JPH09316883A - 法面形成枠および同形成枠を用いる盛土工法 - Google Patents

法面形成枠および同形成枠を用いる盛土工法

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JPH09316883A
JPH09316883A JP13229196A JP13229196A JPH09316883A JP H09316883 A JPH09316883 A JP H09316883A JP 13229196 A JP13229196 A JP 13229196A JP 13229196 A JP13229196 A JP 13229196A JP H09316883 A JPH09316883 A JP H09316883A
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JP
Japan
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slope
forming frame
embankment
vertical
slope forming
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Application number
JP13229196A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Akai
智幸 赤井
Satoru Matsumoto
哲 松本
Nobuo Ito
信雄 伊藤
Shinji Tanaka
真治 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Prefecture
Ube Exsymo Co Ltd
Original Assignee
Osaka Prefecture
Ube Nitto Kasei Co Ltd
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Publication date
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Retaining Walls (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 急勾配で植生可能な法面を簡便に形成するこ
とができる法面形成枠の提供。 【解決手段】 法面形成枠10は、法面の前面側に設置さ
れる前面基板12と、この前面基板12の背面側に形成され
た角筒状の土砂充填空間14とを有している。前面基板12
は、平板状の板材から構成され、土砂充填空間14は、前
面基板12の背面側において、縦横方向に複数個ずつ隣接
形成されている。空間14は、複数枚の縦板部材16と、こ
れと適宜間隔で嵌合交差する複数枚の横板部材18により
隔成されている。前面基板12と縦板部材16は、予め組立
てユニット化され、横板部材18とは分離された状態で現
場まで運搬される。現場に運搬された前面基板12,縦,
横板部材16,18は、まず、前面基板12の背面側に縦板部
材16の折曲部16bを当接させて、リベットなどにより折
曲部16bを前面基板12に止着する。そして、縦板部材16
のスリットに横板部材18のスリットを嵌合させながら組
み立てる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、盛土などの土木
工事を行う際に、特に、急勾配の法面形成が可能である
とともに、植生も可能な法面形成枠およびそれを用いる
盛土工法に関する。
【0002】
【従来の技術】良く知られているように、盛土工事の壁
面は、施工時の安定と形状確保のため、一般に土嚢が用
いられる。また、法面を雨水などの浸食から保護するた
めに、植生を施すことが行なわれており、植生だけで浸
食を防ぐことが不十分な場合には、コンクリート製や鉄
製の枠などを法面に設置していた。
【0003】また、例えば、特開昭58−62221号
公報には、合成樹脂を含浸したテープ状基材で多角形状
のセルを連続的に形成した枠材を使用して、軽量化を図
る法面保護枠が提案されている。しかしながら、このよ
うな従来の法面保護枠には、以下に説明する技術的な課
題が指摘されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来の土嚢
設置工法は、製作から設置まで殆どが人力施工のため、
施工性が悪く、しかも、土嚢重量が大きいため、かなり
の苦渋作業となっていた。また、盛土の構成土で直接法
面を形成する場合は、工事直後に植生した草木などが根
付くまでは、法面の形成機能が十分に発揮されず、所定
の保護機能が得られるまでに、通常、数カ月ないしは1
年程度の期間がかかる。
【0005】一方、法面形成枠を使用すると、枠自体に
保護機能があるので、設置すると、法面の保護機能は、
ある程度発揮されるが、コンクリート製ないしは鉄製の
重厚な枠を使用すると、枠材の搬入,施工費用が高額と
なることや、施工場所での景観との関係で採用すること
ができないなどの問題があった。
【0006】また、前記公開公報に開示されている枠材
は、軽量性には優れているが、枠材の厚みが5〜10c
mと小さく、自立性に欠けることもあって、施工能率や
枠材へ土壌を充填する際に問題があった。ところで、盛
土材料として、通常、ビル工事,地下工事,トンネル工
事などで地盤を掘削した際の土砂や、河川,海湾などを
浚渫した際の土砂が用いられることがあるが、このよう
な土砂は、植生に不適であったり、あるいは、周囲への
土壌汚染が危惧される場合がある。すなわち、盛土対象
土砂が植生のし難い建設残土,コンクリート瓦礫を含む
場合や、洪積粘土,沖積粘土などの場合は、植生での法
面形成機能が期待できない上に、これらの土砂が法面に
露出していると、景観を損なう恐れがある。
【0007】また、酸性あるいはアルカリ性の土質や重
金属などの有害物質を含む土砂の場合には、周辺の土壌
を汚染する恐れがある。本発明は、このような従来の問
題点を克服するために案出されたものであって、その目
的とするところは、とりわけ急勾配の法面形成に有用で
あるとともに、植生可能な法面を簡便に形成することが
できる法面形成枠の提供と、酸性土などの法面形成用と
して不適合な土砂を隔絶した状態で施工することができ
る盛土工法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、法面の前面に設置される平板状の前面基
板の背面側に、上下方向が開口した角筒状の土砂充填空
間を縦横方向に複数個ずつ隣接形成した法面形成枠であ
って、前記土砂充填空間は、前記前面基板の背面に一端
が止着される複数の縦板部材と、この縦板部材と適宜間
隔で分離可能に交差する横板部材とで隔成され、前記前
面基板および前記縦,横板部材をプラスチック製軽量板
材で構成した。この構成によれば、前面基板の背面側
に、上下方向が開口した土砂充填空間が縦横方向に複数
個ずつ隣接形成されているので、この空間に植生可能な
土壌を充填することができる。また、この土砂充填空間
は、前面基板の背面に一端が止着される複数の縦板部材
と、この縦板部材と適宜間隔で嵌合交差する横板部材と
で隔成されているので、前面基板,縦板部材,横板部材
をそれぞれ、あるいは、前面基板に縦板部材を取り付け
たものと横板部材とを分離して施工現場まで運搬し、施
工する際に組み立てればよいので、輸送効率の向上と、
保管スペースの減少化が図れ、かつ、法面形成枠は、寸
法が規格化されるので、積重(段積み)において、急勾
配な壁面施工が可能になる。さらに、前面基板および
縦,横板部材をプラスチック製軽量板材で形成すると、
軽量であることによる施工容易性、土砂中で使用する際
の耐腐食性を有し、浸透水などに対する遮水性も備えて
おり、周辺地盤への汚染の拡散を防ぐこともできる。前
記前面基板には、その前側表面に印刷や張り合わせなど
によって装飾性を付与したり、あるいは、少なくともそ
の前側表面に人工芝マットを貼付するなどして、周囲の
景観との調和を図ることができる。前記プラスチック製
軽量板材は、上下ライナー間に複数のリブを一体に押出
した中空板材で構成することができる。この構成を採用
すると、形成枠としての剛性を確保しつつ、さらに一層
軽量化を図ることができる。また、別の発明として、盛
土予定地の地盤上に、法面の前面に設置される平板状の
前面基板の背面側に、上下方向が開口した角筒状の土砂
充填空間を縦横方向に複数個ずつ隣接形成した法面形成
枠を設置し、前記角筒状土砂充填空間に植生可能な土壌
を充填する法面形成工程と、この法面形成工程の後に、
前記法面形成枠の背面側に、巻き立て用不織布の一端側
を埋設した盛土層を形成し、前記盛土層の転圧後ないし
は転圧中に、前記巻き立て用不織布の他端側で当該盛土
層を覆う盛土層形成工程と、この後に、前記法面形成枠
上に別の法面形成枠を所定量背面側にシフトして設置し
て、前記枠設置工程および盛土層形成工程を順に施工す
る工程を複数回繰り返すことにより所定の盛土を形成す
る工法であって、前記盛土層の適宜間隔毎に排水性を有
する補強材を埋設するようにした。 この工法によれば、法面形成枠の背面側に形成される盛
土層は、転圧と盛土の上下面を挟む巻き込み不織布とに
より安定化されるので、法面形成枠側への背面土圧が及
ぶことがなく、かつ、適宜間隔毎に盛土層に排水性を有
する補強材を埋設するので、水分による盛土層の軟弱化
を防止しつつ、この排水性を有する補強材の引っ張り強
度によって補強機能が発現され、盛土全体のより一層の
安定化が図れる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図3
は、本発明にかかる法面形成枠の一実施例を示してい
る。同図に示す法面形成枠10は、図1にその組み立て
状態を示すように、法面の前面側に設置される前面基板
12と、この前面基板12の背面側に形成された角筒状
の土砂充填空間14とを有している。
【0010】前面基板12は、平板状の板材から構成さ
れている。角筒状の土砂充填空間14は、前面基板12
の背面側において、縦横方向に複数個ずつ隣接形成され
ている。この土砂充填空間14は、複数枚の縦板部材1
6と、この縦板部材16と適宜間隔で嵌合交差する複数
枚の横板部材18とにより隔成されている。縦板部材1
6は、図2に示すように、細長い長方形の板材16aか
ら形成され、その板材16aの一端側にほぼ直角に折り
曲げられた折曲部16bが設けられている。また、板材
16aの上端側には、板材16aの幅の略半分の長さの
スリット16cが、板材16aの長手方向に沿って所定
間隔をおいて複数個形成されている。
【0011】一方、横板部材18は、図3に示すよう
に、細長い長方形の板材18aから形成されていて、そ
の下端側には、板材18aの幅の略半分の長さのスリッ
ト18bが、板材18aの長手方向に沿って所定間隔を
おいて複数個形成されている。前面基板12,縦,横板
部材16,18は、この実施例では、図1にその一部を
拡大して示すように、上下ライナー板A,A間に複数の
リブ板Bを一体的に押し出して、矩形状の中空部Cを形
成したものであり、このような中空板材からなるプラス
チック製軽量板材は、中空部Cが略水平方向を指向する
ように配置されている。
【0012】なお、この中空部Cの配置方向は、図示の
ように水平方向に限られることはなく、例えば、縦,横
板部材16,18の一部において、中空部Cが垂直方向
を指向するように配置してもよく、このような配置にす
ると、後述する工程により盛土を形成する際に、例え
ば、垂直方向に配置された中空部C内に棒材を挿入し
て、法面形成枠10を仮止めして、風などによるズレを
防止できるとともに、上下方向に積重された法面形成枠
10間に貫通設置すると、上下間の法面形成枠10間の
連結を図ることができる。
【0013】より具体的な寸法形状を例示すると、前面
基板12,横板部材18は、厚みが約9mmの本出願人
会社製造の中空軽量プラスチック板ダンプレート(商品
名)で形成され、縦板部材16は、厚みが約7mmの同
材料とし、前面基板12は、長さが1200mmで幅が
300mmに形成されている。各縦,横板部材16,1
8は、長さが1000mmで幅が300mmに形成され
ている。
【0014】組み立て状態における土砂充填空間部14
は、平面状態において、格子状になり、格子を隔成する
縦,横板部材16,18の厚みの中心において、ピッチ
が縦,横それぞれ300mmになるようにスリット16
c,18bの間隔が設定されている。以上のように構成
された法面形成枠10は、前面基板12と縦板部材16
とを予め接合し、ユニット化して折り畳んだ状態、ある
いは、全部の構成材料を分離した状態のいずれかで施工
現場まで運搬される。このように構成すると、運搬の効
率化が図れるとともに、保管する際に、保管スペースが
少なくなる。
【0015】前者では、現場への運搬に先立ち、前面基
板12の背面側に縦板部材16の折曲部16bを当接さ
せて、リベットなどにより折曲部16bを前面基板12
に止着したユニットとしておく。この場合、縦板部材1
6を前面基板12の所定位置に止着するために、例え
ば、リベットの装着孔を予め基板12に穿設しておく。
現場においては、このユニットの、縦板部材16のスリ
ット16cに横板部材18のスリット18bを嵌合させ
ながら、横板部材16を交差させて取りつける。横板部
材18の取付が終了すると、図1に示すように、前面基
板12の背面側に、複数の土砂充填空間14が格子状に
配列された法面形成枠10が完成する。以上のユニット
の形成を現場で行ってもよい。
【0016】次に、この法面形成枠10を使用して盛土
を行なう施工方法について、図5〜7に基づいて説明す
る。同図に示す盛土工法では、複数の法面形成枠10が
使用され、施工現場で組み立てられた各法面形成枠10
の前面基板12の表面には、人工芝マット20が予め貼
付される。この実施例に示した盛土工法では、まず、図
5に示すように、第1盛土層22が形成される。第1盛
土層22を形成する際には、盛土の形成予定地の前面側
地盤上に法面形成枠10が設置される。法面形成枠10
は、土砂充填空間14の開口の一方が地盤上に位置する
ようにして、必要数が図4の紙面と直交する方向に隣接
配置される。
【0017】法面形成枠10の設置が終了すると、各土
砂充填空間14内に、植生可能な土壌24を充填して、
1段分の法面形成枠10が地盤上に固定される。そし
て、この工程の後に、法面形成枠10の背面側の地盤上
に巻き立て用不織布26が敷設される。巻き立て用不織
布26は、形成される第1盛土層22の上面側も覆うた
め、その略半分の長さの部分が、先ず、地盤上に敷設さ
れ、この敷設された部分に盛土が行なわれる。
【0018】この時の盛土用の土砂は、植生可能な土壌
であってもよいし、植生不適合な土壌や汚染土砂であっ
てもよい。盛土用の土砂が不織布26上に撒き出される
と、ローラー機械などを使用して、盛土土砂に圧力を加
えて圧密化する転圧作業が行なわれる。転圧作業が行な
われて、法面形成枠10とほぼ同じ高さの盛土層22が
形成されると、その上面側に巻き立て用不織布26の他
端側が覆設される。
【0019】巻き立て用不織布26の覆設は、例えば、
法面形成枠10の背面側から他端側に向けて転圧作業を
行い、このような転圧作業を継続しながら、所定の厚み
の盛土層22が形成されると、その上面側に順次巻き立
て用不織布26で覆うようにする。以上の工程により、
第1盛土層22が形成されると、法面形成枠10の上部
側に別の法面形成枠10を設置する。このときの設置状
態は、第2段目の法面形成枠10を所定量だけ背面側に
シフトさせて行う。図6に示した例では、土砂充填空間
14の0.5個(半分)に相当する量だけシフトされて
いる。
【0020】このようにして第2段目の法面形成枠10
が設置されると、土砂充填空間14内に植生可能な土壌
を充填し、その背面側に不織布26を敷設して、盛土土
砂の撒き出し,転圧,不織布26の覆設工程が順次行な
われ、第2盛土層22aが形成される(図6参照)。第
2盛土層22aが形成されると、この形成工程と同様な
工程により第3および第4盛土層22b,22cを順次
形成するが、本実施例の場合には、第2盛土層22aを
形成した後に、この盛土層22aの上面に排水性を有す
る補強材28が設置される。この排水性を有する補強材
28は、第2盛土層22aの上面を通って、法面形成枠
10の前端まで延設される。
【0021】排水性を有する補強材28は、例えば、ス
ダレ織の補強糸を不織布でサンドイッチ状としたものな
どであって、盛土層中を浸透する水を集めて、外部に排
出する。そして、排水性を有する補強材28の設置後
に、図7に示すように、第3および第4盛土層22b,
22cが、第2盛土層22aと同じ工程を経ることによ
り形成され、このような工程を順次行なうことにより所
望の盛土が完成する。盛土が完成すると、必要に応じ
て、各法面形成枠10の植生可能な土壌が充填された部
分に草木の種を蒔くかあるいは植栽を施す。
【0022】さて、以上のような方法で盛土を形成する
と、法面形成枠10の背面側に形成される盛土層22,
22a〜22cは、転圧と盛土の上下面を挟む巻き込み
不織布26とにより安定化され、かつ、盛土層22a,
22c間に排水性を有する補強材28を埋設するので、
水分による盛土層の軟弱化を防止しつつ、この排水性を
有する補強材28の引っ張り強度によって、補強機能が
発現され、盛土全体のより一層の安定化が図れる。
【0023】また、各盛土層22,22a〜22cの前
面側には、植生可能な土壌28が空間14に充填された
法面形成枠10が設けられているので、各盛土層22,
22a〜22cに植生不適合な土壌を用いても、植生に
よる法面形成機能が発揮されるとともに、各盛土層2
2,22a〜22cに汚染土壌を用いたとしても、汚染
の拡散が土壌28や法面形成枠10により防止される。
【0024】さらに、本実施例の法面形成枠10は、前
面基板12および縦,横板部材16,18をプラスチッ
ク製軽量板材で形成するので、土砂中で使用する際の耐
腐食性を有し、浸透水などに対する遮水性も備えてお
り、周辺地盤への汚染の拡散を確実に防ぐことができ
る。また、本実施例の場合には、前面基板12の表面に
は、人工芝マットを貼付しているので、周囲の景観との
調和を図りつつ、前面基板12耐候劣化を防止すること
ができる。
【0025】なお、法面形成枠10に使用できるプラス
チック製軽量材料には、上記実施例で例示したものに限
られることはなく、図8に示すように、上下のライナー
板A,A間に、円筒状の中空突起Dを有する芯材Eを貼
合わせた中空軽量材や、図9に示すように、傾斜状のリ
ブFを有する波板状の芯材Gを貼合わせた中空軽量材、
さらには、各種の発泡板材であって、ポリオレフィン系
樹脂など、熱可塑性樹脂からなるものであることが望ま
しい。
【0026】
【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、
本発明にかかる法面形成枠および同形成枠を用いる盛土
工法によれば、以下の効果が得られる。 法面形成枠は、前面基板の背面側に、上下方向が開口
した土砂充填空間が縦横方向に複数個ずつ隣接形成され
ているので、この空間に良質な土壌を充填することがで
き、盛土層に植生不適な土壌を用いても、植生可能な法
面を作ることができる。
【0027】土砂充填による法面形成にあたっては、
剛性のある中空プラスチック板などを組み上げた形状維
持力の高い格子枠のため、機械処理での作業性が良好で
あり、また、安定な法面が形成される。さらに、形成枠
の寸法が規格化されるので、積重ね(段積み)におい
て、急勾配な法面施工が可能になる。
【0028】法面形成枠の土砂充填空間は、前面基板
の背面に予めまたは施工現場で一端が止着される複数の
縦板部材と、この縦板部材と適宜間隔で嵌合交差する横
板部材とで隔成されているので、前面基板,縦板部材,
横板部材をそれぞれまたは一部分離して施工現場まで運
搬し、施工する際に組み立てればよいので、輸送効率の
向上と、保管スペースの減少化が図れる。
【0029】法面形成枠の前面基板および縦,横板部
材をプラスチック製軽量板材で形成するので、土砂中で
使用する際の耐腐食性を有し、浸透水などに対する遮水
性も備えており、周辺地盤への汚染の拡散を防ぐことが
できる。 法面形成枠の前面基板には、その前側表面に印刷や張
り合わせなどによって装飾性を付与したり、前側表面に
人工芝マットを貼付して、周囲の景観との調和を図るこ
とができる。
【0030】法面形成枠の背面側に形成される盛土層
は、転圧と盛土の上下面を挟む巻き込み不織布とにより
安定化され、かつ、適宜間隔毎に盛土層に排水性を有す
る補強材を埋設するので、水分による盛土層の軟弱化を
防止しつつ、この排水性を有する補強材の引っ張り強度
によって、補強機能が発現され、盛土全体のより一層の
安定化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる法面形成枠の一実施例を示す組
み立て状態の斜視図である。
【図2】同法面形成枠の縦板部材の一例を示す斜視図で
ある。
【図3】同法面形成枠の横板部材の一例を示す斜視図で
ある。
【図4】同法面形成枠の一部をユニット化した状態を示
す斜視図である。
【図5】本発明にかかる盛土工法の最初の工程を示す断
面説明図である。
【図6】図5の工程に引き続いて行なわれる工程の断面
説明図である。
【図7】図6の工程に引き続いて行なわれる工程の断面
説明図である。
【図8】本発明の法面形成枠に使用される中空軽量材の
他の例を示す要部斜視図である。
【図9】本発明の法面形成枠に使用される中空軽量材の
さらに別の例を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
10 法面形成枠 12 前面基板 14 土砂充填空間 16 縦板部材 16a 板材 16b 折曲部 16c スリット 18 横板部材 18a 板材 18b スリット 20 人工芝マット 22,22a〜22c 盛土層 24 植生可能な土壌 26 巻き立て用不織布 28 排水性を有する補強材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 信雄 大阪市中央区高麗橋4−2−7 宇部日東 化成株式会社大阪支店内 (72)発明者 田中 真治 大阪市中央区高麗橋4−2−7 宇部日東 化成株式会社大阪支店内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 法面の前面に設置される平板状の前面基
    板の背面側に、上下方向が開口した角筒状の土砂充填空
    間を縦横方向に複数個ずつ隣接形成した法面形成枠であ
    って、 前記土砂充填空間は、前記前面基板の背面に一端が止着
    される複数の縦板部材と、この縦板部材と適宜間隔で分
    離可能に交差する横板部材とで隔成され、 前記前面基板および前記縦,横板部材をプラスチック製
    軽量板材で構成したことを特徴とする法面形成枠。
  2. 【請求項2】 前記前面基板は、その前側表面に装飾性
    が付与されていることを特徴とする請求項1記載の法面
    形成枠。
  3. 【請求項3】 前記前面基板は、少なくともその前側表
    面に人工芝マットが貼付されていることを特徴とする請
    求項1記載の法面形成枠。
  4. 【請求項4】 前記プラスチック製軽量板材は、上下ラ
    イナー間に複数のリブを一体に押出した中空板材からな
    ることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載
    の法面形成枠。
  5. 【請求項5】 盛土予定地の地盤上に、法面の前面に設
    置される平板状の前面基板の背面側に、上下方向が開口
    した角筒状の土砂充填空間を縦横方向に複数個ずつ隣接
    形成した法面形成枠を設置し、前記角筒状土砂充填空間
    に植生可能な土壌を充填する法面形成工程と、 この法面形成工程の後に、前記法面形成枠の背面側に、
    巻き立て用不織布の一端側を埋設した盛土層を形成し、
    前記盛土層の転圧後ないしは転圧中に、前記巻き立て用
    不織布の他端側で当該盛土層を覆う盛土層形成工程と、 この後に、前記法面形成枠上に別の法面形成枠を所定量
    背面側にシフトして設置して、前記枠設置工程および盛
    土層形成工程を順に施工する工程を複数回繰り返すこと
    により所定の盛土を形成する工法であって、 前記盛土層の適宜間隔毎に排水性を有する補強材を埋設
    することを特徴とする法面形成枠を用いる盛土工法。
  6. 【請求項6】 前記法面形成枠の角筒状土砂充填空間に
    は、植生可能な土壌を充填することを特徴とする請求項
    5記載の法面形成枠を用いる盛土工法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005083067A (ja) * 2003-09-09 2005-03-31 Jfe Metal Products & Engineering Inc 軽量盛土構造物およびその構築法並びにその盛土材
JP2017002662A (ja) * 2015-06-15 2017-01-05 フリー工業株式会社 法面の安定化方法および該方法に用いる目地材

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