有するAl−Zn系合金めっき皮膜を有するAl−Zn系合金めっき鋼板の前記めっき皮膜表面に、4価の価数を有するバナジウム化合物(A)と、リン酸又は/及びリン酸系化合物(B)と、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂からなる有機樹脂(C)とを主成分とし、前記バナジウム化合物(A)が硫酸酸化バナジウム又はバナジン酸還元生成物からなり、前記有機樹脂(C)が、−OH基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマー(i)と、エポキシ基又は/及びアミノ基を有するシラン化合物(ii)と、アクリル酸又は/及びメタクリル酸(iii)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つアクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル(iv)と、前記成分(i)〜(iv)と共重合可能なビニルモノマー(v)(但し、−OH基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマーを除く。)とから得られる共重合樹脂であって、該共重合樹脂の固形分100質量部に対して、前記ビニルモノマー(i)の割合が0.1〜10質量部、前記シラン化合物(ii)の割合が0.1〜30質量部、前記アクリル酸又は/及びメタクリル酸(iii)の割合が0.5〜10質量部、前記炭素数1〜6のアルキル鎖を持つアクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル(iv)の割合が20〜95質量部である処理液を塗布した後、水洗することなく乾燥することを特徴とする、耐食性に優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板の製造方法。
  3. Alを25〜75質量%含有するAl−Zn系合金めっき皮膜を有するAl−Zn系合金めっき鋼板の前記めっき皮膜表面に、4価の価数を有するバナジウム化合物(A)とリン酸又は/及びリン酸系化合物(B)とを主成分とし、前記バナジウム化合物(A)が硫酸酸化バナジウム又はバナジン酸還元生成物からなる処理液を塗布した後、水洗することなく乾燥し、さらにその上部に、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂からなる有機樹脂(C)を主成分とし、該有機樹脂(C)が、−OH基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマー(i)と、エポキシ基又は/及びアミノ基を有するシラン化合物(ii)と、アクリル酸又は/及びメタクリル酸(iii)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つアクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル(iv)と、前記成分(i)〜(iv)と共重合可能なビニルモノマー(v)(但し、−OH基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマーを除く。)とから得られる共重合樹脂であって、該共重合樹脂の固形分100質量部に対して、前記ビニルモノマー(i)の割合が0.1〜10質量部、前記シラン化合物(ii)の割合が0.1〜30質量部、前記アクリル酸又は/及びメタクリル酸(iii)の割合が0.5〜10質量部、前記炭素数1〜6のアルキル鎖を持つアクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル(iv)の割合が20〜95質量部である処理液を塗布した後、水洗することなく乾燥することを特徴とする、耐食性に優れたクロメートフリー表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板の製造方法。
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