JP4493958B2 - 軽量盛土構造物およびその構築法並びにその盛土材 - Google Patents

軽量盛土構造物およびその構築法並びにその盛土材 Download PDF

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Description

本発明は、軟弱地盤上に道路等を敷設する際に設置される軽量盛土構造物、およびその構築法並びにその盛土材に関する。
軟弱地盤上に設置される盛土には、すべり破壊対策、沈下対策および周辺地盤の変形対策が必要であって、盛土自体の水平方向に向かうすべりを防止するもの、軟弱地盤自体を改良するもの、軟弱地盤の表面に補強手段を設けるもの、盛土自体を軽量化するもの等、種々の構築法が提案されている。
そして、盛土自体を軽量化する構築法(以下、軽量盛土法と称す)には、盛土に気泡を混合して低密度にする気泡混合軽量盛土法(FCP構築法)や発泡ビーズ混合土等の軽量材料によって盛土する構築法、施工工期の短縮、施工の容易さ、盛土品質の保証、トータルコストの低減等を図るため、プレキャスト化した軽量盛土材を積み上げる構築法等がある。
たとえば、ブロック状または板状の硬質発泡プラスチック製軽量盛土材を盛土内に敷設して、該盛土材を帯状材によって連結する構築法(例えば、特許文献1参照)。
軽量ブロックを多数積層したブロック構造層を内部に形成し、ブロック構造層がポリウレタン発泡体によって一体に固定される構築法(例えば、特許文献2参照)。
凹凸を有する超軽量中空型FRP箱を、その凹凸を嵌め合わせて積み上げる構築法(例えば、特許文献3参照)。
長手方向に突条および溝条を有する軽量コンクリートブロックおよびポリスチレン発泡体ブロックを、一方のブロックの突条と他方のブロックの溝条を嵌合して積み上げる構築法がある(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、前記構築法は、軽量ブロックや超軽量中空型FRP箱等の盛土材が、いずれも、水よりも比重が軽いため、周囲に水が侵入した場合に浮き上がるという問題を抱えていた。また、該浮き上がりを防止しようとすると、設置されている当該盛土材の周囲から水を排出するための排水処理手段を設ける必要が生じ、かえって施工工期の延長や施工コストの上昇を招くという問題があった。
そして、かかる問題を解消するために、見かけ比重が0.45以下で内部から外部に連通した中空部を備え且つ自立可能なコンクリートブロック体を積層する構築法が開示されている(例えば、特許文献5参照、以下、従来技術と称す)。
特開昭62−197521号公報(第2−3頁、第1図) 特許第2566422号公報(第2−3頁、第1図) 特開平11−107281(第2頁、第4図) 特開平11−107281(第2−3頁、第1図) 特開平11−107281(第3−5頁、図2)
しかしながら、前記従来技術(特許文献5参照)は、空隙率が高くしかも透水性を有する盛土材を用いるため、盛土構造物の中に水の通路を形成して浸水に伴う浮き上がりのおそれがないという効果を奏するものの、以下のような問題点を有している。
(i)盛土材(コンクリートブロック体)がコンクリートによって形成されるため、所定の支持力を保証しようとすると、薄肉化に限界があり、所望の軽量化を図ることができない。
(ii)盛土材が立方体または直方体であって、平面的に敷設され、さらに上下に積層されるだけで、相互に連結または係止されないため、地震等の外力によって相互に離れるおそれがある。
(iii)また、コンクリートを所定の形状に成形するため、該成形に用いる型枠は組立・分解可能な外枠と膨張・収縮可能な中子とを必要とする複雑なものになって、該成形作業の自動化や迅速化が困難になる。よって、盛土材の製造コストが高くなって盛土構造物のトータルコストが高くなる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、相互に係止可能な係止手段を有し、且つ所望の軽量化を可能にする軽量な盛土材と、該盛土材によって構築され、その中に水の通路が形成される軽量盛土構造物と、該盛土材を用いた軽量盛土構造物の構築法とを提供することを目的とする。
(1)本発明に係る軽量盛土構造物を構築するための盛土材は、下端および上端が平行に形成された筒状体と、前記筒状体の外面から突出して前記下端に設置された底板と、前記筒状体の外面から突出して前記上端に設置された天板とを具備し、
前記底板が平坦な板材で、前記天板が断面波形状の板材であることを特徴とする。
(2)さらに、下端および上端が平行に形成された筒状体と、前記筒状体の外面から突出して前記下端に設置された底板と、前記筒状体の外面から突出して前記上端に設置された天板とを具備し、
前記底板および天板はいずれも断面波形状の板材であって、側縁部を除く範囲または全範囲において、相互に面対称または平行に設置されていることを特徴とする。
(3)さらに、前記底板の下面に平板が設置されていることを特徴とする。
(4)さらに、前記底板の下面にモルタルが設置され、該モルタルの下面が平坦であることを特徴とする。
(5)また、本発明に係る軽量盛土構造物の構築法は、下端および上端が平行に形成された筒状体と、前記筒状体の外面から突出して前記下端に設置された底板と、前記筒状体の外面から突出して前記上端に設置された天板とを具備する軽量盛土構造物を構築するための盛土材を、他方から一方にかけて行方向に設置する軽量盛土構造物の構築法であって、
地盤上に載置された第一の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第二の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ね、且つ、第二の盛土材の底板の前記行方向の一方の側縁部を地盤上に載置する工程と、
該第二の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第三の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ね、且つ、第三の盛土材の底板の前記行方向の一方の側縁部を地盤上に載置する工程と、
第一の盛土材の天板の上および第二の盛土材の天板の上に、第四の盛土材を載置する工程と、
第四の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第五の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ね、且つ、第五の盛土材の底板の前記行方向の一方の側縁部を第三の盛土材の天板の上に載置する工程と、
を有することを特徴とする。
(6)また、下端および上端が平行に形成された筒状体と、前記筒状体の外面から突出して前記下端に設置された底板と、前記筒状体の外面から突出して前記上端に設置された天板とを具備する軽量盛土構造物を構築するための盛土材を、他方から一方にかけて行方向および該行方向に垂直な列方向で他方から一方にかけて設置する軽量盛土構造物の構築法であって、
地盤上に載置された第一の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第二の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ね、且つ、第二の盛土材の底板の前記行方向の一方の側縁部を地盤上に載置する工程と、
第二の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第三の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ね、且つ、第三の盛土材の底板の前記行方向の一方の側縁部を地盤上に載置する工程と、
第一の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、第六の盛土材の底板および天板の前記列方向の他方の端縁部をそれぞれ重ね、且つ、第六の盛土材の底板の前記列方向の一方の端縁部を地盤上に載置する工程と、
第二の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、第七の盛土材の底板および天板の前記列方向の他方の端縁部をそれぞれ重ね、且つ、第六の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第七の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の端縁部をそれぞれ重ねる工程と、
第三の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、第八の盛土材の底板および天板の前記列方向の他方の端縁部をそれぞれ重ね、且つ、第七の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第八の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ねる工程と、
第一の盛土材、第二の盛土材、第六の盛土材または第七の盛土材のそれぞれの天板同士の前記重なり部の一部を跨いで、第四の盛土材を載置する工程と、
第四の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第五の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ね、且つ、第二の盛土材、第三の盛土材、第七の盛土材または第八の盛土材のそれぞれの天板同士の前記重なり部の一部を跨いで、第五の盛土材を載置する工程と、
を有することを特徴とする。
(7)また、下端および上端が平行に形成された筒状体と、前記筒状体の外面から突出して前記下端に設置された底板と、前記筒状体の外面から突出して前記上端に設置された天板とを具備する軽量盛土構造物を構築するための盛土材を、他方から一方にかけて行方向および該行方向に垂直な列方向で他方から一方にかけて設置する軽量盛土構造物の構築法であって、
地盤上に載置された第一の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第二の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ね、且つ、第二の盛土材の底板の前記行方向の一方の側縁部を地盤上に載置する工程と、
第二の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第三の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ね、且つ、第三の盛土材の底板の前記行方向の一方の側縁部を地盤上に載置する工程と、
第一の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部並びに第二の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、第六の盛土材の底板および天板の前記列方向の他方の端縁部をそれぞれ重ね、且つ、第六の盛土材の底板の前記列方向の一方の端縁部を地盤上に載置する工程と
第二の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部並びに第三の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、第七の盛土材の底板および天板の前記列方向の他方の端縁部をそれぞれ重ね、且つ、第六の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第七の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ねる工程と、
同様にして、第三の盛土材の前記列方向の一方の端縁方向で、第七の盛土材の前記列方向の一方の側縁方向に第八の盛土材を設置する工程と、
第一の盛土材、第二の盛土材、第六の盛土材または第七の盛土材のそれぞれの天板同士の前記重なり部の一部を跨いで、第四の盛土材を載置する工程と、
第四の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第五の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ね、且つ、第二の盛土材、第三の盛土材、第七の盛土材または第八の盛土材のそれぞれの天板同士の前記重なり部の一部を跨いで、第五の盛土材を載置する工程と、
を有することを特徴とする。
(8)さらに、前記(5)乃至(7)の何れかにおいて、前記軽量盛土構造物を構築するための盛土材に、前記(1)乃至(4)の何れかに記載の軽量盛土構造物を構築するための盛土材が含まれることを特徴とする。
(9)また、本発明に係る軽量盛土構造物は、下端および上端が平行に形成された筒状体と、前記筒状体の外面から突出して前記下端に設置された底板と、前記筒状体の外面から突出して前記上端に設置された天板とを具備する軽量盛土構造物を構築するための盛土材を、他方から一方にかけて行方向に設置した軽量盛土構造物であって、
地盤上に載置された第一の盛土材と、
第一の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なって地盤上に載置された第二の盛土材と、
第二の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なって地盤上に載置された第三の盛土材と、
第一の盛土材の天板の上および第二の盛土材の天板の上に載置された第四の盛土材と、
第四の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なって第三の盛土材の天板の上に載置された第五の盛土材と
を有することを特徴とする。
(10)また、下端および上端が平行に形成された筒状体と、前記筒状体の外面から突出して前記下端に設置された底板と、前記筒状体の外面から突出して前記上端に設置された天板とを具備する軽量盛土構造物を構築するための盛土材を、他方から一方にかけて行方向および該行方向に垂直な列方向で他方から一方にかけて設置した軽量盛土構造物であって、
地盤上に載置された第一の盛土材と、
第一の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なって地盤上に載置された第二の盛土材と、
第二の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なって地盤上に載置された第三の盛土材と、
第一の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、底板および天板の前記列方向の他方の端縁部がそれぞれ重なって地盤上に載置された第六の盛土材と、
第二の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、底板および天板の前記列方向の他方の端縁部がそれぞれ重なり、且つ、第六の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なる第七の盛土材と、
第三の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、底板および天板の前記列方向の他方の端縁部がそれぞれ重なり、且つ、第七の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なる第八の盛土材と、
第一の盛土材、第二の盛土材、第六の盛土材または第七の盛土材のそれぞれの天板同士の前記重なり部の一部を跨いで載置された第四の盛土材と、
第四の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なり、且つ、第二の盛土材、第三の盛土材、第七の盛土材または第八の盛土材のそれぞれの天板同士の前記重なり部の一部を跨いで載置された第五の盛土材と、
を有することを特徴とする。
(11)さらに、下端および上端が平行に形成された筒状体と、前記筒状体の外面から突出して前記下端に設置された底板と、前記筒状体の外面から突出して前記上端に設置された天板とを具備する軽量盛土構造物を構築するための盛土材を、他方から一方にかけて行方向および該行方向に垂直な列方向で他方から一方にかけて設置した軽量盛土構造物であって、
地盤上に載置された第一の盛土材と、
第一の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なって地盤上に載置された第二の盛土材と、
第二の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なって地盤上に載置された第三の盛土材と、
第一の盛土材並びに第二の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、底板および天板の前記列方向の他方の端縁部がそれぞれ重なって地盤上に載置された第六の盛土材と、
第二の盛土材並びに第三の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、底板および天板の前記列方向の他方の端縁部がそれぞれ重なり、且つ、第六の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なる第七の盛土材と、
同様にして、第三の盛土材の前記列方向の一方の端縁方向で、第七の盛土材の前記行方向の一方の側縁方向に設置された第八の盛土材と、
第一の盛土材、第二の盛土材、第六の盛土材または第七の盛土材のそれぞれの天板同士の前記重なり部の一部を跨いで載置された第四の盛土材と、
第四の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なり、第二の盛土材、第三の盛土材、第七の盛土材または第八の盛土材のそれぞれの天板同士の前記重なり部の一部を跨いで設置された第五の盛土材と、
を有することを特徴とする。
(12)さらに、前記(9)乃至(11)の何れかにおいて、前記軽量盛土構造物を構築するための盛土材に、前記(1)乃至(4)の何れかに記載の軽量盛土構造物を構築するための盛土材が含まれることを特徴とする。
本発明に係る軽量盛土構造物を構築するための盛土材は、
(i)筒状体と底板と天板から構成され、その内部に水の通路を形成するから、浸水に伴う浮き上がりのおそれがない。
(ii)また、簡素な構造であって、薄肉化が可能であるから、安価に所望の軽量化を図ることがでる。
(iii)また、底板と天板が断面波形状であって、その側縁部同士が係止するから、相互に重ねた際、地震等の外力によって相互に離れるおそれがない。
(iv)さらに、本発明に係る軽量盛土構造物の構築法は前記盛土材を用いるから、施工が容易であって、施工期間の短縮、施工コストの低減が可能になる。
(v)さらに、本発明に係る軽量盛土構造物は前記盛土材を用いるから、全体を軽量且つ、堅固にすることができるため、施工場所の制限が緩和され、且つ、保全性および耐久性に優れている。
(vi)また、施工に際し、軟弱地盤自体の改良対策や軟弱地盤上への補強対策が、不要または軽度になるため、トータルの施工コストがさらに低減する。
(vii)また、筒状体等の形状を自由に選定自在であるため、意匠性が付与され、景観性に優れた環境フレンドリーな構造物を提供することが可能になる。
[実施形態1]
(中間部エレメント−1)
図1は本発明の実施形態1に係る軽量盛土構造物を構築するための盛土材(中間部エレメント−1)であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
図1において、軽量盛土構造物を構築するための盛土材1(以下、盛土材と称す)は、所定長さの円形鋼管である筒状体10(以下、鋼管と称す)と、鋼管10の両端面にそれぞれ設置された底板20と天板30とから構成されている。
底板20および天板30はいずれも断面波形状の矩形板材であって、それぞれの縁部が鋼管10の外面から突出している。
なお、以下の説明を容易にするため、図中に、X方向、Y方向およびZ方向を便宜的に定める。
すなわち、鋼管10の軸方向をZ方向(以下、高さ方向または上下方向と称する場合がある)とし、鋼管10の上端を上面、下端を下面、側壁の外側を外面、側壁の内側を内面と称す。
底板20および天板30は、それぞれXY面(以下、水平面と称する場合がある)に平行であって、相互にXY面に対して面対称に設置されている。また、断面波形状の+Z方向(上方向)にある部分を山部と、−Z方向(下方向)にある部分を谷部と称し、山部から谷部、谷部から山部に向かう方向をX方向または側縁方向、山部(谷部に同じ)を連ねた方向をY方向または端縁方向とする。
さらに、底板20および天板30の+X方向を「一方」として、+X方向の縁に近い範囲を「東側縁部」と、最も東に位置する山部を「東山部」と、最も東に位置する谷部を「東谷部」とそれぞれ便宜的に称す。また、−X方向を「他方」として、−X方向の縁に近い範囲を「西側縁部」と、最も西に位置する山部を「西山部」と、最も西に位置する谷部を「西谷部」とそれぞれ便宜的に称す。
同様に、+Y方向を「一方」として、+Y方向の縁に近い範囲を「北端縁部」と便宜的に称す。また、−Y方向を「他方」として、−Y方向の縁に近い範囲を「南端縁部」と便宜的に称す。
なお、以下の図において図1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。また、東西南北の位置に対応している各部分については、符号にそれぞれEWSNのアルファベットを付記する。
盛土材1の底板20は、その山部21が鋼管10の下面に溶接され、一方、天板30は、その谷部32が鋼管10の上面に溶接されている。
図1において、底板20の東側縁部20Eは、東谷部22E(最も東、図中、最も右)が鋼管10の外面から突出している。そして、東谷部22Eよりも鋼管10寄り(西側)にある東山部21Eが、鋼管10の下面の「位置E2」おいて溶接されている。
また、底板20の西谷部22W(最も西、図中、最も左)が鋼管10の外面から突出している。そして、西谷部22Wよりも鋼管10寄り(東側)にある西山部21Wが、鋼管10の下面の「位置W2」おいて溶接されている。
さらに、底板20の東西方向の中央に山部21が位置しているため、山部21が南端縁部20Sに近い「位置S2」において、および北端縁部20Nに近い「位置N2」おいてそれぞれ溶接されている。
同様に、天板30の東山部31E(最も東、図中、最も右)が鋼管10の外面から突出している。そして、東山部31Eよりも鋼管10寄り(西側)にある東谷部32Eが、鋼管10の上面の「位置E3」おいて溶接されている。
また、天板30の西山部31W(最も西、図中、最も左)が鋼管10の外面から突出している。そして、西山部31Wよりも鋼管10寄り(東側)にある西谷部32Wが、鋼管10の上面の「位置W3」おいて溶接されている。
さらに、天板30の東西方向の中央に谷部32が位置しているため、谷部32が南端縁部30Sに近い「位置S3」において、および北端縁部30Nに近い「位置N3」おいてそれぞれ溶接されている。
したがって、底板20および天板30の鋼管10の外面から突出した縁部の変形、特にXZ面内における側縁部の「そり上がり」が押さえられている。なお、図1において、溶接線を太い実線にて示す。
また、底板20の谷部22および天板30の山部31が、それぞれ鋼管10の下面および上面から離れているから、この範囲を通って水が鋼管10内に流入し、また鋼管10から流出することになる。
そして、盛土材1は、軽量盛土構造物において、最下層、中間層または最上層の何れの位置であっても配置可能なものである(これについては、別途説明する)。
なお、図1において断面波形状が断面台形であるが、本発明はこれに限定するものではなく、断面正弦波、断面複合円弧波、断面三角波、断面矩形波等何れであってもよい。また、波形状の大きさや山谷の数量は限定するものではなく、鋼管10の外面から突出する距離や、突出する範囲における山谷の数量も限定するものではない。
また、底板20の最も東(図中、最も右)および最も西(図中、左)に、いずれも谷部が配置されているが、本発明はこれに限定するものではなく、何れか一方または両方に山部を配置してもよい。該配置要領は天板30においても同様である。
さらに、底板20および天板30の平面形状は矩形に限定するものではなく、八角形(角部が三角形状に欠けた矩形)や円形であってもよく、鋼管10の内面に相当する範囲に軽量化のための貫通孔(開口部)を設けてもよい。
また、鋼管10の平面形状は円形に限定するものではなく、断面矩形であってもよい。
以上は、鋼管10、底板20および天板30を鉄鋼やステンレス鋼で形成し、これらを溶接しているが、本発明はこれに限定するものではなく、鉄鋼以外の軽金属や合成樹脂、あるいは両者の複合材によって形成してもよく、溶接に代えて接着剤による接着や、一体成形するものであってもよい。また、塗装等の防錆処理が施されてもよい。
また、各部分の材料強度(例えば、耐力等)や厚さの選定は設計的事項である。
(中間部エレメント−2)
図2は本発明の実施形態1に係る軽量盛土構造物を構築するための盛土材(中間部エレメント−2)であって、(a)は正面図、(c)は側面図である。平面図は図示しない。
図2において、軽量盛土構造物を構築するための盛土材2(以下、盛土材と称す)は、図1に示す盛土材1(中間部エレメント−1)における天板30を裏返して設置したものである。
このため、天板90(天板30に実質同一である)の最も東に東谷部92Eが形成され、東谷部92Eが鋼管10の外面から突出している。そして、東谷部92Eよりも西側にある東山部91Eは「位置E3」に配置されるため「位置E3」において鋼管10に溶接されないで、東山部91Eより西側に位置する谷部が鋼管10に溶接されなることになる。
また、同様に、最も西に西谷部92Wが形成され、西谷部92Wが鋼管10の外面から突出している。そして、西谷部92Wよりも東側にある西山部91Wは「位置W3」に配置されるため「位置W3」において鋼管10に溶接されないで、西山部91Wより東側に位置する谷部が鋼管10に溶接されなることになる。
このため、天板90の鋼管10の外面から突出した縁部の変形、特にXZ面内における側縁部の「そり上がり」が盛土材1の天板30程押さえられない。しかしながら、盛土材2は天板90を除く部分が盛土材1(中間部エレメント−1)に同じであるから、盛土材1と同様の機能を具備するものである。
(側部エレメント−1)
図3は本発明の実施形態1に係る軽量盛土構造物を構築するための盛土材(側部エレメント−1)を示す正面図である。
図3において、軽量盛土構造物を構築するための盛土材3(以下、盛土材と称す)は、前記盛土材1の天板30の西側縁部30Sの西山部31W(最も西に位置している)の頂上部を撤去したものに相当している。
すなわち、天板40は、西側縁部40Wの最も西に側壁43Wが略垂直に立ち上がっている。そして、西谷部42Wの谷底が「位置W3]において鋼管10の上面に溶接されている。
なお、天板40の西側縁部40Wを除く範囲は底板20に面対称な断面波形状である。つまり、西側縁部40Wが山部頂上を欠く簡素な形状であって、側壁43Wが鋼管10の外面から過剰に突出することなく確実に接合されているから、意匠性が向上して、軽量盛土構造物の側部に配置された際に、景観を阻害することがない。
すなわち、盛土材3は、軽量盛土構造物において、最下層、中間層または最上層の何れかの層において、側部に配置するのに好適な形状を有し、盛土材1(中間部エレメント−1)と同様の機能を具備するものである。
(側部エレメント−2)
図4は本発明の実施形態1に係る軽量盛土構造物を構築するための盛土材(側部エレメント−2)を示す正面図である。
図4において、軽量盛土構造物を構築するための盛土材4(以下、盛土材と称す)は、図3に示す盛土材3(側部エレメント−1)における天板40が裏返しに設置されたものである。
盛土材4の天板95(天板40の西谷部42Wの巾を狭めたものに実質同一である)の西側縁部95Wは、西山部96Wから略垂直に側壁98Wが下がり、側壁98Wの下縁が「位置W3」において鋼管10に溶接されている。このため、西側縁部95Wの変形が確実に押さえられている。
一方、天板95の東谷部97E(最も東)が鋼管10の外面から突出している。そして、東谷部97Eよりも西側にある東山部96Eは「位置E3」に配置されるため「位置E3」において鋼管10に溶接されないで、東山部96Eより西側に位置する谷部が鋼管10に溶接されなることになる。このため、天板95の鋼管10の外面から突出した縁部の変形、特にXZ面内における東側縁部95Eの「そり上がり」が盛土材3の天板40の東側縁部40E程押さえられない。しかしながら、盛土材4は盛土材3(側部エレメント−1)に実質同じであるから、盛土材3と同様の機能を具備するものである。
(底部エレメント−1)
図5は本発明の実施形態1に係る軽量盛土構造物を構築するための盛土材(底部エレメント−1)を示す正面図である。
図5において、軽量盛土構造物を構築するための盛土材5(以下、盛土材と称す)は、図1に示す盛土材1(中間部エレメント−1)における断面波形状の底板20に代えて、平板50を設置したものであって、東側縁部50E、西側縁部50W、南端縁部(図示しない)および北端縁部(図示しない)は、天板30に準じて鋼管10の外面から所定の距離だけ突出している。このとき、平板50は、鋼管10の下面の略全周にわたって連続的または断続的に溶接されている。また、最下層に使用する盛土材5の鋼管10には、形状や数量等を限定しない通水孔(図示しない)が設けられ、鋼管10内への水の流入および鋼管10外への流出を可能にしている。
したがって、盛土材5は軽量盛土構造物の最下層に配置されるものであって、地盤上に載置された際、平板50の下面の全面が地盤に当接するから、載置姿勢が安定する。また、盛土材5は平板50を除く部分が盛土材1(中間部エレメント−1)に同じであるから、盛土材1と同様の機能を具備するものである。
(底部エレメント−2)
図6は本発明の実施形態1に係る軽量盛土構造物を構築するための盛土材(底部エレメント−2)を示す正面図である。
図6において、軽量盛土構造物を構築するための盛土材6(以下、盛土材と称す)は、図1に示す盛土材1(中間部エレメント−1)における断面波形状の底板20の下面に平板60を設置したものである。このとき、平板60は、底板20の谷部22の下面に連続的または断続的に溶接されている。
なお、平板60の東側縁部60Eは底板20の東谷部22Eの下面に接合されている。一方、平板60の西側縁部60Wは底板20の西谷部22Wに到達していないで、西山部21Wの下方が開口している。このため、一方の盛土材6の底板20の東側縁部20Eが、他方の盛土材6の底板20の西谷部22Wと平板60の西側縁部60Wとの隙間(西山部21Wの下方に同じ)に侵入自在になるため、一方の盛土材6の底板20の東側縁部20Eの上に他方の盛土材6の底板20の西側縁部20Wを重ねて水平に設置することができる。
したがって、盛土材6は軽量盛土構造物の最下層に配置されるものであって、地盤上に載置された際、平板50の下面の全面が地盤に当接し、しかも、底板20が平板60によって補剛されているから、載置姿勢がさらに安定する。また、盛土材6は盛土材1(中間部エレメント−1)に平板60を設置したものであるから、盛土材1と同様の機能を具備するものである。
なお、鋼管10の外面から突出する側縁部に配置される山谷が複数列の場合、複数の盛土材6を並置する際に側縁部同士が重なる山谷の数量に応じて、西側縁部の谷部22と平板60の西側縁部60Wとの隙間の大きさ(前記開口部を形成する山部の数量に同じ)は適宜選定されるものである。
また、該隙間を東側に配置して、西側では、底板20の西谷部22Wの下面に平板60の西側縁部60Wを溶接してもよい。
(底部エレメント−3)
図7は本発明の実施形態1に係る軽量盛土構造物を構築するための盛土材(底部エレメント−3)を示す正面図である。
図7において、軽量盛土構造物を構築するための盛土材7(以下、盛土材と称す)は、図1に示す盛土材1(中間部エレメント−1)における断面波形状の底板20の下面にモルタル70を設置したものである。このとき、モルタル70は、底板20の山部21の下面に充満し、その下面71は平坦になっている。
なお、モルタル70の東端縁70Eは底板20の東谷部22Eの直下に到達しているものの、モルタル70の西端縁70Wは底板20の西谷部22Wに到達していない。このため、複数の盛土材7を並置する際、一方の盛土材7のモルタル70の東端縁70Eが、他方の盛土材7の西側縁70Wと干渉することがないため、該複数の盛土材7を略水平に設置することができる。
したがって、盛土材7は軽量盛土構造物の最下層に配置されるものであって、地盤上に載置された際、底板20がモルタル70によって補剛されていて、モルタル70の下面の全面が地盤に当接するから、載置姿勢がさらに安定する。また、載置される地盤が軟弱である場合であっても、地盤上に地盤補強手段の設置を省略することが可能になる。さらに、盛土材7は盛土材1(中間部エレメント−1)にモルタル70を設置したものであるから、盛土材1と同様の機能を具備するものである。
なお、前記盛土材5(底部エレメント−1)または盛土材6(底部エレメント−2)について、同様にモルタルを設置してもよい。
なお、以上例示した盛土材5〜7(底部エレメント、図5〜7)は、前記盛土材1(中間部エレメント)と同様に、底板等の平面形状や断面波形状、鋼管との接合形態等限定するものではない。さらに、最下層の側部に配置されるものについては、前記盛土材3または4(側部エレメント)と同様に天板の西側縁部の形状を他の範囲とは異なる形状にしてもよい。また、前記盛土材2(中間部エレメント)に準じて底板と天板とを平行に配置してもよい。
[実施形態2]
(構築法−基本敷設法)
図8は本発明の実施形態2に係る軽量盛土構造物の構築法であって、(a)は最下層を示す正面図、(b)は2層目を示す正面図である。なお、前記盛土材1を用いた場合を例に軽量盛土構造物の構築法を説明するものであるが、使用する盛土材は適宜使い分けることができるものである。
図8の(a)は、第一の盛土材100が地盤900に載置され、これに並べて第二の盛土材200を設置する状態を示している。このとき、第一の盛土材100の底板120および天板130の東側縁部120Eおよび130Eの上に第二の盛土材200の底板220および天板230の西側縁部220Wおよび230Wをそれぞれ載置している。このとき、第一の盛土材100の天板130の東側縁部130Eと第二の盛土材200の天板230の西側縁部230Wとは重なって、それぞれの山部と谷部が相互に係止しているから、天板130と天板230とは連続した断面波形状を呈している。
さらに、同様にして、X方向(側縁方向、図中、右方向)に向けて順次複数の盛土材を設置することができる。すなわち、最下層の一列を敷設することができる。
なお、鋼管110、210の外面から突出する側縁部に配置される山または谷の数量はそれぞれ1列であるものに限定するものではなく、山および谷がそれぞれ1列または複数列配置されてもよい。このとき、1列または複数列の山および谷同士がそれぞれ係止することになる。
(構築法−基本積層法)
図8の(b)は、第一の盛土材100と第二の盛土材200との上に第三の盛土材300を設置する状態を示している。すなわち、第一の盛土材100の天板130および第二の盛土材200の天板230の重なった範囲(東側縁部130Eと西側縁部230Wとの重なり範囲に同じ)を跨いで第三の盛土材300を載置する。
このとき、第三の盛土材300の底板320の西寄りの山部や谷部は、第一の盛土材100の天板130の東寄りの山部や谷部に係止し、第三の盛土材300の底板320の東寄りの山部や谷部は、第二の盛土材200の天板230の西寄りの山部や谷部に係止することになる。
さらに、最下層おいてX方向(側縁方向)に盛土材が複数設置されている場合には、二層目においても、同様に、X方向(側縁方向)に向けて順次複数の盛土材を設置することができる。すなわち、第二層を積層することができる。
したがって、二層目を最下層と読み替えれば、同様に三層目を積層することができるから、該読み替えを繰り返すことによって、地盤から所定の高さにおける所定の幅員(側縁方向の距離)を有する軽量盛土構造物を容易に構築することが可能になる。
また、上記構築法で積まれた盛土材は、特にX方向(側縁方向)の力に対して移動することがないから、堅固な軽量盛土構造物を構築することができる。さらに、用いる盛土材が前記盛土材1〜7であって、盛土材自体が軽量且つ通水自在であるから、構築された軽量盛土構造物もまた軽量になって軟弱地盤等への負担が減少し、さらに、その内部を水や空気が通過自在であって環境に対しても友好的なものになる。
なお、第一の盛土材100、第二の盛土材200および第三の盛土材300は同一XZ面内に設置される場合、すなわち、Y方向(端縁方向)にずれないで平面視において「方眼配置」される場合については説明しているが、本発明はこれに限定するものではなく、Y方向(端縁方向)でずれる場合、すなわち、平面視において「千鳥設置」であってもよい(これについては、別途説明する)。
また、側縁部を端縁部と読み替えれば、同様にしてY方向(端縁方向)に向けて順次複数の盛土材を敷設および積層することができる。
(構築法−側縁方向先行型)
図9および図10は本発明の実施形態2に係る軽量盛土構造物の構築法であって、側縁方向を先行して設置する側縁方向先行型を、順番を追って模式的に説明する平面図である。
なお、盛土材として前記盛土材1を使用する場合を例にして、鋼管を実線の円で、底板および天板をまとめて実線の矩形で示し、一方の盛土材の底板と他方の盛土材の底板との重なった範囲および一方の盛土材の天板と他方の盛土材の天板との重なった範囲をまとめて斜線の範囲で表示する。また、底板の東側縁部(西側縁部、南端縁部、北端縁部)および天板の東側縁部(西側縁部、南端縁部、北端縁部)をまとめて東側縁部(西側縁部、南端縁部、北端縁部)と称す。さらに、以下の説明において、盛土材の符号は、千の桁を配置される層の名前、百の桁を配置される行の名前、十の桁を配置される列の名前とする。
図9の(a)において、盛土材1110が地盤(図示しない)に載置されている。
図9の(b)において、盛土材1120が盛土材1110のX方向(東側)に設置されている。なお、設置要領は前記基本敷設法(図8の(a)参照)に同じである。すなわち、盛土材1120の西側縁部1120Wが盛土材1110の東側縁部1110Eに重なって相互に係止している(単斜線にて表示する)。
図9の(c)において、さらに、盛土材1130が盛土材1120のX方向(東側)に設置されている。以下、同様に所定の数量の盛土材をX方向(東側)に設置して第一行目を敷設することができる。
図9の(d)において、第二行目の盛土材1210が盛土材1110のY方向(北側)に設置されている。このとき、盛土材1210の南端縁部1210Sが盛土材1110の北端縁部1110Nに重なって相互に係止している(単斜線にて表示する)。また、盛土材1210の東南角部において、盛土材1210と盛土材1120と盛土材1110の3枚の角部が重なっている(複斜線にて表示する)。
図9の(e)において、盛土材1220が盛土材1210のX方向(東側)で盛土材1120のY方向(北側)に設置されている。このとき、盛土材1220の西側縁部1220Wが盛土材1210の東側縁部1210Eに重なって相互に係止し、盛土材1220の南端縁部1220Sが盛土材1120の北端縁部1120Nに重なって相互に係止している(単斜線にて表示する)。
また、盛土材1220の西南角部において、盛土材1220と盛土材1210と盛土材1120と盛土材1110の4枚の角部が重なっている(塗りつぶしにて表示する)。また、盛土材1220の東南角部において、盛土材1220と盛土材1130と盛土材1120の3枚の角部が重なっている(複斜線にて表示する)。
さらに、同様にして、X方向(側縁方向)に向けて順次複数の盛土材を設置して第二行目を敷設することができる。
図10の(f)において、前記設置要領に準じて、第三行目の盛土材1310が盛土材1210のY方向(北側)に設置され、さらに、盛土材1320が盛土材1310のX方向(東側)で盛土材1220のY方向(北側)に設置されている。
このとき、盛土材1220の底板および天板の周縁部は、これを取り囲む盛土材1320、1210、1120、1230の当該縁部に係止している。
さらに、同様にして、X方向(側縁方向)に向けて順次複数の盛土材を設置して第三行目を敷設することができる。
また、盛土材の角部において、底板同士および天板同士が4枚(塗りつぶしにて表示する)または3枚(複斜線にて表示する)重なっているが、前記のように、底板および天板の四角を矩形状または三角形状に撤去して、底板および天板を平面視で異形四角形または八角形にしておけば、前記角部における3枚または4枚の重なりは生じない。
図11は本発明の実施形態2に係る軽量盛土構造物の構築法であって、図9および10に示す側縁方向先行型の構築法において、最下層の上に第二層を積層する要領を模式的に説明する平面図である。なお、図中、底板および天板の記載を省略し、最下層に配置される盛土材の鋼管を破線で、第二層に配置される盛土材の鋼管を実線で表示する。なお、図9、10と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図11の(a)において、最下層の第一行目(X方向、側縁方向に同じ)に盛土材1110、1120、1130が、最下層の第二行目に盛土材1210、1220、1230が方眼設置されている。
そして、最下層の第一行目の盛土材1110、1120の2ツに跨って第二層の第一行目の盛土材2110が設置されている(図8の(b)に示す基本積層法参照)。さらに、同様(図8〜10参照)にして、第二層の第一行目の盛土材2120、2130、第二層の第二行目の盛土材2210、2220、2230が設置されている。すなわち、方眼配置された最下層の上に、X方向(側縁方向)に半ピッチずれた状態で、方眼配置された第二層が積層されている。
図11の(b)において、最下層の第一行目(X方向、側縁方向に同じ)に盛土材1110、1120、1130が、最下層の第二行目に盛土材1210、1220、1230が方眼設置されている。
そして、第二層の第一行目の盛土材2110が最下層の第一行目の盛土材1110、1120および第二行目の盛土材1210、1220の4ツに跨って設置されている。さらに、盛土材2120が盛土材2110のX方向に隣接、すなわち、最下層の第一行目の盛土材1120、1130および第二行目の盛土材1220、1230の4ツに跨って設置されている。以下、同様に盛土材2130、2210、2220、2230が設置されている。すなわち、方眼配置された最下層の上に、X方向(側縁方向)およびY方向(端縁方向)の両方にそれぞれ半ピッチずれた状態で、方眼配置された第二層が積層されている。
なお、図中11の(a)および(b)において、平面視で透視した際、第二層の盛土材の鋼管と最下層の盛土材の鋼管とが重なる範囲に斜線を付している。また、破線と実線が交差する部分は限定されるものの、第二層の盛土材の鋼管と最下層の盛土材の鋼管との間には、第二層の盛土材の底板と最下層の盛土材の天板とが挟まれているから、第二層の盛土材にかかる力は該底板および天板によって分散されて最下層の盛土材の鋼管に伝達されることになる。よって、前記破線と実線が交差する部分に力が集中することはない。
さらに、最下層を第二層と読み替えれば、同様にして第三層を積層することができるから、該読み替えを繰り返すことによって、地盤から所定の高さおける所定の幅員(側縁方向の距離)を有する軽量盛土構造物を容易に構築することが可能になる。
(構築法−端縁方向先行型)
図12および図13は本発明の実施形態2に係る軽量盛土構造物の構築法であって、端縁方向を先行して設置する端縁方向先行型を、順番を追って模式的に説明する正面図である。なお、記載の要領は図9、10に準じる。
図12の(a)において、盛土材1110が地盤(図示しない)に載置されている。
図12の(b)において、盛土材1210が盛土材1110のY方向(北側)に設置されている。なお、設置要領は前記基本敷設法(図8の(a)参照)に準じる。すなわち、盛土材1210の南端縁部1210Sが盛土材1110の北端縁部1110Nに重なって相互に係止している(単斜線にて表示する)。
図12の(c)において、さらに、盛土材1310が盛土材1210のY方向(北側)に設置されている。以下、同様にして、所定の数量の盛土材をY方向(北側)に設置して第一列目を敷設することができる。
図12の(d)において、第二列目の盛土材1120が盛土材1110および盛土材1210のX方向(東側)に設置されている。このとき、盛土材1120の西側縁部1120Wが盛土材1110および盛土材1210のそれぞれの東側縁部1110Eおよび東側縁部1120Eに重なって相互に係止し(単斜線にて表示する)、一部において、盛土材1110と盛土材1210と盛土材1120の3枚が重なっている(複斜線にて表示する)。すなわち、第二列目の盛土材1210が第一列目に対してY方向で半ピッチずれている。
図13の(e)において、盛土材1220が盛土材1210および盛土材1310のX方向(東側)で、盛土材1120のY方向(北側)に設置されている。
このとき、盛土材1220の西側縁部1220Wが、盛土材1210の東側縁部1210Eおよび盛土材1310の東側縁部1310Eに重なって相互に係止し(単斜線にて表示する)、盛土材1220の南端縁部1220Sが盛土材1120の北端縁部1120Nに重なって相互に係止している(単斜線にて表示する)。
また、一部において、盛土材1220と盛土材1310と盛土材1210の3枚が重なり、一部において、盛土材1220と盛土材1120と盛土材1210の3枚が重なっている(複斜線にて表示する)。なお、底板および天板の四角を撤去して、底板および天板を平面視で、たとえば八角形にしておけば、前記3枚の重なりは生じない。
さらに、同様にして、Y方向(端縁方向)に向けて順次複数の盛土材を設置して第二列目を敷設することができる。
図13の(f)において、前記設置要領に準じて、第三列目の盛土材1130が設置されている。このとき、第一行目の盛土材1130が盛土材1120のX方向(東側)に設置され、第二行目の盛土材1230が盛土材1130のY方向(北側)で、盛土材1120および盛土材1220のX方向(東側)に設置されている。さらに、盛土材1330が盛土材1230のY方向(北側)で、盛土材1220および盛土材1320のX方向(東側)に設置されている。
すなわち、第三列目は第二列目に対して−Y方向で半ピッチずれているから、第一列目に対してはY方向のずれが無く、「千鳥配置」されたことになる。
なお、Y方向のずれ量は半ピッチに限定するものではなく、何れの量であっもよい。また、ずれ量がない(ゼロ)ようにすれば、端縁方向先行型において「方眼配置」することができる。
また、前記側縁方向先行型の構築法と端縁方向先行型の構築法とは、軽量盛土構造物の範囲毎に適宜使い分けることが可能である。
図14は本発明の実施形態2に係る軽量盛土構造物の構築法であって、図12および13に示す端縁方向先行型の構築法において、最下層の上に第二層を積層する要領を模式的に説明する正面図である。なお、記載要領は、図11に準じる。
図14の(a)において、最下層の第一列目(Y方向、端縁方向に同じ)に盛土材1110、1210が、第二列目に盛土材1210、1220が、第三列目に盛土材1130、1230がそれぞれ千鳥状に敷設されている。
そして、最下層の第一列目の盛土材1110と第2列目の盛土材1120の2ツに跨って第二層の第一列目の盛土材2110が設置されている。また、最下層の第一列目の盛土材1210と第2列目の盛土材1120、1220の3ツに跨って第二層の第一列目の盛土材2210が設置されている。すなわち、千鳥配置された最下層の上に、X方向(側縁方向)にのみ半ピッチずれた状態(図8の(b)に示す基本積層法参照)で、千鳥配置された第二層が積層されている。
図14の(b)において、千鳥配置された最下層の上に、X方向(側縁方向)およびY方向(端縁方向)の両方にそれぞれ半ピッチずれた状態で、千鳥配置された第二層が設置されている。
すなわち、第二層の盛土材2110が最下層の第一列目の盛土材1110、1210および第二列目の盛土材1120の3ツに跨って設置されている。
なお、図11の説明と同様に、それぞれの盛土材にかかる力は、底板および天板によって分散されるから、それぞれの鋼管の限られた面積に集中することがない。また、地盤から所定の高さおける所定の幅員(側縁方向の距離)を有する軽量盛土構造物を容易に構築することが可能になる。
[実施形態3]
(軽量盛土構造物)
図15および図16は本発明の実施形態3に係る軽量盛土構造物の一部であって、図15の(a)は正面図、(b)は側面図、図16の(c)は平面図である。
図15、16において、軽量盛土構造物1000は、最下層に設置された前記盛土材7(底部ユニット−3)と、第二層から第四層に配置された前記盛土材1(中間部ユニット)と、第四層の上に敷設されたコンクリート床版5000とを有し、方眼状に敷設された下層の上に、X方向(側縁方向)に半ピッチずれた状態で、方眼配置された上層が積層されている(図11の(a)参照)。また、第二層から第四層の側縁部には盛土材3(側部ユニット−1)が、または最下層の側縁部には盛土材3に準じて天板の片方の側縁部形状を変更したものが設置されている。なお、図9〜14と同じ部分にはこれと同じ符号を、同じ要領で付し、説明を省略する。
したがって、軽量盛土構造物1000は、使用する盛土材が通水自在な軽量且つ簡素な構造であって、安価であるから、施工が容易になり、施工期間の短縮および施工コストの低減が可能になる。
さらに、軽量盛土構造物1000全体が軽量に形成できるから、施工場所の制限が緩和され、且つ、施工に際して軟弱地盤自体の改良対策や軟弱地盤上への補強手段の敷設等が不要または軽度になるため、トータルの施工コストがさらに低減する。
また、盛土材同士を相互に重ねた際、地震等の外力によって相互に離れるおそれがないから、軽量盛土構造物の全体を堅固にすることができ、保全性および耐久性が向上する。
さらに、筒状体等の形状を自由に選定自在であるため、意匠性が付与され、景観性に優れた環境フレンドリーな構造物を提供することが可能になる。
なお、盛土材7(底部ユニット−3)に代えて盛土材1、5または6を使用してもよい。このとき、地盤900の上にモルタルや地盤補強手段を敷設し、その上に盛土材1、5または6を載置してもよい。また、側縁部に盛土材3に代えて盛土材1を使用してもよい。
さらに、方眼配置された下層の上に、X方向(側縁方向)およびY方向(端縁方向)の両方向にそれぞれ半ピッチずれた状態で、方眼配置された上層を積層してもよい(図11の(b)参照)。また、千鳥配置された下層の上に、X方向(側縁方向)またはY方向(端縁方向)の一方または両方に半ピッチずれた状態で、千鳥配置された上層を積層してもよい(図14の(a)、(b)参照)。
さらに、盛土材を構成する鋼管、底板または天板は、設置される位置に対応して材料強度や厚さを選定することができる。
本発明は、軽量盛土構造物を構築するための盛土材、これを用いた軽量盛土構造物の構築法、並びに軽量盛土構造物に利用することができる。
盛土材(中間部エレメント−1)を示す(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。 盛土材(中間部エレメント−2)を示す(a)は正面図、(c)は側面図である。 盛土材(側部エレメント−1)を示す正面図である。 盛土材(側部エレメント−2)を示す正面図である。 盛土材(底部エレメント−1)を示す正面図である。 盛土材(底部エレメント−2)を示す正面図である。 盛土材(底部エレメント−3)を示す正面図である。 本発明の実施形態2に係る軽量盛土構造物の構築法であって、(a)は最下層を示す正面図、(b)は2層目を示す正面図である。 軽量盛土構造物の構築法であって、側縁方向先行型を順番を追って模式的に説明する平面図である。 軽量盛土構造物の構築法であって、側縁方向先行型を順番を追って模式的に説明する平面図である。 図9および10に示す側縁方向先行型の構築法において、最下層の上に第二層を設置する要領を模式的に説明する平面図である。 軽量盛土構造物の構築法であって、端縁方向先行型を順番を追って模式的に説明する平面図である。 軽量盛土構造物の構築法であって、端縁方向先行型を順番を追って模式的に説明する平面図である。 図12および13に示す端縁方向先行型の構築法において、最下層の上に第二層を設置する要領を模式的に説明する平面図である。 本発明の実施形態3に係る軽量盛土構造物の一部であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。 本発明の実施形態3に係る軽量盛土構造物の一部であって、(c)は平面図である。
符号の説明
1、2、3、4、5、6、7…盛土材、 10…筒状体(鋼管)、20…底板、
21…山部 22…谷部、 30…天板、 31…山部、
32…谷部、 40…天板、 50…平板、 60…平板、
70…モルタル、 71…下面、 90…天板、 95…天板、
100、200、300…盛土材、
120、220、320…底板、
130、230、330…天板、 900…地盤、
1000… 軽量盛土構造物、 5000…コンクリート床版

Claims (12)

  1. 下端および上端が平行に形成された筒状体と、前記筒状体の外面から突出して前記下端に設置された底板と、前記筒状体の外面から突出して前記上端に設置された天板とを具備し、
    前記底板が平坦な板材で、前記天板が断面波形状の板材であることを特徴とする軽量盛土構造物を構築するための盛土材。
  2. 下端および上端が平行に形成された筒状体と、前記筒状体の外面から突出して前記下端に設置された底板と、前記筒状体の外面から突出して前記上端に設置された天板とを具備し、
    前記底板および天板はいずれも断面波形状の板材であって、側縁部を除く範囲または全範囲において、相互に面対称または平行に設置されていることを特徴とする軽量盛土構造物を構築するための盛土材。
  3. 前記底板の下面に平板が設置されていることを特徴とする請求項2記載の軽量盛土構造物を構築するための盛土材。
  4. 前記底板の下面にモルタルが設置され、該モルタルの下面が平坦であることを特徴とする請求項1または2記載の軽量盛土構造物を構築するための盛土材。
  5. 下端および上端が平行に形成された筒状体と、前記筒状体の外面から突出して前記下端に設置された底板と、前記筒状体の外面から突出して前記上端に設置された天板とを具備する軽量盛土構造物を構築するための盛土材を、他方から一方にかけて行方向に設置する軽量盛土構造物の構築法であって、
    地盤上に載置された第一の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方に位置する側縁部の上に、第二の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ね、且つ、第二の盛土材の底板の前記行方向の一方の側縁部を地盤上に載置する工程と、
    該第二の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第三の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ね、且つ、第三の盛土材の底板の前記行方向の一方の側縁部を地盤上に載置する工程と、
    第一の盛土材の天板の上および第二の盛土材の天板の上に、第四の盛土材を載置する工程と、
    第四の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第五の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ね、且つ、第五の盛土材の底板の前記行方向の一方の側縁部を第三の盛土材の天板の上に載置する工程と、
    を有することを特徴とする軽量盛土構造物の構築法。
  6. 下端および上端が平行に形成された筒状体と、前記筒状体の外面から突出して前記下端に設置された底板と、前記筒状体の外面から突出して前記上端に設置された天板とを具備する軽量盛土構造物を構築するための盛土材を、他方から一方にかけて行方向および該行方向に垂直な列方向で他方から一方にかけて設置する軽量盛土構造物の構築法であって、
    地盤上に載置された第一の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第二の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ね、且つ、第二の盛土材の底板の前記行方向の一方の側縁部を地盤上に載置する工程と、
    第二の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第三の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ね、且つ、第三の盛土材の底板の前記行方向の一方の側縁部を地盤上に載置する工程と、
    第一の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、第六の盛土材の底板および天板の前記列方向の他方の端縁部をそれぞれ重ね、且つ、第六の盛土材の底板の前記列方向の一方の端縁部を地盤上に載置する工程と、
    第二の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、第七の盛土材の底板および天板の前記列方向の他方の端縁部をそれぞれ重ね、且つ、第六の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第七の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の端縁部をそれぞれ重ねる工程と、
    第三の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、第八の盛土材の底板および天板の前記列方向の他方の端縁部をそれぞれ重ね、且つ、第七の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第八の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ねる工程と、
    第一の盛土材、第二の盛土材、第六の盛土材または第七の盛土材のそれぞれの天板同士の前記重なり部の一部を跨いで、第四の盛土材を載置する工程と、
    第四の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第五の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ね、且つ、第二の盛土材、第三の盛土材、第七の盛土材または第八の盛土材のそれぞれの天板同士の前記重なり部の一部を跨いで、第五の盛土材を載置する工程と、
    を有することを特徴とする軽量盛土構造物の構築法。
  7. 下端および上端が平行に形成された筒状体と、前記筒状体の外面から突出して前記下端に設置された底板と、前記筒状体の外面から突出して前記上端に設置された天板とを具備する軽量盛土構造物を構築するための盛土材を、他方から一方にかけて行方向および該行方向に垂直な列方向で他方から一方にかけて設置する軽量盛土構造物の構築法であって、
    地盤上に載置された第一の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第二の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ね、且つ、第二の盛土材の底板の前記行方向の一方の側縁部を地盤上に載置する工程と、
    第二の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第三の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ね、且つ、第三の盛土材の底板の前記行方向の一方の側縁部を地盤上に載置する工程と、
    第一の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部並びに第二の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、第六の盛土材の底板および天板の前記列方向の他方の端縁部をそれぞれ重ね、且つ、第六の盛土材の底板の前記列方向の一方の端縁部を地盤上に載置する工程と
    第二の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部並びに第三の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、第七の盛土材の底板および天板の前記列方向の他方の端縁部をそれぞれ重ね、且つ、第六の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第七の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ねる工程と、
    同様にして、第三の盛土材の前記列方向の一方の端縁方向で、第七の盛土材の前記列方向の一方の側縁方向に第八の盛土材を設置する工程と、
    第一の盛土材、第二の盛土材、第六の盛土材または第七の盛土材のそれぞれの天板同士の前記重なり部の一部を跨いで、第四の盛土材を載置する工程と、
    第四の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、第五の盛土材の底板および天板の前記行方向の他方の側縁部をそれぞれ重ね、且つ、第二の盛土材、第三の盛土材、第七の盛土材または第八の盛土材のそれぞれの天板同士の前記重なり部の一部を跨いで、第五の盛土材を載置する工程と、
    を有することを特徴とする軽量盛土構造物の構築法。
  8. 前記軽量盛土構造物を構築するための盛土材に、請求項1乃至4の何れかに記載の軽量盛土構造物を構築するための盛土材が含まれることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の軽量盛土構造物の構築法。
  9. 下端および上端が平行に形成された筒状体と、前記筒状体の外面から突出して前記下端に設置された底板と、前記筒状体の外面から突出して前記上端に設置された天板とを具備する軽量盛土構造物を構築するための盛土材を、他方から一方にかけて行方向に設置した軽量盛土構造物であって、
    地盤上に載置された第一の盛土材と、
    第一の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なって地盤上に載置された第二の盛土材と、
    第二の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なって地盤上に載置された第三の盛土材と、
    第一の盛土材の天板の上および第二の盛土材の天板の上に載置された第四の盛土材と、
    第四の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なって第三の盛土材の天板の上に載置された第五の盛土材と
    を有することを特徴とする軽量盛土構造物。
  10. 下端および上端が平行に形成された筒状体と、前記筒状体の外面から突出して前記下端に設置された底板と、前記筒状体の外面から突出して前記上端に設置された天板とを具備する軽量盛土構造物を構築するための盛土材を、他方から一方にかけて行方向および該行方向に垂直な列方向で他方から一方にかけて設置した軽量盛土構造物であって、
    地盤上に載置された第一の盛土材と、
    第一の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なって地盤上に載置された第二の盛土材と、
    第二の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なって地盤上に載置された第三の盛土材と、
    第一の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、底板および天板の前記列方向の他方の端縁部がそれぞれ重なって地盤上に載置された第六の盛土材と、
    第二の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、底板および天板の前記列方向の他方の端縁部がそれぞれ重なり、且つ、第六の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なる第七の盛土材と、
    第三の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、底板および天板の前記列方向の他方の端縁部がそれぞれ重なり、且つ、第七の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なる第八の盛土材と、
    第一の盛土材、第二の盛土材、第六の盛土材または第七の盛土材のそれぞれの天板同士の前記重なり部の一部を跨いで載置された第四の盛土材と、
    第四の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なり、且つ、第二の盛土材、第三の盛土材、第七の盛土材または第八の盛土材のそれぞれの天板同士の前記重なり部の一部を跨いで載置された第五の盛土材と、
    を有することを特徴とする軽量盛土構造物。
  11. 下端および上端が平行に形成された筒状体と、前記筒状体の外面から突出して前記下端に設置された底板と、前記筒状体の外面から突出して前記上端に設置された天板とを具備する軽量盛土構造物を構築するための盛土材を、他方から一方にかけて行方向および該行方向に垂直な列方向で他方から一方にかけて設置した軽量盛土構造物であって、
    地盤上に載置された第一の盛土材と、
    第一の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なって地盤上に載置された第二の盛土材と、
    第二の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なって地盤上に載置された第三の盛土材と、
    第一の盛土材並びに第二の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、底板および天板の前記列方向の他方の端縁部がそれぞれ重なって地盤上に載置された第六の盛土材と、
    第二の盛土材並びに第三の盛土材の底板および天板の前記列方向の一方の端縁部の上に、底板および天板の前記列方向の他方の端縁部がそれぞれ重なり、且つ、第六の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なる第七の盛土材と、
    同様にして、第三の盛土材の前記列方向の一方の端縁方向で、第七の盛土材の前記行方向の一方の側縁方向に設置された第八の盛土材と、
    第一の盛土材、第二の盛土材、第六の盛土材または第七の盛土材のそれぞれの天板同士の前記重なり部の一部を跨いで載置された第四の盛土材と、
    第四の盛土材の底板および天板の前記行方向の一方の側縁部の上に、底板および天板の前記行方向の他方の側縁部がそれぞれ重なり、第二の盛土材、第三の盛土材、第七の盛土材または第八の盛土材のそれぞれの天板同士の前記重なり部の一部を跨いで設置された第五の盛土材と、
    を有することを特徴とする軽量盛土構造物。
  12. 前記軽量盛土構造物を構築するための盛土材に、請求項1乃至4の何れかに記載の軽量盛土構造物を構築するための盛土材が含まれることを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の軽量盛土構造物。
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