JP4498549B2 - デジタル表示式電子時計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はドットマトリクスで時刻を表示する電子時計に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から時刻を液晶などのデジタル表示体で数字で表示するいわゆるデジタル時計が製品化されている。このデジタル時計は通常7つのセグメントを有する表示素子を複数設け、数字を表示している。一方数十個程度のドットから構成されるドットマトリクスを用いて時刻を表示するデジタル時計も存在する。このドットマトリクスを使用すると、数字ばかりでなくアルファベットや漢字なども表示でき、電子時計に時刻表示以外の機能を付加することが可能となる。
【0003】
上記技術は特許としても開示されており、例えば特開昭60−205578号公報にはスケジュールデータ等を表示可能な電子機器が開示されている。またこれらのデータを小さな表示部に表示するためスクロール表示することも上記公報には開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術では時刻以外のデータを表示するためにドットマトリクスを使用しているに過ぎず、またスクロール表示も多量のデータを表示するための物にすぎず、時刻の表示には応用していないのが現状であった。本発明はこの課題を解決し、時刻の表示においてもスクロール表示技術を利用し、変化に富んだ面白味のある時刻表示が可能な電子時計を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、
時刻データを作成する時刻データ作成手段と、
当該時刻データに基づき時刻を表示するデジタル表示部と、
当該デジタル表示部に駆動信号を出力する表示信号作成手段と、
数字の変化を複数のパターンデータとして保持するスクロールパターンデータ記憶回路を有し、
前記表示信号作成手段は前記スクロールパターン記憶回路のパターンデータを読み出すことで
前記デジタル表示部に駆動信号を出力するデジタル表示式電子時計であって、
時刻表示機能以外のデータを作成する付加機能データ作成手段と、
当該付加機能データ作成手段の動作を制御するモード情報作成手段と、
当該モード情報作成手段の出力に基づき前記表示信号作成手段に対して
前記スクロールパターンデータ読み出し順序を制御するスクロール制御手段を有し、
当該スクロール制御手段は、前記モード情報作成手段の出力に基づき
前記表示信号作成手段にスクロール表示を指示するスクロール信号か、
前記表示信号作成手段にスクロールを行わないステップ表示を指示するステップ信号を、前記表示信号作成手段に出力するデジタル表示式電子時計において、さらに、
発電手段と、当該発電手段の発生電力を蓄電する蓄電手段と、
これらの少なくともどちらか一方の電力状態を検出する電力検出手段を有し、
当該電力検出手段の出力に基づき前記スクロール制御手段は出力信号を変化させる
事を特徴とする。
【0006】
また、前記スクロール制御手段は、前記モード情報作成手段からの時刻修正モード信号に基づき、
前記ステップ信号を前記表示信号作成手段に出力することを特徴とする。
【0007】
また前記付加機能データ作成手段はタイマーデータ作成手段であり、前記スクロール制御手段は前記タイマーデータ作成手段が動作中には前記表示信号作成手段に対してスクロールパターンデータを通常時刻表示状態とは逆の順序で読み出すよう指示する事を特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づき本発明の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態における指針式電子時計の回路ブロック図である。
図1において1は基準信号を発生する発振回路、2は基準信号に基づき複数の周波数信号を作成する分周回路、3は分周回路2の出力する複数の周波数信号を利用して時刻信号JSを作成する時刻データ作成手段、4は後述するスイッチ手段9に基づき所定の時間をセットされ、タイマー信号TSを出力するタイマーデータ作成手段、5は時刻データ作成手段3からの時刻信号JS又はタイマデータ作成手段4からのタイマー信号TSを選択的に出力する選択回路、6は選択回路5から出力される信号を表示部駆動信号に変換する表示信号作成手段、6aはスクロールパターンデータを保持するスクロールパターンデータ記憶回路、7は複数のドットマトリクスで構成されるデジタル表示部である。
【0010】
8は電子時計のモードを決定するモード情報作成手段であり、モード設定スイッチ8a、修正モードスイッチ8bとを有する。9はスイッチ信号作成手段であり、モードによって操作対象の異なる操作スイッチ9a、9b、9cを有する。10はモード情報作成手段8からのモード信号及び後述する発電検出手段13からの信号に基づきスクロール信号を出力するスクロール制御回路である。このスクロール制御回路10は入力される信号の有無に基づき正方向スクロール信号SSR、逆方向スクロール信号RSR、ステップ信号STSの3種類を出力するが、これら正方向、逆方向の定義については後述する。
【0011】
11はソーラセル等で構成される発電手段、12は発電手段11からの発電電力を蓄電する蓄電手段で、例えばチタンリチウム2次電池で構成される。13は発電手段11の発電電力が所定値以下の時に検出信号を出力する発電検出手段である。
【0012】
ここでスクロールパターンデータ記憶回路6aが記憶しているスクロールパターンデータについて説明する。
図2、図3はスクロール動作の具体的なパターンを示しており、図2(a)から(e)はそれぞれ0〜1、1〜2…4〜5の、図3(a)から(e)は5〜6、6〜7…9〜0のスクロール表示変化の各パターンを示している。表示信号作成手段6は、数字が増加させる場合は上から下へ、減少する場合は下から上へ順にパターンデータを読み出す事により、デジタル表示部7にてスクロール表示を実行することが可能となる。本実施形態では数字が増加する下方向へのスクロールを正スクロール、数字が減少する上方向へのスクロールを逆スクロールと定義する。
【0013】
続いて本発明の一実施形態の動作を説明する。図4はデジタル表示部7の詳細図であり、それぞれ2つのドットマトリクスユニットを有する秒デジタル表示部71、分表示部72、時表示部73から構成される。各ドットマトリクスユニットは9×3のドットより構成されており、それぞれ一の桁である71a、72a、73a及び十の桁である71b、72b、73bで構成される。
【0014】
まず通常の時刻表示状態について時刻が12時34分56秒から12時34分57秒に変化する過程を例にとり説明する。
使用者がモードスイッチ8aを操作して時計のモードを時刻表示モードに設定すると、モード情報作成手段8は時刻モード信号JMを出力する。よって選択回路5は時刻データ作成回路3から出力される時刻信号JSを出力する。この時点での時刻信号JSは“12:34:56”が出力されている。よってデジタル表示部7は図4に示すように、“12時34分56秒”を表示している。1秒後、時刻信号JSが“12:34:57”に代わると、表示信号作成手段6はスクロールパターンデータ6aから図3(b)に示すパターンデータを上から順に読み出し、秒1桁の表示をスクロール表示させる。一つのパターンは約0.05秒表示されるため約0.4秒後に時刻表示は“12時34分57秒”となる。このスクロールの方向はスクロール制御回路10によって決定される。通常時刻モードでは、スクロール制御回路10は時刻モード信号JMに基づき正スクロール信号SSRを出力している。
ところで、上述のように時刻データ作成手段3からの時刻信号JSが切り換わってからスクロール表示を始めると、切り換わりが完了するまでには約0.4秒の遅れが出てしまう。その問題を解決するため本実施形態における時刻データ作成手段3は、スクロール制御手段10からの正スクロール信号SSRを入力している時は、時刻の切り換わり時点より約0.4秒前に時刻信号JSを出力するように構成されている。よってスクロール表示が完了した時点と時刻の切り換わり時点を一致させることができる。
【0015】
以上のようにして毎秒毎に時刻表示がスクロールされて時が刻まれる。分桁や時桁の切り換わり時も同様にしてスクロール表示で切り換えられる。
【0016】
続いて本実施形態の時刻修正動作を説明する。
使用者が修正スイッチ8bを操作し修正モードに切り替えるとモード信号作成手段10は時刻修正モード信号JAを出力する。よってスイッチ信号作成手段9はスイッチ9a〜9cの操作に基づく信号を時刻データ作成手段3に送る。よって時刻データは修正される。まずスイッチ9aを操作することにより修正桁を選択し、スイッチ9bで増加方向に、スイッチ9cで減少方向に各桁を修正する。この時スクロール制御回路10は時刻修正モード信号JAを入力しているため表示信号作成手段6に対してステップ信号STSを出力している。よって表示信号作成手段6は、スクロールパターンデータを利用せずそのままデジタル表示部7に出力する。よって時刻修正時の表示変化はスイッチ操作に伴い即数字が変化する。この表示変化をステップ表示と定義する。分桁も同様に修正されるが、秒桁の場合は選択後スイッチ9bもしくは9cの操作に伴い“00”へ修正される。
【0017】
ここで修正動作時はステップ表示切り換えとした理由を説明する。
修正動作はその性質上高速で表示が切り換えられることが望ましい。しかしこの修正動作時においてもスクロール表示とすると、表示が素早く切り換えられず使用者に煩わしさを与えると同時に混乱を招く恐れも生ずる。またスクロール表示では各パターンの読み出し等で表示信号作成手段6に大きな負荷がかかるため、その上高速での修正処理を追加させることは設計上好ましくない。
以上の理由により修正動作ではステップ表示で切り換えを行うようにしている。
【0018】
続いてタイマーモードについて説明する。
時刻モード又は時刻修正モード時にモードスイッチ8aを操作するとモード情報作成手段10はタイマーモード信号TMを出力し、タイマーモードに切り換わる。よって選択回路5はタイマーデータ作成手段4のタイマー信号TSを選択出力する。ここで修正スイッチ8bを操作するとタイマーセットモードとなりモード情報作成手段8はタイマーセットモード信号TAを出力する。よってスイッチ信号作成手段9はスイッチ9a〜9cの操作に基づく信号をタイムデータ作成手段4に送る。よってタイマーデータTSは修正される。まずスイッチ9aを操作することにより修正桁を選択し、スイッチ9bで増加方向に、スイッチ9cで減少方向に各桁を修正する。タイマーデータのセットが終了し、修正スイッチ8bを再度操作すると、タイマーモードに戻る。ここでスイッチ9aを操作するとタイマーデータ作成手段4は分周回路2からの信号QDによりダウンカウントを始める(タイマーデータ作成手段4が信号QDを受け付けるのはモード情報作成手段8がタイマーモード信号TMを出力している時のみである)。この時スクロール制御回路11はタイマーモード信号TMを受けているため逆スクロール信号RSRを出力する。よって表示信号作成手段6はスクロールパターンデータ6aからのパターン信号を通常時刻とは逆方向で(図2、図3に示す各パターンの下から順に)読み出し、デジタル表示部7に出力する。よって通常時刻とは逆方向で下から上へとスクロール表示され減少していく。
なおタイマー表示の場合も通常時刻表示の場合と同様に、タイマーの切り換わり時点と表示の切り換わり時点が一致するように、スクロール制御手段10から逆スクロール信号RSRが出力されている時は、タイマーの切り換わり時点より約0.4秒前にタイマー信号TSを出力するよう構成されている。
【0019】
以上のように本実施形態では通常時刻の時刻変化をスクロール表示で行うので、変化に富んだ時刻表示を行なうことが出来る。またタイマーのように時間が減算されていく場合は、通常時刻のカウントとは逆方向にスクロールされるので数字の増減方向を一目で判断することが可能となる。
なお本実施形態ではタイマーのみを説明したが本発明はこれに限られるものではなく、クロノグラフ等にも応用できる。
【0020】
続いて本発明の実施形態の電源について説明する。発電手段12で発電された電力は蓄電手段13に蓄えられ、上述した回路の電源となっている。ここで発電手段12の発電電力が所定値を下回ると、発電検出手段14は検出信号KSを出力する。スクロール制御回路11はこの検出信号KSを受けるとステップ信号STSのみを出力する。よって通常時刻モードでもタイマーモードでも表示の切り換えはステップ表示で切り換わる。これは先に説明したように、スクロール表示では0.05秒毎にデータを送らなければならず、表示信号作成手段6の負荷が大きくなり消費電力が増えるためである。つまり発電電力が所定値より低い場合は出来るだけ消費電力を削減するためにステップ表示のみを行なうようになっている。
なお本実施形態では発電状態の検出に基づきスクロール表示の有無を決定する例で説明したが、本発明はこれに限られるものではなく蓄電手段12の電力を検出するもの、あるいはそれら両方を検出するものも含まれる。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明では、時刻がスクロール表示で切り換えられるため今までにない変化に富んだ電子時計を提供できる。
またタイマー等時間が減算される場合はカウントアップとは逆の方向でスクロールされるため一目で減算かどうかが判断できる。
また電源を発電手段付とした場合は、非発電時にスクロール表示をやめるようにしたため、消費電力の削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すデジタル表示式電子時計の回路ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態におけるスクロールパターンデータの詳細図である。
【図3】本発明の実施形態におけるスクロールパターンデータの詳細図である。
【図4】本発明の実施形態におけるデジタル表示部の詳細図である。
【符号の説明】
1 発振回路
2 分周回路
3 時刻データ作成手段
4 タイマーデータ作成手段
5 選択回路
6 表示信号作成手段
7 表示部
8 モード情報作成手段
9 スイッチ信号作成手段
10 スクロール信号制御手段
11 発電手段
12 蓄電手段
13 発電検出手段
Claims (3)
- 時刻データを作成する時刻データ作成手段と、
当該時刻データに基づき時刻を表示するデジタル表示部と、
当該デジタル表示部に駆動信号を出力する表示信号作成手段と、
数字の変化を複数のパターンデータとして保持するスクロールパターンデータ記憶回路を有し、
前記表示信号作成手段は前記スクロールパターン記憶回路のパターンデータを読み出すことで
前記デジタル表示部に駆動信号を出力するデジタル表示式電子時計であって、
時刻表示機能以外のデータを作成する付加機能データ作成手段と、
当該付加機能データ作成手段の動作を制御するモード情報作成手段と、
当該モード情報作成手段の出力に基づき前記表示信号作成手段に対して
前記スクロールパターンデータ読み出し順序を制御するスクロール制御手段を有し、
当該スクロール制御手段は、前記モード情報作成手段の出力に基づき
前記表示信号作成手段にスクロール表示を指示するスクロール信号か、
前記表示信号作成手段にスクロールを行わないステップ表示を指示するステップ信号を、前記表示信号作成手段に出力するデジタル表示式電子時計において、さらに、
発電手段と、当該発電手段の発生電力を蓄電する蓄電手段と、
これらの少なくともどちらか一方の電力状態を検出する電力検出手段を有し、
当該電力検出手段の出力に基づき前記スクロール制御手段は出力信号を変化させる
ことを特徴とする電子時計。 - 前記スクロール制御手段は、前記モード情報作成手段からの時刻修正モード信号に基づき、
前記ステップ信号を前記表示信号作成手段に出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のデジタル表示式電子時計。 - 前記スクロール信号として、
通常時刻表示状態のスクロール方向を指示する正方向スクロール信号と、
通常時刻表示状態とは逆方向のスクロール方向を指示する逆方向スクロール信号と、を有し、
前記付加機能データ作成手段はタイマーデータ作成手段であり、
前記スクロール制御手段は前記タイマーデータ作成手段が動作中には、
前記逆方向スクロール信号を出力する
事を特徴とする請求項1ないし2のいずれか1つに記載のデジタル表示式電子時計。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS62157091A (ja) * | 1985-12-28 | 1987-07-13 | オムロン株式会社 | ドツトマトリクス型表示装置 |
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