JP4493256B2 - 耐熱性微粘着フィルム・シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばFPCの製造工程中におけるFPC用基材(以下、CCLという。)などの断線、支持体(フィルムないしシート)の折れ等を防止するために、このCCLなどのフィルムないしシートにラミネートされて当該フィルムないしシートを補強する補強材として好適に用いられる耐熱性微粘着フィルム・シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
FPCは、CCLの整面、レジストフィルムのラミネート、エッチング、洗浄、カバーレイのラミネート、キュア等の多くの製造工程を経て製造されるが、近年のCCLの薄膜化に伴い各工程でCCLの折れ等から回路パターンの断線による不良や、歩留り低下が問題となっており、その改善方法としてCCLのフィルムないしシートにラミネートする補強用の耐熱性微粘着フィルム・シートが使用されている。
【0003】
従来、この耐熱性微粘着フィルム・シートとしては、例えば特開平11−112125号に開示されている塩化ビニル系樹脂を基材に積層したものが多用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような耐熱性微粘着フィルム・シートは、FPCの製造後に剥離し、廃棄することを前提として使用されるものであるが、近年、環境への配慮から脱塩ビの傾向が強くなってきたことに伴い、廃棄コストが多大になってきている。
【0005】
このため、現在一部においては、塩化ビニル系樹脂を用いないで、その他の樹脂を主成分にした耐熱性微粘着フィルム・シートが使用されているが、そのほとんどが耐熱性に劣り、FPC製造工程における熱的負荷に対する耐性が充分でなく、特に最後のカバーレイの硬化工程においては、150〜170℃の温度で1〜3時間もの高温長時間の熱的負荷がかかることから、FPCの製造工程で最終のキュア工程まで連続して使用できず、中間工程のエッチング工程前までの使用にしか耐えないといった問題が生じている。
【0006】
本発明者は、前記技術的課題を解決するため、特に耐熱性と環境への配慮を念頭において鋭意検討を重ねた結果、この種、CCLのフィルムないしシートにラミネートされる補強材として用いられる耐熱性微粘着フィルム・シート用の粘着剤組成物として、アクリル系粘着剤を主成分とし、これにイソシアネート系硬化剤と金属キレート剤を配合した耐熱性微粘着剤組成物を開発するに至ったものである。
【0007】
即ち、本発明者は、アクリル系粘着性ポリマーを主成分とし、これにイソシアネート樹脂及び金属キレート剤からなる硬化剤を配合してなる耐熱性微粘着剤組成物が、FPC基材やCCLの銅箔面に対して適度な接着性を有し、各工程でCCLに対して剥がれることなく十分に追従し得るとの知見を得たのである。
【0008】
又、このような構成の耐熱性微粘着剤組成物をフィルム状ないしシート状の基材に積層した耐熱性微粘着フィルム・シートは、耐熱性が高く、且つ補強用として十分な粘着力を保持し、しかも、高温でのキュア工程後でもFPCに悪影響を及ぼすことなく容易に再剥離できるとの知見を得たのである。
【0009】
本発明は、前記知見に基づき完成されたものであり、主としてCCLのフィルムないしシートにラミネートされて補強材として用いられるものであり、特に、環境に悪影響を与えることがなく、使用後の廃棄が容易である上、耐熱性が高く、又、補強材として優れた粘着力を有し、しかも製造工程後には容易に剥離することができる耐熱性微粘着フィルム・シートを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る耐熱性微粘着フィルム・シートは、前記目的を達成するために、FPC用基材のフィルムないしシートに、ラミネートされて当該フィルムないしシートを補強する耐熱性微粘着フィルム・シートであって、キシレン抽出法(24時間)により判定した場合、フィルム基材として0.8重量%未満の低オリゴマータイプで、かつ、熱収縮率が150℃で30分の条件化でMD方向0.5%以下、TD方向0.2%以下となされた、厚さ20〜75μmであるフィルム状ないしシート状の基材に、水酸基価が2.0〜15.0の範囲にあるアクリル系ポリマー100重量部に対して、12〜25重量部のイソシアネート樹脂と、0.05〜3重量部の金属キレート剤とを配合した粘着剤組成物が4〜20μmの厚みで積層され、この積層された粘着層は、常圧下、170℃で2時間の加熱処理後の粘着力が0.5N/20mm以下となされたことを特徴とする。
【0012】
以下、本発明に係る耐熱性微粘着剤組成物及び耐熱性微粘着フィルム・シートについて、以下、詳細に説明する。
【0013】
本発明の耐熱性微粘着剤組成物において、主ポリマーとして用いられるアクリル系ポリマーとしては、特に制限されるものでなく、公知のアクリル系ポリマーを適宜選択して用いることができるが、特に、以下の特定範囲の水酸基価を有するものを用いることが好ましい。
【0014】
即ち、アクリル系ポリマーの水酸基価が2.0未満の場合にあっては、カバーレイの硬化工程等の高温条件下において、凝集力が低下しズレ、糊のはみ出し等が生ずる虞れがあるので好ましくない。
【0015】
この場合、硬化剤を多量に配合する手段が提案されるが、硬化剤を多量に配合すると、FPCの補強の為に要する最低の粘着力を得ることが困難となり、CCLへのラミネート後の整面工程やドライフィルムのラミネート工程において浮きが生じ易くなったり、エッチング工程において、粘着層の界面にエッチング液の浸透を招く虞れがあるため好ましくない。
【0016】
一方、このアクリル系ポリマーの水酸基価が15.0を超えると、粘着力が高くなり過ぎて、製造工程後の剥離が困難となる虞れがある。
【0017】
この場合においても、硬化剤を大量に配合し、粘着力を低下させる手段が提案されるが、製造時のポットライフが短くなり、製品後の経日変化も激しく変化するため好ましくない。
【0018】
従って、本発明の耐熱性微粘着剤組成物において用いられるアクリル系ポリマーとしては、その水酸基価が2.0〜15.0のものを用いることが好ましく、更に3.0〜13.0のものを用いることが特に好ましいのである。
【0019】
ところで、アクリル系ポリマーの硬化剤としては、イソシアネート樹脂をはじめとして、エポキシ樹脂、過酸化物、金属キレート剤、アミン等が一般的であるが、通常、それぞれの硬化剤を単体で使用するものであり、単体で使用することで十分な粘着特性を得ることのできるのである。
【0020】
しかしながら、FPCの補強用としての耐熱性微粘着フィルム・シートにおいては、FPC製造後の剥離除去を前提としているため、FPC製造工程において必要な粘着があれば充分であり、むしろ必要以上の高い粘着力は剥離除去が困難になるため好ましくない。
【0021】
この場合、粘着剤組成物の粘着力を低下させる為に、硬化剤を大量に配合する手段も提案されるが、このように硬化剤を多量に配合すると、粘着剤組成物の製造時に十分な時間と温度を要したり、経日変化が大きくなったり、ポットライフが短くなったり、硬化剤の反応後の不純物が析出したりする等の問題が生ずるので好ましくない。
【0022】
そのため本発明では、硬化剤としてイソシアネート樹脂と金属錯体を併用するという構成を採用し、これにより、FPC製造工程における必要な粘着力と製造後の剥離の容易性を両立させ、耐熱性微粘着フィルム・シートの製造後の経日変化が少なく安定した特性を発現させているのである。
【0023】
ここで、本発明に係る耐熱性微粘着剤組成物において、硬化剤として使用されるイソシアネート樹脂は、アクリル系ポリマーの粘着力、凝集力を適度に調整し、耐熱性を向上させために配合されるものであり、その種類としては特に制限されるものではないが、一般的には例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の代表的なイソシアネート樹脂やその他多官能ポリイソシアネート等から選択された少なくとも1種以上を好適に用いることができる。
【0024】
そして、本発明の耐熱性微粘着剤組成物において、前記イソシアネート樹脂の配合量としては、選択されたイソシアネート樹脂に応じて適宜決定されるものであり、特に限定されるものではないが、一般的には前記アクリル系ポリマー100重量部に対して、前記イソシアネート樹脂4〜25重量部の範囲程度とすることが好ましい。
【0025】
この理由としては、アクリル系ポリマー100重量部に対して、イソシアネート樹脂の配合量が4重量部未満では、硬化状態が不充分で、FPCのキュア工程を経て剥離の際に粘着剤の糊残りが発生する虞れがあり、しかも粘着力が高くなり、剥離し難く、FPCが損傷し易くなるので好ましくない。
【0026】
一方、アクリル系ポリマー100重量部に対して、イソシアネート樹脂の配合量が25重量部を超えると、硬化後の粘着力が低くなり過ぎて、CCLへのラミネート後の整面工程やドライフィルムのラミネート工程において、浮きが生じ易くなり、又、エッチング工程において、粘着層の界面にエッチング液の浸透を招くおそれがあるので好ましくない。
【0027】
本発明に係る耐熱性微粘着剤組成物において、前記イソシアネート樹脂と併用する金属キレート剤としては、鉄、銅、ナトリウム、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、コバルト等の金属を含むアミノカルボン酸塩から選ばれた少なくとも1種以上を好適に用いることができる。
【0028】
ここで、アクリル系ポリマーに対する金属キレート剤の配合量としては、選択された金属の種類、アミノカルボン酸の種類に応じて適宜決定されるものであり、その配合量としては限定されるものではないが、一般的には、アクリル系ポリマー100重量部に対して、金属キレート剤0.05〜3重量部の範囲程度が好ましい。
【0029】
アクリル系ポリマー100重量部に対して、金属キレート剤の配合量が0.05重量部未満では、少なすぎてイソシアネート樹脂と併用して用いた意味がなくるため好ましくない。
【0030】
一方、アクリル系ポリマー100重量部に対して、金属キレート剤の配合量が3重量部を超えると、経日変化が大きくなり、又、硬化後の粘着力が低くなり過ぎて、CCLへのラミネート後の整面工程やドライフィルムのラミネート工程において浮きが生じ易くなったり、エッチング工程において粘着層の界面にエッチング液の浸透を招くおそれがあり、逆にFPCのキュア工程でかかる高温下においては粘着性が非常に大きくなる結果、使用できなくなるので好ましくない。
【0031】
以上のことより、本発明に係る耐熱性微粘着剤組成物においては、水酸基価が2.0〜15のアクリル系ポリマー100重量部に対し、硬化剤としてのイソシアネート樹脂4〜25重量部及び金属キレート剤0.05〜3重量部を配合して得られたものが最も好ましいのである。
【0032】
又、本発明においては、必要に応じて、前記アクリル系ポリマーとして2種類以上のアクリル系ポリマーを使用しても良く、又、相溶性の良い他のエラストマー、更に、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤等を適宜、適量添加し、粘着性を調整しても良いのである。
【0033】
そして、本発明に係る耐熱性微粘着剤組成物においては、前記所定の成分を適当量配合し、ディスパー等、公知の混合機で攪拌混合して得られる。
【0034】
本発明の耐熱性微粘着剤組成物においては、このような構成を有するため、耐熱性が高く、且つ補強用として十分な粘着力を有し、しかもFPC製造工程後には容易に剥離することができるのであるが、加熱処理後の粘着力を数値的に制御することが好ましく、具体的には、常圧下、温度170℃で、2時間の加熱処理後の粘着力を、0.5N/20mm以下に設定することが好ましい。
【0035】
次に、本発明の耐熱性微粘着フィルム・シートについて、詳細に説明する。
【0036】
本発明に係る耐熱性微粘着フィルム・シートにおいては、前記目的を達成するために、本発明に係る耐熱性微粘着剤組成物が、フィルム状ないしシート状の基材に積層されていることを特徴とするものである。
【0037】
ところで、本発明に係る耐熱性微粘着フィルム・シートは、主としてCCLの薄膜化による当該CCLのフィルム状ないしシート状の基材を補強することを目的とするものであることから、この基材としては、適度なフィルムの硬さ、つまり所定の強度が要求されるが、FPCの製造ライン中での平面性においても重要な要求特性で、その厚さは、20μm以上75μm以下のものが使用に適しており、特に35μmから60μmのものが望ましい。
【0038】
前記基材の厚さが20μm未満では、補強を行っても所要の強度が得難く、CCLの折れや断線を防止することが困難になるので好ましくないのであり、一方、75μmを超えるとコストが高くなるだけでなく、厚さが厚い為に、一般的なCCLとのラミネート方法である、ロールラミネーターの場合、特に曲率の差から、ラミネート後の浮きが発生し易く、また、製造工程中のパスロールを介在させるときにも同様の問題が発生し易いので好ましくない。
【0039】
又、本発明の耐熱性微粘着フィルム・シートの基材としては、一般的に、ポリエステルフィルム・シート、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム・シート、ポリフェニレンサルファイドフィルム・シート又はポリイミドフィルム・シート等が使用できるが、特に、熱収縮率が温度150℃で30分の条件下において、MD方向で0.5%以下、好ましくは、0.25%以下であり、TD方向は、0.3%以下、好ましくは0.2%以下であることが望ましい。
【0040】
更に、補強用としてラミネートされた耐熱性微粘着フィルム・シートは、FPCの最終工程で通常1〜3時間もの長時間150〜170℃の高温下に暴露されるので、通常のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のポリエステルフィルムでは、当該ポリエステルのオリゴマーの析出が激しく発生し、この表面に析出したオリゴマーが製造ライン中で接触部分に付着したり、転着したりしてFPCの致命的な異物となる。
【0041】
この問題を解決するために、本発明においては低オリゴマータイプのPETフィルムやPENフィルム等を使用することが好ましく、一般的に要求される性質として、オリゴマーの程度が、一般にキシレン抽出法(24時間)により判定した場合、フィルム基材として0.8重量%未満、好ましくは0.5重量%以下のものが望ましい。
【0042】
本発明の耐熱性微粘着剤組成物をフィルム状ないしシート状の基材に積層するにあたり、その積層方法は特に限定されるものではないが、具体的には、例えば公知のフィルム化ないしシート化する方法を採用すれば良く、具体的には、例えばロールコーター、ファウンテンコーター、ダムコーター等によるコーティングにより積層するなどの方法が挙げられる。
【0043】
又、本発明に係る耐熱性微粘着フィルム・シートにおいては、その粘着剤層の厚さが用途に応じて特に限定されるものではないが、一般に、4〜20μmの範囲、好ましくは6〜10μmの範囲とするのが望ましい。
【0044】
粘着剤層の厚さが、4μm未満ではラミネート時に充分な密着性が得られない場合が有り、一方、20μmを超えるとシート端面に粘着感があり異物が付着し易くなるばかりでなく、FPCキュア後の粘着力が高くなって剥離し難く、これを無理に剥離しようとするとFPCが損傷する為、好ましくない。
【0045】
なお、本発明の耐熱性微粘着剤組成物及びこれを用いた本発明に係る耐熱性微粘着フィルム・シートは、前記構成を有し、主としてFPC用基材(CCL)のフィルム面にラミネートされて補強材として用いられるものであるが、この用途に限られるものではなく、その他薄膜の加工工程で支持体の補強が必要な分野のいずれの用途にも好適に採用されるのである。
【0046】
【発明の実施の態様】
以下、本発明の実施例及び比較例について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0047】
以下の実施例1〜3及び比較例1・2はそれぞれ耐熱性微粘着剤組成物を構成する成分をディスパーで、均一に混合した後、基材(プラスチックフィルム)上に厚さ7±1μmに塗工し、それぞれ粘着シートに成形したものである。
【0048】
各実施例並びに各比較例の成分及び配合割合は以下の通りである。
【0049】
実施例1
水酸基価6のアクリル系ポリマー(自社製)100重量部に対し、イソシアネート樹脂(日本ポリウレタン工業社製 商品名コロネートL)15重量部、アルミキレート剤(DIC社製 商品名ファインタックTK101)1重量部を前記の方法で配合し、これをポリエステルフィルム(東レ社製 商品名X10S)に塗布することにより、本発明の耐熱性微粘着フィルム(塗布厚さ8±2μm)を得た。
【0050】
実施例2
水酸基価6のアクリル系ポリマー(自社製)100重量部に対し、イソシアネート樹脂(日本ポリウレタン工業社製 商品名コロネートL)20重量部、アルミキレート剤(DIC社製 商品名ファインタックTK101)0.5重量部を前記の方法で配合してポリエチレンナフタレートフィルム(帝人社製 商品名テオネックスTM Q51)に塗布することにより、本発明の耐熱性微粘着フィルム(塗布厚さ8±2μm)を得た。
【0051】
実施例3
水酸基価10のアクリル系ポリマー(自社製)100重量部に対し、イソシアネート樹脂(日本ポリウレタン工業社製 商品名コロネートL)12重量部、マグネシウムキレート剤(キレスト化学社製 商品名 キレストMg−40)1.0重量部を前記の方法で配合してポリエチレンナフタレートフィルム(帝人社製商品名テオネックスTM Q51)に塗布することにより、本発明の耐熱性微粘着フィルム(塗布厚さ8±2μm)を得た。
【0052】
比較例1
水酸基価6のアクリル系ポリマー(自社製)100重量部に対し、イソシアネート樹脂(日本ポリウレタン工業社製 商品名コロネートL)15重量部を前記の方法で配合してポリエステルフィルム(東レ社製 商品名X10S)に塗布することにより、粘着フィルム(塗布厚さ8±2μm)を得た。
【0053】
比較例2
水酸基価10のアクリル系ポリマー(自社製)100重量部に対し、アルミキレート剤(DIC社製 商品名ファインタックTK101)2重量部を前記の方法で配合してポリエステルフィルム(東レ社製 商品名ルミラーX60K)に塗布することにより、粘着シート(塗布厚さ8±2μm)を得た。
【0054】
前記実施例1〜3及び比較例1・2における配合割合の詳細を表1に示す。
【0055】
【表1】
Figure 0004493256
【0056】
次いで、前述の各実施例及び各比較例の各粘着フィルムに対して、以下の比較試験を行った。
【0057】
粘着力試験(粘着力)
前述の各実施例及び各比較例の各粘着フィルムを用い、粘着力の性能を試験するために、当該各粘着フィルムをMD方向に20mm×120mmの大きさに切断し、又、CCL(東洋メタライジング社製 メタロイヤル PI−25D−CCS−08D0)をMD方向40mm×100mmの大きさに切断して、このCCLのポリイミド側にJIS C 2107に準じて前記各粘着フィルムを常温でラミネートして20分以上放置した。
【0058】
前述の各粘着フィルムの常態(常温粘着力)と温度170℃で2時間加熱後に取り出して20分以上放冷した試料(加熱後粘着力)の180度引き剥がし粘着力を引張速度50mm/分で測定した。
【0059】
加熱後の外観(カールの有無)
前述の各実施例及び各比較例の各粘着フィルムを用い、当該各粘着フィルムをTD方向に20mm×120mmの大きさに切断し、又、CCL(東洋メタライジング社製 メタロイヤル PI−25D−CCS−08D0)をTD方向40mm×100mmの大きさに切断して、このCCLのポリイミド側にJIS C2107に準じて各粘着フィルムを常温でラミネートして20分以上放置後、恒温槽に入れ、温度170℃で2時間加熱した。その後に取り出して20分以上放冷した試料のカール状態を観察した。
【0060】
加熱後の外観(オリゴマー析出の有無)
前述のカール試験で使用した各試料の粘着フィルム表面において白色析出物の有無を確認した。
【0061】
加熱後の外観(糊残りの有無)
前述のカール試験で使用した各試料の粘着フィルムを手で半分をゆっくり、残りの半分をすばやくT剥離で引き剥がしたときに、CCLのポリイミド面に糊残りが無いかを確認した。
【0062】
以上の比較試験の結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
Figure 0004493256
【0064】
表1に示すように、実施例1〜3の粘着力は0.1〜0.5N/20mmであり、経日試験においても安定した特性をしめしていることが確認され、且つ外観試験でも問題がないことが認められた。
【0065】
これに対して、比較例1・2のものはいずれも粘着力が比較的強く、又、経日試験で著しく変化し、特に比較例2のものは外観試験でも、オリゴマー成分の析出、糊残り等の問題が発生していることが確認され、安定した特性は得られないことが認められた。
【0066】
以上のことより、前記実施例1ないし実施例3に係る耐熱性微粘着フィルムは、FPC製造時の補強材料としてすべての要求機能を満足できることが認められた。
【0067】
【発明の効果】
本発明に係る耐熱性微粘着フィルム・シートは、前記構成を有し、FPC製造時の歩留りや取扱性の向上を実現し、しかも優れた耐熱性、寸法安定性及び経日特性を備える上、ポリ塩化ビニル樹脂を用いていないので環境に穏やかであり、その結果、FPC製造工程、その他薄膜の加工工程で支持体の補強が必要な分野のいずれの用途における補強材として好適に使用できるなどの効果を奏するのである。また、キシレン抽出法(24時間)により判定した場合、フィルム基材として0.8重量%未満の低オリゴマータイプの基材を使用しているので、FPCの最終工程で長時間高温下に暴露されても、基材表面に析出したオリゴマーが製造ライン中で接触部分に付着したり、転着したりしてFPCの致命的な異物になるのを防止することができる。

Claims (1)

  1. FPC用基材のフィルムないしシートに、ラミネートされて当該フィルムないしシートを補強する耐熱性微粘着フィルム・シートであって、
    キシレン抽出法(24時間)により判定した場合、フィルム基材として0.8重量%未満の低オリゴマータイプで、かつ、熱収縮率が150℃で30分の条件化でMD方向0.5%以下、TD方向0.2%以下となされた、厚さ20〜75μmであるフィルム状ないしシート状の基材に、
    水酸基価が2.0〜15.0の範囲にあるアクリル系ポリマー100重量部に対して、12〜25重量部のイソシアネート樹脂と、0.05〜3重量部の金属キレート剤とを配合した粘着剤組成物が4〜20μmの厚みで積層され、
    この積層された粘着層は、常圧下、170℃で2時間の加熱処理後の粘着力が0.5N/20mm以下となされたことを特徴とする耐熱性微粘着フィルム・シート。
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