JP4496000B2 - 宿主微生物 - Google Patents

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本発明は、有用なタンパク質又はポリペプチドの生産に用いる微生物、及びタンパク質又はポリペプチドの製造方法に関する。
微生物による有用物質の工業的生産は、アルコール飲料や味噌、醤油等の食品類をはじめとし、アミノ酸、有機酸、核酸関連物質、抗生物質、糖質、脂質、タンパク質等、その種類は多岐に渡っており、またその用途についても食品、医薬や、洗剤、化粧品等の日用品、或いは各種化成品原料に至るまで幅広い分野に広がっている。
こうした微生物による有用物質の工業生産においては、その生産性の向上が重要な課題の一つであり、その手法として、突然変異等の遺伝学的手法による生産菌の育種が行われてきた。特に最近では、微生物遺伝学、バイオテクノロジーの発展により、遺伝子組換え技術等を用いたより効率的な生産菌の育種が行われるようになっており、遺伝子組換えのための宿主微生物の開発が進められている。例えば、枯草菌(Bacillus subtilis) Marburg No.168系統株の様に宿主微生物として安全かつ優良と認められた微生物菌株に更に改良を加えた菌株が開発されている。
しかしながら、微生物は元来、自然界における環境変化に対応するための多種多様な遺伝子群を有しており、限定された生産培地が使用されるタンパク質等の工業的生産においては、必ずしも生産効率が高いとは言えない状況であった。
しかるところ、ある種の微生物については、胞子形成初期に関わる遺伝子を削除又は不活性化した菌株が構築され、タンパク質やポリペプチドの生産性向上効果が得られている。例えば、枯草菌のsigEsigFspoIIEspoIISBsigG、又は、spoIVCBからspoIIICまでの領域に含まれる遺伝子群を削除した宿主菌株を用いることによって、セルラーゼなどの分泌生産性が向上することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、産業的なタンパク質やポリペプチド生産の場に於いては生産コストをできるだけ低減化する必要があり、このためには更に高い生産性が求められている。上記の各遺伝子は胞子形成の第II期以降に発現し、機能する遺伝子であるため、当該遺伝子を削除や不活性化した場合に於いても細胞は胞子形成の初期段階に入っており、タンパク質やポリペプチド生産の観点からは無駄であると考えられた。また、胞子形成期の初期段階を制御するspo0A遺伝子(BG10765)を削除又は不活性化することによって胞子形成が初期段階で停止することが知られているが、同時に激しい溶菌現象が引き起こされるという問題があった。
一方、spo0A遺伝子に変異がない枯草菌株の場合には、枯草菌の主要な細胞壁溶解酵素CwlB(N-アセチルムラモイル-アラニンアミダーゼ、以前はLytCと呼ばれていた)をコードしているcwlB遺伝子(BG10407、以前はlytC遺伝子)を不活性化することによって溶菌現象が抑えられることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、細胞壁溶解酵素群は細胞分裂や運動性など細胞の増殖に対して重要な関与をしているとされており、その削除や不活性化によって細胞の生育に大きな変化が生じてタンパク質又はポリペプチドの生産にも影響を与えることが懸念され、予備検討データとはしながらも、細胞壁溶解酵素をコードするcwlB(lytC) 遺伝子またはcwlG (lytD) 遺伝子の不活性化によってタンパク質の分泌が妨げられたとの報告も存在していた(例えば非特許文献2参照)。
特開2003−47490号公報 J. Bacteriol., 173, 7304-7312 (1991) Microbiology, 146, 249-262 (2000)
本発明はタンパク質又はポリペプチドの生産性向上を可能とし、且つ、培養中に溶菌現象を引き起こさず、培養液から目的タンパク質又はポリペプチドを容易に回収することができる微生物、更に、当該微生物を用いたタンパク質又はポリペプチドの製造法を提供することを目的とする。
本発明者らは、枯草菌のspo0A遺伝子を削除又は不活性化した場合に生ずる溶菌現象の原因とその抑制について検討したところ、spo0A遺伝子の削除によって、多数の細胞壁溶解酵素が検出され、特にアミダーゼ活性を有する主要細胞壁溶解酵素CwlBの発現が高まっていることを明らかにした(図4)。そして、当該細胞壁分解酵素をコードするcwlB遺伝子或いはcwlB遺伝子の細胞壁溶解酵素遺伝子の発現を司るRNAポリメラーゼシグマ因子SigDをコードするsigD遺伝子を削除又は不活性化することによって、激しい溶菌現象を抑制することができると共に細胞増殖や目的タンパク質又はポリペプチドの分泌生産に対して殆ど影響を与えることなく、spo0A遺伝子の削除による高い分泌生産性が維持できることを見出した(図3)。
すなわち本発明は、枯草菌のspo0A遺伝子又は当該遺伝子に相当する遺伝子が削除又は不活性化され、且つ、細胞壁溶解酵素の発現に関与する遺伝子の中から選ばれる1以上の遺伝子が削除又は不活性化された微生物を提供するものである。
また本発明は、上記微生物株に、異種のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を導入した組換え微生物、特に異種のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子の上流に転写開始制御領域、翻訳開始制御領域、又は分泌用シグナル領域を結合した当該組換え微生物、また当該組換え微生物を用いたタンパク質又はポリペプチドの製造方法を提供するものである。
本発明の微生物を用いれば、胞子形成が初期段階で抑制され、且つ、溶菌現象が起こらないことから、目的タンパク質又はポリペプチドを生産する場合において、エネルギーロス、副産物の生産や比生産速度の低下等、培地の浪費が大幅に減少でき、また、タンパク質又はポリペプチドの生産期間が長期化することによって効率よく目的生産物を生産することができる。更に、細胞壁溶解による菌体内タンパク質や核酸などの漏出がないため、培養液から目的のタンパク質又はポリペプチドを容易に回収することができる。
本発明においてアミノ酸配列および塩基配列の同一性はLipman-Pearson法 (Science, 227, 1435, (1985))によって計算される。具体的には、遺伝情報処理ソフトウェアGenetyx-Win(ソフトウェア開発)のホモロジー解析(Search homology)プログラムを用いて、パラメータであるUnit size to compare(ktup)を2として解析を行うことにより算出される。
本発明の微生物(宿主微生物)は、胞子形成に関与する遺伝子、具体的には表1に示す枯草菌の遺伝子又は当該遺伝子に相当する遺伝子を有するものであればよく、胞子を形成する微生物がより好ましい。これらは、野生型のものでも変異を施したものでもよい。具体的には、枯草菌、その他のバチルス(Bacillus)属細菌、クロストリジウム(Clostridium)属細菌、或いは酵母等が挙げられ、中でもバチルス(Bacillus)属細菌が好ましく、特に全ゲノム情報が明らかにされ、遺伝子工学、ゲノム工学技術が確立されている点、またタンパク質を菌体外に分泌生産させる能力を有する点から枯草菌が好ましい。
また、本発明の組換え微生物は、当該宿主微生物を親微生物として構築されるものである。
本発明の微生物を用いて生産する目的タンパク質又はポリペプチドとしては、例えば食品用、医薬品用、化粧品用、洗浄剤用、繊維処理用、医療検査薬用等として有用な酵素や生理活性因子等のタンパク質やポリペプチドが挙げられる。
本発明において削除又は不活性化の対象となる遺伝子は、表1に示される枯草菌のspo0A遺伝子、及びcwlB遺伝子若しくはsigD遺伝子、又は当該遺伝子に相当する遺伝子群の中から選択されるものである。尚、表中の各遺伝子の名称、番号及び機能等は、Nature, 390, 249-256, (1997) で報告され、JAFAN: Japan Functional Analysis Network for Bacillus subtilis (BSORF DB)でインターネット公開(http://bacillus.genome.ad.jp/、2003年6月17日更新)された枯草菌ゲノムデーターに基づいて記載している。
ここで表1に記載の遺伝子に相当する遺伝子としては、例えば、当該遺伝子の延期配列において1若しくは数個の塩基配列が欠失、置換、若しくは付加された塩基配列からなる当該遺伝子と同じ機能を有する遺伝子が挙げられる。さらに、表1に示される枯草菌の各遺伝子と同じ機能を有する、または/かつ、表1の各遺伝子と塩基配列において70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上の同一性を有する、他の微生物由来、好ましくはバチルス属細菌の由来の遺伝子は、表1に記載の遺伝子に相当する遺伝子と考えられ、本発明において削除、不活性化すべき遺伝子に含まれる。
本発明は目的遺伝子中に他のDNA断片を挿入する、あるいは、当該遺伝子の転写・翻訳開始領域に変異を与える等の方法によって目的遺伝子を不活性化することによっても達成できるが、好適には、標的遺伝子を物理的に削除する方がより望ましい。更に本発明の微生物の構築には、上記以外の細胞壁溶解酵素遺伝子やそれ以外の遺伝子の削除又は不活性化を組み合わせることも可能であり、生産性向上に対してより大きな効果が期待される。
遺伝子群の削除又は不活性化の手順としては、表1に示した標的遺伝子を計画的に削除又は不活性化する方法のほか、ランダムな遺伝子の削除又は不活性化変異を与えた後、適当な方法によりタンパク質生産性の評価及び遺伝子解析を行う方法が挙げられる。
標的とする遺伝子を削除又は不活性化するには、例えば相同組換えによる方法を用いればよい。すなわち、標的遺伝子の一部を含むDNA断片を適当なプラスミドベクターにクローニングして得られる環状の組換えプラスミドを親微生物細胞内に取り込ませ、標的遺伝子の一部領域に於ける相同組換えによって親微生物ゲノム上の標的遺伝子を分断して不活性化することが可能である。或いは、塩基置換や塩基挿入等による不活性化変異を導入した標的遺伝子、又は標的遺伝子の外側領域を含むが標的遺伝子を含まない直鎖状のDNA断片等をPCR等の方法によって構築し、これを親微生物細胞内に取り込ませて親微生物ゲノムの標的遺伝子内の変異箇所の外側2ヶ所、又は標的遺伝子外側の2ヶ所の領域で2回交差の相同組換えを起こさせることにより、ゲノム上の標的遺伝子を削除或いは不活性化した遺伝子断片と置換することが可能である。
特に、本発明微生物を構築するための親微生物として枯草菌を用いる場合、相同組換えにより標的遺伝子を削除又は不活性化する方法については、既にいくつかの報告例があり(Mol. Gen. Genet., 223, 268 (1990)等)、こうした方法を2回又はそれ以上繰り返すことによって、本発明の微生物を得ることができる。
また、ランダムな遺伝子の削除又は不活性化についてもランダムにクローニングしたDNA断片を用いて上述の方法と同様な相同組換えを起こさせる方法や、親微生物にγ線等を照射すること等によっても実施可能である。
以下、より具体的にSOE(splicing by overlap extension)−PCR法(Gene, 77, 61, (1989))によって調製される削除用DNA断片を用いた二重交差法による削除方法について説明するが、本発明に於ける遺伝子削除方法は下記に限定されるものではない。
本方法で用いる削除用DNA断片は、削除対象遺伝子の上流に隣接する約0.2〜3 kb断片(A)と、同じく下流に隣接する約0.2〜3 kb断片(B)の間に、薬剤耐性マーカー遺伝子断片(C)を挿入した断片である。まず、1回目のPCRによって、削除対象遺伝子の上流断片(A)及び下流断片(B)、並びに薬剤耐性マーカー遺伝子断片(C)の3断片を調製するが、この際、例えば、上流断片(A)の下流末端に薬剤耐性マーカー遺伝子断片(C)の上流側10〜30塩基対配列、逆に下流断片(B)の上流末端には薬剤耐性マーカー遺伝子断片(C)の下流側10〜30塩基対配列が付加される様にデザインしたプライマーを用いる(図1)。
次いで、1回目に調製した3種類のPCR断片(A)、(B)、(C)を鋳型とし、上流断片の上流側プライマーと下流断片の下流側プライマーを用いて2回目のPCRを行うことによって、上流断片の下流末端及び下流断片の上流末端に付加した薬剤耐性マーカー遺伝子配列に於いて、薬剤耐性マーカー遺伝子断片とのアニールが生じ、PCR増幅の結果、上流側断片と下流側断片の間に、薬剤耐性マーカー遺伝子が挿入し、(A)(C)(B)の順に結合したDNA断片を得ることができる(図1)。
本発明では2つ又はそれ以上の遺伝子を削除又は不活性化することが必要であるので、2種類又はそれ以上の薬剤耐性マーカー遺伝子を用いると簡便に目的の微生物菌株を分離することができる。薬剤耐性マーカー遺伝子の組合せについては特に限定されないが、例えば、カナマイシン耐性遺伝子、スペクチノマイシン耐性遺伝子、クロラムフェニコール耐性遺伝子、エリスロマイシン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子などが挙げられる。
PCRの方法についても特に限定されず、例えば表2に示したプライマーセットを用い、Pyrobest DNAポリメーラーゼ(宝酒造)などの一般のPCR用酵素キット等を用いて、成書(PCR Protocols. Current Methods and Applications, Edited by B.A.White, Humana Press, pp251 (1993)、Gene, 77, 61, (1989)等)に示される通常の条件によりSOE−PCRを行うことによって、各遺伝子の削除用DNA断片が得られる。
また、上記の(A)(B)(C)の3断片を、適当なプラスミドベクター上で、(A)(C)(B)の順になる様にクローニングし、元のプラスミドベクター部分のみを1ヶ所で切断する制限酵素で処理することによっても、同様の削除用DNA断片を得ることができる(図2)。
かくして得られた削除用DNA断片を、コンピテント法等によって細胞内に導入すると、同一性のある削除対象遺伝子の上流及び下流の相同領域において、細胞内での遺伝子組換えが生じ、目標遺伝子が薬剤耐性遺伝子と置換した細胞を薬剤耐性マーカーによる選択によって分離することができる(図1)。即ち、表2に示したプライマーセットを用いて調製した削除用DNA断片を導入した場合、クロラムフェニコールを含む寒天培地上に生育するコロニーを分離し、目的の遺伝子が削除されてクロラムフェニコール耐性遺伝子と置換していることを、ゲノムを鋳型としたPCR法などによって確認すれば良い。
次に、表1に示される枯草菌のspo0A遺伝子又は当該遺伝子に相当する遺伝子が削除又は不活性化され、且つ、細胞壁溶解酵素の発現に関与する遺伝子の中から選ばれる1以上の遺伝子が削除又は不活性化された宿主微生物変異株に、目的とするタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を導入することによって、本発明の組換え微生物を得ることができる。
本発明では目的タンパク質又はポリペプチド遺伝子は特に限定されず、洗剤、食品、繊維、飼料、化学品、医療、診断など各種産業用酵素や、生理活性ペプチドなどが含まれる。また、産業用酵素の機能別には、酸化還元酵素 (Oxidoreductase) 、転移酵素 (Transferase) 、加水分解酵素 (Hydrolase) 、脱離酵素 (Lyase)、異性化酵素 (Isomerase) 、合成酵素 (Ligase/Synthetase) 等が含まれるが、好適にはセルラーゼ、α-アミラーゼ、プロテアーゼ等の加水分解酵素の遺伝子が挙げられる。具体的には、多糖加水分解酵素の分類(Biochem. J., 280, 309 (1991))中でファミリー5に属するセルラーゼが挙げられ、中でも微生物由来、特にバチルス属細菌由来のセルラーゼが挙げられる。より具体的な例として、配列番号2又は4で示されるアミノ酸配列からなるバチルス属細菌由来のアルカリセルラーゼや、当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるアルカリセルラーゼ、当該アミノ酸配列と70%、好ましくは80%、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるセルラーゼが挙げられる。
また、α−アミラーゼの具体例としては、微生物由来のα−アミラーゼが挙げられ、特にバチルス属細菌由来の液化型アミラーゼが好ましい。より具体的な例として、配列番号6で示されるアミノ酸配列からなるバチルス属細菌由来のアルカリアミラーゼや、当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるアルカリアミラーゼ、当該アミノ酸配列と70%、好ましくは80%、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるアミラーゼが挙げられる。また、プロテアーゼの具体例としては、微生物由来、特にバチルス属細菌由来のセリンプロテアーゼや金属プロテアーゼ等が挙げられる。
また、目的タンパク質又はポリペプチド遺伝子は、その上流に当該遺伝子の転写、翻訳、分泌に関わる制御領域、即ち、プロモーターおよび転写開始点を含む転写開始制御領域、リボソーム結合部位および開始コドンを含む翻訳開始領域、又、分泌用シグナルペプチド領域が適正な形で結合されていることが望ましい。例えば、特開2000-210081号公報や特開平4-190793号公報等に記載されているバチルス属細菌、すなわちKSM-S237株(FERM BP-7875)、KSM-64株(FERM BP-2886)由来のセルラーゼ遺伝子と当該セルラーゼ遺伝子の転写開始制御領域、翻訳開始領域、分泌用シグナルペプチド領域、より具体的には配列番号1で示される塩基配列の塩基番号1〜659の塩基配列、配列番号3で示される塩基配列からなるセルラーゼ遺伝子の塩基番号1〜696の塩基配列、また当該塩基配列に対して70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上の同一性を有する塩基配列からなるDNA断片、あるいは上記いずれかの塩基配列の一部が欠失した塩基配列からなるDNA断片が、目的タンパク質又はポリペプチドの構造遺伝子と適正に結合されていることが望ましい。
上記の目的タンパク質又はポリペプチド遺伝子を含むDNA断片と適当なプラスミドベクターを結合させた組換えプラスミドを、一般的な形質転換法によって宿主微生物細胞に取り込ませることによって、本発明の組換え微生物を得ることができる。また、当該DNA断片に宿主微生物ゲノムとの適当な相同領域を結合したDNA断片を用い、宿主微生物ゲノムに直接組み込むことによっても本発明の組換え微生物を得ることができる。
本発明の組換え微生物を用いた目的タンパク質又はポリペプチドの生産は、当該菌株を同化性の炭素源、窒素源、その他の必須成分を含む培地に接種し、通常の微生物培養法にて培養し、培養終了後、タンパク質又はポリペプチドを採取・精製することにより行えばよい。
後記実施例で示すように、spo0A遺伝子が削除された菌株のゲノムから、更にcwlB遺伝子の削除を行うことにより、細胞壁溶解酵素活性が大幅に低下し、激しい溶菌現象を抑制することができる(図5)。そして、当該cwlB遺伝子の削除を行った場合においても、細胞増殖や目的タンパク質又はポリペプチドの分泌生産は殆ど影響を受けず、spo0A遺伝子の削除による高い分泌生産性が維持されていた(図4)。
以上より、表1に示される枯草菌の遺伝子のいずれか、又は当該遺伝子に相当する遺伝子から選ばれた1以上の遺伝子が削除又は不活性化された宿主微生物変異株、及び当該変異株を用いて組換え微生物を構築することができ、これを用いれば有用なタンパク質又はポリペプチドを効率的に生産することができる。
以下に、枯草菌のspo0A遺伝子(BG10765)とcwlB遺伝子(BG10407)又はsigD遺伝子(BG10751)或いは、spo0A遺伝子(BG10765)、cwlB遺伝子(BG10407)及びsigD遺伝子(BG10751)を削除した組換え枯草菌株構築の構築方法と、当該組換え微生物を用いたセルラーゼの生産方法について具体的に説明する。
実施例1
表2に示した、5’末端側にそれぞれ、ApaI、XhoI、PstI、BamHI、各制限酵素認識配列を含む10 bpを付加したspo0A-260F、SPO-1-RX、SPO-2-F、SPO-2-RBの各プライマーセットを用いて、枯草菌168株から抽出したゲノムDNAを鋳型とし、spo0A遺伝子の上流を含む5’末端側の699 bp断片(A)、及び3’末端側の348 bp断片(B)をそれぞれ調製した。得られた断片(A)はApaIおよびXhoI、(B)はPstIおよびBamHI処理した。一方、プラスミドpDG1727(Gene, 167, 335, (1995) )のBamHIおよびXhoI制限酵素切断点よりスペクチノマイシン耐性遺伝子領域を切り出した(C)。次に、3断片を(A)(C)(B)の順になる様に、pBluescript II SK(+)(Stratagene)に(A)はApaIおよびXhoI、(C)はXhoIおよびPstI、(B)はPstIおよびBamHI制限酵素切断点にそれぞれ挿入した。この結果得られた組換えプラスミドDNAを制限酵素ScaIで処理して直鎖状DNAにし、形質転換用の供与体DNAとした(図2参照)。このDNA断片を用いてコンピテント法による枯草菌168株の形質転換を行い、スペクチノマイシン(100μg/mL)を含むLB寒天培地上に生育したコロニーを形質転換体として分離した。得られた形質転換体のゲノムを抽出し、PCRによってspo0A遺伝子が欠失してスペクチノマイシン耐性遺伝子に置換していることを確認した。
実施例2
一方、実施例1と同様にして表2に示した、5’末端側にそれぞれ、SalI、XbaI、各制限酵素認識配列を含む10 bpを付加したcwlB+1F、cwlB+920R、またBglII制限酵素認識配列を含むcwlB+1488R、cwlB+1098Fの各プライマーセットを用いて、枯草菌168株から抽出したゲノムDNAを鋳型とし、cwlB遺伝子の5’末端側の920 bp断片(A)、及び3’末端側の391 bp断片(B)をそれぞれ調製した。得られた断片(A)はSalIおよびXbaI、(B)はBglII処理した。カナマイシン耐性遺伝子(C)を持つプラスミドpDG782 (Gene, 167, 335, (1995) )に(A)はSalIおよびXbaI、(B)はBglII、各制限酵素切断点に挿入した。このプラスミドDNAを制限酵素ScaIで処理し、直鎖状DNAにし、形質転換用の供与体DNAとした。実施例1で作成したspo0A遺伝子が削除された枯草菌株を宿主とし、形質転換を行い、スペクチノマイシン(100μg/mL)およびカナマイシン(5μg/mL)を含むLB寒天培地上に生育したコロニーを形質転換体として分離した。得られた形質転換体のゲノムを抽出し、PCRによってcwlB遺伝子が欠失してカナマイシン耐性遺伝子に置換していることを確認した。以上の結果、ゲノム上のspo0A遺伝子とcwlB遺伝子が欠失し、それぞれ、スペクチノマイシン耐性遺伝子とカナマイシン耐性遺伝子に置換した菌株を分離した。
実施例3
実施例1で作成したspo0A遺伝子が削除された枯草菌株を宿主とし、sigD遺伝子が削除された枯草菌株(Gene, 329, 125, (2004))の染色体DNAを用いて形質転換を行い、スペクチノマイシン(100μg/mL)およびクロラムフェニコール(5μg/mL)を含むLB寒天培地上に生育したコロニーを形質転換体として分離した。得られた形質転換体のゲノムを抽出し、PCRによってゲノム上のspo0A遺伝子とsigD遺伝子が欠失しそれぞれスペクチノマイシン耐性遺伝子およびクロラムフェニコール耐性遺伝子が挿入されていることを確認した。更に、実施例2で作成したspo0A遺伝子およびcwlB遺伝子が削除された枯草菌株を宿主としsigD遺伝子が削除された枯草菌株(Gene, 329, 125, (2004))の染色体DNAを用いて形質転換を行い、スペクチノマイシン(100μg/mL)、カナマイシン(10μg/mL)およびクロラムフェニコール(5μg/mL)を含むLB寒天培地上に生育したコロニーを形質転換体として分離した。得られた形質転換体のゲノムを抽出し、PCRによってゲノム上のspo0A遺伝子、cwlB遺伝子およびsigD遺伝子が欠失し、それぞれスペクチノマイシン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子およびクロラムフェニコール耐性遺伝子が挿入されていることを確認した。
実施例4
実施例2及び3にて得られたspo0A遺伝子とcwlB遺伝子又はsigD遺伝子のいずれか、又はspo0A遺伝子、cwlB遺伝子とsigD遺伝子が削除された菌株、及び対照として枯草菌168株、並びに実施例1にて得られたspo0A遺伝子が削除された菌株を5 mLのLB培地で一夜30℃で振盪培養を行い、更にこの培養液0.6 mLを30 mLの2×L−マルトース培地(2% トリプトン、1% 酵母エキス、1% NaCl、7/5% マルトース、7.5 ppm硫酸マンガン4-5水和物、15 ppmテトラサイクリン)に接種し、30℃で3日間、振盪培養を行った。培養後、培養液の濁度(OD600nm)を測定した後、遠心分離によって菌体を除いた培養液上清を電気泳動等によって解析した。この結果、spoOA遺伝子が削除された菌株では溶菌により培養3日目の培養液濁度が大幅に低下(図3)し、また細胞壁溶解によって極めて多くのタンパク質バンドが検出され、更にザイモグラム解析(J. Bacteriol., 174, 464, (1992), J. Bacteriol., 175, 6260, (1993))に於いて、多くの細胞壁溶解酵素活性が認められた(図4)。これに対して、spo0A遺伝子に加えてcwlB遺伝子又はsigD遺伝子、或いはcwlB遺伝子とsigD遺伝子が削除された菌株では培養3日目の濁度の現象が殆どなく、またタンパク質バンド及び細胞壁溶解酵素活性が大幅に減少することが明らかになった。
実施例5
実施例2にて得られたspo0A遺伝子とcwlB遺伝子が削除された菌株、及び対照として枯草菌168株、並びに実施例1にて得られたspo0A遺伝子が削除された菌株、それぞれに、バチルス エスピー(Bacillussp.)KSM-S237株由来のアルカリセルラーゼ遺伝子(特開2000-210081号公報)断片(3.1 kb)がシャトルベクターpHY300PLKのBamHI制限酵素切断点に挿入された組換えプラスミドpHY-S237を、プロトプラスト形質転換法によって導入した。これによって得られた菌株を5 mLのLB培地で一夜30℃で振盪培養を行い、更にこの培養液0.6 mLを30 mLの2×L−マルトース培地(2% トリプトン、1% 酵母エキス、1% NaCl、7.5% マルトース、7.5 ppm硫酸マンガン4-5水和物、15 ppmテトラサイクリン)に接種し、30℃で3日間、振盪培養を行った。培養後、培養液の濁度(OD600nm)を測定した後、遠心分離によって菌体を除いた培養液上清のアルカリセルラーゼ活性を測定し、培養によって菌体外に分泌生産されたアルカリセルラーゼの量を求めた。この結果、図3に示した様に、spo0A遺伝子が削除された菌株では対照の168株(野生型)の場合と比較して高いアルカリセルラーゼの分泌生産が認められたが、培養の後半で激しい細胞壁溶解に伴う培地濁度低下が認められた。これに対して、spo0A遺伝子とcwlB遺伝子が削除された菌株では高いアルカリセルラーゼの分泌生産が認められたが、細胞壁溶解による濁度低下はspo0A遺伝子が削除された株に比べて大幅に抑えられた。一方、各培養液から遠心分離(10,000 rpm、5分、3℃)によって得られた培養上清液を電気泳動等によって解析したところ、spoOA遺伝子が削除された菌株では細胞壁溶解によって極めて多くのタンパク質バンドが検出され、上清液にも濁りを生じた(図5)が、これに対してspo0A遺伝子とcwlB遺伝子が削除された菌株では澄明な上清液が得られ、且つ、タンパク質バンドが大幅に減少することが明らかになった(図5)。
SOE−PCRによる遺伝子削除用DNA断片の調製、及び当該DNA断片を用いて標的遺伝子を削除(薬剤耐性遺伝子と置換)する方法を示した模式図である。 遺伝子破壊用プラスミドの構築方法、及び当該DNA断片を用いて標的遺伝子を破壊(薬剤耐性遺伝子と置換)する方法を示した模式図である。 spo0A遺伝子と各種細胞壁溶解酵素の発現に関する遺伝子が削除された枯草菌株の培養経時変化を示したグラフである。対照として、spo0A遺伝子のみが削除された枯草菌株、及び野生型の枯草菌株を宿主として用いた結果を示している。 spo0A遺伝子と各種細胞壁溶解酵素の発現に関する遺伝子が削除された枯草菌株、対照として、spo0A遺伝子のみが削除された枯草菌株、及び野生型の枯草菌株の細胞表層画分のSDS電気泳動パターン(左、クマシーブルー染色)と細胞壁溶解酵素のザイモグラムパターン(右)である。 spo0A遺伝子とcwlB遺伝子が削除された枯草菌株、対照として、spo0A遺伝子のみが削除された枯草菌株、及び野生型の枯草菌株の培養上清液の濁り具合(右)とSDS電気泳動パターン(左、クマシーブルー染色)である。

Claims (6)

  1. spo0A遺伝子又は当該遺伝子と塩基配列において90%以上の同一性を有し胞子形成開始の主制御因子をコードする遺伝子が削除又は不活性化され、且つ、cwlB遺伝子、cwlB遺伝子と塩基配列において90%以上の同一性を有し主要細胞壁溶解酵素をコードする遺伝子、sigD遺伝子、及びsigD遺伝子と塩基配列において90%以上の同一性を有しRNAポリメラーゼシグマD因子をコードする遺伝子の中から選ばれる1以上の遺伝子が削除又は不活性化された枯草菌
  2. 請求項記載の枯草菌に、異種のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を導入した組換え枯草菌
  3. 異種のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子の上流に転写開始制御領域、翻訳開始制御領域、又は分泌用シグナル領域を結合した請求項記載の組換え枯草菌
  4. 転写開始制御領域、翻訳開始制御領域又は分泌シグナル領域が、バチルス属細菌のセルラーゼ遺伝子と当該セルラーゼ遺伝子の上流0.6〜1kb領域に由来するものである請求項記載の組換え枯草菌
  5. 転写開始制御領域、翻訳開始制御領域又は分泌シグナル領域が、配列番号1で示される塩基配列からなるセルラーゼ遺伝子の塩基番号1〜659の塩基配列、配列番号3で示される塩基配列からなるセルラーゼ遺伝子の塩基番号1〜696の塩基配列、又は当該塩基配列のいずれかと90%以上の同一性を有する塩基配列からなり且つ転写開始制御領域、翻訳開始制御領域又は分泌シグナル領域としての機能を有するDNA断片である請求項記載の組換え枯草菌
  6. 請求項2〜5のいずれか1項記載の組換え枯草菌を用いるタンパク質又はポリペプチドの製造方法。
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