JP4492433B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタに関する。
従来、プリント配線板に取り付けて用いられるコネクタの一般構造としては、下記特許文献1に記載のものが知られている。この種のコネクタは、相手側コネクタが嵌合されるフード部を備えた合成樹脂製のコネクタハウジングに、複数のL字形の端子金具が貫通して設けられており、その一端はフード部内部に突出するとともに、他端はフード部外部に突出したのち基板側に向かう構造となっている。すなわち、このものはフード部内部が外部に露出した形状であるため、内部に塵や埃の進入を許容する構造となっている。そのため、エアバッグやECUといった重要回路部品においては、塵や埃の進入を防ぐためフード部開口縁に防塵キャップを装着するなどしている。
実開昭61−60486号公報
しかしながら、別体として防塵キャップを用意するとなると、防塵キャップを外す工程が別途必要となるため、製造コストUPや作業効率の低下を招いていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、フード部内部に塵や埃が進入するのを防ぎつつ、別途防塵キャップを外す工程が不要なコネクタを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、相手側コネクタを内部に嵌合可能なフード部を備えた樹脂製のコネクタハウジングと、前記フード部の奥壁から内部に突出して設けられる複数の端子金具とを備えたコネクタであって、前記フード部には、前記嵌合前においては前記フード部内部を閉塞する位置にあるカバーが一体成形により設けられ、前記カバーは、前記嵌合途上では前記相手側コネクタの進入に伴い前記フード部内面側に押し込まれることで前記相手側コネクタの進入を許容する開放位置へ至るようになっており、さらに、前記カバーは、前記フード部の開口縁の一縁に設けられたヒンジ部を中心として前記閉塞位置と前記開放位置との間を回動可能としてあり、かつ前記カバーにおける自由端側の縁には前記フード部の開口縁に係止して、前記フード部内方への倒れは許容するものの前記フード部外方への開きを規制可能な係止部が設けられ、かつこの係止部には前記ヒンジ部の弾性反力に基づいて前記フード部の外方への付勢力が作用するようにしてあり、前記カバーと前記フード部との間には、前記カバーが前記閉塞位置から前記開放位置へと移動する際に凹凸の嵌り合いによって案内をする案内部が前記フード部の開口縁から外部側に連通して設けられている構成としたところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記フード部の内面には、前記開放位置における前記カバーの先端より奥側に前記カバーとほぼ面一をなして前記相手側コネクタを支持する支持部が突出して設けられているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
請求項1の発明によると、フード部にカバーを設けたからフード部内部に塵や埃が進入するのを防ぐことが可能となり、端子変形や接触不良等の不具合を規制することができる。また、相手側コネクタの進入に伴ってカバーがフード部内部に押し込まれて相手側コネクタの進入を許容する構造としたから、別途カバーを取り外す工程が不要である。
また、カバーの移動を案内するための案内部を設けたから、円滑な移動が可能となり、カバーがこじれる等のおそれがない。
また、カバーはヒンジ部を中心として回動可能に設けられ、カバーの自由端にはフード部内方への倒れを許容するもののフード部外方への開きを規制する係止部が設けられ、この係止部がフード部外方への付勢力を受けつつフード部の開口縁に係止可能な構造としたから、カバーが閉塞姿勢を維持することが可能である。
<請求項の発明>
請求項の発明によると、相手側コネクタは、フード部内をカバーに支持されながら嵌合するが、カバーを通過した先にも支持部による支持が得られるから、嵌合時における相手側コネクタの姿勢を安定させることができる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図6によって説明する。
実施形態1におけるコネクタは雌雄のコネクタによって構成され、雄コネクタ(本発明におけるコネクタに相当する)1は、フード部11を有するコネクタハウジング10と、フード部11の奥壁12を貫通するL字形の雄端子金具(本発明における端子金具に相当する)20とからなる。尚、以下の説明においては、前後方向とは図1における左右方向を基準として嵌合面側を前方とし、上下方向とは図1における上下方向を基準として上側を上方とし、幅方向とは図5における左右方向を基準として左側を左方とする。
雄コネクタ1のフード部11内部には、雌コネクタ(本発明における相手側コネクタに相当する)30が嵌合可能となっている。雌コネクタ30は樹脂製で、断面略方形のブロック状をなしている。雌コネクタ30の内部には、複数のキャビティ31が前後方向に貫通しており、キャビティ31の内部には、雌端子金具32が後方から挿入可能とされている。
雌端子金具32の略前半部は、雄端子金具20と導通可能な角筒部38となっており、雌端子金具32の略後半部は、電線Wとの接続を行うバレル部39となっている。雌端子金具32は、キャビティ31内部に挿入されると、キャビティ32の前端壁33によって前止まりがなされるとともに、キャビティ32前部下面側に配されたランス34が角筒部38下面に開口する係止孔40内に入り込んで弾性的に係止することで後方への抜止めがなされる。さらに、雌コネクタ30の下面における前後方向略中央には、サイドタイプのリテーナ35が装着可能となっている。リテーナ35は、ランス34による係止に加えて角筒部38の後端に二重係止することで、雌端子金具32の後方への抜止めを強化している。
雌コネクタ30の上面で幅方向略中央には、前後方向に長いロックアーム36が配されている。ロックアーム36は、雌コネクタ30の上面前端を基端部37として後方に向けて延出され、後端側が撓み変位可能に設けられている。ロックアーム36の上面で前後方向略中央には、係止突部41が上方に突設されている。ロックアーム36の後端には操作部42が設けられ、これを指で押圧することで離脱操作を可能としている。
雄コネクタ1のコネクタハウジング10は樹脂製で、図6に示すように、断面略方形の横長に形成され、フード部11の奥壁12には図示16個の雄端子金具20が上下二段に分かれて配されている。これらの雄端子金具20は、圧入もしくはインサート成形によりコネクタハウジング10の奥壁12を貫通する姿勢で配されている。詳細には、下段側において同一ピッチで配された図示11個の雄端子金具20と、このうち左端から図示2個の雄端子金具20および右端から図示3個の雄端子金具20に対応して上段側に配された図示5個の雄端子金具20とから構成されている。
フード部11の開口縁における上縁には、図6に示すように、左端から3個目の雄端子金具20と右端から4個目の雄端子金具20とに対応する位置に、フード部11の開口縁から奥壁12に至るまで、一対の案内壁14,14が前後方向に亘って垂下形成されている。両案内壁14,14の間におけるフード部11の開口縁寄りには、ロックアーム36の係止突部41と係止可能なロック受け部15が突出形成されている。
フード部11の開口縁における幅方向両側縁内側には、図6に示すように、上下方向略中央において一対の案内溝(本発明における案内部に相当する)22,22が外方に向けて凹設されている。案内溝22は、図4に示すように、フード部11の開口縁から下面に向けて、フード部11の開口縁下端を中心とする円弧状に形成されている。フード部11の開口縁における下縁には、図6に示すように、幅方向に所定の間隔をおいて3箇所の切り欠き部24が形成されている。
フード部11の下面外側における前端付近には、図4に示すように、前方に向けて延出されたカバー13が一体成形により設けられている(以下、図4に示すように自然状態におけるカバー13の位置を成形位置という)。このカバー13は、図5に示すように、フード部11の開口縁に適合する形状とされている。これにて、カバー13はフード部11内部を閉塞可能とし、外部から塵や埃が進入するのを規制可能としている(以下、図1および図5に示すようにフード部11内部を閉塞する状態にあるカバー13の位置を閉塞位置という)。
カバー13は、より詳細には、一対の案内壁14,14と対応する位置には一対のスリット部23,23が形成され、一対の案内溝22,22と対応する位置にはこれらと係合可能な一対の案内突起(本発明における案内部に相当する)21,21が突出形成されている。これら案内突起21と案内溝22との係合により、両コネクタ1,30の嵌合時におけるカバー13の円滑な回動動作を可能にするとともに、カバー13のこじれ防止が可能である。これにて、カバー13は、雌コネクタ30の進入によって閉塞位置から案内溝22に従って回動し、両コネクタ1,30の正規嵌合状態に至ると、図3に示すように、カバー13はフード部11の下面内側に当接した位置(以下、開放位置という)へと至る。
また、図5におけるカバー13の下縁にはフード部11の開口縁下端側と連結された一対のヒンジ部17,17が所定の間隔をおいて配されている。ヒンジ部17は、成形位置から閉塞位置に至るまでに、略90°起立操作されるため、この間で弾性反力が働き、カバー13を成形位置に戻す方向に作用する付勢力を生じさせる。両ヒンジ部17,17は、3箇所の切り欠き部24のうち左右両端に位置するものと対応する位置に配され、閉塞位置においてはその切り欠き部24内に収容可能となっている。また、カバー13の下端において両ヒンジ部17,17によって挟まれた領域における略中央部分には、補助突起25が設けられている。補助突起25は、3箇所の切り欠き部24のうち中央に位置するものと対応する位置に配され、閉塞位置においてはその切り欠き部24内に収容可能となっている。これにて、カバー13の外面はフード部11の前端面と面一をなす。
カバー13の両スリット部23,23の奥端には、仮係止突起(本発明における係止部に相当する)18が形成されている。仮係止突起18は、閉塞位置においてフード部11の案内壁14の先端に突設された係止受け部(本発明における係止部に相当する)19と前記弾性反力の作用のもとで係止することで、カバー13のフード部11内方への移動は許容するが、フード部11外方への移動は規制可能となっている。従って、両コネクタ1,30の嵌合途上では、図2に示すように、雌コネクタ30の押し込みに伴って、カバー30がヒンジ部17の弾性反力に抗しつつ内方へと押し倒され、図3に示すように、カバー13がフード部11下面内側に当接した状態(以下、カバー13の図3に示す位置を開放位置という)となる。この間、カバー13の先端と雄端子金具20の先端とは互いに干渉しないようにフード部11の前後長等が設定されている。また、フード部11の下面内側には、図6に示すように、両案内部14,14と対向する位置で奥壁12寄りの部分に、カバー13の厚み分に相当する支持部26が設けられている。
本実施形態は上記のような構造であって、続いてその作用を説明する。
まず、雄コネクタ1のカバー13を成形位置から閉塞位置へと移動させる。この際、カバー13はヒンジ部17によってフード部11と連結されているから、カバー13はヒンジ部17を中心として回動動作をとることになる。カバー13が閉塞位置に至ると、カバー13側に設けられた仮係止突起18がフード部11の開口縁側に設けられた係止受け部19と係止するから、閉塞位置から開放位置への移動は許容するものの閉塞位置から成形位置へ戻ることは規制される。このとき、ヒンジ部17には弾性反力が働いた状態にあり、カバー13を成形位置へ戻す方向に付勢するため、カバー13はフード部11内部を閉塞状態に保つことが可能である。また、閉塞状態においては、カバー13の案内突起21がフード部11内部の案内溝22に係合した状態となっている。
次に、両コネクタ1,30の嵌合作業を行う。カバー13は、図2に示すように、雌コネクタ30の進入に伴いフード部11内方へと押し込まれる。すると、カバー13はヒンジ部17を中心として回動し、両コネクタ1,30の正規嵌合状態では、図3に示すように、カバー13は開放位置に至る。この間、カバー13は、案内突起21と案内溝22との係合によって、閉塞位置から開放位置へと円滑に移動するため、カバー13がこじれるなどのおそれがない。さらに、開放位置におけるカバー13の先端より奥側にカバー13とほぼ面一をなして雌コネクタ30を支持する支持部26が突出して設けたから、嵌合時における雌コネクタ30の姿勢を安定させることが可能である。
以上のように、本実施形態においては、フード部11の開口縁にカバー13を設置したから、フード部11内部に塵や埃が進入することを防ぐことが可能である。そして、このカバー13は雌コネクタ30の進入に伴って回動しながら内側に倒れる構造としたから、別途カバー13を取り外す工程が不要である。
また、カバー13に一対の案内突起21,21を設け、これに係合可能な一対の案内溝22,22をフード部11内部に設けたから、カバー13の円滑な移動が可能となり、カバー13がこじれる等のおそれがない。
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図7によって説明する。本実施形態は、実施形態1における案内溝22の構造および成形位置におけるカバー13の位置を変更したものであり、その他の重複する構造については、説明を省略する。すなわち、実施形態1では案内突起21に対する案内動作を案内溝22を設けることで可能にしたが、実施形態2ではフード部11の両側のコーナー部全体を扇状に薄肉化して、周囲の面とはほぼ90°の円弧状の段差縁27が案内突起21に対する軌道を構成するようにしている。
本実施形態によると、コネクタハウジング10を成形する際に、実施形態1において案内溝22を形成するためのスライダ構造を金型に設定する必要がなく、金型の構造を簡素化することができる。さらに、カバー13もコネクタハウジング10に対して垂直姿勢で成形されるようにしたため、上記段差縁27の成形と併せて前後方向に開閉する金型のみによって雄コネクタ1全体の成形が可能となる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)実施形態1においては、基板用コネクタを例示して説明したが、フード部を備えたコネクタであれば他の種類のコネクタであっても適用可能である。
)実施形態1においては、カバー全体がフード部の下面内側に倒れる構造としたが、カバーは上下もしくは左右に分割して設けられ、それぞれがフード部の内側に倒れる構造としてもよい。
実施形態1において両コネクタの嵌合前の状態を示す断面図 その嵌合途中の状態を示す断面図 その正規嵌合状態を示す断面図 実施形態1においてカバーが成形位置にあるときの雄コネクタを示す断面図 その閉塞位置にあるときの雄コネクタを示す正面図 その成形位置にあるときの雄コネクタを示す正面図 実施形態2においてカバーが成形位置にあるときの雄コネクタを示す断面図
符号の説明
1…雄コネクタ
10…コネクタハウジング
11…フード部
12…奥壁
13…カバー
17…ヒンジ部
18…仮係止突起(係止部)
19…係止受け部(係止部)
20…雄端子金具(端子金具)
21…案内突起(案内部)
22…案内溝(案内部)
26…支持部
30…雌コネクタ(相手側コネクタ)

Claims (2)

  1. 相手側コネクタを内部に嵌合可能なフード部を備えた樹脂製のコネクタハウジングと、前記フード部の奥壁から内部に突出して設けられる複数の端子金具とを備えたコネクタであって、
    前記フード部には、前記嵌合前においては前記フード部内部を閉塞する位置にあるカバーが一体成形により設けられ、
    前記カバーは、前記嵌合途上では前記相手側コネクタの進入に伴い前記フード部内面側に押し込まれることで前記相手側コネクタの進入を許容する開放位置へ至るようになっており、
    さらに、前記カバーは、前記フード部の開口縁の一縁に設けられたヒンジ部を中心として前記閉塞位置と前記開放位置との間を回動可能としてあり、かつ前記カバーにおける自由端側の縁には前記フード部の開口縁に係止して、前記フード部内方への倒れは許容するものの前記フード部外方への開きを規制可能な係止部が設けられ、かつこの係止部には前記ヒンジ部の弾性反力に基づいて前記フード部の外方への付勢力が作用するようにしてあり、
    前記カバーと前記フード部との間には、前記カバーが前記閉塞位置から前記開放位置へと移動する際に凹凸の嵌り合いによって案内をする案内部が前記フード部の開口縁から外部側に連通して設けられていることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記フード部の内面には、前記開放位置における前記カバーの先端より奥側に前記カバーとほぼ面一をなして前記相手側コネクタを支持する支持部が突出して設けられていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
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