JP4495288B2 - 基地局装置、通信端末装置、及び無線通信方法 - Google Patents

基地局装置、通信端末装置、及び無線通信方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル無線通信システムにおける基地局装置、通信端末装置、及び無線通信方法に関し、特にDS−CDMA(Direct Sequence-Code Division Multiple Access)システムにおける基地局装置、通信端末装置、及び無線通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体通信においては、フェージングにより受信信号の品質劣化が著しくなることから、フェージングに対する有効な対策としてダイバーシチ技術がある。このダイバーシチ技術は、受信機側において受信信号の電力の落ち込みを防止するものであるが、通信端末装置のような通信端末装置でダイバーシチを実現するためには、処理能力や小型化等の点で制約がある。そこで、本来通信端末装置の受信機側で実現されるべきダイバーシチを基地局の送信機側で実現するために、送信ダイバーシチ技術が検討されている。
【0003】
送信ダイバーシチは、基地局の2つのアンテナ素子から同じ信号を送信し、通信端末装置において受信信号の大きい方を選択してフェージングの影響を軽減するものである。
【0004】
また、現在、DS−CDMAシステムにおいて、基地局におけるクローズドループ型送信ダイバーシチ(CL型送信ダイバーシチ)の標準化が進められている。このCL型送信ダイバーシチにはモード1、モード2、モード3の3つのモードがある。モード1は180°刻み、モード2は90°刻み、モード3は45°刻みで位相回転を加えるモードである。
【0005】
送信ダイバーシチは、図10に示すように基地局側でアンテナ31にアンテナ30に対する位相回転を加えて送信を行い、通信端末装置側では、アンテナ30及びアンテナ31から送信された共通制御チャネル信号(共通既知信号)から、どの程度両信号に位相差を加えたら良いかを判定し、その位相差情報(フィードバック情報)を基地局に送信するものである。基地局は、その位相差情報にしたがって送信を行う。この処理はスロット毎に行われることから、通信端末装置側では、スロット毎に位相が大きく回転して受信されることになる。
【0006】
以下、基地局側でCL型送信ダイバーシチのモード2を適用した場合における通信端末装置での受信信号の位相について図11〜図14を用いて説明する。
まず、基地局における信号の送信について説明する。図11は、基地局の送信側の構成を示すブロック図である。この図によると、基地局の送信側は、フレーム構成部21と、変調部22と、変調部23と、共通制御チャネル拡散部24と、共通制御チャネル拡散部25と、個別チャネル拡散部26と、位相回転部27と、送信制御部28と、送信制御部29と、アンテナ30と、アンテナ31と、を有して構成されている。
【0007】
フレーム構成部21は、送信データにパイロットシンボル(既知シンボル)を挿入してフレーム構成をする。変調部22は、共通制御チャネル用送信信号に対してQPSK等の一次変調処理を行う。変調部23は、フレーム構成された送信データに対してQPSK等の一次変調処理を行う。共通制御チャネル拡散部24は、変調部22の出力信号に対して固有の拡散符号(拡散コードA)を乗算して拡散処理を行う。共通制御チャネル拡散部25は、変調部22の出力信号に対して固有の拡散符号(拡散コードB)を乗算して拡散処理を行う。個別チャネル拡散部26は、変調部23の出力信号に対して固有の拡散符号(拡散コードC)を乗算して拡散を行う。位相回転部27は、通信端末装置から送信された信号に含まれる位相回転量を指示する情報(フィードバック情報)に基づいて、個別チャネル拡散部26の出力信号の位相を所定量だけ回転させる。送信制御部28は、共通制御チャネル拡散部24及び個別チャネル拡散部26の出力信号を無線周波数に周波数変換して増幅し、アンテナ30から発信する。送信制御部29は、位相回転部27及び共通制御チャネル拡散部25の出力信号を無線周波数に周波数変換して増幅し、アンテナ31から発信する。
【0008】
次に、上記構成の基地局の動作について説明する。
上記のように基地局から送信された信号を通信端末装置で受信する場合、共通制御チャネル信号についてはアンテナ30とアンテナ31で互いに直交する拡散符号が乗算された信号が送信されているので、チャネル推定を送信アンテナ毎に行うことができる。通信端末装置において、共通制御チャネル信号はアンテナ30とアンテナ31とで異なるフェージングが加わって受信されており、アンテナ30から送信された共通制御チャネル信号とアンテナ31から送信された共通制御チャネル信号のチャネルを別々に推定する。そして、推定した2つのチャネル推定値に基づいて、アンテナ30とアンテナ31の間にどれくらいの位相差を持たせて送信すべきか決定し、決定した位相差(フィードバック情報)を基地局に通知する。
【0009】
ここで、フィードバック情報の決定について説明する。
基地局のアンテナ30とアンテナ31からは、上述したように、それぞれ共通制御チャネル信号が送信されている。通信端末装置においては、共通制御チャネル信号に対してチャネル推定することにより、アンテナ30とアンテナ31のそれぞれのフェージングによるチャネル推定値(位相回転量及び振幅変動)を算出することができる。
【0010】
まず、図12(a)に示すように、同じ振幅・位相(位相=0)であり、それぞれ直交する拡散符号が乗算された共通制御チャネル信号を基地局のアンテナ30,アンテナ31から送信すると、通信端末装置では、図10(b)の矢印に示す信号となって受信される。この図において、αはアンテナ30からの送信信号が受けるフェージングによる位相回転量を示し、βはアンテナ31からの送信信号が受けるフェージングによる位相回転量を示す。
【0011】
また、図13(a)に示すように、同じ振幅・位相(位相=0)である個別チャネル信号を基地局のアンテナ30,アンテナ31から送信すると、通信端末装置では、図13(b)に示すように、アンテナ30とアンテナ31で送信された信号が合成されて、太字矢印の信号となって受信される。この図において、α´はアンテナ30からの送信信号が受けるフェージングによる位相回転量を示し、β´はアンテナ31からの送信信号が受けるフェージングによる位相回転量を示す。
【0012】
図12(b)によれば、β−αが約90°であるので、アンテナ31の位相を−90°回転させるとアンテナ30とアンテナ31で送信した信号の合成ベクトルが大きくなることを予測できるので、アンテナ31の位相を−90°に設定し、その位相差で送信するように通信端末装置から基地局へフィードバック情報(位相差)を通知する。
【0013】
基地局にフィードバック情報が誤りなく通知されると、次のスロットにおいて個別チャネル信号は図14(a)に示すように送信される。すなわち、アンテナ31の位相が−90°されて送信される。この送信の結果、通信端末装置では、図14(b)に示すような受信レベルが高くなった信号を受信することになる。このアンテナ制御により、フェージングによる受信局での受信レベルの劣化を防止している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、通信端末装置が複数のスロットを用いて処理を行うマルチスロット処理と呼ばれるものがあり、なかでも複数のスロットの個別チャネルのチャネル推定値を重みづけ平均して個別チャネルのチャネル推定値を決定するマルチパイロット伝播路推定処理と呼ばれるものは、あるスロットの受信レベルが低い場合でもその前後の受信レベルの高いスロットのチャネル推定値も用いてチャネル推定を行うことから、個別チャネルの正確なチャネル推定を可能としている。
【0015】
しかしながら、送信ダイバーシチにマルチパイロット処理を用いると、ダイバーシチによる位相回転があるスロットとないスロットを共に用いて処理を行うことになり、処理結果が不正確になるという問題点がある。この問題点について、図13(b)及び図14(b)を参照しつつマルチパイロット伝播路推定処理の場合を例に挙げて説明する。
【0016】
図14(b)に示す受信信号はフェージングによる位相回転以外にダイバーシチによる位相回転を受けているので、図14(b)に示す信号からは正確なチャネル推定を行うことができない。この場合、図13(b)に示す信号が含まれるスロットと図14(b)に示す信号が含まれるスロットを平均してマルチパイロット伝播路推定処理を行っても、ダイバーシチによる位相回転があるスロットとないスロットを共に用いて平均をとることになりチャネル推定値は依然として不正確である。
この影響は,個別チャネル信号の位相回転のあり・なしにかかわらず,連続したスロットでダイバーシチによる位相回転量が異なる場合にも生じる。
マルチパイロット伝播路推定以外のマルチスロット処理においても同様に、ダイバーシチによる位相回転により受信側の処理が不正確になる。
【0017】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、CL型送信ダイバーシチを適用する送信ダイバーシチにおいて、マルチスロット処理を正確に行うことができる基地局装置、通信端末装置、及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様に係る基地局装置は、基地局装置の複数のアンテナの各々より送信された共通既知信号に基づいて求められたチャネル推定値をもとに通信端末装置において算出された基地局装置の送信信号に付与する位相回転量を示す位相差情報を受け取って、その受け取った位相差情報に基づいて前記複数のアンテナの各々の位相回転量を示す分割位相回転量情報を生成する位相分割手段と、前記位相分割手段からの分割位相回転量情報に基づいて前記複数のアンテナからの送信信号の各々に位相回転を付与する位相回転手段と、を具備する構成を採る。
【0019】
この構成によれば、フィードバック情報に基づいた位相回転量を基地局のアンテナ毎に分割するので、通信端末装置における受信信号の位相回転を少なくして受信性能の劣化を防ぐことができる。
【0020】
本発明の第2の態様に係る基地局装置は、上記構成において、前記位相分割手段からの分割位相回転量情報を記憶する記憶手段を具備する構成を採る。
【0021】
本発明の第3の態様に係る基地局装置は、上記構成において、前記位相分割手段は、前記記憶部が記憶した情報を読み出し、その読み出した情報の正負の符号に従って前記分割位相回転量情報の符号を決定する構成を採る。
【0022】
これらの構成によれば、過去の位相回転量を記憶することができるので、フィードバック情報が180°で送信信号に付与する位相回転の符号を求めることが困難な場合であっても、過去の位相回転量を参照して正確な位相回転量を求めることができる。
【0023】
本発明の第4の態様に係る基地局装置は、上記構成において、前記位相分割手段は、前記分割位相差情報が示す位相回転量の絶対値を前記複数のアンテナの各々に等分割する構成を採る。
【0024】
本発明の第5の態様に係る基地局装置は、上記構成において、前記位相分割手段は、通信端末装置がチャネル推定によって求めた前記複数のアンテナの各々の振幅変動を受け取って、前記位相差情報が示す位相回転量をその振幅変動に応じて分割する構成を採る。
【0025】
これらの構成によれば、フィードバック情報を各アンテナの伝播路状態に応じて分割するので、通信端末装置における受信信号の位相回転を少なくして受信性能の劣化を防ぐことができる。
【0026】
本発明の第6の態様に係る基地局装置は、上記構成において、前記位相分割手段は、前記位相分割手段からの分割位相回転量情報に基づいて前記複数のアンテナの各々から送信される送信信号に段階的に位相回転を付与する構成を採る。
【0027】
この構成によれば、基地局装置において送信信号に対して位相回転を段階的に与えるので、通信端末装置における受信信号の位相回転が段階的にかかるので受信性能の劣化を防ぐことができる。
【0028】
本発明の第7の態様に係る通信端末装置は、基地局装置の複数のアンテナから送信された共通既知信号を用いて前記複数のアンテナの各々のチャネル推定値を求めるチャネル推定手段と、前記チャネル推定手段からのチャネル推定値に基づいて基地局装置の送信信号に付与する位相回転量を示す位相差情報を算出する位相差情報算出手段と、前記位相差情報算出手段からの位相差情報に基づいて前記複数のアンテナの各々の位相回転量を示す分割位相回転量情報を生成する位相分割手段と、前記位相分割手段からの分割位相回転量情報を基地局装置に対して無線送信する無線送信手段と、を具備する構成を採る。
【0029】
本発明の第8の態様に係る通信端末装置は、上記構成において、前記位相分割手段は、前記分割位相差情報が示す位相回転量の絶対値を前記基地局装置の前記複数のアンテナの各々に等分割する構成を採る。
【0030】
本発明の第9の態様に係る通信端末装置は、上記構成において、前記位相分割手段は、前記位相差情報が示す位相回転量をチャネル推定によって求めた振幅変動に応じて分割する構成を採る。
【0031】
これらの構成によれば、通信端末装置においてフィードバック情報を各アンテナ毎に分割して基地局装置に対して送信し、基地局装置はアンテナ毎の位相回転量の情報に基づいて各アンテナの送信信号の位相を回転させて通信端末装置に対して送信するので、通信端末装置における受信信号の位相回転を少なくして受信性能の劣化を防ぐことができる。
【0032】
本発明の第10の態様に係る無線通信方法は、基地局装置は複数のアンテナを介して通信端末装置に対して共通既知信号を送信し、前記通信端末装置は前記基地局からの前記共通既知信号を受信し、前記複数のアンテナのチャネル推定値に基づいて前記基地局装置の送信信号に付与する位相回転量を示す位相差情報を算出して前記基地局装置に対して送信し、前記基地局装置は前記通信端末装置からの位相差情報に基づいて前記複数のアンテナの各々位相回転量を示す分割位相回転量情報を生成し、生成した分割位相回転量情報に基づいて前記複数のアンテナからの送信信号の各々に位相回転を付与するようにした。
【0033】
この方法により、基地局装置は、通信端末装置からのフィードバック情報に基づいて各アンテナ毎に送信信号に対して位相回転を付与して通信端末装置に対して送信するので、通信端末装置における受信信号の位相回転を少なくして受信性能の劣化を防ぐことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、CL型送信ダイバーシチの際に、複数のアンテナから送信される送信信号のそれぞれ/または一方に適当な位相回転を付与し、通信端末装置におけるマルチスロット処理の処理性能を向上させることである。
【0035】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
基地局装置は、拡散符号Aを乗算した信号と、拡散符号Aと直交する拡散符号Bを乗算した共通制御チャネル信号(共通既知信号)を送信する。通信端末装置は、これらの信号を逆拡散してチャネル推定を行い、フィードバック情報(位相差情報)を算出して基地局装置に送信する。
以下、通信端末装置及び基地局装置について説明する。
【0036】
<通信端末装置>
まず、通信端末装置について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る通信端末装置の構成を示すブロック図であるこの図に示すように、通信端末装置は、アンテナ101と、無線受信部102と、共通制御チャネル逆拡散部103と、共通制御チャネル逆拡散部104と、個別チャネル逆拡散部105と、チャネル推定部106と、チャネル推定部107と、チャネル推定部108と、同期検波部109と、フィードバック情報算出部110と、フレーム構成部111と、無線送信部112と、を有して構成されている。
【0037】
アンテナ101で受信された信号は無線受信部102に送られる。無線受信部102は、受信信号に対して所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)を行う。
【0038】
個別チャネル信号は、無線受信部102で無線受信処理された後に個別チャネル逆拡散部105に送られる。個別チャネル逆拡散部105は、無線受信部102からの受信信号を拡散コードCで逆拡散処理し、逆拡散された信号(逆拡散信号)をチャネル推定部108及び同期検波部109に対して出力する。
【0039】
チャネル推定部108は、個別チャネル逆拡散部105からの逆拡散信号を用いてチャネル推定を行いチャネル推定値を求める。同期検波部109は、チャネル推定部108からのチャネル推定値に従って逆拡散信号に同期検波処理を行って受信データを得る。
【0040】
一方、共通制御チャネル信号は、無線受信部102で無線受信処理された後に共通制御チャネル逆拡散部103及び共通制御チャネル逆拡散部104に送られる。共通制御チャネル逆拡散部103は、無線受信部102からの共通制御チャネル信号を拡散コードAで逆拡散処理し、逆拡散された信号(逆拡散信号)をチャネル推定部106に対して出力する。共通制御チャネル逆拡散部104は、無線受信部102からの共通制御チャネル信号を拡散コードBで逆拡散処理し、逆拡散された信号(逆拡散信号)をチャネル推定部107に対して出力する。
【0041】
チャネル推定部106は、共通制御チャネル逆拡散部103からの逆拡散信号を用いてチャネル推定を行いチャネル推定値(位相回転及び振幅変動)を求める。チャネル推定部107は、共通制御チャネル逆拡散部104からの逆拡散信号を用いてチャネル推定を行いチャネル推定値を求める。
【0042】
チャネル推定部106及びチャネル推定部107で求められたチャネル推定値は、それぞれフィードバック情報算出部110に送られる。フィードバック情報算出部110は、チャネル推定部106及びチャネル推定部107において求められたチャネル推定値の位相差に基づいてフィードバック情報を算出する。このフィードバック情報は、基地局装置に通知するためにフレーム構成部111に出力される。
【0043】
フレーム構成部111は、ディジタル変調後の送信データと、チャネル推定値から求められたフィードバック情報とを用いてフレーム構成を行い、フレーム構成した送信データ及びフィードバック情報を無線送信部112に出力する。無線送信部112は、フレーム構成部111の出力信号を所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)を行った後にアンテナ101を介して送信する。
【0044】
次に、本実施の形態に係る通信端末装置の動作について説明する。なお、ここでは、CL型送信ダイバーシチがモード2である場合について説明する。
【0045】
個別チャネル信号が基地局装置より送られると、無線受信部102において無線受信処理がなされ、個別チャネル逆拡散部105に出力される。個別チャネル逆拡散部105においては拡散コードCにより逆拡散され、逆拡散信号が生成される。個別チャネル逆拡散部105において生成された逆拡散信号はチャネル推定部108及び同期検波部109に送られる。チャネル推定部108においては、個別チャネル逆拡散部105からの逆拡散信号に基づいてチャネル推定がされる。同期検波部109においては、チャネル推定部108において求められたチャネル推定値に従って、個別チャネル逆拡散部105からの逆拡散信号に対して同期検波処理がなされ、受信データが得られる。
【0046】
一方、同じ振幅・位相であり、互いに直交する拡散符号が乗算されている共通制御チャネル信号が基地局装置のアンテナ312及びアンテナ313(図4参照)より送信されると、通信端末装置ではフェージングにより位相がずれて受信される。受信された信号は共通制御チャネル逆拡散部103及び共通制御チャネル逆拡散部104に出力され、共通制御チャネル逆拡散部103においては拡散コードAにより逆拡散され、共通制御チャネル逆拡散部104においては拡散コードBにより逆拡散される。共通制御チャネル逆拡散部103において生成された逆拡散信号はチャネル推定部106に送られてチャネル推定が行われる。また、共通制御チャネル逆拡散部104において生成された逆拡散信号はチャネル推定部107に送られてチャネル推定が行われる。
【0047】
それぞれのチャネル推定部106,107で得られた各チャネル推定値は、フィードバック情報算出部110に送られる。フィードバック情報算出部110では、2つのチャネル推定値を用いてフィードバック情報を算出する。以下、フィードバック情報算出部110における、フィードバック情報の算出について説明する。
【0048】
基地局装置から送信された図2(a)に示す振幅、位相の共通制御チャネル信号は、例えば図2(b)に示すように受信される。この共通制御チャネル信号は、アンテナ312(図4参照)から送信された信号とアンテナ313(図4参照)から送信された信号が、図2(b)の矢印に示す信号となって受信される。ここで、αはアンテナ312からの送信信号が受けるフェージングによる位相回転を示し、βはアンテナ313からの送信信号が受けるフェージングによる位相回転を示す。
【0049】
また、図3(a)に示すように、同じ振幅・位相(位相=0)である個別チャネル信号を基地局のアンテナ312,アンテナ313から送信すると、通信端末装置では、図3(b)に示すように、アンテナ312とアンテナ313で送信された信号が合成されて、太字矢印の信号となって受信される。この図において、α´はアンテナ312からの送信信号が受けるフェージングによる位相回転量を示し、β´はアンテナ313からの送信信号が受けるフェージングによる位相回転量を示す。
【0050】
図2(b)に示すように、アンテナ312から送信された信号とアンテナ313から送信された信号の間のフェージングによる位相回転の差β−αが約90°であるので、アンテナ313からの送信波の位相を−90°回転させるとアンテナ312とアンテナ313で送信した個別チャネル信号の合成ベクトルが大きくなると予測できる。
【0051】
CL型送信ダイバーシチのモード2においては、基地局装置側で意図的に付与する位相差は、0°、+90°、180°、−90°の4通りであるので、アンテナ313の位相を−90°に設定する。このようにしてフィードバック情報を算出する。
【0052】
通信端末装置は、このようにして算出したフィードバック情報(−90°)を基地局装置に通知する。すなわち、フィードバック情報の位相差は4通りであり2ビットで表現できるので、その2ビットのフィードバック情報をフレーム構成部111に送り、フレーム構成部111で送信データと共にフレーム構成する。そして、フレーム構成された送信信号の形で、フィードバック情報を基地局装置に通知する。
【0053】
<基地局装置>
次に、本実施の形態に係る基地局装置について説明する。
図4は、基地局装置の送信側の構成を示すブロック図である。この図に示すように、基地局装置の送信側は、フレーム構成部301と、変調部302と、変調部303と、共通制御チャネル拡散部304と、共通制御チャネル拡散部305と、個別チャネル拡散部306と、位相分割部307と、位相回転部308と、位相回転部309と、送信制御部310と、送信制御部311と、アンテナ312と、アンテナ313と、を備えて構成される。
【0054】
フレーム構成部301は、送信データにパイロットシンボル(既知シンボル)を挿入する。変調部302は、共通制御チャネル用送信信号に対してQPSK等の一次変調処理を行う。変調部303は、フレーム構成部301の出力信号に対してQPSK等の一次変調処理を行う。共通制御チャネル拡散部304は、変調部302の出力信号に対して固有の拡散符号(拡散コードA)を乗算して拡散する。共通制御チャネル拡散部305は、変調部302の出力信号に対して固有の拡散符号(拡散コードB)を乗算して拡散する。拡散コードAと拡散コードBは、互いに直交している。個別チャネル拡散部306は、変調部303の出力信号に対して固有の拡散符号(拡散コードC)を乗算して拡散する。
【0055】
位相分割部307は、通信端末装置から送信されたフィードバック情報が示す位相回転量を分割してアンテナ312、313のそれぞれの位相回転量を算出し、位相回転部308、309に各アンテナ毎の位相回転量を示す信号(以下、「分割位相回転量情報」という)を送る。位相回転部308は、位相分割部307からの分割位相回転量情報に基づいて、個別チャネル拡散部306の出力信号の位相を回転させて送信制御部310に出力する。位相回転部309も同様に、位相分割部307からの分割位相回転量情報に基づいて、個別チャネル拡散部306からの出力信号の位相を回転させて送信制御部311に出力する。送信制御部310は、共通制御チャネル拡散部304及び位相回転部308の出力信号を無線周波数に周波数変換して増幅し、アンテナ312より送信する。送信制御部311は、共通制御チャネル拡散部305及び位相回転部309の出力信号を無線周波数に周波数変換して増幅し、アンテナ313より送信する。
【0056】
ここで、位相分割部307における分割位相回転量情報の算出について説明する。上述したように、通信端末装置から基地局装置に対してフィードバック情報が通知されている。フィードバック情報に示されるアンテナ313の位相回転量が+Θである場合には、アンテナ312から−Θ/2、アンテナ313から+Θ/2の位相回転を加えて個別チャネル信号を送信することにより、通信端末装置において受信する個別チャネル信号の位相回転が少なくなることが予測される。また、フィードバック情報に示されるアンテナ313の位相回転量が−Θである場合には、アンテナ312から+Θ/2、アンテナ313から−Θ/2の位相回転を加えて個別チャネル信号を送信することにより、通信端末装置において受信する個別チャネル信号の位相回転が少なくなることが予測される。そこで、各フィードバック情報について、位相分割部307は、表1に示すように各アンテナ毎の分割位相回転量情報を生成する。位相分割部307は、生成した分割位相回転量情報を位相回転部308及び位相回転部309に出力する。
【0057】
(表1)
Figure 0004495288
【0058】
本実施の形態においては、フィードバック情報が−90°であるから、アンテナ312より送信される送信信号の位相回転量は+45°、アンテナ313から送信される送信信号の位相回転量は−45°と分割される。
【0059】
なお、本実施の形態において、フィードバック情報が180°である場合には、+90°と-90°がそれぞれのアンテナの分割位相回転量情報として生成されるが、その生成の方法には2通りあり、そのどちらがより適当か判断することが困難な場合がある。この場合には、直前のもしくは直前複数回の分割位相回転量情報を基地局装置内に備えられたメモリー(図示しない)に記憶して、その記憶された分割位相回転量情報の符号(+または−)に従って分割位相回転量情報の符号を決定する。
【0060】
基地局装置では、−90°のフィードバック情報を受け取ると、個別チャネル信号が表1に示す位相回転を付与されて図5(a)に示すように通信端末装置に向けて送信される。この場合、通信端末装置では図5(b)に示すような信号を受信することになる。このとき、合成ベクトルの位相はΦ2になっている。ここで、図3(b)と図5(b)とを比較すると、受信レベルが上がり、かつ、位相もΦ2からΦ2’へとわずかしか回転していない。したがって、送信ダイバーシチの効果を維持したまま位相回転が従来と比較して小さく押さえられている。
【0061】
このように、本実施の形態においては、CL型送信ダイバーシチにおいて、送信ダイバーシチの位相回転を基地局装置において2つのアンテナに適当に分割するので、通信端末装置の受信信号の位相回転量を小さくでき、マルチスロット処理の処理性能を向上させることができる。特に、マルチスロット伝播路推定処理において、正確にチャネル推定値を求めることができる。
【0062】
なお、本実施の形態において、基地局装置がフィードバック情報を受け取ると位相回転部が指示された位相回転をまとめて一度に付与する場合について説明したが、位相回転部はこの位相回転を段階的に付与してもよい。
【0063】
また、位相分割部307におけるフィードバック情報の分割の例を表1に示したが、フィードバック情報の分割の方法はこれに限られず、受信信号の位相回転を小さくすることができるような分割の仕方であればよい。
【0064】
(実施の形態2)
実施の形態1では、フィードバック情報の各アンテナへの分割処理を基地局装置において行う場合について説明したが、本実施の形態2では通信端末装置が行う場合について説明する。
【0065】
図6は、本発明の実施の形態2に係る通信端末装置の構成の一部を示すブロック図である。なお、この図6において、図1と同じ部分については図1と同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0066】
この図において、位相分割部601はフィードバック情報算出部110からのフィードバック情報を分割する制御をして分割位相回転量情報を生成してフレーム構成部111に出力する。この場合、位相分割部601は、実施の形態1の位相分割部307と同様に表1にしたがってフィードバック情報を分割し、分割位相回転量情報を生成する。フレーム構成部111は、ディジタル変調された送信データと、位相分割部601からの分割位相回転量情報とを用いてフレーム構成を行う。具体的には、分割位相回転量情報は4通りあり、2ビットで表現できるので、その2ビットの分割位相回転量情報をフレーム構成部111に出力し、フレーム構成部111で送信データと共にフレーム構成する。そして、フレーム構成された送信信号の形で、分割位相回転量情報を基地局に通知する。
【0067】
基地局装置は、受信信号より分割位相回転量情報を取得すると、次のスロットにおいて2つのアンテナから送信する個別チャネル信号にそれぞれ分割位相回転量情報に対応する位相差を付与する。
【0068】
このように、本実施の形態においては、CL型送信ダイバーシチにおいて、送信ダイバーシチの位相回転を通信端末装置において2つのアンテナに適当に分割するので、通信端末装置の受信信号の位相回転量を小さくでき、マルチスロット処理の処理性能を向上させることができる。
【0069】
なお、本実施の形態において、基地局装置が分割位相回転量情報を受け取ると位相回転部が指示された位相回転をまとめて一度に付与する場合について説明したが、位相回転部はこの位相回転を段階的に付与してもよい。
【0070】
また、位相分割部601におけるフィードバック情報の分割の方法を表1に示したが、フィードバック情報の分割の方法はこれに限られず、受信信号の位相回転を小さくすることができるような分割の仕方であればよい。
【0071】
(実施の形態3)
実施の形態1では、通信端末装置の受信信号の振幅変動が2つの伝播路で大きく異なる場合がある。この場合には、送信ダイバーシチの位相回転量を等分割したのでは、受信信号の位相回転量が小さくならないと予測される。そこで、本実施の形態では、実施の形態1の送信ダイバーシチの位相回転量を受信信号の振幅変動に応じて分割するようにした。
【0072】
本実施の形態に係る基地局装置は、実施の形態1に係る基地局と同じ構成を採るが、位相分割部307において算出される分割位相回転量情報が異なる。
以下、位相分割部307における分割位相回転量情報の算出について図7から図9を参照して説明する。
【0073】
基地局装置からは図7(a)に示す振幅、位相の共通制御チャネル信号が送信され、通信端末装置において図7(b)に示すように受信される。この共通制御チャネル信号は、2本のアンテナから送信された信号が矢印の信号となって受信される。ここで、αはアンテナ312からの送信信号が受けるフェージングによる位相回転を示し、βはアンテナ313からの送信信号が受けるフェージングによる位相回転を示す。また、Aはアンテナ312からの送信信号が受けるフェージングによる振幅変動を示し、Bはアンテナ313からの送信信号が受けるフェージングによる振幅変動を示す。この振幅変動A及びBは、基地局装置に通知される。
【0074】
また、基地局装置からは図8(a)に示す振幅、位相の個別チャネル信号が送信され、通信端末装置において図8(b)に示すように受信される。この個別チャネル信号は、2本のアンテナから送信された信号が合成されて、太字矢印の信号となって受信される。このときの合成ベクトルの位相はΦ3である。ここで、α´はアンテナ312からの送信信号が受けるフェージングによる位相回転を示し、β´はアンテナ313からの送信信号が受けるフェージングによる位相回転を示す。また、A´はアンテナ312からの送信信号が受けるフェージングによる振幅変動を示し、B´はアンテナ313からの送信信号が受けるフェージングによる振幅変動を示す。
【0075】
図7(b)に示すように、アンテナ312から送信された信号とアンテナ313から送信された信号の間のフェージングによる位相回転の差β−αが約90°であるので、アンテナ313からの送信波の位相を−90°回転させるとアンテナ312とアンテナ313で送信した信号の合成ベクトルが大きくなることが予測されるので、アンテナ2の位相を−90°(フィードバック情報)に設定する。
【0076】
通信端末装置は、このようにして算出したフィードバック情報を基地局装置に通知する。具体的には、フィードバック情報の位相差は4通りであり2ビットで表現できるので、その2ビットのフィードバック情報をフレーム構成部111に送り、フレーム構成部111で送信データと共にフレーム構成する。そして、フレーム構成された送信信号の形で、フィードバック情報を基地局装置に通知する。
【0077】
ここで、位相分割部307における分割位相回転量情報の算出について説明する。上述したように、通信端末装置から基地局装置に対してフィードバック情報及び振幅変動A、振幅変動Bが通知されている。通知されたこれらの情報は、受信処理がなされた後に位相分割部307に送られる。ここでは、位相回転部308、309が15°刻みで位相回転制御を行う場合について説明する。フィードバック情報に示されるアンテナ313の位相回転量が+Θであり、アンテナ312からの送信信号の振幅変動がA,アンテナ313からの送信信号の振幅変動がBであるとする。この場合、振幅変動の大きさに反比例するように位相回転量を分割すると合成ベクトルの位相回転量が小さくなることが予測される。したがって、分割位相回転量は、アンテナ312に関しては−{B/(A+B)}Θとなり、アンテナ313に関しては+{A/(A+B)}Θとなるのが理想的である。しかし、位相回転部308、309は15°刻みで位相回転を付与するので、アンテナ312、アンテナ313の分割位相回転量は、回転の方向を無視すると(90°、0°)、(75°、15°)、(60°、30°)、(45°、45°)、(30°、60°)、(15°、75°)、(0°、90°)の組み合わせのいずれかに制限される。そこで、実際の分割位相回転量は、上記組み合わせのうち{B/(A+B)}Θ及び{A/(A+B)}Θの値に最も近い量に設定する。この分割位相回転量の設定についてまとめたものを表2に示す。
【0078】
(表2)
Figure 0004495288
【0079】
ここで、図7(b)によれば、A/Bは略2.5であるから表2に示すようにアンテナ312からの送信信号には+30°、アンテナ313からの送信信号には−60°の位相回転が付与されて通信端末装置に向けて送信される。この場合の送信信号は、図9(a)に示すように送られる。
【0080】
図9(a)に示すように送られた送信信号は、通信端末装置では図9(b)に示すような信号を受信することになる。このとき、合成ベクトルの位相はΦ3’になっている。ここで、図8(b)と図9(b)を比較すると、受信レベルが上がり、かつ、位相もΦ3からΦ3’へとわずかしか回転していない。すなわち、送信ダイバーシチの効果を維持したまま位相回転量が従来と比較して小さく押さえられている。
【0081】
このように、本実施の形態においては、CL型送信ダイバーシチにおいて、基地局装置で与える送信ダイバーシチの位相回転を振幅変動に応じて2つのアンテナに分割するので、通信端末装置の受信信号の位相回転量を小さくでき、マルチスロット処理の処理性能を向上させることができる。
【0082】
なお、本実施の形態においては、位相回転部308、309が15°刻みで位相回転を付加する場合について説明したが、位相回転は、位相回転部308、309の構成に応じて何度刻みであってもよい。また、位相分割部307における位相分割の例を表2に示したが、これに限られず振幅変動に応じて受信信号の位相回転を小さくすることができるような分割の仕方であればよい。
【0083】
また、本実施の形態においては、基地局側においてフィードバック情報の位相を分割する場合について説明したが、実施の形態2に示すように通信端末装置において位相を分割する構成であってもよい。
【0084】
本発明は上記実施の形態1〜3に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態1〜3においては、CL型送信ダイバーシチがモード2である場合について説明しているが、CL型送信ダイバーシチが他のモードであっても適用することができる。また、上記実施の形態1〜3において基地局のアンテナが2本の場合についてのみ説明しているが、アンテナが複数本であれば適用することができる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、CL型送信ダイバーシチにおいて、基地局装置で2つのアンテナから送信される送信信号のそれぞれ/または一方に適当な位相回転を付与するため、通信端末装置の受信信号の位相回転量が小さくなり、マルチスロット処理を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る通信端末装置の構成を示すブロック図
【図2】(a)本発明の実施の形態1に係る基地局装置において送信される共通制御チャネル信号の位相及び振幅を説明するための図
(b)本発明の実施の形態1に係る通信端末装置において受信される共通制御チャネル既知信号の位相及び振幅を説明するための図
【図3】(a)本発明の実施の形態1に係る基地局装置において送信される位相回転を付与する前の個別チャネル信号の位相及び振幅を説明するための図
(b)本発明の実施の形態1に係る通信端末装置において受信される位相回転を付与する前の個別チャネル信号の位相及び振幅を説明するための図
【図4】本発明の実施の形態1に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図5】(a)本発明の実施の形態1に係る基地局装置において送信される位相回転を付与した後の個別チャネル信号の位相及び振幅を説明するための図
(b)本発明の実施の形態1に係る通信端末装置において受信される位相回転を付与した後の個別チャネル信号の位相及び振幅を説明するための図
【図6】本発明の実施の形態2に係る通信端末装置の構成を示すブロック図
【図7】(a)本発明の実施の形態3に係る基地局装置において送信される共通制御チャネル信号の位相及び振幅を説明するための図
(b)本発明の実施の形態3に係る通信端末装置において受信される共通制御チャネル既知信号の位相及び振幅を説明するための図
【図8】(a)本発明の実施の形態3に係る基地局装置において送信される位相回転を付与する前の個別チャネル信号の位相及び振幅を説明するための図
(b)本発明の実施の形態3に係る通信端末装置において受信される位相回転を付与する前の個別チャネル信号の位相及び振幅を説明するための図
【図9】(a)本発明の実施の形態3に係る基地局装置において送信される位相回転を付与した後の個別チャネル信号の位相及び振幅を説明するための図
(b)本発明の実施の形態3に係る通信端末装置において受信される位相回転を付与した後の個別チャネル信号の位相及び振幅を説明するための図
【図10】送信ダイバーシチを用いた無線通信システムのシステム構成図
【図11】従来の基地局装置の構成を示すブロック図
【図12】(a)従来の基地局装置において送信される共通制御チャネル信号の位相及び振幅を説明するための図
(b)従来の通信端末装置において受信される共通制御チャネル既知信号の位相及び振幅を説明するための図
【図13】(a)従来の基地局装置において送信される位相回転を付与する前の個別チャネル信号の位相及び振幅を説明するための図
(b)従来の通信端末装置において受信される位相回転を付与する前の個別チャネル信号の位相及び振幅を説明するための図
【図14】(a)従来の基地局装置において送信される位相回転を付与した後の個別チャネル信号の位相及び振幅を説明するための図
(b)従来の通信端末装置において受信される位相回転を付与した後の個別チャネル信号の位相及び振幅を説明するための図
【符号の説明】
101、312、313 アンテナ
102 無線受信部
103、104 共通制御チャネル逆拡散部
105 個別チャネル逆拡散部
106、107、108 チャネル推定部
109 同期検波部
110 フィードバック情報算出部
111、301 フレーム構成部
112 無線送信部
302、303 変調部
304、305 共通制御チャネル拡散部
306 個別チャネル拡散部
307、601 位相分割部
308、309 位相回転部
310、311 送信制御部

Claims (5)

  1. 基地局装置の複数のアンテナの各々より送信された共通既知信号に基づいて求められたチャネル推定値をもとに通信端末装置において算出された基地局装置の送信信号に付与すべき位相回転量を示す位相差情報、および、前記通信端末装置によるチャネル推定によって求められた前記複数のアンテナ各々の振幅変動を示す振幅情報を受け取って、その受け取った位相差情報および振幅情報に基づいて前記複数のアンテナからの送信信号の各々に付与すべき位相回転量を示す分割位相回転量情報を生成する位相分割手段と、
    前記位相分割手段からの分割位相回転量情報に基づいて前記複数のアンテナからの送信信号の各々に位相回転を付与する位相回転手段と、を具備し、
    前記位相分割手段は、前記振幅情報が示す前記複数のアンテナ各々の振幅変動が異なる場合に、前記位相回転を付与する前の送信信号を合成した信号である第1合成信号と、前記位相回転を付与した後の送信信号を合成した信号である第2合成信号との位相差が抑制されるよう、前記位相差情報の示す位相回転量を前記振幅変動に基づいて不均等に分割することで前記分割位相回転量情報を生成する、
    ことを特徴とする基地局装置。
  2. 前記位相分割手段は、前記位相差情報の示す位相回転量を、前記振幅情報によって示される前記複数のアンテナ各々の振幅変動に反比例するよう分割することで、前記分割位相回転情報を生成することを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
  3. 基地局装置の複数のアンテナから送信された共通既知信号を用いて前記複数のアンテナの各々のチャネル推定値を求めるチャネル推定手段と、
    前記チャネル推定手段からのチャネル推定値に基づいて基地局装置の送信信号に付与すべき位相回転量を示す位相差情報を算出する位相差情報算出手段と、
    チャネル推定によって求めた前記複数のアンテナ各々の振幅変動を示す振幅情報を算出する振幅情報算出手段と、
    前記位相差情報算出手段からの位相差情報に基づいて前記複数のアンテナの各々の位相回転量を示す分割位相回転量情報を生成する位相分割手段と、
    前記位相分割手段からの分割位相回転量情報を前記基地局装置に対して無線送信する無線送信手段と、を具備し、
    前記位相分割手段は、前記振幅情報が示す前記複数のアンテナ各々の振幅変動が異なる場合に、前記位相回転を付与する前の送信信号を合成した信号である第1合成信号と、前記位相回転を付与した後の送信信号を合成した信号である第2合成信号との位相差が抑制されるよう、前記位相差情報の示す位相回転量を前記振幅変動に基づいて不均等に分割することで前記分割位相回転量情報を生成する、
    ことを特徴とする通信端末装置。
  4. 基地局装置において、前記基地局装置の複数のアンテナの各々より送信された共通既知信号に基づいて求められたチャネル推定値をもとに通信端末装置において算出された基地局装置の送信信号に付与すべき位相回転量を示す位相差情報、および、前記通信端末装置によるチャネル推定によって求められた前記複数のアンテナの各々の振幅変動を示す振幅情報を受け取って、その受け取った位相差情報および振幅情報に基づいて前記複数のアンテナからの送信信号の各々に付与すべき位相回転量を示す分割位相回転量情報を生成し、前記分割位相回転量情報に基づいて前記複数のアンテナからの送信信号の各々に位相回転を付与する無線通信方法であって、
    前記基地局装置は、前記振幅情報が示す前記複数のアンテナ各々の振幅変動が異なる場合に、前記位相回転を付与する前の送信信号を合成した信号である第1合成信号と、前記位相回転を付与した後の送信信号を合成した信号である第2合成信号との位相差が抑制されるよう、前記位相差情報の示す位相回転量を前記振幅変動に基づいて不均等に分割することで前記分割位相回転量情報を生成する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  5. 通信端末装置において、基地局装置の複数のアンテナから送信された共通既知信号を用いて前記複数のアンテナの各々のチャネル推定値を求め、前記チャネル推定値に基づいて基地局装置の送信信号に付与すべき位相回転量を示す位相差情報を算出し、チャネル推定によって求めた前記複数のアンテナの各々の振幅変動を示す振幅情報を算出し、前記位相差情報に基づいて前記複数のアンテナの各々の位相回転量を示す分割位相回転量情報を生成し、前記分割位相回転量情報を前記基地局装置に対して無線送信する無線通信方法であって、
    前記通信端末装置は、前記振幅情報が示す前記複数のアンテナ各々の振幅変動が異なる場合に、前記位相回転を付与する前の送信信号を合成した信号である第1合成信号と、前記位相回転を付与した後の送信信号を合成した信号である第2合成信号との位相差が抑制されるよう、前記位相差情報の示す位相回転量を前記振幅変動に基づいて不均等に分割することで前記分割位相回転量情報を生成する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
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