JP4492806B2 - 耐屈曲性フレキシブルプリント配線板 - Google Patents

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Description

本発明はフレキシブルプリント配線板に関し、更に詳しくは、耐屈曲性が優れているフレキシブルプリント配線板に関する。
高い屈曲性を有するフレキシブルプリント配線板(Flexible printed circuit board:以下、FPCという)は、DVDやCDのピックアップ部と本体の間をつなぐ配線板、HDDのサスペンション部と本体の間をつなぐ配線板、また携帯電話のヒンジ部に配設される配線板などとして利用されており、今後も、車載用途、家電用途、携帯用途の分野での使用が拡大していくものと予想されている。
このFPCは概ね次のようにして製造されている。
まず銅箔の片面に公知の粗化処理を行い、その粗化処理面と例えばポリイミドシートやポリエステルシートのような樹脂シートを接着剤を介して接着することにより、銅箔−接着剤層−樹脂シートの3層構造の銅クラッドラミネート(Copper clad laminate:以下、CCL材という)を製造する。銅箔としては、電解銅箔よりも屈曲性が優れている圧延銅箔が一般に使用され、また樹脂シートとしては、耐熱性や難燃性に優れるポリイミドシートが使用される。
ついで、このCCL材の表面に位置する銅箔に、常用のフォトリソグラフィーとエッチング技術を組合せて、当該銅箔を所定パターンの導体回路に加工する。
そして導体回路の表面にクリーニング処理を施す。このクリーニング処理は、導体回路の表面を清浄化するためであるとともに、後述するカバーレイ(Coverlay:以下、CLという)との間の接着性を高めるために行なわれる。
このクリーニング処理としては、例えばバフ研磨のような機械的研磨、希硫酸へ浸漬するような薬品処理、酸化剤を含む溶液に浸漬することにより導体回路の表面に銅酸化物の皮膜を形成してCL材との接着性を高める処理、エッチャントに浸漬して導体回路の表面を粗化することにより、当該表面の表面積を拡大してCL材との接着性を高める処理、またはこれら処理の組合せなどが実施されている。
ついで、クリーニング処理された導体回路と樹脂シートを接着剤を介して接着することにより、図3で示したように、接着剤層と樹脂シートから成る2層構造のCL材で導体回路が被覆されているFPCを製造する。
なお、上記したCCL材の製造時に、ポリイミドシートを用いることなく、銅箔表面に直接ポリイミドの前躯体を塗工し、ついでそれを加熱硬化してポリイミドシートにする方法や、ポリイミドシートに熱可塑性ポリイミドを介して接着する方法もある。この場合、得られたCCL材は2層構造になる。
ところで、このFPCを反復して屈曲すると、屈曲回数が増加するにつれて、導体回路(銅箔)にはその厚み方向にマイクロクラックが発生しはじめ、そしてこのマイクロクラックは成長し、また発生する個数も増加して、最後は導体回路が断線してFPCはその機能を喪失する。
この現象は、従来から、銅箔それ自体の劣化が原因であるとされていた。すなわち、屈曲が反復すると、銅箔内の格子欠陥が飽和してマイクロクラックが発生し、そして更に屈曲が続くとそのマイクロクラックに応力が集中して銅箔の破壊に至るとされていた。
このようなことから、耐屈曲性に優れたFPCの製造に際しては、従来から、屈曲性に優れかつできるだけ薄い銅箔を使用すること、CCL材として2層構造タイプのものを用いて全体の厚みをできるだけ薄くすること、そして銅箔を全体の層構造の厚み方向における中心に配置することにより反復する屈曲時に銅箔に作用する曲げ応力を均質化すること、などを満たすような設計基準が採用されていた。
しかしながら、最近では、反復する屈曲時におけるFPCの導体回路(銅箔)の破壊は、銅箔それ自体の上記した破壊モードも存在するが、FPCの層構造における導体回路(銅箔)と接着剤層との接着性に大きく左右されるということが判明してきている(非特許文献1を参照)。
この非特許文献1では、次のような破壊モードが述べられている。すなわち、反復する屈曲運動の過程で導体回路にはマイクロクラックが発生する。しかし、マイクロクラックが発生しただけでは導体回路の抵抗率はほとんど変化しない。更に屈曲を反復すると、導体回路と接着剤層の密着性が悪くなる。そしてこのことが原因となって、導体回路にはその表面から内部に向かってマイクロクラックが成長していき、それらが集合して多数のマクロクラックが発生する。更に屈曲を反復すると、このマクロクラックは更に成長してついには導体回路の断線を引き起こす。すなわち、この先行技術においては、導体回路と接着剤層の接着力の弱化が断線の主要な要因とされているのである。
このようなことから、この先行技術においては、導体回路と接着剤層の接着力を向上させるために、接着剤として、可撓性付与剤が配合され、高靱性で良好な接着性能を有し、高いガラス転位温度(Tg)を有する接着剤を用い、これを用いることにより耐屈曲性に優れたFPCが開発されたことが報告されている。
しかしながら、この先行技術の場合、導体回路と接着剤層の接着力の向上を接着剤の側から実現しようとしているのであって、導体回路すなわち銅箔の側からその実現を追及しているものではない。
岡田顕一、新井正彦、田辺信夫、海津雅洋、第10回マイクロエレクトロニクスシンポジウム(MES2000) 論文集、259頁〜262頁(2000年11月)
本発明は、上記した先行技術の場合とは異なり、導体回路と接着剤層の接着力の向上を用いる銅箔の表面性状の側から実現しようとするものであって、FPCにおける導体回路と接着剤層との密着力、とりわけCL材側における導体回路と接着剤層との密着力を強めることができる耐屈曲性に優れたFPCの提供を目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明においては、
樹脂シートと、前記樹脂シートの表面に接着剤を介して、または直接接着されている導体回路と、前記導体回路に接着剤を介して接着されて前記導体回路を被覆するカバーレイとを有するフレキシブルプリント配線板において、
前記導体回路は銅または銅合金の圧延銅箔を加工して成り、前記導体回路の前記カバーレイとの接着面には平均粒径が2μm以下の結晶粒の集合組織から成る少なくとも1層の銅めっき層が形成され、前記導体回路の前記樹脂シートの接着面には、平均粒径0.1〜5μmの金属粒子が付着されていることを特徴とするフレキシブルプリント配線板が提供される。
その場合、前記銅めっき層には酸化銅処理やエッチング処理が施されていることをもって好適とし、更には防錆層および/または変色防止が形成されていることを好適とする。
本発明の導体回路の場合、片面に形成されている銅めっき層が平均粒径2μm以下の結晶粒の集合組織になっているので、接着剤層との間でミクロ的なボイドが発生せず、極めて均一な接着力を発現する。
そのため、この金属シートを用いて製造したFPCの場合、導体回路と接着剤層との間の接着力のミクロ的な均一性が高く、FPCに反復する屈曲運動を与えても、導体回路と接着剤層の間で部分的なまたは全体の剥離は起こりづらくなる。また、この導体回路の場合、銅箔表面に上記した銅めっき層が形成されたものであるため、反復する屈曲運動が与えられても、銅めっき層の働きで銅箔表面組織でのすべり帯の発生が抑制される。その結果、マイクロクラックの発生、ひいてはそのマクロクラックへの成長は抑制されるので、FPCとしての耐屈曲性は向上する。
図1に、本発明で導体回路の形成に用いる金属シートの層構造例を示す。
この金属シートの場合、基材シート1の片面には後述する銅めっき層2が形成され、他方の表面にはそこに後述する金属粒子を付着させる粗化処理が施されることにより粗化処理面3になっている。
この金属シートでは、粗化処理面3が接着剤層を介して樹脂シートに接着されることにより図3で示したCCL材を構成し、また銅めっき層2はCL材と接着する。
基材シート1には、銅箔または銅合金箔が使用される。銅箔としては、相対的に屈曲性が優れているという点で圧延銅箔が使用される。銅合金箔としては、例えば、Cu−Ag,Cu−Sn,Cu−Sn−Zr−Cr,Cu−Zn−Ni,Cu−Zn−Ni−Ag,Cu−Zr,Cu−Fe−Sn−Zn,Cu−Sn−Cr,Cu−Fe−Pなどの合金箔を使用することができる。これらの合金箔は、合金めっきで製造されたものであってもよく、合金を圧延して製造されたものであってもよい。
基材シート1の厚みは最終目的の導体回路の設計厚みとの関係で決められるが、概ね5〜70μm、通常は9〜35μmである。
銅めっき層2は、平均粒径が2μm以下の結晶粒の集合組織になっていて、これは基材シート1の表面に電気めっきを行って形成される。
なお、上記した平均粒径とは、この銅めっき層2の表面を透過型電子顕微鏡で観察して結晶粒の面積を10点以上実測し、その平均値を真円の面積で表した場合の当該真円の直径のことをいう。
結晶粒の平均粒径が2μmより大きい場合は、めっき層と接着剤の間で粒径と同じくらいの大きさの小さなボイドが発生しやすくなる。
すなわち、CL材との接着時に、CL材の接着剤とこの銅めっき層2との接着力はミクロ的に均一にはならない。そのため、マイクロクラックが多数発生して得られたFPCの屈曲性を高めることにならない。通常、結晶粒の平均粒径は0.5〜1.5μmであることが好ましい。
この結晶粒の平均粒径は、電気めっきを実施する際に、めっき浴として硫酸銅系めっき浴を用い、それに例えばトップルチナH−300(商品名、奥野製薬(株)製)のような微細結晶化付与剤を所定量配合することによって制御可能である。
また、この銅めっき層2の厚みは格別限定されるものではないが、実用的な点からいえば、0.05〜10μmであることが好ましい。0.05μmより薄くなると、CL材とのミクロ的に均一な接着力は低下し、また10μmより厚くすることは、めっき時間が長くなって工業的な実用性がなくなるからである。
また、この銅めっき層2とCL材との均一な接着力だけでなく、接着力それ自体を更に高めるために、当該銅めっき層に対しては酸化銅処理やエッチング処理を施すことが好ましい。
酸化銅処理は、例えばNaClO2,Na3PO4,NaOHから成り、温度90℃以上の混合溶液に3〜15分間程度銅めっき層2を接触させることにより、当該銅めっき層の表層部の銅を酸化銅に転化させて酸化皮膜を形成する処理である。この方法は、CCL材上の回路形成後の金属シートに対して施してもよい。
銅めっき層2の表層部が酸化銅であることにより、ここにCL材を接着すると、接着剤の官能基と酸化銅との間で水素結合が形成されて、銅めっき層2とCL材との接着力は強くなる。
また、エッチング処理は、銅めっき層2の表面における結晶粒の粒界を選択的にエッチングすることにより表面を凹凸化して実質的な表面積を大きくする処理であり、酸化性の強い薬品に当該銅めっき層の表面を接触させる処理と、銅めっき層の表面を電気化学的にアノード酸化する処理に大別される。
なお、前者の場合、CCL材上の回路形成後の金属シートに対して施してもよい。
前者の処理時に用いる薬品としては、例えば三酸化クロム、硝酸、硫酸の混合溶液をあげることができる。
後者の処理の場合、電解液として例えば硫酸と硫酸銅の混合溶液を用い、対極に鉛板を用い、比較的低い電流密度で長時間アノード酸化すると、粒界の選択的エッチングが進行しやすいので好適である。なお、電流密度を高くすると、対極の銅板表面に酸化銅が生成しやすくなり、上記した粒界の選択的エッチングが阻害されるので、電流密度は通常1A/dm2以下に設定することが好ましい。
この金属シートにおける粗化処理面3を構成する金属粒子としては、電気めっき法で基材シート1の表面に析出させて付着できる材料であれば何であってもよく、例えばCu,Ni,Coをそれぞれ電気めっきして形成される金属粒子;所定の合金めっき浴をめっきして形成される例えばCu−Ni,Cu−Coのような合金粒子;などをあげることができる。
これらの金属粒子としては、その平均粒径が0.1〜5μm程度であることが好ましい。0.1μmより小さいと、金属粒子が不均一になりやすく、接着力のミクロ的な均一性が保ちにくくなり、CCL材側でも金属箔が剥がれやすくなる。逆に5μmより大きくすると、金属シート表面の平滑性が失われるような問題が生ずるからである。
このような金属シートにおいて、少なくとも銅めっき層2の表面は防錆層や変色防止層で被覆されていることが好ましい。金属シートの保管時や流通時に、銅めっき層2の変質を防止するためである。
粗化処理面3の上を上記した層で被覆すれば、粗化処理面3の変質を防止することができる。
防錆層や変色防止層としては、例えば、銅めっき層の表面を6価クロム酸水溶液と接触させてクロム酸化物を析出させたり、電解還元して2価または3価のクロム酸化物を析出させて成る層;亜鉛イオンまたはニッケルイオンを含む水溶液を電解液にしてカソード還元により亜鉛またはニッケルを析出させて成る層;これらの混合液をカソード還元することにより得られる、クロム酸化物、亜鉛、ニッケルの2種類以上の混合物から成る層;ベンゾトリアゾールまたはその誘導体、またはイミダゾール誘導体を溶解した溶液と銅めっき層の表面を接触させたのち乾燥して成る層;などをあげることができる。
これらの層は、いずれも、銅めっき層への前記した酸化物処理やエッチング処理の実施ができる程度の厚み、具体的には極めて薄く成膜される。
図2は、本発明のCCL材の層構造の一例を示す断面図である。このCCL材は、既に説明した図1の金属シートの粗化処理面3が接着剤層4を介して樹脂シート5と接着された構造になっている。樹脂シート5としては、例えばポリイミドシートが好適である。
このCCL材の銅めっき層2に、常用のフォトリソグラフィーとエッチング技術を適用して当該銅めっき層を所定パターンの導体回路に加工し、ついで、その導体回路を接着剤層を介してポリイミドシートを好適とする樹脂シートで被覆することにより、本発明のFPCを製造することができる。
(実施例1)
・ 金属シートの製造
基材シートとして、幅500mm、厚み18μmのタフピッチ圧延銅箔を100m用意した。この銅箔を室温下で5%硫酸に1分間浸漬して、表面の酸化物を除去する前処理を行ったのち、片面に銅めっきを行った。
めっき欲の組成は、硫酸銅0.4mol/dm、硫酸1.5mol/dm、トップルチナH−300(商品名、奥野製薬(株)製の微細結晶化付与材)1vol%であり、浴温は40℃、電流密度は3A/dm2、通電時間は18秒であった。
基材シートの片面には、厚み約0.2μmの銅めっき層が形成された。この銅めっき層の表面を透過型電子顕微鏡で観察して結晶粒の平均粒径を求めたところ、1.1μmであった。
ついで、他方の表面に粗化処理を施した。用いためっき浴の組成は、硫酸銅0.3mol/dm、硫酸0.3mol/dmであり、浴温は25℃、電流密度は10A/dm2、通電時間は10秒とした。平均粒径約1μmの銅粒子が付着した粗化処理面が形成された。
水洗後、全体を、濃度0.1mol/dmのクロム酸溶液に5秒間浸漬したのち取り出し、両面にクロム酸化物から成る防錆層を形成した。
・ CCL材の製造
厚み25μmのハイボン10−810(商品名、日立化成ポリマー(株)製の接着剤)が塗布されているユーピレックス-50S(商品名、宇部興産(株)製のポリイミドシート、厚み50μm)の接着剤層を実施例1の金属シートの粗化処理面とを重ね合わせ、温度160℃、圧力1MPaで1時間熱圧プレスした。
・ FPCの製造
上記したCCL材の銅箔にフォトリソグラフィーとエッチング技術を適用して導体回路を加工した。
導体回路の回路パターンは、JIS C 5016−1994の19頁に記載されている付図3と同じパターンにした。
導体回路側の表面を希硫酸でクリーニングし、ついで水洗乾燥したのち、ここに、CCL材の製造時に用いたポリイミドシートと接着剤から成るCL材を熱圧プレスして貼着した。温度は180℃、圧力は2.5MPa、プレス時間は1時間であった。
・ FPCの屈曲寿命試験
上記したFPCにつき、JIS C 5016−1994の「8.6耐屈曲性」の記載に準拠して屈曲寿命試験を行った。
摺動の曲率半径は2.5mmとし、測定器としてはSEK−31B4S(機種名、信越エンジニアリング(株)製の測定器)を用い、ストローク25mm、25Hzとした。
導体回路の抵抗上昇を観察しながら屈曲を反復し、抵抗上昇率が50%を超えた場合を屈曲寿命と判断し、それまでの屈曲回数を調べた。
結果を表1に示した。
比較例1
銅箔として電解銅箔を用いたことを除いては実施例1と同様の仕様で金属シート、CCL材、FPCを製造し、そのFPCの屈曲寿命試験を行った。その結果を表1に示した。
(実施例
実施例1の金属シートを製造する際に、形成した粗化処理面をマスキングした状態で、NaClO250g/dm3、NaPO410g/dm3 、NaOH15g/dm3から成る混合溶液(液温90℃)に銅箔を3分間浸漬して、銅めっき層の表面に酸化物処理を施したことを除いては実施例1と同様の仕様で金属シート、CCL材、FPCを製造し、FPCの屈曲寿命試験を行った。結果を表1に示した。
(実施例
実施例1の金属シートを製造する際に、形成した粗化処理面をマスキングした状態で、硝酸0.3mol/dm3、硫酸0.3mol/dm3、クロム酸0.2mol/dm3、塩化アンモニウム0.1mol/dm3から成るエッチング水溶液(液温45℃)に銅箔を10分間浸漬して、銅めっき層の表面にエッチング処理を施したことを除いては実施例1と同様の仕様で金属シート、CCL材、FPCを製造し、そのFPCの屈曲寿命試験を行なった。結果を表1に示した。
(実施例)
ベンゾトリアゾール5kgを水1m3に溶解した溶液を作製し、室温下において銅箔と接触して、両面にベンゾトリアゾールから成る防錆層を形成したことを除いては実施例1と同様の仕様で金属シート、CCL材、FPCを製造し、そのFPCの屈曲寿命試験を行なった。結果を表1に示した。
(実施例)
銅めっき層の厚みが0.1μmであったことを除いては実施例1と同様の仕様で金属シート、CCL材、FPCを製造し、そのFPCの屈曲寿命試験を行なった。結果を表1に示した。
(参考例)
粗化処理を行なわなかったことを除いては実施例1と同様の仕様で金属シート、CCL材、FPCを製造し、そのFPCの屈曲寿命試験を行なった。結果を表1に示した。
(比較例2)
銅めっき層を形成しなかったことを除いては、実施例1と同様の仕様で金属シート、CCL材、FPCを製造し、そのFPCの屈曲寿命試験を行なった。その結果を表1に示した。
(比較例
銅めっき層における結晶粒の大きさが2μmより大きかったことを除いては、実施例1と同様の仕様で金属シート、CCL材、FPCを製造し、そのFPCの屈曲寿命試験を行なった。その結果を表1に示した。
(比較例
銅めっき層の結晶粒の大きさが2μmより大きかったことを除いては、実施例1と同様の仕様で金属シート、CCL材、FPCを製造し、そのFPCの屈曲寿命試験を行なった。その結果を表1に示した。
(比較例
銅めっき層を形成しなかったこと、粗化処理も行なわなかったことを除いては、実施例1と同様の仕様でCCL材、FPCを製造し、そのFPCの屈曲寿命試験を行なった。その結果を表1に示した。
(比較例
銅めっき層を形成しなかったこと、粗化処理も行なわなかったことを除いては、実施例2と同様の仕様でCCL材、FPCを製造し、そのFPCの屈曲寿命試験を行なった。その結果を表1に示した。
表1から明らかなように、基材シートに本発明の銅めっき層を形成した実施例1〜5、比較例3,4の金属シートを用いて製造したFPCは、銅めっき層を形成しない比較例,5,6の金属シートを用いて製造したFPCに比べて、屈曲回数が大幅に増大している。すなわち、銅めっき層を形成することによって、FPCの屈曲寿命を大幅に延ばすことができる。
その場合、実施例1〜5と比較例3,4を対比して明らかなように、銅めっき層の結晶粒の平均粒径が大きくなると、FPC屈曲回数は減少している。このようなことから、結晶粒は2μm以下にすべきであることがわかる。
また、実施例1と実施例を対比すると、銅めっき層の表面に酸化物処理やエッチング処理を施すと、酸洗処理のみの場合よりも屈曲回数は増加している。
本発明のFPCはその屈曲寿命を従来に比べて大幅に向上させている。したがって、これに用いた金属シートは、耐屈曲性に優れたFPC用の素材としてその工業的価値は極めて大である。
本発明で用いる金属シートの層構造例を示す断面図である。 クラッドラミネート(CCL)材の1例を示す断面図である。 フレキシブルプリント配線板(FPC)の1例を示す断面図である。
符号の説明
1 基材シート
2 銅めっき層
3 粗化処理面

Claims (6)

  1. 樹脂シートと、前記樹脂シートの表面に接着剤を介して、または直接接着されている導体回路と、前記導体回路に接着剤を介して接着されて前記導体回路を被覆するカバーレイとを有するフレキシブルプリント配線板において、
    前記導体回路は銅または銅合金の圧延銅箔を加工して成り、前記導体回路の前記カバーレイとの接着面には平均粒径が2μm以下である結晶粒の集合組織から成る少なくとも1層の銅めっき層が形成され、前記導体回路の前記樹脂シートの接着面には、平均粒径0.1〜5μmの金属粒子が付着されていることを特徴とする耐屈曲性に優れたフレキシブルプリント配線板。
  2. 前記銅めっき層に酸化銅処理が施されている請求項1記載の耐屈曲性に優れたフレキシブルプリント配線板。
  3. 前記銅めっき層にエッチング処理が施されている請求項1の耐屈曲性に優れたフレキシブルプリント配線板。
  4. 前記銅めっき層の上に、少なくとも1層の、防錆層および/または変色防止層が形成されている請求項1〜3のいずれかの耐屈曲性に優れたフレキシブルプリント配線板。
  5. 前記防錆層および/または変色防止層が、クロム酸化物、亜鉛、ニッケル、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体、およびイミダゾール誘導体の群から選ばれる少なくとも1種の層である請求項4の耐屈曲性に優れたフレキシブルプリント配線板。
  6. 前記樹脂シートがポリイミドシートである請求項1の耐屈曲性に優れたフレキシブルプリント配線板。
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