JP4493803B2 - ガスメータの取付方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、地中等から垂直に立ち上げた入側ガス管と出側ガス管の上端を下向きに形成し、この下向きに形成した入側及び出側ガス管とガスメータの上面に形成した入側及び出側口金とを入側及び出側ユニオンナットを用いて夫々接続することにより、ガスメータを入側と出側ガス管に吊設するガスメータの取付方法に関するもので、更に詳しくは、入側と出側ユニオンナット内においてガスメータの入側及び出側口金と配管の下端とが正しく嵌合されているか否かを目視により確認しながら入側と出側ユニオンナットを入側と出側口金に締め付けることにより、配管の下端と入側及び出側口金との嵌合部分においてパッキンのつけ忘れやずれが生じているのを知らずに入側と出側ユニオンナットを締め付けて作業を終わってしまうのを防止するガスメータの取付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10(A)(B)にガスメータの取付方法(設置)の一例を示す。この取付方法は、膜式ガスメータの殆どすべてにおいて実施されている取付方法であって、地中から垂直に立ち上げた入側ガス管1と出側ガス管2(但し、この図10(A)(B)において、出側ガス管2は地中からは立ち上げていないが、地中から立ち上げている場合もある)の管路の上端を後部エルボ3b、3cを用いて正面側に向けたのち、これを正面エルボ3d、3eを用いて夫々下向きに形成し、入側においてはピッチ調整用の曲管4の下端に入側ユニオンナット5を取り付け、出側においてはピッチ調整用の曲管6の下端に出側ユニオンナット7を取り付け、この入側と出側ユニオンナット5、7を夫々ガスメータ8の上面に形成した入側口金9と出側口金10に接続することによりガスメータ8を配管に吊設している。なお、入側の後部エルボ3bは、前部エルボ3d及び後部エルボ3cの陰に隠れて、図10(A)(B)においては図面上に現れて来ていない。
また、別な取付方法としては、図11(A)(B)に示すように、ガスメータ8の両側に入側ガス管1と出側ガス管2を設置し、この間にガスメータ8を位置させて図10と同じようにガスメータ8を吊設する方法もある。
【0003】
図10(A)(B)及び図11(A)(B)において、11は建物の外壁に入側と出側のガス管1、2を固定している配管固定金具、12は元栓、13は出側ヘッダー、14は室内のガス栓及びガス器具等に延長されているフレキ管(内管)である。
【0004】
このようなガスメータ8の取付方法の場合、入側と出側のガス管1、2の配管に際しては入側及び出側のユニオンナット5、7の部分まで含めてあらかじめ配管作業員が現場施工し、後でガス会社の作業員がガスメータ8を取り付けるという段取りになっていることから、ガスメータ8の入側と出側口金9、10のピッチと配管側のピッチとが合わないことが多い。
【0005】
そこで、このピッチ合わせのために図10に示すように曲管4、6が用いられていて、この曲管4、6の偏心作用を利用してピッチ合わせをガスメータ8の取付時に行っている場合と、図11に示すように、曲管4、6を用いないで、直管を用い、ピッチの調整は配管の弾性を用いて行っている場合とがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のようにガスメータ8の入側と出側にはユニオンナット5、7が用いられていることと、このユニオンナット5、7内における曲管4と入側口金9及び曲管6と出側口金10の下端との間はパッキンを介在させた嵌合構造で、夫々ユニオンナット5、7で締め付けて接続する方式となっているため、次のような問題がある。
【0007】
1.ガスメータ8の取り付けは、一人の作業員がガスメータ8を片手にかかえながら行うことが多いため、曲管4と6の下端をガスメータ8の入側と出側口金9、10に合わせたときに、図12に示すようにこの合わせ部分が入側と出側ユニオンナット5、7の陰に隠れてしまい、嵌合状態が外からは見えない。
【0008】
このため、パッキンのつけ忘れや嵌合がずれていたりしていても、これが判らず、ガスメータ8の取付後、気密テストで判る場合がある。そうすると再び取付作業をやり直す必要があり、手間がかかる。
【0009】
本発明の目的は、入側と出側の配管の下端とガスメータの入側と出側口金間のパッキンの嵌合状態を目視により確認しながらガスメータの取付作業を行うことができるガスメータの取付方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、垂直に立ち上げた入側ガス管と出側ガス管の上端を下向きに形成し、この下向きに形成した入側及び出側ガス管とガスメータの上面に形成した入側口金及び出側口金とを入側及び出側ユニオンナットを用いて夫々接続することにより、ガスメータを入側と出側ガス管に吊設するガスメータの取り付け方法において、前記入側と出側ユニオンナットを下端に取付けた配管の外周の一部に突起を形成し、この突起に前記入側と出側ユニオンナットを持ち上げて斜めにしながらその貫通穴の縁を上から引っ掛けることにより、入側と出側ユニオンナットを配管に保持させ、この状態で入側と出側の配管の下端とガスメータの入側と出側口金間に装着されたパッキンの嵌合状態を目視により確認し、その上で、入側ユニオンナットを突起から外して入側口金の外径部に形成されたねじに螺合し、次に出側ユニオンナットを突起から外して出側口金の外径部に形成されたねじに螺合する、ことを特徴とするものである。
【0011】
更に、請求項2に記載の発明においては、垂直に立ち上げた入側ガス管と出側ガス管の上端を下向きに形成し、この下向きに形成した入側及び出側ガス管とガスメータの上面に形成した入側口金及び出側口金とを入側及び出側ユニオンナットを用いて夫々接続することにより、ガスメータを入側と出側ガス管に吊設するガスメータの取り付け方法において、前記入側と出側ユニオンナットを配管に沿って上方にスライドさせてこのスライドさせた入側と出側ユニオンナットを永久磁石を用いて配管に固定し、この状態で入側と出側の配管の下端とガスメータの入側と出側口金間に装着されたパッキンの嵌合状態を目視により確認し、その上で、入側の永久磁石を外して入側ユニオンナットを下方にスライドさせて入側口金の外径部に形成されたねじに螺合し、次に出側の永久磁石を外して出側ユニオンナットを下方にスライドさせて出側口金の外径部に形成されたねじに螺合する、ことを特徴とするものである。
【0012】
【作用】
入側と出側ユニオンナットは、ガスメータを取り付ける時に、突起又は永久磁石を用いて上方に逃しておく。このようにすると、入側と出側配管の下端と入側と出側口金との嵌合部分が良く見える。この結果、パッキンの嵌合が完全な場合にのみ入側と出側ユニオンナットの締め付けを行うことができるので、従来のようにガス洩れやパッキンのつけ忘れ、嵌合不良による取付作業のやり直しと云ったことがなくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、入側及び出側においてユニオンナットを用いてガスメータを取り付ける全ての作業に適用が可能である。立ち上げたガス管の上端を正面から下向き、あるいは内向きから下向きに形成する配管部材は、エルボのみならず、ベンド管、ガス栓、気密試験部材、あるいは逆U字管、直管、曲管等を含む継手が利用されている場合があり、これらの配管部材にユニオンナットを取り付けた場合も本発明は包含している。
【0014】
ガスメータは、膜式以外にフルイディックガスメータを含む。本発明の実施は、新設又は既設のガスメータの交換の双方に適用が可能で新設の場合は請求項1の発明が適用され、既設のメータ交換については請求項2の発明が適用される。
【0015】
【実施例1】
本実施例は、請求項1及び3及び4に記載の発明に対応するもので、図1〜図3にその具体的な構成を示す。図1は、本発明を実施してガスメータをガス配管に取り付けた状態の正面図、図2は側面図、図3は、入側と出側ユニオンナットを上方にスライドさせてガスメータの入側と出側口金に入側と出側配管の下端を目視で確認しながら嵌合した状態の正面図である。
【0016】
図中符号の1は入側ガス管、2は出側ガス管、3は入側ガス管1の管路上端を後部エルボ3b(但し、図2において、この後部エルボ3bは出側の後部エルボ3cの陰に隠れて表れていない)を用いて一旦正面側に向けたのち、更に鉛直方向に向けている入側ユニオン付き継手、3aは出側ガス管2の管路の上端を後部エルボ3cを用いて一旦正面側に向けたのち、更に鉛直方向に向けている出側ユニオン付き継手、15は入側ユニオン付き継手3に形成された入側直管部であって、この入側直管部15の下端16には、嵌合部17が形成され、更にパッキン18、Cリング18aが装着されている。19は出側ユニオン付き継手3aに形成された出側直管部であって、この出側直管部19の下端20には、嵌合部21が形成され、更にパッキン22、Cリング22aが装着されている。
【0017】
5は前記入側直管部15に取り付けられた入側ユニオンナット、7は出側直管部19に取り付けられた出側ユニオンナット、8はガスメータ、9はこのガスメータ8の入側口金、10は出側口金である。
【0018】
11は入側ガス管1と出側ガス管2を壁に固定している配管固定金具、12は入側ガス管1に取り付けられた元栓、13は出側ガス管2に取り付けられたヘッダーであって、このヘッダー13から各ガス器具へフレキ管14を経由してガスが供給される。
【0019】
図3において、23は入側ユニオン付き継手3の入側直管部15において、その外周面に形成された突起、24は出側ユニオン付き継手3aの出側直管部19において、その外周面に形成された突起であって、この突起23、24は図3に示すように入側ユニオンナット5と出側ユニオンナット7を入側直管部15と出側直管部19に沿って上方にスライドさせたときに、貫通穴5a、7aの縁を上方から引っ掛けることにより、入側ユニオンナット5と出側ユニオンナット7を保持し、入側直管部15と出側直管部19の下端16、20の嵌合部17、21を露出させておくことができるもので、この図3の状態でガスメータ8の入側口金9と入側直管部15の嵌合部17と出側口金10と出側直管部19の嵌合部21を目視しながら嵌合し、パッキン18、22のつけ忘れや外れていないことを確認したのち、夫々のユニオンナット5、7のねじ5b、7bを夫々の口金9、10のねじ9a、10aに螺合し、締め込んでガスメータ8の取り付けを終了する。なお、入側と出側ユニオンナット5、7は、どちらから先に締め込みを行っても良い。
【0020】
このようにすることで、夫々の嵌合部17、21と夫々の口金9、10との嵌合において、パッキン18、22のつけ忘れや嵌合不良の状態で夫々のユニオンナット5、7を締め込んでしまうと云うことがなくなる。
【0021】
【実施例2】
本実施例は、請求項2に記載の発明に対応するもので、実施例1の場合は、入側と出側直管部15、19に突起23、24を夫々設けて入側と出側ユニオンナット5、7を保持させていたが、本実施例においては、図4に示すように入側と出側ユニオンナット5、7を上方にスライドさせたのち、永久磁石25の吸磁作用を利用して入側と出側直管部15、19に保持させてパッキン18、22の嵌合状態を目視できるようにしたものである。
【0022】
上記した実施例1の場合は、突起23、24付の直管部15、19を配管に用いることで実施化が可能であるが、本実施例2は、突起のない、既設配管においてガスメータ8を交換するような場合に特に便利である。
【0023】
【実施例3】
図5〜9は入側と出側の配管部材において、突起23(24)の形成例を示すもので、図5(A)(B)は入側及び出側ユニオン付き継手3、3aに突起23、24を形成した例、図6(A)(B)は入側と出側エルボ3d(3e)にねじ27を用いて接続された入側と出側ユニオンナット5(7)付の曲管26に突起23(24)を形成した例、図7(A)(B)は曲管26をパッキン28、ナット29を介して入側と出側エルボ3d(3e)内にスライド自在に挿入した例において、曲管26に突起23(24)を形成した例、図8(A)(B)はねじ31付の短管30に突起23(24)を形成した例、図9(A)(B)は試験口33付の出側配管部材32に突起23(24)を形成した例である。
【0024】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によると、ガスメータの取付作業時に、入側と出側ユニオンナットを上方にスライドさせて配管の一部に形成した突起に引っ掛けるようにして保持させ、配管と口金間のパッキンの嵌合状態を目視により確認することができるため、ガスメータの取付作業が簡単になると共にパッキンの嵌合不良によるガス洩れや再取付作業等の手間がなくなり、作業上の効果絶大なるものがある。
【0025】
また、請求項2に記載の本発明によると、永久磁石を用いた場合、突起のない、既設のガスメータの交換時にも同じように入側と出側ユニオンナットを配管の一部に保持させておくことができて便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の本発明を実施して取り付けられたガスメータと配管例の正面図。
【図2】 請求項1の本発明を実施して取り付けられたガスメータと配管例の側面図。
【図3】 入側と出側ユニオンナットを上方にスライドさせて突起に保持させ、パッキンの嵌合部分を目視で確認できるようにした状態の説明図。
【図4】 請求項2の永久磁石を用いて入側と出側ユニオンナットを配管に保持させている状態の説明図。
【図5】 ユニオン付き継手に突起を設けた実施例の説明図。
【図6】 突起を設ける他の実施例の説明図。
【図7】 突起を設ける他の実施例の説明図。
【図8】 突起を設ける他の実施例の説明図。
【図9】 突起を設ける他の実施例の説明図。
【図10】 ガスメータの後方に入側と出側ガス管を位置させてガスメータを取り付けた従来例の説明図。
【図11】 ガスメータの両側に入側と出側のガス管を位置させてガスメータを取り付けた従来例の説明図。
【図12】 ガスメータの取り付けにおいて、口金の嵌合状況がユニオンナットに隠れて目視できない状態の説明図。
【符号の説明】
1 入側ガス管
2 出側ガス管
3 入側ユニオン付き継手
3a 出側ユニオン付き継手
4・6 曲管
5 入側ユニオンナット
7 出側ユニオンナット
8 ガスメータ
9 入側口金
10 出側口金
15 入側直管部
18・22 パッキン
19 出側直管部
23・24 突起
25 永久磁石
Claims (2)
- 垂直に立ち上げた入側ガス管と出側ガス管の上端を下向きに形成し、この下向きに形成した入側及び出側ガス管とガスメータの上面に形成した入側口金及び出側口金とを入側及び出側ユニオンナットを用いて夫々接続することにより、ガスメータを入側と出側ガス管に吊設するガスメータの取り付け方法において、前記入側と出側ユニオンナットを下端に取付けた配管の外周の一部に突起を形成し、この突起に前記入側と出側ユニオンナットを持ち上げて斜めにしながらその貫通穴の縁を上から引っ掛けることにより、入側と出側ユニオンナットを配管に保持させ、この状態で入側と出側の配管の下端とガスメータの入側と出側口金間に装着されたパッキンの嵌合状態を目視により確認し、その上で、入側ユニオンナットを突起から外して入側口金の外径部に形成されたねじに螺合し、次に出側ユニオンナットを突起から外して出側口金の外径部に形成されたねじに螺合するガスメータの取付方法。
- 垂直に立ち上げた入側ガス管と出側ガス管の上端を下向きに形成し、この下向きに形成した入側及び出側ガス管とガスメータの上面に形成した入側口金及び出側口金とを入側及び出側ユニオンナットを用いて夫々接続することにより、ガスメータを入側と出側ガス管に吊設するガスメータの取り付け方法において、前記入側と出側ユニオンナットを配管に沿って上方にスライドさせてこのスライドさせた入側と出側ユニオンナットを永久磁石を用いて配管に固定し、この状態で入側と出側の配管の下端とガスメータの入側と出側口金間に装着されたパッキンの嵌合状態を目視により確認し、その上で、入側の永久磁石を外して入側ユニオンナットを下方にスライドさせて入側口金の外径部に形成されたねじに螺合し、次に出側の永久磁石を外して出側ユニオンナットを下方にスライドさせて出側口金の外径部に形成されたねじに螺合するガスメータの取付方法。
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