JP4490954B2 - 改良型通信機能付き電気装置 - Google Patents

Description

本出願は、参照により全体として本明細書に組み込まれる米国仮出願番号６０/４２５８６７の利益を請求する。

発明の属する分野は、特にカメラ、ラジオ、テレビ、電話、台所用電化製品などを含む、ヒューマン・インターフェースを備えた電気装置である。

発明の背景
オーディオ・システムは長い間、別々のハウジングに入った個々の構成要素を備えてきた。例えば、コンポーネント・ステレオ・システムは、少なくとも１９５０年代から、チューナー、アンプ、テープデッキ、および何らかの回転メディアプレーヤーを含んでいただろう。洗練されたビデオシステムも、昔から「コンポーネント化」されており、そのため、コンポーネント・ビデオシステムには、VCRまたはDVDプレーヤーと接続されたテレビ、およびパーソナル・ビデオ・カメラまたはPVRを含めることができた。

アナログであるかデジタルであるかに関わらず、そのようなコンポーネントの間の通信は伝統的に（すなわち本願発明の前は）、未加工のポイント・ツー・ポイント・データストリームを含んでいた。例えば、スピーカーは単にアンプからアナログ信号を受け入れるのみである。情報は、信頼できるものと仮定され、エラーチェック、情報の再送などは行われない。DVDプレーヤーさえ、そのネイティブ・バスの拡張に、未加工データを送信する。

厳格な標準が実施されており、コンポーネント同士が物理的に接近しており、接続されているコンポーネントの数が比較的少ない場合にのみ、未加工データの転送はうまくいく。さらに、未加工のデータ転送を使用して通信するコンポーネントは、相互に対話できるよう設計されている場合にのみ、互換性がある。したがって、従来のビデオカメラは、テレビが解読できる標準ビデオ信号またはその他の信号をエクスポートするよう設計されていなければならない。同様に、より古いパーソナルコンピュータは、RS−２３２規格（シリアルポート）またはセントロニクス規格（パラレルポート）を使用しているプリンターに、データをエクスポートするよう常に設計されていた。これは、これの標準が、プリンターが理解できる通信規格であったためである。

現在の傾向は、情報のパケットを使用してコンポーネント（本書では装置とも呼ばれる）間で通信を行うことである。パケットは転送されるデータに加えて、HTML、音声、ASCIIなど、パケット内に含まれるデータのタイプと、発信元および宛先ノード情報などのヘッダー情報を含む。ヘッダー情報によって、エラーチェックと、インターネットのようなパケット交換ネットワークを介して遠く離れている可能性がある装置間の経路指定が可能になる。また、ヘッダー情報によって、時計付きラジオとコンピュータの通信など、極めて異なる装置の間での通信も可能となる。最近公開された米国特許出願番号２００２００３１０８６（Welin、２００２年３月１４日）は、「コンピュータ、IP電話、しゃべるおもちゃ、および家庭電気製品（例えば冷蔵庫、電子レンジ、パン焼き機、ミキサー、コーヒーメーカー、洗濯機、乾燥機、掃除機、サーモスタット装置、電気スイッチ、ランプ、扇風機、電動カーテンおよびブラインド、監視装置、交通監視、時計、ラジオ、ネットワーク・カメラ、テレビ、デジタル留守番電話機、エアコン、暖炉、セントラル・エアコン装置など）」を連結することに言及している。

面白いことに、パケットの相互接続性の考えは、これまで装置内の要素レベルに適用されたことがなかった。先行技術装置におけるすべてのパケット・アドレッシングは、ある装置内の要素同士の間ではなく、装置同士の間で実行されてきた。

本書で使用されているとおり、「要素」という言葉は一般に、装置の機能部分であり、従来それ自体のIPアドレスを持つことなくバスを介して同じ装置の他のユニットと通信する、ハードウェア・ユニットを指す。装置の要素がデジタル通信を行う場合、それらの要素は今まで、必ずしもそうとは限らないが一般にオペレーティング・システムの管理下にある共通ハウジングに位置していた。従来のコンポーネントにおいては、例えば図１Aのパーソナル・ビデオ・カメラ（PVR）１０、ヒューマン・インターフェース１１、チューナー１２、ストレージ１３（メモリー）、およびビデオ・デコーダー１３はすべてメモリー・バス１５を経由して通信を行い、これらはすべて共通ハウジング１６に収められている。チューナーは、パケットではなく、データ・ストリーミングまたはデータブロックを使用して、ストレージと対話する。同様に、従来の電話対応ハンドヘルド・コンピュータ（PDA）（図示されていない）では、電話チップは、メモリーバスを介してメモリーチップおよびCPUと通信する。電話チップは、パケットではなく、データ・ストリーミングまたはデータブロックを使用して、CPUと対話する。

これまで、同じコンポーネント内の要素を相互接続するためにネイティブ・バスを介したデータ・ストリーミングまたはデータブロックを使用することが、当然であった。１つの装置の同じ物理的ボックスを共有している要素は、一緒に動作するようすでに設計されており、物理的に近くに位置し、比較的わずかな数しかない。バス経由の信頼性は仮定されており、通常、速度が一番の関心事である。各要素は、容易にバスを監視することができ、必要なデータならなんでも取得することができる。データをパケット化して、個々の要素に、異なる要素特定のアドレスを指定することで、装置に負担をかける必要はない。

過去に、異なる装置内の要素はパケットを使用して対話することができたが、要素がそれ自体のIPアドレスを持っていなかったため、間接的にのみ行われた。

例えば、コンピュータのディスク・ドライブなどの発信元要素は、コンピュータのネイティブ・バスを使用して、コンピュータ内のIPパケット化する要素にデータ・ストリームまたはデータブロックを送信し、コンピュータは通信をパケット化して第２コンピュータ内のディスク・ドライブへ転送することが、既に知られている。しかしそのような例では、第２コンピュータはパケットを一連のデータブロックのデータストリームに再び翻訳し、ネイティブ・バスを経由して受信側要素（これは、別のディスク・ドライブ、ディスプレイ・スクリーン、またはその他のものであることがある）に送信しなければならない。パケットは常に装置から装置へ通信され、要素同士の間では間接的にのみ通信される。発信元および受信側要素は、パケット内のアドレスを使用して相互を宛先として直接指定することはない。

先行技術の重大な欠点は、パケットを使用した要素間の通信は、常にある種のオペレーティング・システムを経由することである。比較的安価な装置にとって、オペレーティング・システムの費用はかなりの額になることがあり、一部の例では手が出ないほど高額となることがある。これらの制限事項は、すべての世代の「インターネット対応」または「ウェブ対応」電化製品にあてはまる。それらの装置では、電化製品に情報のパケットをコンピュータに送信させ、コンピュータがその情報を保存するかあるいはその情報に対して動作を行うことが、先行技術の解決策である。これには、ローカル・コンピュータか、またはインターネット上の離れた場所にあるコンピュータのうちいずれかである、何らかのコンピュータにオペレーティング・システムが必要である。例えば、“Scenix Debuts TCP/IP Embedded Chip For Internet Connectivity（Scenixがインターネット接続のためのTCP/IP埋め込み型チップを発売）”、コンピュータ・プロトコル、vol．１２，no．１１（１９９９年１１月１日）に記載されたScenix^１ SX−Stack、“Zilog Sees New Lease of Life For Z８０ In Internet Appliances（Zilog社はインターネット電化製品でのZ８０の新たな活用を目指す）”、コンピュータ・インターナショナル、No．３７５１(１９９９年９月２１日)に記載されたZilogのeZ８０、および“Providing Network Connectivity For Small Appliances: A Functionally Minimized Embedded Web Server（小型電化製品のためのネットワーク接続の提供：最小機能が埋め込まれたウェブサーバー）”、IEEEコミュニケーション・マガジン、Vol．３９，No．１０(２００１年１０月)を参照のこと。

先行技術の別の結果は、装置に含める要素の選択において、柔軟性が限られていることである。図１AのPVRは、その装置と一緒に使用することを設計者が意図した記憶要素に限られる。あるPVRが、HDDと一緒に使用するよう設計されている場合、ユーザーは自分のカメラと書き換え可能CD−ROMを一緒に使用することができない。同様に、テレビ・ビデオ・カメラは、そのバスおよびオペレーティング・システムによってサポートされるディスク・ドライブに制限される。

先行技術のさらに別の結果は、装置の要素の個別化における柔軟性が限られていることである。図１Aのビデオカメラの例では、記憶要素がネイティブ・バスに直接接続されているため、記憶要素はカメラ自体の中に収められている（ただし、記憶媒体は取り外し可能である場合もある）。ユーザーがストレージを増やしたい場合、より容量の大きいメモリー・カードを購入するか、またはカメラをコンピュータのバスに接続しなければならない。カメラは、室内のほかの場所にあるかもしれないストレージを直接利用することができない。テレビ・セットトップボックスの場合、チューナーまたはケーブル・デコーダ要素は、テレビの近くに位置する必要がある。

したがって、電気装置の要素が相互に通信するための、改良型装置、システム、方法、およびプロトコルが必要とされている。

発明の要旨
発明の対象は、それ自体のIPアドレスを持ち、それらのIPアドレスを使用してアドレス指定された情報のパケットを使用して、通信を行う要素を提供する。個々の要素は、他の要素と共に共通ハウジングに収めるか、仮想デバイスの一部として個別化された方法で使用されることができる。

考えられる装置は、新規な方法で外部と電子的に通信する事実上すべての装置を含む。これは、デジタルカメラおよびスチルカメラ、ラジオ、テレビ、セットトップボックス、電話、台所用電化製品、そしてコンピュータおよび携帯情報端末（PDA）を含む。特に重要なのは、何らかの大容量記憶装置を利用する装置と、キーボード、ディスプレイ画面、音声入力または出力、またはそれら組み合わせなどのヒューマン・インターフェースを備えた装置である。

要素間のパケットの通信は、インターネットを含む、適当な任意のパケット交換網（またはネットワークの組み合わせ）を使用して行うことができる。パケットを通信するための好ましいプロトコルはIPであり、要素間のパケットの通信は、IPを使用してネイティブ・バスを仮想化することによって、有利に行うことができる。

特に、発明の要素は、装置のハウジング外の数メートル以上の距離に個別化されることができると考えられる。通信は、有線接続で行うことも、ワイヤレス側面を含むこともできる。

要素のアドレス指定はプロキシ・サーバーを通して間接的に行うことができるが、概念は依然として、本発明の各要素がそれ自体の異なるアドレスを持つことである。考えられる実施態様においては、発明の要素は、ピア・ツー・ピア・プロトコルを使用して相互に有利に通信でき、一部の例ではオペレーティング・システムを必要としない。

発明の対象のその他の側面は依然として、電気装置、システム、方法およびプロトコルであり、これらを利用して電気装置の要素が個々の要素を宛先とする情報のパケットを使用して相互に通信を行う。例えば、アダプタは、非ネットワーク対応要素がインターネットワーキング・プロトコルを実行することを可能にする機能（ハードウェア、ソフトウェアまたは２つの何らかの組み合わせ）を含むことができ、それ自体のIPアドレスによってアドレス指定されることができる。そのようなアダプタは、従来の要素がそれ自体のIPアドレスを宛先として指定されることを可能にすると考えられる。

発明の対象の様々な目的、機能、側面および利点は、以下に記載した好ましい実施態様の詳細な説明と添付図面によってさらに明らかになるであろう。

図１Bでは、仮想コンポーネント・パーソナル・ビデオレコーダ２０は、一般にヒューマン・インターフェース２１、チューナー要素２２、記憶要素２３、およびビデオ・デコーダー要素２４を含む、電気装置（本書においてこの語は電子装置を含む）であり、すべての要素は、ネットワークまたは仮想化されたネイティブ・バス２９を介してIPによって接続されている。

この構成では、例えばチューナー要素２２は、記憶要素２３のIPアドレスを含んだヘッダーを含むパケットを使用して、記憶要素２３に情報を送信することになる。同様に、チューナー要素２３は、チューナー要素２２のIPアドレスを含んだヘッダーを含むパケットを使用して、チューナー要素２２に情報を返送することになる。

様々な要素２１−２４のそれぞれが、IPを使用して通信するために十分な機能を備えている必要があることを、理解するべきである。この機能は、要素内に組み込まれるか、またはIPアダプタ３０を使用して既存要素に追加されることもできるはずである。実際に、そのような状況におけるアダプタは、本質的には、単純なブロックからパケットおよびパケットからブロックへのトランスレータであろう。

本書の動作原理は、仮想バスの役割を果たすネットワークか、または多様な物理バスおよびプロトコルを介して動作することができることを理解するべきである。例としては、ATA、ATAPI、SCSI、Fiber CH、PCMCIA、カードバスおよびUSBがある。本書においてIPという用語は、一般に、パケットを処理する任意のインターネットワーキング・プロトコルを示すために使用される。

個別化された装置
各要素は、任意の適当な物理的形状を有することができる。例えば、記憶要素２３は、RAMまたはROMチップまたはチップバンク、回転メモリー、連続テープ型メモリー、その他に対応することができる。

様々な要素を相互接続するためにIPを使用することは、それら要素が同じハウジング（図示されていない）に一緒に収められるか、点線４０で示すように地理的に個別化されることを意味する。実際に、記憶要素２３はデスクトップ上に固定されている一方、残りの要素はすべて持ち歩くことができる共通ハウジング内に収められている。ハウジング制約を取り除くことは、多くの追加要素を組み込むことができることも意味する。図１Bでは、PVR２０は第２ヒューマン・インターフェース２５（テレビ・ディスプレイなど）と、対応する第２ビデオ・デコーダ２６をオプションとして含むことができる。実際に、これらのオプション要素２５、２６は時折含まれるのみであり、点線４１によって描かれたとおり、別のハウジングに位置するか、または個別化されることができる。

別の側面から見ると、IPを使用して様々な要素を相互接続することは、他の多くの個別化された要素が所与の装置を容易に共有できることを意味する。したがって、複数のPVR、テレビ、およびコンピュータはすべて、同じディスク・ドライブを共有することができる。

パーソナル・ビデオ・レコーダ２０の興味深い側面は、様々な要素がピア・ツー・ピア・ネットワーク上のピアとして、通信できることである。これによって、特定のオペレーティング・システムに対する依存をなくすことができると共に、オペレーティング・システムを完全に排除することができる。さらに、ネットワークに結合された多くの要素は、個別の能力にはないタスクの実行をネットワークに結合されたその他の要素に依存し、そのようなタスクを実行するために必要な他のピアのリソースを発見、予約、および開放することができる。ピアは、ネットワークに結合されたその他の要素、ネットワークに結合されたその他の要素の特徴、および場合によってはネットワークに結合された要素の少なくとも一部の内容を発見できることが好ましいであろう。そのような発見は、マスタ装置の援助なしに達成され、好ましくはピア要素間の直接の通信を伴うことになる。

すべての要素がネットワーク、およびネットワークに結合されたその他の要素への平等なアクセスを持つ点から、好ましいネットワークはマスターレスであろう。ネットワークのピア要素は、OSIモデルのトランスポート以下のレイヤーと同じような下位レベルプロトコルを利用して相互に通信することが好ましい。好ましい実施態様は、要素間での通信にIPおよびUDPプロトコルを利用することになる。

記憶要素
好ましい記憶要素上で使用可能なストレージ・スペースは、本書でパーティションと呼ばれるより小さいストレージ・スペースに論理的または物理的に分割されることになる。そのようなパーティションは、複数のストレージ・ロケーション（すなわちブロック）を含み、それぞれが論理ブロック・アドレス（LBA）と呼ばれる独自のIDと関連付けられていることが好ましい。記憶要素が、パーソナルコンピュータで通常使用されているようなハードディスクを含んでいる場合、記憶要素のパーティション、ブロック、およびLBAは、ハードディスクのパーティション、ブロックおよびLBAと等しい。または、パーティション、ブロック、およびLBAは、単に、その他の要素が記憶要素と対話するモデルであることがある。

特に有利であると考えられる、２つの好ましい記憶要素の機能がある。そのような機能の１つ目は、複数のネットワークアドレスのいずれかによってアドレス指定されたネットワーク・トラフィックが、対応する１つの記憶要素（または複数の記憶要素）によって受信されるよう、記憶要素が複数のネットワークアドレスを含むことである。そのような機能の２つ目は、記憶要素の各パーティションが、独自のネットワークアドレス１つと関連付けられていることである。例えば、IPネットワークに結合されている記憶要素に複数のIPアドレスを割り当てることができ、１つのIPアドレスを記憶要素の各パーティション専用に関連付けることができる。

ネットワーク構成要素同士の間、および少なくとも１つのそのような要素内でパケットを経路指定するための両方に、ネットワークアドレスを利用することは、要素間での非常に軽い通信プロトコルの使用に役立つと考えられる。より具体的には、パーティションに分割されてネットワークに結合された記憶装置を有するネットワークに基づくパケットにおいては、ネットワークアドレスを記憶要素のパーティションにマッピングすることは、ネットワーク・パケットの送信先であるネットワーク上の要素と、パケットの内容が影響を及ぼすパーティションの両方をネットワークアドレスが特定することを可能にすることにより、通信を単純化すると考えられる。したがって、IPアドレスがネットワークアドレスであるIPネットワークでは、TCP/IPまたはUDP/IPスタックのIPレベルで、パーティションのアドレスを直接指定することができる。

記憶要素は、ネットワーク構成要素からの要求があり次第パーティションを動的に作成することができ、そのようなパーティションのネットワークアドレスは、記憶要素からの要求があり次第、DHCPサーバーなどのアドレス・サーバーから取得されることが好ましい。パーティションへのIPアドレスの割当ても、最初に記憶要素の電源を入れたときなど、記憶要素の初期化の間に起きることが好ましい。ネットワーク構成要素が記憶要素の使用を要求するとき、ネットワーク構成要素は記憶装置に独自のID（多分名前）を提供することが好ましい。そして、記憶要素はそのIDを任意の新しく作成されたパーティションに関連付けることになる。

DHCPサーバーなどのようなアドレス割当て装置は、ネットワーク、ネットワークに結合された要素、または要素間におけるリソースの共有を制御しないため、マスタではないことに留意することが重要である。

特定の記憶要素は、複数のパーティションを含むことができるが、ネットワークインターフェイスカード（NIC）は１枚しか有することができないため、記憶要素は、１枚のNICおよび１つのメディアアクセス制御（MAC）しか含んでいなくても、複数のネットワークアドレスを取得できることが好まれる。これは、アドレス・サーバーからネットワークアドレスを取得しようとするとき、そのアドレス・サーバーに独自のパーティションIDを提供することによって達成されることができる。要素向けに作成された任意のパーティションに要素によって提供された名前を関連付けることによって、たとえ、各パーティションに関連付けられたネットワークアドレスがパーティション作成後に変更されたとしても、記憶要素のパーティションをそれぞれ特定することが可能になると考えられる。

ネットワーク構成要素は、記憶要素のストレージ全体のうち、特定のサイズの部分を要求することになる。一部のネットワークでは、特定のネットワーク構成要素は、その要素が記憶要素のすべてのストレージを利用できるよう要求できることができる。

通信
好ましい実施態様においては、要素同士の間の通信、特に記憶要素と非記憶要素間の通信は、データブロックをターゲット装置にアトミックにマッピングするデータグラム・プロトコルを利用することになる。要素相互間で送信されるデータグラムは、コマンド（CMD）、論理ブロック・アドレス（LBA）、データ、およびトークン・フィールド、そしてXバイト以下（Xが１、２、５、１０、１５、および３０のうちの１つ）の追加バイトを含むことが好ましい。

そのようなデータグラムのデータフィールドは、データグラムがアドレス指定される要素のブロックサイズ（該当する場合）と同じになるよう、サイズ設定されることが好ましい。したがって、記憶要素にある量のデータを送信する要素は、そのデータ量が記憶要素のブロックサイズより大きい場合、一般にデータ量を記憶要素のブロックと同じサイズのブロックに分割し、ブロックにLBAを割り当て、データグラムの記憶要素にブロックとLBAの各組み合わせを送信する。

データグラムは、IPパケットのようなアドレス指定されたパケット内にデータグラムをカプセル化した要素間で通信されることが好ましく、カプセル化したパケットのＩＰアドレスは、パケットの送信先となる要素と、データグラムが属する要素内のパーティションの両方を特定するために使用されることが好ましい。

データグラム受信者は、CMDフィールドにおいて特定されるコマンドを実行する前に、パケットを並び替えることなく、かつデータグラムのデータフィールドの内容をより大きなデータユニットに組み立てることなく、先着順にデータグラムを処理することが好まれる。例えば、記憶要素はデータブロック、LBA、および書き込みコマンドを含むデータグラムを受信することができる。記憶要素は追加パケットを待つ必要なく、データグラムを包んでいるパケットのネットワークアドレスを利用して、使用されるパーティションを特定し、LBAを利用してデータフィールドのデータを書き込む先のパーティション内の場所を特定する。

データを再び組み立てるのではなく、個別のデータグラムが到着次第データを処理することで、各コマンドについて暗黙のACKの使用が可能になる。明示的ACKではなく暗黙のACKを使用することによって、性能の大幅な向上がもたらされる。

図２では、ホーム・エンターテイメント・システム１１０は概して、テレビ１１１、チューナー１１２、デコーダ１１３、リモコン１１４、DVDプレーヤー１１５、スピーカー１１６、およびランダムアクセス記憶装置１１７を含み、それぞれがそれ自体のIPアドレスを使用してアドレス指定されている。この例では、様々な要素の一部が有線配線１２０によって接続されている一方、その他はワイヤレス仮想バス１３０を使用して接続されている。また、インターネット１４２へのケーブルモデム接続１４０が、示されている。ここではインターネット１４２は公衆パケット交換網の単なる例としてのみ使用されており、同じ原理がLANおよびその他のプライベートおよび公衆パケット交換網に適用されることを当業者なら理解するであろう。

図２の特定の例では、チューナー１１２、デコーダ１１３、ランダムアクセス記憶装置１１７はすべて、点線１１８によって示されたセットトップボックスの共通キャビネットに納められている。代替の実施態様においては、これらの要素を個別化することができる。同様に、要素のいずれか（図示されていない要素も）を、１つ以上の共通ハウジングに集合させることができる。

特に有利なのは、ホーム・エンターテイメント・システム１１０の様々な要素が、異なる部屋に位置することができる点である。したがって、テレビ１１１、チューナー１１２、デコーダ１１３、リモコン１１４と、アンプ/スピーカー１１６は、すべてファミリールーム（図示されていない）に位置することができ、一方でDVDプレーヤー１１５およびランダムアクセス記憶装置１１７は、寝室に位置するコンピュータ（図示されていない）に含まれることができる。しかし、要素のそれぞれがそれ自体のIPアドレスを経由して通信できるため、各要素にとって他の要素がどこにあるかは、重要ではない。実際に、テレビ１１１は、町の反対側にある友人の家でも、または別の国にある大容量記憶装置でも、同じように簡単にアクセスすることができる。追加詳細は、並行して出願されたPCT出願番号 、「通信プロトコル、システムおよび方法」という名称の発明、およびPCT出願番号 、「IP対応パーティションを備えたデータ記憶装置」という名称の発明にて参照可能である。それらの開示は、参照により本書に組み込まれる。

ホーム・エンターテイメント・システム１１０の要素のいずれかを、独立して、またはその他の要素のいずれかと共に使用することができる。例えば、ラジオは、実際には一緒に動作しているチューナー１１２とアンプ/スピーカー１１６の組み合わせである。チューニングとボリューム制御は、それらの特定の要素に位置することができるか、または従来の方法でそれらの要素とインターフェースする標準リモコン（図示されていない）に位置することができる。チューニングとボリューム制御は、ウェブ対応PDAに位置することさえできる。これは、LAN、WAN、または他のパケット交換ネットワークを介して、PDAがチューナー１１２およびアンプ/スピーカー１１６と通信できるようにするためである。

物理的に近いことが必要ではないため、ホーム・エンターテイメント・システム１１０は、図１BのPVRおよび図３のPDAの電話部分など、他の要素を臨機応変に含めることもできる。そうすることで、ユーザーは電話で話しながら、テレビ１１１で通話相手を見ることができる。通話内容を、別の部屋かまたは何千マイル離れた場所にある記憶要素２３に格納することさえできる。これは、それ自体のIPアドレスを持ち、ポイント・トゥ・ポイント接続によって制限されないIPプロトコルを使用して通信している、様々な要素によって容易に実現する。

一旦、要素がそれ自体のIPアドレスを使用して他の要素とのパケット通信を実行することの利益を当業界関係者が認識すれば、企業はそのような要素を製造かつ／または販売し始めるであろうことが、考えられる。また、従来の要素が、IP対応要素のように動作することを可能にする機能を含むアダプタ（ハードウェアまたはソフトウェア、またはその２つの組み合わせによるもの）を、企業が製造かつ／または発売し始めるであろうことも、考えられる。

したがって、発明の対象に入る方法には、それ自体のIPアドレスを利用して他の要素とパケット通信を行うことができる要素の、製造または販売も含まれる。発明の対象となるその他の方法には、先行技術タイプの要素がそれ自体のIPアドレスを使用して他の要素とパケット通信を実行することを可能にする、アダプタの製造または販売が含まれる。実際、ユーザーがそのようなアダプタを採用することで、先行技術タイプの要素がそれ自体のIPアドレスを使用して他の要素とパケット通信を行うことができることを知り（または広告さえも行って）、企業がそのようなアダプタが利用可能でであることを認識し、先行技術タイプの要素の製造または販売を継続するであろうことが考えられる。

図３では、携帯情報端末（PDA）２１０は、PDAバス２５０に接続された、電話部分２３０および多目的CPU部分２３０、２４０を含むハウジング２２０を有する。電話およびCPU部分２２０、２３０は、それ自体のIPアドレスを有する。この電話およびCPU部分は、外部と通信することも、IPを使用してPDAバス２５０を介して相互に通信することもできる。

電話部分２３０は、マイクロフォン２２２、スピーカー２２３、およびプロセッサ２２４を接続する、それ自体のバス２２１を有する。電話バス２２１の存在にもかかわらず、電話部分２２０は要素と見なされ、ここではアトミシティのために要素という用語が使用されている。マイクロフォン２２２、スピーカー２２３、およびプロセッサ２２４は、それ自体のIPアドレスを持たず、IPを使用してアドレス指定されていない。したがって電話部分２２０は、それ自体のIPアドレスを有しIPを使用してアドレス指定された最小単位である。

多目的PDA CPU部分２４０は、ディスプレイ２４２、キーボード２４３、CPU ２４４、メモリー部分２４５を接続する、それ自体のバス２４１を有する。メモリー部分２４５がそれ自体のIPアドレスを有し、IPを使用してアドレス指定されている場合は、メモリー部分２４５は要素とみなされる。そうでない場合、アトミシティの原理によって、多目的CPU部分２４０全体が要素とみなされることにはる。

図４では、キッチン３１０は、時計３２０、トースター３３０、コーヒーメーカー３４０、および冷蔵庫３５０といった複数の電化製品を有し、そのすべてはワイヤレス仮想バス３６０によって結合されている。

これらの電化製品は、任意の外部コンピュータによる制御なく、IPを使用して相互に通信することができる。したがって、トースター３３０およびコーヒーメーカー３４０は、時計３２０からタイムシグナルを受信し、それらのシグナルを使用して朝の何時に操作を開始するかを決定することができる。これらの電化製品への電源供給が中断されるとき、または夏時間に対応して時間が変更されるときは常に、このタイプの相互接続性は内臓時計のリセットを行う必要がない。

様々な要素３２０、３３０、３４０、３５０は、物理的バスを使用した有線接続がまったく行われなくてもよいことに留意することが重要である。その結果、それらの要素を交換またはアップグレードするか、または必要に応じて移動または削除できる。例えば、時計３２０を、キッチン３１０に置くのと同じぐらい簡単に、寝室（図示されていない）またはワシントン標準局（図示されていない）に置くことができる。

様々な要素３２０、３３０、３４０も、IPによって到達可能なその他の任意の要素と結合されることができる。例えば、家庭が長時間停電になる前に、図３のPDAを使用して、２、３度温度を下げるよう冷蔵庫３５０に信号を送ることができる。

したがって、発明電気装置の具体的な実施態様と応用例が開示された。しかしながら、当技術分野の技術者なら、すでに説明されたもの以外にも、本書の発明概念から逸脱しない範囲で数多くの修正が可能であることが、明白であるはずである。したがって発明の対象は、添付の特許請求の範囲の趣旨を除き、制限されるものではない。さらに、明細書と特許請求の範囲の両方を解釈する際に、全ての用語は、文脈と一貫性がある限り、できるだけ幅広く解釈されなければならない。特に、用語「含む」、そして、「含まれる」は、参照される要素、構成要素、または手順が存在、または利用可能であり、あるいはその他の明示的に参照されていない要素、構成要素、または手順と組み合わせて用いることができることを示し、要素、構成要素または手順に対する非排他的な参照として解釈されるべきである。

図示された要素がI/Oバスのネイティブ・コンポーネントによって結合された、従来のコンポーネントであるパーソナル・ビデオ・レコーダーの概略図である。 図示された要素がIPを使用して仮想化されたネイティブ・バスによって結合された、仮想コンポーネントであるパーソナル・ビデオ・レコーダーの概略図である。 図示された要素がIPを使用したワイヤレス仮想バスによって結合された、ホーム・エンターテイメント・システムの概略図である。 図示された要素がIPを使用したワイヤレス仮想バスによって結合された、電話付き携帯情報端末（PDA）の概略図である。 IPを使用したワイヤレス仮想バスによって結合された、すべてがそれ自体のIPアドレスを持つ、時計、トースター、コーヒーメーカー、および冷蔵庫を有するキッチンの概略図である。

Claims (22)

1. 複数の機能部分の個別の機能部分にアドレス指定された情報のパケットを使用して相互に通信する複数の機能部分を含む電気装置であって、パケットを使用して相互に通信する少なくとも２つの装置の機能部分が、共通ハウジング内に配置され、互いに配線により接続されており、前記複数の機能部分の少なくとも１つは、共通ハウジングの外部にある機能部分により、発見できる、電気装置。
2. 装置がカメラを含む、請求項１に記載の電気装置。
3. 装置がラジオを含む、請求項１に記載の電気装置。
4. 装置がテレビを含む、請求項１に記載の電気装置。
5. 装置が電話を含む、請求項１に記載の電気装置。
6. 装置が台所用電化製品を含む、請求項１に記載の電気装置。
7. 大容量記憶装置をさらに含み、前記大容量記憶装置の論理ディスク・セグメントは、装置の複数の機能部分の１つである、請求項１に記載の電気装置。
8. 装置の機能部分として、キーボード、ディスプレイ画面、音声入力および音声出力のうち少なくとも１つをさらに含む、請求項１に記載の電気装置。
9. 装置の機能部分として、キーボード、ディスプレイ画面、音声入力および音声出力、大容量記憶装置をさらに含む、請求項１に記載の電気装置。
10. 少なくとも２つの装置の機能部分が、パケットを使用して公衆パケット交換網を介して相互に通信する機能を含む、請求項１に記載の電気装置。
11. 少なくとも１つの装置の機能部分が大容量記憶装置を含む、請求項１に記載の電気装置。
12. 装置の少なくとも２つの機能部分のうちの第１の部分と共通ハウジングの外部にある機能部分が、仮想バスとして動作するネットワークを介して相互に通信する機能を含む、請求項１に記載の電気装置。
13. ネットワークは、ＩＰネットワークである、請求項１２に記載の電気装置。
14. 少なくとも一部のパケットがワイヤレス・ネットワークを介して搬送されるよう、ワイヤレス機能を更に含む、請求項１に記載の電気装置。
15. 少なくとも２つの装置の機能部分がピア・トゥー・ピア・プロトコルを使用して相互に通信する機能を含む、請求項１に記載の電気装置。
16. 共通ハウジングに組み込まれた装置の機能部分であって、共通ハウジングに組み込まれた装置の他の機能部分と情報のパケットを通信するのに使用されるそれ自体のＩＰアドレスを有し、前記パケットを通信するＮＩＣに結合する、装置の機能部分。
17. 前記装置の機能部分は、大容量記憶装置の物理的セグメントの一部を形成するデータ記憶媒体である、請求項１６に記載の装置の機能部分。
18. 前記装置の機能部分は、大容量記憶装置である、請求項１６に記載の装置の機能部分。
19. 前記ＮＩＣは、他のハウジングを有する他の装置のタッチ・ヒューマン・インターフェースとパケットを通信する、請求項１６に記載の装置の機能部分。
20. ワイヤレス・ネットワークへの接続をさらに含む、請求項１６に記載の装置の機能部分。
21. テレビジョン、チューナー、およびシグナル・デコーダのうちの少なくとも１つである、請求項１６に記載の装置の機能部分。
22. ハウジング内に配置される装置の機能部分と結合されるアダプタであって、前記アダプタは、前記装置の前記機能部分がインターネットワーキング・プロトコルを実行することを可能とし、及び前記ハウジング内に配置された他の機能部分とパケットを通信するためにそれ自体のＩＰアドレスによってアドレス指定されることができる機能を提供するように構成された、アダプタ。

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