JP4498605B2 - 選択的に開閉可能な開口部を含むトップシートを有する吸収体 - Google Patents
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Description
本発明は、使い捨ておむつなどの使い捨て吸収体に関する。より具体的には、本発明は、引張力を受けたときに開き、引張力が解除されたときに閉じるスリットを含む弾性的延伸性体側トップシートを有する使い捨て吸収体に関する。
【0002】
幼児およびその他の失禁者は、排出された尿および体からのその他の排泄物を受けて封じ込めるおむつや失禁ブリーフなどの吸収体を装着する。このような吸収体は、排出された材料を含むと共に、このような材料を装着者の体および装着者の衣服および寝具から分離するように機能する。多数の異なる基本設計を有する使い捨て吸収体が当技術分野で知られている。たとえば、1967年1月31日にDuncan等に発行された、「使い捨ておむつ」と題された米国再発行特許第26,152号は、広く受け入れられかなりの商業的成功を収めた基礎使い捨ておむつ構造を説明している。
【0003】
便材料が通過できるようにする比較的大面積の単一の孔を有するトップシートを含む使い捨て吸収体が知られている。このような構造は、装着者の体から便材料を分離するためのものである。このような既知の構造の例は、1991年8月6日にAllen等に発行された「弾性的延伸性トップシートを有する使い捨て吸収体」と題された米国特許第5,037,416号、1993年12月14日にFreeland等に発行された「使い捨て吸収体用の三分割トップシートおよびそのような三分割トップシートを有する使い捨て吸収体」と題された米国特許第5,269,775号、および1997年4月29日にAllenに発行された「延伸性分割コアを有する吸収体」と題された米国特許第5,624,422号に開示されている。
【0004】
装着者の体から便材料を分離するだけでなく、装着者の体から吸収体を取り外したときに便材料が見えないようにすることも極めて望ましい。このように便材料を隠すことは、便材料が、赤ん坊および幼児と、下痢に罹っているその他の人の排便に典型的な半固体形または流体形であるときに特に望ましい。したがって、本発明の態様は、吸収体の使用中に受けた半固体状および流体状の便材料をできるだけ見えないようにするように構成された使い捨ての吸収体を提供することである。
本発明の要旨
簡単に言えば、本発明の一態様によれば、ウエストおよび下部胴体周辺に装着される吸収体が提供される。この吸収体は、外側衣服側表面および内側体側表面を有する液体不透過性バックシートを含む。バックシートの体側表面に隣接して吸収性コアが設けられる。吸収性コアは、それ自体を装着者の体の股領域に隣接して配置できるようにする形状を有し、かつ液体を吸収する容量を有する。可撓性の液体透過性トップシートが吸収性コアの上に位置しており、このトップシートは、それが非張力状態のときには実質的に閉じ、それが張力を受けたときには、間隔を置いて配置されてトップシートを貫通して延びる複数の開口部を画定するように開き、固体状および半固体状の便材料がトップシートを通過して吸収性コアに到達できるようにする間隔を置いて配置された複数の不連続部を含む。装着者から吸収体を取り外すと、トップシート開口部が閉じ便材料は実質的に隠される。
発明の詳細な説明
ここで使用されている、用語「吸収体」は、身体排泄物を吸収し、封じ込める装置を指しており、より具体的には、体から排出された様々の排泄物を吸収し封じ込める装着者の体に接触して又は接近して配置される装置を言う。用語「使い捨て」は、ここで、一般的に、洗濯されるか、そうでなければ復元または再使用されることを意図しない吸収体を説明するのに使用される(すなわち、それらは、ただ一回の使用後に捨てられ、そして、好ましくは、環境的に適合性のある手段でリサイクルされるか、堆肥にされるかまたはそうでなければ処分されることが意図される)。(ここで使用される場合、用語「配置」は、おむつの要素が、おむつの他の要素を有する統一的構造として特定の場所または位置に形成される(接合され、そして位置決めされる)ことを意味するのに使用される。ここで使用される、用語「接合された」は、それによって要素は、その要素を他の要素に直接的に添付させることによって、別の要素に直接的に固定する構成、および要素が、その要素を、他の要素に順に添付する中間部分に添付することによって、別の要素に間接的に固定する構成を含む。)「一体型」吸収体は、共に一体化される別個の部品から形成されて、統合された全体性を形成して、その結果、それらが、別々のホルダーおよびライナーのような別個の手で扱う部品を必要としない吸収体を言う。本発明の吸収体の好ましい実施の形態は、図1に示される一体型使い捨て吸収体20である。ここで使用される、用語「おむつ」は、下部胴体周辺に幼児および失禁者によって一般に装着される吸収体を言う。本発明は、失禁用ブリーフ、失禁用下着、吸収インサート、おむつホルダーおよびライナー、女性用衛生衣類、ハンカチ、モップ、包帯等のような他の吸収体に適切でもある。
【0005】
図1は、おむつ20の構造をいっそう明確に示すために切り取られた構造の部分と共に広げられた状態での本発明のおむつ20の平面図である。装着者に面するおむつ20の部分は、見る人の方に向けられる。図1に示されるように、おむつ20は、好ましくは、液体透過性トップシート24、液体不透過性バックシート26、少なくともトップシート24の一部とバックシート26との間に位置決めされるのが好ましい吸収性コア28、サイドパネル30、弾性レッグカフ32、弾性ウエスト部材(feature)34、および全体を通して参照符号36で示される留め具システムを備えている。第一のウエスト領域46、第一のウエスト領域46に対向する第二のウエスト領域44、および第一のウエスト領域および第二のウエスト領域の間に配置される股領域37を有するおむつ20は、図1に示される。おむつ20の周辺部は、長手方向の縁50が、一般的に、おむつ20の長手方向の中心線100に平行に走り、そして端縁52が、おむつ20の横断方向の中心線110に平行である長手方向の縁50の間を走る、おむつ20の外側縁によって画定される。
【0006】
おむつ20のシャシ22は、おむつ20の本体を備える。シャシ22は、吸収性コア28の少なくとも一部を、そして好ましくは、トップシート24とバックシート26とを含む外側カバー層を備える。シャシ22は、内側の体側表面40および外側の衣服側表面42を含む。吸収体が、別個のホルダーおよびライナーを備える場合、シャシ22は、一般に、ホルダーおよびライナーを備える。(例えば、ホルダーは、製品の外側カバーを形成する1つまたはそれ以上の材料の層を備えていてもよく、ライナーは、トップシート、バックシートおよび吸収性コアを含む吸収性組立て体を備えていてもよい。このような場合には、ホルダーおよび/またはライナーは、使用の間中、適所にライナーを保持するのに使用される留め具要素を含んでよい。)一体型吸収体については、シャシ22は、複合体おむつ構造を形成するのに加えられた他の特性を示すおむつの主用構造を備える。トップシート24、バックシート26およびシャシ22は、多様なよく知られた形状で組み立てることができ、好ましいおむつ形状は、1975年1月14日にKenneth B.Buellに発行された「使い捨ておむつ用の収縮側面部分」と題された米国特許第3,860,003号;1992年9月9日にBuellに発行された米国特許第5,151,092号;1993年にBuellに発行された米国特許第5,221,274号;1996年9月10日にRoeらに発行された「多重ゾーン構造弾性様フィルムウェブ延伸性ウエスト部材を有する吸収体」と題された米国特許第5,151,092号;1996年10月29日にKenneth B.Buellらに発行された「使い捨てプルオンパンツ」と題された米国特許第5,569,234号;1996年12月3日にNeaseらに発行された「吸収体用のサイドパネルを製造するゼロスクラップ法」と題された米国特許第5,580,411号;Roblesらの名前で1997年8月20日に出願された「多方向延伸性サイドパネルを有する吸収体と題された米国特許出願第08/915,471号に一般に説明され、その各々は、参照してここに組込まれる。
【0007】
バックシート26は一般に、吸収性コア28の衣服側表面に隣接して位置決めされた、おむつ20の部分である。バックシート26は、そこに吸収され、封じ込められた排泄物が、ベッドシートおよび下着のようなおむつ20と接触する可能性のある製品を汚すのを防ぐ。好ましい実施の形態では、バックシート26は、液体(例えば、尿)に不透過性であり、そして約0.012mm(0.5ミル)〜約0.051mm(2.0ミル)の厚みを示す熱可撓性フィルムのような薄いプラスチックフィルムを備える。適切なバックシートフィルムは、インディアナ州テール・オート(Terre Haute,IN)のトレデガー社(Tredegar Industries Inc.)によって製造され、商品名X15306、X10962およびX10964として販売されるものを含む。他の適切なバックシート材料は、蒸気が、おむつ20から逃げるのを許容する一方で、なお排泄物がバックシート26を通過することを防ぐ通気性材料が挙げられる。例示の通気性材料は、織布ウェブ、不織布ウェブのような材料、フィルム被覆不織布ウェブのような複合材料、および名称エスポワールNOとして日本の三井東圧(Mitsui Toatsu Co.,)によって、名称EXXAIREとしてテキサス州ベイ・シティー(Bay City,TX)のエクソン・ケミカル社(EXXON Chemical Co.,)によって製造されるような多孔性フィルムを含んでよい。ポリマーブレンド物を備える適切な通気性複合材料は、名称HYTRELブレンドP18−3097としてオハイオ州シンシナティ(Cincinnati,OH)のクロペイ社(Clopay Corporation)から入手可能である。このような通気性複合材料は、1995年6月22日に、E.I.Dupontの名前で公開されたPCT出願番号第WO95/16746号、および1996年11月6日にCurroの名前で出願された、共に係続中の米国特許出願番号第08/744,487号により詳細に説明されている。不織布ウェブおよび開穴成形フィルムを含む他の通気性バックシートは、1996年11月5日にDobrinらに発行された米国特許第5,571,096号に説明される。これらの資料の各々は、ここに参照して組込まれる。
【0008】
バックシート26、あるいはそのいずれかの部分は、1つまたはそれ以上の方向に弾性的に延伸性があってよい。1つの実施の形態では、バックシート26は、構造性の弾性様フィルム(「SELF」)ウェブを備えてよい。構造性の弾性様フィルムウェブは、追加の弾性材料を使用することなしに、延伸の方向での弾性様挙動を示す延伸性材料である。SELFウェブは、少なくとも2つの連続する、性質の異なる、および非類似の領域を有する引張り可能なネットワークを含む。好ましくは、その領域の内の1つが、他の領域の実質部分が、加えられる延伸に対して目立った抵抗力を示すように構成される。少なくとも領域の1つは、材料が、非張力条件下にある間、予め決定された軸に実質的に平行に測定されたときの他の領域のものより大きい表面経路長を有する。より大きな表面経路長を示す領域は、他の領域の平面を越えて伸長する1つまたはそれ以上の変形を含む。SELFウェブは、予め決定された軸に平行な方向において加えられた延伸にかけられた場合、少なくとも1つの予め決定された軸に沿って延伸する制御された抵抗力の少なくとも2つのかなり異なる段階を示す。SELFウェブは、ウェブの延伸が、より長い表面経路長を示すその領域の実質的な部分が、SELFウェブがさらなる延伸に対する第二の抵抗力を示す場合、負荷された伸長の平面に入るのに十分であるまで、加えられた延伸に対する第一の抵抗力を示す。延伸に対する総抵抗力は、第一の領域によって供される延伸に対する第一の抵抗力より高い。本発明に適切なSELFウェブは、1996年5月21日にChappellらに発行された弾性様挙動を示すウェブ材料と題された米国特許第5,518,801号にさらに完全に説明されており、そしてそれは、参照してここに組込まれる。別の実施の形態では、バックシート26は、エラストマーフィルム、フォーム、ストランドまたは不織布または合成フィルムを有するこれらまたは他の適切な材料の組合せを含んでよい。
【0009】
バックシート26は、当業界で知られた任意の付着手段によって、トップシート24、吸収性コア28およびおむつ20の任意の他の要素に接合しうる。例えば、付着手段は、接着剤の均一連続層、パターン接着剤層、または一列の別々の接着剤線、螺旋、またはスポットを含みうる。1つの好ましい付着手段は、1986年3月4日に、Minetolaらに発行された「使い捨て排泄物包含衣類」と題された米国特許第4,573,986号に開示されるような接着剤フィラメントのオープンパターンネットワークを備える。他の適切な付着手段は、1975年10月7日にSprague,Jr.に発行された米国特許第3,911,173号;1978年11月22日にZieckerらに発行された米国特許第4,785,996号;および1989年6月27日にWereniczに発行された米国特許第4,842,666号に示される装置および方法によって例示されるように、渦巻き状に螺旋パターンにされたいくつかの接着剤フィラメントを含む。これらの特許の各々は、参照してここに組込まれる。満足されることが分かっている接着剤は、ミネソタ州セント・ポールのエイチ・ビー・フラー社(H.B.Fuller Company)によって製造され、そしてHL−1258として市販されている。あるいは、付着手段は、熱接着、圧力接着、超音波接着、動的機械的接着、または当業界で知られるように任意の他の適切な付着手段またはこれらの付着手段の組合せを備えてもよい。
【0010】
トップシート24は、好ましくは吸収性コア28の体側表面40に隣接して配置され、そして当業界で知られる任意の付着手段によって、そこに接合させ、および/またはバックシート26に結合させることができる。適切な付着手段は、バックシート26をおむつ20の他の要素に結合させる手段に関して上に説明されている。本発明の1つの好ましい実施の形態では、トップシート24およびバックシート26は、ある位置で互いに直接結合され、そしてそれらをおむつ20の他の要素に直接結合させることによって、互いに間接的に接合される。
【0011】
トップシート24は、好ましくは柔軟で、感触が柔らかく、装着者の皮膚に刺激を与えない。さらに、少なくとも1つトップシート24の一部は、液体にその厚みを容易に透過できる液体透過性である。適切なトップシート24は、多孔性フォーム、網状化フォーム、開孔プラスチックフィルム、または天然繊維(例えば、木材または綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステルまたはポリプロピレン繊維)の織布または不織布ウェブ、または天然および合成繊維の組合せのような広範な材料から製造されうる。トップシートが繊維を含む場合、繊維は、スパンボンド、カード、ウェットレイ、メルトブラウン、ハイドロエンタングルされるか、またはそうでなければ当業界で知られているような加工をされていてもよい。ステープル長さのポリプロピレン繊維のウェブを備える1つの適切なトップシート24は、名称P−8として、マサチューセッツ州、ウォルポール(Walpole,Massachusetts)のインターナショナル・ペーパー・カンパニー(International Paper Company)の一部門であるベラテック社(Veratec Inc.,)によって製造される。
【0012】
適切な成形フィルムトップシートは、1975年12月30日にThompsonに発行された「先細り毛管を有する吸収性構造」と題された米国特許第3,929,135号;1982年4月13日にMullaneらに発行された「汚れ耐性トップシートを有する使い捨て吸収体」と題された米国特許第4,324,246号:1982年8月3日にTadelらに発行された「繊維様特性を示す弾性プラスチックウェブ」と題された米国特許第4,342,314号;1984年7月31日にAhrらに発行された「可視光沢面および布様触質印象を示す巨視的拡大三元プラスチックウェブ」と題された米国特許第4,463,045号;および1991年4月9日にBairdに発行された「多層ポリマーフィルム」の米国特許第5,006,394号に説明されている。他の適切なトップシート30は、それぞれ、1986年9月2日および1986年12月16日にCurroらに発行された米国特許第4,609,518号および第4,629,643号によって作成され、そしてその両方は、参照してここに組込まれる。このような成形フィルムは、「ドリウィーブ(DRI−WEAVE)」としてオハイオ州シンシナティのプロクター・アンド・ギャンブル社および、「CLIFF−T」としてインディアナ州テール・オート(Terre Haute,Indiana)から入手可能である。
【0013】
好ましくは、トップシート24は、装着者の皮膚を吸収性コア28に含まれる液体から分離するために、疎水性材料から製造されるか、または疎水性に処理される。トップシート24が疎水性材料から製造される場合、好ましくは少なくともトップシート24の上側表面は、親水性に処理されて、その結果、液体はより迅速にトップシートから移動する。これは、体の排泄物が、トップシート24を通り抜け、吸収性コア28によって吸収されるよりむしろトップシート24から流れ出る可能性を減少させる。トップシート24は、それを界面活性剤で処理することによって、または界面活性剤をトップシートに組込むことによって、親水性にさせることができる。トップシート24を界面活性剤で処理する適切な方法は、トップシート24材料を界面活性剤に浸すことを含む。このような処理および親水性のより詳細な検討は、1991年1月29日にReisingらに発行された「多層吸収層を有する吸収体」と題された米国特許第4,988,344号および1991年1月29日にReisingに発行された「急速捕捉吸収性コアを有する吸収体」と題された米国特許第4,988,345号に含まれる。界面活性剤をトップシートに組込むいくつかの適切な方法のさらに詳細な検討は、Azizらの名前で1997年7月1日に公開された米国衛生用品発明登録番号H1670号に見ることができる。これらの資料の各々は、ここに参照してここに組込まれる。あるいは、トップシート24は、疎水性の有孔ウェブまたはフィルムを含むことができる。これは、生産プロセスから疎水処理ステップをなくし、かつ/または以下に説明するように、スコッチガード(SCOTCHGUARD)などのポリテトラフルオロエチレン化合物や疎水性ローション組成などの疎水処理をトップシート24に施すことによって行うことができる。このような実施の形態では、尿などの水性流体が目立った抵抗なしに浸透するのに十分な大きさを孔が有することが好ましい。
【0014】
トップシート24の任意の部分は、当業界で知られるようなローションで被覆することができる。適切なローションの例としては、1997年3月4日にRoeに発行された刺激緩和剤およびポリオールポリエステル固定剤を含むローション付きトップシートを有する使い捨て吸収体」と題された米国特許第5,607,760号;1997年3月11日にRoeに発行された「流体ポリオールポリエステル刺激緩和剤および固定剤を含むローショントップシートを有するおむつ」と題された米国特許第5,609,587号;1997年6月3日にRoeらに発行された「ポリシロキサン刺激緩和剤を含むローション付きトップシートを有するおむつ」と題された米国特許第5,643,588号に開示されたローションが含まれる。このローションは、前述の疎水性処理として単独で機能するか、あるいは他の薬剤との組合せで機能することができる。トップシートは、抗菌剤を含むか、あるいは抗菌剤で処理することもでき、このいくつかの例が、Theresa Johnsonの名前で1995年9月14日に公開された「臭いを抑制するためにトップシートに抗菌剤を含む吸収体」と題されたPCT公開番号第WO95/24173号に開示されている。さらに、トップシート24、バックシート26、またはトップシートまたはバックシートの任意の部分は、エンボス加工および/またはマット仕上げされ、より布様の外観を供することができる。
【0015】
吸収性コア28は、一般に、圧縮でき、柔軟で、装着者の皮膚に対して刺激がなく、そして尿および他のある種の体の排泄物などの液体を吸収し、そして保持する能力のあるあらゆる吸収性材料を備えることができる。吸収性コア28は、長手方向側縁60および端縁29を有し、広範なサイズおよび形状(例えば、長方形、砂時計型、「T」型、非対称など)で製造することができ、そして一般にエアフェルトと呼ばれる、微粉砕木材パルプのような使い捨ておむつおよび他の吸収体に一般に使用される広範な液体吸収性材料を備えることができる。他の適切な吸収性材料の例としては、クレープセルロースワッディング;コフォームを含むメルトブロウンポリマー;科学的剛性、変性または架橋セルロース性繊維;ティッシューラップおよびティッシューラミネートを含むティッシュー;吸収性フォーム;吸収性スポンジ;超吸収性ポリマー;吸収性ゲル化材料;またはいずれかの他の公知の吸収性材料または材料の組合せを含む。
【0016】
吸収性コア28の形状および構造は、変化してもよい(例えば、吸収性コアまたは他の吸収構造は、変化するキャリパーゾーン、親水性勾配、超吸収勾配、または低い平均密度および低い平均坪量捕捉ゾーンを有することができるか、または1つまたはそれ以上の層または構造を備えることができる)。しかし、吸収性コア28の総吸収容量は、おむつ20の設計負荷および意図される使用に適合性があるべきである。
【0017】
吸収性組立て体として使用するための例示の吸収構造は、1986年9月9日にWeismanらに発行された「高密度」吸収構造と題された米国特許第4,610,678号;1987年6月16日にWeismanらに発行された「二重層コアを有する吸収体」と題された米国特許第4,673,402号;1989年5月30日にAlemanyらに発行された「低密度および低い坪量捕捉ゾーンを示す高密度吸収部材」と題された米国特許第4,610,678号;1989年12月19日にAngestadtに発行された「ダスチング層を有する吸収性コア」と題された米国特許第4,888,231号;1992年8月11日にHerronらに発行された「個別されたポリカルボン酸架橋木材パルプセルロース繊維を含有する吸収構造」と題された米国特許第5,137,537号;および1992年9月15日にYoungらに発行された「失禁管理用の高い効率の吸収体」と題された米国特許第5,147,345号;1994年8月30日にRoeに発行された「低粘度便材料用の使い捨て吸収体」と題された米国特許第5,342,338号;1993年12月9日にDesMaraisらに発行された「体液用の吸収フォーム材料およびそのような材料を含む吸収体」と題された米国特許第5,260,345号;1995年2月7日にDyerらに発行された「使用するまでは薄い、体液用吸収フォーム材料、およびこの材料を作製するプロセス」と題された米国特許第5,387,207号;1997年7月22日にDesMaraisらに発行された「非常に高い水・オイル比を有する高内部相エマルジョンで形成された流体用の吸収フォーム材料」と題された米国特許題5,625,222号に説明されている。これらの特許の各々は、参照してここに組込まれる。
【0018】
おむつ20は、改良されたフィットおよび包含性を供する助けになる少なくとも1つの弾性ウエスト部材34を備えていてもよい。弾性ウエスト部材34は、装着者のウエストに動的にフィットするように弾性的に延伸し、そして収縮することが一般に意図される。弾性ウエスト部材34は、好ましくは、吸収性コア28の少なくとも1つのウエスト縁29から少なくとも長手方向に外向きに延伸し、そして一般に、おむつ20の端縁52の少なくとも一部分を形成する。使い捨ておむつは、しばしば、2つの弾性ウエスト部分を有するように構成され、1つは、第一のウエスト領域46に位置決めされ、そして1つは第二のウエスト領域44に位置決めされる。さらに、弾性ウエスト部材34またはその構成要素のいずれかが、おむつ20に添付された1つまたはそれ以上の別個の要素を備えることができる一方で、弾性ウエスト部材34は、バックシート26、トップシート24、またはバックシート26とトップシート24との両方のようなおむつ20の他の要素の延長として構成することができる。
【0019】
弾性ウエスト部材34は、1985年5月7日にKievitらに発行された米国特許第4,515,595号;1987年12月1日にLashに発行された米国特許第4,710,189号;1992年9月9日にBuellに発行された米国特許第5,151,092号;および1993年6月22日にBuellに発行された米国特許第5,221,274号に説明されるものを含む多数の異なる形状で構成することができる。他の適切なウエスト形状は、1991年6月25日にRobertsonに発行された米国特許第5,026,364号および1989年3月28日にForemanに発行された米国特許第4,816,025号に説明されるもののようなウエストキャップ部材を含んでよい。上で示される資料のすべては、参照してここに組込まれる。
【0020】
おむつ20は、留め具システム36を含んでもよい。留め具システム42は、第一のウエスト領域46および第二のウエスト領域44のサイドプレート30を少なくとも部分的に重なり合った状態に維持して、装着時におむつ20の周辺に横断方向の張力を供し、おむつ20を装着者上に保持することが好ましい。留め具システム36は、ランディング部材38に係合するテープタブの形態でよい固定部材37、および/またはフックおよびループ留め要素を備えることが好ましい。ただし、一般に、あらゆる他の既知の留め手段が受け入れられる。いくつかの例示の留め具システムは、1974年11月19日にBuellに発行された「使い捨ておむつ用のテープ留め具システム」と題された米国特許第3,848,594号;1987年5月5日にHirotsuらに発行された「吸収体」と題された米国特許第B1 4,662,875号;1989年7月11日にScrippsに発行された「改良された留め具装置を有する使い捨ておむつ」と題された米国特許第4,846,815号;1990年1月16日にNestegardに発行された「改良されたフック留め具部分を有する使い捨ておむつ」と題された米国特許第4,894,060号;1990年8月7日にBattrellに発行された「感圧接着剤留め具およびその製造方法」と題された米国特許第4,946,527号;1992年9月9日にBuellに発行された、前に参照された米国特許第5,151,092号;および1993年6月22日にBuellに発行された米国特許第5,221,274号に開示される。これらの特許の各々は、参照してここに組込まれる。代替的実施の形態では、衣服の対向するサイドを縫い合わせるかあるいは融合してパンツを形成することができる。この場合、吸収体をトレーニングパンツなどのプルオン型おむつとして使用することができる。
【0021】
おむつ20は、サイドパネル30を備えてもよい。サイドパネル30は、おむつ20を装着者に、当初から快適にフィットさせ、そして弾性サイドパネル30が、おむつ20の側面を拡張させ収縮させるので、おむつ20が排泄物にかけられるずっと前に、装着の時間を通してこのフィットを維持することによって、より快適で体型にあったフィットを供するのに弾性または延伸性があってよい。
おむつ装着者が、使用中に他のものより弾性化サイドパネル30をいっそう引張った場合でさえ、おむつ20は、装着中に「自己調節」するので、サイドパネル30は、おむつ20のいっそう有効な使用を提供することもできる。
【0022】
本発明のおむつ20は、第二のウエスト領域44に配置されるサイドパネル30を有することが好ましい一方で、第一のウエスト領域46に、または第一のウエスト領域46および第二のウエスト領域44の両方に配置されるサイドパネル30を具備することができる。サイドパネル30は、あらゆる適切な形状で構成することができる。弾性化サイドパネルを有するおむつの例は、1989年8月15日にWoodらに発行された「シャーリングされた耳付きの使い捨ておむつ」と題された米国特許第4,857,067号;1983年5月3日にSciaraffaらに発行された米国特許第4,381,781号;1990年7月3日にVan Gompelらに発行された米国特許第4,938,753号に開示され、前にここに参照した1992年9月9日にBuellに発行された米国特許第5,151,092号;および1993年6月22日にBuellに発行された米国特許第5,221,274号;「保持された動的フィットを供する吸収体」と題された1997年9月23日にLaVonらに発行された米国特許第5,669,897号;Roblesらの名前で「多方向延伸性サイドパネルを有する吸収体」と題された米国特許出願番号第08/915,471号に開示され、その各々は、参照してここに組込まれる。
【0023】
おむつ20は、好ましくはさらに、液体および他の排泄物の改良された包含を供するレッグカフ32を含む。レッグカフは、レッグバンド、サイドフラッシュ、バリヤーカフまたは弾性カフにも言及される。米国特許3,860,003号には、サイドフラップおよび1つまたはそれ以上の弾性部材を有する、締付け可能レッグ開口を供して、弾性レッグカフ(ガスケットカフ)を提供する使い捨ておむつが開示されている。それぞれ、1989年2月28日および1990年3月20日にAzizらに発行された米国特許第4,808,178号および第4,909,803号には、脚部領域の包含性を改良する「立ち上り」男性化フラップ(バリヤーカフ)を有する使い捨ておむつが説明されている。1987年9月22日にLawsonに、そして1989年1月3日にDragooにそれぞれ発行された米国特許第4,695,278号および第4,795,454号には、ガスケットカフ56およびバリヤーカフ58を含む二重カフを有する使い捨ておむつが説明されている。いくつかの実施の形態では、レッグカフのすべてまたは一部を前述のようにローションで処理することが望ましい。おむつ20は、レッグカフ32だけでなく、1つまたはそれ以上の弾性ストランド65がバリヤーカフの外側に位置決めされた弾性ガスケットカフ63を含むこともできる。
【0024】
本発明の実施の形態としては、排泄物を受入れ、封じ込めるポケット、排泄物のための空隙を供するスペーサー、製品中で排泄物が移動するのを制限するバリヤー、製品中に配置される排泄物材料を受入れそして含有する仕切または空隙等、またはそのいずれかの組合せが挙げられる。吸収製品で使用するためのポケットおよびスペーサーの例は、「専用スペーサーを有するおむつ」と題された1996年5月7日にRoeらに発行された米国特許第5,514,121号;「コアスペーサーを有する使い捨て吸収体」と題された1992年12月15日にDreierらに発行された米国特許第5,171,236号;「ポケットカフを有する吸収体」と題された1995年3月14日にDreierに発行された米国特許第5,397,318号;「アペックスを備えたポケットカフを有する吸収体」と題された7月30日にDreierらに発行された米国特許第5,540,671号;および「衛生用吸収体に使用するためのスペーサーおよびそのようなスペーサーを有する使い捨て吸収体」と題された1993年12月3日に公開されたPCT出願WO93/25172号;および「使い捨て吸収体に使用するための柔軟なスペーサー」と題された1994年5月26日にFreelandに発行された米国特許第5,306,266号に説明されている。仕切または空隙の例は、1990年11月6日にKhanに発行された「使い捨て便区切おむつ」と題された米国特許第4,968,312号;1991年2月5日にFreelandに発行された「排泄物材料分離のための弾性ライナーを有する吸収体」と題された米国特許第4,990,147号;1991年11月5日にHoltらに発行された「使い捨ておむつ」と題された米国特許第5,62,840号;および1993年12月14日にFreelandらに発行された「使い捨て吸収体用の三分割トップシートおよびこのような三分割トップシートを有する使い捨て吸収体」と題された米国特許第5,269,755号に開示されている。適切な横断バリヤーの例は、Dreierらの名前で1996年9月10日に発行された「複数の有効高さ横断区分を有する吸収体」と題された米国特許第5,554,142号;Freelandらの名前で1994年7月7日に公開された「直立横断区分を有する吸収体」と題されたPCT特許第WO94/14395号;およびRoeらに1997年8月5日に発行された「角度直立横断区分を有する吸収体」と題された米国特許第5,653,703号に説明されている。上記引用の特許および刊行物のそれぞれの開示はここの参照してここに組込まれる。
【0025】
トップシートは、液体透過性であるだけでなく、延伸性であることが好ましく、弾性的に延伸性であることがより好ましい。液体がトップシートを通過して吸収性コアによって吸収されることを可能にするために、トップシートが拡張状態であるか、あるいは弛緩状態または収縮状態であるかにかかわらず、トップシートでは液体透過性の属性が常に好ましい。ゴム、ラテックス、延伸性高分子フィルムなどで作られた薄い有孔シートなど本来弾性の材料でトップシートを形成することによって、トップシートに弾性伸長可能性を付与することができる。また、トップシートは、コルゲーティング、リングローリングなどによって弾性になるように形成または処理された繊維材料の織布シートまたは不織布シートなど、本来実質的に非弾性の材料で形成することもできる(説明と、バックシート26の弾性的な延伸性に関する上記の議論で参照して組込まれた特許とを参照されたい)。上で識別されたローリング技法の内の1つでトップシートに弾性的な延伸性を付与する場合、おむつのトップシートの幅寸法に対応するおむつ20に対する横断方向にトップシートの少なくとも一部を伸長できるように、弾性的延伸性の属性を少なくとも1つのクロスマシン方向に付与することが好ましい。
【0026】
本発明によるトップシートは、張力をかけられたときにトップシートを貫通して延びる複数の比較的小さな開口を含む1つまたはそれ以上の領域を含むことが好ましい。このような開口は、通常は幼児および生まれたばかりの赤ん坊、ならびに下痢になっているその他の人に関連する特徴の軟便や液状便などの半個体がトップシートを通過できるようにする。このようなトップシートに作用している引張り力が解除されると、材料の弾性によってトップシートが最初の非張力状態に収縮し、すでに存在している小さな開口が閉じ、それによって、非液体がさらにトップシートを通過するのが妨げられる。開口が閉じると、トップシートを通過した物質は、吸収性コアとトップシートとの間に保持される。さらに、トップシートが不透明であるか、あるいは実質的に不透明である場合、便は見えず、したがって、おむつの装着は、介護者にとって気の進まない歓迎されない雑用ではなくなる。
【0027】
トップシートが横方向の引張り力を加えられたときにトップシートを貫通する開口を形成するようになっているトップシートの領域は、トップシートを貫通して延びるスリット、切込み、または穿孔の形の複数の不連続部を設けることによって貫通することが好ましい。これらの不連続部は、スリット、切込み、または穿孔の離散局部領域の所定のパターンをトップシートに画定するように配置される。これらの不連続部により、不連続部を囲むトップシートの縁が互いに分離し、それによって所望の複数の小さな開口を形成することができる。このような不連続部は、当業者に知られている種類の様々な切断装置によって作ることのできる、直線状の切込み、曲線状の切込み、またはそれらの組合せの形であることが好ましい。
【0028】
次に、図2を参照すると、本発明によるトップシート202を有する使い捨ておむつ200の体側表面が示されている。おむつ200の構造は、他のすべての点で、図1に示し上でおむつ20に関して説明した構造と同じである。図2に示すように、トップシート202は、それを貫通して延びる複数の直線状切込みまたはスリット206によって画定された、間隔を置いて配置された離散不連続部のパターン204を含む。スリット206は、おむつ200の長手方向、すなわち、長手方向中心線100の方向に延びるような向きにすることが好ましく、やはりおむつ200の長手方向に延びる横方向に間隔を置いて配置された複数の列208を画定するように位置合わせすることが好ましい。図2に示されているように、スリット206は、実質的に等しい長さを有するが、必要に応じて異なる長さであってよい。また、図2に示すように、与えられた列208のスリット206は長手方向に等間隔に配置され、互いに隣接する列208は、互いに横断間隔209だけ離れており、ある列208のスリット206の端が隣接する列208のスリットの端から長手方向にずれるように位置決めされる。したがって、ある列208の位置合わせされたスリット206同士の間に介在する切り込まれていない間隔に対して、隣接する列208のスリット206が横方向に対向している。図2に示すように、スリット206が実質的に閉じた状態では、スリットの縁同士が実質的に互いに接触し、トップシート202が、裸眼で、切込みやスリットのない連続的なトップシートに見えるが、依然として液体透過性であるという点で、トップシート202は弛緩非張力状態である。
【0029】
横方向の引張り力がトップシート202に加えられると、トップシート202の延伸性によってトップシートが横方向に伸長する。この状態では、互いに隣接するスリット206の間の切り込まれていない領域210が、横方向の引張り力を受け、図3に示すように、領域210が横方向に伸長し、スリット206の縁が互いに分離し、個々の開口212を形成する。各スリット206の互いに対する配設、サイズ、および間隔のために、開口212は、図4に示すようにダイヤモンド形である。このような横方向に加えられる引張り力が付与されるのは、おむつ200の背部ウエスト領域44内の耳部30がそれぞれ横方向外側に互いに逆方向に引かれ、おむつの背部ウエスト領域を着用者の腰部およびウエストの周辺に引っ張れるようになり、それによって、背部ウエスト領域44の耳部30が少なくとも部分的に前部ウエスト領域46の耳部30と重なり合ったときである。図4に示す状態では、張力をかけられているトップシート202の複数の開口212は、図5に示すように、半固体状の便207が装着者205からトップシート202の開口212を通過して吸収性コア28に到達できるようにするのに十分な大きさである。便207がトップシート202を通過する際、図6に示すように、この材料の液体成分は吸収性コア28に吸収され、それに対して、この材料の固体成分は吸収性コア28とトップシート202との間に残る。
【0030】
おむつ202がその後、装着者の体から取り外される際、前に装着者のウエストの周辺におむつをぴったりと保持する働きをしていた引張り力が解除され、それによって、トップシートは最初の非張力状態に戻る。トップシート202に作用していた引張り力が解除され、トップシートが最初の非張力状態に収縮すると、図7に示すように、トップシート202が張力状態のときに存在していた複数の小さな開口212が閉じ、便材料の、トップシートを通過した部分が見なくなるように働く。
【0031】
図2に示すように、トップシート202のスリット206が直線形であるとき、スリットは、約1.0mmないし約100mm、好ましくは約2.0mmないし約50.0mm、最も好ましくは約3.0mmないし約10.0mmの長さを有すことができる。互いに隣接するスリット206の間の長手方向空間210は、約10.0mmまでであり、好ましくは約5.0mmまでであり、最も好ましくは約2.0mmまでである。互いに位置合わせされたスリット206の互いに隣接する列208の間の横断間隔209は、約10.0mmまでであり、好ましくは約5.0mmまでであり、最も好ましくは約2.0mmまでである。互いに隣接する列208内のスリット206の端の長手方向のずれ211は、約0mmないし約100mmであり、好ましくは約2.0mmないし約50mmであり、最も好ましくは約3.0mmないし約10.0mmである。
【0032】
スリットパターン204は、図2では、互いに位置合わせされたスリット206の一連の平行な列208として示されているが、必要に応じて、与えられた列のスリットが互いに厳密には位置合わせされず、互いに横方向にずれるようなパターンでもよい。しかし、スリット206は、トップシート202に引張り力をかけたときに、面積が約1.0mm2ないし2500mm2であり、切込みパターン204全体にわたって実質的に一様に分散された、実質的に等しい面積を有する複数の開口が得られることが好ましい。例えば、開口212の面積は、トップシート202の、おむつ200の長手方向中心線100に位置する部分および中心線100に隣接する部分を他の部分よりも大きくすることができる。また、トップシート202の、長手方向中心線100と横断中心線110の交差点に位置する部分およびこの交差点に隣接する部分により大きな開口212を設けることができる。
【0033】
スリット206は、図2では直線形を有するように示されているが、曲線状でも、あるいは他の任意の適切な形状でもよい。必要に応じて、直線形と曲線形の組合せでもよい。このような曲線状スリット214の1つの形態が図8に示されている。図8に示すスリット形および行列スリットパターンを有するトップシート215が横方向に伸長すると、図9に示すように、スリット214が開き、それぞれの実質的に三日月形の開口216が画定される。
【0034】
図2に示すスリットパターン204に示されている長手方向に位置合わせされたスリットだけでなく、図10に示すようにスリットパターンを位置合わせすることもできる。図10に示すように、トップシート220の個々のスリットは、斜めに配設されたスリット224のパターン222に配設することができる。スリット224はそれぞれ、直線状の切込みによって画定されており、図10のスリットパターンは、それぞれ複数のスリット224によって画定された、横方向に間隔を置いて配置された一連の長手方向列を画定しているが、各スリット224は、おむつの長手方向軸に平行な線226に対して鋭角θだけ傾斜している。傾斜角θは、約45度未満であることが好ましく、約30度未満であることがより好ましい。さらに、スリット224をそれぞれ、図10に示すように同じ傾斜角に配設することも、あるいは、トップシートのそれぞれの異なる領域でそれぞれの異なる面積を有するトップシート開口を形成するようにスリットの傾斜角をスリットパターン222内で異ならせることもできる。また、スリットパターンは、必要に応じて直線状スリットと曲線状スリットの両方を含むことができる。
【0035】
図2に示すスリットパターン204は、必要に応じて、トップシート202の全面にわたって延びる全体的なパターンでよい。しかし、また、図2に示すように、背部ウエスト領域44や股領域など、トップシート202の限られた領域にのみスリットパターン204を設けることができる。スリットパターン204は、トップシート202が張力を受けたときに、装着者の体に対するおむつの位置および装着者の体のサイズにはかかわらず、結果として得られるトップシートの開口の少なくともいくつかが、おむつの装着時に装着者の肛門に向かい合って位置決めされるのに十分な大きさの領域にわたって延びることが好ましい。したがって、スリットパターン204は股領域48の少なくとも一部にわたって延びることが好ましい。もちろん、このスリットパターン範囲変形例は、それぞれ図10に示す曲線状スリット214および斜めに配設されたスリット224にも適切である。
【0036】
バックシート26は延伸性であり、好ましくは約10%ないし約500%、より好ましくは約50%ないし約300%の延伸性を有し、それにより、装着者の体におむつ200を付ける際にバックシートおよびトップシートがそれぞれ、同時に横方向に伸長することが好ましい。バックシートとトップシートがこのように手動で伸長するので、おむつが装着者の体にぴったりとフィットし、トップシートが、それに形成されたスリットを開くのに十分な量だけ伸長し、おむつが過度にかさばることも、あるいはだぶだぶになることもなく、したがって、装着者の下部胴体の周辺に位置決めされる装着者の衣服に望ましくない突起が生じることはなくなる。バックシート26の延伸性は、少なくとも背部ウエスト領域44およびおむつの股領域48の少なくとも一部に付与することが好ましい。
【0037】
バックシート26は、弾性的延伸性の属性を有する代わりに、必要に応じて実質的に非弾性であってもよい。この場合、図11に示すように、バックシート26がトップシート202より大きな幅を有することが好ましく、その場合、より幅が狭くスリットを含む弾性的延伸性トップシート202によって、トップシートと吸収性コア28との間に実質的に三日月形の隙間が生じる。このような構造を有するおむつを装着者の体に付けると、トップシート202が張力を受け、それにより、トップシートに設けられたスリット206が開き、本発明の利益を実現することができる。
【0038】
本発明の特定の実施の形態を図示し説明したが、当業者には、本発明の趣旨から逸脱せずに他の様々な変更および修正を加えられることが明らかであろう。したがって、添付の請求の範囲において、本発明の範囲内のすべてのそのような変更および修正をカバーすることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 下部構造を見せるように切り取られた構造の部分を有する、使い捨ておむつの形態の、本発明による吸収体の平面図である。
【図2】 装着者の体に当てられる前の非張力状態の、本発明による吸収体を示す、図1の図と同様な図である。
【図3】 図2の線3−3に沿ってとった図2の吸収体の分解断面図である。
【図4】 吸収体の、横方向の張力を受けている部分を示す、図2の図と同様な図である。
【図5】 図4の線5−5に沿ってとった図4の吸収体の分解断面図である。
【図6】 吸収体のトップシートの開口部を通過した便材料を示す図5の図と同様な図である。
【図7】 図6の図と同様であるが、トップシートの開口部が閉じた後の吸収体を示す図である。
【図8】 トップシートの、曲線スリットを含む部分の分解平面図である。
【図9】 図8の図と同様であるが、張力をかけられたときの図8のトップシートを示す図である。
【図10】 トップシートの、斜めに配設された複数の曲線スリットを含む部分の分解平面図である。
【図11】 取り付けられた弾性トップシートの幅よりも大きな幅を有する実質的に非弾性のバックシートを有する他の形態の吸収体の断面図である。
Claims (10)
- 吸収体であって、
体の排泄物を受けて保持するために装着者の下部胴体に隣接して装着されるものであり、かつ、長手方向中心線、横断方向の中心線、前部ウエスト領域、背部ウエスト領域、および股領域を有してなり、
a.外側衣服側表面および内側体側表面を有する液体不透過性バックシートと、
b.それ自体を装着者の体に隣接して配置できるようにした形状を有してなり、かつ、液体を吸収する容量を有する吸収性コアと、及び
c.吸収性コアの上に位置してなる、可撓性、液体浸透性、弾性的で延伸性のあるトップシートとを備えてなり、
前記トップシートが、弾性的延伸性の材料から形成されてなり、かつ、前記弾性的延伸性の材料を貫通してなるスリットのパターンを包含してなるものであり、
前記スリットのパターンが、少なくとも股領域の一部において、長手方向中心線の方向に延びてなるものであり、
前記トップシートが横方向の張力を受けた際に、前記スリットが前記トップシートを貫通して延びる間隔を置いて配置された複数の開口部を画定するにように開いてなり、体からの固体状および半固体状の排泄物がトップシートを通過して吸収性コアに到達可能とされてなり、及び
前記トップシートが非張力状態の際に、前記弾性的延伸性の材料の弾性収縮により、前記スリットが実質的に閉じてなるものである、吸収体。 - 前記弾性的延伸性の材料が、弾性的延伸性の重合体フィルム製のアパーチャーを設けたシートである、請求項1に記載の吸収体。
- 前記トップシートが、10%〜500%の弾性的延伸性を有するものである、請求項1又は2に記載の吸収体。
- 前記スリットが、1.0mm〜100mmの長さを有する、請求項1〜3の何れか一項に記載の吸収体。
- 前記スリットが、長手方向軸に対して45度傾斜してなる、請求項1〜4の何れか一項に記載の吸収体。
- 前記スリットが、直線状および/または曲線状である、請求項1〜5の何れか一項に記載の吸収体。
- 前記バックシートが、弾性的延伸性を有するものである、請求項1〜6の何れか一項に記載の吸収体。
- 前記スリットが、間隔を置いて配置され複数の列に配設されてなる、請求項1〜7の何れか一項に記載の吸収体。
- 互いに隣接する前記スリットの端が、最大で10.0mmの距離だけ互いに間隔を置いて配置されてなる、請求項8に記載の吸収体。
- 前記トップシートが、前記吸収体の中央長手方向領域で前記バックシートから間隔を置いて配置されてなり、前記固体状および半固体状の排泄物を受ける空洞を前記トップシートと前記吸収性コアとの間に画定してなる、請求項1〜9の何れか一項に記載の吸収体。
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