JP4490664B2 - 種子の発芽改良方法、発芽改良種子、コーティング種子および発芽改良剤 - Google Patents

種子の発芽改良方法、発芽改良種子、コーティング種子および発芽改良剤 Download PDF

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Description

本発明は、種子の発芽改良方法、発芽改良種子、コーティング種子および発芽改良剤に関する。
野菜、花卉等の生産においては、従来必要株数よりも多くの種子を播き、発芽後に間引き等を行っていたが、種子の品種も増え、また高価になってきており、また省力化が求められるようになってきており、より少ない種子数で必要株数を確保したり、また、種子の発芽には不良な環境であっても、良好な発芽率で、さらにはできるだけ一斉に発芽することが求められてきている。
しかしながら、種子の種類によっては、発芽率が低い、発芽までの期間が長い、発芽時期が揃いにくいという問題や、発芽に適した環境を外れると、発芽が遅延する、休眠に入る等の問題があり、効率的な野菜、花卉等の生産という観点からは、野菜、花卉等の種子の発芽を改良する方法や発芽が改良された種子の開発が望まれていた。
このような状況のもと、本発明者らは、野菜、花卉等の種子の発芽改良方法について鋭意検討したところ、ハイドロキシアパタイト等のアパタイト類が種子の発芽改良に効果的であり、種子をアパタイト類で処理することにより、種子の発芽が揃い、また発芽率が改善されることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、種子をアパタイト類で処理することを特徴とする種子の発芽改良方法、アパタイト類で処理されてなることを特徴とする発芽改良種子、有効成分としてアパタイト類を含有してなることを特徴とする発芽改良剤、種子表面に形成されたコーティング層中に、アパタイト類を含むことを特徴とするコーティング種子、アパタイト類で処理した種子をコーティングしてなることを特徴とするコーティング種子、種子を発芽させる培土において、有効量のアパタイト類を含有してなることを特徴とする発芽改良培土および前記発芽改良種子もしくは前記コーティング種子を床地に播種、覆土して、発芽せしめてなることを特徴とする苗を提供するものである。
本発明の発芽改良方法によれば、発芽率の向上、発芽までの期間の短縮、発芽時期の一斉化等野菜、花卉等の種子の発芽改良を図ることができる。
本発明において対象となる種子は特に制限されず、例えば野菜種子、草花種子、牧草種子、野草種子等が挙げられる、野菜種子としては、例えばキュウリ、メロン、カボチャ等のウリ科の野菜種子、例えばナス、トマト等のナス科の野菜種子、例えばエンドウ、インゲン等のマメ科の野菜種子、例えばタマネギ、ネギ等のユリ科の野菜種子、例えばダイコン、カブ、ハクサイ、キャベツ、ハナヤサイ等のアブラナ科の野菜種子、例えばニンジン、セロリ等のセリ科の野菜種子、例えばゴボウ、レタス、シュンギク等のキク科の野菜種子、例えばシソ等のシソ科の野菜種子、例えばホウレンソウ等のアザミ科の野菜種子等が挙げられる。草花種子としては、例えばハボタン、ストック、アリッサム等のアブラナ科の草花種子、例えばロベリア等のキキョウ科の草花種子、例えばアスター、ジニア、ヒマワリ等のキク科の草花種子、例えばデルフィニウム等のキンポウゲ科の草花種子、例えばキンギョソウ等のゴマノハグサ科の草花種子、例えばプリムラ等のサクラソウ科の草花種子、例えばベゴニア等のシュウカイドウ科の草花種子、例えばサルビア等のシソ科の草花種子、例えばパンジー、ビオラ等のスミレ科の草花種子、例えばペチュニア等のナス科の草花種子、例えばユーストマ等のリンドウ科の草花種子等が挙げられる。牧草種子としては、例えばチモシー(オオアワガエリ)、イタリアンライグラス(ネズミムギ)、バーミューダグラス(ギョウギシバ)、オーツヘイ(燕麦)、スーダングラス、クレイングラス、スェスク、オーチャードグラス(カモガヤ)、バーレイ、ウィート等の牧草種子が挙げられる。野草種子としては、例えばアルファルファ(ムラサキウマゴ)、クローバー(シロツメクサ)等のマメ科の野草種子、例えばメヒシバ等のイネ科の野草種子等が挙げられる。
アパタイト類としては、例えばハイドロキシアパタイト、ハイドロキシアパタイトを構成する水酸基の一部もしくは全部が、例えばフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子で置換された、フッ化アパタイト、塩化アパタイト等のハロゲン化アパタイト等の単独または混合物が挙げられる。かかるアパタイト類は、例えば市販されているものを用いてもよいし、公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。例えばハイドロキシアパタイトとして、例えば水の存在下に、リン酸カルシウムやリン分含有排液をアルカリ性カルシウム化合物で処理して得られるリン酸カルシウムを含むスラッジを700〜1200℃で加熱処理することにより得られるハイドロキシアパタイト(特開2000−281322号公報参照。)を用いてもよい。アパタイト類の形状は、特に制限されないが、種子との接触のし易さという点で、粉状が好ましい。
かかる種子にアパタイト類を処理する方法としては、例えばアパタイト類を含む処理剤に種子を浸漬する方法、アパタイト類を含む処理液を種子に噴霧する方法、アパタイト類の粉末もしくはアパタイト類を含む粉体を種子に粉衣する方法、湿潤させたアパタイト類上に種子を接触させる方法、アパタイト類を含む処理液を含浸させた濾紙、脱脂綿、ガーゼ等の担体に種子を静置させる方法等が挙げられる。
また、種子を播くための用土が入った播種ポット等の床地に、アパタイト類を含有せしめておき、かかるアパタイト類を含有せしめた床地に種子を播く方法、床地に種子を播いた後、床地にアパタイト類の粉末もしくはアパタイト類を含む処理剤をふりかける方法等も挙げられる。
アパタイト類を含む処理剤としては、例えばアパタイト類と水の懸濁液、アパタイト類とバーミキュライトとの混合物、アパタイト類とタルクとの混合物、アパタイト類と珪藻土との混合物、アパタイト類とシリカとの混合物、アパタイト類とカオリンとの混合物、アパタイト類とピートモスとの混合物、アパタイト類とパーライトとの混合物、アパタイト類とバークとの混合物等が挙げられる。かかる処理剤中のアパタイト類の含有量は、処理対象の種子の種類や品種によって異なり、適宜決めればよい。アパタイト類を含む処理液としては、通常アパタイト類と水との懸濁液が用いられる。
アパタイト類を粉衣する場合の粉衣量も、処理対象の種子の種類により異なるが、通常種子の少なくとも一部にアパタイト類が付着する量が用いられる。
処理時間や処理温度は特に制限されず、処理対象の種子の種類や品種により適宜設定すればよいが、通常約10〜35℃で、約24〜48時間程度である。
アパタイト類を含む処理剤には、例えば殺菌剤、殺虫剤、除草剤等の農薬、例えば肥効性物質等を混合しておいてもよい。また、アパタイト類の効果を損なわない範囲内であれば、例えば植物生長調整剤等を混合しておいてもよい。さらに、例えば展着剤、乳化剤、湿潤剤、分散剤、固着剤等の補助剤を、アパタイト類の効果を損なわない範囲内であれば、混合してもよい。
かかるアパタイト類で処理した後、通常乾燥処理することにより発芽改良種子が得られる。乾燥処理する方法としては、例えばアパタイト類で処理した種子を通風乾燥する方法等が挙げられる。乾燥温度や乾燥時間は特に制限されないが、種子へのダメージができる限り少なくなるよう、種子の種類や品種により適宜決定される。
続いて、コーティング種子について説明する。本発明のコーティング種子としては、種子表面にアパタイト類が付着し、その上にコーティング層が形成された種子、種子の表面にコーティング層が形成され、該コーティング層中にアパタイト類が含有されている種子、種子の表面にアパタイト類が付着し、その上にコーティング層が形成され、該コーティング層中にもアパタイト類が含有されている種子が挙げられる。コーティング層中にアパタイト類含有された種子であれば、発芽改良効果の持続性をよりいっそう高めることができ、また播種後の土壌中でもアパタイト類を種子に作用させることができる。
種子表面にアパタイト類が付着し、その上にコーティング層が形成された種子は、通常種子を予めアパタイト類で処理した後、コーティング処理することにより製造することができる。種子の表面にコーティング層が形成され、該コーティング層中にアパタイト類が含有されている種子は、通常アパタイト類を混合せしめた結合剤またはその水溶液もしくは水分散液、造粒材、コーティング液等のコーティング剤を用いて、コーティング処理することにより製造することができる。種子の表面にアパタイト類が付着し、その上にコーティング層が形成され、該コーティング層中にもアパタイト類が含有されている種子は、通常種子をアパタイト類で処理した後、アパタイト類を混合せしめた結合剤またはその水溶液もしくは水分散液、造粒材、コーティング液等のコーティング剤を用いて、コーティング処理することにより製造することができる。
種子をコーティング処理する方法としては、例えば造粒コーティング法、フィルムコーティング法等が挙げられる。
造粒コーティング法としては、例えば結合剤を噴霧しながら種子表面に造粒材をコーティング処理し、乾燥せしめる方法等が挙げられる。結合剤、造粒材としては、特に制限されず、通常の造粒コーティング法に用いられる結合剤、造粒材であればよい。造粒材としては、例えば珪藻土、シリカ、タルク、カオリン、アタパルジャイト等が挙げられ、結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、水系ポリウレタン樹脂等が挙げられる。かかる結合剤は、通常水溶液、水分散液として用いられる。また、結合剤として、水を用いてもよい。かかる結合剤、造粒材の使用量は特に制限されない。
コーティング層中にアパタイト類が含有された種子を造粒コーティング法により製造する場合は、アパタイト類を混合せしめた結合剤や造粒剤を用いればよい。アパタイト類を混合せしめた結合剤や造粒剤中のアパタイト類の含有量は、コーティングする対象の種子の種類や品種等により異なり、通常有効量のアパタイト類がコーティングされるよう適宜設定される。
フィルムコーティング法としては、例えばコーティング液を種子に噴霧した後、乾燥せしめる方法、コーティング液を種子に噴霧しながら、乾燥せしめる方法等が挙げられる。
コーティング液としては、通常のフィルムコーティング法に用いられるコーティング液であれば特に制限されず、例えばポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、水系ポリウレタン樹脂等が挙げられ、通常水溶液または水分散液として用いられる。また、コーティング液には、例えばタルク、酸化チタン等の無機鉱物を配合してもよい。
コーティング層中にアパタイト類が含有された種子をフィルムコーティング法により製造する場合は、アパタイト類を混合せしめたコーティング液を用いればよい。アパタイト類を混合せしめたコーティング液中のアパタイト類の含有量は、コーティングする対象の種子の種類や品種等により異なり、通常有効量のアパタイト類がコーティングされるよう適宜設定される。
コーティング処理後の乾燥は、熱による種子のダメージをできるだけ抑えて行うことが好ましく、通常通風乾燥により実施され、その乾燥温度や乾燥温度も、種子の種類や品種により適宜決定すればよい。
続いて、種子を発芽させる培土において、有効量のアパタイト類を含有せしめた発芽改良培土について説明する。
種子を発芽させる培土に、有効量のアパタイト類を含有せしめることにより、発芽改良培土を調製することができ、かかる発芽改良培土に、種子を播くことにより、アパタイト類で処理されていない種子であっても、培土中でアパタイト類と接触し、発芽を改良することができる。かかる発芽改良培土を用いる場合には、例えば該培土に種子を播いた後、寒冷紗等により遮光、遮熱するとともに、該培土が乾燥しないように、通常適宜潅水が行われる。
種子を発芽させる培土としては、通常用いられる培土であれば特に制限されず、例えばピートモス、パーライト、バーミキュライト、砂等およびこれらの混合培土が挙げられる。また、アパタイト類のみを発芽改良培土として用いてもよい。発芽後の生育を考慮すると、有効量のアパタイト類と前記培土との混合培土が好ましい。
かかる発芽改良培土は、有効量のアパタイト類を含有しておればよく、その含有量は、種子の種類等に応じて適宜決めればよい。
続いて、有効成分としてアパタイト類を含有してなる発芽改良剤について説明する。発芽改良剤は、アパタイト類を有効成分として含む組成物であり、例えば種子を播く培土に混合せしめてもよいし、播種前に種子をかかる発芽改良剤で処理してもよい。
かかる発芽改良剤としては、アパタイト類単独であってもよいし、有効量のアパタイト類と希釈剤とを含む組成物であってもよい。希釈剤としては、例えば珪藻土、シリカ、カオリン、タルク、ピートモス、パーライト、バーミキュライト、バーク等の単独または混合物が挙げられる。
かかる発芽改良剤中のアパタイト類の含有量は有効量であれば、特に制限されないが、発芽改良剤中のアパタイト類の含有量を25重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがさらに好ましい。
かかる発芽改良剤には、例えば殺菌剤、殺虫剤、除草剤等の農薬、例えば肥効性物質等を混合しておいてもよい。また、アパタイト類の効果を損なわない範囲内であれば、例えば植物生長調整剤等を混合しておいてもよい。
発芽改良剤を使用する場合のその使用量は、発芽改良剤中のアパタイト類の含有量や種子の種類等に応じて適宜決めればよい。
最後に、前記発芽改良種子もしくは前記コーティング種子を床地に播種、覆土して、発芽せしめた苗および前記発芽改良剤で処理された培土もしくは前記発芽改良培土に播種、覆土し、発芽せしめた苗について説明する。
前記発芽改良種子もしくは前記コーティング種子を床地に播種、覆土して、発芽せしめた苗やおよび前記発芽改良剤で処理された培土もしくは前記発芽改良培土に播種、覆土し、発芽せしめた苗は、通常の種子を播種し、発芽せしめた苗に比べ、生育状態が揃っており、より商品価値の高い苗となり得る。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。なお、以下の試験例において、記載のない条件については、国際種子検査規定(ISTA 1999年版)に記載の条件に準じて行った。
実施例1
9cmシャーレ(FALCON製細胞培養ディッシュ;滅菌処理済み)に、ハイドロキシアパタイト(以下、HApと略記する。和光純薬から購入、生体材料研究用、粉末X線回折プロファイルを、図1に示した。)2gおよびイオン交換水5mLを入れ、レタス(品種名:アスレ、薬剤未処理、0〜10℃で冷蔵保存しておいたもの)の種子25粒を播き、試験期間中の水分の蒸発を抑えるため、シャーレの側面をパラフィルムM(American Can社製Laboratory Film)で覆い、HAp処理種子を調製した。
比較例1
別の径9cmのシャーレ(同上;滅菌処理済み)に、濾紙(定性用1号)3枚を入れ、イオン交換水7mLを加え、前記実施例1で用いたと同じレタスの種子25粒を播き、前記実施例1と同様にシャーレの側面をパラフィルムMで覆い、HAp処理なし種子を調製した。
試験例1
実施例1で調製したHAp処理種子が入ったシャーレおよび比較例1で調製したHAp処理なし種子が入ったシャーレを温度35℃に保持した照明付き恒温器(NKSystem製暗室型人工気象器(温度・照明型))に入れ、5日間保持して、レタス種子を休眠させた後、該恒温器の保持温度を30℃に降温し、発芽試験を行った(温度30℃で安定した時点を発芽試験開始とした。)。なお、発芽試験の間、1日当たり12時間の光照射(三波長型蛍光灯(白色光))を毎日行った。発芽率の結果を表1に示した。表1から分かるように、HAp処理した種子(実施例1)の方が、発芽率が良好であった。
Figure 0004490664
実施例2
9cmシャーレ(FALCON製細胞培養ディッシュ;滅菌処理済み)に、実施例1で用いたと同じHAp2gおよびイオン交換水7.5mLを入れ、ニンジン種子(品種名:ポールレット2号(5寸)、薬剤未処理、0〜10℃で冷蔵保存しておいたもの)の種子50粒を播き、シャーレの側面をパラフィルムMで覆い、HAp処理した種子を調製した。
実施例3
別の9cmシャーレ(FALCON製細胞培養ディッシュ;滅菌処理済み)に、参考例1で得たHAp2gおよびイオン交換水7.5mLを入れ、前記ニンジンの種子50粒を播き、シャーレの側面をパラフィルムMで覆い、HAp処理した種子を調製した。
比較例2
別の径9cmのシャーレ(FALCON製細胞培養ディッシュ;滅菌処理済み)に、濾紙(定性用1号)2枚を入れ、イオン交換水4.5mLを加え、前記ニンジンの種子50粒を播き、シャーレの側面をパラフィルムMで覆い、HAp処理なし種子を調製した。
試験例2
実施例2で調製したHAp処理した種子が入ったシャーレ、実施例3で調製したHAp処理した種子が入ったシャーレおよび比較例2で調製したHAp処理なし種子が入ったシャーレを温度20℃に保持した照明付き恒温器(NKSystem製暗室型人工気象器(温度・照明型))に入れ、2日間保持した後、種子を取り出し、濾紙上に置き、20〜25℃で4日間乾燥させた。乾燥終了後、それぞれの種子を、濾紙(定性用1号)2枚およびイオン交換水4.5mLを入れたシャーレ上に播き、温度20℃に保持した前記照明付き恒温器に入れて、発芽試験を行った。なお、発芽試験の間、1日当たり12時間の光照射(三波長型蛍光灯(白色光))を毎日行った。発芽率の結果を表2に示した。実施例2および実施例3で調製したHAp処理した種子の方が、発芽時期が揃っており、また、発芽率も良好であった。なお、いずれの場合も8日目以降発芽率の変化はなかった。
Figure 0004490664
実施例4
参考例1で得られたHAp(HAp含量:85%)を用い、該HApの含有量が10体積%となるよう標準培土(ピートモスおよびバーミキュライトを主成分とし、パーライトおよび肥料成分を若干量含む)にHApを混合し、HAp混合培土を調製した。
実施例5
参考例1で得られたHApをそのまま用い、HAp培土(HAp含量:100体積%)を調製した。
比較例3
前記実施例4で用いた標準培土を比較例3の培土とした。
試験例3
実施例4で調製したHAp混合培土、実施例5で調製したHAp培土および比較例3で調製した標準培土をそれぞれ発芽用トレイ(128穴)に入れ、ナス(品種名:本長なす)を一穴につき、4粒ずつ播き、日が当たらない場所に置き、20〜25℃で保持し、発芽試験を行った。なお、試験中は、底面潅水し、培土が乾燥しないようにした。発芽率の結果を表3に示した。実施例4で調製したHAp混合培土および実施例5で調製したHAp培土を用いた場合、発芽日数が短縮され、発芽率が大幅に向上した。
Figure 0004490664
参考例1
水の存在下に、リン分含有排液を水酸化カルシウムで処理して得られたリン酸カルシウム含有スラッジを、700〜1200℃で加熱処理し、HAp(含量:85%)を得た。得られたHApの粉末X線回折プロファイルを図2に示した(シャープなハイドロキシアパタイトに特有なピークが得られた。)。
<粉末X線回折測定条件>
X線:Cu−Kα線
走査モード:連続モード(走査範囲:2〜70°)
スキャンスピード:4°/分、スキャンステップ:0.02°
実施例6
所定量のHAp(和光純薬から購入、生体材料研究用)とバーミキュライトを混合し、HApを5重量%含有した発芽改良剤を調製した。
実施例7
所定量のHAp(前記実施例6で用いたものと同じ)とバーミキュライトを混合し、HApを25重量%含有した発芽改良剤を調製した。
実施例8
所定量のHAp(前記実施例6で用いたものと同じ)とバーミキュライトを混合し、HApを50重量%含有した発芽改良剤を調製した。
実施例9
所定量のHAp(前記実施例6で用いたものと同じ)とバーミキュライトを混合し、HApを75重量%含有した発芽改良剤を調製した。
実施例10
HAp(前記実施例6で用いたものと同じ)をそのまま発芽改良剤とした(含有量:100重量%)。
比較例4
前記実施例6〜9で用いたと同じバーミキュライトを比較例4とした。
試験例4
実施例6〜10で調製した発芽改良剤および比較例4のバーミキュライト各2gを、それぞれ9cmシャーレ内に入れ、イオン交換水で湿らせた。ニンジン種子(品種名:ポールレット2号 5寸、薬剤未処理、0〜10℃で冷蔵保存しておいたもの)25粒を播種し、20℃で、2日間保持した。その後、種子を取り出し、温度20℃で乾燥させた。
乾燥させた種子を、イオン交換水で湿らせた濾紙(定性用1号)2枚を入れた9cmシャーレ上に播種し、温度20℃に保持した照明付き恒温器(NKSystem製暗室型人工気象器(温度・照明型))に入れて、発芽試験を行った。なお、発芽試験の間、1日当たり12時間の光照射(三波長型蛍光灯(白色光))を毎日行った。発芽率の結果を表4に示した。実施例6〜10で調製したHAp単独またはHApを含有する発芽改良剤で処理することにより、発芽率の向上が確認できた。
Figure 0004490664
実施例11
HAp1重量%およびポリエチレングリコール#2000(平均分子量2000)1重量%を含む水懸濁液をコーティング液として用い、ニンジン種子(品種名:ポールレット2号 5寸、薬剤未処理、0〜10℃で冷蔵保存しておいたもの)を、ステンレス製シャーレに入れ、該シャーレを傾斜回転させながら、前記コーティング液を噴霧しながら、ドライヤーを用いて乾燥させ、コーティング種子を調製した。かかるコーティング種子のコーティング処理前後での増加重量の平均値は、約0.1mg/粒であり、コーティング層中には、HApが約0.05mg含まれていると考えられた。
実施例12
HAp0.5重量およびポリエチレングリコール#2000(平均分子量2000)1重量%を含む水懸濁液をコーティング液として用い、実施例11と同様に実施して、コーティング種子を調製した。かかるコーティング種子について、実施例11と同様にコーティング処理前後の増加重量を測定したが、重量の変化が検出できなかった。
比較例5
実施例11および12で用いたニンジン種子をコーティング処理せず、比較例5の種子とした。
試験例5
実施例11で調製したコーティング種子、実施例12で調製したコーティング種子および比較例5のコーティング処理していない種子を、温度20℃で2日間保持した後、イオン交換水5mLで湿らせた濾紙(定性用1号)2枚を入れた9cmシャーレに、各25粒播種し、温度20℃に保持した照明付き恒温器(NKSystem製暗室型人工気象器(温度・照明型))に入れて、発芽試験を行った。なお、発芽試験の間、1日当たり12時間の光照射(三波長型蛍光灯(白色光))を毎日行った。発芽率の結果を表5に示した。実施例11および実施例12で調製したコーティング種子の方が、発芽日数が短くなり、また発芽率も良好であった。
Figure 0004490664
実施例13
9cmシャーレ(FALCON製細胞培養ディッシュ;滅菌処理済み)に、フッ化アパタイト(以下、FApと略記する。和光純薬から購入、生体材料研究用)2gおよびイオン交換水5mLを入れ、レタス(品種名:メルボルンMT((株)トーホク)、薬剤未処理、0〜10℃で冷蔵保存しておいたもの)の種子25粒を播き、試験期間中の水分の蒸発を抑えるため、シャーレの側面をパラフィルムMで覆い、FAp処理種子を調製した。
比較例6
別の径9cmのシャーレ(同上;滅菌処理済み)に、濾紙(定性用1号)3枚を入れ、イオン交換水7mLを加え、前記レタスの種子25粒を播き、同様にシャーレの側面をパラフィルムMで覆い、FAp処理なし種子を調製した。
試験例6
実施例13で調製したFAp処理種子が入ったシャーレおよび比較例6で調製したFAp処理なし種子が入ったシャーレを温度35℃に保持した照明付き恒温器(NKSystem製暗室型人工気象器(温度・照明型))に入れ、5日間保持して、レタス種子を休眠させた後、該恒温器の保持温度を30℃に降温し、発芽試験を行った(温度30℃で安定した時点を発芽試験開始とした。)。なお、発芽試験の間、1日当たり12時間の光照射(三波長型蛍光灯(白色光))を毎日行った。発芽率の結果を表6に示した。実施例13で調製したFAp処理種子の方が、発芽率が良好であった。
Figure 0004490664
実施例1で用いたHApの粉末X線回折プロファイルである。 参考例1で得られたHApの粉末X線回折プロファイルである。

Claims (14)

  1. アパタイト類を含む処理剤に種子を浸漬する方法により種子をアパタイト類で処理することを特徴とする種子の発芽改良方法。
  2. アパタイト類が、ハイドロキシアパタイト、ハロゲン化アパタイトまたはこれらの混合物である請求項1に記載の発芽改良方法。
  3. アパタイト類を含む処理液を種子に噴霧する方法により種子をアパタイト類で処理することを特徴とする種子の発芽改良方法。
  4. アパタイト類が、ハイドロキシアパタイト、ハロゲン化アパタイトまたはこれらの混合物である請求項3に記載の発芽改良方法。
  5. アパタイト類を含む処理剤に種子を浸漬する方法によりアパタイト類で処理されてなることを特徴とする発芽改良種子。
  6. アパタイト類が、ハイドロキシアパタイト、ハロゲン化アパタイトまたはこれらの混合物である請求項に記載の発芽改良種子。
  7. アパタイト類を含む処理液を種子に噴霧する方法によりアパタイト類で処理されてなることを特徴とする発芽改良種子。
  8. アパタイト類が、ハイドロキシアパタイト、ハロゲン化アパタイトまたはこれらの混合物である請求項7に記載の発芽改良種子。
  9. アパタイト類を混合せしめたコーティング液を種子に噴霧し、乾燥せしめる方法により種子表面に形成されたコーティング層中に、アパタイト類を含むことを特徴とするコーティング種子。
  10. アパタイト類が、ハイドロキシアパタイト、ハロゲン化アパタイトまたはこれらの混合物である請求項9に記載のコーティング種子。
  11. 有効成分としてアパタイト類を25重量%以上含有してなることを特徴とする発芽改良剤。
  12. アパタイト類が、ハイドロキシアパタイト、ハロゲン化アパタイトまたはこれらの混合物である請求項11に記載の発芽改良剤。
  13. 種子を発芽させる培土において、アパタイト類を10体積%以上含有してなることを特徴とする発芽改良培土。
  14. アパタイト類が、ハイドロキシアパタイト、ハロゲン化アパタイトまたはこれらの混合物である請求項13に記載の発芽改良培土。
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