JP2003056416A - エバポガスパージシステムのリーク診断装置 - Google Patents

エバポガスパージシステムのリーク診断装置

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JP2003056416A
JP2003056416A JP2001241509A JP2001241509A JP2003056416A JP 2003056416 A JP2003056416 A JP 2003056416A JP 2001241509 A JP2001241509 A JP 2001241509A JP 2001241509 A JP2001241509 A JP 2001241509A JP 2003056416 A JP2003056416 A JP 2003056416A
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pressure
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evaporative
evaporative gas
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Shujiro Morinaga
森永  修二郎
Yoshinori Maekawa
佳範 前川
Keiji Wakahara
啓二 若原
Makoto Miwa
真 三輪
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン停止後に行うエバポパージシステム
のリーク診断の頻度を多くする。 【解決手段】 エンジン停止後(イグニッションスイッ
チのオフ後)に、直ちにパージ制御弁を閉弁し、且つ大
気開閉弁を閉弁してエバポ系を密閉して、リーク診断を
開始する。このリーク診断期間中に、タンク内圧センサ
で検出したタンク内圧(ゲージ圧)を所定の演算周期で
積算してタンク内圧積算値を求める。そして、リーク診
断終了時に、このタンク内圧積算値をリーク判定値と比
較し、タンク内圧積算値がリーク判定値よりも小さいか
否かでリークの有無を判定する。この際、燃料レベルセ
ンサで検出した燃料残量に応じてリーク判定値を変化さ
せる。これにより、燃料残量に応じて燃料タンクの内圧
上昇量が変化するのに対応してリーク判定値を適正に変
化させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンク内の燃
料が蒸発して生じたエバポガス(燃料蒸発ガス)を内燃
機関の吸気系にパージ(放出)するエバポガスパージシ
ステムのリーク診断を行うエバポガスパージシステムの
リーク診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、エバポガスパージシステムに
おいては、燃料タンク内から発生するエバポガスが大気
中に漏れ出すことを防止するため、燃料タンク内のエバ
ポガスをエバポ通路を通してキャニスタ内に吸着すると
共に、このキャニスタ内に吸着されているエバポガスを
内燃機関の吸気系へパージするパージ通路の途中にパー
ジ制御弁を設け、内燃機関の運転状態に応じてパージ制
御弁の開閉を制御することによって、キャニスタから吸
気系へパージするエバポガスのパージ流量を制御するよ
うになっている。このエバポガスパージシステムから大
気中にエバポガスが漏れる状態が長期間放置されるのを
防止するために、エバポガスの漏れを早期に検出する必
要がある。
【0003】そこで、燃料タンク内の圧力(以下「タン
ク内圧力」という)を検出する圧力センサを設け、パー
ジ制御弁を開弁して吸気系から燃料タンク内に負圧を導
入した後、パージ制御弁を閉弁して、パージ制御弁から
燃料タンクまでのエバポ系を密閉した状態で、タンク内
圧の変化量を測定して、このタンク内圧の変化量をリー
ク判定値と比較することで、エバポ系のリーク(漏れ)
の有無を診断するようにしたものがある。この場合、エ
バポ系にリークが無ければ、タンク内圧変化量は、エバ
ポガスの発生量に応じた値となり、リーク判定値よりも
小さくなるが、リークが発生していれば、タンク内圧変
化量がリーク分だけ大きくなり、リーク判定値以上とな
る。
【0004】一般に、リーク診断は、内燃機関の運転条
件の変化の影響を受けないようにアイドル運転時や低速
走行時等の安定した運転条件下で行われるため、リーク
検出精度を高めるために、タンク内圧変化量の測定時間
を長い時間に設定すると、内燃機関の運転中にリーク診
断を開始しても、そのリーク診断の途中で、内燃機関の
運転条件が変化したり、内燃機関の運転が停止されたり
して、リーク診断が中止される回数が大幅に増えてしま
い、内燃機関の運転中にリーク診断が最後まで行われる
回数が極端に少なくなってしまう。
【0005】そこで、米国特許第5263462号公報
に示すように、内燃機関運転停止後に、燃料タンク温度
が所定温度上昇したときに、エバポ系の圧力が所定圧力
以下であるか否かでエバポ系のリークの有無を診断する
ことが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報の
記載によれば、内燃機関運転停止後の燃料タンク温度の
上昇は、外気温の影響によるものであるため、外気温が
低いときは、内燃機関運転停止後の燃料タンク温度の上
昇が少なくなる。この場合は、内燃機関運転停止中に燃
料タンク温度の上昇量が所定温度を越えないため、リー
ク診断の実行条件が成立しなくなって、リーク診断を行
うことができなくなってしまい、リーク診断の頻度が少
なくなってしまうという欠点がある。
【0007】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、内燃機関運転停止後
に行うリーク診断の実行条件が成立しやすく、必要に応
じてリーク診断を実行可能なエバポガスパージシステム
のリーク診断装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1のエバポガスパージシステムのリ
ーク診断装置は、燃料タンクを含むエバポ系の圧力を検
出する内圧検出手段と、内燃機関運転停止後の少なくと
もリーク診断期間中にエバポ系を密閉状態に維持する密
閉手段とを備え、リーク診断手段によって、内燃機関運
転停止後のリーク診断期間内に前記内圧検出手段で検出
した圧力に基づいてエバポ系のリークの有無を診断する
ようにしたものである。この構成では、内燃機関運転停
止後のリーク診断期間内にエバポ系の圧力を検出してリ
ーク診断を行うため、内燃機関運転停止後の燃料タンク
温度の上昇が少ない場合でも、リーク診断の実行条件が
成立しやすくなり、内燃機関運転停止後に必要に応じて
リーク診断を行うことができて、リーク診断の頻度を多
くすることができる。
【0009】ところで、エバポ系にリークが無ければ、
内燃機関運転停止直後(エバポ系の密閉直後)から暫く
の間は、燃料タンク内で発生するエバポガスによってエ
バポ系の圧力が上昇し、その後、放熱により燃料タンク
内の燃料温度が低下するに従って、エバポガスの発生量
が少なくなって、やがてエバポ系の圧力が最大となり、
その後は、燃料温度の低下に伴ってエバポ系の圧力が低
下していき、最終的には、エバポ系の圧力が正圧から負
圧に変化する。もし、エバポ系にリークが発生していれ
ば、内燃機関運転停止後のエバポ系の圧力上昇が少なく
なり、比較的短い時間でエバポ系の圧力が大気圧付近に
まで低下する(図4参照)。
【0010】このような特性を考慮して、請求項2のよ
うに、リーク診断期間は、リーク無しの場合に内燃機関
運転停止後にエバポ系の圧力が正圧になっている期間又
はそれよりも短い期間に設定するようにしても良い(図
5参照)。このようにすれば、リーク有りとリーク無し
の場合のエバポ系の圧力の違いが明瞭に現れる時期にリ
ーク診断を実施することができ、リーク診断精度を向上
することができる。
【0011】或は、請求項3のように、リーク診断期間
は、リーク無しの場合に内燃機関運転停止後にエバポ系
の圧力が最大となるまでの期間又はそれよりも短い期間
に設定するようにしても良い(図6参照)。このように
しても、リーク有りとリーク無しの場合のエバポ系の圧
力の違いが明瞭に現れる時期にリーク診断を実施するこ
とができ、リーク診断精度を向上することができる。
【0012】また、請求項4のように、内燃機関運転停
止直後にエバポ系を密閉するようにしても良い。内燃機
関運転停止直後は、排気系の温度が高いため、その熱で
燃料タンク内の燃料温度がエバポガスの発生しやすい温
度に保たれてエバポガスの発生量が多くなるため、内燃
機関運転停止直後にエバポ系を密閉すれば、リーク無し
の場合にエバポガスの発生によるエバポ系の圧力上昇量
を大きくすることができ、リーク有りとリーク無しの場
合のエバポ系の圧力の違いが明瞭に現れる時期にリーク
診断を実施することができる。
【0013】また、請求項5のように、リーク診断期間
内の内圧検出手段の検出圧力と基準圧力との差圧を所定
の演算周期で積算し、その積算値に基づいてエバポ系の
リークの有無を診断するようにしても良い。ここで、基
準圧力は、大気圧、リーク診断開始時の圧力、内燃機関
運転停止時の圧力のいずれであっても良く、勿論、これ
ら以外の圧力を基準圧力としても良い。内圧検出手段の
検出圧力(エバポ系の圧力)と基準圧力との差圧を所定
の演算周期で積算して求めた積算値をリーク診断パラメ
ータとして用いれば、リーク有りとリーク無しの場合の
リーク診断パラメータ(積算値)の違いを大きくしなが
ら、リーク診断期間中のエバポ系の圧力の経時的変化も
考慮してリーク診断を行うことができ、リーク診断精度
を向上することができる。
【0014】また、請求項6のように、リーク診断期間
内の内圧検出手段の検出圧力(エバポ系の圧力)の変化
に基づいてエバポ系のリークの有無を診断するようにし
ても良い。リーク無しの場合は、燃料タンク内のエバポ
ガスの発生量が増えるに従ってエバポ系の圧力が上昇す
るが、リーク有りの場合は、燃料タンク内のエバポガス
の発生量が増えもエバポ系の圧力上昇が少ない。このよ
うな特性から、内圧検出手段の検出圧力(エバポ系の圧
力)の変化に基づいてエバポ系のリークの有無を精度良
く診断することができる。
【0015】また、請求項7のように、リーク診断期間
内の内圧検出手段の検出圧力(エバポ系の圧力)の最大
値に基づいてエバポ系のリークの有無を診断するように
しても良い。つまり、リーク有りの場合は、エバポ系の
圧力上昇がリークによって少なくなって、エバポ系の圧
力の最大値が小さくなるため、内圧検出手段の検出圧力
(エバポ系の圧力)の最大値が小さいか大きいかでリー
クの有無を精度良く診断することができる。
【0016】また、請求項8のように、燃料タンク内の
燃料温度を燃料温度判定手段により判定し、その燃料温
度に基づいてリーク診断の許可/禁止をリーク診断実行
条件判定手段によって判定するようにしても良い。つま
り、内燃機関運転停止後にエバポ系のリーク診断を行う
ためには、リーク無しの場合にエバポガスの発生によっ
てエバポ系の圧力がある程度上昇する環境になっている
必要があり、そのためには、燃料温度がある程度高くな
っている必要がある。エバポガスの発生量が少ないとき
にリーク診断を行っても、エバポ系の圧力上昇が少な
く、リーク有りとリーク無しの場合のエバポ系の圧力の
違いが少なく、両者を精度良く区別するのが困難であ
る。従って、請求項8のように、燃料タンク内の燃料温
度に基づいてリーク診断の許可/禁止を判定すれば、リ
ーク有りとリーク無しの場合のエバポ系の圧力の違いが
明瞭に現れるエバポガス発生状態になっている場合の
み、リーク診断を実施することができ、リーク診断精度
を向上することができる。
【0017】この場合、燃料タンク内の燃料温度を検出
する手段として、燃料タンクに燃料温度センサを設けて
も良いが、請求項9のように、停止前の内燃機関の運転
状態又は走行履歴に基づいて燃料タンク内の燃料温度を
推定するようにしても良い。燃料タンク内の燃料温度を
上昇させる主な要因は、排気系の熱や、燃料噴射弁側か
ら燃料タンク内に戻されるリターン燃料であり、これら
は内燃機関の運転状態や走行履歴に基づいて推定するこ
とができる。従って、停止前の内燃機関の運転状態又は
走行履歴に基づいて燃料タンク内の燃料温度を推定する
ことができ、それによって、燃料温度センサが不要とな
るため、低コスト化の要求も満たすことができる。
【0018】また、請求項10のように、燃料温度判定
手段で判定した燃料温度に基づいてリーク診断期間を補
正するようにしても良い。燃料温度に応じて燃料タンク
内のエバポガス発生量が変化し、エバポ系の圧力上昇が
変化する。従って、内燃機関運転停止後にエバポ系の圧
力が正圧になっている期間や、エバポ系の圧力が最大と
なるまでの期間は、燃料温度に応じて変化するため、燃
料温度に基づいてリーク診断期間を補正すれば、燃料温
度に応じてエバポガス発生量(エバポ系の圧力上昇量)
が変化するのに対応してリーク診断期間を適正な長さに
設定することができる。
【0019】また、リーク有りの場合でも、燃料温度が
高くなってエバポガス発生量が多くなれば、それに応じ
てエバポ系の圧力上昇量が大きくなることを考慮して、
請求項11のように、燃料温度判定手段で判定した燃料
温度に基づいてリーク診断の判定基準(例えばリーク判
定値等)を変化させるようにしても良い。このようにす
れば、燃料温度に応じてエバポガス発生量(エバポ系の
圧力上昇量)が変化するのに対応してリーク診断の判定
基準を適正に変化させることができ、燃料温度の影響を
受けない安定したリーク診断を行うことができる。
【0020】また、燃料タンク内の燃料温度が同じで
も、燃料タンク内の燃料残量が異なればエバポ系の圧力
上昇量が違ってくることを考慮して、請求項12のよう
に、燃料残量検出手段で検出した燃料残量に基づいてリ
ーク診断の判定基準を変化させるようにしても良い。こ
のようにすれば、燃料残量に応じてエバポ系の圧力上昇
量が変化するのに対応してリーク診断の判定基準を適正
に変化させることができ、燃料残量の影響を受けない安
定したリーク診断を行うことができる。
【0021】また、請求項13のように、内燃機関の運
転停止前のエバポガス発生量をエバポガス発生量判定手
段によって判定し、そのエバポガス発生量に基づいてリ
ーク診断の許可/禁止を判定するようにしても良い。こ
のようにすれば、リーク有りとリーク無しの場合のエバ
ポ系の圧力の違いが明瞭に現れるエバポガス発生状態に
なっている場合のみ、リーク診断を実施することがで
き、リーク診断精度を向上することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】[実施形態(1)]以下、本発明
の実施形態(1)を図1乃至図7に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエバポガスパージシステムの構成
を説明する。燃料タンク11には、エバポ通路12を介
してキャニスタ13が接続されている。このキャニスタ
13内には、エバポガス(燃料蒸発ガス)を吸着する活
性炭等の吸着体(図示せず)が収容されている。また、
キャニスタ13の底面部の大気連通孔には、大気開閉弁
14が取り付けられている。
【0023】この大気開閉弁14は、常開型の電磁弁に
より構成され、通電がオフされている状態では、開弁状
態に保持されて、キャニスタ13の大気連通孔が大気に
開放された状態に保たれる。この大気開閉弁14は、通
電すると閉弁し、キャニスタ13の大気連通孔が閉塞さ
れた状態になる。
【0024】一方、キャニスタ13とエンジン吸気系と
の間には、キャニスタ22内の吸着体に吸着されている
エバポガスをエンジン吸気系にパージ(放出)するため
のパージ通路15が設けられ、このパージ通路15の途
中に、パージ流量を制御するパージ制御弁16が設けら
れている。このパージ制御弁16は、常閉型の電磁弁に
より構成され、通電をデューティ制御することで、キャ
ニスタ13からエンジン吸気系へのエバポガスのパージ
流量を制御するようになっている。
【0025】また、燃料タンク11には、その内圧を検
出するタンク内圧センサ17(内圧検出手段)が設けら
れている。燃料タンク11内からパージ制御弁16まで
のエバポ系が密閉されている時には、燃料タンク11の
内圧とエバポ系の他の部位の内圧が一致するため、タン
ク内圧センサ17により燃料タンク11の内圧(以下
「タンク内圧」という)を検出することで、エバポ系の
圧力を検出することができる。
【0026】燃料タンク11には、燃料残量を検出する
燃料レベルセンサ18と燃料温度を検出する燃料温度セ
ンサ26(燃料温度判定手段)が設けられている。その
他、エンジン冷却水温を検出する水温センサ19、吸気
温を検出する吸気温センサ20等の各種のセンサが設け
られている。
【0027】これら各種のセンサの出力は、制御回路2
1に入力される。この制御回路21の電源端子には、メ
インリレー22を介して車載バッテリ(図示せず)から
電源電圧が供給される。この他、大気開閉弁14、パー
ジ制御弁16、タンク内圧センサ17及び燃料レベルセ
ンサ18に対しても、メインリレー22を介して電源電
圧が供給される。メインリレー22のリレー接点22a
を駆動するリレー駆動コイル22bは、制御回路21の
メインリレーコントロール端子に接続され、このリレー
駆動コイル22bに通電することで、リレー接点22a
がオンして、制御回路21、大気開閉弁14、パージ制
御弁16、タンク内圧センサ17及び燃料レベルセンサ
18に電源電圧が供給される。そして、リレー駆動コイ
ル22bへの通電をオフすることで、リレー接点22a
がオフして、制御回路21等への電源供給がオフされ
る。制御回路21のキーSW端子には、イグニッション
スイッチ23のオン/オフ信号が入力される。また、制
御回路21には、バックアップ電源24と、このバック
アップ電源24を電源として計時動作するソークタイマ
25が内蔵されている。このソークタイマ25は、エン
ジン停止後(イグニッションスイッチ23のオフ後)に
計時動作を開始してエンジン停止後の経過時間を計測す
る。
【0028】制御回路21は、マイクロコンピュータを
主体として構成され、そのROM(記憶媒体)に記憶さ
れた燃料噴射制御プログラム、点火制御プログラム及び
パージ制御プログラムを実行することで、燃料噴射制
御、点火制御及びパージ制御を行う。更に、この制御回
路21は、ROMに記憶された図2に示すリーク診断ル
ーチンを実行することで、エンジン停止後(イグニッシ
ョンスイッチ23のオフ後)にエバポ系のリーク診断を
実行し、リーク有りと判定したときには、警告ランプ2
7を点灯(又は点滅)させて運転者に警告する。また、
制御回路21はROMに記憶された図3に示すメインリ
レー制御ルーチンを実行することで、エンジン運転停止
後にリーク診断を実行する際に必要な部品(制御回路2
1、大気開閉弁14等)に電源を供給する。
【0029】ここで、エンジン運転停止後のリーク診断
の手法を図4乃至図7に基づいて説明する。エンジン停
止後(イグニッションスイッチ23のオフ後)に、直ち
にパージ制御弁16を閉弁し、且つ大気開閉弁14を閉
弁してエバポ系を密閉する。エンジン停止直後は、排気
系の温度が高いため、その熱で燃料タンク11内の燃料
温度がエバポガスの発生しやすい温度に保たれてエバポ
ガスの発生量が多くなるため、エンジン停止直後にエバ
ポ系を密閉すれば、リーク無しの場合にエバポガスの発
生によるタンク内圧上昇量(エバポ系の圧力上昇量)が
大きくなる。
【0030】一方、リーク有りの場合は、エバポ系を密
閉しても、エバポ系のリーク孔からエバポガスが大気中
に漏れるため、エバポ系密閉後のタンク内圧(エバポ系
の圧力)の上昇が少なくなり、比較的短い時間でタンク
内圧が大気圧付近にまで低下する。
【0031】リーク診断期間中は、エバポ系を密閉状態
に維持する。リーク診断期間の長さは、図5に示すよう
に、リーク無しの場合にエンジン停止後にタンク内圧が
正圧になっている期間又はそれよりも短い期間に設定し
たり、或は、図6に示すように、リーク無しの場合にエ
ンジン停止後にタンク内圧が最大となるまでの期間又は
それよりも短い期間に設定しても良い。
【0032】本実施形態(1)では、リーク診断期間中
のタンク内圧の挙動を数値化するために、リーク診断期
間中にタンク内圧センサ17によりゲージ圧(大気圧基
準)で検出したタンク内圧(ゲージ圧=絶対圧−大気
圧)を所定の演算周期で積算し、リーク診断終了時に、
このタンク内圧積算値をリーク判定値と比較してリーク
の有無を診断する。
【0033】図7は、タンク内圧積算値、リーク孔径、
燃料タンク11内の燃料残量との関係を測定したグラフ
である。孔径が0.15mmの微小リークの場合のタン
ク内圧積算値は、リーク無しの場合に測定したタンク内
圧積算値のばらつき範囲の下限付近であるため、孔径が
0.15mm程度の微小リークを検出するためには、燃
料残量等を考慮する必要がある。
【0034】一方、リーク孔径が0.5mm以上の場合
は、リーク孔径が0.5mmの場合のタンク内圧積算値
のばらつき範囲の上限と、リーク無しの場合のタンク内
圧積算値のばらつき範囲の下限とが完全に分離されてい
るため、孔径0.5mm以上のリークを検出する場合
は、リーク孔径が0.5mmの場合のタンク内圧積算値
のばらつき範囲の上限と、リーク無しの場合のタンク内
圧積算値のばらつき範囲の下限との範囲内(好ましくは
中間)にリーク判定値を設定すれば、燃料残量に影響さ
れずに、孔径0.5mm以上のリークの有無を精度良く
検出できる。この場合、タンク内圧積算値がリーク判定
値よりも小さければ、孔径0.5mm以上のリーク有り
と判定され、タンク内圧積算値がリーク判定値よりも大
きければ、リーク無しと判定される。
【0035】以上説明したエバポ系のリーク診断は、図
2のリーク診断ルーチンによって次のようにして実行さ
れる。図2のリーク診断ルーチンは、制御回路21の電
源供給中(メインリレー22のオン時)に周期的に実行
され、次のようにしてエンジン停止後にエバポ系のリー
ク診断を実行する。本ルーチンが起動されると、まずス
テップ101で、エンジン停止後(イグニッションスイ
ッチ23のオフ後)であるか否かを判定し、エンジン運
転中であれば、以降の処理を行うことなく、本ルーチン
を終了する。
【0036】一方、上記ステップ101で、エンジン停
止後(イグニッションスイッチ23のオフ後)と判定さ
れれば、次のステップ102に進み、リーク診断実行条
件が成立しているか否かを判定する。このリーク診断実
行条件としては、例えば、燃料温度センサ26で検出し
た燃料温度がエバポガスの発生しやすい所定温度以上で
あることであり、燃料温度が所定温度以上であれば、リ
ーク診断実行条件が成立する。
【0037】つまり、エンジン停止後にエバポ系のリー
ク診断を行うためには、リーク無しの場合にエバポガス
の発生によってタンク内圧がある程度上昇する環境にな
っている必要があり、そのためには、燃料温度がある程
度高くなっている必要がある。エバポガスの発生量が少
ないときにリーク診断を行っても、タンク内圧の上昇が
少なく、リーク有りとリーク無しの場合のタンク内圧の
違いが少なく、両者を精度良く区別するのが困難であ
る。従って、燃料温度が所定温度以上であるか否かで、
リーク診断実行条件が成立しているか否かを判定すれ
ば、リーク有りとリーク無しの場合のタンク内圧の違い
が明瞭に現れるエバポガス発生状態になっている場合の
み、リーク診断を実施することができ、リーク診断精度
を向上することができる。上記ステップ102の処理が
特許請求の範囲でいうリーク診断実行条件判定手段とし
ての役割を果たす。
【0038】上記ステップ102で、燃料温度が所定温
度未満で、リーク診断実行条件が成立しないと判定され
れば、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了す
る。一方、燃料温度が所定温度以上で、リーク診断実行
条件が成立していると判定されれば、ステップ103以
降のリーク診断処理を次のようにして実行する。まず、
ステップ103で、パージ制御弁16を閉弁し、次のス
テップ104で、大気開閉弁14を閉弁してエバポ系を
密閉する。これらステップ103、104の処理が特許
請求の範囲でいう密閉手段としての役割を果たす。
【0039】この後、ステップ105に進み、燃料レベ
ルセンサ18の出力信号を読み込んで燃料タンク11内
の燃料残量Lを検出すると共に、リーク診断開始後(エ
バポ系の密閉後)の経過時間を計測するタイマTimerを
リセットする。この後、ステップ106に進み、タンク
内圧センサ17の出力信号を読み込んで今回のタンク内
圧Pa を検出し、次のステップ107で、前回までのタ
ンク内圧積算値Ptotal に今回のタンク内圧Pa を加算
してタンク内圧積算値Ptotal を更新する。この際、タ
ンク内圧Pa は、大気圧を基準にして検出したゲージ圧
(=絶対圧−大気圧)が用いられる。この後、ステップ
108に進み、前回のタイマTimerの値に演算周期Aを
加算して、タイマTimerのカウント値を更新する。
【0040】そして、次のステップ109で、タイマT
imerの値(リーク診断開始後の経過時間)が所定値αを
越えたか否かを判定し、所定値αを越えていなければ、
ステップ106に戻る。これにより、タイマTimerの値
が所定値αを越えるまで、所定の演算周期Aでタンク内
圧Pa を積算してタンク内圧積算値Ptotal を更新する
処理を繰り返す。尚、所定値αは、図5に示すように、
リーク無しの場合にエンジン停止後にタンク内圧が正圧
になっている時間又はそれよりも短い時間に設定した
り、或は、図6に示すように、リーク無しの場合にエン
ジン停止後にタンク内圧が最大となるまでの時間又はそ
れよりも短い時間に設定しても良い。
【0041】その後、タイマTimerの値が所定値αを越
えた時点で、ステップ110に進み、現在の燃料残量L
に応じたリーク判定値f(L) を、燃料残量Lをパラメー
タとするリーク判定値マップから読み込む(又は数式に
より算出する)。この後、ステップ111に進み、タン
ク内圧積算値Ptotal をリーク判定値f(L) と比較し、
タンク内圧積算値Ptotal がリーク判定値f(L) よりも
大きければ、ステップ112に進み、リーク無し(正
常)と判定し、次のステップ115で、大気開閉弁14
を開弁してリーク診断を終了する。
【0042】これに対し、上記ステップ111で、タン
ク内圧積算値Ptotal がリーク判定値f(L) 以下と判定
されれば、ステップ113に進み、リーク有り(異常)
と判定して、次のステップ114で、警告ランプ27を
点灯して運転者に警告すると共に、異常コードを制御回
路21のバックアップRAM(図示せず)に記憶し、次
のステップ115で、大気開閉弁14を開弁してリーク
診断を終了する。
【0043】尚、上記ステップ106〜115の処理が
特許請求の範囲でいうリーク診断手段としての役割を果
たす。
【0044】一方、図3のメインリレー制御ルーチン
は、所定時間毎に実行され、次のようにしてメインリレ
ー22のON/OFFを制御する。本ルーチンが起動さ
れると、まずステップ201で、イグニッションスイッ
チ(以下「IGスイッチ」と表記する)23がONされ
ているか否か、つまりエンジン運転中であるか否かを判
定し、IGスイッチ23がON状態(エンジン運転中)
であれば、ステップ205に進み、メインリレー22を
ON状態に維持して、制御回路21、大気開閉弁14、
パージ制御弁16、タンク内圧センサ17及び燃料レベ
ルセンサ18に電源電圧を供給する。
【0045】その後、IGスイッチ23がONからOF
Fに切り換えられた時点で、ステップ201で「No」
と判定されてステップ202に進み、前記図2のリーク
診断ルーチンによってリーク診断を実行している途中で
あるか否かを判定し、リーク診断を実行していなけれ
ば、ステップ204に進み、メインリレー22をOFF
して、制御回路21、大気開閉弁14、パージ制御弁1
6、タンク内圧センサ17及び燃料レベルセンサ18へ
の電源供給を遮断する。
【0046】これに対し、上記ステップ202で、リー
ク診断実行中であると判定された場合は、ステップ20
3に進み、電源電圧がエンジン始動性を確保できる所定
電圧よりも高いか否かを判定し、電源電圧が所定電圧以
下であれば、ステップ204に進み、リーク診断の途中
であっても、メインリレー22をOFFして、制御回路
21、大気開閉弁14等への電源供給を遮断してリーク
診断を中止し、バッテリの消耗を防ぐ。
【0047】一方、電源電圧が所定電圧よりも高けれ
ば、ステップ205に進み、IGスイッチ23のOFF
後(エンジン停止後)であっても、メインリレー22を
ON状態に維持して、リーク診断の継続に必要な部品
(制御回路21、大気開閉弁14等)への電源供給を継
続する。そして、このリーク診断が終了した時点で、ス
テップ202で「No」と判定されて、ステップ204
に進み、メインリレー22をOFFして、制御回路2
1、大気開閉弁14等への電源供給を遮断する。
【0048】以上説明した本実施形態(1)では、エン
ジン停止後のリーク診断期間中にタンク内圧センサ17
で検出したタンク内圧Pa (ゲージ圧)を所定の演算周
期Aで積算してタンク内圧積算値Ptotal を更新し、リ
ーク診断終了時に、このタンク内圧積算値Ptotal をリ
ーク判定値f(L) と比較してリークの有無を診断するよ
うにしたので、エンジン停止後の燃料温度の上昇が少な
い場合でもリーク診断を行うことができて、リーク診断
の頻度を多くすることができ、エバポガスのリークを早
期に検出することができる。
【0049】しかも、本実施形態(1)では、燃料温度
センサ26で検出した燃料温度がエバポガスの発生しや
すい所定温度以上であるか否かによって、リーク診断を
許可/禁止するようにしたので、リーク有りとリーク無
しの場合のタンク内圧の違いが明瞭に現れるエバポガス
発生状態になっている場合のみ、リーク診断を実施する
ことができ、リーク診断精度を向上することができる。
【0050】尚、燃料タンク11内の燃料温度は、停止
前のエンジン運転状態又は走行履歴に基づいて推定する
ようにしても良い。燃料タンク11内の燃料温度を上昇
させる主な要因は、排気系の熱や、燃料噴射弁側から燃
料タンク11内に戻されるリターン燃料であり、これら
はエンジン運転状態や走行履歴に基づいて推定すること
ができる。従って、停止前のエンジン運転状態又は走行
履歴に基づいて燃料タンク11内の燃料温度を推定する
ことができ、それによって、燃料温度センサ26が不要
となるため、低コスト化の要求も満たすことができる。
【0051】また、本実施形態(1)では、燃料レベル
センサ18で検出した燃料残量Lに応じてリーク判定値
f(L) を設定するようにしたので、燃料残量Lに応じて
タンク内圧上昇量が変化するのに対応してリーク判定値
を適正に変化させることができ、燃料残量Lの影響を受
けない安定したリーク診断を行うことができる。
【0052】尚、リーク判定値を変化させる代わりに、
タンク内圧積算値Ptotal を燃料残量Lに応じた補正係
数F(L) で補正するようにしても良い。 Ptotal =Ptotal ×F(L)
【0053】また、リーク有りの場合でも、燃料温度が
高くなってエバポガス発生量が多くなれば、それに応じ
てタンク内圧上昇量が大きくなることを考慮して、燃料
温度に応じてリーク判定値を変化させたり、或は、タン
ク内圧積算値Ptotal を燃料温度に応じた補正係数で補
正するようにしても良い。このようにすれば、燃料温度
に応じてエバポガス発生量(タンク内圧上昇量)が変化
するのに対応してリーク診断の判定基準を適正に変化さ
せることができ、燃料温度の影響を受けない安定したリ
ーク診断を行うことができる。
【0054】また、本実施形態(1)では、エンジン停
止後のリーク診断期間中にタンク内圧センサ17で検出
したタンク内圧Pa (ゲージ圧=絶対圧−大気圧)を所
定の演算周期Aで積算して求めたタンク内圧積算値Pto
tal をリーク診断パラメータとして用いるようにしたの
で、リーク有りとリーク無しの場合のリーク診断パラメ
ータ(タンク内圧積算値Ptotal )の違いを大きくしな
がら、リーク診断期間中のタンク内圧の経時的変化も考
慮してリーク診断を行うことができ、リーク診断精度を
向上することができる。
【0055】尚、本実施形態(1)では、ゲージ圧(大
気圧基準)で検出したタンク内圧を積算してタンク内圧
積算値Ptotal を求めたが、絶対圧で検出したタンク内
圧とと基準圧力との差圧を所定の演算周期で積算してタ
ンク内圧積算値Ptotal を求めるようにしても良い。こ
こで、基準圧力は、大気圧の他に、リーク診断開始時の
圧力、内燃機関運転停止時の圧力のいずれであっても良
く、勿論、これら以外の圧力を基準圧力としても良い。
或は、絶対圧で検出したタンク内圧を所定の演算周期で
積算してタンク内圧積算値Ptotal を求めるようにして
も良い。
【0056】[実施形態(2)]上記実施形態(1)で
は、タンク内圧Pa を所定の演算周期で積算して求めた
タンク内圧積算値Ptotal をリーク診断パラメータとし
て用いるようにしたが、本発明の実施形態(2)では、
図8及び図9に示すリーク診断ルーチンによってエンジ
ン停止後のリーク診断期間中にタンク内圧Pa の最大値
Pamaxを検出し、このタンク内圧最大値Pamaxをリーク
診断パラメータとして用いるようにしている。
【0057】図8及び図9のリーク診断ルーチンは、前
記図2のリーク診断ルーチンと比較して、ステップ10
5a、ステップ107a、107b、111aの処理を
追加又は変更したものであり、それ以外の各ステップの
処理は前記図2のリーク診断ルーチンと同じである。
【0058】図8及び図9のリーク診断ルーチンでは、
リーク診断開始時に、ステップ105aで、タンク内圧
最大値Pamaxを例えば0(=大気圧)等の初期値にセッ
トし、次のステップ106で、タンク内圧Pa を検出す
る。この後、ステップ107aに進み、今回のタンク内
圧Pa を前回までのタンク内圧最大値Pamaxと比較し、
今回のタンク内圧Pa が前回までのタンク内圧最大値P
amaxよりも大きければ、ステップ107bに進み、今回
のタンク内圧Pa でタンク内圧最大値Pamaxの記憶値を
更新する。これに対し、今回のタンク内圧Pa が前回ま
でのタンク内圧最大値Pamax以下であれば、タンク内圧
最大値Pamaxの記憶値を更新しない。
【0059】その後、ステップ108に進み、タイマT
imerの前回値に演算周期Aを加算して、タイマTimerの
カウント値を更新し、次のステップ109で、タイマT
imerの値(リーク診断開始後の経過時間)が所定値αを
越えたか否かを判定し、所定値αを越えていなければ、
ステップ106に戻る。これにより、タイマTimerの値
が所定値αを越えるまで、所定の演算周期Aで、タンク
内圧最大値Pamaxを探索する処理を繰り返す。
【0060】その後、タイマTimerの値が所定値αを越
えた時点で、図9のステップ110に進み、現在の燃料
残量Lに応じたリーク判定値f(L) を設定した後、ステ
ップ111aに進み、タンク内圧最大値Pamaxをリーク
判定値f(L) と比較し、タンク内圧最大値Pamaxがリー
ク判定値f(L) よりも大きければ、ステップ112に進
み、リーク無し(正常)と判定し、次のステップ115
で、大気開閉弁14を開弁してリーク診断を終了する。
【0061】これに対し、上記ステップ111aで、タ
ンク内圧最大値Pamaxがリーク判定値f(L) 以下と判定
されれば、ステップ113に進み、リーク有り(異常)
と判定して、次のステップ114で、警告ランプ27を
点灯して運転者に警告すると共に、異常コードを制御回
路21のバックアップRAM(図示せず)に記憶し、次
のステップ115で、大気開閉弁14を開弁してリーク
診断を終了する。以上説明した本実施形態(2)におい
ても、前記実施形態(1)と同様の効果を得ることがで
きる。
【0062】尚、上記実施形態(1)、(2)では、エ
ンジン停止後のリーク診断期間を所定時間αに固定した
が、このリーク診断期間(所定時間α)を燃料温度に応
じて補正するようにしても良い。このようにすれば、燃
料温度に応じてエバポガス発生量(タンク内圧上昇量)
が変化するのに対応してリーク診断期間を適正な長さに
設定することができる。
【0063】[その他の実施形態]リーク診断開始(エ
バポ系の密閉)から“所定時間”経過後に検出したタン
ク内圧をリーク診断パラメータとして用いるようにして
も良い。ここで、“所定時間”は、リーク有りの場合に
タンク内圧が大気圧付近に低下するまでの時間に設定す
れば良い。リーク無しの場合は、リーク診断開始から
“所定時間”経過しても、まだタンク内圧が高い状態に
維持されているため、“所定時間”経過後に検出したタ
ンク内圧が大気圧付近に低下しているか否かで、リーク
の有無を診断することができる。この場合、燃料温度に
応じて燃料タンク11内のエバポガス発生量が変化し、
タンク内圧の上昇具合が変化することを考慮して、“所
定時間”を燃料温度に応じて変化させるようにしても良
い。
【0064】また、リーク診断開始後(エバポ系の密閉
後)にタンク内圧の変化を監視し、タンク内圧の上昇率
が所定値以下(例えばほぼ0)になるまでの時間を測定
し、その時間がリーク判定値よりも短いか否かで、リー
クの有無を判定するようにしても良い。或は、リーク診
断開始から所定時間経過する前にタンク内圧が所定圧以
下(例えば大気圧付近)に低下したか否かで、リークの
有無を診断するようにしても良い。
【0065】また、エンジン運転中の燃料温度やエンジ
ン運転状態からエバポガス発生量を推定し、そのエバポ
ガス発生量に基づいてリーク診断の許可/禁止を判定す
るようにしても良い。このようにすれば、リーク有りと
リーク無しの場合のタンク内圧の違いが明瞭に現れるエ
バポガス発生状態になっている場合のみ、リーク診断を
実施することができ、リーク診断精度を向上することが
できる。
【0066】尚、前記実施形態(1)、(2)では、エ
バポ系の密閉後に直ちにタンク内圧の検出を開始するよ
うにしたが、エバポ系の密閉後、リーク有りとリーク無
しの場合のタンク内圧の違いが明瞭に現れるまでの暫く
の時間が経過してからタンク内圧の検出を開始するよう
にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)におけるエバポガスパ
ージシステムの構成を示す図
【図2】実施形態(1)のリーク診断ルーチンの処理の
流れを示すフローチャート
【図3】実施形態(1)のメインリレー制御ルーチンの
処理の流れを示すフローチャート
【図4】エンジン停止後のリーク診断の一例を示すタイ
ムチャート
【図5】リーク診断期間の設定方法を説明する図(その
1)
【図6】リーク診断期間の設定方法を説明する図(その
2)
【図7】リーク孔径とタンク内圧積算値との関係を測定
したデータを示す図
【図8】実施形態(2)のリーク診断ルーチンの処理の
流れを示すフローチャート(その1)
【図9】実施形態(2)のリーク診断ルーチンの処理の
流れを示すフローチャート(その2)
【符号の説明】
11…燃料タンク、12…エバポ通路、13…キャニス
タ、14…大気開閉弁、15…パージ通路、16…パー
ジ制御弁、17…タンク内圧センサ(内圧判定手段)、
18…燃料レベルセンサ(燃料残量検出手段)、19…
水温センサ、20…吸気温センサ、21…制御回路(リ
ーク診断手段,密閉手段,リーク診断実行条件判定手
段)、22…メインリレー、23…イグニッションスイ
ッチ、24…バックアップ電源、25…ソークタイマ、
26…燃料温度センサ(燃料温度判定手段)、27…警
告ランプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若原 啓二 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 三輪 真 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 2G067 AA25 BB02 CC04 DD02 2G087 AA19 AA27 BB25 CC11 CC31 EE16 FF25 3G044 BA22 CA02 EA32 EA33 EA40 EA53 EA55 EA57 EA63 FA04 FA13 FA15 FA23 FA30 FA31 FA39

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンク内の燃料が蒸発して生じたエ
    バポガスを内燃機関の吸気系にパージするエバポガスパ
    ージシステムにおいて、 前記燃料タンクを含むエバポ系の圧力を検出する内圧検
    出手段と、 内燃機関運転停止後の少なくともリーク診断期間中に前
    記エバポ系を密閉状態に維持する密閉手段と、 内燃機関運転停止後のリーク診断期間内に前記内圧検出
    手段で検出した圧力に基づいて前記エバポ系のリークの
    有無を診断するリーク診断手段とを備えていることを特
    徴とするエバポガスパージシステムのリーク診断装置。
  2. 【請求項2】 前記リーク診断期間は、リーク無しの場
    合に内燃機関運転停止後に前記エバポ系の圧力が正圧に
    なっている期間又はそれよりも短い期間に設定されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のエバポガスパージ
    システムのリーク診断装置。
  3. 【請求項3】 前記リーク診断期間は、リーク無しの場
    合に内燃機関運転停止後に前記エバポ系の圧力が最大と
    なるまでの期間又はそれよりも短い期間に設定されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のエバポガスパージ
    システムのリーク診断装置。
  4. 【請求項4】 前記密閉手段は、内燃機関運転停止直後
    に前記エバポ系を密閉することを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載のエバポガスパージシステムのリ
    ーク診断装置。
  5. 【請求項5】 前記リーク診断手段は、前記リーク診断
    期間内の前記内圧検出手段の検出圧力と基準圧力との差
    圧を所定の演算周期で積算し、その積算値に基づいて前
    記エバポ系のリークの有無を診断することを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれかに記載のエバポガスパージシ
    ステムのリーク診断装置。
  6. 【請求項6】 前記リーク診断手段は、前記リーク診断
    期間内の前記内圧検出手段の検出圧力の変化に基づいて
    前記エバポ系のリークの有無を診断することを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれかに記載のエバポガスパージ
    システムのリーク診断装置。
  7. 【請求項7】 前記リーク診断手段は、前記リーク診断
    期間内の前記内圧検出手段の検出圧力の最大値に基づい
    て前記エバポ系のリークの有無を診断することを特徴と
    する請求項1乃至6のいずれかに記載のエバポガスパー
    ジシステムのリーク診断装置。
  8. 【請求項8】 前記燃料タンク内の燃料温度を判定する
    燃料温度判定手段と、 前記燃料温度検出手段で判定した燃料温度に基づいてリ
    ーク診断の許可/禁止を判定するリーク診断実行条件判
    定手段とを備えていることを特徴とする請求項1乃至7
    のいずれかに記載のエバポガスパージシステムのリーク
    診断装置。
  9. 【請求項9】 前記燃料温度判定手段は、停止前の内燃
    機関の運転状態又は走行履歴に基づいて前記燃料タンク
    内の燃料温度を推定することを特徴とする請求項8に記
    載のエバポガスパージシステムのリーク診断装置。
  10. 【請求項10】 前記リーク診断手段は、前記燃料温度
    判定手段で判定した燃料温度に基づいて前記リーク診断
    期間を補正することを特徴とする請求項8又は9に記載
    のエバポガスパージシステムのリーク診断装置。
  11. 【請求項11】 前記リーク診断手段は、前記燃料温度
    判定手段で判定した燃料温度に基づいてリーク診断の判
    定基準を変化させることを特徴とする請求項8乃至10
    のいずれかに記載のエバポガスパージシステムのリーク
    診断装置。
  12. 【請求項12】 前記燃料タンク内の燃料残量を検出す
    る燃料残量検出手段を備え、 前記リーク診断手段は、前記燃料残量検出手段で検出し
    た燃料残量に基づいてリーク診断の判定基準を変化させ
    ることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載
    のエバポガスパージシステムのリーク診断装置。
  13. 【請求項13】 内燃機関の運転停止前のエバポガス発
    生量を判定するエバポガス発生量判定手段と、 前記エバポガス発生量判定手段で判定したエバポガス発
    生量に基づいてリーク診断の許可/禁止を判定するリー
    ク診断実行条件判定手段とを備えていることを特徴とす
    る請求項1乃至7のいずれかに記載のエバポガスパージ
    システムのリーク診断装置。
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