JP4500011B2 - シリンジポンプ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に注射器が配置されるシリンジトラフを有するハウジングと、操作パネルと、ハウジングに対して直線的に移動することができる注射器のシリンジプランジャを移動させるためのドライブヘッドとを備えたシリンジポンプに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
現代の集中治療における投薬には、ますます多数の輸液装置（infusion apparatus）が用いられるようになってきている。１つの集中治療の現場では、２０以上の輸液ポンプを用いることもある。これは、輸液ポンプの仕様をコンパクトにすることを要求する。したがって、それらは非常に小さい寸法とされるべきである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、小寸法にも関わらず、その中に装着ないし挿入（insert）された注射器の読み取り性を良くすることができるシリンジポンプを提供することである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、この目的は、請求項１の特徴により達せられる。請求項１によれば、シリンジトラフないしは注射器収容部（syringe trough）の少なくとも一部を覆う回転式リッドないし回転式蓋（swivelling lid）が、注射器表面を拡大表示するための円柱型レンズを有する拡大手段（magnifying means）を備えている。この拡大手段は、直径が少なくとも２倍（factor 2）は異なる、異なる寸法の注射器の注射器表面を光学的に拡大する。
【０００５】
リッド（蓋）の一部は、ユーザに、注射器の所定の部分を拡大表示する拡大手段として形成されている。このような光学的な拡大は、シリンジポンプが異なる形式の注射器を用いる場合にとくに有用である。小さい注射器については、目盛及び数字ないしは番号（number）は必然的に小寸法となる。この場合、拡大手段は、シリンジトラフ内の奥深い部分に位置している注射器の表面を、拡大された形態で見る人（viewer）の目にもたらす。これにより、まず小さい注射器を目視により吟味し、その後非常に小さい目盛を読み取らなければならないといったユーザの煩わしさを無くすことができる。たとえ、見る人が遠く離れていて視角が不適切であっても、小さい注射器を容易に読み取ることができる。
【０００６】
さらに、このリッドは、シリンジトラフに光を導入する点灯具ないしは照明具（lighting device）を備えていても良い。また、点灯具は、シリンジトラフに設けられても良い。照明による補助は、暗い環境下でとくに有用である。さらに、このような照明は、装置の特別な状態に対して注意を喚起する、例えば警告を与えることもできる。この場合、特定の色の光を用いても良い。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳細に説明する。シリンジポンプは、平たい箱（flat box）の形態のハウジング１０を備えている。このハウジング１０の前側ないしは前部に、水平ないしは横置きの（horizontal）シリンジトラフ１４が配置され、この中に注射器１５（syringe）が配置されることができる。注射器１５は、注射器外筒１６（syringe barrel）と、プランジャロッド１７（plunger rod）に接続された外筒内のプランジャ（plunger）とを有している。ピストンロッド１７の端部には、ピストンプレート１８が設けられている。注射器外筒１６の中央に近い方の端部には、注射器１５を軸方向の移動に対して固定するために、ハウジング１０の注射器支持部２１（syringe bearing）にセット（set）された注射器端板２０（syringe lug）を備えている。
【０００８】
ハウジング１０は、さらに、手動で前に引き出すようになっているとともに、この引き出しを行うためのハンドル２３を有するシリンジブラケット２２（syringe bracket）を備えている。シリンジブラケット２２は、ばねによって注射器１５に向かって引っ張られ、これにより注射器１５がシリンジトラフ１４に押し付けられる。シリンジブラケット２２の位置は、検出されて電子的に評価され、これにより注射器１５の寸法が決定される。シリンジブラケット２２は、注射器端板２０に部分的にまたがって伸びるブレード２４（blade）を有している。このブレード２４は、ピストンロッド１７と係合し、ピストンブレーキとして機能する。ブレード２４は、制御された態様で移動することができる。
【０００９】
注射器外筒１６に対してシリンジピストンを移動させるために、ハウジング１０には、該ハウジング１０の前端から伸び、その端部にドライブヘッド２６を有するドライブロッド２５を備えている。このドライブヘッド２６は、ピストンプレート１８を把持（grip）して保持（hold）する保持具（gripping device）を備えている。ドライブロッド２５の制御された移動により、ピストンロッド１７が前進させられ、注射器１５の内容物が吐出される。患者につながっている輸液ライン２７（infusion line）が、注射器１５の先端に接続されている。
【００１０】
シリンジトラフ１４は、一方の端部壁２８（end wall）と中間壁２９（intermediate wall）との間で、ハウジング１０の前側ないしは前部に沿って伸びている。シリンジトラフ１４は、ヒンジ３１によってハウジング１０の下の前側縁部（front edge）にヒンジ結合された（hinged）リッド３０によって閉じられている。この閉じられた状態においては、リッド３０は、ハウジングの上壁１３と端部壁２８と中間壁２９とに接触（abut）する。
【００１１】
図１に示すように、リッド３０の前面ないしは前部は、ユーザによる操作のための種々のキー（key）を有する操作パネル３２（operating panel）を備えている。さらに、リッド３０の前面ないしは前部は、表示装置３３（display device）を備えている。操作パネル３２及び表示装置３３は、ハウジング１０内のプロセッサに電気的に接続されている。
【００１２】
操作パネル３２及び表示装置３３は、リッド３０の高さの一部でのみ伸びている。リッド３０の上部は、透明な窓３４を備えている。窓３４は、拡大具３５を形成している円柱型レンズを含んでいる。リッド３０が閉じているときには、拡大具３５は、注射器１５、とくに注射器１５の目盛３６を拡大する。拡大具３５の焦点距離は、使用可能な最小の注射器１５に対して、対象物と拡大具３５との間の距離より長くなっている。
【００１３】
リッド３０は、点灯具４０を備えている。この実施の形態では、点灯具４０は、注射器１５に向かって光を放射する３つの光源を有している。点灯具４０は、一方では、注射器１５を照明するのに役立つ。しかし、注射器１５に危険が生じた場合、シリンジポンプに危険が生じているということを確認するための警報手段としても役に立つ。
【００１４】
図４は、異なる寸法の注射器１５がシリンジトラフ１４内に配置された状態を示している。これらの注射器１５は、拡大具３５を通して見ることができるように位置決めされている。ここで、１５ａは大きい注射器の円周を表し、他方１５ｂは小さい注射器の円周を表している。
【図面の簡単な説明】
【図１】 リッドが閉まった状態におけるシリンジポンプの斜視図である。
【図２】 リッドが開いた状態におけるシリンジポンプの斜視図である。
【図３】 リッドの斜視図である。
【図４】 異なるサイズの注射器に対するシリンジポンプの適合性を示す断面図である。
【符号の説明】
１０ ハウジング、 １４ シリンジトラフ、 １５ 注射器、 １６ 注射器容器、 １７ プランジャロッド、 １８ ピストンプレート、 ２０ 注射器端板、 ２１ 注射器支持部、 ２２ シリンジブラケット、 ２３ ハンドル、 ２４ ブレード、 ２５ ドライブロッド、 ２８ 端部壁、 ２９ 中間壁、 ３０ リッド、 ３１ ヒンジ、 ３２ 操作パネル、 ３３ 表示装置、 ３４ 透明な窓、 ３５ 拡大具、 ３６ 目盛、 ４０ 点灯具。

Claims (4)

1. 内部に注射器（１５）が配置されるシリンジトラフ（１４）を備えたハウジング（１０）と、上記ハウジング（１０）に対して直線的に移動することができる注射器のシリンジプランジャを移動させるためのドライブヘッド（２６）と、操作パネル（３２）とを備えているシリンジポンプにおいて、
   上記シリンジトラフ（１４）の少なくとも一部を覆う回転式リッド（３０）が、注射器表面を拡大表示するための円柱型レンズを有する拡大手段（３５）を備えていて、
   上記拡大手段（３５）が、直径が少なくとも２倍は異なる、異なる寸法の注射器（１５ａ、１５ｂ）の注射器表面を光学的に拡大するようになっていることを特徴とするシリンジポンプ。
2. 上記円柱型レンズが、細長い円柱型レンズであることを特徴とする請求項１に記載のシリンジポンプ。
3. 上記リッド（３０）又はシリンジトラフ（１４）が、シリンジトラフ（１４）内の注射器（１５）を照明するための点灯具（４０）を備えていることを特徴とする請求項１又は２に記載のシリンジポンプ。
4. 上記リッド（３０）が、操作パネル（３２）及び表示装置（３３）を含んでいることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１つに記載のシリンジポンプ。

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