JP4490900B2 - セラミックス薄膜の製造方法及び基材 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミックス薄膜の製造方法及び基材に関する。
近年、カーボンナノファイバーの導電性、熱伝導性、電磁波シールド性、電子放出性などの機能に着目して、カーボンナノファイバーを電磁気用デバイスに応用する研究が行なわれている。
例えば、基板などの基材上にカーボンナノファイバーを直接生成させて薄膜を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このように基板上にカーボンナノファイバーを直接生成させる方法では、大きさや形状が制限され、製造効率も低く、製造された基板も高価なものとなってしまう。
また、例えば、カーボンナノファイバーを含む分散液をスプレー塗布することにより薄膜を製造する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、通常カーボンナノファイバーは凝集した粉体状もしくは束(バンドル)状に製造されるため、分散液に均一に分散せず、製造された薄膜におけるカーボンナノファイバーの分散性を向上させることは困難であった。
特開平11−349307号公報 特開2003−121892号公報
そこで、本発明の目的は、セラミックスを含むマトリクスにカーボンナノファイバーが分散された、セラミックス薄膜の製造方法及び基材を提供することにある。
本発明にかかるセラミックス薄膜の製造方法は、
エラストマーと、セラミックス粒子と、カーボンナノファイバーと、を0ないし50℃で混合し、かつ、剪断力によって前記カーボンナノファイバーを前記エラストマー中に分散させて複合エラストマーを得る工程(a)と、
前記複合エラストマーと溶剤とを混合し、塗布液を得る工程(b)と、
前記塗布液を基材に塗布し、塗膜を形成する工程(c)と、
前記塗膜を熱処理して前記塗膜に含まれるエラストマーを除去すると共に、金属溶湯を該塗膜中に浸透させてセラミックス薄膜を形成する工程(d)と、
を有し、
前記セラミックス薄膜は、前記金属溶湯が固化して形成された金属相及び周辺相と、前記セラミックス粒子によって形成されたセラミックス相と、を含み、
前記周辺相は、前記カーボンナノファイバーの周囲に形成された非晶質及び結晶質の少なくとも一方である
本発明にかかるセラミックス薄膜の製造方法によれば、カーボンナノファイバーが均一に分散されたセラミックス薄膜を容易に製造することができる。また、セラミックス薄膜の製造方法によれば、製造工程に超微細加工技術をほとんど必要とせず、低コストを実現することができる。また、セラミックス薄膜は、工程(c)における塗布によって、大面積の基板のような基材に対してもセラミックス薄膜を容易に形成することができる。
本発明にかかるセラミックス薄膜の製造方法において、前記カーボンナノファイバーは、平均直径が0.5ないし500nmとすることができる。
本発明にかかるセラミックス薄膜の製造方法において、前記セラミックス粒子は、アルミナ粒子または炭化ケイ素粒子とすることができる。
本発明にかかるセラミックス薄膜の製造方法において、前記金属溶湯は、アルミニウムを含む溶湯とすることができる。
本発明にかかるセラミックス薄膜の製造方法において、前記工程(d)は、前記塗膜に含まれるエラストマーを分解気化させて除去する第1の熱処理工程(d−1)と、
エラストマーが除去された前記塗膜に前記金属溶湯を浸透させる第2の熱処理工程(d−2)と、
を含むことができる。
本発明にかかるセラミックス薄膜の製造方法において、前記第2の熱処理工程は、窒素雰囲気内で行なうことができる。
本発明にかかる基材は、本発明にかかるセラミックス薄膜の製造方法によって得られたセラミックス薄膜が形成される。本発明にかかる基材によれば、カーボンナノファイバーが均一に分散されたセラミックス薄膜が形成される。
本発明におけるエラストマーは、ゴム系エラストマーあるいは熱可塑性エラストマーのいずれであってもよい。原料エラストマーとしては、ゴム系エラストマーの場合、無架橋体が用いられる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施の形態にかかるセラミックス薄膜の製造方法は、エラストマーと、セラミックス粒子と、カーボンナノファイバーと、を0ないし50℃で混合し、かつ、剪断力によって前記カーボンナノファイバーを前記エラストマー中に分散させて複合エラストマーを得る工程(a)と、前記複合エラストマーと溶剤とを混合し、塗布液を得る工程(b)と、前記塗布液を基材に塗布し、塗膜を形成する工程(c)と、前記塗膜を熱処理して前記塗膜に含まれるエラストマーを除去すると共に、金属溶湯を該塗膜中に浸透させてセラミックス薄膜を形成する工程(d)と、を有し、前記セラミックス薄膜は、前記金属溶湯が固化して形成された金属相及び周辺相と、前記セラミックス粒子によって形成されたセラミックス相と、を含み、前記周辺相は、前記カーボンナノファイバーの周囲に形成された非晶質及び結晶質の少なくとも一方である
本実施の形態にかかる基材は、セラミックス薄膜の製造方法によって得られたセラミックス薄膜が形成される。
(A)まず、エラストマーについて説明する。
エラストマーは、分子量が好ましくは5000ないし500万、さらに好ましくは2万ないし300万である。エラストマーの分子量がこの範囲であると、エラストマー分子が互いに絡み合い、相互につながっているので、エラストマーは、凝集したカーボンナノファイバーの相互に侵入しやすく、したがってカーボンナノファイバー同士を分離する効果が大きい。エラストマーの分子量が5000より小さいと、エラストマー分子が相互に充分に絡み合うことができず、後の工程で剪断力をかけてもカーボンナノファイバーを分散させる効果が小さくなる。また、エラストマーの分子量が500万より大きいと、エラストマーが固くなりすぎて加工が困難となる。
エラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって、30℃で測定した、未架橋体におけるネットワーク成分のスピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が好ましくは100ないし3000μ秒、より好ましくは200ないし1000μ秒である。上記範囲のスピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)を有することにより、エラストマーは、柔軟で充分に高い分子運動性を有することができる。このことにより、エラストマーとカーボンナノファイバーとを混合したときに、エラストマーは高い分子運動によりカーボンナノファイバー相互の隙間に容易に侵入することができる。スピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が100μ秒より短いと、エラストマーが充分な分子運動性を有することができない。また、スピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が3000μ秒より長いと、エラストマーが液体のように流れやすくなり、カーボンナノファイバーを分散させることが困難となる。
また、エラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって30℃で測定した、架橋体における、ネットワーク成分のスピン−スピン緩和時間(T2n)が100ないし2000μ秒であることが好ましい。その理由は、上述した未架橋体と同様である。すなわち、上記の条件を有する未架橋体を本発明の製造方法によって架橋化すると、得られる架橋体のT2nはおおよそ上記範囲に含まれる。
パルス法NMRを用いたハーンエコー法によって得られるスピン−スピン緩和時間は、物質の分子運動性を表す尺度である。具体的には、パルス法NMRを用いたハーンエコー法によりエラストマーのスピン−スピン緩和時間を測定すると、緩和時間の短い第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)を有する第1の成分と、緩和時間のより長い第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する第2の成分とが検出される。第1の成分は高分子のネットワーク成分(骨格分子)に相当し、第2の成分は高分子の非ネットワーク成分(末端鎖などの枝葉の成分)に相当する。そして、第1のスピン−スピン緩和時間が短いほど分子運動性が低く、エラストマーは固いといえる。また、第1のスピン−スピン緩和時間が長いほど分子運動性が高く、エラストマーは柔らかいといえる。
パルス法NMRにおける測定法としては、ハーンエコー法でなくてもソリッドエコー法、CPMG法(カー・パーセル・メイブーム・ギル法)あるいは90゜パルス法でも適用できる。ただし、本発明にかかるエラストマーは中程度のスピン−スピン緩和時間(T2)を有するので、ハーンエコー法が最も適している。一般的に、ソリッドエコー法および90゜パルス法は、短いT2の測定に適し、ハーンエコー法は、中程度のT2の測定に適し、CPMG法は、長いT2の測定に適している。
エラストマーは、主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、カーボンナノファイバーの場合、特にその末端のラジカルに対して親和性を有する不飽和結合または基を有するか、もしくは、このようなラジカルまたは基を生成しやすい性質を有する。かかる不飽和結合または基としては、二重結合、三重結合及び官能基から選択される少なくともひとつであることができる。このような官能基としては、カルボニル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、ニトリル基、ケトン基、アミド基、エポキシ基、エステル基、ビニル基、ハロゲン基、ウレタン基、ビューレット基、アロファネート基および尿素基などがある。
カーボンナノファイバーは、通常、側面は炭素原子の6員環で構成され、先端は5員環が導入されて閉じた構造となっているが、構造的に無理があるため、実際上は欠陥を生じやすく、その部分にラジカルや官能基を生成しやすくなっている。本実施の形態では、エラストマーの主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、カーボンナノファイバーのラジカルと親和性(反応性または極性)が高い不飽和結合や基を有することにより、エラストマーとカーボンナノファイバーとを結合することができる。このことにより、カーボンナノファイバーの凝集力にうち勝ってその分散を容易にすることができる。そして、エラストマーと、カーボンナノファイバーと、を混練する際に、エラストマーの分子鎖が切断されて生成したフリーラジカルは、カーボンナノファイバーの欠陥を攻撃し、カーボンナノファイバーの表面にラジカルを生成すると推測できる。
エラストマーとしては、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPR,EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロブチルゴム(CIIR)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、ブタジエンゴム(BR)、エポキシ化ブタジエンゴム(EBR)、エピクロルヒドリンゴム(CO,CEO)、ウレタンゴム(U)、ポリスルフィドゴム(T)などのゴム類;オレフィン系(TPO)、ポリ塩化ビニル系(TPVC)、ポリエステル系(TPEE)、ポリウレタン系(TPU)、ポリアミド系(TPEA)、スチレン系(SBS)、などの熱可塑性エラストマー;およびこれらの混合物を用いることができる。特に、エラストマーの混練の際にフリーラジカルを生成しやすい極性の高いエラストマー、例えば、天然ゴム(NR)、ニトリルゴム(NBR)などが好ましい。また、極性の低いエラストマー、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)であっても、混練の温度を比較的高温(例えばEPDMの場合、50℃〜150℃)とすることで、フリーラジカルを生成するので本発明に用いることができる。
(B)次に、カーボンナノファイバーについて説明する。
本実施の形態にかかる複合エラストマーは、カーボンナノファイバーを1〜50重量%の割合で含むことが好ましい。
カーボンナノファイバーは、平均直径が0.5ないし500nmであることが好ましく、電磁気材料としては0.5ないし30nmであることがさらに好ましい。さらに、カーボンナノファイバーは、ストレート繊維状であっても、湾曲繊維状であってもよい。
カーボンナノファイバーとしては、例えば、いわゆるカーボンナノチューブなどが例示できる。カーボンナノチューブは、炭素六角網面のグラフェンシートが円筒状に閉じた単層構造あるいはこれらの円筒構造が入れ子状に配置された多層構造を有する。すなわち、カーボンナノチューブは、単層構造のみから構成されていても多層構造のみから構成されていても良く、単層構造と多層構造が混在していてもかまわない。また、部分的にカーボンナノチューブの構造を有するカーボンナノファイバーも使用することができる。なお、カーボンナノチューブという名称の他にグラファイトフィブリルナノチューブといった名称で称されることもある。
単層カーボンナノチューブもしくは多層カーボンナノチューブは、アーク放電法、レーザーアブレーション法、気相成長法などによって望ましいサイズに製造される。
アーク放電法は、大気圧よりもやや低い圧力のアルゴンや水素雰囲気下で、炭素棒でできた電極材料の間にアーク放電を行うことで、陰極に堆積した多層カーボンナノチューブを得る方法である。また、単層カーボンナノチューブは、前記炭素棒中にニッケル/コバルトなどの触媒を混ぜてアーク放電を行い、処理容器の内側面に付着するすすから得られる。
レーザーアブレーション法は、希ガス(例えばアルゴン)中で、ターゲットであるニッケル/コバルトなどの触媒を混ぜた炭素表面に、YAGレーザーの強いパルスレーザー光を照射することによって炭素表面を溶融・蒸発させて、単層カーボンナノチューブを得る方法である。
気相成長法は、ベンゼンやトルエン等の炭化水素を気相で熱分解し、カーボンナノチューブを合成するもので、より具体的には、流動触媒法やゼオライト担持触媒法などが例示できる。
カーボンナノファイバーは、エラストマーと混練される前に、あらかじめ表面処理、例えば、イオン注入処理、スパッタエッチング処理、プラズマ処理などを行うことによって、エラストマーとの接着性やぬれ性を改善することができる。
(C)次に、エラストマーと、セラミックス粒子と、カーボンナノファイバーと、を混合して複合エラストマーを得る工程(a)について説明する。
工程(a)は、エラストマーにセラミックス粒子及びカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させることが好ましく、オープンロール法、密閉式混練法、多軸押出し混練法、などを用いて行うことができる。
本実施の形態では、工程(a)として、ロール間隔が0.5mm以下のオープンロール法を用いた例について述べる。
図1は、2本のロールを用いたオープンロール法を模式的に示す図である。図1において、符号10は第1のロールを示し、符号20は第2のロールを示す。第1のロール10と第2のロール20とは、所定の間隔d、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.1ないし0.5mmの間隔で配置されている。第1および第2のロールは、正転あるいは逆転で回転する。図示の例では、第1のロール10および第2のロール20は、矢印で示す方向に回転している。第1のロール10の表面速度をV1、第2のロール20の表面速度をV2とすると、両者の表面速度比(V1/V2)は、1.05ないし3.00であることが好ましく、さらに1.05ないし1.2であることが好ましい。このような表面速度比を用いることにより、所望の剪断力を得ることができる。まず、第1,第2のロール10,20が回転した状態で、第2のロール20に、エラストマー30を巻き付けると、ロール10,20間にエラストマーがたまった、いわゆるバンク32が形成される。このバンク32内に金属粒子41及びセラミックス粒子42を加えて、さらに第1,第2のロール10,20を回転させることにより、エラストマー30と、金属粒子41及びセラミックス粒子42と、を混合する工程が行われる。なお、金属粒子41及びセラミックス粒子42については、後述する。ついで、このエラストマー30に金属粒子41及びセラミックス粒子42が混合されたバンク32内にカーボンナノファイバー40を加えて、第1、第2のロール10,20を回転させる。さらに、第1,第2ロール10,20の間隔を狭めて前述した間隔dとし、この状態で第1,第2ロール10,20を所定の表面速度比で回転させる。これにより、エラストマー30に高い剪断力が作用し、この剪断力によって凝集していたカーボンナノファイバーが1本づつ引き抜かれるように相互に分離し、エラストマー30に分散される。さらに、ロールによる剪断力はエラストマー内に分散された金属粒子41及びセラミックス粒子42のまわりに乱流状の流動を発生させる。この複雑な流動によってカーボンナノファイバーはさらにエラストマー30に分散される。なお、金属粒子41及びセラミックス粒子42の混合前に、エラストマー30とカーボンナノファイバー40とを先に混合すると、カーボンナノファイバー40にエラストマー30の動きが拘束されてしまうため、金属粒子41及びセラミックス粒子42を混合することが難しくなる。したがって、エラストマー30にカーボンナノファイバー40を加える前に金属粒子41及びセラミックス粒子42を混合することが好ましい。
また、この工程(a)では、剪断力によって剪断されたエラストマーにフリーラジカルが生成され、そのフリーラジカルがカーボンナノファイバーの表面を攻撃することで、カーボンナノファイバーの表面は活性化される。例えば、エラストマーに天然ゴム(NR)を用いた場合には、各天然ゴム(NR)分子はロールによって混練される間に切断され、オープンロールへ投入する前よりも小さな分子量になる。このように切断された天然ゴム(NR)分子にはラジカルが生成しており、混練の間にラジカルがカーボンナノファイバーの表面を攻撃するので、カーボンナノファイバーの表面が活性化する。
さらに、この工程(a)では、できるだけ高い剪断力を得るために、エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合は、好ましくは0ないし50℃、より好ましくは5ないし30℃の比較的低い温度で行われる。オープンロール法を用いた場合には、ロールの温度を上記の温度に設定することが望ましい。第1,第2ロール10,20の間隔dは、もっとも狭めた状態においても金属粒子41及びセラミックス粒子42の平均粒径よりも広く設定することで、エラストマー30中のカーボンナノファイバー40の分散を良好に行うことができる。
このとき、本実施の形態のエラストマーは、上述した特徴、すなわち、エラストマーの分子形態(分子長)、分子運動、カーボンナノファイバーとの化学的相互作用などの特徴を有することによってカーボンナノファイバーの分散を容易にするので、分散性および分散安定性(カーボンナノファイバーが再凝集しにくいこと)に優れた複合エラストマーを得ることができる。より具体的には、エラストマーとカーボンナノファイバーとを混合すると、分子長が適度に長く、分子運動性の高いエラストマーがカーボンナノファイバーの相互に侵入し、かつ、エラストマーの特定の部分が化学的相互作用によってカーボンナノファイバーの活性の高い部分と結合する。この状態で、エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合物に強い剪断力が作用すると、エラストマーの移動に伴ってカーボンナノファイバーも移動し、凝集していたカーボンナノファイバーが分離されて、エラストマー中に分散されることになる。そして、一旦分散したカーボンナノファイバーは、エラストマーとの化学的相互作用によって再凝集することが防止され、良好な分散安定性を有することができる。
エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、上記オープンロール法に限定されず、既に述べた密閉式混練法あるいは多軸押出し混練法を用いることもできる。要するに、この工程では、凝集したカーボンナノファイバーを分離できる剪断力をエラストマーに与え、エラストマー分子にラジカルを生成させることができればよい。
エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合・分散工程において、あるいは続いて、通常、ゴムなどのエラストマーの加工で用いられる配合剤を加えることができる。配合剤としては公知のものを用いることができる。配合剤としては、例えば、架橋剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、軟化剤、可塑剤、硬化剤、補強剤、充填剤、老化防止剤、着色剤などを挙げることができる。
(D)次に、金属粒子及びセラミックス粒子について説明する。
工程(a)で用いられた金属粒子41及びセラミックス粒子42は、カーボンナノファイバーの分散性を良好にするために、使用するカーボンナノファイバーの平均直径よりも大きい平均粒径であることが好ましく、セラミックス薄膜の厚さよりも小さい粒径であることが好ましい。金属粒子41及びセラミックス粒子42は、例えば平均粒径が0.1〜100μm、好ましくは1〜50μmである。また、金属粒子41及びセラミックス粒子42の形状は、球形粒状に限らず、混合時に金属粒子41及びセラミックス粒子42のまわりに乱流状の流動が発生する形状であれば平板状、りん片状であってもよい。
金属粒子41は、工程(d)において還元剤となる物質である。金属粒子41は、カーボンナノファイバーより融点の低い金属もしくは半金属であることが好ましく、より好ましくは融点が1000℃以下の低融点(高蒸気圧)金属もしくは半金属が好ましい。金属粒子41は、工程(d)における金属溶湯の還元剤としてもマグネシウムを含む粒子が好ましい。なお、ここでいう金属はいわゆる合金を含み、例えばマグネシウムはマグネシウム合金を含む。
セラミックス粒子42は、エラストマー100重量部に対して、10〜600重量部含むことが好ましい。また、セラミックス粒子42は、カーボンナノファイバーより融点の低い金属であり、かつ金属粒子41よりも融点の高いセラミックスであることが好ましい。金属粒子41の融点が上記の条件を満たせば、工程(d)における熱処理によってカーボンナノファイバーに損傷を与えることなく金属粒子41を気化させることができる。セラミックス粒子42としては、アルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO2)、マグネシア(MgO)、酸化ベリリウム(BeO)、ムライト(3Al2O3・2SiO2)、ジルコン(ZrSiO4)などの酸化物系セラミックス、窒化ケイ素(Si2N2)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)、窒化チタン(TiN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、窒化タンタル(TaN)などの窒化物系セラミックス、炭化ケイ素(SiC)、炭化チタン(TiC)、炭化ホウ素(B4C)、炭化タングステン(WC)などの炭化物系セラミックス、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸アルミニウム(Al2TiO5)などの複合酸化物及びこれらの混合物をセラミックス薄膜の用途に合わせて適宜選択することができる。特に、アルミナ粒子または炭化ケイ素粒子を用いることが好ましい。
(E)次に、上記工程(a)によって得られた複合エラストマーについて述べる。
図2は、本実施の形態にかかる複合エラストマーの一部を拡大して示す模式図である。工程(a)で金属粒子及びセラミックス粒子を混合させた場合には、金属粒子及びセラミックス粒子もエラストマー30中に分散されるが、図2では省略した。
本実施の形態の複合エラストマー50は、図2に示すように、基材であるエラストマー30にカーボンナノファイバー40が均一に分散されている。複合エラストマー50の分子運動性をパルス法NMRを用いてハーンエコー法によって測定することでカーボンナノファイバー40の分散状態を推定することができる。本実施の形態にかかる複合エラストマー50の第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)及びスピン−格子緩和時間(T1)は、カーボンナノファイバーを含まないエラストマー単体の場合より短くなる。また、複合エラストマーの第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は、カーボンナノファイバーを含まないエラストマー単体の場合より小さくなる。
以上のことから、本実施の形態にかかる複合エラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって得られる測定値が以下の範囲にあることが望ましい。
すなわち、未架橋体において、150℃で測定した、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は100ないし3000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)は存在しないか、あるいは1000ないし10000μ秒であり、さらに第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0.2未満であることが好ましい。
パルス法NMRを用いたハーンエコー法により測定されたスピン−格子緩和時間(T1)は、スピン−スピン緩和時間(T2)とともに物質の分子運動性を表す尺度である。具体的には、エラストマーのスピン−格子緩和時間が短いほど分子運動性が低く、エラストマーは固いといえ、そしてスピン−格子緩和時間が長いほど分子運動性が高く、エラストマーは柔らかいといえる。
なお、複合エラストマーは、工程(d)において分解気化しやすくするために、未架橋体のまま工程(b)に用いられることが好ましい。
(F)次に、複合エラストマーと溶剤とを混合し、塗布液を得る工程(b)について説明する。
本実施の形態にかかる工程(b)は、工程(a)で得られた複合エラストマーと溶剤とを混合させ、カーボンナノファイバーが懸濁した塗布液を得る。複合エラストマーは、カーボンナノファイバーとエラストマーとの濡れがよいため、溶剤中に混合させても沈殿しない。これは、カーボンナノファイバーが、エラストマー分子に絡まったままの状態で塗布液中に均一に懸濁するためである。
この工程で用いられる溶剤は、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系やシクロヘキサン等の脂環式炭化水素系などの溶媒の1種以上を含むものをエラストマーの種類によって適宜選択することができる。溶剤としては、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シンナー(混合溶剤)、エチレングリコール、モノエチルエーテル(別名セロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(別名セロソルブアセテート)、エチレングリコールモノブチルエーテル(別名ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノメチルエーテル(別名メチルセロソルブ)、オルト−ジクロロベンゼン、クロルベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素、1,4−ジオキサン、1,2−ジクロルエタン(別名二塩化エチレン)、1,2−ジクロルエチレン(別名二塩化アセチレン)、1,1,2,2−テトラクロルエタン(別名四塩化アセチレン)、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、スチレン、テトラクロルエチレン(別名パークロルエチレン)、トリクロルエチレン、1,1,1−トリクロルエタン、二硫化炭素、ノルマルヘキサン、アセトン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソペンチルアルコール、エチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、オルト−ジクロルベンゼン、キシレン(オルト)、キシレン(メタ)、キシレン(パラ)、クレゾール(オルト)、クレゾール(メタ)、クレソール(パラ)、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソペンチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸ペンチル、酢酸メチル、シクロヘキサノール、1,4−ジオキサン、ジクロルメタン、テトラヒドロフラン、ノルマルヘキサン、1−ブタノール、2−ブタノール、メタノール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノン、メチルブチルケトン、工業ガソリン、コールタールナフサ(ソルベントナフサ)、石油エーテル、石油ナフサ(軽質)、石油ナフサ(重質)、石油ベンジン、テレビン油、ミネラルスピリットなどの有機溶剤などから適宜エラストマーに合わせて選択することができる。例えば、複合エラストマーのエラストマーが天然ゴム(NR)やスチレン系(SBS)の場合にはトルエン、EPDMの場合にはシクロヘキサンが用いられる。
(G)次に、塗布液を基材に塗布し、塗膜を形成する工程(c)について説明する。
本実施の形態にかかる工程(c)は、基材上に、工程(b)で得られた塗布液を均一の厚さに塗布する方法を採用することができる。そのような塗布する方法としては、スピンコート法、ディッピング法、スクリーン印刷法、静電塗装などのスプレー法、インクジェット法から選ばれる方法によって実施されることが好ましい。さらに、このようにして塗布された塗布液は、減圧恒温炉中で凍結乾燥や熱処理乾燥、窒素雰囲気中乾燥、あるいは紫外線などによる硬化によって塗膜を形成する。乾燥または硬化した塗膜の膜厚は、塗布する方法によって異なるが、例えば0.5〜100μmが好ましい。
基材としては、金、銅、アルミニウムなどの金属、シリコンウエハなどの半導体、ガラス、高分子材料などの絶縁体を例えば円板状に形成した基板などを用いることができる。
工程(b)で得られた塗布液には、カーボンナノファイバーが沈殿することなく均一に懸濁しているため、スクリーン印刷法などの塗布法によって基材にカーボンナノファイバーを均一に分散させることができる。
(H)次に、基材に形成された塗膜について説明する。
本実施の形態にかかる製造方法で基材に形成された塗膜は、複合エラストマーと同様に、カーボンナノファイバーが均一に分散されている。
また、本実施の形態にかかる塗膜におけるカーボンナノファイバーの分散の状態は、セラミックス薄膜を電子スピン共鳴(以下、ESR)分光装置を用いて線幅の測定を行うことで判定することもできる。さらに、ESR分光装置を用いて炭素の不対電子のシグナルのg値を測定することで、本実施の形態にかかるセラミックス薄膜の電磁気的特性も判定することができる。
(I)次に、塗膜を熱処理して前記塗膜に含まれるエラストマーを除去すると共に、金属溶湯を該塗膜中に浸透させてセラミックス薄膜を形成する工程(d)について説明する。
工程(d)は、工程(c)で得られた塗膜に含まれるエラストマーを分解気化させて除去する第1の熱処理工程(d−1)と、エラストマーが除去された塗膜に金属溶湯を浸透さ
せる第2の熱処理工程(d−2)と、を含むことができる。
以下、工程(d)について、図3〜図5を用いて説明する。図3〜図5は、非加圧浸透法によってセラミックス薄膜を製造する装置の概略構成図である。
第1の熱処理工程(d−1)は、まず図3に示すように、工程(c)で得られた塗膜5が表面に形成された基材としての基板4を、密閉された容器1内に配置する。このとき、容器1の室内を容器1に接続された減圧手段2例えば真空ポンプによって脱気してもよい。さらに、容器1に接続された注入手段3から窒素ガスを容器1内へ導入し、窒素雰囲気としてもよい。注入手段としては、例えば窒素ガスボンベを用いることができ、導入される窒素ガスには少量ではあるが酸素が含まれてもよい。
次に、容器1に内蔵された図示せぬ加熱手段によって、容器1内に配置された基板4及び塗膜5をエラストマーの分解気化温度以上まで昇温して第1の熱処理工程(d−1)を行なう。加熱された塗膜5を構成する材料の内、最も融点の低いエラストマーが分解気化し、ほとんどのエラストマーが除去される。第1の熱処理工程(d−1)において、塗膜5に含まれるエラストマーの全てを除去せず、一部を炭化した状態でカーボンナノファイバーや金属粒子及びセラミックス粒子に付着させて残してもよい。
第1の熱処理工程(d−1)によって塗膜5は、金属粒子及びセラミックス粒子とカーボンナノファイバーからなる多孔質の膜になる。このような多孔質の膜における空孔をより均一なサイズにするために、多孔質の膜を基板4側へ加圧して緻密化してもよい。
第2の熱処理工程(d−2)は、図4に示すように、第1の熱処理工程(d−1)によって得られた基板4の上方にセラミックス粒子のバインダとなる金属の塊6(例えばアルミニウム塊)を配置する。そして、容器1内を減圧手段2によって脱気し、注入手段3から窒素ガスを導入し、窒素雰囲気とする。さらに、容器1に内蔵された図示せぬ加熱手段によって、基板4及び金属の塊6を該金属の融点以上まで徐々に昇温して第2の熱処理工程(d−2)を行なう。第2の熱処理工程(d−2)によって金属の塊6よりも融点くかつ工程(a)でエラストマーに混合されて塗膜5に含まれる還元剤としての金属粒子41(例えば、アルミニウムより融点の低いマグネシウム粒子)が気化して容器1内を還元雰囲気とする。さらに金属の塊6は、溶融して金属溶湯となり、エラストマーが分解気化してできた空所に浸透する。このとき、容器1内が還元雰囲気となっていることによって、金属溶湯をセラミックス粒子間に毛細管現象によって容易に浸透させることができる。そして、容器1の加熱手段による加熱を停止させ、金属溶湯を冷却・凝固させてセラミックス薄膜7を形成する。塗膜の空孔に金属溶湯が浸透し凝固することで、セラミックスのマトリクスにカーボンナノファイバーが均一に分散された状態となる。このようにして、図5に示すようなセラミックス薄膜7が形成された基板4を製造することができる。
また、本実施の形態のように工程(a)で金属粒子を混合してもよいが、工程(d)の容器1内に金属粒子と同じ金属(例えばマグネシウム)の塊を配置してもよい。工程(d)における金属の塊6は、導電性のよい金属が好ましく、また、周辺相の主成分となる金属でもあるため、III族元素例えばアルミニウム、ガリウム、インジウムなどが好ましい。III族元素は、V族元素例えば窒素、リン、ヒ素、アンチモンなどの元素と結合してバンドギャップが大きなIII−V族半導体を形成する。ここでいう金属は金属合金も含み、例えばアルミニウムはアルミニウム合金も含む。したがって、第2の熱処理工程(d−2)で用いられた窒素雰囲気を他のV族元素のガスにしてもよいが、工業的には窒素が望ましい。
また、上記実施の形態においては非加圧浸透法について説明したが、浸透法であればこれに限らず例えば不活性ガスなどの雰囲気の圧によって加圧する加圧浸透法を用いることもできる。上記実施の形態においては、第1の熱処理工程(d−1)と第2の熱処理工程(d−2)とを分けたが、同じ容器1内であれば、第1の熱処理工程(d−1)を行なう際に金属の塊6を基板4上に配置して、第1の熱処理工程(d−1)に引き続いて第2の熱処理工程(d−2)を行なってもよい。また、第2の熱処理工程(d−2)において金属溶湯を得るために金属の塊を基板上に配置したが、第2の熱処理工程(d−2)においては金属溶湯が塗膜に浸透すればよく、例えば、基板4上に金属溶湯を滴下してもよい。
(J)次に、セラミックス薄膜及び基材について説明する。
図6は、工程(d)で得られた基材としての基板4上に形成されたセラミックス薄膜の一部を拡大して示す模式図である。基板4の表面には0.5〜30μmの厚さのセラミックス薄膜7が形成されている。セラミックス薄膜7は、第2の熱処理工程(d−2)で金属の塊6が塗膜5に浸透して固化した金属相60及び図示せぬセラミックス中にカーボンナノファイバー40が均一に分散されている。カーボンナノファイバー40の周囲には、非晶質の周辺相70が形成される。セラミックス薄膜7の厚さは、塗膜の厚さの約1/2〜1/5程度薄く形成される。
周辺相70は、第2の熱処理工程(d−2)における雰囲気ガスが例えば窒素と少量の酸素とを含み、金属の塊6がアルミニウムである場合、カーボンナノファイバー40の周囲に、アルミニウム、窒素及び酸素を含む非晶質の周辺相70として形成される。特に、周辺相70は、主な構成元素が金属相60と同じアルミニウムであり、金属相60の結晶質アルミニウムとの濡れ性が良好である。また、このときの周辺相70は、アルミニウムと窒素と酸素(Al/N/O)を主な成分とした非晶質相であるが、セラミックス薄膜7に占める周辺相70の割合は、カーボンナノファイバー40の含有量によって容易に増減でき、また、工程(d−2)における熱処理時間によっても調整することができる。したがって、セラミックス薄膜7における金属相60(例えばアルミニウム)単体で形成された相をほとんどなくすことで、硬度や絶縁性を向上させることも可能である。なお、周辺相70のアルミニウムと窒素と酸素(Al/N/O)の生成割合は、約10/9/1であるが、工程(d−2)における窒素雰囲気の酸素濃度や供給する窒素の流量などにより調整することができる。セラミックス薄膜7における周辺相70の組成については、電界放射走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で観察し、照射点近傍の元素分析によって調べることができる。
また、周辺相70は、例えば窒化アルミニウムからなる結晶質相を含むことができる。例えば、工程(d−2)で得られたセラミックス薄膜をさらに高温で熱処理することで非晶質のアルミニウムと窒素と酸素(Al/N/O)の周辺相が結晶化して、周辺相の一部もしくは全部を窒化アルミニウムとすることができ、セラミックス薄膜のマトリクスにおけるセラミックスの占める割合を調節することができる。
セラミックス薄膜7におけるカーボンナノファイバー40の表面は、カーボンナノファイバー40を構成する炭素原子と酸素との化合物層(例えば酸化物層)に覆われ、さらに酸素と金属粒子を構成する元素例えばマグネシウムとの反応物層に覆われた構造を有している。カーボンナノファイバー40と周辺相70とは、これら酸化物層によって濡れ性がよい。このようにカーボンナノファイバーの周りが濡れ性のよい周辺相70に覆われているため、これまで短寿命であるとされてきたカーボンナノファイバーを長寿命化できる。このようなカーボンナノファイバーの表面構造については、X線分光分析(XPS)やEDS分析(Energy Dispersive Spectrum)によっても解析することができる。
セラミックス薄膜7における金属相60は、例えばアルミニウムの連続相であってセラミックス粒子のバインダ材でもある。したがって、金属相60がセラミックス薄膜7中に存在することで、セラミックス薄膜7の靭性を向上させることができる。また、セラミックス薄膜7の金属相60が例えばアルミニウムのような良導体で形成されることで、セラミックス薄膜7が形成された基板4への電子注入が容易となる。
(K)最後に、工程(d)で形成されたセラミックス薄膜の表面を研磨する工程について説明する。
セラミックス薄膜7が形成された基板4は、セラミックス薄膜7の表面を研磨することが好ましい。研磨方法としては、一般的な表面研磨方法が採用でき、例えば、サンドペーパによる研磨や、バフ仕上げなどを採用することができる。
このようにして得られたセラミックス薄膜は、カーボンナノファイバーが均一に分散された膜厚が均一の厚さに形成されるため、セラミックスが主体でありながら表面全体において均一な電磁気特性が得られる。しかも、セラミックス薄膜は、耐熱性が高く、硬度(Hv)も高い。例えば、セラミックス薄膜の耐熱温度は、空気中での熱重量分析(TG分析)において重量変化が始まる温度として測定した場合、500℃以上である。また、セラミックス薄膜は、硬度(Hv、500gf)が1000以上である。
また、セラミックス薄膜の表面を例えば、アルゴンイオンなどの気体イオンによるエッチング、フッ酸、塩酸、硝酸などの液体を用いたウェットエッチング、サンドブラスト加工などで、セラミックス薄膜7の表面にある金属例えばアルミニウムをエッチングによって除去することができる。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1、2)
(1)サンプルの作製
(a)複合エラストマーの作製
第1の工程:ロール径が6インチのオープンロール(ロール温度10〜20℃)に、表1に示す所定量(100g)の天然ゴム(100重量部(phr))を投入して、ロールに巻き付かせた。
第2の工程:天然ゴムに対して表1に示す量(重量部)のマグネシウム粒子と、アルミナ粒子もしくは炭化ケイ素粒子と、を天然ゴムに投入した。このとき、ロール間隙を1.5mmとした。なお、投入したマグネシウム粒子、アルミナ粒子及び炭化ケイ素粒子の詳細については後述する。
第3の工程:次に、前記各粒子を含む天然ゴムに対して表1に示す量(重量部)のカーボンナノファイバー(表1では「CNT」と記載する)を投入した。このとき、ロール間隙を1.5mmとした。
第4の工程:カーボンナノファイバーを投入し終わったら、天然ゴムとカーボンナノファイバーとの混合物をロールから取り出した。
第5の工程:ロール間隙を1.5mmから0.3mmと狭くして、混合物を投入して薄通しをした。このとき、2本のロールの表面速度比を1.1とした。薄通しは繰り返し10回行った。
第6の工程:ロールを所定の間隙(1.1mm)にセットして、薄通しした混合物を投入し、分出しした。
このようにして、実施例の複合エラストマーを得た。なお、実施例1〜3、比較例1において、マグネシウム粒子としては平均粒径45μmのマグネシウム粒子を用い、アルミナ粒子としては平均粒径2μmのアルミナ粒子を用い、炭化ケイ素粒子としては平均粒径10μmの炭化ケイ素粒子を用いた。カーボンナノファイバーは、直径(繊維径)が約10〜20nmのものを用いた。実施例1〜3及び比較例1は、混練の加工性がよかったので、表1の「加工性」の欄に「○」印を記入した。また、比較例2は、アルミナ粒子の量が多すぎて混練加工が困難であったので、表1の「加工性」の欄に「×」印を記入し、塗布液の作製以下の工程を行なわなかった。
(b)塗布液の作製
前記(a)で得られた複合エラストマーを、液温70℃のトルエンに浸漬し、攪拌しながら混合し、実施例1〜3及び比較例1の塗布液を得た。実施例1のトルエンの量は複合エラストマーの5倍であり、実施例2、3のトルエンの量は複合エラストマーの10倍であり、比較例1のトルエンの量は複合エラストマーの10倍である。トルエンの量を変えることで塗膜の膜厚を調整した。実施例1〜3及び比較例1の複合エラストマーのトルエンへの溶解性は、良好であったので、表1の「溶解性」の欄には「○」印を記入した。
(c)塗膜の作製
前記(b)で得られた塗布液を、表1に示す材質の基板の表面にスクリーン印刷法で塗布
し、窒素雰囲気中で400℃で1時間乾燥処理して、実施例1〜3及び比較例1の塗膜を得た。スクリーン印刷法は、スペーサの厚さが100μm、塗布速度が10mm/secであった。基板は、銅(Cu)が用いられ、基板のサイズは100×100×1mmであった。実施例1〜3及び比較例1の塗布液は、スクリーン印刷を良好に行なえたので、表1の「製膜性」の欄には「○」印を記入した。
(d)セラミックス薄膜の作製
前記(c)で得られた塗膜が形成された実施例1〜3及び比較例1の基板を容器(炉)内に配置させ、300℃で1時間、第1の熱処理工程を実施した。第1の熱処理工程によって塗膜中のエラストマーが分解気化されて除去された。さらに、基板上(塗膜の上)に100×100×3mmのアルミニウム塊(純アルミニウムインゴット)を置き、不活性ガス(微量の酸素を含む窒素)雰囲気中でアルミニウムの融点(800℃)まで昇温し、第2の熱処理工程を実施した。この昇温の過程において、まず、マグネシウムが気化し、さらに、アルミニウム塊が溶融した。アルミニウムの溶湯は、マグネシウムによってその表面が還元され、分解気化したエラストマーと置換するように塗膜中に浸透した。アルミニウムの溶湯を浸透させた後、これを自然放冷して凝固させ、セラミックス薄膜が形成された基板を得た。実施例1〜3及び比較例1のサンプルは、アルミニウムの浸透性がよかったので、表1の「Al浸透性」の欄には「○」印を記入した。
(2)パルス法NMRを用いた測定
原料エラストマーの天然ゴムについて、パルス法NMRを用いてハーンエコー法による測定を行った。この測定は、日本電子(株)製「JMN−MU25」を用いて行った。測定は、観測核がH、共鳴周波数が25MHz、90゜パルス幅が2μsecの条件で行い、ハーンエコー法のパルスシーケンス(90゜x−Pi−180゜x)にて、Piをいろいろ変えて減衰曲線を測定した。また、サンプルは、磁場の適正範囲までサンプル管に挿入して測定した。測定温度は150℃であった。この測定によって、原料エラストマー単体の第1スピン−スピン緩和時間(T2n)と、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)と、第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)と、を求めた。なお、測定温度が30℃の場合における原料エラストマー単体の第1スピン−スピン緩和時間(T2n)についても求めた。測定結果を表1に示す。
(3)走査型電子顕微鏡による観察
実施例1〜3のセラミックス薄膜の電子顕微鏡(SEM)におけるカーボンナノファイバーの分散状態の観察では、カーボンナノファイバーの凝集はほとんど観察されず良好であった。
(4)セラミックス薄膜の硬さ及び耐熱温度の測定
実施例1〜3のセラミックス薄膜の硬さ(Hv,500gf)を硬度計で測定した。また、実施例1〜3のセラミックス薄膜の耐熱温度を空気中での熱重量分析(TG分析)において重量変化が始まる温度として測定した。セラミックス薄膜の平均膜厚も測定した。その結果を表1に示す。
(5)ESR分光装置を用いた測定
実施例1〜3及び比較例1の各セラミックス薄膜について、ESR分光装置を用いて炭素の不対電子のシグナルのg値と線幅(μT:マイクロテスラ)について測定を行なった。この測定は、日本電子(株)「JES−FA200」を用いて行なった。試料は、実施例1〜3及び比較例1の各薄膜を約3mgの短冊試料として切り出し、試料管に挿入した。測定条件は、温度4.5K、磁場走引10mT(ミリテスラ)、基準Mn(マンガン)、発振周波数9GHzであった。これらの結果を表1に示す。
表1から、本発明の実施例1〜3によれば、以下のことが確認された。すなわち、本発明の実施例1〜3は、比較例1に比べ、硬度も耐熱温度も向上した。
また、実施例1〜3のセラミックス薄膜は、カーボンナノファイバーを含有することによって、ESR特性における炭素の不対電子のシグナルのg値が検出されることがわかった。さらに、実施例1〜3のセラミックス薄膜は、ESR特性における炭素の不対電子のシグナルの線幅が検出され、190μT以上であり、カーボンナノファイバーが均一に分散され、スピン(不対電子)濃度が高いことがわかった。したがって、実施例1〜3のセラミックス薄膜は、電磁気材料として使用できることがわかった。なお、比較例1は、ESR特性におけるg値も線幅も検出されなかったため、電磁気材料として使用できない。
以上のことから、本発明によれば、一般に分散が非常に難しいカーボンナノファイバーがエラストマーに均一に分散されたセラミックス薄膜が形成されることが明かとなった。また、カーボンナノファイバーが均一に分散されたことによって、セラミックス薄膜が電磁気材料として使用できることがわかった。
本実施の形態で用いたオープンロール法によるエラストマーとカーボンナノファイバーとの混練法を模式的に示す図である。 本実施の形態にかかる複合エラストマーの一部を拡大して示す模式図である。 塗膜のエラストマーを分解気化させる装置の概略構成図である。 非加圧浸透法によってセラミックス薄膜を製造する装置の概略構成図である。 非加圧浸透法によってセラミックス薄膜を製造する装置の概略構成図である。 本実施の形態にかかるセラミックス薄膜の一部を拡大して示す模式図である。
符号の説明
1 容器
2 減圧手段
3 注入手段
4 基板
5 塗膜
6 アルミニウム塊
7 セラミックス薄膜
10 第1のロール
20 第2のロール
30 エラストマー
40 カーボンナノファイバー
41 金属粒子
42ラミックス粒
50 複合エラストマー
60 金属相
70 周辺相

Claims (7)

  1. エラストマーと、セラミックス粒子と、カーボンナノファイバーと、を0ないし50℃で混合し、かつ、剪断力によって前記カーボンナノファイバーを前記エラストマー中に分散させて複合エラストマーを得る工程(a)と、
    前記複合エラストマーと溶剤とを混合し、塗布液を得る工程(b)と、
    前記塗布液を基材に塗布し、塗膜を形成する工程(c)と、
    前記塗膜を熱処理して前記塗膜に含まれるエラストマーを除去すると共に、金属溶湯を該塗膜中に浸透させてセラミックス薄膜を形成する工程(d)と、
    を有し、
    前記セラミックス薄膜は、前記金属溶湯が固化して形成された金属相及び周辺相と、前記セラミックス粒子によって形成されたセラミックス相と、を含み、
    前記周辺相は、前記カーボンナノファイバーの周囲に形成された非晶質及び結晶質の少なくとも一方である、セラミックス薄膜の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記カーボンナノファイバーは、平均直径が0.5ないし500nmである、セラミックス薄膜の製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記セラミックス粒子は、アルミナ粒子または炭化ケイ素粒子である、セラミックス薄膜の製造方法。
  4. 請求項1ないしのいずれかにおいて、
    前記金属溶湯は、アルミニウムを含む溶湯である、セラミックス薄膜の製造方法。
  5. 請求項1ないしのいずれかにおいて、
    前記工程(d)は、前記塗膜に含まれるエラストマーを分解気化させて除去する第1の
    熱処理工程(d−1)と、
    エラストマーが除去された前記塗膜に前記金属溶湯を浸透させる第2の熱処理工程(d−2)と、
    を含む、セラミックス薄膜の製造方法。
  6. 請求項において、
    前記第2の熱処理工程は、窒素雰囲気内で行なわれる、セラミックス薄膜の製造方法。
  7. 請求項1ないしのいずれかに記載のセラミックス薄膜の製造方法によって得られたセラミックス薄膜が形成された基材。
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