JP4497951B2 - 医用画像診断装置 - Google Patents
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Description
例えば心臓のようにボリュームのある臓器を、磁気共鳴イメージング装置でリアルタイムに各断層面において撮像する場合を考える。磁気共鳴イメージング装置では各画像を、得られたNMR信号の最大強度と最低強度の幅に応じて最適なコントラストに規格化して、画像化する。この場合、位置の隣合う画像間、あるいは同一の断層像位置でもタイミングの異なる画像間で、NMR信号の最高強度と最低強度の幅に変化が生じれば、異なるコントラスト(表示条件)で画像化されることになる。この微妙に変化する表示条件により表示された画像をもとに、複数の画像の臓器領域抽出を自動的に行うと、位置の隣合う画像間、あるいはタイミングの異なる画像間で、正確に臓器領域抽出ができる場合もあれば、できない場合も生じる問題がある。
(表示モード1)同一時相全スライス画像表示モード
(表示モード2)同一スライス全時相画像表示モード
操作者は必要に応じてマウス26やキーボード27などの入力装置を操作して表示モード切替ボタン55を押し、これらの表示モードを切り替えることが可能である。
(ステップ40)
操作者はマウス26やキーボード27などの入力装置を操作してGUI上の画像入力ボタン56を押し、医用画像取得装置21により撮影された医用診断画像を、LAN22を介して主メモリ24に入力したり、磁気ディスク23に記憶されている医用断層画像を主メモリ24に入力したりする。
CPU20は画像が入力されると例えば特許文献1に記載されている領域抽出法等を用いて、心筋領域の抽出を行う。
(ステップ42)
CPU20は前記臓器領域を抽出したすべての断層画像について抽出精度を測定する。抽出精度の測定について図6を用いて説明する。図6は全画像をスライス方向および時相方向に順番に並べた図である。抽出精度の測定対象となる画像を60とする。
SA/S80≧T (1)
SA/S77≧T (2)
CPU20は前記抽出精度測定処理において抽出精度が低いと判断されフラグが立てられた画像のうち1枚を、注目画像表示領域51に表示する。同時にCPU20は一覧画像表示領域53に注目画像領域に表示した画像を含む前記表示モード1または前記表示モード2の画像を表示する。同時にCPU20は一覧画像表示領域53中の、注目画像表示領域51に表示されている画像を特定の色のついた枠57で囲む。ここで操作者がマウス26やキーボード27などの入力装置を用いてスクロールバー50を操作することにより、前記抽出精度測定により抽出精度が低いと判断された画像のみが、注目画像表示領域51に順番に表示される。
操作者はマウス26やキーボード27などの入力装置を用いてスクロールバー50を操作し、補間処理や形状修正処理を行う画像を表示させる。
(ステップ45)
操作者はマウス26などの入力装置を用いてラジオグループ5Eを操作し、修正処理の方法を選択する。修正処理は補間処理,移動処理,サイズ変更処理,局所形状修正処理の4種類からなる。
補間処理について図を用いて説明する。CPU20は注目画像と同一時相の全スライス画像および、注目画像と同一スライスの全時相の画像について、前期抽出精度測定処理によりフラグの立たなかった画像(抽出精度の高い画像)を取得する。これらの画像を用いて以下に説明する「スライス方向の補間処理」および「時相方向の補間処理」を行う。
図9に示すように画像91の心筋領域を補間により求める場合を考える。画像92〜95は前記抽出精度測定において抽出精度が高いと判断された画像である。これらの画像を用いて補間処理を行う。抽出精度の高い画像が3枚以上ある場合にはスプライン補間や3次曲線補間などの曲線近似による補間を行う。心筋外輪郭曲線と心筋内輪郭曲線をそれぞれ補間処理により求め、それらの曲線間を求める画像91の正しい心筋領域とする。心筋外輪郭曲線の求め方を以下に説明する。図10のように画像92〜95において心筋外輪郭曲線に囲まれる領域101〜104の重心105〜108を求める。図11に示すように断層画像内に横方向をx軸、縦方向をy軸をとり、断層画像の積層方向にz軸をとる。このとき画像92〜95の各画像間の距離比は実空間上での距離比と等価にする。重心105〜108の平均座標を通りz軸に平行な直線を111とする。直線111を含む面を112とする。平面112と心筋外輪郭が交わる点を113〜116とする。図12に示すように面112上の各点113〜116を用いて補間曲線121を求める。ここで補間曲線は2次や3次、あるいはより高次のスプライン関数を用いて求めても良いし、3次関数により求めても良い。あるいはベジェ曲線やその他あらゆる補間関数を用いて求めてもよい。
抽出精度の高い画像が1枚しかない場合には仮に、その画像と同一の領域を心筋領域としておき、以下で説明する心筋領域サイズ修正処理や心筋領域局所形状修正処理により正しい心筋領域を求めてもよい。
時相方向の補間処理について図を用いて説明する。ステップ44において選択した注目画像と同一スライス内で異なる時相で取得した抽出精度の高い画像が3時相以上ある場合には、曲線補間により注目相の心筋領域を求める。具体的に図14,図15を用いて説明する。時相方向に1からNまでのN時相の画像が存在する場合を例にとり説明する。以下各時相を時相m(m=1,2,・・・N)と呼ぶことにする。各断層画像内にx,y軸をとり、時相方向にz軸をとった仮想3次元空間を考える。心筋領域抽出精度の高い各時相の画像142〜145をz軸方向に積層する。ここで141は心筋領域を補間により求めたい断層画像である。例として142〜145をそれぞれ時相1,時相2, 時相4,時相5とする(ここで補間により心筋領域を求めたい時相は時相3である)。各時相における断層像間の距離(z方向の距離)は各時相間の時間間隔を用いて決定する。例えば時相1と時相2の間の時間間隔をz方向の距離1として、以下、各時相間の距離を決定する。隣り合う時相間の時間間隔が正確に求まっている場合にはそれらの時間間隔をz方向の距離値に換算する。隣り合う時相間の時間間隔が正確に求まっていない場合には隣り合う時相間の距離をすべて1としてもよい。
重心を通りz軸に平行な直線を14Aとする。直線14Aを含む平面を14Bとする。平面14Bと心筋外輪郭曲線が交わる点を点14C〜14Fとする。図15に示すように面14B上の各点14C〜14Fを用いて補間曲線151を求める。ここで補間曲線は2次や3次、あるいはより高次のスプライン関数を用いて求めても良いし、3次関数により求めても良い。あるいはその他あらゆる補間関数を用いて求めてもよい。画像143と画像144の間の任意の位置に面141を挿入し、面141と補間曲線151の交点を152とする。この点が補間により求められた心筋外輪郭上の1点となる。直線14Aを軸として面14Bを角度θ(例えば1°)ごとに回転させて同様の処理を行い、スライス141における心筋外輪郭上の各点を求める。図18は補間処理を行って新しい心筋外輪郭を求めた結果、時相方向において、補間曲線が心筋抽出領域に接している様子を示している。心筋内輪郭についても同様の補間処理により求める。心筋外輪郭曲線と心筋内輪郭曲線に囲まれる領域を心筋領域とする。
いは時相方向に見たとき、抽出精度の高い画像の多い方の補間法を自動で選択するようにしても良い。あるいは両方行い、前記抽出精度測定処理のときに求めた周辺スライスおよび周辺時相との相関が大きい方を選んでもよい。あるいは、操作者が入力装置を用いてどちらを選べるかを選択できるようにしてもよい。
操作者はラジオグループ5Eの位置移動モード選択下でマウス26を操作し、抽出した心筋領域の位置を移動することが可能である。抽出した心筋領域の大きさや形状についてはほぼ正しいが位置がある方向にずれている時などは、注目画像表示領域上でマウスのドラッグ操作を行うことで例えば、心筋抽出領域が図16に示すように領域160から領域161へ移動する。
(ステップ48)
抽出した心筋領域の大きさが実際の心筋領域に比べて大きすぎ、小さすぎの場合には、操作者がラジオグループ5Eのサイズ変更モード選択下でマウス26の左ボタン、右ボタンを押しつづけることで心筋抽出領域の拡大、縮小が可能である。具体的には、図17に示すようにもともと抽出されている形状を保ったまま、マウス26の左ボタンを押しつづけることで領域を縮小し、マウス26の右ボタンを押しつづけることで拡大するようにする。
操作者はラジオグループ5Eの局所形状変更モード選択下でマウス26を操作することにより注目画像の心筋抽出領域について、領域の形状を歪ませたり、領域を局所的に削除したり、あるいは領域を局所的に付加したりすることが可能である。具体的には以下のように行う。図19を用いて領域の形状を歪ませる処理について説明する。操作者はマウス26を操作して心筋抽出領域辺縁上の任意の点191をクリックする。その後マウスを例えば矢印192の方向へ点193までドラッグする。点191はマウスがドラッグされた先へと移動する。それにつれて点191の周辺の点も移動する。周辺の点の移動距離は、点191との距離が移動前に小さい点ほど移動量を大きくし、点191との距離が移動前に大きいほど移動量を小さくする。
D13/D14≧DTの場合、
X=X0+(AX/D14)×(D13/D14)n (3)
Y=Y0+(AY/D14)×(D13/D14)n (n>1) (4)
D13/D14<DTの場合、
X=X0 (5)
Y=Y0 (6)
ここでDTはあらかじめ経験的に設定される閾値である。この変換式により点194は点196へと移動する。心筋輪郭上の他の点についても同様の変換式により移動を行う。移動後の輪郭曲線は、場所により隣り合う点の間隔が小さいところもあれば大きいところもある。3次関数やスプライン関数などを用いた曲線補間を行って心筋輪郭曲線を求める。この処理は心筋外輪郭および内輪郭についてそれぞれ独立に行う。
(ステップ201)
操作者はマウス26を操作して注目画像表示領域51上の任意の点をクリックし、図21の点211のように始点を設定する。
(ステップ202)
CPU20は始点の画素値ISを取得し主メモリ24に記憶する。
操作者はマウス26を操作して画面上のマウスカーソルを移動する。同時にCPU20は始点211からマウスカーソルが移動した軌跡を注目画像表示領域51上に曲線で表示する。
(ステップ204)
操作者はマウス26をクリックする。クリックした点(点212)が終点となる。
(ステップ205)
CPU20は終点の画素値ISを取得し主メモリ24に記憶する。
CPU20は始点画素値および終点画素値を調べる。画素値の組み合わせが(IS,IE)=(0,0)のときはステップ207へ進み、(IS,IE)=(1,1)の時はステップ208へ進む。(IS,IE)=(0,1)または(1,0)の時は領域削除処理および領域付加処理のいずれも行わずに処理を終了する。
(ステップ207)
CPU20は領域削除処理により指定された領域を心筋抽出領域から削除する。領域削除処理について図21を用いて説明する。始点と終点をそれぞれ211,212とし、マウスカーソルが移動した軌跡を曲線213で表す。このとき曲線213によって分けられる心筋領域214と215の面積(画素数)をそれぞれ測定し、面積の小さい方(領域214)を削除する。削除した結果は領域216のようになる。
CPU20は領域付加処理により指定された領域を心筋抽出領域に付加する。領域付加処理について図22を用いて説明する。始点と終点をそれぞれ221,222とし、マウスカーソルが移動した軌跡を曲線223で表す。曲線223と心筋抽出領域224で囲まれる領域225が付加される領域となる。領域付加処理後の心筋領域は226のようになる。
ステップ46から49の心筋抽出領域修正処理はCPU20によりその都度処理結果が注目画像表示領域51および一覧画像表示領域53に表示される。
(ステップ4B)
操作者は表示された画像を見て抽出結果が正しいかどうか判断し、正しいと判断するまで必要な修正処理を行う。
(ステップ4C)
注目画像について抽出領域の精度が十分になったら次に修正処理を行う画像を選択する。操作者はステップ44へ戻り、マウス26などの入力装置を操作してスクロールバー50を動かし、抽出精度の低い画像を選択する。すべての画像の抽出精度が十分ならば処理を終了する。
局所領域削除処理の際には図23に示されたように、操作者はマウス26を操作して円231をドラッグする。円231によりなぞられた領域が削除される。得られる心筋領域は232になる。同様に、局所領域付加処理の際には図24に示されたように、操作者はマウス26を操作して円241をドラッグする。円241によりなぞられた領域が付加される。得られる心筋領域は242になる。局所領域削除処理および付加処理に用いる円231および円241の大きさは操作者が任意に変えられるようにしてもよい。また、円以外にも楕円や長方形、点などを使用してもよい。
Claims (1)
- 被検体の体軸方向に連続する複数の断層像を用いてそれぞれの断層像における特定の臓器領域を抽出する抽出手段を備えた医用画像診断装置において、
前記抽出手段によって抽出された臓器領域の外輪郭と内輪郭及びその領域の重心の各情報と、それらの情報の予め設定された経験値とからその臓器領域の抽出精度を計算する精度計算手段と、
前記計算された抽出精度が所定の抽出精度より高い画像の臓器領域の前記情報を用いて前記所定の抽出精度より低い画像の臓器領域を修正する領域修正手段とを備えたことを特徴とする医用画像診断装置。
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