JP4491197B2 - 水性一液塗床材組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に屋内外床面に適用可能な水性一液塗床材組成物に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、工場、実験室、倉庫、体育館、多目的ホール、テニスコート、プールサイド等の屋内床面、駐車場、競技場、屋上、歩道橋、プラットホーム等の屋外床面には、各用途に合わせて種々の塗床材が採用されている。例えば、表面硬度に優れるエポキシ樹脂系塗床材、黄変しにくく耐溶剤性に優れるウレタン樹脂系塗床材等が広範に用いられており、現在用いられている塗床材としては溶剤系のものが主流となっている。
【0003】
一方、最近では、塗床材において、人体への影響、環境保全、作業性等の観点から、溶剤系から水性系への転換がすすめられており、したがって、溶剤系に匹敵する物性を有する水性系の塗床材の開発が切望されている。
【0004】
水性系の塗床材としては、例えば、特許文献1では、特定水酸基価を有するアクリルポリオールを含有するポリオール(主剤)と、ポリイソシアネート(硬化剤)を含有する水系のポリウレタン塗床材が記載されおり、表面硬度及び耐溶剤性等の向上を図っている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−007985号公報(請求項6参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1では、塗装する直前に、主剤と硬化剤を混合しなければならず、面倒な作業が必要となり、必ずしも作業性に優れているとはいえない。さらに、混合比や混合時間等を正確に決定し均一に混合する必要があり、場合によっては、形成塗膜中のウレタン成分、アクリル成分に偏りが生じ、目的とする物性が得られない恐れがある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような問題を解決するため、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、コア層がアクリル樹脂、シェル層がウレタン樹脂からなる特定のコア/シェル比率を有する多層構造エマルションを結合材する一液の水性塗床材組成物が、表面硬度、耐溶剤性に優れていることを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
即ち、本発明は下記の特徴を有するものである。
1. 少なくともコア層及びシェル層の2層を含み、
前記コア層がアクリル樹脂、前記シェル層がウレタン樹脂からなり、
前記アクリル樹脂のFoxの計算式により得られるガラス転移温度が50℃〜130℃、前記コア層とシェル層との重量比率が100:1〜60である多層構造エマルション、
を結合材とする水性一液塗床材組成物。
2.組成物中の揮発性有機化合物の含有量が5重量%以下であることを特徴とする1.記載の水性一液塗床材組成物。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づき詳細に説明する。
【0010】
本発明の水性一液塗床材組成物は、少なくともコア層及びシェル層の2層を含み、前記コア層がアクリル樹脂、前記シェル層がウレタン樹脂からなり、前記コア層とシェル層との重量比率が100:1〜60である多層構造エマルション、を結合材することを特徴とする。
【0011】
本発明の多層構造エマルションは、少なくともコア層及びシェル層の2層を含む多層構造エマルションである。
ここで言うコア層とは、多層構造エマルションの内層部を意味し、最外層部以外の層である。シェル層とは、多層構造エマルションの最外層部を意味するものである。本発明の多層構造エマルションは、コア層とシェル層の間に中間層を有する3層構造でもよいし、さらに複数の中間層を有してもよい。
なお、コア層が2層以上存在する場合は、本発明の効果を損なわない程度であれば、少なくとも1層がアクリル樹脂で形成されていればよい。
【0012】
本発明では、このようなコアシェル構造に起因する微視的に相分離したモルフォロジーにより、その形成塗膜が特徴的な物性をもつものである。即ち、ウレタン樹脂の特徴である優れた耐溶剤性、アクリル樹脂の特徴である優れた表面硬度を兼備えた塗膜が得られる。
【0013】
特にシェル層であるウレタン樹脂が形成塗膜の最表面を形成するため、耐溶剤性に優れており、また、ウレタン架橋により、優れた塗膜強度を有する。
さらに、アクリル樹脂の性能を十分活かせるように、コア層とシェル層との重量比率が100:1〜60(好ましくは100:10〜40)となるように設定する。コア層が規定比率よりも少ない場合は、アクリル樹脂の性能が十分発揮できず、表面硬度に劣る場合がある。コア層が規定比率よりも多い場合は、ウレタン樹脂の性能が十分発揮できず、耐溶剤性に劣る場合がある。
【0014】
本発明の多層構造エマルションは、公知の方法、例えば乳化重合法等で製造すればよい。また重合時には、通常用いられる、単量体、開始剤、乳化剤、分散剤、溶剤、連鎖移動剤、緩衝剤等またはその他の添加剤等を加えることができる。また、通常のエマルションタイプの他に、強制乳化タイプ、自己乳化タイプ、ソープフリータイプ等でもよい。
【0015】
アクリル樹脂としては、アクリル単量体を重合または共重合することによって得ることができる。アクリル単量体としては、例えば、
(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有アクリル単量体、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有アクリル単量体、
アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノブチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有アクリル単量体、
グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリル単量体、
トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート等のアルコキシシリル基含有単量体
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、n一アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オキチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ドデセニル(メタ)アクリレート、オタタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
【0016】
アクリル樹脂として、アクリル系単量体以外に、他の単量体を併用し共重合することもできる。このような単量体としては、
クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、イソクロトン酸、サリチル酸、けい皮酸等のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体、
ブチルビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、p−アミノスチレン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピペリジン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピロリジン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕モルホリン、4−〔N,N−ジメチルアミノ〕スチレン、4−〔N,N−ジエチルアミノ〕スチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のアミノ基含有単量体、
ジグリシジルフマレート、3,4−エポキシビニルシクロヘキサン、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有単量体、
N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有単量体、
ビニルオキサゾリン、2−プロペニル2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有単量体、
スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル単量体、
マレイン酸アミド、(メタ)アクリルアミド、N−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N、N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタクリレート)、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド、ビニルアミド等のアミド基含有単量体
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル単量体、
スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル系単量体;
フッ化ビニリデン、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系単量体;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等のシリル基含有単量体
エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン、塩化ビニル、シリコーンマクロマー等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
【0017】
アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃〜130℃、好ましくは80〜100℃である。ガラス転移温度がこのような範囲であることにより、優れた表面硬度を得ることができる。なお、ガラス転移温度(Tg)は、Foxの計算式により得られる値である。
【0018】
ウレタン樹脂としては、ポリオールとイソシアネート化合物との反応によって得られるものであり、公知のものを用いることができる。
【0019】
ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、フェノールレジンポリオール、エポキシポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリエステル−ポリエーテルポリオール、ウレア分散ポリオール、カーボネートポリオール等が挙げられる。
【0020】
イソシアネート化合物としては、例えば、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(pure−MDI)、ポリメリックMDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添XDI、水添MDI等のイソシアネートモノマーを、アロファネート化、ビウレット化、2量化(ウレチジオン化)、3量化(イソシアヌレート化)、アダクト化、カルボジイミド化反応等により誘導体化したもの、及びそれらの混合物等が挙げられる。
これらのうち、HMDI、IPDI、水添XDI等の誘導体である脂環族系のイソシアネート化合物が好適である。このような脂環族系のイソシアネート化合物を使用すれば、耐黄変性をいっそう高めることができる。さらに、施工時の安全性を考慮すると、HMDI誘導体が好適である。
【0021】
イソシアネート化合物とポリオールとの混合比率は、特に限定されないが、NCO/OH当量比で通常0.2〜2.0、好ましくは0.7〜1.3である。
また、ウレタン樹脂としては、上述したウレタン樹脂以外に、前述した単量体を併用し共重合、グラフト重合することによって製造することもできる。
ウレタン樹脂のガラス転移温度(Tg)は、30℃〜100℃であることが好ましい。
【0022】
また、シェル層のウレタン樹脂の製造には、硬化助剤を用いて製造することもできる。
硬化助剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、テトラメチルブタンジアミン、ジメチルアミノエタノール、ダイマージアミン、ダイマー酸ポリアミドアミン等のアミン類;
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、錫オクテート等の錫カルボン酸塩類;
ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オクチル酸マンガン、オクチル酸亜鉛等の金属カルボン酸塩類;
ジブチルチンチオカルボキシレート、ジオクチルチンチオカルボキシレート、トリブチルメチルアンモニウムアセテート、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等のカルボキシレート類;
アルミニウムトリスアセチルアセテート等のアルミニウム化合物;
等が使用可能である。本発明では、これらの2種以上を用いることが望ましい。さらには、これらの少なくとも1種がアミン化合物であることがより望ましい。
【0023】
硬化助剤は、ポリオールの固形分100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の比率で混合する。硬化助剤が0.01重量部より少ない場合は、塗膜の硬化性や強度が不十分となり、膨れが発生しやすくなる。10重量部より多い場合は、耐候性、耐変色性等が低下する傾向となる。
【0024】
乳化重合等で用いる開始剤としては、特に限定されず、公知のものを使用することができ、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;アゾビスイソブチロニトリルおよびその塩酸塩;クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物:これらの過硫酸塩または過酸化物と鉄イオン等の金属イオンおよびナトリウムスルボキシレート、ホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ソーダ、L−アスコルビン酸等の還元剤との組合せによるレドックス開始剤などがあげられる。これらの使用量は、特に限定されないが、単量体混合物100重量部に対して、0.1〜5重量部程度とすればよい。
【0025】
乳化重合等で用いる乳化剤としては、特に限定されず、公知のものを使用することができ、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のアニオン性乳化剤:ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン性乳化剤;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライト、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライト、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライト等のカチオン性乳化剤等があげられる。また、エチレン性不飽和二重結合を有する反応性乳化剤を使用すると、皮膜の耐水性等を向上させることができ、好ましい。使用される乳化剤の量は、特に限定されないが、単量体混合物100重量部に対して、0.01〜20重量部程度とすればよい。
【0026】
本発明の多層構造エマルションにおけるアクリル樹脂とウレタン樹脂は、互いに反応可能な官能基を有することが好ましい。
反応可能な官能基を有することにより、より強固な塗膜を得ることができ、優れた塗膜強度、耐水性、耐溶剤性を高めるとができる。本発明では、コアシェル構造を有していることにより、互いに反応性を有する官能基を有していたとしても、貯蔵時には反応が進行しにくく安定であり、塗膜形成が始まると反応が進行する塗膜を形成することができる。
反応可能な官能基の組み合せとしては、カルボキシル基と水酸基、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基、水酸基とイソシアネート基、アミノ基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、アルコキシシリル基同士等が挙げられる。
【0027】
本発明の多層構造エマルションの平均粒子径としては、特に限定されないが、300nm以下、さらには50nm〜200nmであることが好ましい。
平均粒子径が、このような範囲であることにより、造膜しやすく、耐溶剤性に優れるため、好ましい。300nmより大きいと、造膜しにくく、耐溶剤性に劣る場合がある。
【0028】
本発明の水性一液塗床材組成物は、多層構造エマルション以外に、本発明の効果を阻害しない程度に、水性樹脂や、通常用いられる塗床材構成成分を用い、常法により混合・攪拌し、製造することができる。さらに、適宜水や溶剤を加えて粘度等を調整することもできる。
【0029】
水性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・ベオバ樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂等の樹脂溶液またはエマルション、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴムラテックス等が挙げられるる。
【0030】
塗床材構成成分としては、例えば、顔料、骨材、可塑剤、架橋剤、撥水剤、繊維、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、増粘剤等が挙げられる。
【0031】
顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化鉄、酸化第二鉄(べんがら)、クロム酸鉛(モリブデートオレンジ)、黄鉛、黄色酸化鉄、オーカー、群青、コバルトグリーン等の無機系顔料、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、ベンツイミダゾール系、フタロシアニン系、キノフタロン系等の有機顔料が挙げられる。
顔料を含有することにより、意匠性を付与することができ、その目的に応じ、種々の色彩を奏でることができる。顔料容積濃度としては、おおよそ5〜40%程度含有することが好ましい。
【0032】
骨材としては、例えば、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、珪藻土、タルク、バライト粉、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ホワイトカーボン、珪砂、砂利、シリカゲル、ゼオライト、硫酸ナトリウム、アルミナ、アロフェン、珪藻土、珪質頁岩、セピオライト、アタバルジャイト、モンモリロナイト、ゾノライト、イモゴライト、大谷石粉、活性白土、炭、活性炭、木粉、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、樹脂発泡体、樹脂多孔質体、金属粒、あるいは岩石、ガラス、陶磁器、焼結体、コンクリート、モルタル、プラスチック、ゴム等の破砕品等が挙げられる。このような骨材に着色を施したものも使用することができる。様々な色の骨材を適宜混合することにより、意匠性を高めることもできる。
【0033】
本発明では、多層構造エマルションのシェル層がウレタン樹脂であるため、比較的少ない量の添加剤(造膜助剤等)で、塗膜を形成することが可能である。そのため、水性一液塗床材組成物は、揮発性有機化合物の含有量を好ましくは5重量%以下(さらに好ましくは1重量%以下)とすることが可能であり、低VOC(揮発性有機化合物)水性一液塗床材組成物として、好適に使用することができる。
【0034】
本発明の塗床材は、例えば、工場、実験室、倉庫、体育館、多目的ホール、テニスコート、プールサイド等の屋内床面、駐車場、競技場、屋上、歩道橋、プラットホーム等の屋外床面等に用いることができる。適用可能な下地としては、例えば、砕石転圧層、アスファルトコンクリート層、コンクリート層、モルタルコンクリート層等が挙げられる。下地の表面は、平面であっても、凹凸があってもよい。具体的な下地の材質としては、土、コンクリート、モルタル等の建築・土木分野に一般的に用いられるものの他、金属、木材、樹脂ゴム等が挙げられる。本発明は、主に塗床材として用いるものであるが、目的に応じ、建築物外内壁・屋根等の優れた表面硬度や耐溶剤性を必要とする部位にも適用可能である。
【0035】
本発明の塗床材の施工においては、必要に応じて、予め何らかの下地処理をしておくこともできる。例えば下塗材を塗付し、塗床材と下地面との密着性を高めることができる。このような下塗材としては、例えば、エポキシ系下塗材、ポリエステル系下塗材、湿気硬化形ウレタン系下塗材等が挙げられる。
【0036】
本発明塗床材の施工方法は、特に限定されず、ローラー塗り、鏝塗り、吹付塗り等の方法により塗付するこ方法がある。塗付後の養生時間は、通常6時間〜3日程度である。乾燥温度は、通常常温であるが、加熱しても差し支えない。
【0037】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にするが、本発明はこの実施例に限定されない。
【0038】
(実施例1)
表1に示す原料を用いて、表2に示す原料配合にて、塗床材を作製した。作製した塗床材について、次の実験を行なった。結果は表2に示す。なお、作製した塗床材の揮発性有機化合物の含有量は1重量%以下であった。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
(表面硬度試験)
塗床材をガラス板の上に、膜厚が0.125mmとなるように塗付し、温度23度、湿度50%(以下、「標準状態」という)でそれぞれ24時間、1週間養生したものを試験体とした。それぞれの試験体を、JIS K 5600−5−4:1999、引っかき硬度(鉛筆法)試験の規定に基づき、表面硬度を測定した。評価は、◎:H以上、○:F〜2B、△:3B〜4B、×:5B以下とする。
【0042】
(耐溶剤性試験)
塗床材をガラス板の上に、膜厚が0.125mmとなるように塗付し、標準状態でそれぞれ24時間、1週間養生した後、キシレンを含ませたガーゼで、塗膜表面をこすり、塗膜表面を観察した。
評価は、◎:変化なし、○:ほとんど変化なし、△:一部塗膜の艶引けが見られた、×:塗膜が溶解した、とする。
【0043】
(耐水試験)
塗床材をガラス板の上に、膜厚が0.125mmとなるように塗付し、標準状態でそれぞれ24時間、1週間養生した。24時間、1週間後の試験体をそれぞれ23℃に水に24時間水浸させ、塗膜白化の度合いを観察した。
評価は、◎:塗膜白化なし、○:ほとんど塗膜白化なし、△:一部塗膜白化あり、×:塗膜白化あり、とする。
【0044】
(実施例2、比較例1〜4)
表1に示す原料を用いて、表2に示す原料配合にて、塗床材を作製した。作製した塗床材について、実施例と同様の実験を行なった。結果は表2に示す。なお、作製した塗床材の揮発性有機化合物の含有量はそれぞれ1重量%以下であった。
【0045】
【発明の効果】
本発明の水性一液塗床材組成物は、耐溶剤性、かつ、表面硬度に優れている。さらに水性一液塗床材組成物は、耐衝撃性、耐摩耗性、密着性、耐熱性、耐侯性にも優れている。
Claims (2)
- 少なくともコア層及びシェル層の2層を含み、
前記コア層がアクリル樹脂、前記シェル層がウレタン樹脂からなり、
前記アクリル樹脂のFoxの計算式により得られるガラス転移温度が50℃〜130℃、前記コア層とシェル層との重量比率が100:1〜60である多層構造エマルション、
を結合材とする水性一液塗床材組成物。 - 組成物中の揮発性有機化合物の含有量が5重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の水性一液塗床材組成物。
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