JP4491769B2 - エバポガスパージシステムのリーク診断装置 - Google Patents

エバポガスパージシステムのリーク診断装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンク内の燃料が蒸発して生じたエバポガス(燃料蒸発ガス)を内燃機関の吸気系にパージ(放出)するエバポガスパージシステムのリーク診断を行うエバポガスパージシステムのリーク診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エバポガスパージシステムにおいては、燃料タンク内から発生するエバポガスが大気中に漏れ出すことを防止するため、燃料タンク内のエバポガスをエバポ通路を通してキャニスタ内に吸着すると共に、このキャニスタ内に吸着されているエバポガスを内燃機関の吸気系へパージするパージ通路の途中にパージ制御弁を設け、内燃機関の運転状態に応じてパージ制御弁の開閉を制御することによって、キャニスタから吸気系へパージするエバポガスのパージ流量を制御するようになっている。このエバポガスパージシステムから大気中にエバポガスが漏れる状態が長期間放置されるのを防止するために、エバポガスの漏れを早期に検出する必要がある。
【0003】
そこで、燃料タンク内の圧力(以下「タンク内圧」という)を検出する圧力センサを設け、パージ制御弁を閉弁して、パージ制御弁から燃料タンクまでのエバポ系を密閉した状態で、タンク内圧(エバポ系の圧力)の変化量を測定し、このタンク内圧の変化量をリーク判定値と比較することで、エバポ系のリーク(漏れ)の有無を診断するようにしたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、自動車用の燃料タンクにおいては、耐劣化性(耐腐食性)を向上させるために、金属製の燃料タンクに代えて、樹脂製の燃料タンクを採用したものが増加しつつある。しかし、一般に、樹脂製の燃料タンクは、従来の金属製の燃料タンクに比べて強度が低くなるため、エバポ系を密閉状態にしたリーク診断中に、燃料タンク内のエバポガス発生に伴うタンク内圧の上昇や温度低下に伴うタンク内圧の下降によってタンク内圧と大気圧(外気圧)との圧力差が大きくなり過ぎると、その圧力差がある限界の圧力を越えた時点で、タンク内圧の上昇により燃料タンクの壁面が外側に膨れるように変形したり、負圧増大時には燃料タンクの壁面が内側に凹むように変形する現象が発生する。リーク診断中に、このような燃料タンクの変形が発生すると、燃料タンクの容積が急変してタンク内圧が急変するため、その圧力変化の影響を受けてリークの有無を誤診断してしまうおそれがある。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、リーク診断期間中に樹脂製の燃料タンク内外の圧力差で生じる燃料タンクの変形によるリークの誤診断を防止することができ、リーク診断の信頼性を向上することができるエバポガスパージシステムのリーク診断装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1は、樹脂製の燃料タンクを有するエバポガスパージシステムのリーク診断装置において、リーク診断手段によるリーク診断中に内圧検出手段で検出したエバポ系の圧力が急変したときに、リーク診断中止手段によってリーク診断を中止することを第1の特徴とし、更に、リーク診断中に内圧制限手段によりエバポ系の圧力の上昇を所定の内圧制限値で制限すると共に、燃料タンク内の温度又はその周辺の温度又はそれらに関連する情報を温度判定手段により判定し、その温度に基づいて内圧制限値を変化させることを第2の特徴とするものである。このようにすれば、リーク診断期間中に燃料タンク内外の圧力差によって燃料タンクが変形してエバポ系の圧力(タンク内圧)が急変したときに、リーク診断を中止することができるので、燃料タンクの変形による圧力変化の影響を受けてリークの有無を誤診断してしまうことを未然に防止することができ、リーク診断の信頼性を向上することができる。
【0007】
この場合、請求項のように、リーク診断中に内圧制限手段によりエバポ系の圧力の上昇を所定の内圧制限値で制限すると共に、燃料タンク内の温度又はその周辺の温度又はそれらに関連する情報を温度判定手段により判定し、その温度に基づいて内圧制限値を変化させるようにすれば、燃料タンク内又はその周辺の温度に応じてエバポガス発生量(エバポ系の圧力上昇量)や燃料タンクの強度特性が変化するのに対応して内圧制限値を変化させて、エバポ系の圧力を燃料タンクの変形が発生しないような圧力範囲内に制限することができる。
【0008】
また、請求項2,3のように、リーク診断中にエバポ系の圧力を所定の内圧制限値で制限しても、リーク診断中にエバポ系の圧力が急変したとき(燃料タンクの変形が発生したとき)には、内圧制限値を大気圧に近付ける方向に補正するようにしても良い。このようにすれば、内圧制限値(正圧及び/又は負圧)を実際に燃料タンクの変形が発生した圧力よりも小さい圧力(大気圧方向側の圧力)に補正することができるので、次回のリーク診断時には、補正された内圧制限値によってエバポ系の圧力を燃料タンクの変形が発生しない圧力範囲内に確実に制限することができ、燃料タンクの変形を確実に防止することができる。
【0009】
更に、請求項4のように、リーク診断中に、大気開閉弁及びパージ制御弁を閉弁してエバポ系を密閉状態に維持する場合、燃料タンクの変形によるエバポ系の圧力急変を検出してリーク診断を中止するときに、大気開閉弁とパージ制御弁の少なくとも一方を開弁してエバポ系の密閉状態を解除すると良い。このようにすれば、燃料タンクの変形発生時に、エバポ系の密閉状態を直ちに解除してエバポ系内の圧力を速やかに大気圧に近付けて、燃料タンクに掛かる圧力荷重を速やかに軽減することができる。
【0010】
また、請求項5のように、エバポ系を密閉且つ正圧状態に維持したときに内圧検出手段で検出したエバポ系の圧力に基づいてエバポ系のリークの有無を診断する場合は、リーク診断中に内圧検出手段で検出したエバポ系の圧力の変化速度が所定値よりも低下し急変したときに該リーク診断を中止するようにしても良い
【0012】
【発明の実施の形態】
[実施形態(1)]
以下、本発明の実施形態(1)を図1乃至図7に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエバポガスパージシステムの構成を説明する。燃料タンク11は樹脂で形成され、この燃料タンク11に、エバポ通路12を介してキャニスタ13が接続されている。このキャニスタ13内には、エバポガス(燃料蒸発ガス)を吸着する活性炭等の吸着体(図示せず)が収容されている。また、キャニスタ13の底面部の大気連通路には、後述する省電力型の大気開閉弁14(CCV)が取り付けられている。
【0013】
一方、キャニスタ13とエンジン吸気系との間には、キャニスタ13内の吸着体に吸着されているエバポガスをエンジン吸気系にパージ(放出)するためのパージ通路15が設けられ、このパージ通路15の途中に、パージ流量を制御するパージ制御弁16が設けられている。このパージ制御弁16は、常閉型の電磁弁により構成され、通電をデューティ制御することで、キャニスタ13からエンジン吸気系へのエバポガスのパージ流量を制御するようになっている。
【0014】
また、燃料タンク11には、その内圧を検出するタンク内圧センサ17(内圧検出手段)が設けられている。燃料タンク11内からパージ制御弁16までのエバポ系が密閉されているときには、燃料タンク11の内圧とエバポ系の他の部位の内圧が一致するため、タンク内圧センサ17により燃料タンク11の内圧(以下「タンク内圧」という)を検出することで、エバポ系の圧力を検出することができる。
【0015】
燃料タンク11には、燃料残量を検出する燃料レベルセンサ18と燃料温度を検出する燃料温度センサ26が設けられている。その他、エンジン冷却水温を検出する水温センサ19、吸気温を検出する吸気温センサ20等の各種のセンサが設けられている。
【0016】
これら各種のセンサの出力は、制御回路21に入力される。この制御回路21の電源端子には、メインリレー22を介して車載バッテリ(図示せず)から電源電圧が供給される。この他、大気開閉弁14、パージ制御弁16、タンク内圧センサ17及び燃料レベルセンサ18に対しても、メインリレー22を介して電源電圧が供給される。メインリレー22のリレー接点22aを駆動するリレー駆動コイル22bは、制御回路21のメインリレーコントロール端子に接続され、このリレー駆動コイル22bに通電することで、リレー接点22aがオン(ON)して、制御回路21、大気開閉弁14、パージ制御弁16、タンク内圧センサ17及び燃料レベルセンサ18に電源電圧が供給される。そして、リレー駆動コイル22bへの通電をオフ(OFF)することで、リレー接点22aがOFFして、制御回路21等への電源供給がOFFされる。制御回路21のキーSW端子には、イグニッションスイッチ(以下「IGスイッチ」)23のON/OFF信号が入力される。また、制御回路21には、バックアップ電源24と、このバックアップ電源24を電源として計時動作するソークタイマ25が内蔵されている。このソークタイマ25は、エンジン停止後(IGスイッチ23のOFF後)に計時動作を開始してエンジン停止後の経過時間を計測する。
【0017】
次に、図2及び図3に基づいて省電力型の大気開閉弁14の構成を説明する。
大気開閉弁14のハウジング29の下部には、キャニスタ13側に接続されるキャニスタポート30と、大気圧側(エアフィルタ等)に接続される大気ポート31とが設けられている。この大気ポート31とキャニスタポート30とをつなぐ通路が特許請求の範囲でいう大気連通路に相当する。キャニスタポート30の上方には、円板状の弁部材32が、その外周部を複数本のガイドピン33に案内されて上下動するように設けられ、この弁部材32がキャニスタポート30の開口周縁部に形成された弁座34を開閉するようになっている。この弁部材32は、円板状の第1マグネット35を樹脂モールドして形成され、第1スプリング36によって開弁方向(上方)に付勢されている。弁部材32の下面には、閉弁時に弁座34との密着性を高めるためのゴムシート37が装着されている。
【0018】
一方、ハウジング29の上部には、樹脂製のスプール38に巻回されたソレノイドコイル39が収納され、スプール38の上側内径部に、ステータコア40が嵌着されている。一方、スプール38の下側内径部には、円柱状のムービングコア41が上下動自在に嵌入されている。ムービングコア41は、第2マグネット42を樹脂モールドして形成されている。ムービングコア41とステータコア40との間には、第2スプリング43が介在され、この第2スプリング43によってムービングコア41が下方に付勢されている。
【0019】
ムービングコア41の下端部外周に設けられた鍔部44には、ゴム等の弾性体で形成されたダイヤフラム45の内側周縁部が嵌着されている。このダイヤフラム45の外側周縁部は、ハウジング29の内周部に固定されている。このダイヤフラム45によってハウジング29内の空間が上下に仕切られることで下側の第1圧力室46と上側の第2圧力室47とが形成されている。キャニスタポート30と大気ポート31は、弁部材32の開弁時に第1圧力室46を介して連通される。また、キャニスタポート30は、圧導入路48を介して第2圧力室47と連通している。
【0020】
一方、ハウジング29の上部には、ソレノイドコイル39に通電するためのコネクタ49が設けられている。また、ソレノイドコイル39を囲むように、磁気回路を構成するヨーク50とマグネティックプレート51が設けられ、ソレノイドコイル39の通電方向を切り換えることで、ムービングコア41の第2マグネット42とステータコア40との間に作用する力の方向(吸引力/反発力)を切り換えてムービングコア41の駆動方向(上方/下方)を切り換えることができるようになっている。
【0021】
ムービングコア41の上限位置は、ムービングコア41の鍔部44がストッパ部52に当接することで規制され、ムービングコア41の上方駆動時にムービングコア41がステータコア40に衝突するのを防止するようにしている。また、弁部材32の第1マグネット35とムービングコア41の第2マグネット42は同極(図1、図2ではN極)が対向するように配置され、両マグネット35,42間に反発力が作用するようになっている。
【0022】
図4(a)に示すように、初期状態では、ムービングコア41は、第2マグネット42とステータコア40との間に作用する磁気吸引力で上方位置に保持され、弁部材32は、第1スプリング36のばね力で上方位置に保持されて開弁状態に維持される。
【0023】
図4(b)に示すように、ソレノイドコイル39に通電してムービングコア41の第2マグネット42とステータコア40との間に磁気反発力を作用させると、ムービングコア41(第2マグネット42)が下降して、両マグネット35,42間に作用する磁気反発力で弁部材32(第1マグネット35)が下降して閉弁する。ソレノイドコイル39の通電を継続すれば、エバポ系内が正圧か負圧か(キャニスタポート30側が正圧か負圧か)に拘らず、弁部材32を閉弁状態に保持することができる。
【0024】
この状態で、エバポ系内が大気圧よりも低くなって負圧となると、キャニスタポート30側が負圧となるが、大気ポート31に連通した第1圧力室46側は、ほぼ大気圧となっている。これにより、弁部材32の閉弁方向に作用する力が更に大きくなる。また、キャニスタポート30から圧導入路48を通じて第2圧力室47に負圧が導入される。
【0025】
その後、ソレノイドコイル39の通電を停止すると、図4(c)に示すように電磁駆動力が減じられてムービングコア41(第2マグネット42)が、やや上昇する。これにより、両マグネット35,42間に作用する磁気反発力が低下する分、弁部材32の閉弁方向に作用する力が低下するが、エバポ系内の負圧(キャニスタポート30側の負圧)が所定値よりも大きければ、弁部材32の閉弁方向に作用する力の方が優勢となって弁部材32が閉弁状態に保持される。
【0026】
一方、図4(d)に示すように、ソレノイドコイル39に、閉弁時とは逆方向に通電してムービングコア41(第2マグネット42)とステータコア40との間に吸引力を作用させると、ムービングコア41(第2マグネット42)が上昇して、弁部材32(第1マグネット35)が、両マグネット35,42間に作用する磁気反発力から解放されて開弁して、キャニスタ13内が大気に連通した状態となる。
【0027】
制御回路21は、マイクロコンピュータを主体として構成され、そのROM(記憶媒体)に記憶された燃料噴射制御ルーチン、点火制御ルーチン及びパージ制御ルーチンを実行することで、燃料噴射制御、点火制御及びパージ制御を行う。更に、この制御回路21は、ROMに記憶された図5に示すリーク診断ルーチンを実行することで、エンジン停止後(IGスイッチ23のOFF後)に、大気開閉弁14及びパージ制御弁16を閉弁してエバポ系を密閉状態に維持し、そのときのタンク内圧(エバポ系の圧力)に基づいてリークの有無を診断する。そして、リーク診断中に燃料タンク11の変形によってタンク内圧が急変したか否かを判定し、リーク診断中に燃料タンク11の変形(タンク内圧の急変)が発生したと判定された場合には、リーク診断を中止する。
【0028】
また、制御回路21はROMに記憶された図6に示すメインリレー制御ルーチンを実行することで、エンジン運転停止後にリーク診断を実行する際に必要な部品(制御回路21、大気開閉弁14等)に電源電圧を供給する。
【0029】
ここで、エンジン停止後のリーク診断の手法を説明する。エンジン停止後(IGスイッチ23のOFF後)に、直ちにパージ制御弁16を閉弁し、且つ大気開閉弁14を閉弁してエバポ系を密閉する。エンジン停止直後は、排気系の温度が高いため、その熱で燃料タンク11内の燃料温度がエバポガスの発生しやすい温度に保たれてエバポガスの発生量が多くなるため、エンジン停止直後にエバポ系を密閉すれば、リーク無しの場合にエバポガスの発生によるタンク内圧上昇量(エバポ系の圧力上昇量)が大きくなる。その後、燃料タンク11が外気で冷やされて燃料タンク11内のエバポガスが凝縮(液化)し始めると、リークが無ければ、時間経過に伴ってエバポ系の圧力が負圧(大気圧以下)になる。
【0030】
一方、リーク有りの場合は、エバポ系を密閉しても、エバポ系のリーク孔からエバポガスが大気中に漏れたり、負圧時にはリーク孔から大気がエバポ系内に吸入されるため、エバポ系密閉後のタンク内圧(エバポ系の圧力)が大気圧から大きく正圧側に上昇したり負圧側に下降したりすることなく、比較的短い時間でタンク内圧が大気圧付近に収束する。
【0031】
このような特性を考慮して、リーク診断期間中に、タンク内圧センサ17によりゲージ圧(大気圧基準)で検出したタンク内圧Pt (ゲージ圧=絶対圧−大気圧)を、所定の正圧側判定値Pt1及び所定の負圧側判定値−Pt2と比較し、タンク内圧Pt が正圧側判定値Pt1よりも高くなったとき、又は、タンク内圧Pt が負圧側判定値−Pt2よりも低くなったときには、リーク無し(正常)と判定する。一方、タンク内圧Pt が正圧側判定値Pt1よりも高くなることなく、且つ、タンク内圧Pt が負圧側判定値−Pt2よりも低くなることなくリーク診断期間が終了した場合には、リーク有り(異常)と判定する。
【0032】
ところで、一般に、樹脂製の燃料タンク11は、従来の金属製の燃料タンクに比べて強度が低くなるため、エバポ系を密閉状態にしたリーク診断中に、タンク内圧と大気圧(外気圧)との圧力差が大きくなり過ぎると、その圧力差がある限界の圧力を越えた時点で、タンク内圧の上昇により燃料タンク11の壁面が外側に膨れるように変形したり、負圧増大時には燃料タンク11の壁面が内側に凹むように変形する現象が発生する。リーク診断中に、このような燃料タンク11の変形が発生すると、燃料タンク11の容積が急変してタンク内圧が急変するため、その圧力変化の影響を受けてリークの有無を誤診断するおそれがある。
【0033】
そこで、本実施形態(1)では、リーク診断中に、燃料タンク11が変形したか否かを、タンク内圧が急変したか否かによって判定し、燃料タンク11が変形した(タンク内圧が急変した)ときには、リーク診断を中止して、燃料タンク11の変形による圧力変化の影響を受けてリークの有無を誤診断してしまうことを防止する。
【0034】
以上説明したエバポ系のリーク診断は、図5のリーク診断ルーチンによって次のようにして実行される。図5のリーク診断ルーチンは、制御回路21の電源供給中(メインリレー22のON時)に周期的に実行され、次のようにしてエンジン停止後にエバポ系のリーク診断を実行する。本ルーチンが起動されると、まずステップ101で、エンジン停止後(IGスイッチ23のOFF後)であるか否かを判定し、エンジン運転中であれば、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
【0035】
一方、上記ステップ101で、エンジン停止後(IGスイッチ23のOFF後)と判定されれば、次のステップ102に進み、リーク診断実行条件が成立しているか否かを判定する。このリーク診断実行条件としては、例えば、燃料温度センサ26で検出した燃料温度がエバポガスの発生しやすい所定温度以上であることであり、燃料温度が所定温度以上であれば、リーク診断実行条件が成立する。
【0036】
尚、このリーク診断実行条件の判定は、燃料温度の代わりに、燃料温度に相関するパラメータ、例えば、エンジン停止前の走行履歴(走行時間、走行距離)、エンジン運転状態(冷却水温等)を用いても良い。例えば、走行時間が所定時間以上、又は走行距離が所定値以上であるときに、リーク診断実行条件が成立するようにしても良い。
【0037】
上記ステップ102で、燃料温度が所定温度未満で、リーク診断実行条件が成立しないと判定されれば、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。一方、燃料温度が所定温度以上で、リーク診断実行条件が成立していると判定されれば、ステップ103以降のリーク診断処理を次のようにして実行する。まず、ステップ103で、大気開閉弁14を閉弁し、次のステップ104で、パージ制御弁16を閉弁してエバポ系を密閉する。
【0038】
この後、ステップ105に進み、タンク内圧センサ17の出力信号を読み込んで今回のタンク内圧Pt を検出する。この際、タンク内圧Pt は、大気圧を基準にして検出したゲージ圧(=絶対圧−大気圧)が用いられる。この後、ステップ106に進み、演算周期当たり(又は所定時間当たり)のタンク内圧変化量ΔPt の絶対値が所定の判定値Kよりも大きいか否かによってタンク内圧Pt が急変したか否か(燃料タンク11が変形したか否か)を判定する。
【0039】
このステップ106で「No」と判定された場合(タンク内圧Pt が急変していないと判定された場合)には、ステップ107で、タンク内圧Pt が所定の正圧側判定値Pt1よりも高いか否かを判定し、次のステップ108で、タンク内圧Pt が所定の負圧側判定値−Pt2よりも低いか否かを判定する。これらの判定値Pt1,−Pt2は、演算処理の簡略化のために固定値としても良いが、燃料タンク11内の燃料残量及び/又は燃料温度に応じてマップ等により変化させるようにしても良い。
【0040】
ステップ107で「Yes」と判定された場合(タンク内圧Pt が正圧側判定値Pt1よりも高いと判定された場合)、又は、ステップ108で「Yes」と判定された場合(タンク内圧Pt が負圧側判定値−Pt2よりも低いと判定された場合)には、ステップ111に進み、リーク無し(正常)と判定して、正常コードを制御回路21のバックアップRAM(図示せず)に記憶した後、ステップ113に進み、大気開閉弁14を開弁してエバポ系の密閉状態を解除してリーク診断を終了する。
【0041】
これに対して、ステップ107とステップ108で共に「No」と判定された場合(つまりタンク内圧Pt が正圧側判定値Pt1と負圧側判定値−Pt2の範囲内にある場合)には、ステップ109に進み、リーク診断開始後の経過時間が所定時間を越えたか否かを、ソークタイマ25の計測時間(エンジン停止後の経過時間)が所定時間を越えたか否かによってを判定し、リーク診断開始後の経過時間が所定時間を越えていなければ、そのまま本ルーチンを終了する。
【0042】
その後、ステップ107又はステップ108で「Yes」と判定されることなく、ステップ109でリーク診断開始後の経過時間が所定時間を越えたと判定された場合(つまりタンク内圧Pt が正圧側判定値Pt1と負圧側判定値−Pt2との範囲内にある状態が所定時間以上継続した場合)には、ステップ110に進み、リーク有り(異常)と判定して、警告ランプ27を点灯して運転者に警告すると共に、異常コードを制御回路21のバックアップRAMに記憶した後、ステップ113に進み、大気開閉弁14を開弁してエバポ系の密閉状態を解除してリーク診断を終了する。上記ステップ103〜111,113の処理が特許請求の範囲でいうリーク診断手段としての役割を果たす。
【0043】
一方、リーク診断中に、上記ステップ106で「Yes」と判定された場合には、燃料タンク11の変形によってタンク内圧Pt が急変したと判断して、ステップ112に進み、リーク診断を中止すると共に燃料タンク変形フラグをセットした後、ステップ113に進み、大気開閉弁14を開弁してエバポ系の密閉状態を解除する。このステップ112,113の処理が特許請求の範囲でいうリーク診断中止手段としての役割を果たす。
【0044】
一方、図6のメインリレー制御ルーチンは、所定時間毎に実行され、次のようにしてメインリレー22のON/OFFを制御する。本ルーチンが起動されると、まずステップ201で、IGスイッチ23がONされているか否か、つまりエンジン運転中であるか否かを判定し、IGスイッチ23がON状態(エンジン運転中)であれば、ステップ205に進み、メインリレー22をON状態に維持して、制御回路21、大気開閉弁14、パージ制御弁16、タンク内圧センサ17等に電源電圧を供給する。
【0045】
その後、IGスイッチ23がONからOFFに切り換えられた時点で、ステップ201で「No」と判定されてステップ202に進み、前記図5のリーク診断ルーチンによってリーク診断を実行している途中であるか否かを判定し、リーク診断を実行していなければ、ステップ204に進み、メインリレー22をOFFして、制御回路21、大気開閉弁14、パージ制御弁16、タンク内圧センサ17等への電源供給を遮断する。
【0046】
これに対し、上記ステップ202で、リーク診断実行中であると判定された場合は、ステップ203に進み、電源電圧がエンジン始動性を確保できる所定電圧よりも高いか否かを判定し、電源電圧が所定電圧以下であれば、ステップ204に進み、リーク診断の途中であっても、メインリレー22をOFFして、制御回路21、大気開閉弁14等への電源供給を遮断してリーク診断を中止し、バッテリの消耗を防ぐ。
【0047】
一方、電源電圧が所定電圧よりも高ければ、ステップ205に進み、IGスイッチ23のOFF後(エンジン停止後)であっても、メインリレー22をON状態に維持して、リーク診断の継続に必要な部品(制御回路21、大気開閉弁14等)への電源供給を継続する。そして、このリーク診断が終了した時点で、ステップ202で「No」と判定されて、ステップ204に進み、メインリレー22をOFFして、制御回路21、大気開閉弁14等への電源供給を遮断する。
【0048】
以上説明した本実施形態(1)のリーク診断の実行例を図7のタイムチャートに基づいて説明する。IGスイッチ23がOFFされて(エンジンが停止されて)リーク診断実行条件が成立した時点で、大気開閉弁14を閉弁すると共に、パージ制御弁16を閉弁してエバポ系を密閉し、リーク診断を開始する。リーク診断中は、タンク内圧Pt を正圧側判定値Pt1及び負圧側判定値Pt2と比較してリークの有無を判定する。
【0049】
このリーク診断中に、燃料タンク11内外の圧力差によって燃料タンク11が変形すると、燃料タンク11の容積が急変してタンク内圧が急変するため、図7に破線で示す比較例のように、リーク診断を続行すると、燃料タンク11の変形による圧力変化の影響を受けてリークの有無を誤診断する可能性がある。
【0050】
これに対して、図7に実線で示す本実施形態(1)では、リーク診断中に、燃料タンク11が変形したか否かをタンク内圧Pt が急変したか否かによって判定し、燃料タンク11が変形した(タンク内圧が急変した)ときには、リーク診断を中止する。これにより、燃料タンク11の変形による圧力変化の影響を受けてリークの有無を誤診断してしまうことを未然に防止することができ、リーク診断の信頼性を向上することができる。
【0051】
しかも、本実施形態(1)では、燃料タンク11の変形(タンク内圧の急変)を検出してリーク診断を中止する際に、大気開閉弁14を開弁してエバポ系の密閉状態を解除するようにしたので、燃料タンク11の変形発生時に、エバポ系の密閉状態を直ちに解除してエバポ系内の圧力を速やかに大気圧に近付けて、燃料タンク11に掛かる圧力荷重を速やかに軽減することができる。
【0052】
[実施形態(2)]
次に、図8乃至図12を用いて本発明の実施形態(2)を説明する。本実施形態(2)では、図8及び図9に示すリーク診断ルーチンを実行することで、エンジン停止後(IGスイッチ23のOFF後)のリーク診断中に、タンク内圧Pt を所定の正圧側制限値PU と所定の負圧側制限値−PL で制限し、リーク診断中にタンク内圧Pt が急変したとき(燃料タンクの変形が発生したとき)には、リーク診断を中止すると共に、正圧側制限値PU 又は負圧側制限値−PL を大気圧に近付ける方向に補正する。
【0053】
図8及び図9に示すリーク診断ルーチンでは、エンジン停止後(IGスイッチ23のOFF後)のリーク診断実行条件成立時に、大気開閉弁14とパージ制御弁16を閉弁してエバポ系を密閉してタンク内圧Pt を検出する(ステップ301〜305)。この後、ステップ306に進み、タンク内圧Pt が所定の正圧側制限値PU よりも高いか否か、又は、タンク内圧Pt が所定の負圧側制限値−PL よりも低いか否かを判定する。
【0054】
このステップ306で、タンク内圧Pt が正圧側制限値PU よりも高いと判定された場合、又は、タンク内圧Pt が負圧側制限値−PL よりも低いと判定された場合には、ステップ307に進み、タンク内圧Pt を制限範囲内(PU ≧Pt ≧−PL )とするために、大気開閉弁14を開弁した後、ステップ308に進み、再び、タンク内圧Pt が正圧側制限値PU よりも高いか否か、又は、タンク内圧Pt が負圧側制限値−PL よりも低いか否かを判定する。このステップ308で「Yes」と判定される期間中は、大気開閉弁14を開弁状態に保持する。その後、ステップ308で、タンク内圧Pt が制限範囲内(PU ≧Pt ≧−PL )と判定された時点で、ステップ309に進み、大気開閉弁14を閉弁した後、図9のステップ310に進む。上記ステップ306〜309の処理が特許請求の範囲でいう内圧制限手段としての役割を果たす。
【0055】
一方、上記ステップ306で、タンク内圧Pt が制限範囲内(PU ≧Pt ≧−PL )と判定された場合は、大気開閉弁14を閉弁したまま図9のステップ310に進む。
【0056】
図9のステップ310では、演算周期当たり(又は所定時間当たり)のタンク内圧の変化量ΔPt の絶対値が所定の判定値Kよりも大きいか否かによってタンク内圧Pt が急変したか否かを判定する。このステップ310で「No」と判定された場合(タンク内圧Pt が急変していないと判定された場合)には、ステップ311で、タンク内圧Pt が正圧側判定値Pt1よりも高い状態が正圧側判定時間T1 継続したか否かを判定し、更に、次のステップ312で、タンク内圧Pt が負圧側判定値−Pt2よりも低い状態が負圧側判定時間T2 継続したか否かを判定する。
【0057】
ステップ311で「Yes」と判定された場合(タンク内圧Pt が正圧側判定値Pt1よりも高い状態が正圧側判定時間T1 継続したと判定された場合)、又は、ステップ312で「Yes」と判定された場合(タンク内圧Pt が負圧側判定値−Pt2よりも低い状態が負圧側判定時間T2 継続したと判定された場合)には、ステップ315に進み、リーク無し(正常)と判定して、正常コードを制御回路21のバックアップRAMに記憶した後、ステップ319に進み、大気開閉弁14を開弁してエバポ系の密閉状態を解除してリーク診断を終了する。
【0058】
これに対して、ステップ311とステップ312で共に「No」と判定された場合には、ステップ313に進み、リーク診断開始後の経過時間が所定時間を越えたか否かを判定し、リーク診断開始後の経過時間が所定時間を越えていなければ、そのまま本ルーチンを終了する。
【0059】
その後、ステップ311又はステップ312で「Yes」と判定されることなく、ステップ313でリーク診断開始後の経過時間が所定時間を越えたと判定された場合(つまりタンク内圧Pt が正圧側判定値Pt1と負圧側判定値−Pt2との範囲内である状態が所定時間以上継続した場合)には、ステップ314に進み、リーク有り(異常)と判定して、警告ランプ27を点灯して運転者に警告すると共に、異常コードを制御回路21のバックアップRAMに記憶した後、ステップ319に進み、大気開閉弁14を開弁してエバポ系の密閉状態を解除してリーク診断を終了する。
【0060】
一方、リーク診断中に、上記ステップ310で「Yes」と判定された場合には、タンク内圧Pt を正圧側制限値PU と負圧側制限値−PL で制限しても、燃料タンク11の変形(タンク内圧Pt の急変)が発生したと判断して、ステップ316に進み、次のようにして正圧側制限値PU 又負圧側制限値−PL を大気圧に近付ける方向に補正する。タンク内圧Pt が正圧のときに燃料タンク11の変形が発生した場合には、正圧側制限値PU を現在のタンク内圧Pt から所定値Pofs だけ差し引いた値(PU =Pt −Pofs )に補正する。一方、タンク内圧Pt が負圧のときに燃料タンク11の変形が発生した場合には、負圧側制限値−PL を現在のタンク内圧Pt に所定値Pofs を加えた値(−PL =Pt +Pofs )に補正する。これにより、正圧側制限値PU 又は負圧側制限値−PL を、実際に燃料タンク11の変形が発生したときの圧力よりも小さい圧力(大気圧方向側の圧力)に補正する。補正後の正圧側制限値PU 又は補正後の負圧側制限値−PL は、次回のエンジン停止後のリーク診断時に用いられる。
【0061】
この後、ステップ317に進み、タンク内圧Pt が正圧のときに燃料タンク11の変形が発生した場合には、図10(a)に示すマップ又は数式により補正後の正圧側制限値PU に応じて正圧側判定値Pt1を補正すると共に、図10(b)に示すマップ又は数式により補正後の正圧側制限値PU に応じて正圧側判定時間T1 を補正する。これにより、正圧側制限値PU を大気圧方向に補正したときに、正圧側判定値Pt1を低くして、正圧側判定時間T1 を長くする。また、タンク内圧Pt が負圧のときに燃料タンク11の変形が発生した場合には、図11(a)に示すマップ又は数式により補正後の負圧側制限値−PL に応じて負圧側判定値−Pt2を補正すると共に、図11(b)に示すマップ又は数式により補正後の負圧側制限値−PL に応じて負圧側判定時間T2 を補正する。これにより、負圧側制限値−PL を大気圧方向に補正したときに、負圧側判定値−Pt2を高くして、負圧側判定時間T2 を長くする。補正後の正圧側判定値Pt1と正圧側判定時間T1 又は補正後の負圧側判定値−Pt2と負圧側判定時間T2 は、次回のエンジン停止後のリーク診断時に用いられる。
【0062】
この後、ステップ318に進み、リーク診断を中止すると共に燃料タンク変形フラグをセットした後、ステップ319に進み、大気開閉弁14を開弁してエバポ系の密閉状態を解除する。
【0063】
以上説明した本実施形態(2)では、リーク診断中に、タンク内圧Pt を正圧側制限値PU と負圧側制限値−PL で制限しても、燃料タンク11の変形(タンク内圧Pt の急変)が発生したときには、正圧側制限値PU 又負圧側制限値−PL を大気圧に近付ける方向に補正して、正圧側制限値PU 又は負圧側制限値−PL をタンク変形発生時の圧力よりも小さい圧力(大気圧方向側の圧力)に補正するようにしたので、図12のタイムチャートに示すように、次回のエンジン停止後のリーク診断時には、補正後の正圧側制限値PU 又は負圧側制限値−PL によってタンク内圧Pt を燃料タンク11の変形が発生しない圧力範囲内に確実に制限することができて、燃料タンク11の変形を確実に防止することができ、リーク診断を最後まで完了させることができる。
【0064】
尚、正圧側制限値PU と負圧側制限値−PL を、燃料タンク11内又はその周辺の温度に相関するパラメータ(例えば燃料温度センサ26で検出した燃料温度)に応じて設定するようにしても良い。このようにすれば、燃料タンク11内又はその周辺の温度に応じてエバポガス発生量(エバポ系の圧力上昇量)や燃料タンク11の強度特性が変化するのに対応して正圧側制限値PU や負圧側制限値−PL を変化させて、タンク内圧Pt を燃料タンク11の変形が発生しないような圧力範囲内に制限することができる。この場合、燃料温度センサ26が特許請求の範囲でいう温度判定手段に相当する役割を果たす。尚、燃料温度の代わりに、燃料タンク11内又はその周辺の温度に相関するパラメータとして、例えば、エンジン停止前の走行履歴(走行時間、走行距離)、エンジン運転状態(冷却水温等)を用いても良い。
【0065】
以上説明した各実施形態(1),(2)では、燃料タンク11の変形(タンク内圧の急変)を検出してリーク診断を中止する際に、大気開閉弁14を開弁してエバポ系の密閉状態を解除するようにしたが、大気開閉弁14の代わりにパージ制御弁16を開弁するようにしても良い。エンジン停止中は、吸気管内が大気で満たされるため、パージ制御弁16を開弁すれば、吸気管内の大気がパージ制御弁16を通して燃料タンク11内に導入され、タンク内圧が大気圧となる。或は、リーク診断を中止する際に、大気開閉弁14とパージ制御弁16を両方とも開弁するようにしても良い。
【0066】
また、上記各実施形態(1),(2)では、本発明を樹脂製の燃料タンクを有するエバポガスパージシステムのエンジン停止中のリーク診断に適用したが、本発明を樹脂製の燃料タンクを有するエバポガスパージシステムのエンジン運転中のリーク診断に適用しても良い。
【0067】
また、リーク診断の方法を適宜変更しても良いことは言うまでもない。
例えば、リーク診断期間中にタンク内圧を所定の演算周期で積算して求めたタンク内圧積算値をリーク判定値と比較してリークの有無を診断するようにしても良い。
【0068】
或は、リーク診断期間中にタンク内圧の最高値(又は最低値)を検出し、このタンク内圧の最高値(又は最低値)をリーク判定値と比較してリークの有無を診断するようにしても良い。
或は、リーク診断開始(エバポ系の密閉)から所定時間経過後に検出したタンク内圧をリーク判定値と比較してリークの有無を診断するようにしても良い。
【0069】
或は、リーク診断開始後にタンク内圧の変化を監視し、タンク内圧の上昇率が所定値以下(例えばほぼ0)になるまでの時間を測定し、その時間がリーク判定値よりも短いか否かで、リークの有無を判定するようにしても良い。
【0070】
或は、リーク診断開始から所定時間経過する前にタンク内圧が所定圧以下(例えば大気圧付近)に低下したか否かで、リークの有無を診断するようにしても良い。
【0071】
ところで、上記各実施形態(1),(2)では、エンジン運転中に吸気管負圧を利用して閉弁状態を維持できる省電力型の大気開閉弁14を用いたが、大気開閉弁は、開弁/閉弁の切換時のみに通電し、通電オフ後も引き続き開弁状態/閉弁状態を永久磁石等により維持する省電力型の電磁弁で構成しても良い。この場合、エンジン停止後のリーク診断開始時に大気開閉弁に通電してこれを閉弁すれば、その後は通電しなくても大気開閉弁を閉弁状態に維持してエバポ系を密閉状態に維持することができるので、リーク診断期間中に大気開閉弁に通電する必要がなく、その分、リーク診断期間中の電力消費量を少なくすることができる。
【0072】
但し、図13に破線で示す比較例のように、エンジン停止中のリーク診断終了後(メインリレーのオフ後)も、引き続き大気開閉弁が閉弁されてエバポ系が密閉状態に維持されると、エバポガス発生に伴うタンク内圧の上昇や温度低下に伴うタンク内圧の下降によってエンジン停止中にエバポ系に掛かる圧力荷重が大きくなるおそれがある。
【0073】
その点、上記各実施形態(1),(2)では、図13に実線で示すように、エンジン停止中のリーク診断終了時に、大気開閉弁14を開弁してエバポ系の密閉状態を解除するようにしているので、エンジン停止中のリーク診断終了時にタンク内圧(エバポ系の圧力)を大気圧付近にしてエバポ系に掛かる圧力荷重を軽減することができ、リークの発生要因を減らすことができる。また、エンジン停止中のリーク診断終了時に大気開閉弁14を開弁すれば、エンジン停止中に大気開閉弁14が閉弁状態で固着してしまう故障も防止することができる。
【0074】
尚、エンジン停止中のリーク診断終了時に大気開閉弁を開弁する技術は、樹脂製の燃料タンクを有するエバポガスパージシステムのエンジン停止中のリーク診断に限定されず、樹脂以外(例えば金属製)の燃料タンクを有するエバポガスパージシステムのエンジン停止中のリーク診断に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)におけるエバポガスパージシステムの構成を示す図
【図2】大気開閉弁の縦断面図
【図3】図2のA−A断面図
【図4】(a)〜(d)は大気開閉弁の動作を説明するための模式図
【図5】実施形態(1)のリーク診断ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図6】実施形態(1)のメインリレー制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図7】実施形態(1)の実行例を示すタイムチャート
【図8】実施形態(2)のリーク診断ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その1)
【図9】実施形態(2)のリーク診断ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その2)
【図10】(a)は正圧側制限値PU に応じて正圧側判定値Pt1を補正するマップの一例を示す図、(b)は正圧側制限値PU に応じて正圧側判定時間T1 を補正するマップの一例を示す図
【図11】(a)は負圧側制限値−PL に応じて負圧側判定値−Pt2を補正するマップの一例を示す図、(b)は負正圧側制限値−PL に応じて負正圧側判定時間T2 を補正するマップの一例を示す図
【図12】実施形態(2)の実行例を示すタイムチャート
【図13】実施形態(1),(2)の他の実行例を示すタイムチャート
【符号の説明】
11…燃料タンク、12…エバポ通路、13…キャニスタ、14…大気開閉弁、15…パージ通路、16…パージ制御弁、17…タンク内圧センサ(内圧検出手段)、18…燃料レベルセンサ、19…水温センサ、20…吸気温センサ、21…制御回路(リーク診断手段,リーク診断中止手段,内圧制限手段)、22…メインリレー、23…イグニッションスイッチ、24…バックアップ電源、25…ソークタイマ、26…燃料温度センサ(温度判定手段)、27…警告ランプ、30…キャニスタポート、31…大気ポート、32…弁部材。

Claims (5)

  1. 樹脂で形成した燃料タンク内の燃料が蒸発して生じたエバポガスを内燃機関の吸気系にパージするエバポガスパージシステムに適用され、前記燃料タンクを含むエバポ系の圧力を検出する内圧検出手段と、前記エバポ系を密閉状態に維持したときに前記内圧検出手段で検出した前記エバポ系の圧力に基づいて前記エバポ系のリークの有無を診断するリーク診断手段とを備えたエバポガスパージシステムのリーク診断装置において、
    前記リーク診断手段によるリーク診断中に前記内圧検出手段で検出した前記エバポ系の圧力が急変したときに該リーク診断を中止するリーク診断中止手段と、
    前記リーク診断手段によるリーク診断中に前記エバポ系の圧力の上昇を所定の内圧制限値で制限する内圧制限手段と、
    前記燃料タンク内の温度又はその周辺の温度又はそれらに関連する情報を判定する温度判定手段とを備え、
    前記温度判定手段で判定した温度に基づいて前記内圧制限値を変化させることを特徴とするエバポガスパージシステムのリーク診断装置。
  2. 前記リーク診断手段によるリーク診断中に前記エバポ系の圧力の上昇を所定の内圧制限値で制限する内圧制限手段を備え、
    前記リーク診断手段によるリーク診断中に前記内圧検出手段で検出した前記エバポ系の圧力が急変したときに前記内圧制限値を大気圧に近付ける方向に補正することを特徴とする請求項1に記載のエバポガスパージシステムのリーク診断装置。
  3. 樹脂で形成した燃料タンク内の燃料が蒸発して生じたエバポガスを内燃機関の吸気系にパージするエバポガスパージシステムに適用され、前記燃料タンクを含むエバポ系の圧力を検出する内圧検出手段と、前記エバポ系を密閉状態に維持したときに前記内圧検出手段で検出した前記エバポ系の圧力に基づいて前記エバポ系のリークの有無を診断するリーク診断手段とを備えたエバポガスパージシステムのリーク診断装置において、
    前記リーク診断手段によるリーク診断中に前記内圧検出手段で検出した前記エバポ系の圧力が急変したときに該リーク診断を中止するリーク診断中止手段と、
    前記リーク診断手段によるリーク診断中に前記エバポ系の圧力の上昇を所定の内圧制限値で制限する内圧制限手段とを備え、
    前記リーク診断手段によるリーク診断中に前記内圧検出手段で検出した前記エバポ系の圧力が急変したときに前記内圧制限値を大気圧に近付ける方向に補正することを特徴とするエバポガスパージシステムのリーク診断装置。
  4. 前記エバポ系の大気連通路を開閉する大気開閉弁と、
    前記エバポ系のパージ通路を開閉するパージ制御弁とを備え、
    前記リーク診断手段は、リーク診断中に前記大気開閉弁及び前記パージ制御弁を閉弁して前記エバポ系を密閉状態に維持し、
    前記リーク診断中止手段は、リーク診断を中止する際に前記大気開閉弁と前記パージ制御弁の少なくとも一方を開弁して前記エバポ系の密閉状態を解除することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエバポガスパージシステムのリーク診断装置。
  5. 樹脂で形成した燃料タンク内の燃料が蒸発して生じたエバポガスを内燃機関の吸気系にパージするエバポガスパージシステムに適用され、前記燃料タンクを含むエバポ系の圧力を検出する内圧検出手段と、前記エバポ系を密閉且つ正圧状態に維持したときに前記内圧検出手段で検出した前記エバポ系の圧力に基づいて前記エバポ系のリークの有無を診断するリーク診断手段とを備えたエバポガスパージシステムのリーク診断装置において、
    前記リーク診断手段によるリーク診断中に前記内圧検出手段で検出した前記エバポ系の圧力の変化速度が所定値よりも低下し急変したときに該リーク診断を中止するリーク診断中止手段を備えていることを特徴とするエバポガスパージシステムのリーク診断装置。
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