JP4491921B2 - 日本語入力装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キーボードを用いて日本語を入力するための日本語入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータやワードプロセッサなどの電子機器においては、一般的にはキーボードを用いて文字入力が行われる。代表的なキーボードとしては、いわゆるQWERTYキーボードが知られている。QWERTYキーボードには、「あ」から「ん」までのカナキーがローマ字キーと部分的に兼用されたものとして設けられており、日本語を入力する場合には、入力すべきカナに対応したカナキーを押すカナ入力モードと入力すべきカナに対応したローマ字キーを押すローマ字入力モードとのいずれかが任意に選択される。
【0003】
しかしながら、QWERTYキーボードは多数のキーを有しており小型化が困難であるために、近年の小型化された電子機器には採用することができない。そこで、携帯電話機などでは、「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」の母音「あ」をもつ10個の文字キーを数字キーと兼用されたものとして設け、各キーの連続押下回数に基づいて入力文字を決定している。例えば、「か」キーが2回連続して押下された場合には「き」を、さらにもう1度「か」キーが押下された場合には「く」を入力するというようにして入力文字を決定している。このような「かなめくり」入力モードを採用することで、比較的少数のキーを有するキーボードによって日本語入力が可能となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したかなめくりモードによる日本語入力には、例えば母音「お」をもつ「こ」や「と」などの文字を入力しようとする場合に5回のキー押下が必要になるというように、入力される1文字当たりの平均キー押下回数が多くなってしまうという問題がある。そこで、キーボードに「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」の5つの母音文字キーと、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」の9つの子音文字キーとを設け、子音文字キーと母音文字キーとの組合せによって入力文字を決定するというモード(子音+母音入力モード)が考えられる。このモードでは、例えば「む」を入力しようとする場合には「ま」と「う」が連続して押下され、2回のキー押下ですべての子音文字を入力することが可能になるという利点がある。
【0005】
しかしながら、日本語入力装置を操作するユーザは、上述したかなめくりモードおよび子音+母音入力モードのいずれか一方の操作には慣れているが他方には慣れていない場合がほとんどであり、日本語入力装置がいずれか一方だけの入力モードだけしかサポートしていない場合、サポートされていない入力モードに慣れているユーザは、日本語入力に手間取り、入力ミスを侵しやすくなってしまう。
【0006】
また、日本語入力装置が両方の入力モードをサポートする場合も、その装置が複数のユーザに共同使用される場合には、ユーザは文字入力を開始する際に事前に入力モードを自分で設定しなければならないという煩雑さがある。
【0007】
そこで、本発明の主な目的は、比較的少数のキーが配列された小型のキーボードを用いて日本語入力をすることができ、どのユーザにとっても日本語入力しやすい日本語入力装置を提供することである。
【0008】
また、本発明の別の目的は、ユーザが自分で入力モードを設定しなくても自動的にかなめくりモードまたは子音+母音入力モードのうち当該ユーザに適したモードに設定される日本語入力装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る日本語入力装置は、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」にそれぞれ対応する5つの母音文字キーと、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」にそれぞれ対応する9つの子音文字キーとを備えており、子音文字キーと母音文字キーとが連続して押下されたときにその組合せに基づいて入力される子音が決定される第1の入力モード、および、同一の子音文字キーの連続押下回数に基づいて入力される子音が決定される第2の入力モードの2つの入力モードを有し、前記第1の入力モードおよび前記第2の入力モードのうち使用される入力モードが、ユーザによる所定キー押下後の前記第1及び第2の入力モードの一方のモードにしたがった最初のキー入力操作のパターンに基づいて、自動的に決定される。
【0010】
【0011】
【0012】
本発明によると、濁音や半濁音を除く母音および子音を、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」の5つの母音文字キーおよび「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」の9つの子音文字キーという比較的少数のキーが配列された小型のキーボードを用いて入力することができる。
【0013】
また、子音+母音の2回のキー押下で入力される子音が決定される第1の入力モード、および、子音文字キーの連続押下回数で入力される子音が決定される第2の入力モード(いわゆる「かなめくりモード」)を有しているので、用途や使用条件に応じて、1つの子音を入力するための必要キー押下回数が少ない第1の入力モードおよび入力手順が直感的で分かりやすい第2の入力モードのいずれにも対応することが可能となる。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
また、キー入力操作パターンに基づいて入力モードが自動的に決定されるので、日本語入力装置が複数のユーザに共同使用される場合であってもユーザは文字入力を開始する際に事前に入力モードを自分でマニュアル操作で設定しなければならないという煩雑さがなく、ユーザに入力モードを意識させることなく自分の慣れ親しんだモードで日本語入力を行わせることができる。
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は本発明をラベルライタ(テーププリンタ)の日本語入力に適用したものであって、このラベルライタはかなめくりモードおよび子音+母音入力モードの両方の入力モードを有している。
【0021】
図1は、本実施の形態に係るラベルライタの正面図である。ラベルライタ1には、多数のキーを含むキーボード2と、入力された文字などを表示するための液晶ディスプレイ3と、テープを所望位置で切断するためのカッター(図示せず)を動作させるためのカッタースイッチ4とが設けられている。ラベルライタ1の動作は、その内部に配置された制御部5(図2参照)によって制御される。
【0022】
キーボード2には、電源キー、確定(実行/改行)キー、カーソルキー、カタカナ変換キー、漢字変換キー、取消/削除キー、促音・拗音を入力するための小文字キー、および、カナ、数字、ローマ字の入力切替を行う入力切替キーのほかに、15個の文字入力キーが含まれている。文字入力キーには、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」の5つの母音文字キーと、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ(をん)」の9つの子音文字キーと、長音「ー」や濁点、半濁点、句読点を入力するための長音キーとが含まれている。15個の文字入力キーのうちの10個は、0〜9の10個の数字キーを兼ねており、9個はA〜Zのローマ字キーを兼ねている。
【0023】
図2は、本実施の形態に係るラベルライタ1のブロック図である。ラベルライタ1の制御部5は、CPU11、ROM12、RAM13、CGROM14、および、入出力インターフェイス15などから構成されており、これらはバス16によって相互に接続されている。入出力インターフェイス15には、テープに印刷を施すためのサーマルヘッド22に駆動信号を供給する駆動回路21と、テープ送りモータ24に駆動信号を供給する駆動回路23と、液晶ディスプレイ3に駆動信号を供給する駆動回路(LCDC)26と、カッタースイッチ4と、それぞれ異なるテープを収納したカセットの種類を判別するためのカセット判別センサ28と、キーボード2とが接続されている。
【0024】
ROM(記録媒体)12には、ラベルライタ1の全体の動作を制御する制御プログラムや必要なデータが記憶されている。なお、ROM12に記憶されたのと同様の制御プログラムは、例えばCD−ROMやFD(フロッピー(登録商標)ディスク)などのメディアに格納することも可能である。その場合、本実施の形態のラベルライタ1が入出力インターフェイス15を介して外部のパーソナルコンピュータ(図示せず)と接続され、CD−ROMなどのメディアから読み出された制御プログラムが書き換え可能に構成されたROM(例えばフラッシュメモリ)12に送信されてもよい。
【0025】
RAM13には、ラベルライタの入力モードを指示するモードフラグを記憶するモードフラグ領域13a、入力された文字をコードデータとして記憶するテキスト領域13b、および、作業を行うためのワーク領域13cが設けられている。本実施の形態では、後述するように、電源キーが押下されて電源オンとなってからの文字入力キーの押下パターンによって入力モードがかなめくりモードまたは子音+母音入力モードのいずれかに自動的に決定され、決定された入力モードを指示するフラグがモードフラグ領域13aに記憶される。すなわち、モードフラグ領域13aには、入力モード未決定(0)、かなめくりモード(1)、または、子音+母音入力モード(2)のいずれかを指示するフラグが記憶される。
【0026】
また、CGROM14には、キーボード2上の各キーから入力される各文字のコードデータに対応するドットイメージデータが記憶されている。CGROM14からテキスト領域13bに記憶された文字コードに基づいて読み出されたドットイメージデータは、RAM13のワーク領域13cに転送される。
【0027】
CPU11は、ROM12に記憶された制御プログラムおよびRAM13のモードフラグ領域13aに記憶された文字入力モードに基づいて、キーボード2から入力された文字を決定し、その文字データをテキスト領域13bに格納する。さらに、CPU11は、テキスト領域13bに記憶されたテキストデータに基づいて駆動回路21、23を制御してテープを搬送しつつサーマルヘッド22に所望の文字印刷を施す。
【0028】
液晶ディスプレイ3には、CGROM14から読み出されたドットイメージデータを利用して、テキスト領域13bに格納されたテキストのドットパターンが表示される。また、液晶ディスプレイ3には、かなめくりモードおよび子音+母音入力モードのうち設定されている入力モードがいずれであるかが、モードフラグ領域13aに記憶されたモードフラグに基づいて表示される。
【0029】
次に、本実施の形態のラベルライタ1におけるかなめくりモードおよび子音+母音入力モードでの文字入力規則について、図3を参照して説明する。図3(a)は、かなめくりモードでの文字入力規則を描いた図である。例えば、「き」を入力しようとする場合には「か」キーを2回押下すればよく、「る」を入力しようとする場合には「ら」キーを3回押下すればよい。また、同一キー押下回数が6回以上の場合は、図3(a)と同様の規則に従って入力される文字が循環的に変化する。例えば、「か」キーを7回押下しても「き」を入力することが可能である。また、「を」および「ん」を入力しようとする場合には、それぞれ「わ」キーを2回または3回押下すればよい。また、「い」、「う」、「え」、「お」の4文字は、上述したかなめくり方式に加えて、それぞれに対応したキーを1回押下することによっても入力することが可能である。また、ア行の文字については母音キーだけを押下することによっても入力可能である。
【0030】
図3(b)は、子音+母音入力モードでの文字入力規則を描いた図である。例えば、「き」を入力しようとする場合には「か」キーに続いて「い」キーを押下すればよく、「る」を入力しようとする場合には「ら」キーに続いて「う」キーを押下すればよい。また、ア段の文字については子音キーだけを押下することによっても入力可能である。また、「を」は、子音+母音入力方式に加えて、「わ」キーを2回押下することによっても入力可能である。また、「ん」は、子音+母音入力に当てはまらないので、「わ」キーを3回連続して押下することによってのみ入力可能となっている。
【0031】
なお、上述したように、長音や濁音、半濁音、句読点は長音キーを押下することで入力可能であり、促音および拗音は入力された文字が未確定の状態で小文字キーを押下することで入力可能である。
【0032】
図4(a)に例えばかなめくりモードで「か」キーが押下されたときの液晶ディスプレイ3の表示状態を示す。このとき、液晶ディスプレイ3には、文字「か」が未確定状態の文字として白抜きで表示される。文字が未確定の状態ではさらに「か」キーを連続押下することで、表示される文字は「き」→「く」→「け」→「こ」と順番に変わっていく。そして、所望の文字が表示された段階で確定キーまたは「か」以外の文字入力キーを押下すると、液晶ディスプレイ3に表示されていた文字が確定状態に変化する。一例として、確定状態の文字「か」が液晶ディスプレイ3に表示された状態を図4(b)に示す。なお、未確定状態と確定状態との間に、かな漢字変換キーを押下することによってかな漢字変換を行うことができる変換可能状態が設けられていてもよい。子音+母音入力モードにおいても、ここで説明したのと同様の表示が行われる。入力された文字が未確定状態であるか確定状態であるかは、RAM13の所定領域に個々の文字に対応して記憶されたフラグによって判別されるようになっている。なお、図4(a)、(b)において、「か」の前に表示された「1」は行番号または行数を示す数字である。
【0033】
図5は、ラベルプリンタ1の液晶ディスプレイ3周辺の拡大図である。図5に示すように、ラベルプリンタ1の筐体表面上であって液晶ディスプレイ3の左側に隣接した位置には、「かなめくり」および「子音+母音」という文字列31、32が上下2段に印刷されている。そして、液晶ディスプレイ3内のこれら文字列31、32と相対する位置には、点灯または消灯するインジケータ33、34が設けられている。そして、入力モードが未決定時には、いずれのインジケータ33、34も点灯せず、入力モードがかなめくりモードに設定されている時には「かなめくり」という文字列31に相対したインジケータ33が点灯し、入力モードが子音+母音モードに設定されている時には「子音+母音」という文字列32に相対したインジケータ34が点灯する。これにより、ユーザは現在いずれの入力モードに設定されているかを一目で確認できるようになっている。
【0034】
次に、本実施の形態のラベルライタ1の文字入力に関する動作について、図6〜図9をさらに参照しつつ説明する。図6は、本実施の形態のラベルライタ1の文字入力に関する動作フローチャートである。図7は、図6の入力モード決定ステップの詳細を示すフローチャートである。図8は、図6のかなめくり処理ステップの詳細を示すフローチャートである。図9は、図6の子音+母音処理ステップの詳細を示すフローチャートである。
【0035】
本実施の形態のかかるラベルライタ1を使用するには、まず、ステップS1において、ラベルライタ1の筐体に設けられた電源キーを押圧して電源をオンにする。そして、ステップS2において、次に電源キーが押下されてラベルライタ1の電源がオフにされるまでの間の入力モードをかなめくりモードおよび子音+母音入力モードのいずれかに自動的に決定するための入力モード決定処理が行われる。
【0036】
ステップS2で入力モードが決定されると、ラベルライタ1は、ステップS3においてキーボードの文字入力キーの押下を待機する状態となる。そして、文字入力キーが押下されると、ステップS4に進んで当該押下されたキーが確定キーであるかどうかが判断される。もし確定キーであれば(S4:YES)ステップS5に進み、RAM13のテキスト領域13bに未確定状態の文字データが格納されているかどうかが判断される。そして、未確定状態の文字データがあると判断されると(S5:YES)、ステップS6においてその未確定文字が確定状態に変更されてから、ステップS3に戻る。また、未確定状態の文字データがないと判断されると(S5:NO)、何ら処理を行うことなくステップS3に戻る。
【0037】
また、ステップS4において、当該押下されたキーが確定キーではないと判断されると(S4:NO)、その押下キーに対応した文字データが未確定状態でテキスト領域13bに格納されてからステップS7に進む。ステップS7では、ステップS2で決定された入力モードがかなめくりモードであるかどうかがRAM13のモードフラグ領域13aの状態に基づいて判断される。もし、かなめくりモードであると判断されると(S7:YES)、ステップS8に進んでかなめくりモードにしたがった文字入力処理が行われてから、ステップS3に戻る。また、かなめくりモードではなく子音+母音入力モードであると判断されると(S7:NO)、ステップS9に進んで子音+母音入力モードにしたがった文字入力処理が行われてから、ステップS3に戻る。
【0038】
次に、ステップS2の入力モード決定ステップの詳細を図7に基づいて説明する。入力モード決定ステップでは、まず、ステップS201において、キーボード2によるキー押下の有無および押下されたキーの種類が判断される。押下されたキーの種類は、RAM13の所定領域に記憶される。もし、押下されたキーが確定キーであった場合には(S201:YES)、ステップS202に進んで、前述したRAM13の所定領域に記憶されているフラグのデータに基づいて、RAM13のテキスト領域13bに未確定状態の文字データがあるかどうかが判断される。そして、未確定状態の文字データがあると判断されると(S202:YES)、ステップS203においてその未確定状態の文字データが確定状態に変更されてから、ステップS201に戻る。また、未確定状態の文字データがないと判断されると(S202:NO)、何ら処理を行うことなくステップS201に戻る。
【0039】
また、押下されたキーが確定キーではないとステップS201で判断されると(S201:NO)、ステップS204に進んで、前記ステップS202と同様にRAM13のテキスト領域13bに未確定状態の文字データがあるかどうかが判断される。未確定状態の文字データがない場合は(S204:NO)、ステップS205に進んで押下されたキーに対応する文字データが未確定状態でテキスト領域13bに格納される。また、未確定状態の文字データがある場合は(S204:YES)、ステップS206に進んで、当該未確定状態の文字データが「わ」、「を」、「ん」を示すデータのいずれかであるかどうかが判断される。
【0040】
未確定状態の文字データが「わ」、「を」、「ん」を示すデータのいずれでもない場合は(S206:NO)、ステップS207に進む。ステップS207では、最新に押下されたキーとその直前に押下されたキーとが同じキーであるかどうかが判断される。同じキーではないと判断されると(S207:NO)、ステップS208に進んでテキスト領域13bに記憶された未確定状態の文字データが「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」の各キーのデータのいずれかであって、且つ、押下されたキーがいずれかの母音文字キーであるかどうかが判断される。もし、この条件が満たされている場合(S208:YES)、ステップS209に進む。ステップS209では、上述した子音+母音入力方式にしたがって未確定状態の文字データが変換され且つ確定される。そして、ステップS210に進んで入力モードが子音+母音入力モードに決定され、その旨がRAM13のモードフラグ領域13aに書き込まれることによって、入力モード決定ステップが終了する。
【0041】
例えば、未確定状態の文字データとして「か」のデータが記憶されている状態で母音文字キーである「い」キーが押下されたならば、ステップS201からステップS204、ステップS206、ステップS207、ステップS208、ステップS209と進んで、ステップS209において子音+母音入力方式にしたがって未確定状態の「か」の文字データが「き」の文字データに変換され且つ確定される。そして、ステップS210で入力モードが子音+母音入力モードに決定される。
【0042】
また、ステップS208の条件が満たされない場合(S208:NO)、ステップS211に進む。この場合の具体例としては、未確定状態の文字データが「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」の各母音文字キーに対応するデータのいずれかであって押下されたキーが母音文字キー(ただし、連続して同一キーが押下された場合は除く)または子音文字キーである場合と、未確定状態の文字データが「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」の各母音文字キーに対応するデータのいずれかであって、且つ、押下されたキーがいずれかの子音文字キー(ただし、連続して同一キーが押下された場合は除く)である場合とがある。これらの場合には、ステップS211において未確定状態の文字データが確定され、その代わりに押下キーの文字データが未確定状態の文字データとしてRAM13のテキスト領域13bに格納されてから、ステップS201に戻る。
【0043】
例えば、未確定状態の文字データとして「う」のデータが記憶されている状態で母音文字キーである「え」キー或いは子音文字キーである「さ」キーが押下されたならば、ステップS201からステップS204、ステップS206、ステップS207、ステップS208、ステップS211と進んで、ステップS211において未確定状態であった「う」の文字データが確定状態とされ、押下された「え」或いは「さ」の文字データが未確定状態の文字データとしてRAM13のテキスト領域13bに格納される。
【0044】
また、ステップS207において最新に押下されたキーとその直前に押下されたキーとが同じキーであると判断されると(S207:YES)、ステップS212に進んで、未確定状態の文字データが「い」、「う」、「え」、「お」のいずれかのデータであるかどうかが判断される。もしそうであれば(S212:YES)、ステップS211に進んで上述したのと同様の処理が行われる。また、未確定状態の文字データが「い」、「う」、「え」、「お」のいずれのデータでもなければ(S212:NO)、ステップS213に進んで上述したかなめくり入力方式にしたがって未確定状態の文字データがかなめくり変換される。そして、ステップS214に進んで入力モードがかなめくり入力モードに決定され、その旨がRAM13のモードフラグ領域13aに書き込まれることによって、入力モード決定ステップが終了する。
【0045】
例えば、未確定状態の文字データとして「た」のデータが記憶されている状態で「た」キーが押下されたならば、ステップS201からステップS204、ステップS206、ステップS207、ステップS212、ステップS213と進んで、ステップS213においてかなめくり入力方式にしたがって未確定状態の「た」の文字データが「ち」の文字データに変換される。そして、ステップS214で入力モードがかなめくり入力モードに決定される。
【0046】
一方、ステップS206で未確定状態の文字データが「わ」、「を」、「ん」のいずれかのデータであると判断された場合は(S206:YES)、ステップS215に進む。ステップS215では、未確定状態の文字データの種類および押下されたキーの種類の組合せが判断される。すなわち、ステップS215において、未確定状態の文字データが「わ」のデータであって且つ押下キーが「あ」キーまたは「お」キーであると判断されるとステップS216に進み、押下キーが「わ」キーであると判断されると未確定状態の文字データが「わ」、「を」、「ん」のいずれのデータであるかに拘わらずステップS217に進み、押下キーが「わ」キー以外であると判断されると未確定状態の文字データが「わ」、「を」、「ん」のいずれのデータであるかに拘わらずステップS218に進む。
【0047】
ステップS216では、押下キーが「あ」キーであるか或いは「お」キーであるかに応じて、未確定状態の文字データをそれぞれ「わ」或いは「を」のデータに変換して確定する。そして、ステップS219に進んで入力モードが子音+母音入力モードに決定され、その旨がRAM13のモードフラグ領域13aに書き込まれることによって、入力モード決定ステップが終了する。
【0048】
また、ステップS217では、「わ」→「を」→「ん」の順番で循環的にかなめくり処理が行われ、その後ステップS210に戻る。また、ステップS218では、未確定状態の文字データが確定状態に変更され、その代わりに押下されたキーの文字データが未確定状態の文字データとしてRAM13のテキスト領域13bに格納されてから、ステップS201に戻る。
【0049】
例えば、未確定状態の文字データとして「を」のデータが記憶されている状態で「う」キー或いは「な」キーが押下されたならば、ステップS201からステップS204、ステップS206、ステップS215、ステップS218と進んで、ステップS218において未確定状態であった「を」の文字データが確定状態とされ、押下された「う」或いは「な」の文字データが未確定状態の文字データとしてRAM13のテキスト領域13bに格納される。
【0050】
なお、ステップS218において、未確定状態の文字データが「わ」を表すデータで且つ押下キーが「い」、「う」、「え」のいずれかのキーであるときには、押下キーが無効であると判断して未確定状態の文字データを確定せず、そのままステップS201に戻るようにしてもよい。
【0051】
このように、本実施の形態では、電源キーを押下した後の最初のキー入力操作パターンに基づいて入力モードがかなめくりモードまたは子音+母音入力モードのいずれかに自動的に決定される。そのため、ユーザが入力モードをマニュアル操作で入力するという煩雑さがない。そして、入力モードが一旦決定されるとそれ以降は次に電源が切られて再び電源がオンになるまで入力モード決定処理を行う必要がなく、決定された入力モードにしたがって文字入力が行われるので迅速な文字入力を実現することが可能である。
【0052】
次に、ステップS8のかなめくり処理ステップの詳細を図8に基づいて説明する。かなめくり処理ステップでは、まず、ステップS801において、RAM13のテキスト領域13bに当該キー押下が行われる以前に未確定状態の文字データが既にあったかどうかが判断される。未確定状態の文字データがあった場合(S801:YES)、ステップS802に進み、最新に押下されたキーとその直前に押下されたキーとが同じキーであるかどうかが判断される。同じキーであると判断されると(S802:YES)、ステップS803に進んで上述したかなめくり入力方式により既存の未確定状態の文字データが変更されてかなめくり処理ステップが終了する。また、同じキーではないと判断されると(S802:NO)、ステップS804に進んで既存の未確定状態の文字データがそのまま確定状態に変更され、その後、ステップS805に進む。
【0053】
一方、ステップS801で未確定状態の文字データがないと判断されると(S801:NO)、ステップS805に進み、押下されたのが「い」、「う」、「え」、「お」のいずれかのキーであるかどうかが判断される。もしこれらのいずれかであれば(S805:YES)、ステップS806に進んで当該押下されたキーに係る文字データが確定状態で液晶ディスプレイ3に表示され、そしてステップS3に戻る。また、押下されたのが「い」、「う」、「え」、「お」以外のキーであれば、ステップS807において当該押下されたキーに係る文字データが未確定状態で液晶ディスプレイ3に表示され、そしてステップS3に戻る。
【0054】
次に、ステップS9の子音+母音処理ステップの詳細を図9に基づいて説明する。子音+母音処理ステップでは、まず、ステップS901において、押下されたキーが子音文字キー、つまり、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」のいずれかのキーであるかどうかが判断される。そして、押下されたのが子音文字キーである場合には(S901:YES)、ステップS902に進んで、RAM13のテキスト領域13bに当該キー押下が行われる以前に未確定状態の文字データが既にあったかどうかが判断される。未確定状態の文字データがなかった場合(S902:NO)、ステップS903に進んで、当該押下されたキーに係る文字データが未確定状態で液晶ディスプレイ3に表示され、そしてステップS3に戻る。
【0055】
また、未確定状態の文字データがあったとステップS902で判断された場合(S902:YES)、ステップS904に進んで、当該未確定状態の文字データが「わ」、「を」、「ん」のいずれかのデータであるかどうかが判断される。未確定状態の文字データが「わ」、「を」、「ん」のいずれのデータでもない場合は(S904:NO)、ステップS905に進んで既存の未確定状態の文字データがそのまま確定状態に変更され、その後、ステップS903に進む。また、未確定状態の文字データが「わ」、「を」、「ん」のいずれかのデータであるとステップS904で判断されると(S904:YES)、ステップS906に進んで押下されたのが「わ」キーであるかどうかが判断される。押下されたのが「わ」キーである場合(S906:YES)、ステップS907に進んで「わ」→「を」→「ん」の順番で循環的にかなめくり処理を行ってからステップS3に戻る。また、押下されたのが「わ」キーではない場合(S906:NO)、ステップS905に進んで上述したような動作が行われる。
【0056】
一方、押下されたキーが子音文字キーではない(つまり母音文字キーである)とステップS901で判断されると(S901:NO)、ステップS908に進んで、RAM13のテキスト領域13bに当該キー押下が行われる以前に未確定状態の文字データが既にあったかどうかが判断される。未確定状態の文字データがなかった場合(S908:NO)、ステップS909に進んで、当該押下されたキーに係る文字データが確定状態で液晶ディスプレイ3に表示され、そしてステップS3に戻る。
【0057】
また、未確定状態の文字データがあったとステップS908で判断された場合(S908:YES)、ステップS910に進んで、当該未確定状態の文字データが「を」、「ん」のいずれかのデータであるかどうかが判断される。未確定状態の文字データが「を」、「ん」のいずれかのデータであれば(S910:YES)、ステップS911に進んで既存の未確定状態の文字データがそのまま確定状態に変更され、その後、ステップS909に進んで上述したのと同様の処理が行われる。また、未確定状態の文字データが「を」、「ん」のいずれのデータでもない場合は(S910:NO)、ステップS912に進んで当該未確定状態の文字データが「わ」であるかどうかが判断される。
【0058】
未確定状態の文字データが「わ」ではない場合は(S912:NO)、ステップS913に進んで上述した子音+母音入力方式によって既存の未確定状態の文字データが変換されて確定状態に変更され、その後、ステップS3に戻る。また、未確定状態の文字データが「わ」である場合(S912:YES)、ステップS914に進んで押下されたキーが「い」、「う」、「え」のいずれかのキーであるかどうかが判断される。押下されたキーが「い」、「う」、「え」のいずれかのキーである場合(S914:YES)、誤入力が行われたとしてその押下が無効にされてステップS3に戻る。また、押下されたキーが「い」、「う」、「え」のいずれのキーでもない場合(S914:NO)、「わ」キー+「あ」キー或いは「わ」キー+「お」キーが連続して押下されたことになるので、ステップS913において、未確定状態の文字キーが子音+母音入力方式によってそれぞれ「わ」或いは「を」に変換され、確定状態で表示されてステップS3に戻る。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態のラベルライタ1は、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」の5つの母音文字キーと、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」の9つの子音文字キーという比較的少数のキーが配列された小型のキーボードを用いて日本語入力を行うことができるものであって、非常にコンパクトである。
【0060】
また、本実施の形態のラベルライタ1は、かなめくりモードおよび子音+母音入力モードの2つの入力モードを有しているので、用途や使用条件に応じて、1つの子音を入力するための必要キー押下回数が少ない子音+母音入力モードおよび入力手順が直感的で分かりやすいかなめくりモードのいずれにも対応することができるという利点を有している。
【0061】
以上、本発明の好適な一実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述の実施の形態では電源キーを押下してからの最初のキー入力操作パターンに基づいて入力モードを決定し、電源がオフになるまで入力モードを固定していたが、電源オン期間内のキー入力パターンの変化を感知して自動的に入力モードを変更するようにしてもよい。そのためには、図7で説明した入力モード決定ステップにおいてステップS210、S214、S219のモード決定ステップを行わず、電源オン期間内は常に図7で示された処理を行うようにすればよい。このようにすることで、入力モードの変更を希望する場合には、ユーザは一旦電源をオフにする必要なく他方の入力モードにいつでも切り換えることができるようになる。また、上述の実施の形態はラベルライタを例にして説明したが、本発明は携帯電話機などの日本語入力を行う機器であればどのような機器にも適用することが可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、比較的少数のキーが配列された小型のキーボードを用いて文字入力することが可能となるとともに、用途や使用条件に応じて、1つの子音を入力するための必要キー押下回数が少ない第1の入力モードおよび入力手順が直感的で分かりやすい第2の入力モードのいずれにも対応することが可能となる。
【0063】
さらに、文字入力を開始する際に事前に入力モードを自分でマニュアル操作で設定しなければならないという煩雑さがなく、ユーザに入力モードを意識させることなく自分の慣れ親しんだモードで日本語入力を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るラベルライタの正面図である。
【図2】図1に示すラベルライタのブロック図である。
【図3】図1のラベルライタにおけるかなめくりモードおよび子音+母音入力モードでの文字入力規則について説明するための図である。
【図4】図1に示すラベルライタにおいて未確定状態および確定状態で表示された文字を描いた図である。
【図5】図1に示すラベルプリンタの液晶ディスプレイ周辺の拡大図である。
【図6】図1のラベルライタの文字入力に関する動作フローチャートである。
【図7】図6の入力モード決定ステップの詳細を示すフローチャートである。
【図8】図6のかなめくり処理ステップの詳細を示すフローチャートである。
【図9】図6の子音+母音処理ステップの詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ラベルライタ
2 キーボード
3 液晶ディスプレイ
4 カッタースイッチ
5 制御部
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 CGROM
15 入出力インターフェイス
16 バス
Claims (1)
- 「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」にそれぞれ対応する5つの母音文字キーと、
「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」にそれぞれ対応する9つの子音文字キーとを備えており、
子音文字キーと母音文字キーとが連続して押下されたときにその組合せに基づいて入力される子音が決定される第1の入力モード、および、同一の子音文字キーの連続押下回数に基づいて入力される子音が決定される第2の入力モードの2つの入力モードを有し、
前記第1の入力モードおよび前記第2の入力モードのうち使用される入力モードが、ユーザによる所定キー押下後の前記第1及び第2の入力モードの一方のモードにしたがった最初のキー入力操作のパターンに基づいて、自動的に決定されることを特徴とする日本語入力装置。
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