JP4495441B2 - 裁断刃面取方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、裁断刃面取方法および装置に関し、詳しくは、例えば厚さの薄いシート状の被裁断物を裁断する回転軸方向に複数重ねられた円形の裁断刃の刃先に面取りを施す裁断刃面取方法および装置に関するものである。
各種データベースのバックアップ用データや映像情報等を記録する磁気テープは、一般にベース層とこのベース層の一面側に積層されたバック層と上記ベース層の他面側に積層された磁性層とを備えており、この磁気テープの磁性層を記録読取装置の記録ヘッドや録音ヘッドに接触させながら上記磁気テープをその長手方向に走行させて情報の記録あるいは読取りが行われる。
上記磁気テープは、例えば、後に説明する図1および図2に示すように、上刃軸1と下刃軸2とのそれぞれに、裁断刃である多数の円形の上刃3と下刃4とのそれぞれを軸方向(図中矢印X方向)に重ねて形成した1組の裁断刃ユニットを備えた裁断装置を用いて裁断される。すなわち上記磁気テープは、同一平面上に軸方向が互いに平行となるように配置された上刃軸1および下刃軸2を介して上刃3と下刃4とを回転させながら両刃3,4の間に、幅広の磁気テープ原反5を磁性層を上刃3側にした状態で通してこの磁気テープ原反5を幅細の複数本に裁断することにより作成される。
なお、下刃軸2に直接装着されている下刃4は、大径部4fと小径部4gとを有し大径部4fの外周の上記軸方向の一端(図中左方)に刃先4aが形成されている。また、上刃軸1に装着されている上刃3は、厚さが薄く外周に刃先3aが形成されており、上刃軸1に配設された大径部20pと小径部20qとを有するホルダ20の小径部20qの外周に装着されるとともに、この小径部20qの外周に嵌合した皿バネ22で上記軸方向の一方(図中右方)に付勢されている。
図12(a)から図12(c)に示すように、刃先3a′,4a′が共に角形状である上刃3′と下刃4′とを有する裁断装置で磁気テープ原反5を裁断すると、この裁断によって得られた幅細の磁気テープ6における、裁断時に上刃3′によって押し下げられた図中右方の裁断面である側面8′では、バック層11の側面8a′はベース層10の側面8b′より幅方向内側(上記幅方向は図中矢印X方向である)に位置するが、磁性層12の側面8c′がベース層10の側面8b′より幅方向外側に突出する(図12(c)参照)。また、裁断時に下刃4′上に位置したまま裁断された図中左方の裁断面である側面7′は、バック層11の側面7a′がベース層10の側面7b′より幅方向外側に突出する(図12(b)参照)。上記のように、バック層11の側面や磁性層12の側面がベース層10の側面よりも幅方向外側に突出すると、この磁気テープを使用する記録読取装置において、上記幅方向外側に突出したバック層11の側面や磁性層12の側面が磁気テープの側面位置を規制するガイドと摺接して削れ、その削れ屑が記録読取時のS/N低下の原因になる。
これに対して、後に説明する図3(a)から図3(c)に示すように、上刃3の刃先3aおよび下刃4の刃先4aの少なくとも一方に曲率半径数μm程度の略円弧状の面取り(本発明ではこの面取りをR面取りという)を施して、上記R面取りが施された一対の刃を使用してテープ原反5を裁断すると、裁断時に上刃3によって押し下げられた側面8では上記と同様にバック層11の側面8aがベース層10の側面8bよりも幅方向内側に位置し(図12(c)参照)、裁断時に下刃4上に位置したまま裁断された側面7では、バック層11の側面7aのベース層10の側面7bからの突出が抑制され、上記削れ屑が生じにくい態様の裁断面を有する細幅のテープを得ることができ、これにより上記S/Nの低下が抑制される(特許文献1参照)。
また、上記のように幅広の磁気テープ原反を多数の幅細の磁気テープに裁断する場合、特に下刃4については、裁断された磁気テープ6の幅が均一になるように互いに隣り合う各刃先4aの上記軸方向の間隔の設定に極めて高い精度が要求される。従って刃先4aが摩耗した場合に下刃4を下刃軸2から取り外して研磨すると、再度下刃軸2に組み付ける際に高精度で位置出ししなければならずこの組付けに多くの時間を要するので、一旦下刃軸2に下刃4を重ねて装着した後はそのままの状態で各下刃4の刃先4aにR面取りを施すことが望ましい。また、上刃3については上記下刃4ほどの高い精度は要求されないが、加工能率を高める観点より、各上刃3を上刃軸1のホルダ20から外して、各上刃3の各回転軸線が互いに一致するように多数の上刃3を重ねて各上刃3の刃先にR面取りを施すことが望ましい。
上記多数重ねられた円形の裁断刃(上刃3や下刃4)に対してR面取りを施す手法としては、磁性粒ブラシを用いて裁断刃の刃先にR面取りを施す手法が知られている(特許文献2参照)。この手法は、軸方向に多数並べられて回転する裁断刃の各刃先に研磨砥粒を担持して微動する磁性粒ブラシを接触させて、各刃先にR面取りを順次施すものであり、例えば、上記磁性粒ブラシを振幅1mm以下で振動させたり、あるいは回転させたりして各刃先にR面取りを施すものである。
特開2001−198778号公報 特開2002−144221号公報
しかしながら、上記方式でR面取りを施すと、多数の裁断刃における刃先の面取寸法のバラツキが大きく、加工された多数の裁断刃には上記面取寸法が公差内に入らないものが含まれることがある。このR面取りの方式は、基本的には多数重ねられた各裁断刃を順番に個別加工するものであり、全ての裁断刃に対して上記面取寸法が公差内に入るように加工条件の設定を行なうことが難しいという問題がある。なお、上記手法は加工能率が低く、多数重ねられた裁断刃の1枚あたりのR面取り加工に要する時間は5分から10分であり、全部の裁断刃の面取加工に長時間、例えば100枚重ねられた裁断刃のR面取り加工に1000分(10分×100枚)を要するという問題もある。
本発明の目的は、上記事情に鑑みてなされたものであり、軸方向に重ねられた複数の裁断刃の各刃先にR面取りを施す際の面取寸法のバラツキを抑制することができる裁断刃面取方法および装置を提供することにある。
本発明の裁断刃面取方法は、複数の円形の裁断刃をそれぞれの回転軸線が互いに一致するように重ねてなる円筒形状の裁断刃ユニットを用意し、磁極部に磁性粒を供給して形成した磁性粒ブラシに砥粒を供給して該砥粒をこの磁性粒ブラシに担持させ、裁断刃ユニットを前記回転軸線の回りに回転させつつ、磁極部の微動により磁性粒ブラシを微動させながら、磁性粒ブラシに担持された砥粒を各裁断刃に接触させて裁断刃の刃先にR面取りを施す裁断刃面取方法であって、磁極部を、裁断刃ユニットに対して該裁断刃ユニットの全体に亘って前記回転軸線の方向に相対的に移送しながら、前記磁気ブラシによる裁断刃のR面取りを行うとともに、この裁断刃ユニットの全体に亘る移送R面取りを複数回行なって所望のR面取りを達成することを特徴とするものである。
前記裁断刃ユニットは、各裁断刃の刃先にR面取りを施した後、各裁断刃を脱磁処理することが好ましい。
本発明の裁断刃面取装置は、複数の円形の裁断刃をそれぞれの回転軸線が互いに一致するように重ねてなる円筒形状の裁断刃ユニットを回転軸線の回りに回転させる裁断刃回転手段と、磁性粒からなる磁性粒ブラシを形成するための磁極部と、磁極部を微動させる磁極微動手段と、磁極部に形成された磁性粒ブラシに砥粒を供給する砥粒供給手段とを備え、前記磁性粒ブラシに砥粒供給手段により砥粒を供給して該砥粒を磁性粒ブラシに担持させるとともに、裁断刃回転手段により裁断刃ユニットを回転させつつ、磁極微動手段による磁極部の微動により磁性粒ブラシを微動させながら、磁性粒ブラシに担持された砥粒を各裁断刃に接触させて各裁断刃の刃先にR面取りを施す裁断刃面取装置であって、磁極部を、裁断刃ユニットに対して、該裁断刃ユニットの全体に亘って前記回転軸線の方向に相対的に移送する移送手段と、この移送手段に対して、磁性粒ブラシで裁断刃をR面取りしながらの前記磁極部の裁断刃ユニット全体に亘る移送を複数回行なわせる移送制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
前記裁断刃面取装置は、前記裁断刃ユニットの全体に亘る磁極部の複数回の移送中に、磁性粒ブラシに磁性粒を補給する磁性粒補給手段を備えたものとすることが好ましい。
前記「磁性粒ブラシを微動させる」とは、磁性粒ブラシを振動させたり、磁性粒ブラシをこの磁性粒ブラシの中心を通る軸の回りに回転させたり、磁性粒ブラシをこの磁性粒ブラシの中心から外れた位置を通る軸の周りに偏心させて回転させたり、裁断刃の外周に対する磁性粒ブラシの向きが変化するようにこの磁性粒ブラシを揺動させたりすることを意味するものである。なお、上記振動は、例えば1mm以下の振幅で振動させることが好ましい。
前記複数回は、5回以上、20回以下であることが好ましい。
本発明の裁断刃面取方法および装置は、磁極部を、裁断刃ユニットに対してこの裁断刃ユニットの全体に亘って回転軸線の方向に相対的に移送しながら、磁気ブラシによる裁断刃のR面取りを行うとともに、この裁断刃ユニットの全体に亘る移送R面取りを複数回繰り返して所望の面取りを達成するようにしたので、例えば、各刃先にR面取りを施す際の磁性粒ブラシと刃先との位置関係、あるいは各刃先にR面取りを施す際の時間経過に伴う温度の変化等によって生じる各刃先毎の加工条件の違いが、上記複数回の移送R面取りによって平均化され、これにより、各刃先毎のR面取りにおける加工条件の差を小さくすることができ、従来に比して刃先の面取寸法のバラツキを小さくすることができる。
また、上記のように裁断刃ユニットの全体に亘る移送R面取りを複数回繰り返して所望の面取りを達成するようにしたことによりR面取りの加工能率をも高めることができる。この理由の1つとしては、例えば、R面取りを施す際の磁性粒ブラシと各刃先との位置関係を、従来方式である各裁断刃を個別に加工する場合に比して様々に変化させることができ、この多様性(ランダム性)は一般にR形状の加工に適しているので、上記の場合においても砥粒の研磨力がより効果的に刃先のR面取りの形成に使われるようになったことが考えられる。
また、裁断刃ユニットの全体に亘る磁極部の複数回の移送中に、磁性粒ブラシに磁性粒を補給する磁性粒補給手段を備えるようにすれば、磁性粒ブラシを構成している磁性粒の一部がこの磁性粒ブラシから脱落しても、脱落した磁性粒を補って上記磁性粒ブラシの形状を常に一定の形状とすることができ、上記R面取りが施される際の各刃先毎の加工条件のバラツキをより小さくすることができる。これにより、各刃先の面取寸法のバラツキをさらに抑えることができる。
また、裁断刃ユニットが磁性体である場合には、この裁断刃ユニットを、各裁断刃の刃先にR面取りが施された後に脱磁処理すれば、付着した磁性粒を容易に取り除くことができるのでこの裁断刃ユニットのクリーニングを容易に行なうことができ、また、この裁断刃ユニットを磁気テープ等の裁断に使用する際の被裁断物、例えば磁気テープの磁化を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の裁断刃面取方法および装置によりR面取りを施す裁断刃の1例となる円形の裁断刃を備えた磁気テープ裁断装置の主要部を示す断面図であり、この磁気テープ裁断装置は公知の磁気テープ裁断装置と同様の構成を有するものである。図2は、図1における上刃と下刃の交わる部位を矢印H1方向から見た拡大図、図3は図1における上刃と下刃の交わる部位を示す拡大断面図、図4は上刃の刃先および下刃の刃先における後述するT値を示す図である。
図示の裁断装置は、同一平面上に軸方向(図中矢印X方向)が互いに平行となるように配置された上刃軸1と下刃軸2とを備えており、上刃軸1に重ねられて配設された複数のホルダ20それぞれには外周が円形の裁断刃である複数の上刃3がそれぞれ装着され、下刃軸2には外周が円形の裁断刃である複数の下刃4が上記軸方向に重ねられて直接この下刃軸2に装着されている。上記各上刃3はそれらの刃先3aが上記軸方向に一定間隔を置いて並ぶように上刃軸1に装着され、各下刃4もそれぞれの刃先4aが上記軸方向に一定間隔をおいて並ぶように下刃軸2装着されている。
各上刃3の刃先3aは各下刃4の刃先4aに対応して位置し、対応する上刃3と下刃4とで対をなしている。また、対をなしている上刃3と下刃4とは、図2に示すように、それらの刃先3aの一部分と刃先4aの一部分とが上記軸方向(紙面に垂直な方向)に互いに重なり合うように配設されており、各上刃3および下刃4の互いに重なり合う領域に磁気テープ原反5を通してこの磁気テープ原反5を長手方向(図中矢印Y方向)に裁断する。
大径部20pと小径部20qとを有し上刃軸1と同軸に配設されている複数のホルダ20は、各大径部20pの隣(図中右方)に小径部20qが配されており、この小径部20qの外周に厚さが薄く外周に刃先3aが形成された上刃3が装着されるとともに、この小径部20qの外周に嵌合する皿バネ22が上刃3を上記軸方向の一方(図中右方)に付勢している。
また、下刃軸2に直接装着された大径部4fと小径部4gとを有する各下刃4は、各大径部4fの隣(図中右方)に小径部4gが配されており、小径部4gの外周側に切欠き部(以後、刃先受け凹部23という)を有している。この刃先受け凹部23に上刃3の刃先3aを受け入れ、その際上刃3は上述のように皿バネ22で軸方向一方(図中右方)に付勢されていることから上刃3は下刃4に当接して位置決めされている。
なお、図1は裁断装置の一部を示すものであり、実際には上刃3および下刃4共に上記軸方向にさらに多数取り付けられており、また、上刃3および下刃4の間を通して切断される磁気テープ原反5も上記軸方向にさらに延びている。
図3(a)は図1に示す上刃3と下刃4のそれぞれの刃先を含む部位を拡大して示した拡大断面図、図3(b)は上記裁断された磁気テープの左端部を示す拡大断面図、図3(c)は上記裁断された磁気テープ6の右端部を示す拡大断面図である。
図示のように、上刃3の刃先3aおよび下刃4の刃先4aには、R面取りが施されている。上記裁断装置においては、上刃軸1および下刃軸2をそれぞれモータ等の駆動源(図示は省略)で回転させることにより上刃3と下刃4とを回転させながら、図1に示すように、幅広の磁気テープ原反5を上刃3と下刃4との間に紙面に対して垂直な方向に移送し、それによって磁気テープ原反5を各対をなす上刃3と下刃4とで裁断して紙面に対して垂直に延びる複数本の幅細の磁気テープ6を得る。すなわち、互いに隣り合う上刃3同士の間に位置する磁気テープ原反の部分がそれぞれ1本の磁気テープ6になる。
磁気テープ6はベース層10とこのベース層10の一面側(図中下側)に積層されたバック層11と上記ベース層10の他面側(図中上側)に積層された磁性層12とを備えてなる。ベース層10は例えばPET、PENあるいはアラミド等で形成され、バック層11は例えばカーボンブラック等で形成されている。磁性層12は公知の磁性材料で形成されたものである。
裁断時に上刃によって押し下げられた磁気テープ6の裁断面である側面8においては、各刃先3a,4aのR面取りの有無にかかわらずバック層11の側面8aがベース層10の側面8bよりも幅方向内側に位置し(図3(c)参照)、バック層11の側面8aはベース層10の側面8bより幅方向外側に突出することはないが、ベース層10の側面8bに対する磁性層12の側面8cの位置が幅方向外側になったり幅方向内側になったりする。図3(c)では上記突出量δ2がマイナス(側面8cが側面8bより幅方向内側に位置している状態)の場合を示している。そして、刃先にR面取りを施す際の面取寸法を変更することにより上記突出量δ2を調節することができる。
一方、裁断時に下刃4上に位置したまま裁断された裁断面である側面7においては、各刃先3a,4aのR面取りの有無によってベース層10の側面7bに対するバック層11の側面7aの位置が幅方向外側になったり幅方向内側になったりする(図3(b)参照)。なお、図3(b)では上記突出量δ1がマイナス(側面7aが側面7bより幅方向内側に位置している状態)の場合を示している。そして、刃先にR面取りを施す際の面取寸法を変更することにより上記突出量δ1を調節することができる。
なお、上記突出量δ1、δ2は必ずしも0もしくはマイナスである必要はなく、多少はプラス(例えば、バック層11の側面7aがベース層10の側面7bよりも幅方向外側に位置している状態)であってもバック層の削れ屑の発生量が実用上問題にならない程度であれば差し支えなく、上記突出量δ1、δ2は+0.1μm程度までであれば削れ屑による問題は発生しにくいことが認められている。従って、上記突出量δ1、δ2は0.1μm以下であることが好ましく、削れ屑発生をほぼ0に押さえるという観点からは上記突出量δ1、δ2は0μm以下であることがさらに好ましい。
そして、上記突出量δ1、δ2をそのような値とするためには、刃先に施すR面取りの面取寸法を適切なものにすればよい。上記刃先の面取寸法はT値で示すことができ、このT値は、上刃3については図4(a)に示すように、上刃3の外周3uから上記軸方向(図中矢印X方向)に延びる線X1と上刃3の裁断を行なう側の側面3vから図中矢印Z方向である径方向に延びる線Z1との交点P1から刃先3aまでの距離tで示される。また、下刃4におけるT値は、図4(b)に示すように、下刃4の外周4uから上記軸方向(図中矢印X方向)に延びる線X1と下刃4の切断を行なう側の側面4vから図中矢印Z方向である径方向に延びる線Z1との交点P1から刃先4aまでの距離tで示される。なお、面取りが無い角形状を有する刃先のT値は0となる。
上記上刃の場合は、T値が0.3μm以上であることが好ましい。また、下刃の場合は、T値が0.2μm以上であることが好ましい。
一方、上刃および下刃においてT値が大きくなると裁断性能(切れ味)が低下するので、所望の裁断性能を確保するためには、例えば、T値が3μm以下であることが好ましい。
従って、上記突出量と裁断性能とを考慮して、上刃の場合は、T値が0.3μm〜3μmであることが好ましい。また、下刃の場合は、T値が0.2μm〜3μmであることが好ましい。
なお、上記T値は、厚みが7.5μmの標準的な磁気テープ原反を裁断する場合における値であるが、磁気テープ原反の厚さやベース層の強度あるいは裁断条件の違い等によって、裁断に最適なT値は変動する。
次に、裁断刃である上記上刃3および下刃4の刃先に所望のR面取りを施す本発明の裁断刃面取装置について説明する。図5は後述する下刃ユニットを示す図、図6は後述する上刃ユニットを示す図、図7は、本発明の裁断刃面取方法を実施する裁断刃面取装置の概略構成を示す図であり、図7(a)は平面図、図7(b)は正面図、図8は図7(b)の8−8断面を拡大して示す図である。
上記のように、多数(例えば90枚)の下刃4を下刃軸2から取り外すと再組付けに多くの時間を要することから、下刃4を下刃軸2に装着した状態で各刃先4aの再研磨およびR面取りを行う。以後、図5に示す、複数の円形の裁断刃である下刃4をそれぞれの回転軸線が互いに一致するように下刃軸2に重ねて装着してなる円筒形状の裁断刃ユニットを下刃ユニット35という。
また、上刃3の刃先3aを再研磨してR面取りを施す場合は、上刃軸1から多数(例えば90枚)の上刃3を取り外し、図6に示すように各上刃3を別途用意した研磨用軸31に重ねて通し、1対のステンレス製の円筒形状スペーサ32を介して両側からナット33で締め付けて研磨用軸31に多数の上刃3を装着し、その状態で刃先の再研磨および面取りを行う。なお、研磨用軸31は油圧にて外径が拡張するものであり、この外径の拡張により上記装着された多数の上刃3の研磨用軸31に対する偏心を補正することができる。以後、複数の円形の裁断刃である上刃3をそれぞれの回転軸線が互いに一致するように研磨用軸31に重ねて装着してなる円筒形状の裁断刃ユニットを上刃ユニット30という。
上刃3および下刃4は、弱磁性体であるタングステンカーバイド(WC)を主成分とする超硬合金からなる。また、上刃軸1、下刃軸2および研磨用軸31は強磁性体である鉄を主成分とする鋼からなるものである。
ここでは、各上刃3の刃先3aおよび各下刃4の刃先4bが再研磨されて各刃先におけるT値が略0となっている上刃ユニット30および下刃ユニット35に対してR面取りを施す場合について説明する。
上記裁断刃面取装置100は、上記下刃ユニット35をこの下刃ユニット35の回転軸線E1の回りに回転させる裁断刃回転部40と、磁性粒Jからなる磁性粒ブラシ45を形成するための磁極部50と、磁極部50を微動させる磁極微動部55と、磁極部50に形成された磁性粒ブラシ45に砥粒Gを供給する砥粒供給部60とを備え、砥粒供給部60により砥粒Gを磁性粒ブラシ45に供給してこの砥粒Gを磁性粒ブラシ45に担持させるとともに、裁断刃回転部40により下刃ユニット35を回転させつつ、磁極微動部55による磁極部50の微動により磁性粒ブラシ45を回転させながら、磁性粒ブラシ45に担持された砥粒Gを下刃ユニット35の各下刃4に接触させて各下刃4の刃先4aにR面取りを施すものである。
また、この裁断刃面取装置100は、磁極部50を、下刃ユニット35に対してこの下刃ユニット35の全体に亘って回転軸線E1方向(図中矢印X方向)に相対的に移送する移送部65と、移送部65に対して、磁性粒ブラシ45で各下刃4をR面取りしながらの磁極部50の下刃ユニット35全体に亘る相対的な移送を複数回行なわせる移送制御部70と、下刃ユニット35の全体に亘る磁極部50の複数回の移送中に、磁性粒ブラシ45に磁性粒を補給する磁性粒補給部75と、磁極微動部55を、上記回転軸線E1と直交する水平方向(図中矢印Y方向)に移動させて、裁断刃回転部40に支持された下刃ユニット35の下刃4の刃先4aに対して、磁極微動部55が保持している磁極部50を接近させたり遠ざけたりする磁極送り部80とを備えている。なお、磁極送り部80と移送部65とは共通のベース台85上に配置されている。
裁断刃回転部40は、基台41と、基台41上の一端(紙面左側)に配設された軸受部42Aおよび上記基台41上の他端(紙面右側)に配設された軸受部42Bとから構成されている。軸受部42Aは、芯出し用のテーパ凸部が形成されたテーパ軸受43Aと、このテーパ軸受43Aを回転させる駆動モータ部44Aとを有し、上記テーパ軸受43Aのテーパ凸部が、下刃ユニット35の下刃軸2の一端(紙面左側)に形成された芯出し用の左テーパ凹部36Aに嵌合している。軸受部42Bは、芯出し用のテーパ凸部が形成されたテーパ軸受43Bを有し、上記テーパ軸受43Bのテーパ凸部が下刃軸2の他端(紙面右側)に設けられた芯出し用の右テーパ凹部36Bに嵌合する。
下刃ユニット35は、上記回転軸線E1の方向が上記矢印X方向に一致するように、上記テーパ軸受43Aおよびテーパ軸受43Bを介して裁断刃回転部40に支持されており、駆動モータ部44Aの駆動により下刃ユニット35は上記回転軸線E1の回りに回転する。
移送部65は、基台41を介して裁断刃回転部40を支持し、図中矢印X方向にこの裁断刃回転部40を移送する。
磁極微動部55は、図8に示すように、上記矢印Y方向に延びる回転軸線K1の回りに回転軸を回転させる回転モータ56と、回転モータ56の回転軸56Aの下刃ユニット35の側の先端に配設された磁極部50を保持するホルダ部57と、回転モータ56を磁極送り部80に連結する連結部58とを備え、回転モータ56の回転軸56Aを回転させて磁極部50を回転させる。なお、回転軸56Aの回転軸線K1が磁極部50の概略中心を通るようにホルダ部57が磁極部50を保持している。
磁極部50は、例えば1辺が10mmの正方形断面を有する4角柱形状の永久磁石からなり、下刃ユニット35に対向する先端部50Aが鋸刃状に形成され、この鋸刃が磁極部50からの磁性粒Jの脱落を抑制している。上記磁性粒Jとしては、例えば、鉄、ステンレスなどの磁性体からなる粒状、あるいはピン状のものを採用することができ、磁性粒Jが粒状の場合には、粒径が5μmから200μmであることが好ましく、粒径が30μmから100μmであることがさらに好ましいる。
砥粒供給部60は、オイルに砥粒Gを混合して作成したスラリーを溜めておくタンクおよびこのスラリーを上記タンクから後述するノズル部62に押し出す圧力を発生させるポンプ等からなるポンプ本体部61と、ポンプ本体部61から押し出されたスラリーの滴下位置を定めるノズル部62とからなる。上記ノズル部62から磁性粒ブラシ45に供給されたスラリーの中に含まれる砥粒Gがこの磁性粒ブラシ45に担持される。なお、砥粒Gは、ダイヤモンド砥粒、酸化アルミナ砥粒、窒化ケイ素砥粒等を混合したものである。
磁性粒補給部75は、上記ベース台85に固定されたスタンド76と、このスタンドに支持された磁性粒Jが蓄積される容器77とからなる。容器77は、上部に径の大きな開口である大径開口部77Aと、下部に設けられた斜め下に向かってテーパ状に突き出しているテーパ管路の先に径の小さな開口である小径開口部77Bとを有し、大径開口部77Aに投入された磁性粒Jが小径開口部77Bを通して少しずつ上記下刃ユニット35に向けて落下することにより、例えば、磁性粒Jを数時間に亘って磁性粒ブラシ45に補給しつづけることができる。なお、小径開口部77Bは磁極部50の上方に配置されている。
ここで、上記磁極送り部80および移送部65はどのように構成されたものであってもよく、例えば、従来より知られている機械要素等で構成することができる。より具体的には、移動機構としてはレール上に移動台を移動させるボール・レールシステム、あるいはエアスライドシステム等を採用することができ、駆動力伝達機構としては、ラック・ピニオン機構、ボールネジ・ボールブッシュ機構、あるいはピストン・シリンダ機構等を採用することができる。また、駆動原としては、モータ、油圧アクチュエータ、空圧アクチュエータ等を採用することができる。
つづいて、上記裁断刃面取装置100によって下刃ユニット35の下刃4の刃先4aにR面取りを施す場合の作用について説明する。図9は磁極部を下刃ユニットに対して相対的に移送する様子を示す平面図、図10は下刃の刃先に対する磁性粒ブラシの位置が徐々に変化する様子を示す図である。
移送部65により裁断刃回転部40を上記矢印X方向に移動させて、下刃ユニット35の外周と磁極微動部55が保持している磁極部50の先端部50Aとが対向するように位置を定めた後、磁極送り部80により上記磁極微動部55を上記矢印Y方向に移動させて上記磁極部50と下刃ユニット35の外周との間隔が例えば2mm程度となるように調節する。
次に、移送部65により裁断刃回転部40を上記矢印X方向移動させて、下刃ユニット35中の下刃4が多数並ぶ領域から外れた下刃ユニット35の外周の左端部35Lあるいは右端部35Rに上記磁極部50が対向するように、この磁極部50の位置を定める。なお、上記左端部35Lおよび右端部35Rの外径は概略下刃4の外径と等しい。ここでは、図9に示すように磁極部50の位置を左端部35L側に定める。
磁極部50と上記左端部35Lの外周との間に、例えば手作業により例えば20グラムの磁性粒Jを挿入して、磁極部50から下刃ユニット35の外周に延びる磁性粒Jからなる磁性粒ブラシ45を形成する。磁極部50に形成された上記磁性粒ブラシ45の形状は磁極部50から下刃ユニット35の外周に向けて広がる概略円錐形状となり、この円錐形状は上記回転モータ56の回転軸線K1に対して概略回転対称となる。つづいて、この磁性粒ブラシ45に砥粒Gを含むスラリーを供給して砥粒Gをこの磁性粒ブラシ45に担持させる。なお、上記スラリーの供給量は、例えば10cc/分に設定する。
上記裁断刃回転部40により下刃ユニット35を回転させつつ、磁極微動部55による磁極部50の回転により上記磁性粒ブラシ45を回転させながら、移送部65により、磁極部50を、下刃ユニット35に対してこの下刃ユニット35の全体に亘って回転軸線E1方向に相対的に移送する。そして、磁性粒ブラシ45に担持された砥粒Gを各下刃4に接触させて各下刃4の刃先4aにR面取りを施す「移送R面取り」を行なう。なお、本実施の形態においては、上記磁極部50の下刃ユニット35の全体に亘る相対的な移送は、移送部が下刃ユニット35を移送することにより実施しているが、上記相対的な移送は、移送部が磁極部50を保持している磁極微動部55を移送することにより実施してもよいし、あるいは、移送部が下刃ユニット35および上記磁極微動部55を共に移送することにより実施してもよい。
ここでは、上記磁極微動部55の回転モータ56の回転軸56Aの回転数は、例えば1400rpmに設定され、裁断刃回転部40による下刃ユニット35の回転数は例えば105rpmに設定されている。
上記1回目の移送R面取りが終了すると、この磁極部50は下刃ユニット35の外周の右端部35Rに位置する。
2回目の移送R面取りでは、上記下刃ユニット35に対する磁極部50の相対的な移送により、磁極部50に形成された磁性粒ブラシ45を下刃ユニット35の右端部35Rから左端部35Lへ相対的に移動させる。
上記R面取りは、移送制御部70による移送部65の制御により磁性粒ブラシ45を下刃ユニット35の左端部35Lから右端部35Rへ相対的に移動させる右方向への移送R面取りを行なったり、あるいは磁性粒ブラシ45を下刃ユニット35の右端部35Rから左端部35Lへ相対的に移動させる左方向への移送R面取りを行なったりして実施される。
また、上記移送制御部70の制御により複数回行なわれる上記R面取りは、上記右方向への移送R面取りだけを行なって実施してもよいし、あるいは上記左方向への移送R面取りだけを行なって実施してもよく、また、右方向への移送R面取りと左方向への移送R面取りとを組み合わせて実施するようにしてもよい。なお、上記移送R面取りを行なうことなく磁性粒ブラシ45を上記左端部35Lから右端部35R、あるいは右端部35Rから左端部35Lへ相対的に移動させる場合には、磁極送り部80により、磁極微動部55を上記Y方向に移動させて磁極部50と下刃ユニット35の外周との間隔が広がるようにし、磁性粒ブラシ45によって下刃4の刃先4aが加工されないようにする。
また、各回の移送R面取りは、下刃ユニット35に対する磁極部50の相対的な移動方向を一定にして実施することが好ましく、下刃ユニット35に対する磁極部50の相対的な移動速度を一定にして実施することがさらに好ましい。
移送制御部70による移送部65の制御により、上記移送R面取りを複数回、例えば15回行ない下刃ユニット35の各下刃4の刃先4aに対して所望の、例えばT値が0.5μmから2μmとなるR面取りを施すが、上記R面取りによって得られるT値の大きさは、移送R面取りを行なう回数が多くなるにしたがって増大するので、例えば上記移送R面取りの回数の設定によりT値の大きさを調節することができる。
また、図10(a)から図10(c)に示すように、上記移送R面取りにおいて、下刃ユニット35中の下刃4の刃先4aに対する磁性粒ブラシ45の位置は様々に変化し、例えば、下刃ユニット35に対して磁性粒ブラシ45が図中右方に相対的に移動する場合には、特定の下刃4の刃先4aへの磁性粒ブラシ45の接触開始段階では図10(a)に示すように、磁極部50から下刃ユニット35の外周に亘って並ぶ磁性粒Jからなり刃先4aに接触する磁性粒ブラシ列45aの延びる方向は下刃4の外周4uに対して鈍角(角度α1)を成す。その後、図10(b)に示すように、刃先4aに接触する磁性粒ブラシ列45bの延びる方向は下刃4の外周4uに対して概略直角(角度α2)を成し、磁性粒ブラシ45が刃先4aから離れる接触終了段階では図10(c)に示すように、刃先4aに接触する磁性粒ブラシ列45aの延びる方向は下刃4の外周4uに対して鋭角(角度α3)を成す。このように、刃先4aに対して上記磁性粒ブラシ列は様々な角度で接触する。
なお、上記R面取りが始まった後に磁性粒補給部75の大開口部76に磁性粒Jを投入し、上記投入した磁性粒Jを小開口部77を通して少しずつ落下させることにより、磁性粒ブラシ45に磁性粒Jを補給することもできる。また、上記手作業による磁性粒Jの挿入を行なうことなく、上記磁性粒補給部75による磁性粒Jの供給によって、上記R面取りにおける最初の磁性粒ブラシ45の形成と、この形成された磁性粒ブラシ45への磁性粒Jの補給とを行なうようにしてもよい。
上記所望のR面取りが行なわれた後、裁断刃回転部40から外された下刃ユニット35は脱磁処理される。図11は下刃ユニット35を脱磁処理する様子を示す図である。図11に示すように、この脱磁処理は下刃ユニット35の下刃軸2の両端それぞれに環状ベルトUに通してこれら2本の環状ベルトUで下刃ユニット35吊り上げ、2本の環状ベルトUを同期させ循環移動させて下刃ユニット35を約30rpmで回転させながらこれらの環状ベルトUを同時に水平に移動させ、平面型脱磁器89上に発生させた交番磁界中に下刃ユニット35を通してこの下刃ユニット35の脱磁を行なうものである。
なお、上記下刃ユニット35の場合と同様に、図6に示す上刃ユニット30の各上刃3の刃先3aについても裁断刃面取装置100により所望のR面取りを施すことができる。上刃ユニット30の各刃先3aにR面取りが施される場合には、R面取りが施された上刃ユニット30が裁断刃回転部40から外された後で、各上刃3が上刃ユニット30の研磨用軸31から取り外される。そして、各上刃3が上刃軸1に再び装着され上記図1に示す元の状態に戻され、この状態において上記脱磁処理が施される。
次に、上記R面取りを本発明の方式で実施した実施例と、参考文献2に示されている公知の方式で実施した比較例とについて説明する。
<実施例1>
実施例1は、上記裁断刃面取装置を用い下記の条件で裁断刃ユニットにR面取りを施したものである。
1加工条件
・磁性粒J
磁性粒Jの構成:針状または粒状(粒状の場合の平均粒径:30〜100μm)
磁性粒Jの補給量:2グラム/分
・磁極部
形状:1辺10mmの正方形断面を有する4角柱形状(先端は鋸状)
材質:鉄
・スラリー
スラリーの構成:不水溶性切削油剤(ダイヤモンド砥粒を添加したもの)
ダイヤモンド砥粒の仕様:人工ダイヤモンド(粒径1μm以下)
スラリーの濃度:2%(切削油100ccに対して、人工ダイヤモンド2グラムを混ぜたもの)
スラリーの供給量:10cc/分
・裁断刃ユニットの構成
裁断刃の材質:超微粒超硬合金(WC)
裁断刃の直径:上刃直径150cm、下刃直径135cm
裁断刃の刃先の間隔:1/2インチ
重ねて装着されている裁断刃の数:90枚
・磁極微動部による磁極部の微動仕様
磁極部の微動方式:回転
磁極部の微動速度:回転数1400rpm
・R面取りの仕様
R面取りのT値:1.2μm
移送R面取りの実施回数:15回(15往復)
移動速度および移動方向:一定速度(400mm/分)で一方向へ磁極部を裁断刃ユニットに対して相対的に移送する移送R面取りの後、一定速度(400mm/分)で上記方向とは反対方向へ磁極部を裁断刃ユニットに対して相対的に移送する移送R面取りを繰り返す。
総加工時間:86分
2.加工結果
・T値のバラツキの標準偏差σ1=0.08μm(チャンピオンデータはσ1=0.05μm)
<比較例1>
比較例1は、上記と同様の裁断刃面取装置を用い、下記の条件において裁断刃ユニットの各裁断刃毎に個別にR面取りを行なって各裁断刃を順番に仕上げるようにしたものである。
1加工条件
・磁性粒J:実施例1と同様
・磁極部:実施例1と同様
・スラリー:実施例1と同様
・裁断刃ユニットの構成:実施例1と同様
・磁極微動部による磁極部の微動仕様:実施例1と同様
・R面取りの仕様
R面取りのT値:1.2μm
裁断刃1枚当りの加工時間:8分
総加工時間:720分
2.加工結果
・T値のバラツキの標準偏差σ1=0.25μm
上記のように、本発明によれば、軸方向に重ねられた多数の裁断刃の各刃先にR面取りを施す際の面取寸法のバラツキを抑制することができる。これとともにR面取りの加工能率をも高めることもできた。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を超えない範囲において種々の変更態様を取り得る。また、上述の裁断刃面取方法および装置は、磁気テープ原反の裁断に用いられる裁断刃のR面取り以外にも、例えば写真フィルム等の種々のシート状のものの裁断に用いられる裁断刃のR面取りにも適用可能である。
なお、上記裁断刃面取装置は、磁性粒ブラシに磁性粒を補給する磁性粒補給手段を備える場合に限定されるものではない。
また、裁断刃ユニットは、各裁断刃の刃先にR面取りが施された後に必ずしも脱磁処理を行なう必要はなく、上記R面取りが施された後に裁断刃ユニットを脱磁処理することなく使用するようにしてもよい。また、上記裁断刃は超硬合金製に限らず、例えば脱磁処理が不用な非磁性体であるセラミック製の裁断刃等であってもよい。
R面取りの対象となる上刃および下刃を備えた磁気テープ裁断装置の主要部を示す断面図 図1において矢印II方向から上刃と下刃が交わる領域を見た図 図1において上刃と下刃が交わる領域を示す拡大断面図 面取寸法(T値)を説明する図 下刃ユニットを示す図 上刃ユニットを示す図 本発明の裁断刃面取方法を実施する裁断刃面取装置の概略構成を示す図 図7(b)の8−8断面を拡大して示す図である。 磁極部を下刃ユニットに対して相対的に移送する様子を示す平面図 下刃の刃先に対する磁性粒ブラシの接触角度が変化する様子を示す図 下刃ユニットに脱磁処理を施す様子を示す図 角形状の刃先を有する上刃および下刃を用いて磁気テープ原反を裁断する様子を示す図
符号の説明
J 磁性粒
G 砥粒
4 下刃
35 下刃ユニット
40 裁断刃回転部
45 磁性粒ブラシ
50 磁極部
55 磁極微動部
60 砥粒供給部
65 移送部
70 移送制御部
75 磁性粒補給部
100 裁断刃面取装置

Claims (3)

  1. 複数の円形の裁断刃をそれぞれの回転軸線が互いに一致するように重ねてなる円筒形状の裁断刃ユニットを用意し、
    磁極部に磁性粒を供給して形成した磁性粒ブラシに砥粒を供給して該砥粒をこの磁性粒ブラシに担持させ、
    前記裁断刃ユニットを前記回転軸線の回りに回転させつつ、前記磁極部の微動により前記磁性粒ブラシを振動、回転、または揺動させながら、該磁性粒ブラシに担持された前記砥粒を各裁断刃に接触させて裁断刃の刃先にR面取りを施す裁断刃面取方法であって、
    前記裁断刃ユニットが、ベース層と該ベース層の一面側に積層されたバック層と前記ベース層の他面側に積層された磁性層とを有する幅広の磁気テープ原反を複数本の幅細の磁気テープに裁断するものであり、
    前記磁極部を、前記裁断刃ユニットに対して該裁断刃ユニットの全体に亘って前記回転軸線の方向に相対的に移送しながら、前記磁気ブラシによる前記裁断刃のR面取りを行うとともに、前記磁性粒ブラシに磁性粒を補給しつつ、この裁断刃ユニットの全体に亘る移送R面取りを複数回行なって所望のR面取りを達成することを特徴とする裁断刃面取方法。
  2. 前記裁断刃ユニットを、各裁断刃の刃先にR面取りを施した後、各裁断刃を脱磁処理することを特徴とする請求項1記載の裁断刃面取方法。
  3. 複数の円形の裁断刃をそれぞれの回転軸線が互いに一致するように重ねてなる円筒形状の裁断刃ユニットを前記回転軸線の回りに回転させる裁断刃回転手段と、
    磁性粒からなる磁性粒ブラシを形成するための磁極部と、
    前記磁極部を微動させる磁極微動手段と、
    前記磁極部に形成された磁性粒ブラシに砥粒を供給する砥粒供給手段とを備え、
    前記磁性粒ブラシに前記砥粒供給手段により砥粒を供給して該砥粒を該磁性粒ブラシに担持させるとともに、前記裁断刃回転手段により前記裁断刃ユニットを回転させつつ、前記磁極微動手段による前記磁極部の微動により前記磁性粒ブラシを振動、回転、または揺動させながら、前記磁性粒ブラシに担持された前記砥粒を各裁断刃に接触させて各裁断刃の刃先にR面取りを施す裁断刃面取装置であって、
    前記裁断刃ユニットが、ベース層と該ベース層の一面側に積層されたバック層と前記ベース層の他面側に積層された磁性層とを有する幅広の磁気テープ原反を複数本の幅細の磁気テープに裁断するものであり、
    前記磁極部を、前記裁断刃ユニットに対して該裁断刃ユニットの全体に亘って前記回転軸線の方向に相対的に移送する移送手段と、
    前記移送手段に対して、前記磁性粒ブラシで前記裁断刃をR面取りしながらの前記磁極部の前記裁断刃ユニット全体に亘る移送を複数回行なわせる移送制御手段と
    前記裁断刃ユニットの全体に亘る前記磁極部の複数回の移送中に、前記磁性粒ブラシに磁性粒を補給する磁性粒補給手段とを備えたことを特徴とする裁断刃面取装置。
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