JP2016182661A - 面取り加工された基板及び液晶表示装置 - Google Patents

面取り加工された基板及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】矩形又は多角形の被加工材(基板、ウエーハ、カバーガラス)であっても、端面強度を向上し、化学強化を行った後に切断、面取り加工することを可能とし、インセル型の液晶表示装置等の生産効率を向上する。【解決手段】端面を研削砥石69、72に形成された研削溝74で面取り加工された基板W(ウエーハ、カバーガラス、被加工材)において、基板Wは平面形状が矩形状とされ、そのほぼ全周に渡って、端面の厚さ方向の中央部が3〜15°でヘリカル研削され、さらに端面の上部及び下部が面取り角度でヘリカル研削されている。【選択図】図11

Description

本発明は、シリコン、サファイア、化合物、ガラス等の様々な素材、特に半導体ウエーハ、カバーガラス等の板状被加工材の端面を高精度に面取り加工された基板及び液晶表示装置に関し、被加工材の平面形状に円形以外の直線部を有するものに好適である。
近年、ウエーハの品質向上の要求が強く、ウエーハ端面(エッジ部)の加工状態が重要視され、半導体デバイス等の作製に使用されるシリコンウエーハ等の半導体ウエーハは、ハンドリングによるチッピングを防止するため、縁部を研削することで面取り加工が行われ、研磨による鏡面面取り加工が行われている。つまり、半導体製造工程において、ウエーハ製造からデバイス製造に至るまで、エッジ特性の品質改善は必要不可欠なプロセスとなっている。
シリコン等は固くてもろく、ウエーハの端面がスライシング時の鋭利なままでは、続く処理工程での搬送や位置合わせなどの取り扱い時に容易に割れたり欠けたりして、断片がウエーハ表面を傷つけたり汚染したりする。これを防ぐため、切り出されたウエーハの端面をダイヤモンドでコートされた面取り砥石で面取りする。この時、バラツキのある外周の直径を合わせ、オリエンテーションフラット(OF)の幅の長さを合わせる事や、ノッチと呼ばれる微少な切り欠きの寸法を合わせる事も含まれる。
また、従来の液晶パネルとカバーガラスの間にタッチセンサーガラスをサンドイッチしていた構造からカバーガラスにタッチセンサを一体化した構造が多くなっている。そこでは、大きなガラス基板を所定のカバーガラスの大きさに切断してから、面取り加工を行い、その後に化学強化を行い、その後にマスキング印刷やセンサー電極の形成を行っていた。
さらに、通常の研削ではレジン砥石の回転軸に対してウエーハの主面が垂直となる状態で面取り部を研削するが、この場合、面取り部には円周方向の研削痕が発生し易い。そこで、ウエーハに対して例えばレジンボンド砥石(レジン砥石)を傾けてウエーハの面取り部を研削する、いわゆるヘリカル研削を行うことが知られている。
ヘリカル研削を行うと、通常研削に比べ面取り部の加工歪みを低減させるだけでなく、ウエーハの面取り部と砥石との接触領域が増えて面取り部の表面粗さが改善される効果が得られる。
さらに、レジン砥石等により半導体ウエーハの面取り部をヘリカル研削する際、面取り部の連続加工を行うとレジン砥石の溝の上下の角度が徐々に変化する結果、ウエーハの面取り部の上下非対称性が一層大きくなる。そのため、上下非対称の形状の溝が周囲に形成された第1の砥石の溝で円盤状のツルアーの縁部を研削してツルアーの縁部を上下非対称の溝形状に成形し、ツルアーと第2の砥石とを相対的に傾けて該第2の砥石の周囲に溝を形成し、第2の砥石により溝方向に対してウエーハを相対的に傾けて上下略対称のレジン砥石を得て、面取り部を精研削することが知られ、例えば特許文献1に記載されている。
また、面取り用砥石の回転軸をウエーハの回転軸に対して所定角度傾斜させた面取り方法において、外周研削砥石にウエーハ外周部と、OF部用の加工溝を形成することが知られ、例えば特許文献2に記載されている。
さらに、ノッチ部の面取り幅を一定にするため、砥石を面取り中にウエーハの厚さ方向に相対的に移動させることが知られ、特許文献3に記載されている。
特開2007−165712号公報 特開2007−21586号公報 特開2005−153129号公報
上記従来技術において、薄型化、軽量化されたスマートフォンやタブレットにおいて、大きなガラス基板を所定のカバーガラスの大きさに切断してから面取り加工を行い、その後に化学強化を行う方法では、切断されたガラス基板の一つ一つに対して化学強化及び次の工程である、印刷やセンサー電極の形成を行なわなければならず、生産効率が著しく低くならざるを得なかった。しかし、化学強化を行った大きなガラス基板にマスキング印刷して、センサー電極を形成し、その後に切断、面取り加工する方法では、面取りの加工品質、加工面粗さ、マイクロクラックの発生などがガラス基板の端面強度に直接影響し、通常の面取り研削では困難であった。
また、特許文献1に記載のものでは、上下非対称の形状の溝が周囲に形成された第1の砥石が必要で、その形状の決定が困難である。また、円形のウエーハの場合は全周で同じ形状で済むので一意的に決定できるが、OFの付いたウエーハ基板、角に円弧が付いた矩形又は多角形のウエーハ、基板、カバーガラス等で円形部と非円形部がある場合には、さらに困難であるばかりか、レジン砥石の溝の上下の角度の変化も円形部から非円形部へ移る位置、角部で大きくなり、全周をヘリカル研削することは極めて困難であった。つまり、角を有する基板(ワーク)の角部では砥石の溝の上面と下面のうちの片方のみ当たる片当たりが発生し、良好な面取りができなかった。
特許文献2に記載のものでは、研削工程が複雑化し、円形部が主体で非円形部が少ない場合には良いが、矩形又は多角形の場合には適用が困難であった。
特許文献3に記載のものでは、砥石を面取り中にウエーハの厚さ方向に相対的に移動させながら行わなければならないため、面取りの精度を上げるためにはウエーハあるいは砥石の厚さ方向のコントロールが複雑で困難であった。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、矩形又は多角形のウエーハ、基板、カバーガラス等で円形部と非円形部とを有するものでも端面及び面取り斜面のヘリカル研削を容易に可能とし、端面強度を向上し、形状崩れ、マイクロクラックの発生などを少なくして、化学強化を行った後に面取り加工することを実現することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、端面を研削砥石に形成された研削溝で面取り加工された基板において、前記基板は平面形状が矩形状とされ、そのほぼ全周に渡って、前記端面の厚さ方向の中央部が3〜15°でヘリカル研削され、さらに前記端面の上部及び下部が面取り角度でヘリカル研削されたものである。
また、上記のものにおいて、前記基板は、化学強化が行われた後に、所定の形状に切断されて前記端面がヘリカル研削され、さらに前記端面の上部及び下部が面取り角度でヘリカル研削されたものである。
さらに、上記のものにおいて、前記端面の上部が前記研削溝の上面斜面で研削され、その後、前記基板を前記研削砥石に対して相対的に前記厚さ方向に下降させて再び研削、あるいは、前記端面の下部が前記研削溝の下面斜面で研削され、その後、前記基板を前記研削砥石に対して相対的に前記厚さ方向に上昇させて再び研削、されたことが好ましい。
さらに、上記のものにおいて、前記端面の上部あるいは下部を全周に渡って前記研削溝で1周するように研削し、その後、前記基板を前記研削砥石に対して相対的に前記厚さ方向に下降あるいは上昇させて、さらに1周研削されたことが好ましい。
さらに、上記のものにおいて、前記端面の加工は、それぞれ前記端面の上部の研削、中央部の研削、下部の研削とで行われたことが好ましい。
さらに、上記のものにおいて、前記上部の研削、中央部の研削、下部の研削は、それぞれ前記端面を全周に渡って前記研削溝で1周するように行われたことが好ましい。
さらに、上記のものにおいて、前記基板は、その平面にマスキング印刷、センサー電極の形成が行われていることが好ましい。
また、液晶パネルの中にタッチセンサを組み込んだインセル型の液晶表示装置において、端面を研削砥石に形成された研削溝で面取り加工されたカバーガラスを備え、前記カバーガラスは平面形状が矩形状とされ、そのほぼ全周に渡って、前記端面の厚さ方向の中央部が3〜15°でヘリカル研削され、さらに上部及び下部が面取り角度でヘリカル研削されたものである。
本発明によれば、基板は平面形状が矩形状とされ、そのほぼ全周に渡って、端面の厚さ方向の中央部が3〜15°でヘリカル研削され、さらに端面の上部及び下部が面取り角度でヘリカル研削されているので、矩形又は多角形の被加工材であっても、表面粗さを良好にし、形状崩れを少なくすることができる。その結果、ガラス基板の端面強度が向上され、化学強化を行った後に切断、面取り加工することを可能とし、インセル型の液晶表示装置等の生産効率を向上できる。
本発明の一実施形態に係る面取り装置の主要部を示す平面図。 一実施形態における加工部の構成を示す斜視図。(被加工材が円形と直線部) 図2における平面図。 一実施形態における加工部の構成を示す斜視図。(被加工材が主に直線部) 図4における平面図。 一実施形態における研削溝と被加工材との関係を示す側面図。(上面の加工) 一実施形態における研削溝と被加工材との関係を示す側面図。(下面の加工) 被加工材と研削砥石の上下端部との当接を説明する平面図。 従来の板材の端面加工のヘリカル研削を示す斜視図。 従来の研削と一実施形態による研削との違いを説明する側面図。 一実施形態による面取り加工方法により加工された被加工材の端面を示す側面図。 他の実施形態による面取り加工方法の手順を示す側面図。 本発明の実施形態に係る研削砥石と被加工材との詳細を示す側面図。 本発明の実施形態に係るタッチパネルの基本構造を示す断面図。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。この実施形態により発明が限定されるものでなく、実施形態における構成要素には当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものも含まれる。
図1は本発明の一実施形態に係る面取り装置の主要部示す平面図である。面取り装置は、主に供給回収部20、加工部10を有し、その他図示していないが、プリアライメント部、洗浄部、後測定部、搬送部等から構成される。
ウエーハ加工工程は、スライス→面取り→ラップ→エッチング→ドナーキラー→精面取りの順で行われ、工程間には汚れを取り除くため、各種洗浄が用いられる。シリコン等は固くてもろく、ウエーハの端面がスライシング時の鋭利なままでは、続く処理工程での搬送や位置合わせなどの取り扱い時に容易に割れたり欠けたりして、断片がウエーハ表面を傷つけたり汚染したりする。これを防ぐため、面取り工程では切り出されたウエーハの端面をダイヤモンドでコートされた面取り砥石で面取りする。
面取り工程は、ラッピング工程の後に行なわれることもある。この時、バラツキのある外周の直径を合わせ、オリエンテーションフラット(OF)の幅の長さを合わせる事や、ノッチと呼ばれる微少な切り欠きの寸法を合わせる事も含まれる。
供給回収部20は、面取り加工するウエーハWをウエーハカセット30から加工部10に供給すると共に、面取り加工されたウエーハをウエーハカセット30に回収する。この動作は供給回収ロボット40で行われる。ウエーハカセット30はカセットテーブル31にセットされ、面取り加工するウエーハWが多数枚収納されている。供給回収ロボット40はウエーハカセット30からウエーハWを1枚ずつ取り出したり、面取り加工されたウエーハをウエーハカセット30に収納したりする。
供給回収ロボット40は3軸回転型の搬送アーム50を備えており、搬送アーム50は、その上面部に図示しない吸着パッドを備えている。搬送アーム40は、吸着パッドでウエーハWの裏面を真空吸着してウエーハWを保持する。すなわち、この供給回収ロボット40の搬送アーム50は、ウエーハWを保持した状態で前後、昇降移動、及び旋回することができ、この動作を組み合わせることによりウエーハWの搬送を行う。
加工部10はウエーハ面取り装置の正面部に配置されており、ウエーハWの外周面取りの全加工、すなわち、粗加工から仕上げ加工までを行う。この加工部10は、ウエーハ送り装置60、外周粗研削装置62、ウエーハWを搬送するトランスファーアーム63及び外周精研削装置61から構成されている。
図2は、加工部10の構成を示す斜視図、図3は平面図であり、ウエーハ送り装置60は、ウエーハWを吸着保持するチャックテーブル(ウエーハテーブル)66を有している。このチャックテーブル66は、図示しない駆動手段に駆動されることにより、前後方向(Y軸方向)、左右方向(X軸方向)、及び上下方向(Z軸方向)の各方向に移動するとともに、チャックテーブル駆動モータ65に駆動されることにより中心軸(θ軸)回りに回転する。
外周粗研削装置62は、ウエーハ送り装置60のチャックテーブル66に対してY軸方向に所定距離離れた位置に配置される。この外周粗研削装置62は、外周粗研モータ67に駆動されて回転する外周粗研スピンドル68を有している。外周粗研スピンドル68は、図示しない駆動手段に駆動されることにより前後方向(Y軸方向)及び上下方向(Z軸方向)の各方向に移動可能に構成される。
外周粗研スピンドル68には、ウエーハWの外周を粗加工(粗研削)する外周粗研削砥石69が装着され、その回転軸となる。外周粗研削砥石69は、その外周面に複数の外周粗研削用溝が形成されており(総形砥石)、この溝にウエーハWの外周を押し当てることにより、ウエーハWの外周が粗加工(粗研削)される。
外周精研削装置61は、ウエーハ送り装置60のチャックテーブル66に対してX軸方向に所定距離だけ離れた位置に配置される。この外周精研削装置61は、外周精研モータ70に駆動されて回転する外周精研スピンドル71を有している。外周精研スピンドル71は、図示しない駆動手段に駆動されることにより左右方向(X軸方向)及び上下方向(Z軸方向)の各方向に移動可能に構成される。外周精研スピンドル71には、ウエーハWの外周を仕上げ加工(精研削)する外周精研削砥石72が装着され、その回転軸となる。
外周精研削砥石72は、その外周面に外周精研削用溝が形成されており(総形砥石)、この溝にウエーハWの外周を押し当てることにより、ウエーハWの外周が仕上げ加工される。
このとき、外周精研スピンドル71の回転軸をチャックテーブル66の回転軸に対してウエーハWの外周の接線方向に3〜15°、望ましくは6〜10°傾斜させた状態で行うヘリカル研削によってウエーハWの外周面取りの仕上げ加工を行う。
これにより、砥粒の運動方向がウエーハWの外周の運動方向と交差し、接触面積が増大すること等より、砥石摩耗が抑制され、外周の形状崩れ等を低減できるため、通常の研削に比べて加工面(研削面)の粗さが良好となる。
次に、加工部10の動作について説明する。加工開始前の待機状態では、チャックテーブル66に保持されるウエーハWは、その中心がチャックテーブル66の回転軸と一致するように配置される。このとき、ウエーハWのOF部は所定方向(本例ではY軸方向)を向くように配置される。
また、外周粗研削砥石69及び外周精研削砥石72は、ウエーハWからそれぞれ所定距離離れた位置に位置している。具体的には、外周粗研削砥石69の回転中心はウエーハWの回転中心に対してY軸方向に所定距離離れた位置に配置され、かつ外周精研削砥石72の回転中心はウエーハWに対してX軸方向に所定距離離れた位置に配置される。
まず始めに、アライメント動作が行われる。このアライメント動作では、チャックテーブル66に保持されたウエーハWと外周粗研削砥石69及び外周精研削砥石72との上下方向(Z軸方向)について相対的な位置関係が調整される。
アライメント動作が完了したら、外周粗研モータ69が駆動される。次に、外周粗研削砥石69による研削(粗加工)を開始する。具体的には、外周粗研削装置62のY軸モータ(不図示)が駆動され、外周粗研スピンドル68がY軸方向に沿ってチャックテーブル66に向かって送られる。
外周粗研削砥石69としては、例えば、直径202mmのダイヤモンド砥粒のメタルボンド砥石で、粒度#800であるものを使用することができる。また、外周砥石スピンドル68は、ボールベアリングを用いたビルトインモータ駆動のスピンドルで、所定の回転速度、例えば回転速度8,000rpmで回転される。
チャックテーブル66に向かって外周粗研スピンドル68が送られると、ウエーハWの外周が外周粗研削砥石69に形成された外周粗研削用の研削溝に接触し、ウエーハWの外周部が外周粗研削砥石69により研削されて、ウエーハWの外周面取りの粗加工が開始される。
外周粗研削砥石69による粗加工が開始された後、始めは図2のウエーハWは円形であるので、チャックテーブル66に保持されたウエーハWが一定速度で矢印方向に回転を開始する。この回転角度、つまり加工点が直線部となるOF部に至ると、外周粗研スピンドル68をY方向である、チャックテーブル66に向かう方向の送り量を多くすると共に、外周粗研スピンドル68をX方向に直線移動させ直線部を加工する。その後、直線部の加工を終了すると、再び、チャックテーブル66に保持された板状のウエーハWを一定速度で矢印方向に回転させ、残りの円形部を研削して外周粗研削砥石69による粗加工を終了する。
次に、外周精研削砥石72による仕上げ加工が同様に行われる。外周精研削砥石72は、ダイヤモンド砥粒のレジンボンド砥石が適している。また、外周精研スピンドル72の回転軸をチャックテーブル66の回転軸に対してウエーハWの外周の接線方向に3〜15°、望ましくは6〜10°傾斜させた状態でウエーハWの外周面取りの仕上げ加工が行われる。
さらに、外周精研削砥石72の面取り用加工溝はツルアーによって形成されるが、詳しい説明を省略する。また、外周粗研削砥石69としては、例えば、Fe、Cr、Cu等の金属粉等を主成分とし、ダイヤモンド砥粒を混ぜて成形したものが用いられる。ツルアーの材質は、外周粗研削砥石69によって加工することができる一方、外周精研削砥石72を研削することができるものを採用する。
例えば炭化珪素からなる砥粒を、必要に応じて充填剤等も加えてフェノール樹脂で結合し、これを円盤状のツルアーに成形したものが望ましい。外周精研削砥石72の材質は、ツルアーによって研削することで周囲に研削溝74を形成することができる一方、形成された研磨によってシリコンウエーハ等の面取り部を精研削することができるものを用いる。例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂又はポリエチレン樹脂等を主成分とし、ダイヤモンド砥粒や立方晶窒化ホウ素砥粒を混ぜて成形したものが望ましい。
また、外周精研削砥石72としては、例えば、直径50mmのダイヤモンド砥粒のレジンボンド砥石で、粒度#3000のものが用いられる。外周精研スピンドル71はエアーベアリングを用いたビルトインモータ駆動のスピンドルで、回転速度35,000rpmで回転される。
図4は被加工材が円形でなく、矩形の場合での加工部の構成を示す斜視図であり、図5は同様に平面図である。被加工材が円形でなく、矩形の場合は、図4、5に示すように、直線部の加工が主となる。
スマートフォンやタブレットの薄型化、軽量化が進むにつれてガラス基板、カバーガラス、あるいはサファイア、セラミックスが表面に使用され、端面強度が重要となり、鏡面研削において、砥粒によるチッピングの抑制と良好な面粗さが要求される。面取りの加工品質、加工面粗さ、マイクロクラックの発生などはガラス基板の端面強度に直接影響する。
図4、5はスマートフォンやタブレットにおける矩形状のカバーガラスの面取り加工を示しており、カバーガラスにタッチセンサを一体化した構造とし、ガラス基板にマスキング印刷、センサー電極を形成し、その後に切断、面取り加工が行われる。そして、面取り加工は、外周精研削装置61のY軸モータ(不図示)が駆動され、外周精研スピンドル71がY軸方向に沿ってチャックテーブル73に向かって送られることで開始される。
チャックテーブル73に向かって外周精研スピンドル71が送られると、カバーガラス(あるいはウエーハ)Wの直線部が外周精研削砥石72に形成された面取り用加工溝である外周精研削用溝に接触し、カバーガラスWの外周部が外周精研削砥石72によりヘリカル研削されて、カバーガラスWの外周面取りの加工が開始される。外周精研削砥石72による加工が開始された後、図4、5のカバーガラスWは矩形であるので、チャックテーブル73に保持されたカバーガラスWがX軸方向に一定速度で移動を開始する。加工点が角部に到達すると、チャックテーブル73を90°回転して、X軸方向に直線移動を開始し次の直線部を加工する。以下、同様にカバーガラスWの全外周を加工していく。
また、研削砥石は、ポーラスな表面を有する面取り砥石素材に飽和脂肪酸溶液と共に潤滑剤を供給し、表面を乾燥させて潤滑剤含浸砥石とし、この潤滑剤を含む砥石を研削時に水冷却して使用することが望ましい。これにより、砥石の切削点へ潤滑剤が確実に供給されて切削点温度を所定温度以下にすることができる。また、冷却液を水としたので、冷却液による環境汚染を防止できる。さらにウエーハ面取り装置では、砥石に潤滑剤を含浸させているので、長期にわたり潤滑剤を切削点に供給可能であり、冷却液を水としたので低温かつ環境に配慮した加工が可能となる。
チャックテーブル73は、図5に示すように矩形のカバーガラスWの形状と同様の形状であるが、外周精研削砥石72による加工時にカバーガラスW自体がやや弾性変形するようにカバーガラスWよりも十分に小さくなり、カバーガラスWはチャックテーブル73よりオーバハングして保持されている。
具体的には、チャックテーブル73の大さきは、カバーガラスWのX軸方向の中央からの距離をQとし、チャックテーブル73のX軸方向の中央からの距離をPとすると、Q=(1.3〜1.7)P、より望ましくはQ=1.5PとすることがカバーガラスWの吸着による固定及び研削加工の点から良い。つまり、カバーガラスWの変形や撓み、歪みなどの加工精度への影響を避けると共に、加工時に被加工材、カバーガラスW自体がやや弾性変形し、外周精研削砥石72が柔らかいレジンボンド砥石であることと相まって、その振れ等の衝撃を緩和する。Y軸方向も同様であり、図5のN=(1.3〜1.7)H、より望ましくはN=1.5Hとすることが望ましい。つまり、チャックテーブル73の形状は、被加工材の外周形状よりも小さく、縦横共に、カバーガラスWの平面形状よりも0.6〜0.8倍が望ましい。なお、矩形のカバーガラスWの形状は、縦×横が120mm×60mm程度、厚みが0.5〜1.5mm程度とすると、矩形のチャックテーブル73は80mm×40mm程度が望ましい。
外周精研スピンドル72の回転軸をチャックテーブル73に対してカバーガラスWの外周の接線方向にθ=3〜15°、望ましくは6〜10°傾斜しているので、カバーガラスWは外周精研削砥石72の研削溝74に対してこの角度θで当接し、砥粒の運動方向がカバーガラスWの運動方向と交差する。また、傾斜角度があまりに大きいと、研削抵抗の増大、端面における上下角部の欠け、キズなどの点で好ましくない。
図6は外周精研削砥石72の研削溝74と、被加工材Wとの関係を示す側面図であり、図に示すように、外周精研削砥石72の研削溝74の幅yは、外周精研削砥石72の研削溝74を角度θ傾けたとき、研削溝74の上端部が被加工材Wの上面と当接する位置から被加工材Wの下面が研削溝74の下端部に最も近づくが当接しない位置までの距離、つまり、研削溝74を角度θ傾けたときの被加工材Wの見掛け厚み、図6で右端部からの左端部までの寸法y0よりも広くy>y0となっている。y0は、研削溝74の直径をD、被加工材Wの厚さをtとすると、おおよそDtanθ+t/cosθとなる。研削溝74の幅を広くする方法は予めツールイングするときの転写用の溝を広くしても良いし、ツールイング時のツルアーをZ軸方向に上下に移動して研削溝74を幅広く加工しても良い。
次に、ヘリカル研削の加工手順を以下に説明する。
図6はカバーガラスWの上面を加工している状態を示す側面図であり、チャックテーブル73に向かって外周精研スピンドル71が送られたとき、研削溝74の右上端部の上面斜面72uがカバーガラスWの上面、図6で右上端部が当接して加工が開始され、その後、チャックテーブル73に保持されたカバーガラスWがX軸方向に一定速度で移動して面取りが行われる。
カバーガラスWの下面は、研削溝74がカバーガラスWの見掛け厚みより幅広となっているので、当接しない。カバーガラスWの厚み方向の中央部、主要部は外周精研削砥石72の研削溝74の円周部が当接してヘリカル研削される。加工点がカバーガラスWの角のR部に到達すると、チャックテーブル73が回転して、角部のRを加工する。このときは円形部を研削するのと同様になり、接触領域が小さくなるので、研削溝74の上面斜面の当接は弱くなり、厚み方向の中央部の研削が主となる。以下、同様にカバーガラスWの外周を1周するまで加工していく。
図7はカバーガラスWの下面を加工している状態を示す側面図であり、上記の加工が1周した点で、図6の状態から外周精研削砥石72をZ軸方向に上昇、あるいはチャックテーブル73をZ軸方向に下降させ、研削溝74の下面斜面がカバーガラスWの下面、図7左下端部の下面斜面72dが当接するようにする。つまり、研削砥石を被加工材に対して相対的に厚さ方向に上昇させる。その後、チャックテーブル73に保持されたカバーガラスWがX軸方向に一定速度で移動して2周目の面取りを行う。
カバーガラスWの上面は研削溝74がカバーガラスWの見掛け厚みより幅広となっているので、当接しない。カバーガラスWの厚み方向の中央部、主要部は外周精研削砥石72の研削溝74の円周部が当接してヘリカル研削される。
以上のように、カバーガラスWに対して外周精研削砥石72の研削溝74を角度θで傾斜させて当接し、砥粒の運動方向がカバーガラスWの運動方向と交差するようにし、かつ、外周精研削砥石72の研削溝74の幅を被加工材に対して外周精研削砥石72を角度θ傾けたときの被加工材の見掛け厚みよりも幅広とすること、外周精研削砥石72をZ軸方向に上下することにより、OF等の直線部、又は矩形、多角形等の材料の面取り加工にヘリカル研削を適用することが可能となる。これにより、端面の面粗さ、加工歪みを小さくし、高番手の砥石でも長時間の使用を可能にできる。
ここで、本発明者は、図6においてθの角度をより大きくして、カバーガラスWの上面の右上端部が上面斜面72u当接し、かつ、カバーガラスWの下面の左下端部に下面斜面72dが当接するようにして研削を行う評価を実施した。すると、カバーガラスWの角を研削する際、必ず、カバーガラスWは、上面斜面72uと下面斜面72dとのうち片方しか当接できない状況が発生することを見いだした。このため、カバーガラスWの角部においては、必ず上面か下面のうちのどちらかに研削が十分で無い部分が発生することが判明した。
よって、本発明者は、ヘリカル研磨を行う際、図6における、θ、y、カバーガラスWの厚みtの関係は、「カバーガラスWの上面又は下面のうちどちらか一方のみが研削溝74の端部(上面斜面72uまたは下面斜面72d)に接触し、もう一方は端部に接触しない」(条件1)ようにθ、y、tが選択されなければならないことを見いだした。よって、それらのパラメータのうち、どれかが決まっているならば、変更可能なパラメータを調整することによって上記条件1を満たさなければならない。その際、条件1を満たす範囲で、なるべく図6におけるy0がyに近い値である方が好ましいことが判明した。それにより、研削溝74の大部分を使用できるので、砥石の寿命も長くなるからである。
図8は、円形部の加工と直線部の加工とでカバーガラスWの厚み方向の上下端部で外周精研削砥石72と研削溝74との当接の違いを説明する平面図であり、外周精研削砥石72の研削溝74の円筒部と直線ワークW1の接触領域は、円筒部と円形ワークW2の接触領域より大きいだけでなく、研削溝74の上下端部の上面斜面72uあるいは下面斜面72dとの直線ワークW1の接触域Lは円形ワークW2の接触域Mより大きい。
したがって、直線ワークW1での研削抵抗は円形ワークW2の研削抵抗より大きいだけでなく、研削溝74の厚み方向の幅を円形ワークW2に合わせて面取り加工すると、直線ワークW1を面取り加工することができなくなる。また、円形ワークW2に対して上下対称に面取り加工ができるように研削溝74を作成したとしても、それを直線ワークW1に対して面取り加工すると上下面の形状が異なったものとなる。
図9は、従来の板材の端面加工に対して平面研削盤80に1軸を追加した軸傾斜方式によるヘリカル研削の例を示す。図9に示すように、精密ステージ81を傾斜角度αで配置し、砥石82の最下点を被加工材83が通過するようにしたものである。砥石82は被加工材83よりも幅広であり、バイス84によって両面を加工面の近くまで固定されている。
この方法では、図10(a)に示すように、被加工材83がバイス84によって、しっかりと固定されている点、砥石82の回転軸が加工面と水平となる点等より、砥石82が矢印Vのように押し付けられ、砥石82の振れ等が被加工材83へ衝撃となり、加工面にダメージを与える。また、研削によるキリコが加工面に落下することより、加工面にキリコによる傷、引っ掻きによる条痕が生じる。
これに対して、図6、7に示したように、本発明では、被加工材Wに対して外周精研削砥石72の研削溝74を角度θ傾けている。また、チャックテーブル73はカバーガラスWの平面を載置し、この表面をエアーコンプレッサーやブロワー等で減圧し、カバーガラスWを吸着し固定する。カバーガラスWをチャックテーブル73よりオーバハングして垂直方向に吸着して保持した図10(b)の場合は、外周精研削砥石72の研削溝74が加工面に対して垂直に当接し、外周精研削砥石72による押し付け力が矢印Hのように働く。
したがって、加工時に被加工材、例えばカバーガラスW自体がやや弾性変形し、外周精研削砥石72が柔らかいレジンボンド砥石であることと相まって、その振れ等の衝撃を緩和する。したがって、加工面にキズ等のダメージを与えことがなく、研削によるキリコは矢視のように排出され、加工面に落下することがなく、加工面にキリコによる傷、引っ掻きによる条痕を生じることがない。
図11は、以上の面取り加工方法により加工された被加工材の端面を示す側面図であり、レジン砥石である外周精研削砥石72で研削後の条痕の状態を斜線で示している。研削溝74は被加工材(基板、ワーク)の厚みに対して幅を十分大きくし、被加工材に対して6〜10°の斜め角度で当接させ、研削溝74の上面と下面のうち片面のみワークに当接するようにし、他方には当てないように面取りを行った。実際には、上面を当接させた研削を被加工材の端面の全周に対して1周行い、次に下面を当接させ、さらに1周させて合計2周の研磨、面取りを行った。
従来のヘリカル研削による面取り加工では角部、直線部を有する被加工材で砥石の研削溝の上面と下面のうち片方のみ強く当たる片当たりが発生し良好な面取りが出来なかったが、図に示すように厚み方向の中央部Cが砥石を傾斜させた角度に応じたヘリカル研削の特有な条痕となり、良好な面粗さで形状崩れを生じていない。
また、上下両端も角度、大きさ共に対称、図で上部の面取り部Tu、下部の面取り部Tdの幅も均等であり、研削溝の端部で被加工材の端面の角部がヘリカル研削されたことによる条痕、角度、方向は研削溝の端部が当たっている分だけ異なり、それが明確に現れている。
さらに、スマートフォンやタブレットの薄型化、軽量化に伴って、従来、ガラス基板を所定の大きさに切断してから、化学強化を行い、その後に、マスキング印刷を行い、センサー電極を形成していた。化学強化とは、ガラス表面の化学的な処理による強化全般であり、一般的な方法として、ガラス中のアルカリイオンを他のより分子サイズの大きいアルカリイオンに入れ替える方法である。このイオン交換法はイオン交換によりガラス表面に圧縮応力を発生させ、脆性材料の脆く、割れ易い短所を解消するために行う。
それに対して、上記の面取り加工によれば、大きなガラス基板のまま化学強化処理を施した後、マスキング印刷、センサー電極を形成し、その後に、切断、面取り加工を行っても、つまり、端面に化学強化されていない状態でも良好な加工面粗さが得られ、マイクロクラックの発生を抑えることができる。そして、その結果、1枚のカバーガラスにタッチセンサを一体化させた2層構造のOGS(One Glass Solution)静電容量式タッチパネルの作製等において、生産効率が極めて向上し、実用上で十分な端面強度を得ることができる。
さらに、図14は、2層構造の静電容量式タッチパネルを備えた液晶表示装置の基本構造を示す断面図であり、カバーガラスWの下にタッチセンサ102のセンサー電極が形成され、液晶ディスプレイ104の上に貼り合わされ、液晶パネルの中にタッチセンサ102を組み込んだ構造、いわゆるインセル型の液晶表示装置とされている。
さらに、面粗さ、形状の対称性のみならず、研削溝を1回修正(ツールイング)した後、研削能力の低下、所定の外周面幅、外周角度、外周形状を満たさなくなるまでの連続して加工できる枚数も増加できる。さらに、レジン砥石である外周精研削砥石72のツールイングを繰り返し、面取り加工を連続した場合、摩耗によりレジン砥石が所定の直径以下となって、使用不可能となるまでに加工できる枚数も多くすることができる。
以上、図6、7では、外周精研削砥石72を用いたヘリカル研削として説明したが、粗研削時、つまり、外周粗研削砥石69を用いるときも同様に2周するヘリカル研削を行っても良い。これによれば、精研削時、外周精研削砥石72の研削溝74の摩耗、目詰まり、溝形状の変形を防いで、より良好な面取り加工を行うことができる。
また、被加工材の端面の上部を全周に渡って研削溝74で1周するように研削(上部の研削)し、その後、研削砥石69あるいは72を被加工材の厚さ方向に相対的に上昇させて、さらに下部を1周研削(下部の研削)することとしたが、この順序は逆でも良いし、被加工材の端面の上部、下部に研削溝74の端部である上面斜面72u、下面斜面72dのいずれも当てない中央部の研削を別途に行っても良い。
図12は、中央部の研削(a)、上部の研削(b)、下部の研削(c)を示している。中央部の研削(a)は、外周精研スピンドル71に向かってチャックテーブル73が送られたとき、研削溝74の右上端部の上面斜面72u及び左下端部の下面斜面72dがいずれもカバーガラスWの上面及び下面に当接しないで加工が開始され、その後、チャックテーブル73に保持されたカバーガラスWがY軸方向に一定速度で移動して面取りが行われる。研削溝74が、カバーガラスWの見掛け厚み、外周精研削砥石72の研削溝74を角度θ傾けたとき、研削溝74の直径をD、カバーガラスWの厚さtとの双方を考慮した厚みよりも十分、少なくとも20〜30%幅広となっている。
カバーガラスWの厚み方向の中央部、主要部は外周精研削砥石72の研削溝74の円周部が当接してヘリカル研削される。加工点が角のR部に到達すると、チャックテーブル73を回転させて、角部のRを加工する。カバーガラスWの厚み方向の端部を研削溝74の上下斜面(あるいは上下端部)で研削しないので、上下非対称性に影響なく、カバーガラスWの外周形状に係わらず加工することに適し、図2に示したような円形部が主体でOF部のような直線部がある場合に、形状を削り出すのには都合が良い。
図12(b)は上部の研削を示し、図12(a)の状態から外周精研削砥石72をZ軸方向に下降、あるいはチャックテーブル73をZ軸方向に上昇させ、研削溝74の右上端部の上面斜面72uにカバーガラスWの上面、図で右上端部を当接させる。つまり、研削砥石を被加工材に対して相対的に厚さ方向に下降させる。その後、チャックテーブル73に保持されたカバーガラスWをY軸方向に一定速度で移動してヘリカル研削による面取り加工が行われる。
図12(c)は下部の研削を示し、図12(b)の状態から外周精研削砥石72をZ軸方向に上昇、あるいはチャックテーブル73をZ軸方向に下降させ、研削溝74の下面斜面がカバーガラスWの下面、図で左下端部の下面斜面72dに当接するようにする。つまり、研削砥石を被加工材に対して相対的に厚さ方向に上昇させる。その後、チャックテーブル73に保持されたカバーガラスWがY軸方向に一定速度で移動して図12(a)、図12(b)に続いて3周目の面取りを行う。
図12は、中央部の研削(a)、上部の研削(b)、下部の研削(c)の順で説明したが、これに限ることなく、上部の研削(b)、中央部の研削(a)、下部の研削(c)の順など任意でも良い。ただし、中央部の研削(a)を先に行うことが、先に形状を削り出すことができる点、その後、より慎重、正確に上部の研削(b)、下部の研削(c)を行える点で優れている。
また、被加工材として、特に、図2に示したような円形部が主体でOF部のような直線部がある場合に、中央部の研削(a)、上部の研削(b)、下部の研削(c)をそれぞれ、被加工材の外周を1周する必要はない。例えば、円形部は上部の研削(b)、下部の研削(c)だけを行い、直線部は中央部の研削(a)、上部の研削(b)、下部の研削(c)をそれぞれ行えば良く、面粗さを良好にし、形状崩れを生じないで加工時間を短縮、研削溝74の摩耗、目詰まり、溝形状の変形を防ぐことができる。
図6、7及び図12では、被加工材の厚さ方向に上昇、又は下降を説明したが、図13は、外周精研削砥石72の研削溝74の上面斜面72u及び下面斜面72dとの関係の詳細であり、研削溝74の斜面と面取り角度の関係を説明する。図13(a)は外周精研削砥石72を傾けないで、被加工材Wへ当接させた状態であり、面取り角度が研削溝74の上面斜面72u及び下面斜面72dの角度と一致している。
ヘリカル研削を行うため、外周精研削砥石72を傾けた状態が図13(b)であり、3〜15°、望ましくは6〜10°であるので、加工がわずかに開始されれば、上面斜面72uと被加工材Wの上面との接触領域は図13(a)と大きな違いはない。したがって、図11で既に示したように、被加工材Wの上部及び下部となる上下両端(Tu、Tdの領域)も中央部Cと比べて条痕が斜面の分、異なる向きの条痕となり、ヘリカル研削の効果が十分に得られ、中央部と遜色なく加工歪み、表面粗さが改善される。この三つの条痕が現れること、上部及び下部は端面の厚さ方向の中心線に対して対称に形成されることが、以上の実施の形態の特徴でもある。
なお、説明を分かりやすくするため、図13(a)の外周精研削砥石72を傾けないことで、研削溝74の斜面を面取り角度と一致させたことを基準として、外周精研削砥石72を傾けたことを図13(b)とした。それに対して、逆に、外周精研削砥石72を傾けた図13(b)で斜面を被加工材Wの面取り角度と一致させても良い。これにより、加工の開始時点、研削量が少ない場合でも、上面斜面72uと被加工材Wの上面との接触領域が増えて、被加工材Wの上下両端の表面粗さが改善される。
10…加工部、20…供給回収部、30…ウエーハカセット、31…カセットテーブル、40…供給回収ロボット、50…搬送アーム、60…ウエーハ送り装置、61…外周精研削装置、62…外周粗研削装置、65…チャックテーブル駆動モータ、66…チャックテーブル、67…外周粗研モータ、68…外周粗研スピンドル(回転軸)、69…外周粗研削砥石、70…外周精研モータ、71外…周精研スピンドル(回転軸)、72…外周精研削砥石、72d…下面斜面、72u…上面斜面、73…チャックテーブル、74…研削溝、80…平面研削盤、81…精密ステージ、82…砥石、83…被加工材、84…バイス、102…タッチセンサ、104…液晶ディスプレイ、W…ウエーハ、カバーガラス、被加工材、y0…被加工材の見掛け厚み

Claims (8)

  1. 端面を研削砥石に形成された研削溝で面取り加工された基板において、
    前記基板は平面形状が矩形状とされ、そのほぼ全周に渡って、前記端面の厚さ方向の中央部が3〜15°でヘリカル研削され、さらに前記端面の上部及び下部が面取り角度でヘリカル研削されたことを特徴とする面取り加工された基板。
  2. 請求項1に記載の面取り加工された基板において、
    前記基板は、化学強化が行われた後に、所定の形状に切断されて前記端面がヘリカル研削され、さらに前記端面の上部及び下部が面取り角度でヘリカル研削されたことを特徴とする面取り加工された基板。
  3. 請求項1又は2に記載の面取り加工された基板において、
    前記端面の上部が前記研削溝の上面斜面で研削され、その後、前記基板を前記研削砥石に対して相対的に前記厚さ方向に下降させて再び研削、
    あるいは、前記端面の下部が前記研削溝の下面斜面で研削され、その後、前記基板を前記研削砥石に対して相対的に前記厚さ方向に上昇させて再び研削、されたことを特徴とする面取り加工された基板。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の面取り加工された基板において、
    前記端面の上部あるいは下部を全周に渡って前記研削溝で1周するように研削し、その後、前記基板を前記研削砥石に対して相対的に前記厚さ方向に下降あるいは上昇させて、さらに1周研削されたことを特徴とする面取り加工された基板。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の面取り加工された基板において、
    前記端面の加工は、それぞれ前記端面の上部の研削、中央部の研削、下部の研削とで行われたことを特徴とする面取り加工された基板。
  6. 請求項5に記載の面取り加工された基板において、
    前記上部の研削、中央部の研削、下部の研削は、それぞれ前記端面を全周に渡って前記研削溝で1周するように行われたことを特徴とする面取り加工された基板。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の面取り加工された基板において、
    前記基板は、その平面にマスキング印刷、センサー電極の形成が行われていることを特徴とする面取り加工された基板。
  8. 液晶パネルの中にタッチセンサを組み込んだ液晶表示装置において、
    端面を研削砥石に形成された研削溝で面取り加工されたカバーガラスを備え、前記カバーガラスは平面形状が矩形状とされ、そのほぼ全周に渡って、前記端面の厚さ方向の中央部が3〜15°でヘリカル研削され、さらに上部及び下部が面取り角度でヘリカル研削されたことを特徴とする液晶表示装置。
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