JP4496738B2 - 画像表示装置 - Google Patents
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Description
このような水平駆動方式は、映像信号線に入力される時系列の映像データを1画素行(1表示ライン)分または1表示ライン内の所定の画素単位でサンプル・ホールドし、画素がマトリクス状に配置された画素部に一斉に供給する。この画像データをサンプリングするための水平サンプリングスイッチが、画素部の各画素列に設けられ映像データを供給するデータ線と映像信号線との間に、画素列ごとに接続されている。水平サンプリングスイッチを駆動する水平駆動回路が、水平サンプリングスイッチ群の各制御端子に接続されている。水平駆動回路によって短い時間幅の水平サンプリングパルスが生成され、この水平サンプリングパルスによって、映像データの取り込み(サンプリング)と、データ線への排出(以下、データ線への書き込みと記述する)のタイミングが制御される。
このため、点順次駆動方式の液晶ディスプレイを1系統で映像信号を入力する構成とした場合、高精細化にともなって、とくに水平方向の画素数が増えると、限られた水平走査期間(1H期間)内で1表示ライン内の全画素について順番にサンプリングするためのサンプリング時間間隔(水平サンプリングパルスの周期)を十分に長くすることが難しくなる。
ところが、水平駆動回路を分割して配置すると、水平駆動回路を構成するTFT(Thin Film Transistor)の特性差などに起因して、水平サンプリングパルスの位相やパルス幅を合わせることが難しく、各水平駆動回路が切り替わる画面部分でゴーストや縦スジが発生しやすい。ここで、「ゴースト」とは、水平サンプリングのタイミングのずれなどによって、表示画面上で正規の画像位置から所定のドット数ずれて生じる望ましくない画像が、正規の画像と重なって見える現象をいう。また、縦スジは、水平サンプリング時間の違いなどに起因して、近似した画素データが同じように見えないことにより引き起こされる。
この映像データ伝送によって、まず、最初のM画素分の映像データがM本の映像信号線に同時に供給されると、画像表示の始点から数えて第1番目のユニットのM個のサンプリングスイッチが一斉に駆動され、M画素分の映像データが対応するM本のデータ線に供給される。続いて、つぎのM画素分の映像データがM本の映像信号線に同時に供給されると、画像表示の始点から数えて第2番目のユニットのM個のサンプリングスイッチが一斉に駆動され、第2のM画素分の映像データが対応するM本のデータ線に供給される。この動作が、画素部の水平画素数をMで割った回数だけ順次繰り返されて、1画素ラインの表示が完了する。また、この1画素ラインの表示動作は、つぎの画素ライン、さらに、そのつぎの画素ラインでも同様に繰り返されて、最終的に1画面の表示が完了する。
また、第2の画像表示装置では、M本の映像信号線のそれぞれについて、映像信号線から各ユニット内のサンプリングスイッチまでの単位配線長あたりの配線自体の負荷が、各ユニット内で映像信号線からサンプリングスイッチまでの配線長が長くなるほど小さく設定されている。
このため、第1の画像表示装置では、隣接する2つのユニットを対として、その対内で映像信号線からサンプリングスイッチまでの配線の負荷が、それぞれの映像信号線ごとにほぼ揃っている。また、第2の画像表示装置では、映像信号線からサンプリングスイッチまでの配線の負荷が、当該配線のすべてでほぼ揃っている。
したがって、上述したM個一斉で行うサンプリングスイッチ駆動のそれぞれにおいて、サンプリングスイッチに入力される映像信号の位相が揃い、結果として、正しくサンプリングされた映像データが対応するデータ線に供給される。
従来、隣接した画素に表示される同じような映像データが、正しくサンプリングされたり誤ったタイミングでサンプリングされたりすることによって、データ線上の映像データで、原映像データにない不要な誤差が生じ、列ごとに一定の表示上の差として現れ、これが視覚効果によって縦スジとなって見えていた。これに対し、本発明では、このようなデータ線上に供給された映像データに原映像データにない不要な誤差が生じないため、とくに縦スジが有効に防止される。
また、従来、M本の映像信号線の周波数特性に差があると、サンプリングスイッチの入力側で映像信号自体がなまった波形となってしまい、これがゴーストや映像のにじみとして見えていた。これに対し、本発明では、映像信号線の負荷の違いによる、このような映像信号自体の波形がなまることがないため、ゴーストや映像のにじみが有効に防止される。
以上より、本発明によって、縦スジ、ゴーストおよび映像のにじみがなく高画質な画像を表示できる画像表示装置を提供することが可能となる。
図1は、液晶表示パネルの構成例を示す回路図である。図2(E)は、映像信号を供給する部分の詳細な回路図である。また、図3(A)〜図3(K)に、各種クロックまたはパルスのタイミングチャートを示す。なお、図3(I)〜(K)と同様な4ユニット分のドライブパルス波形を図2(A)〜(D)にも示す。
図1は、簡略化のために、4行×4ユニット分の画素配列を例に示している。ここで、「ユニット」とは、M相駆動方式において、一度に映像信号が供給される各行内の連続したM個の画素と、それらに対応したM個のサンプリングスイッチの集合をいう。たとえば6相駆動の液晶表示パネルの場合はM=6、12相駆動の液晶表示パネルの場合はM=12、24相駆動の液晶表示パネルの場合はM=24となる。
なお、図1に示す水平駆動回路4の構成と動作、その動作に必要なクロック生成部6から生成される各種クロック信号(図3参照)は一例であり、図2(A)〜図2(D)に示す短い時間幅の水平サンプリングパルス(以下、データサンプリングパルス)DP1〜DP4を生成するものであれば、それらの構成に限定はない。なお、以下の説明では、便宜上、各データサンプリングパルスDP1〜DP4の時間幅T1〜T4は同じであり、それらの位相ズレがないように、水平駆動回路4は理想的に動作するものと仮定する。
クロック生成部6により、さらに、図3(D)および図3(E)に示すように、水平クロックHCK,HCKXに対して周期が同じで、かつデューティ比が小さい互いに逆相のドライブクロックDCK1,DCK2が生成される。ここで、デューティ比とは、パルス波形において、パルス幅とパルス繰り返し周期との比である。
映像信号VideoのM本の供給線25は、ユニット(Mドット)ごとに同じ関係で、画素部2のデータ線に接続されている。このデータ線と映像信号Videoの供給線25との結線途中に、サンプリングスイッチ群23を構成し、画素部2の画素列に対応した4×M個の水平サンプリングスイッチHSWが接続されている。各水平サンプリングスイッチHSWの制御端子に、クロック抜き取りスイッチ群22の各スイッチ22-1〜22-4によって抜き取られたドライブパルスが与えられる。ここで、奇数ユニットのデータサンプリングパルスをDPoddまたはDP1,DP3,…と表記し、偶数ユニットのデータサンプリングパルスをDPevenまたはDP2,DP4,…と表記する。
サンプリングスイッチHSWiは、たとえば、NMOSトランジスタ31とPMOSトランジスタ32とのソース同士、ドレイン同士を相互に接続したCMOSトランスファゲートから構成される。NMOSトランジスタ31が水平ドサンプリングパルスDPにより制御され、PMOSトランジスタが、その反転信号により制御される。
このことをより詳細に説明すると、ユニット1では、サンプリングスイッチHSW1,HSW2,HSW3,…,HSWMの順で映像信号線側から画素側に向かって段違いとなっているが、隣のユニット2では、逆に、サンプリングスイッチHSW1,HSW2,HSW3,…,HSWMの順で画素側から映像信号線側に向かって段違いとなっている。この段違い配置の向きは、図示を省略しているユニット3はユニット1と同じであり、ユニット4はユニット2と同じである。このため、全体でサンプリングスイッチが配置平面でみると周期的に、すなわち三角波状に配置されている。
各配線長L1〜LMは、サンプリングスイッチの段違い配置のピッチhで変化し、かつ、隣接する2つのユニット(ユニット1と2、ユニット3と4、…)で相補的に設定されている。ここで、「相補的に設定されている」とは、ある配線の長さと、この配線と同じ映像信号線に接続される他の配線の長さとを加算した値が、ユニット内の配線長の平均値の2倍に最も近くなるように、上記2つの配線の長さが決められていることをいう。本例では、配線長が各ユニット内で1番目からM番目まで順次に変化し、映像信号線のそれぞれに対する配線長が、隣接する2つのユニットのうち、一方のユニット側でN(N=1〜M)番目に長い配線のときに、隣接する他のユニット側で(M−N+1)番目に長い配線に設定されている。
ここで図4に示す例で、M=4であるとする。このとき映像信号線25-1に対する関係では、ユニット1側の配線長L1が最小配線長、すなわち(N=4)番目に長い配線長であり、このときユニット2側の配線長L4は(M−N+1=4−4+1=1)番目に長い最大配線長であるため、この2つの配線長L1とL4は相補関係にあるといえる。同様に、映像信号線25-2に対する関係では、ユニット1側の配線長L2が(N=3)番目に長い配線長であり、ユニット2側の配線長L3が(M−N+1=4−3+1=2)番目に長い配線長であるため、この2つの配線長L2とL3は相補関係にある。同様にして、残りの映像信号線25-3と25-4に対する関係においても、配線長の相補関係が維持されている。
x番目(x=1,2,3,…,M)の映像信号線25-xから分岐された映像引き込み配線の各ユニット内での容量値をCa(x)とする。また、x番目の映像信号線25-xが、ユニットごとに、他の映像信号線と絶縁膜を介して交差することとなる配線間結合容量、および、他の映像信号線から分岐された映像引き込み配線と絶縁膜を介して交差することによる配線間結合容量の合計の配線間結合容量をCb(x)とする。さらに、サンプリングスイッチHSW1〜HSWMの1つあたりのHSWの容量をCcとする。
このとき、x番目の映像信号線25-xに付加された各ユニット内の負荷容量C(video(x))は、次式(1)により表される。
Ca(x)=a・(M−x)・h …(3)
Cb(x)=(M−1)・b …(4)
Cc=c …(5)
代表して、1番目の映像信号線25-1とM番目の映像信号線25-Mで負荷容量の平均値を計算すると、次式(6)と(7)のようになり、その差が生じない。
=a(M−1)h/2+(M−1)b+c …(6)
C(video(M))={a(M−1)h+(M−1)b+c+0+(M−1)b+c}/2
=a(M−1)h/2+(M−1)b+c …(7)
図6に、比較例におけるサンプリングスイッチHSWの配置と映像信号線への接続関係を示す。
図6に示す比較例では、ユニット1のサンプリングスイッチの段違い配置の向きが図4に示す本発明の実施の形態と異なる。つまり、図4ではサンプリングスイッチHSW1〜HSWMが映像信号線から画素側に向かって順次段違い配置になっていたのに対し、この図6の比較例では、この段違い配置の向きがユニット2と同じとなっており、サンプリングスイッチHSW1〜HSWMが画素側から映像信号線に向かって順次段違い配置されている。この段違い配置の向きは、次のユニット3やユニット4を含むすべてのユニットで同じになっている。
このため、1番目の映像信号線25-1で負荷容量の平均値C(video(1))とM番目の映像信号線25-Mで負荷容量の平均値C(video(M))を求めると次式(8)と(9)のように表される。
=(M−1)b+c …(8)
C(video(M))={a(M−1)h+(M−1)b+c
+a(M−1)h+(M−1)b+c}/2
=a(M−1)h+(M−1)b+c …(9)
従来、隣接した画素に表示される同じような映像データが、正しくサンプリングされたり誤ったタイミングでサンプリングされたりすることによって、データ線上の映像データで、原映像データにない不要な誤差が生じ、列ごとに一定の表示上の差として現れ、これが視覚効果によって縦スジとなって見えていた。これに対し、本発明では、このようなデータ線上に供給された映像データに原映像データにない不要な誤差が生じないため、とくに縦スジが有効に防止される。
また、従来、M本の映像信号線の周波数特性に差があると、サンプリングスイッチの入力側で映像信号自体がなまった波形となってしまい、これがゴーストや映像のにじみとして見えていた。これに対し、本発明では、映像信号線の負荷の違いによる、このような映像信号自体の波形がなまることがないため、ゴーストや映像のにじみが有効に防止される。
この効果は、サンプリングスイッチの配置と配線の設計を変更するだけで容易に得られ、サンプリングスイッチの配置面積が増加しないため、コストの増大をともないない。
この図のように、ユニット境界部でサンプリングスイッチを横並びにすれば、各映像信号線に接続されるサンプリングスイッチをユニットごとに上段配置のものと下段配置のもので交互に入れ替えることができる。この配置例は、とくに列方向のサンプリングスイッチの配置スペースに余裕がないときに配線負荷を平均化したい場合に適している。図7が2段配置と配置段数が最も少ない場合、図4がM段配置と最も配置段数が多い場合であり、本発明では、その中間の任意の段数をとることもできる。
なお、ユニット境界でサンプリングスイッチを横並びになるのは、Mが偶数の場合のみであり、このことは必須の要件ではない。Mが奇数の場合はユニット境界でサンプリングスイッチを横並びにする必要がない。
以上のように、本発明で取りうるサンプリングスイッチの配置の態様は種々あり、いずれの場合も、配線負荷が平均化されて映像信号線の周波数特性差が低減または除去され、その結果、縦スジ、ゴーストおよび映像のにじみが有効に防止されるという利点が得られる。
図8に、水平サンプリングスイッチHSWの映像信号線への接続部を示す。
この液晶表示装置では、サンプリングスイッチの配置を変えないで、映像引き込み線の単位長さ当たりの配線負荷を変えることにより、配線負荷を揃えるものである。つまり、サンプリングスイッチHSW1までの距離L1が最も遠い第1の映像信号線25-1に接続される映像引き込み配線27-1は、その単位長さ当たりの配線負荷を最も小さくし、逆に、サンプリングスイッチHSWMまでの距離LMが最も近い第Mの映像信号線25-Mに接続される映像引き込み配線27-Mは、その単位長さ当たりの配線負荷を最も大きくする。そして、その中間の映像引き込み配線は、その単位長さ当たりの配線負荷を配線長に応じて順次変化させる。これにより、映像引き込み線の配線負荷をM本の映像信号線25-1〜25-Mで揃えることができる。その結果、配線負荷が平均化されて映像信号線の周波数特性差が低減または除去され、その結果、縦スジ、ゴーストおよび映像のにじみが有効に防止されるという利点が得られる。
なお、単位長さ当たりの配線負荷の変化は、図8では、便宜上、配線の太さの変化で実現されているように描いているが、これに限定するものではない。抵抗成分が比較的な大きな場合や駆動クロック周波数が比較的低い場合はこれでもよいが、高い動作クロックの場合は、配線が太いほうが、負荷容量が大きくなるので、逆に、順次配線を細くすることが望ましい場合もある。また、配線の太さに限らず、材料や厚さを変えてもよい。なお、配線の太さを変える場合、前述した式(4)に示す単位結合容量値「b」が太さに応じて若干変化することに注意を要する。
Claims (4)
- 画素がマトリックス状に配置されている画素部と、
映像信号の入力線と、
前記画素部の画素列ごとに設けられ、前記映像信号の入力線から伝送されてくる映像データを順次サンプリングする複数のサンプリングスイッチと、
を有し、
前記映像信号の入力線が、前記映像データを時分割して順次繰り返し伝送するM(M:2以上の自然数)本の映像信号線から構成され、M個の連続したサンプリングスイッチ群を1ユニットとしたときに、前記M本の映像信号線のそれぞれに対しサンプリングスイッチがユニットごとに1つずつ繰り返し接続され、
前記映像信号線からサンプリングスイッチまでの配線自体の負荷の大きさが各ユニット内で1番目の大きさからM番目の大きさまで順次に変化し、前記映像信号線のそれぞれに対する前記配線自体の負荷が、隣接する2つのユニットのうち、一方のユニット側でN(N=1〜M)番目に大きな負荷のときに、隣接する他のユニット側で(M−N+1)番目に大きな負荷に設定されている
画像表示装置。 - 前記映像信号線から各ユニット内のサンプリングスイッチまでの負荷が配線長に比例している
請求項1に記載の画像表示装置。 - 前記複数のサンプリングスイッチは、その配置の平面内でみると、各ユニット内で隣接するサンプリングスイッチとの段違い配置が列方向に階段状に繰り返され、当該段違い配置の向きが列方向の一方の向きと他方の向きとでユニットごとに交互に変化している
請求項2に記載の画像表示装置。 - 画素がマトリックス状に配置されている画素部と、
映像信号の入力線と、
前記画素部の画素列ごとに設けられ、前記映像信号の入力線から伝送されてくる映像データを順次サンプリングする複数のサンプリングスイッチと、
を有し、
前記映像信号の入力線が、前記映像データを時分割して順次繰り返し伝送するM(M:2以上の自然数)本の映像信号線から構成され、M個の連続したサンプリングスイッチ群を1ユニットとしたときに、前記M本の映像信号線のそれぞれに対しサンプリングスイッチがユニットごとに1つずつ繰り返し接続され、
前記複数のサンプリングスイッチは、その配置の平面内でみると、各ユニット内で、隣接するサンプリングスイッチとの段違い配置が列方向にK(≦M)段繰り返され、かつ、KがMより小さい場合に、各ユニット内の前記K段の段違い配置が行方向で1回以上折り返され、
隣接する2つのユニットのうち一方のユニット側で、前記K段の段違い配置内でN(N=1〜K)番目の配置位置のサンプリングスイッチが対応する映像信号線に接続され、これと同一の映像信号線に対し、隣接する他のユニット側で(K−N+1)番目の配置位置のサンプリングスイッチが接続されている
画像表示装置。
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