JP4491524B1 - 製塩方法および製塩装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小浜温泉の源泉を利用して、比較的簡単な構成に基づき、衛生的・効率的・低コストで環境に優しく、ミネラル成分豊富な自然塩を製造することが可能な、製塩装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、海水を用いて塩を作る製塩装置であって、温泉水を貯留可能なタンク20と、温泉水を流し込んで循環可能に設けられた温泉水循環プール30と、海水および温泉水を供給可能な状態で前記温泉水循環プール30内に設けられた蒸発釜41と、前記蒸発釜41内の液体を攪拌可能に設けられた攪拌手段とを備えたことを特徴としている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、海水を用いて塩を作る製塩装置であって、温泉水を貯留可能なタンク20と、温泉水を流し込んで循環可能に設けられた温泉水循環プール30と、海水および温泉水を供給可能な状態で前記温泉水循環プール30内に設けられた蒸発釜41と、前記蒸発釜41内の液体を攪拌可能に設けられた攪拌手段とを備えたことを特徴としている。
【選択図】図1
Description
本発明は、海水を用いた製塩方法および製塩装置に関するものである。
従来から、海水を用いた製塩方法は、種々知られている。
その中の一つとしては、例えば、天日を用いた製塩方法が知られている。現在の日本においては、食用として輸入される塩の殆どが天日塩である。そして、外国で作られる天日塩は、その殆どが大塩田で作られている。そのため、塩中に泥などの混入が多く衛生上の問題があった。それ故、日本では、輸入した天日塩をそのまま食用とする例は少なく、通常は、輸入した天日塩を溶解した後に煎熬(煮詰めて塩を析出すること)して精製塩とし、この精製塩を食用等として使用している。
また、天日のみを利用して塩を作るとかなりの時間を要する。そこで、従来から知られる方法として、製造時間を短縮するために、木々を伐採した薪を燃焼させて、かん水を煮詰める方法が知られている。この方法であれば、薪を使用する(燃焼させる)ことにより、製造時間の短縮を図ることはできるが、森林破壊やCO2の排出という問題を生じさせることとなる。具体的には、薪を燃焼させて塩1tを作る場合には、多いところでおよそ2.15tのCO2が排出される。この数字(CO2排出量)は、約4万7千人が1ヶ月間に排出するCO2量である。
さらに、他の製塩方法としては、イオン交換膜を用いた方法がある。このイオン交換膜を用いて製造される精製塩(化学塩)は、純度99.6%という塩化ナトリウムであり、身体に良いとされるミネラル成分は除かれている。したがって、一般的に、保存料等として使用されることが多い。
ところで、長崎県の小浜温泉は、約370年の伝統がある風光明媚な温泉地として知られている。この小浜温泉の泉質はナトリウム含有泉で、源泉温度は105度、熱量は世界一と言われている。小浜温泉の一日の湧出量は、8,000tと豊富であり、塩分を含むしっとりとした肌触りが特徴である。このように豊富な湧出量を誇る小浜温泉であるが、現在のところ、その豊富な温泉水の35%は、未使用のまま海に排出されている。
上述したように、従来技術にかかる製塩方法は、種々知られているが、これらの方法には、いくつかの問題が存在する。
天日を用いた製塩方法は、多くの製塩時間を要するため効率的な製塩を行うことが困難である。また、天候にも左右されるため、計画的且つ効率的な製塩を行うことが困難である。さらに、上述したように、製塩の過程において、泥等の混入の可能性があるため、衛生上の問題もある。
薪等を燃焼させてかん水を煮詰める製塩方法には、上述したように、森林破壊やCO2の排出という問題が生ずる。また、薪等の燃料が必要となるため、燃料に関する費用が発生するという経済的な問題(コストアップ)も生ずる。
イオン交換膜を用いた製塩方法においては、得られる塩が純度99.6%という塩化ナトリウムであるため、ミネラル成分が豊富で旨みのある塩を得ることができないという問題があった。
また、一方では、未使用のまま海に排出される温泉水を、効果的に活用したいという要望もあった。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、小浜温泉の源泉を利用して、比較的簡単な構成に基づき、衛生的・効率的・低コストで環境に優しく、ミネラル成分豊富な自然塩を製造することが可能な、製塩方法を提供することを課題とする。また、本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、小浜温泉の源泉を利用して、比較的簡単な構成に基づき、衛生的・効率的・低コストで環境に優しく、ミネラル成分豊富な自然塩を製造することが可能な、製塩装置を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、海水を用いて塩を作る製塩方法であって、第一領域内に温泉水を流し込んで循環させる温泉水循環工程と、前記第一領域内に設けられた第二領域内に海水を供給する海水供給工程と、前記第二領域内に温泉水を供給する温泉水供給工程と、前記第二領域内における海水および温泉水を攪拌する攪拌工程と、前記攪拌工程を経て得られたかん水の水分を蒸発させる蒸発工程とを備えたことを特徴としている。より具体的には、海水を用いて塩を作る製塩方法であって、温泉水循環プール内に温泉水を流し込んで循環させる温泉水循環工程と、前記温泉水循環プール内に設けられた蒸発釜内に海水を供給する海水供給工程と、前記蒸発釜内に温泉水を供給する温泉水供給工程と、前記蒸発釜内にて前記海水および前記温泉水を混合して得られたかん水の水分を蒸発させる蒸発工程とを備えたことを特徴としている。
このような構成によれば、前記第二領域内に供給された海水、あるいは海水と温泉水との混合液体を煮詰める際の熱源として、前記第一領域内の温泉水(約105度の温泉水)が用いられているため、衛生的・効率的・低コストで環境に優しく、塩の製造を行うことができる。つまり、天日のみを用いての製塩方法ではないため、天候等に左右されず、計画的且つ効率的な製塩を行うことができる。また、かん水を煮詰める際に薪等の燃料を必要としないため、燃料に関する費用が発生しない。さらに、このような構成によれば、前記第二領域(例えば、鉄製の釜等)内にて塩が製造されるため、製造される塩中に泥等が混入することもない。また、このような構成によれば、未使用のまま海に排出されていた温泉水を効果的に活用することができる。さらに、このような構成によれば、海水と温泉水との混合液体を煮詰めているため、ミネラル成分豊富で旨みのある自然塩を製造することができる。
また、本発明にかかる製塩方法においては、前記温泉水をタンク内に貯留する温泉水貯留工程を備え、前記温泉水循環工程にて、前記タンクから前記第一領域内に前記温泉水を流し込む構成が好ましい。より具体的には、本発明にかかる製塩方法は、前記温泉水をタンク内に貯留する温泉水貯留工程を備え、前記温泉水循環工程にて、前記タンクから前記温泉水循環プール内に前記温泉水を流し込む構成が好ましい。
この好ましい構成によれば、地中から湧き出す温泉水を前記タンク内に一時的に貯留し、前記タンクから前記第一領域内に前記温泉水を流し込むため、温度や流量を所定条件に制御して、前記温泉水を効率的に供給することができる。すなわち、自噴する温泉水は勢いが強く、圧力変動が生じやすいが、このように、自噴する温泉水を前記タンクに貯留する構成とすれば、一定の圧力(水圧)で温度を保ちながら、前記第一領域内に前記温泉水を供給することが可能となる。
さらに、本発明にかかる製塩方法においては、前記海水供給工程後における前記第二領域内の前記海水が結晶化した後に、前記温泉水供給工程が行われる構成が好ましい。より具体的には、本発明にかかる製塩方法は、前記海水供給工程後における前記蒸発釜内の前記海水が結晶化した後に、前記温泉水供給工程が行われる構成が好ましい。
この好ましい構成によれば、塩の製造過程において、料理に使用に適する濃度の「かん水」が作りやすく、料理人等の要望に応じて、比較的簡単に「かん水」の濃度調節を行うことができる。
また、本発明にかかる製塩方法においては、前記海水供給工程後における前記第二領域内の前記海水の塩分濃度が所定濃度となった後に、前記温泉水供給工程が行われる構成が好ましい。より具体的には、本発明にかかる製塩方法は、前記海水供給工程後における前記蒸発釜内の前記海水の塩分濃度が所定濃度となった後に、前記温泉水供給工程が行われる構成がこのましい。例えば、前記第二領域内(前記蒸発釜内)の海水の塩分濃度が15%〜20%の範囲内となった後に、温泉水供給工程が行われる構成が好ましい。
この好ましい構成によれば、結晶が大きい塩を製造することが可能となる。すなわち、焼肉用やおにぎり等に使用しやすいサイズ(結晶サイズ)の塩を作ることが可能となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、海水を用いて塩を作る製塩方法であって、第一領域内に温泉水を流し込んで循環させる温泉水循環工程と、前記第一領域内に設けられた第二領域内にかん水を供給するかん水供給工程と、前記第二領域内におけるかん水の水分を蒸発させる蒸発工程とを備えたことを特徴としている。より具体的には、本発明は、海水を用いて塩を作る製塩方法であって、温泉水循環プール内に温泉水を流し込んで循環させる温泉水循環工程と、前記温泉水循環プール内に設けられた蒸発釜内に、海水および温泉水を混合して得られたかん水を供給するかん水供給工程と、前記蒸発釜内におけるかん水の水分を蒸発させる蒸発工程とを備えたことを特徴としている。
このような構成によれば、前記第二領域内に供給された前記かん水を煮詰める際の熱源として、前記第一領域内の温泉水(約105度の温泉水)が用いられているため、衛生的・効率的・低コストで環境に優しく、塩の製造を行うことができる。つまり、上述したように、天日のみを用いての製塩方法ではないため、天候等に左右されず、計画的且つ効率的な製塩を行うことができる。また、かん水を煮詰める際に薪等の燃料を必要としないため、燃料に関する費用が発生しない。さらに、このような構成によれば、前記第二領域(例えば、鉄製の釜等)内にて塩が製造されるため、製造される塩中に泥等が混入することもない。また、このような構成によれば、未使用のまま海に排出されていた温泉水を効果的に活用することができる。さらに、このような構成によれば、海水と温泉水との混合液体を煮詰めているため、ミネラル成分豊富で旨みのある自然塩を製造することができる。また、事前に海水と温泉水とをブレンドしたかん水を前記第二領域に供給する製塩方法であるため、塩分濃度の調節を簡単に行うことができる。
また、本発明にかかる製塩方法においては、前記蒸発工程が、温泉熱を用いた温泉熱蒸発工程と、太陽熱を用いた太陽熱蒸発工程とを有する構成であることが好ましい。
この好ましい構成によれば、前記温泉熱蒸発工程を行うことによって、衛生的・効率的で環境に優しい、塩の製造方法を得ることができる。また、天日のみを用いての製塩方法ではないため、天候等に左右されず、計画的且つ効率的な製塩を行うことができる。さらに、かん水を煮詰める際に薪等の燃料を必要としないため、燃料に関する費用が発生せず、低コスト化を実現することができる。また、前記太陽熱蒸発工程を行うことによって、より乾燥度の高い塩を得ることができる。加えて、本発明によれば、前記温泉熱蒸発工程の後に、前記太陽熱蒸発工程を行うため、従来の天日のみを用いた製塩方法と比較して、より計画的且つ効率的で低コストの製塩方法を得ることができる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、海水を用いて塩を作る製塩装置であって、温泉水を流し込んで循環可能に設けられた第一領域と、海水および温泉水を供給可能な状態で前記第一領域内に設けられた第二領域とを備えたことを特徴としている。より具体的には、本発明は、海水を用いて塩を作る製塩装置であって、温泉水を流し込んで循環可能に設けられた温泉水循環プールと、海水および温泉水を供給可能な状態で前記温泉水循環プール内に設けられた蒸発釜とを備えたことを特徴としている。また、このような構成にかかる製塩装置においては、前記蒸発釜が、前記温泉水循環プール内に供給された前記温泉水内に浮遊する状態で設けられている構成が好ましい。
このような構成によれば、前記第一領域内に前記第二領域が設けられ、前記第二領域内に供給された海水と温泉水との混合液体を煮詰める際の熱源として、前記第一領域内の温泉水(約105度の温泉水)が用いられるため、衛生的・効率的・低コストで環境に優しく、塩の製造を行うことが可能な、製塩装置を得ることができる。つまり、この製塩装置によれば、天候等に左右されず、計画的且つ効率的に塩の製造を行うことができる。また、この製塩装置によれば、かん水を煮詰める際に薪等の燃料を必要としないため、燃料に関する費用が発生しない。さらに、この製塩装置によれば、前記第二領域(例えば、鉄製の釜等)内にて塩が製造されるため、製造される塩中に泥等が混入することもない。また、この製塩装置によれば、未使用のまま海に排出されていた温泉水を効果的に活用することができる。さらに、この製塩装置によれば、海水と温泉水との混合液体を煮詰めているため、ミネラル成分豊富で旨みのある自然塩を得ることができる。
また、本発明にかかる製塩装置においては、温泉水を貯留可能なタンクを有する構成であることが好ましい。
この好ましい構成によれば、地中から湧き出す温泉水を前記タンク内に一時的に貯留することができる。このような構成によれば、前記タンクから前記第一領域内に前記温泉水を流し込むため、温度や流量を所定条件に制御して、前記温泉水を効率的に供給することができる。すなわち、自噴する温泉水は勢いが強く、圧力変動が生じやすいが、このように、自噴する温泉水を貯留する前記タンクを有する構成とすれば、一定の圧力(水圧)で温度を保ちながら、前記第一領域内に前記温泉水を供給することが可能となる。
本発明によれば、小浜温泉の源泉を利用して、比較的簡単な構成に基づき、衛生的・効率的・低コストで環境に優しく、ミネラル成分豊富な自然塩を製造することが可能な、製塩方法を得ることができる。また、本発明によれば、小浜温泉の源泉を利用して、比較的簡単な構成に基づき、衛生的・効率的・低コストで環境に優しく、ミネラル成分豊富な自然塩を製造することが可能な、製塩装置を得ることができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態について説明する。ところで、後述する本実施形態にかかる製塩方法においては、温泉水と海水とを利用するわけであるが、これらの温泉水と海水とは、当然の如く、飲用に適した場所および成分を有するものに限る。仮に、汲み上げた状態のままでは、飲用に適しない場合には、温泉水についても海水についても、何等かの処理を施して、飲用に適した状態にする必要がある。以下、本実施形態においては、特に説明しない限り、飲用に適した温泉水および海水を用いる場合について説明する。
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態にかかる製塩方法を実現可能に構成された製塩装置の概略図を示したものである。また、図2は、図1に示した製塩装置を構成する温泉水循環プールの概略図を示したものである。
図1は、本発明の第一実施形態にかかる製塩方法を実現可能に構成された製塩装置の概略図を示したものである。また、図2は、図1に示した製塩装置を構成する温泉水循環プールの概略図を示したものである。
図1に示すように、本実施形態にかかる製塩装置は、源泉11から温泉水を汲み上げる汲み上げ手段10と、この汲み上げ手段10にて汲み上げられた温泉水を一時的に貯留するタンク20と、このタンク20から供給される温泉水を循環利用等する温泉水循環プール30(本発明の「第一領域」に相当)と、この温泉水循環プール30にて得られた塩を天日干しするために用いられる天日干し用ハウス50等とを用いて構成されている。
本実施形態にかかる汲み上げ手段10は、熱量世界一といわれる小浜温泉を汲み上げるべく、所定箇所に設けられたものであり、本件発明者らは、この世界一の熱量を有する小浜温泉を利用して、ミネラル成分豊富で旨みのある自然塩を製造することを可能とした。この汲み上げ手段10としては、一般的な温泉に用いられる装置が利用可能である。
タンク20は、汲み上げ手段10にて汲み上げられた温泉水を一時的に貯留可能に構成されている。また、このタンク20は、貯留された温泉水の温度低下を可能な限り防止すべく、その壁面部が断熱構造を有している。具体的には、タンク20の内壁面と外壁面との間に断熱材が設けられている。なお、温泉水は、空気と接触しなければ、温度が低下しにくいため、タンク20は、単なる鉄製等の壁面を有する構造としてもよい。
温泉水循環プール30は、図1に示すように、タンク20に貯留されている温泉水を供給可能に構成されている。また、この温泉水循環プール30は、より具体的には、図2に示すように構成されている。
図2に示すように、本実施形態にかかる温泉水循環プール30は、タンク20から供給される温泉水を循環可能に構成されているプール本体部31と、このプール本体部31内等に対して温泉水を供給するために設けられた温泉水供給配管32と、後述する蒸発釜41(本発明の「第二領域」に相当)に海水を供給するために設けられた海水供給配管33と、プール本体部31内にて循環利用された温泉水等(排水)を適宜排出するために設けられた排水排出配管34等とを用いて構成されている。
図1および図2に示すように、プール本体部31内には、プール本体部31に供給された温泉水内にほぼ浮遊する状態で、複数の蒸発釜41が設けられている。これらの図に示すように、本実施形態においては、六個の蒸発釜41が浮遊する状態で、プール本体部31内に設けられている。ここで、「浮遊する状態」とは、固定あるいは非固定にかかわらず、プール本体部31の底部に、蒸発釜41の底面部の少なくとも一部が接触することなく設けられた状態をいう。本実施形態において、プール本体部31の温泉水内に、蒸発釜41を浮遊した状態で設けるのは、蒸発釜41の底面部に対しても、温泉水を適切に循環接触させるためである。本実施形態においては、蒸発釜41の底面部の少なくとも一部が、プール本体部31の底部と非接触状態であればよいため、必要に応じて、蒸発釜41の底面部には、脚部等を設けてもよい。このように、プール本体部31の温泉水内に浮遊する状態で蒸発釜41を設ければ、温泉水と蒸発釜41(内の後述する液体)との間で、効果的な熱交換を行うことができる。
なお、この図1および図2においては、その記載を省略しているが、本実施形態にかかる製塩装置は、蒸発釜41内の液体(後述する)を攪拌するための攪拌手段を有している。攪拌手段としては、例えば、柄杓や攪拌翼等があげられる。これらの攪拌手段は、手動のものであっても、また、自動的に回転駆動等するような構成としてもよい。
天日干し用ハウス50は、温泉水循環プール30内の蒸発釜41にて得られた塩をさらに天日乾燥させるために設けられたものである。本実施形態にかかる製塩方法においては、蒸発釜41にて得られた塩を一つの商品として提供することも可能であるし、この蒸発釜41にて得られた塩を天日干し用ハウス50に移送して、さらに天日にて乾燥処理した後の塩を一つの商品として提供することも可能である。天日干し用ハウス50としては、一般的な農業等に用いられるビニールあるいはガラス等の透光性材料を用いて構成されたハウスが利用可能である。天日干し用ハウス50における塩載置箇所は、泥等の混入がないように、衛生的な状態に保たれている。
したがって、例えば、天日干し用ハウス50の塩載置箇所は、外気等の影響のない室内であって、通気性が良好な場所であることが好ましい。また、塩載置箇所およびその近傍の地面は、地面の埃等の影響を受けないように、セメント等で固め、常時湿らせた状態であることが好ましい。さらに、塩をこの天日干し用ハウス50に移送する際には、結晶化された塩をプラスチックケースに薄く平らにした状態とする。そして、ケースとケースとの間隔は、例えば、上下約30cm間隔、左右約10cm間隔とする。これらの間隔は、作業のしやすさ等を念頭において、適宜変更可能である。
本実施例にかかる製塩装置は、以上のように構成されており、その構成に基づき、次のような方法で塩が製造される。以下、図1および図2を用いて、具体的な製塩方法について説明する。
まず、本実施形態にかかる製塩方法においては、汲み上げ手段10にて源泉11から汲み上げられた温泉水が、タンク20内に貯留される(本発明の「温泉水貯留工程」に相当)。本実施形態にかかる製塩方法において、タンク20内に温泉水を一旦貯留する構成とするのは、自噴する温泉水は勢いが強く、温泉水を直接供給する形態とした場合には、一定の水量(圧力)にて温泉水を供給することが困難だからである。
次に、本実施形態においては、所定の水量および温度(75度以上)を保持した状態で、温泉水供給配管32を介して、タンク20から温泉水循環プール30(を成すプール本体部31)に温泉水が供給される。このように温泉水供給配管32を介してタンク20から供給された温泉水は、温泉水循環プール30内において、所定の温度条件の下、循環させられる(本発明の「温泉水循環工程」に相当)。本実施形態においては、例えば、プール本体部31内の温泉水温度が、70度〜90度の範囲となるように、プール本体部31に対して、タンク20に接続された温泉水供給配管32から、温泉水が供給される。また、このプール本体部31内の温泉水温度は、75度以上に制御することがより好ましい。プール本体部31内の温泉水温度が、70度よりも低い場合には、塩を製造するまでに多くの時間が必要となる。一方、上述した温度範囲であれば、比較的短時間で海水から塩を結晶化することができる。なお、プール本体部31内の温泉水の温度を調節するために、必要に応じて、排水排出配管34を用いた温泉水(排水)の排出処理が行われる。
次に、本実施形態においては、温泉水循環プール30(を成すプール本体部31)の温泉水内に浮かべられた蒸発釜41に対し、海水供給配管33を介して、海水が供給される(本発明の「海水供給工程」に相当)。ここで供給される「海水」は、雲仙からのふく流水と海水とが交わる海底をボーリングして汲み上げられた海水である。
海水供給工程にて蒸発釜41内に供給された海水は、プール本体部31内の温泉水(温泉熱)にて加熱され、海水中の水分が蒸発する。本実施形態においては、この加熱蒸発により、蒸発釜41内の塩分濃度が上昇し、海水が結晶化した後、蒸発釜41内に、温泉水の供給が行われる(本発明の「温泉水供給工程」に相当)。この温泉水供給工程においては、50度以上の温度を有する温泉水を供給することが好ましい。このように50度以上の温泉水を供給するのは、50度よりも低温の温泉水を供給すると、塩の結晶化までに多くの時間を要するからである。すなわち、本実施形態においては、塩の結晶化までの作業を効率的に行うために(溶融から結晶化までの時間を短縮するために)、50度以上の温泉水を供給している。
次に、温泉水供給工程の後、蒸発釜41内の液体が攪拌手段にて攪拌される(本発明の「攪拌工程」に相当)。そして、攪拌工程にて得られた蒸発釜41中のかん水を、さらに、プール本体部31内にて循環している温泉水(温泉熱)を用いて加熱し、蒸発釜41中のかん水の水分を蒸発させる(本発明の「蒸発工程」「温泉熱蒸発工程」に相当)。
この蒸発工程の途中において、かん水の塩分濃度が15%〜20%になったものは、そのまま調味料としての利用が可能である。つまり、このかん水は、必要に応じて、調味料として、そのままの状態で使用可能である。海水のみで作られたかん水は、通常、辛すぎて調味料に適さない。しかしながら、本実施形態によれば、温泉水と海水とを混ぜ合わせたことによって、旨み成分が増し、調味料としての使用に適したかん水を得ることができる。
本実施形態においては、上述した蒸発工程を継続し、蒸発釜41中のかん水を、さらに、プール本体部31内にて循環している温泉水(温泉熱)を用いて加熱し続け、蒸発釜41中のかん水の水分を蒸発させる(本発明の「蒸発工程」「温泉熱蒸発工程」に相当)。このように、かん水を温泉水にてさらに蒸発させると、蒸発釜41内において、塩の結晶が得られる。
次に、蒸発釜41内にて得られた塩の結晶は、天日干し用ハウス50に移送される。天日干し用ハウス50中には、衛生的な状態に保持されている塩載置箇所(図示省略)が設けられており、移送された塩の結晶は、この塩載置箇所に載置される。本実施形態においては、天日干し用ハウス50中の塩載置箇所に塩の結晶を載置し、この塩の結晶に対し、太陽熱を用いた加熱処理を行い、塩の結晶中の水分を蒸発させる(本発明の「蒸発工程」「太陽熱蒸発工程」に相当)。
塩を製造する際の蒸発工程については、最後まで温泉熱を利用した蒸発処理を行うことも可能であるが、本実施形態に示すべく、温泉熱蒸発工程の後に太陽熱蒸発工程を行えば、にがり成分がなく、旨み成分が増した、風味豊かな自然塩を得ることができる。
さて、本実施形態においては、上述した製造装置および製造方法に基づき、塩の製造が行われる。以下、これらの特徴ある製造装置および製造方法に起因する、作用効果を具体的に説明する。
本実施形態にかかる海水を用いた製塩方法は、温泉水循環プール30内に温泉水を流し込んで循環させる温泉水循環工程と、温泉水循環プール30内に設けられた蒸発釜41内に海水を供給する海水供給工程と、蒸発釜41内に温泉水を供給する温泉水供給工程と、蒸発釜41内における海水および温泉水を攪拌する攪拌工程と、この攪拌工程を経て得られたかん水の水分を蒸発させる蒸発工程とを備えたことを特徴としている。
このような構成によれば、蒸発釜41内に供給された海水と温泉水との混合液体を煮詰める際の熱源として、温泉水循環プール30内の温泉水(約105度の温泉水)が用いられているため、衛生的・効率的・低コストで環境に優しく、塩の製造を行うことができる。つまり、天日のみを用いての製塩方法ではないため、天候等に左右されず、計画的且つ効率的な製塩を行うことができる。また、かん水を煮詰める際に薪等の燃料を必要としないため、燃料に関する費用が発生しない。さらに、このような構成によれば、蒸発釜41(例えば、鉄製の釜等)内にて塩が製造されるため、製造される塩中に泥等が混入することもない。また、このような構成によれば、未使用のまま海に排出されていた温泉水を効果的に活用することができる。さらに、このような構成によれば、海水と温泉水との混合液体を煮詰めているため、ミネラル成分豊富で旨みのある自然塩を製造することができる。
また、本実施形態にかかる製塩方法は、温泉水をタンク20内に貯留する温泉水貯留工程を備え、温泉水循環工程にて、タンク20から温泉水循環プール30内に温泉水を流し込むように構成されている。
このような構成によれば、地中から湧き出す温泉水をタンク20内に一時的に貯留し、タンク20から温泉水循環プール30内に温泉水を流し込むため、温度や流量を所定条件に制御して、温泉水を効率的に供給することができる。すなわち、自噴する温泉水は勢いが強く、圧力変動が生じやすいが、このように、自噴する温泉水をタンク20に貯留する構成とすれば、一定の圧力(水圧)で温度を保ちながら、温泉水循環プール30内に温泉水を供給することが可能となる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態にかかる製塩方法を実現可能に構成された製塩装置も、基本的には第一実施形態にて説明した装置と同様の構成を有する。本実施形態と第一実施形態との違いは、製塩方法の一部分である。したがって、以下においては、装置の具体的な説明は省略し、主に第一実施形態と異なる部分に関する説明を行う。ここで説明しない部分は、基本的に第一実施形態と同様である。
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態にかかる製塩方法を実現可能に構成された製塩装置も、基本的には第一実施形態にて説明した装置と同様の構成を有する。本実施形態と第一実施形態との違いは、製塩方法の一部分である。したがって、以下においては、装置の具体的な説明は省略し、主に第一実施形態と異なる部分に関する説明を行う。ここで説明しない部分は、基本的に第一実施形態と同様である。
本実施例にかかる製塩装置は、図1および図2に示すように構成されており、その構成に基づき、次のような方法で塩が製造される。以下、図1および図2を用いて、具体的な製塩方法について説明する。
本実施形態にかかる製塩方法においては、汲み上げ手段10にて源泉11から汲み上げられた温泉水が、タンク20内に貯留される(本発明の「温泉水貯留工程」に相当)。本実施形態にかかる製塩方法において、タンク20内に温泉水を一旦貯留する構成とするのは、自噴する温泉水は勢いが強く、温泉水を直接供給する形態とした場合には、一定の水量(圧力)にて温泉水を供給することが困難だからである。
次に、本実施形態においては、所定の水量および温度(75度以上)を保持した状態で、温泉水供給配管32を介して、タンク20から温泉水循環プール30(を成すプール本体部31)に温泉水が供給される。このように温泉水供給配管32を介してタンク20から供給された温泉水は、温泉水循環プール30内において、所定の温度条件の下、循環させられる(本発明の「温泉水循環工程」に相当)。本実施形態においては、例えば、プール本体部31内の温泉水温度が、70度〜90度の範囲となるように、プール本体部31に対して、タンク20に接続された温泉水供給配管32から、温泉水が供給される。また、このプール本体部31内の温泉水温度は、75度以上に制御することがより好ましい。プール本体部31内の温泉水温度が、70度よりも低い場合には、塩を製造するまでに多くの時間が必要となる。一方、上述した温度範囲であれば、比較的短時間で海水から塩を結晶化することができる。なお、プール本体部31内の温泉水の温度を調節するために、必要に応じて、排水排出配管34を用いた温泉水(排水)の排出処理が行われる。
次に、本実施形態においては、温泉水循環プール30(を成すプール本体部31)の温泉水内に浮かべられた蒸発釜41に対し、海水供給配管33を介して、海水が供給される(本発明の「海水供給工程」に相当)。ここで供給される「海水」は、雲仙からのふく流水と海水とが交わる海底をボーリングして汲み上げられた海水である。
海水供給工程にて蒸発釜41内に供給された海水は、プール本体部31内の温泉水(温泉熱)にて加熱され、海水中の水分が蒸発する。この加熱蒸発により、蒸発釜41内の塩分濃度が上昇し、所定の塩分濃度になった後、蒸発釜41内に、温泉水の供給が行われる(本発明の「温泉水供給工程」に相当)。具体的には、蒸発釜41内の海水の塩分濃度が15%〜20%の範囲内となった後に、温泉水供給工程が行われる。このような構成とすることによって、結晶が大きい塩を製造することが可能となる。すなわち、本実施形態によれば、焼肉用やおにぎり等に使用しやすいサイズ(結晶サイズ)の塩を、比較的容易に作ることができる。
また、本実施形態にかかる温泉水供給工程においては、50度以上の温度を有する温泉水を供給することが好ましい。このように50度以上の温泉水を供給するのは、50度よりも低温の温泉水を供給すると、塩の結晶化までに多くの時間を要するからである。すなわち、本実施形態においては、塩の結晶化までの作業を効率的に行うために(溶融から結晶化までの時間を短縮するために)、50度以上の温泉水を供給している。
次に、温泉水供給工程の後、蒸発釜41内の液体が攪拌手段にて攪拌される(本発明の「攪拌工程」に相当)。そして、攪拌工程にて得られた蒸発釜41中のかん水を、さらに、プール本体部31内にて循環している温泉水(温泉熱)を用いて加熱し、蒸発釜41中のかん水の水分を蒸発させる(本発明の「蒸発工程」「温泉熱蒸発工程」に相当)。
この蒸発工程の途中において、かん水の塩分濃度が15%〜20%になったものは、そのまま調味料としての利用が可能である。つまり、このかん水は、必要に応じて、調味料として、そのままの状態で使用可能である。海水のみで作られたかん水は、通常、辛すぎて調味料に適さない。しかしながら、本実施形態によれば、温泉水と海水とを混ぜ合わせたことによって、旨み成分が増し、調味料としての使用に適したかん水を得ることができる。
本実施形態においては、上述した蒸発工程を継続し、蒸発釜41中のかん水を、さらに、プール本体部31内にて循環している温泉水(温泉熱)を用いて加熱し続け、蒸発釜41中のかん水の水分を蒸発させる(本発明の「蒸発工程」「温泉熱蒸発工程」に相当)。このように、かん水を温泉水にてさらに蒸発させると、蒸発釜41内において、塩の結晶が得られる。
次に、蒸発釜41内にて得られた塩の結晶は、天日干し用ハウス50に移送される。天日干し用ハウス50中には、衛生的な状態に保持されている塩載置箇所(図示省略)が設けられており、移送された塩の結晶は、この塩載置箇所に載置される。本実施形態においては、天日干し用ハウス50中の塩載置箇所に塩の結晶を載置し、この塩の結晶に対し、太陽熱を用いた加熱処理を行い、塩の結晶中の水分を蒸発させる(本発明の「蒸発工程」「太陽熱蒸発工程」に相当)。
塩を製造する際の蒸発工程については、最後まで温泉熱を利用した蒸発処理を行うことも可能であるが、本実施形態に示すべく、温泉熱蒸発工程の後に太陽熱蒸発工程を行えば、にがり成分がなく、旨み成分が増した、風味豊かな自然塩を得ることができる。
さて、本実施形態においては、上述した製造装置および製造方法に基づき、塩の製造が行われる。以下、これらの特徴ある製造装置および製造方法に起因する、作用効果を具体的に説明する。
本実施形態にかかる海水を用いた製塩方法は、第一実施形態と同様に、温泉水循環プール30内に温泉水を流し込んで循環させる温泉水循環工程と、温泉水循環プール30内に設けられた蒸発釜41内に海水を供給する海水供給工程と、蒸発釜41内に温泉水を供給する温泉水供給工程と、蒸発釜41内における海水および温泉水を攪拌する攪拌工程と、この攪拌工程を経て得られたかん水の水分を蒸発させる蒸発工程とを備えたことを特徴としている。
このような構成によれば、蒸発釜41内に供給された海水と温泉水との混合液体を煮詰める際の熱源として、温泉水循環プール30内の温泉水(約105度の温泉水)が用いられているため、衛生的・効率的・低コストで環境に優しく、塩の製造を行うことができる。つまり、天日のみを用いての製塩方法ではないため、天候等に左右されず、計画的且つ効率的な製塩を行うことができる。また、かん水を煮詰める際に薪等の燃料を必要としないため、燃料に関する費用が発生しない。さらに、このような構成によれば、蒸発釜41(例えば、鉄製の釜等)内にて塩が製造されるため、製造される塩中に泥等が混入することもない。また、このような構成によれば、未使用のまま海に排出されていた温泉水を効果的に活用することができる。さらに、このような構成によれば、海水と温泉水との混合液体を煮詰めているため、ミネラル成分豊富で旨みのある自然塩を製造することができる。
また、本実施形態にかかる製塩方法は、温泉水をタンク20内に貯留する温泉水貯留工程を備え、温泉水循環工程にて、タンク20から温泉水循環プール30内に温泉水を流し込むように構成されている。
このような構成によれば、地中から湧き出す温泉水をタンク20内に一時的に貯留し、タンク20から温泉水循環プール30内に温泉水を流し込むため、温度や流量を所定条件に制御して、温泉水を効率的に供給することができる。すなわち、自噴する温泉水は勢いが強く、圧力変動が生じやすいが、このように、自噴する温泉水をタンク20に貯留する構成とすれば、一定の圧力(水圧)で温度を保ちながら、温泉水循環プール30内に温泉水を供給することが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で必要に応じて種々の変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で必要に応じて種々の変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態においては、蒸発工程として、温泉熱を用いた温泉熱蒸発工程と、太陽熱を用いた太陽熱蒸発工程とを行う場合について説明したが、本発明は、この構成に限定されなし。したがって、例えば、温泉熱のみを用いて、かん水の水分を全て蒸発させることも可能である。すなわち、プール本体部31に浮遊させた状態の蒸発釜41中のかん水を温泉水のみで加熱して、かん水の水分を完全に蒸発させて、「塩」を得るような構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、蒸発釜41に対して、段階的に海水および温泉水を供給することによって「かん水」を形成し、そのかん水を蒸発させることによって、「塩」を製造する方法について説明したが、本発明は、この構成に限定されない。したがって、例えば、事前に海水と温泉水とをブレンドした「かん水」を製造し、そのかん水を蒸発釜41に供給して蒸発させることによって、「塩」を製造してもよい。
より具体的には、例えば、海水と温泉水とを「海水:温泉水=1:3」の割合で混ぜ合わせ、この混ぜ合わせた液体を、温泉熱を利用して、その塩分濃度が15%〜20%になるまで蒸発させる。この塩分濃度が15%〜20%の液体(かん水)は、上述した他の実施形態でも説明したように、必要に応じて、調味料として利用可能である。そして、「塩」を製造する際には、この調味料として利用可能な液体(かん水)に対して、温泉熱を用いた蒸発工程と、天日干し用ハウスを用いた蒸発工程を行うことによって、液体(かん水)の水分を飛ばして(蒸発させて)、「塩」の結晶を得ることができる。すなわち、この実施形態においても、上述した各実施形態にて説明した装置を用いて、衛生的・効率的・低コストで環境に優しく、ミネラル成分豊富な自然塩を製造することができる。
より具体的には、例えば、海水と温泉水とを「海水:温泉水=1:3」の割合で混ぜ合わせ、この混ぜ合わせた液体を、温泉熱を利用して、その塩分濃度が15%〜20%になるまで蒸発させる。この塩分濃度が15%〜20%の液体(かん水)は、上述した他の実施形態でも説明したように、必要に応じて、調味料として利用可能である。そして、「塩」を製造する際には、この調味料として利用可能な液体(かん水)に対して、温泉熱を用いた蒸発工程と、天日干し用ハウスを用いた蒸発工程を行うことによって、液体(かん水)の水分を飛ばして(蒸発させて)、「塩」の結晶を得ることができる。すなわち、この実施形態においても、上述した各実施形態にて説明した装置を用いて、衛生的・効率的・低コストで環境に優しく、ミネラル成分豊富な自然塩を製造することができる。
さらに、上記実施形態においては、温泉熱として、主に「温泉水」を用いる場合について説明したが、本発明は、この構成に限定されない。したがって、例えば、源泉あるいはタンクから得られる「蒸気」を用いることも可能である。具体的には、源泉近傍あるいはタンクに対して、「蒸気(温泉の蒸気)」を流通可能なパイプを設置し、このパイプを温泉水循環プール30と繋ぐことによって、「蒸気」を適宜温泉水循環プール30に流通可能に構成してもよい。このような構成であれば、効果的に、温泉水循環プール30内の温泉水の温度低下を防ぐことができる。
本発明によれば、小浜温泉の源泉を利用して、比較的簡単な構成に基づき、衛生的・効率的・低コストで環境に優しく、ミネラル成分豊富な自然塩を製造することが可能な、製塩方法を得ることができる。また、本発明によれば、小浜温泉の源泉を利用して、比較的簡単な構成に基づき、衛生的・効率的・低コストで環境に優しく、ミネラル成分豊富な自然塩を製造することが可能な、製塩装置を得ることができる。
10…汲み上げ手段
11…源泉
20…タンク
30…温泉水循環プール(第一領域)
31…プール本体部
32…温泉水供給配管
33…海水供給配管
34…排水排出配管
41…蒸発釜(第二領域)
50…天日干し用ハウス
11…源泉
20…タンク
30…温泉水循環プール(第一領域)
31…プール本体部
32…温泉水供給配管
33…海水供給配管
34…排水排出配管
41…蒸発釜(第二領域)
50…天日干し用ハウス
Claims (8)
- 海水を用いて塩を作る製塩方法であって、
温泉水循環プール内に温泉水を流し込んで循環させる温泉水循環工程と、
前記温泉水循環プール内に設けられた蒸発釜内に海水を供給する海水供給工程と、
前記蒸発釜内に温泉水を供給する温泉水供給工程と、
前記海水および前記温泉水を混合して得られたかん水の水分を前記蒸発釜内にて蒸発させる蒸発工程とを備えた
ことを特徴とする製塩方法。 - 前記温泉水をタンク内に貯留する温泉水貯留工程を備え、
前記温泉水循環工程にて、前記タンクから前記温泉水循環プール内に前記温泉水を流し込む
請求項1に記載の製塩方法。 - 前記海水供給工程後における前記蒸発釜内の前記海水が結晶化した後に、前記温泉水供給工程が行われる
請求項1または2に記載の製塩方法。 - 前記海水供給工程後における前記蒸発釜内の前記海水の塩分濃度が所定濃度となった後に、前記温泉水供給工程が行われる
請求項1または2に記載の製塩方法。 - 海水を用いて塩を作る製塩方法であって、
温泉水循環プール内に温泉水を流し込んで循環させる温泉水循環工程と、
前記温泉水循環プール内に設けられた蒸発釜内に、海水および温泉水を混合して得られたかん水を供給するかん水供給工程と、
前記蒸発釜内におけるかん水の水分を蒸発させる蒸発工程とを備えた
ことを特徴とする製塩方法。 - 前記蒸発工程が、温泉熱を用いた温泉熱蒸発工程と、太陽熱を用いた太陽熱蒸発工程とを有する
請求項1から5のいずれか1項に記載の製塩方法。 - 海水を用いて塩を作る製塩装置であって、
温泉水を流し込んで循環可能に設けられた温泉水循環プールと、
海水および温泉水を供給可能な状態で前記温泉水循環プール内に設けられた蒸発釜とを備えた
ことを特徴とする製塩装置。 - 前記蒸発釜が、前記温泉水循環プール内に供給された前記温泉水内に浮遊する状態で設けられている
請求項7に記載の製塩装置。
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