JP2023068638A - 盛土構造物及びその施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易で安価な工法により法面を補強でき、盛土の浸食や流出を防止できる盛土構造物及びその施工方法を提供する。【解決手段】基礎地盤の斜面に形成された盛土と、前記盛土の法面を覆う保護シートとを備え、前記保護シートの上端部及び下端部が折り曲げて前記盛土内に埋め込まれていることを特徴とする盛土構造物。【選択図】図1
Description
本発明は、例えば盛土構造物及びその施工方法に関する。
例えば河川の堤防や林道等を施工する際に、基礎地盤の斜面に土砂を盛って盛土構造物を構築して平坦な地表を作り上げることがある。従来、この盛土構造物では、増水した河川の水や雨風等で盛土の法面が削られて流出しないよう、予めその法面の補強工事が行われている。このような法面の補強工事として、例えば特許文献1には、盛土を施工する岩盤にアンカーを固定するとともに、このアンカーに連結させた鉄筋製の格子枠柵を盛土の法面に設置し、この格子枠柵に緑化シートを配設して、緑化シートに種子及び人工土壌を含む吹付層を形成するものが記載されている。
しかしながら、例えば上記したような従来の盛土構造物では、補強を行うために、深層部の岩盤にアンカーを施工する等の大掛かりな工事を行う必要があり、工期が長くなるとともにその費用も高くなってしまうという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、簡易で安価な工法により法面を補強でき、盛土の浸食や流出を防止できる盛土構造物及びその施工方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明にかかる盛土構造物は、基礎地盤の斜面に形成された盛土と、前記盛土の法面を覆う保護シートとを備え、前記保護シートの上端部及び下端部が折り曲げて前記盛土内に埋め込まれていることを特徴とする。
このようなものであれば、盛土の法面を覆うように保護シートが設けられているので、河川の増水や雨風等による法面の浸食や流出を防止することができる。そしてこの保護シートは、その上端部と下端部とが盛土内に埋め込まれることで盛土の重みがかかっているので、保護シートが増水した河川の水等に引っ張られても簡単には引き抜けにくい。そのため、保護シートを基礎地盤に固定するためのアンカーの施工等の大掛かりな工事を行う必要がなく、保護シートの上端部と下端部とを盛土内に埋め込ませるという、極めて簡易で安価な工法により法面を補強することができる。
前記盛土構造物は、前記保護シートが、前記法面を覆う被覆シート部と、前記盛土内に埋め込まれた上部埋込シート部及び下部埋込シート部とを備え、前記上部埋込シート部及び前記下部埋込シート部は、前記盛土内で広げて埋め込まれているのが好ましい。
このようにすれば、上部埋込シート部と下部埋込シート部とを盛土内に広げて埋め込むようにしているので、保護シートのうち盛土内に埋まっている部分と盛土との接触面積を大きくして、保護シートが引っ張られた際に大きな引抜き抵抗力を生じさせることができる。
このようにすれば、上部埋込シート部と下部埋込シート部とを盛土内に広げて埋め込むようにしているので、保護シートのうち盛土内に埋まっている部分と盛土との接触面積を大きくして、保護シートが引っ張られた際に大きな引抜き抵抗力を生じさせることができる。
また前記盛土構造物は、複数の前記保護シートが前記法面の傾斜方向に沿って隣り合うように設置されているのが好ましい。
このようにすれば、隣り合う保護シートが接触することによる、保護シート同士の接触抵抗によって、各保護シートがより引き抜けにくくなる。
このようにすれば、隣り合う保護シートが接触することによる、保護シート同士の接触抵抗によって、各保護シートがより引き抜けにくくなる。
さらに上下に隣り合う複数の前記保護シート間において、上側の前記保護シートの下部埋込シート部と、下側の前記保護シートの上部埋込シート部とが互いに連結されているのが好ましい。
このようにすれば、例えば下側の保護シートの上部埋込シート部が引っ張られた際に、これに連結されている上側の保護シートの下部埋込シート部が引抜き抵抗となるので、保護シートのより引き抜けにくくできる。
このようにすれば、例えば下側の保護シートの上部埋込シート部が引っ張られた際に、これに連結されている上側の保護シートの下部埋込シート部が引抜き抵抗となるので、保護シートのより引き抜けにくくできる。
また前記盛土構造物は、前記上側の保護シートの下部埋込シート部と、前記下側の保護シートの上部埋込シート部との、それぞれの対向面が接着剤を用いて互いに接着されているのが好ましい。
このようにすれば、上下の保護シートの対向面を接着することにより、これらを一体化できるので、下側の保護シートが引っ張られた際に、より強い引抜き抵抗力を生じさせることができ、保護シートをより抜けにくくできる。
また、上下の保護シートの対向面を接着することで、これらの間への水や樹木の根の侵入を防止できるので、保護シートの損傷や盛土の浸食及び流出をより効果的に防止できる。
このようにすれば、上下の保護シートの対向面を接着することにより、これらを一体化できるので、下側の保護シートが引っ張られた際に、より強い引抜き抵抗力を生じさせることができ、保護シートをより抜けにくくできる。
また、上下の保護シートの対向面を接着することで、これらの間への水や樹木の根の侵入を防止できるので、保護シートの損傷や盛土の浸食及び流出をより効果的に防止できる。
盛土の法面の露出を無くし、その浸食及び流出をより効果的に防ぐには、前記複数の保護シートが前記法面の傾斜方向に沿って隙間なく設置されているのが好ましい。
また、保護シートをより引き抜けにくくするには、前記上部埋込シート部及び前記下部埋込シート部の少なくとも一方に、前記被覆シート部が引っ張られた際に引抜き抵抗を生じさせる抵抗部材が取り付けられているのが好ましい。
抵抗部材を取り付ける場合、この抵抗部材が管状をなすものであり、前記盛土の縦断方向に沿って水平に延びるように設けられているのが好ましい。
このようにすれば、保護シートが引っ張られた際に、縦断方向において略均等に引抜き抵抗力を生じさせることができ、保護シートの撓みを生じにくし、その損傷を防止できる。また、施工時に抵抗部材の長さを調整することにより、引抜き抵抗力の大きさを簡単に調整することができる。
このようにすれば、保護シートが引っ張られた際に、縦断方向において略均等に引抜き抵抗力を生じさせることができ、保護シートの撓みを生じにくし、その損傷を防止できる。また、施工時に抵抗部材の長さを調整することにより、引抜き抵抗力の大きさを簡単に調整することができる。
また前記盛土構造物は、前記上部埋込シート部及び前記下部埋込シート部の少なくとも一方に、前記抵抗部材を収容する収容空間が設けられており、当該収容空間が、前記上部埋込シート部及び前記下部埋込シート部の少なくとも一方の端縁部を折り返したその内向き面により形成されたものであるのが好ましい。
このようにすれば、抵抗部材を収容するための部材を別途準備する必要がないので、より簡易に且つ安価に施工することができる。
このようにすれば、抵抗部材を収容するための部材を別途準備する必要がないので、より簡易に且つ安価に施工することができる。
また本発明の盛土構造物の施工方法は、基礎地盤の法面に接続する底面に第1の保護シートを載置する工程と、前記第1の保護シート上に土を盛るとともにこれを押し固め、前記法面に沿って盛土を形成する工程と、第1の保護シートを折り返して、形成された前記盛土の天端に被せる工程と、前記盛土の天端を覆う前記第1の保護シート上に第2の保護シートを載置する工程と、前記第2の保護シート上に土を盛るともにこれを押し固め、前記法面に沿って盛土を形成する工程と、第2の保護シートを折り返して、形成された前記盛土の天端に被せる工程と、を含むことを特徴とする。
このような施工方法であれば、前記した本発明の盛土構造物と同様の作用効果を奏することができる。
このような施工方法であれば、前記した本発明の盛土構造物と同様の作用効果を奏することができる。
このようにした本発明によれば、簡易で安価な工法により法面を補強でき、盛土の浸食や流出を防止できる盛土構造物及びその施工方法を提供することができる。
以下に、本発明の一実施形態に係る盛土構造物100について図面を参照して説明する。
(1)盛土構造物100の構成
本実施形態の盛土構造物100は河川の右岸及び左岸に築造される堤防である。具体的にこの盛土構造物100は、図1に示すように、河川の流路に沿って形成された堤防本体1(特許請求の範囲でいう基礎地盤である)と、堤防本体1の表面を覆うように施された盛土2と、盛土2の表面を覆う保護シート3とを備えている。
本実施形態の盛土構造物100は河川の右岸及び左岸に築造される堤防である。具体的にこの盛土構造物100は、図1に示すように、河川の流路に沿って形成された堤防本体1(特許請求の範囲でいう基礎地盤である)と、堤防本体1の表面を覆うように施された盛土2と、盛土2の表面を覆う保護シート3とを備えている。
堤防本体1は、平坦地に土砂を盛り、これを押し固めて形成したものである。この堤防本体1は、その横断面が概略台形状をなすものであり、略水平な平坦面である本体天端11と、この天端面の左右に接続する略平坦な傾斜面である本体法面12(表法面、裏法面)とが形成されている。
盛土2は、堤防本体1の表面に盛った盛土材を締固めて形成したものである。この盛土2は、堤防本体1の本体天端11及び本体法面12(表法面、裏法面)を隙間なく覆うように形成された、一定の厚みを有するものである。具体的にこの盛土2は、堤防本体1の天端に形成された上部盛土部21と、堤防本体1の法面に形成された側部盛土部22(土部ともいう)とを含む。上部盛土部21の表面には、本体天端11に平行な平坦面である盛土天端21sが形成されており、側部盛土部22の表面には、本体法面12に平行な傾斜面である盛土法面22sが形成されている。
盛土2を構成する盛土材は、従来知られているものを利用できる。盛土材は、例えば、流用土(利用土、仮置土)、発生土、採取土及び購入土等様々なものが利用されてよく、具体的には、例えば、粒度を調整した砂利、粘性土、土、砂等の砕石類やセメント改良土であってよいが、これらに限らない。
保護シート3は、河川の増水や雨風等による法面の浸食や流出を防止するためのものである。具体的にこの保護シート3は、遮水性を備えるシート状のもの(遮水シート)であり、例えば、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、改質アスファルト、架硫ゴム、熱可塑性樹脂等により構成されるものである。またこの保護シート3は、例えば高強度のFRP(繊維強化プラスチック)が得られる炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、ザイロン繊維、その他の柔軟性のある化学繊維等の強化部材を備えていてもよい。保護シート3は、盛土2の表面(盛土天端21s、盛土法面22s)を隙間なく覆うように複数枚設置されている。
しかして本実施形態の盛土構造物100では、簡易で安価な工法により盛土法面22sを補強でき、盛土2の浸食や流出を防止できるようにすべく、盛土法面22sを覆う各保護シート3の上端部及び下端部が折り曲げて盛土2内に埋め込まれていることを特徴とする。
具体的に説明すると、盛土法面22sを保護する各保護シート3は、図2に示すように、盛土法面22sを覆う被覆シート部31と、盛土2(具体的には側部盛土部22)内に埋め込まれた上部埋込シート部32及び下部埋込シート部33とを備えている。被覆シート部31と上部埋込シート部32と下部埋込シート部33は、1枚の保護シート3を折り曲げることにより形成される一続きのものであり、互いに略同一の厚みを有している。
被覆シート部31は、裏面が盛土法面22sに密着するようにして、盛土法面22s上に敷かれている。そして、被覆シート部31の上端と下端は、上部埋込シート部32と下部埋込シート部33にそれぞれ接続している。
上部埋込シート部32と下部埋込シート部33は、互いに平行になるように盛土2内に埋め込まれており、ここではいずれも盛土天端21sと略平行になるように盛土2内に水平に広げて埋め込まれている。盛土構造物100の横断面において、上部埋込シート部32と下部埋込シート部33は、略同一長さであり、かつ略同一厚さである。
図2に示すようにこの保護シート3は、盛土法面22sの傾斜方向に沿って、互いに隣接するように複数枚設置されており、盛土法面22sの全体を隙間なく覆っている。言い換えると、側部盛土部22はその傾斜方向に沿って複数の部分に分割されており、各側部盛土部22が保護シート3により個別に包まれているともいえる。そして、上下に隣り合う保護シート3間において、上側の保護シート3の下部埋込シート部33と、下側保護シート3の上部埋込シート部32とは難いに連結されている。具体的には、上側の保護シート3の下部埋込シート部33と、下側保護シート3の上部埋込シート部32とは、それぞれの対向面が接着剤を用いて互いに接着されている。
また各保護シート3には、越流した河川の水等により被覆シート部31が斜面方向に引っ張られた際に、引抜き抵抗を生じさせる抵抗部材4が取り付けられている。この抵抗部材4は、盛土2内に埋め込まれて、上部埋込シート部32と下部埋込シート部33の少なくとも一方(本実施形態では両方)に取付けられている。具体的にこの抵抗部材4は、盛土2の縦断方向(横断方向及び上下方向に直交する方向)に沿って水平に伸びるように設けられた管状をなすものであり、例えば鋼管や塩ビ管等である。この抵抗部材4の直径は、上部埋込シート部32及び下部埋込シート部33の厚みよりも大きい。
また各保護シート3には、抵抗部材4を収容するための収容空間が形成されている。この収容空間は、上部埋込シート部32と下部埋込シート部33の少なくとも一方(ここでは両方)の端部に設けられている。具体的にこの収容空間は、図2に示すように、上部埋込シート部32や下部埋込シート部33の端縁部を折り返して袋状構造とし、その内向き面により形成されるものである。この収容空間は、盛土2の縦断方向に沿って水平に伸びるように形成されており、この収容空間内に抵抗部材4が挿入されている。
またこの盛土構造物100では、図1に示すように、盛土2及び保護シート3を覆うようにして保護盛土5が設けられている。この保護盛土5は、太陽光を遮光することにより保護シート3を紫外線による劣化から防ぐためのものである。
具体的にこの保護盛土5は、上部盛土部21及び側部盛土部22、並びにこれらの覆う保護シート3を隙間なく覆うように形成された一定の厚みを有するものであり、盛土構造物100の表層部を形成している。具体的にこの保護盛土5は、盛土2の盛土天端21sを覆う上部保護盛土51と、盛土法面22sを覆う側部保護盛土52とを含む。この側部保護盛土52は、横断方向において、盛土2の盛土法面22sの終点である法尻2tを覆うように形成されている。保護盛土5を形成する盛土材は、前記した盛土2と同種のものであっても異なるものであってもよい。また上部保護盛土51は、砕石等を用いて舗装されていてもよい。また、保護シート3を紫外線から保護する観点から、保護盛土5の表面には樹木や草木が植えられてもよい。なお保護盛土5は必ずしも設ける必要はないが、保護盛土5を設けない場合には、保護シート3が十分に耐候性や耐光性を備えるものであることが望ましい。
さらに本実施形態の盛土構造物100では、図2に示すように、傾斜方向に沿って隣り合う2つの保護シート3の間の隙間を覆うようにして隙間保護シート6が設けられている。この隙間保護シート6は、保護盛土5側の樹木の根っこ等が、隣り合う2つの保護シート3の間から内部に侵入するのを防ぐためのものである。具体的にこの隙間保護シート6は、縦断方向に沿って延びる長尺状をなすものであり、隣り合う保護シート3の各被覆シート部31の間の隙間を覆うように、保護シート3の表面に張り付けられる。隙間保護シート6は、保護シート3と同じ材質のものであっても、異なる材質のものであってもよい。
また本実施形態では、保護シート3に覆われた盛土内に含まれる空気が温度変化等に膨張した際にこれを外部に逃がすための空気抜き機構Bが形成されている。この空気抜き機構Bは、例えば、保護シート3に形成された穴や、保護シート3を貫通するように設けられた配管等であってもよい。
(2)盛土構造物100の施工方法
次に、本実施形態の盛土構造物100の法面の施工方法について、図3を用いて説明する。
次に、本実施形態の盛土構造物100の法面の施工方法について、図3を用いて説明する。
まず、盛土2を形成する基礎地盤である堤防本体1を形成する。
そして図3(a)に示すように、本体法面12に接続する水平な底面上に第1の保護シート3を載置する。具体的には、第1の保護シート3の一方の端部の位置を本体法面12の法尻近傍に合わせるようにして第1の保護シート3を載置するのが好ましい。
次に、図3(b)に示すように、第1の保護シート3上に盛土材を盛るとともにこれを転圧して押し固め、本体法面12に沿って盛土2(側部盛土部22)を形成する。ここで盛土2は、第1の保護シート3上における、真ん中よりも本体法面12側に寄せて形成する。
そして、図3(c)に示すように、第1の保護シート3を折り返して、形成された盛土2の天端を覆うようにして盛土2に被せる。ここでは、第1の保護シート3が撓まないように、盛土2の表面にしっかりと密着させるように第1の保護シート3を被せる。
次に、図3(d)に示すように、盛土2の天端を覆う第1の保護シート3上に第2の保護シート3を載置する。具体的には、第1の保護シート3の上部埋込シート部32の表面に形成される平坦面に第2の保護シート3を載置する。ここで第2の保護シート3の一方の端部の位置を本体法面12の法尻近傍に合わせるようにして第2の保護シート3を載置するのが好ましい。
そして、図3(e)に示すように、第2の保護シート3上に盛土材を盛るともにこれを押し固め、本体法面12に沿って盛土2を形成する。ここで盛土2は、第2の保護シート3上における、真ん中よりも本体法面12側に寄せて形成する。
そして、図3(f)に示すように、第2の保護シート3を折り返して、形成された盛土2の天端を覆うようにして盛土2に被せる。ここでは、第2の保護シート3が撓まないように、盛土2の表面にしっかりと密着させるように第2の保護シート3を被せる。
この図3(a)~(f)の工程を繰り返すことにより、盛土法面22sが補強された盛土2を本体斜面に沿って次々と簡単に施行することができる。
(3)効果
このように構成された本実施形態の盛土構造物100によれば、盛土2の法面を覆うように保護シート3が設けられているので、河川の増水や雨風等による法面の浸食や流出を防止することができる。そしてこの保護シート3は、その上端部と下端部とが盛土2内に埋め込まれることで盛土2の重みがかかっているので、保護シート3が増水した河川の水等に引っ張られても簡単には引き抜けにくい。そのため、保護シート3を基礎地盤に固定するためのアンカーの施工等の大掛かりな工事を必要がなく、保護シート3の上端部と下端部とを盛土2内に埋め込ませるという、極めて簡易で安価な工法により法面を補強することができる。
このように構成された本実施形態の盛土構造物100によれば、盛土2の法面を覆うように保護シート3が設けられているので、河川の増水や雨風等による法面の浸食や流出を防止することができる。そしてこの保護シート3は、その上端部と下端部とが盛土2内に埋め込まれることで盛土2の重みがかかっているので、保護シート3が増水した河川の水等に引っ張られても簡単には引き抜けにくい。そのため、保護シート3を基礎地盤に固定するためのアンカーの施工等の大掛かりな工事を必要がなく、保護シート3の上端部と下端部とを盛土2内に埋め込ませるという、極めて簡易で安価な工法により法面を補強することができる。
また上下に隣り合う複数の保護シート3間において、上側の保護シート3の下部埋込シート部33と下側の保護シート3の上部埋込シート部32とのそれぞれの対向面が接着剤を用いて互いに接着して連結されているので、上下の保護シート3を一体化できるので、越流した河川の水等により被覆シート部31が斜面方向に引っ張られた際に、強い引抜き抵抗力を生じさせることができ、保護シート3を抜けにくくできる。
さらに、各保護シート3には、被覆シート部31が引っ張られた際に引抜き抵抗を生じさせる管状の抵抗部材4が取り付けられているので、被覆シート部31が引っ張られた際により強い引抜き抵抗を生じさせることができる。
そしてこの抵抗部材4は、各保護シート3の端縁部を折り返して形成した収容空間に挿入することにより取り付けられるので、その設置も簡単にできる。
そしてこの抵抗部材4は、各保護シート3の端縁部を折り返して形成した収容空間に挿入することにより取り付けられるので、その設置も簡単にできる。
(4)その他の実施形態
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態において盛土構造物100は河川の堤防であったが、これに限らない。例えば林道や土手道等、盛土2を施工するものであれば、どのようなものであってもよい。
前記実施形態において、隣り合う上下の保護シート3が接着剤を用いて互いに接着して連結されていたが、これに限らない。他の実施形態では例えば、ネジやボルト等を備える締結機構により上下の保護シート3が連結されていてもよい。
また他の実施形態の盛土構造物100では、越流した河川の水や洗堀等により保護シート3が引き抜かれるのを防止するための重し部材7が設けられてもよい。この重し部材7は、河川の水が越流した際に、保護シート3に最も引抜き力が加わる部位に設けられている。図4に示すように、重し部材7は、川裏側の側部盛土部22における盛土法面22sの途中に形成された小段23を覆う保護シート3の上に載せられる。より具体的にこの重し部材7は、少なくとも小段23と、上側に向かう盛土法面22sとの境目である法尻23t近傍に載置される。ここでは重し部材7は、図4に示すように、小段23の全体を覆うとともに、その端部が小段23と下側に向かう盛土法面22sとの境目である法肩23uを越えるようにして設けられる。具体的にこの重し部材7は、例えば蛇籠やフトン籠等であるが、その他のものであってもよい。
また他の実施形態の盛土構造物としては、保護シートと盛土法面との間に、保護シートをその盛土法面に接着する接着層をさらに備えているものであってもよい。具体的には、この接着層は、保護シートの被覆シート部と盛土法面との間にこの接着層は、例えば保護シート3と盛土法面22sとの間に接着剤を流し込んで形成すればよい。なお、このような構成であれば、例えば河川が増水した場合に、保護シート3と盛土法面22sとの間に水が流れ込むことを防止できる。これにより、保護シート3が盛土法面22sから剥がれ難くなる。
また他の実施形態の保護シートは、例えば盛土側から外側へ一方的に水分を通すような機能を有するものであってもよい。このような構成であれば、保護シートを介して外側から盛土側へ水分が浸み込まなくなる一方、盛土側の水分は外側へ蒸発するので、盛土が水分を溜め込んで崩れやすくなることを防止できる。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100 ・・・盛土構造物(堤防)
1 ・・・堤防本体
11 ・・・本体天端
12 ・・・本体法面
2 ・・・盛土
21 ・・・上部盛土部
21s ・・・盛土天端
22 ・・・側部盛土部
22s ・・・盛土法面
23 ・・・小段部
3 ・・・保護シート
31 ・・・被覆シート部
32 ・・・上部埋込シート部
33 ・・・下部埋込シート部
4 ・・・抵抗部材
1 ・・・堤防本体
11 ・・・本体天端
12 ・・・本体法面
2 ・・・盛土
21 ・・・上部盛土部
21s ・・・盛土天端
22 ・・・側部盛土部
22s ・・・盛土法面
23 ・・・小段部
3 ・・・保護シート
31 ・・・被覆シート部
32 ・・・上部埋込シート部
33 ・・・下部埋込シート部
4 ・・・抵抗部材
Claims (10)
- 基礎地盤の斜面に形成された盛土と、
前記盛土の法面を覆う保護シートとを備え、
前記保護シートの上端部及び下端部が折り曲げて前記盛土内に埋め込まれていることを特徴とする盛土構造物。 - 前記保護シートが、前記法面を覆う被覆シート部と、前記盛土内に埋め込まれた上部埋込シート部及び下部埋込シート部とを備え、
前記上部埋込シート部及び前記下部埋込シート部は、前記盛土内で広げて埋め込まれている請求項1に記載の盛土構造物。 - 複数の前記保護シートが前記法面の傾斜方向に沿って設置されており、
上下に隣り合う複数の前記保護シート間において、上側の前記保護シートの下部埋込シート部と、下側の前記保護シートの上部埋込シート部とが互いに連結されている請求項2に記載の盛土構造物。 - 前記上側の保護シートの下部埋込シート部と、前記下側の保護シートの上部埋込シート部との、それぞれの対向面が接着剤を用いて互いに接着されている請求項3に記載の盛土構造物。
- 前記複数の保護シートが前記法面の傾斜方向に沿って隙間なく設置されている請求項3に記載の盛土構造物。
- 前記上部埋込シート部及び前記下部埋込シート部の少なくとも一方に、前記被覆シート部が引っ張られた際に引抜き抵抗を生じさせる抵抗部材が取り付けられている請求項2に記載の盛土構造物。
- 前記抵抗部材が管状をなすものであり、前記盛土の縦断方向に沿って水平に延びるように設けられている請求項6に記載の盛土構造物。
- 前記上部埋込シート部及び前記下部埋込シート部の少なくとも一方に、前記抵抗部材を収容する収容空間が設けられており、
当該収容空間が、前記上部埋込シート部及び前記下部埋込シート部の少なくとも一方の端縁部を折り返したその内向き面により形成されたものである請求項6に記載の盛土構造物。 - 前記保護シートと前記法面との間に、当該保護シートを当該法面に接着する接着層をさらに備えている請求項1に記載の盛土構造物。
- 基礎地盤の法面に接続する底面に第1の保護シートを載置する工程と、
前記第1の保護シート上に土を盛るとともにこれを押し固め、前記法面に沿って盛土を形成する工程と、
第1の保護シートを折り返して、形成された前記盛土の天端に被せる工程と、
前記盛土の天端を覆う前記第1の保護シート上に第2の保護シートを載置する工程と、
前記第2の保護シート上に土を盛るともにこれを押し固め、前記法面に沿って盛土を形成する工程と、
第2の保護シートを折り返して、形成された前記盛土の天端に被せる工程と、
を含む盛土構造物の施工方法。
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---|---|---|---|
JP2021179828 | 2021-11-02 | ||
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JP2022172874A Pending JP2023068638A (ja) | 2021-11-02 | 2022-10-28 | 盛土構造物及びその施工方法 |
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JP (1) | JP2023068638A (ja) |
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2022
- 2022-10-28 JP JP2022172874A patent/JP2023068638A/ja active Pending
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