JPH068516Y2 - ガスのパージ／漏れテスト用接続治具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は新築家屋等に配管されたガス管のパージおよ
び／または漏れテストを行なう際の接続治具に関し、特
に詳しく言うと、ガスメータの入口口金と出口口金間の
間隔が異なっていても容易にこれら口金に接続できるパ
ージおよび／または漏れテスト用接続治具に関する。

〔従来の技術〕

新築の一般家屋や集合住宅にガス管を配管した場合、配
管作業の終了後にはガス管内の空気を抜く必要がある。
また配管されたガス管やそれらの接続部からのガス漏れ
の有無を全体的に検査する必要がある。空気抜きには、
ガス管にガスを供給して管内部の空気を押し出す方法が
取られている。また、ガス漏れチェックには高圧の空気
をガス管に送り、マノメータ等で管内の圧力変動を測定
したり、または石鹸水を塗布することにより漏れ個所の
有無をチェックしている。

一方、ガスメータについて見ると、近来マイクロコンピ
ュータを組み込んだマイコンガスメータと称するガスメ
ータが普及し始めている。このマイコンガスメータはマ
イクロコンピュータによってガスの消費量を表示すると
ともに、ガスの合計流量、増加流量あるいは継続使用時
間等が予め設定された値よりオーバーすると、過剰供給
と判別して自動的に供給を停止するようになっている。
これにより使用中のガスの立ち消えや、火災あるいは地
震によるガス管の破損や接続不良によるガス漏れ等によ
る多量のガス流失をマイコンガスメータが一早く検知し
てガスの供給を停止できるので、極めて安全である。

しかしながら、このようなマイコンガスメータが設置さ
れている場合には、上述したような空気抜きはこのマイ
コンガスメータを設置したままで行なうには長時間を要
し、かつ作業能率が低下して実際上は不可能に近い。す
なわち空気抜きは各部屋のコックを開いて行なうのでか
なり大量のガスがマイコンガスメータに流れることにな
り、マイクロコンピユータが一律的に過剰ガスの供給と
判断してガスを遮断してしまうためである。

そこで従来は、マイコンガスメータを取り外した後、マ
イコンガスメータの入口口金に接続されるガス管と、マ
イコンガスメータの出口口金に接続されるガス管とをパ
ージ用の接続治具であるＵ字管等で接続した後、上述し
たようなテストを行なっていた。この従来の方法を第３
図に示すプロパンガスの場合を例に取って説明する。プ
ロパンガスボンベ１に一端が接続されたガス管２の他端
は元栓コック３を介して図示しないマイコンガスメータ
の入口口金に接続される継手管４が接続されている。マ
イコンガスメータの出口口金に接続される継手管５には
ガス管６が接続され、このガス管６の他端は複数に分岐
されて各部屋に設置された部屋コック７に接続される。
これらガス管２，６のパージを行なう場合には、マイコ
ンガスメータを取り外し、ガス管２の継手管４とガス管
６の継手管５に鋼管等これらガス管と同材料で作られた
パージ用の接続治具であるＵ字管８を接続することによ
り行なわれている。このＵ字管８はその両端がマイコン
ガスメータの入口口金と出口口金の中心距離に一致する
ように曲げられている。そして、これらガス管２，６内
の空気を取り除く場合は、元栓コック３を開きガスボン
ベ１からガスをガス管２からＵ字管８を通ってガス管６
に供給して、各部屋コック７を順次開いてガス管２，６
内の空気を抜いていく。配管内やそれらの接続部からの
ガス漏れの有無をテェックする場合は、ガスボンベ１を
取外し代わりに図示しないエアーポンプやマノメータを
接続し高圧の空気をガス管２，６に供給し、圧力変化を
測定したり、または配管の接続部に石鹸水等を塗布する
ことにより行なう。このようなテストは通常のガスメー
タを設置した場合でも、上述したようなＵ字管を使用し
て行なうことがガスメータの保護の見地から好ましい。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、ガスメータはメーカ毎に入口口金と出口
口金との中心距離および取付け個所が異なり、更には同
一メーカの製品でも型式によって異なっている。そのた
め、それに合うようにパージ用の接続治具であるＵ字管
もその両端の中心距離が異なるものを種々用意しなけれ
ばならなかった。

そこでこの考案の目的は、入口口金と出口口金との中心
距離が異なるような各種のガスメータに接続可能なパー
ジおよび／または漏れテスト用の接続治具を提供するこ
とである。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は、ガス配管からガスメータを外し、外された
ガスメータに接続されていたガス配管の開放端間に圧力
測定装置を接続してガス配管内のパージおよび／または
漏れテストを行なう際のガス配管と圧力測定装置を接続
する接続治具において、Ｔ字状の分岐管と、各一端部が
分岐管の２つの接続部に接続された２本の任意に曲げ可
能な可撓性ホースと、これら可撓性ホースの各他端にそ
の各一端が接続され、各他端にはガス配管の継手管にね
じ止めされる雄ねじを有する２つの継手金具とを有し、
分岐管の残り１つの接続部を圧力測定装置に接続するよ
うにしたことを特徴とするものである。

〔実施例〕

以下、この考案を第１図および第２図に示す一実施例に
ついて第３図と関連させながら説明する。図示する実施
例においては、ガス漏れ検査のための圧力計を測定する
場合の接続治具を示している。接続治具11は２本の可撓
性ホース12，13と、これら可撓性ホース12，13の各一端
に接続されるＴ字状の分岐管14とを有している。各可撓
性ホース12，13は、例えばゴム管、プラスチック管、ス
テンレススチール製のフレキシブル管あるいはゴムまた
は合成樹脂の管と編組ワイヤの外周にゴムまたは合成樹
脂を被覆した外管との２層で構成されたものがある。可
撓製ホース12，13の各他端には、一端にこれら可撓性ホ
ース12，13に挿入される段部15が、そして他端ガス管
２，６の継手管４，５にねじ止めされる雄ねじ16が形成
され、それらの境界部にはフランジ17が形成された継手
金具18がそれぞれ接続されている。雄ねじ16の直径は普
及している各種ガスメータの口金のうち一番小さい直径
の口金と同じ大きさに設定されている。またはその逆の
場合でもよい。例えばプロパンガス用のガスメータの口
金は24.8mmであるのに対し、都市ガス用のガスメータの
口金は26.0mmである。そこで雄ねじ16の直径はプロパン
ガス用のガスメータの口金に螺合するように設定してお
く。そして都市ガス用のガス管のパージテストを行なう
場合は、この雄ねじ16に螺合するねじ19を一端に有し、
他端には都市ガス用のガスメータの口金の雄ねじの直径
に相当する雄ねじ21が形成されたアダプタ金具22が予め
用意されている。

分岐管14の残り１つの接続部にはガス管２，６と同様な
構成のガス管23の一端が接続されている。このガス管23
の他端には近来広く普及しているガスソケット装置のプ
ラグ24が接続されている。ガスソケット装置のソケット
25は、空気ポンプとマノメータ等の圧力計とが組み込ま
れた圧力測定装置26の空気パイプ27に接続されている。
このガスソケット装置は、そのプラグ24をソケット25に
挿入すると、自動的に両者の接続状態がロックされ、プ
ラグ24の外周面に摺動自在に嵌合されたリング（図示し
ない）を操作することによりロックが解かれ、両者が分
離する型式のものである。なお、プラグ24は、コック付
のホース差し込み可能な口金で構成し、ソケット25は単
なるホース端で構成してもよい。更に、可撓性ホース12
からフランジ17間および可撓性ホース13から継手金具18
間は迅速継手を使用してもよい。

今、全てのガス配管が終了し、ガス漏れの有無を検査す
る場合には、まず、ガスメータをその口金部から取外
し、接続治具11の可撓性ホース12，13の各継手金具18を
ガス管２，６の継手管４，５にそれぞれ螺合させること
によりガス管２と６を接続治具11の可撓性ホース12，13
で繋げる。一方、ガスソケット装置のプラグ24は圧力測
定装置26の空気パイプ27に接続されたソケット25に接続
し、圧力測定装置26の空気ポンプを駆動して所定圧の空
気をガス管２と６に送りこみ、その圧力変動を圧力計に
よって測定する。圧力変動がある場合は、ガス管２と６
内にガス漏れ個所が有ることになる。

ガス漏れ検査が終了し異常がないことが判明した時は、
プラグ24とソケット25とを分離し、元栓コック３を開い
てガスを送り、部屋コック７を順次開いていけばガス管
２，６内の空気を抜き出すことができる。

また、図示していないが両端に継手金具18が接続された
１本の可撓性ホース12と同様な材料で構成された可撓性
ホースで構成された接続治具を予め用意し、この接続治
具の各継手金具18をガス管２，６の継手管４，５にそれ
ぞれ螺合させて、ガス管２，６を直結してもよい。

このように接続治具は任意の曲げ可能な可撓性ホースで
構成されているので、ガス管２，６の各継手管４，５の
中心距離が異なっていても曲げ率を換えることにより対
応できる。たアダプタ金具22を継手金具18の雄ねじに螺
合することにより、ガスメータの金具の直径が異なって
いても接続することができる。

なお、上述の分岐管14の圧力測定装置26の空気パイプ27
に接続される枝管に密に閉鎖することができるコックを
取付けておくことにより、このコックの切換えで、ガス
漏れ検査と空気抜きを接続治具を取替えることなく行な
うことができる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案のガスのパージおよび／または
漏れテスト用接続治具は、Ｔ字状の分岐管と、各一端部
が分岐管の２つの接続部に接続された２本の任意に曲げ
可能な可撓性ホースと、これら可撓性ホースの各他端に
その各一端が接続され、各他端にはガス配管の継手管に
ねじ止めされる雄ねじを有する２つの継手金具とで構成
されているので、ガス配管の入口口金と出口口金との中
心距離および取付け個所が異なるような各種のガスメー
タにも可撓性ホースの曲げ率を変えることにより容易に
接続することができる。したがって、１つの接続治具で
各種のガス管配管のパージおよび／または漏れテストを
行なうことができる。

また、可撓性ホースの各他端には雄ねじを有する継手金
具がそれぞれ接続されているので、これら継手金具の雄
ねじをガス配管の継手管にねじ止めするだけの簡単な操
作でガス配管に確実に接続することができ、雄ねじには
アダプタ金具を螺合することもできので、ガスメータの
口金の直径が異なっていても接続することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の治具の一実施例をガス漏れ検査用に
適用した場合を説明するための説明図、第２図は継手金
具部を示す一部切断斜視図、第３図は従来のパージ方法
を説明するための説明図である。 図面において、２，６，23はガス管、３は元栓コック、
４，５は継手管、７は部屋コック、11は接続治具、12，
13は可撓性ホース、14は分岐管、16は雄ねじ、18は継手
金具、22はアダプタ金具、24はプラグ、25はソケット、
26は圧力測定装置、27は空気パイプである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ガス配管からガスメータを外し、外された
   前記ガスメータに接続されていた前記ガス配管の開放端
   間に圧力測定装置を接続して前記ガス配管内のパージお
   よび／または漏れテストを行なう際の前記ガス配管と前
   記圧力測定装置を接続する接続治具において、Ｔ字状の
   分岐管と、各一端部が前記分岐管の２つの接続部に接続
   された２本の任意に曲げ可能な可撓性ホースと、これら
   可撓性ホースの各他端にその各一端が接続され、各他端
   には前記ガス配管の継手管にねじ止めされる雄ねじを有
   する２つの継手金具とを有し、前記分岐管の残り１つの
   接続部を前記圧力測定装置に接続するようにしたことを
   特徴とするガスのパージおよび／または漏れテスト用接
   続治具。