JP4495433B2 - オープンキッチン用の排気装置 - Google Patents
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Description
オープンキッチンは、開放感を持たせるために、加熱調理器具とレンジフードとの間に壁を設けずに見渡し空間から見渡せるようにするのが好適であるが、オープンキッチンに設置するレンジフードでは、加熱調理で発生した油煙等が、キッチンに連通するリビング等の隣室での人の活動や空調機器による室内気流の影響を直接受けて乱れ、真っ直ぐに上昇せず拡散し、効率良く捕獲できない特殊性がある。
特に近年では加熱調理器具にIHクッキングヒータを採用するケースが多い。IHクッキングヒータは燃焼ガスを発生しないため上昇気流が非常に弱く、発生した汚染空気は微力な室内気流の変化でも乱れ易い現状がある。
しかしながら、先行技術では中空支柱だけで中空天板との間に連絡するので、加熱調理時に発生する汚染空気がキッチンに隣設するスペースでの人の活動や空調機器による気流の影響を直接受けて乱れ、中空天板での捕獲効率を悪くする。
また、加熱調理をしていない不使用時に加熱調理器具を上方から覆う中空天板は、調理台として使用できるように大きさのものであり、キッチンや隣室との調和をもって組み付けられている加熱調理器具の代わりにその大きな中空天板が加熱調理をしていない時に露出して、オープンキッチンの美感を損い、商品価値を低下させる。
他の技術的課題は、キッチン使用者に開放感を与えた上に、加熱調理時に発生する汚染空気がキッチンに隣設するスペースでの人の活動や空調機器による気流の影響を受けないようにすることである。
ここで、前記遮壁に近づくように畳まれる不使用形態とは、フードを折り畳み可能な複数枚のパネルで構成して、遮壁に沿うように折り畳む、フードを遮壁に回動可能に取り付けて下方に回動させて遮壁に沿わせたり、上方に鉛直状に回動させて遮壁の上方に延長上に位置させる形態等を指している。
また、不使用形態のフード、遮壁の没入位置は、加熱調理器具背後のキャビネット部分を利用して、その部分に没入させる。
そして、加熱調理していない時(不使用時)にはキャビネット上の設備を全てキャビネットに仕舞い込んで、キャビネット上に隣室(リビング等)を見渡せるオープンスペースを形成する。
フードは、加熱調理器具が組み込まれたキャビネットの上面部から少なくとも800mm以上確保することが消防法で定められていることが間係して、張り出し量を800mm程度とする一般的な大きさのフードでは、仮にキャビネット内に遮壁とともに没入できるように使用形態のフードを遮壁に沿うように下向きに回動させて不使用形態に変化させるようにすると、加熱調理器具に載置されている鍋等の調理器に衝突する虞れが生じる。
前記のようにフードの不使用形態を、使用形態から上方に回動した鉛直状態にすると、加熱調理器具に載置されている鍋等の調理器とのフードとの衝突を未然に回避することができる。
一般的にキャビネットはその全高を850mm程度、前記のように加熱調理器具を組み込んだキャビネットとフードとの間には少なくとも800mm以上の空間を確保することが消防法に定められているので、フードは少なくとも1650mm程度の高さ位置で800mm程度の張り出し量もって前方に突出する。これに対してキッチン天井の高さは2400mm〜2700mm程度である。
そのため、前記のように加熱調理器具に載置されている鍋等の調理器との衝突を回避するためにフードを使用状態から上方に回動させて鉛直状態にすると、キッチン天井が低い場合には、キッチン天井や照明器具にそのフードが衝突して上方へ回動できないケースが存在する。
その時に、遮壁のキャビネットの没入途中過程、即ち上方に回動してもキッチン天井にフードが衝突しない高さまで遮壁を下降させてから、不使用形態に変化させ、更に下降させて、フードを遮壁とともにキャビネット内に収容する。
そして、遮壁のキャビネットの突出途中過程で、フードの上昇、使用形態への変化を行なって、キッチン天井に衝突させることなく加熱調理器具上方に横断状に位置して加熱調理で発生する汚染空気を捕獲可能状態にする。
前記所定の高さとは、加熱調理器具上方に横断状に位置して加熱調理で発生する汚染空気を捕獲する使用形態時の高さである。
そして、遮壁またはその遮壁とフードとを光透過材で成形していると、最適なものである(請求項9)。
しかも、加熱調理していない時にはキャビネット上の設備(遮壁、フード)を全てキャビネットに仕舞い込むようにして、キャビネット上に隣室(リビング等)を見渡せるオープンスペースを形成するので、オープンキッチン特有の開放感を阻害することもない(請求項1〜4)。
該排気装置Aは、加熱調理器具B(例えばIHクッキング用ヒータ)を組み込んだキャビネット1、そのキャビネット1内に設けた空気室2、その空気室2に連絡された送風手段3、吸引路14を備えた遮壁4、その遮壁4に回動可能に設けたフード5、前記遮壁4の上下動機構6等を備えている。
この拡大中空部34は、前記吸引路14において平行する縦吸引路141、141に連通する路拡大中空部341、341を、中間拡大中空部342で接続した構成になっており、その路拡大中空部341、341、中間拡大中空部342の下端は各々開放させてある(図1〜図3参照)。
図1、図5等において、符号7は、その遮壁4を出没可能に案内するために平行する前記縦吸引路141、141が摺接する平面視コ型のガイド片であり、キャビネット1の底部から立設されている。
尚、前記グリス除去手段であるグリスフィルタ18は、吸引路14から送風手段3の吐出部に至る排気流路のどの位置に設けても良いものである。
本実施の形態ではリミットスイッチを使用し、上位のリミットスイッチ9が検出する位置まで前記モータM1を駆動させて遮壁4を上昇させ、下位のリミットスイッチ9が検出するまで同モータM1を駆動(逆回転)させて遮壁4を下降させるようになっている。
即ち、上位のリミットスイッチ9が検出し、尚且つフード用のモータMの所定量の正方向の回転量を検知した時だけに送風手段3の運転スイッチを操作可能とし、それまでの間は同運転スイッチを操作しても送風手段3が作動しないように制御し、その送風手段3が作動していない時には、いくら加熱調理器具Bの運転スイッチを操作しても、加熱調理器具Bが作動しないように制御されている。
この実施の形態は、スタートスイッチを操作することによって、遮壁4のキャビネット1からの突出と、加熱調理器具B上方に横断状に位置する使用形態までのフード5の上方への回動とが連動するように制御され、停止スイッチを操作することによって、加熱調理器具Bの運転停止、送風手段3の運転停止、フード5の遮壁4に沿う不使用形態までのフード5の下方への回動、遮壁4のキャビネット1内への没入とが連動するように制御されている。
尚、図2、図4において、符号342aは、キャビネット1内への没入時にモータM1の駆動軸との干渉を避けるために路拡大中空部341にその下端側から設けた切欠部である。
そして、スタートスイッチを操作すると、前記上下動機構6が作動して、上位のリミットスイッチ9が検出するまで遮壁4を上昇させた後、モータMを所定量正方向に回転させて加熱調理器具B上方に横断状に位置して加熱調理で発生する汚染空気を捕獲する使用形態にフード5を変化させる。
この状態で送風手段3の運転スイッチを操作すると、初めて排気源であるシロッコファンが作動を開始する(図1〜図3)。
そして、送風手段3が作動したことを確認して、加熱調理器具Bの運転スイッチを操作することによって、加熱調理が開始され、発生する汚染空気をフード5で捕獲し、更にグリスフィルタ18で清浄化して、排気する。
そして、前記上下動機構6についても、シリンダ方式、ボールネジ方式等を使用することができる。
また、フード5の上下回動源としてモータM1を使用しているが、上方に回動させた位置(加熱調理時)と下方に回動させた位置(加熱調理していない時)でフードが係合する弾性係脱部を各々設けて、その弾性係脱部両位置でフードを位置決めできるようにしても良いものである。係脱は人為的に行い。係合するとセンサー手段が検知するようにして、前記制御を阻害しないようにする。
図6、図7において、符号18はグリスフィルタ(グリス除去手段)であり、前記フードサブ体55の丁度中間部分に設けた中間壁部分に細長矩形状をもって設けられている。
また、フード主体45は、図6に示すように、その後端部一側部をフードサブ体55に軸支する一方、その後端部他側部をフードサブ体55に設置したモータM2とそれに噛合するピニオン65、75とで連結して、モータM2の駆動(正回転)で2つのピニオン65、75を回転させ、それによってフード主体45を鉛直状に回動させ、同逆回転で同フード主体45を水平状に回動するようになっている。
即ち、前記第1の実施の形態でのリミットスイッチに加えて遮壁4の没入途中高さ位置を検出する中間のリミットスイッチ(図示せず)を前記上位、下位のリミットスイッチの他に設けて、加熱調理器具B上方に横断状に位置する前記使用形態から鉛直状の前記不使用形態となるように上方に回動させた際にキッチン天井Kや照明器具に当たる高さ間係になる時に、上下動機構6を作動させて遮壁4を没入させていくその途中でのフード5の不使用形態への上方への回動(図9(b))、上げ下げ機構Cを作動させての不使用形態でのフード5の遮壁4に対する下降(図9(c))とがスタートスイッチに連動して順次行なわれるように制御される。
尚、図9(a)で示す二点鎖線のフード5は、遮壁4を没入を開始する以前に上方に回動させて鉛直状にした場合のそのフード5とキッチン天井Kとの関係を仮想的に示し、図10(b)で示す二点鎖線のフード5は、遮壁4を完全に突出させてから、その遮壁4に対してフード5を上昇させた場合のそのフード5とキッチン天井Kとの関係を仮想的に示している。
そして、スタートスイッチを操作すると、前記上下動機構6が作動して突出を開始する遮壁4が完全に突出してしまう前の途中高さ段階で上げ下げ機構Cを作動させての遮壁4に対するフード5の上昇と、モータM2を駆動させてのフード5の使用形態(加熱調理器具上方に横断状に位置する形態)への変化とが行なわれる(図10(b)(c)参照)。
運転スイッチを操作して、シロッコファンが作動を開始し、送風手段3が作動したことを確認して、加熱調理器具Bの運転スイッチを操作することによって、初めて加熱調理が開始され、発生する汚染空気をフード5で捕獲し、更にグリスフィルタ18で清浄化して、送風手段3に接続される排気ダクトDで屋外に排気する。
前記脱臭手段500は、キャビネット1内に没する前記路拡大中間部341に配設して、加熱調理時のキッチン使用者の視野に入れないようにするのが好ましいものである。
無論、第2の実施の形態の排気装置に、移動キャスタを備え、脱臭手段を付設して、排気ダクトを接続しない室内循環式の移動排気装置A1を構成しても良いものである。
1:キャビネット 2:空気室
3:送風手段 4:遮壁
14:吸引路 5:フード
6:上下動機構 C:上げ下げ機構
K:キッチン天井 44:ガイド孔
A1:室内循環式の移動排気装置 400:移動キャスタ
500:脱臭手段 18:グリス除去手段
600:ガラリ
Claims (9)
- 加熱調理器具を組み込んだキャビネットに送風手段に連絡する空気室を設け、該キャビネットに、前記空気室に連通する吸引路を備えた遮壁を出没可能に設けると共に、前記吸引路から送風手段の吐出部に至る排気流路にグリス除去手段を設け、前記遮壁に、後端を遮壁上端部に回動可能に取り付けてなり、加熱調理器具上方に横断状に位置して加熱調理で発生する汚染空気を捕獲する使用形態と、使用形態から下方に遮壁に沿うように回動される不使用形態とに変化可能なフードを設けて、加熱調理で発生する汚染空気を、前記フードを経て吸引路から送風手段に吸引するようになし、前記フードは前記不使用形態で遮壁と共にキャビネット内に没入して収容され、前記送風手段は、キャビネットから突出する前記フードが所定の高さで前記使用形態に変化している時だけ安全装置が解除され、運転可能に制御されることを特徴とするオープンキッチン用の排気装置。
- 加熱調理器具を組み込んだキャビネットに送風手段に連絡する空気室を設け、該キャビネットに、前記空気室に連通する吸引路を備えた遮壁を出没可能に設けると共に、前記吸引路から送風手段の吐出部に至る排気流路にグリス除去手段を設け、前記遮壁に、後端を遮壁上端部に回動可能に取り付けてなり、加熱調理器具上方に横断状に位置して加熱調理で発生する汚染空気を捕獲する使用形態と、使用形態から下方に遮壁に沿うように回動して不使用形態とに変化可能なフードを設けて、加熱調理で発生する汚染空気を、前記フードを経て吸引路から送風手段に吸引するようになし、前記フードは前記不使用形態で遮壁と共にキャビネット内に没入して収容され、前記加熱調理器具は、キャビネットから突出する前記フードが所定の高さで前記使用形態に変化し、且つ送風手段が作動している時だけ運転可能に制御されることを特徴とするオープンキッチン用の排気装置。
- 加熱調理器具を組み込んだキャビネットに送風手段に連絡する空気室を設け、該キャビネットに、前記空気室に連通する吸引路を備えた遮壁を出没可能に設けると共に、前記吸引路から送風手段の吐出部に至る排気流路にグリス除去手段を設け、前記遮壁に、後端を遮壁上端部に回動可能に取り付けてなり、加熱調理器具上方に横断状に位置して加熱調理で発生する汚染空気を捕獲する使用形態と、使用形態から上方に鉛直状に回動して不使用形態とに変化可能なフードを設けて、加熱調理で発生する汚染空気を、前記フードを経て吸引路から送風手段に吸引するようになし、前記フードは前記不使用形態で遮壁と共にキャビネット内に没入して収容され、前記送風手段は、キャビネットから突出する前記フードが所定の高さで前記使用形態に変化している時だけ安全装置が解除され、運転可能に制御されることを特徴とするオープンキッチン用の排気装置。
- 加熱調理器具を組み込んだキャビネットに送風手段に連絡する空気室を設け、該キャビネットに、前記空気室に連通する吸引路を備えた遮壁を出没可能に設けると共に、前記吸引路から送風手段の吐出部に至る排気流路にグリス除去手段を設け、前記遮壁に、後端を遮壁上端部に回動可能に取り付けてなり、加熱調理器具上方に横断状に位置して加熱調理で発生する汚染空気を捕獲する使用形態と、使用形態から上方に鉛直状に回動して不使用形態とに変化可能なフードを設けて、加熱調理で発生する汚染空気を、前記フードを経て吸引路から送風手段に吸引するようになし、前記フードは前記不使用形態で遮壁と共にキャビネット内に没入して収容され、前記加熱調理器具は、キャビネットから突出する前記フードが所定の高さで前記使用形態に変化し、且つ送風手段が作動している時だけ運転可能に制御されることを特徴とするオープンキッチン用の排気装置。
- 加熱調理器具を組み込んだキャビネットに送風手段に連絡する空気室を設け、該キャビネットに、前記空気室に連通する吸引路を備えた遮壁を出没可能に設けると共に、前記吸引路から送風手段の吐出部に至る排気流路にグリス除去手段を設け、フードはフード主体とフード主体の後端部に連結されたフードサブ体とからなり、フード主体はフードサブ体に対して回動可能に取り付けられ、且つフードサブ体が遮壁上端部に対して上下動可能に取り付けられることで、前記フードは、加熱調理器具上方に横断状に位置して加熱調理で発生する汚染空気を捕獲する使用形態と、該使用形態から上方に鉛直状に回動した不使用形態とに、前記遮壁に変化可能に取り付けてなり、加熱調理で発生する汚染空気を、前記フードを経て吸引路から送風手段に吸引するようになし、前記フードは、前記不使用形態から前記遮壁上端部に対して下降して遮壁と共にキャビネット内に没入して収容させることを特徴とするオープンキッチン用の排気装置。
- 加熱調理器具を組み込んだキャビネットに送風手段に連絡する空気室を設け、該キャビネットに、前記空気室に連通する吸引路を備えた遮壁を出没可能に設けると共に、前記吸引路から送風手段の吐出部に至る排気流路にグリス除去手段を設け、前記遮壁は、上端にガイド孔を開孔して前記空気室に連通する内部中空状を呈し、フードは、遮壁上端部に対して回動可能且つ遮壁内において上下動可能で、加熱調理器具上方に横断状に位置して加熱調理で発生する汚染空気を捕獲する使用形態と、該使用形態から上方に鉛直状に回動した不使用形態とに、前記遮壁に変化可能に取り付けてなり、加熱調理で発生する汚染空気を、前記フードを経て吸引路から送風手段に吸引するようになし、前記フードは、前記不使用形態で前記ガイド孔から前記遮壁内に、遮壁上端部に対して下降させて、キャビネット内への没入時に前記遮壁内に収容させることを特徴とするオープンキッチン用の排気装置。
- 前記フードは、前記使用形態から上方に回動して前記不使用形態を構成する際にキッチン天井や照明器具に当たる高さ関係になる場合、遮壁のキャビネットへの没入途中過程で、前記不使用形態への変化が行なわれ、且つ遮壁のキャビネットからの突出途中過程で、前記使用形態への変化が行なわれるように制御されることを特徴とする請求項5または6記載のオープンキッチン用の排気装置。
- 前記キャビネットは移動キャスタを備えると共に、吸引路と送風手段の吐出部との間に汚染空気中の油脂分を除去するグリス除去手段と汚染空気に含まれる臭気を除去する脱臭手段を設けて、室内循環式の移動排気装置を構成していることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載のオープンキッチン用の排気装置。
- 前記遮壁またはその遮壁とフードとを光透過材で成形したことを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載のオープンキッチン用の排気装置。
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