JP4488596B2 - 養鶏用飼料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、養鶏用飼料に関する。より詳細には、鶏卵の卵黄の色調を増強させるとともに鶏卵自体の食味を向上させるための養鶏用飼料に関する。
【0002】
【従来の技術】
食用としての鶏卵は、タンパク質などを多く含んだ完全食品である。近年においては、卵黄の色調を増強させたりして商品としての付加価値を高める努力がなされており、養鶏用飼料の改良も種々試みられている。例えば、卵黄の色調増強剤としては、パプリカが知られており、飼料に添加することで実用に供されている。
しかしながら、パプリカは世界的に限られた地域でしか生産されておらず、労働コストの問題や天候の変化により価格が高騰することもあり、品質や価格が安定した天然物由来の卵黄の色調増強剤が望まれている。
また、鶏卵自体の食味を向上させることができれば鶏卵の商品としての付加価値をいっそう高めることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、鶏卵の卵黄の色調を増強させることができるとともに鶏卵自体の食味を向上させることができる養鶏用飼料を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
ところで、ホヤ(海鞘)は、海底の岩石などに着生する原索動物の一種で、我が国では、東北地方から北海道地方にかけて漁獲される。外皮(被嚢)を除去した軟体部(筋肉および内臓)は、可食部として古くから食用に供せられているが、これまで外皮は利用価値のない不要物として焼却されたりして処分されていた。本発明者らは、ホヤの外皮の有効利用を図るべく、その利用可能性について鋭意検討を重ねた結果、ホヤの外皮を養鶏用飼料に添加することで鶏卵の卵黄の色調を増強させることができるとともに、鶏卵自体の食味を向上させることができることを見出した。
【0005】
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、本発明の養鶏用飼料は、請求項1記載の通り、ホヤの外皮を添加したものである。
また、請求項2記載の養鶏用飼料は、請求項1記載の養鶏用飼料において、ホヤの外皮を乾燥粉砕物の形態で添加したものである。
また、本発明のホヤの外皮の乾燥粉砕物の製造方法は、請求項3記載の通り、ホヤの外皮を常温乾燥した後、第一粉砕工程により粒径が5mm〜15mmの粗粉砕物を得、続いて第二粉砕工程により粒径が1mm〜3mmの微粉砕物とするものである。
また、本発明の鶏卵の卵黄の色調増強剤は、請求項4記載の通り、ホヤの外皮を有効成分とするものである。
また、本発明の鶏卵の食味向上剤は、請求項5記載の通り、ホヤの外皮を有効成分とするものである。
また、本発明の鶏卵は、請求項6記載の通り、産卵養鶏に請求項1記載の養鶏用飼料を給餌して産卵させて得られるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において利用できるホヤとしては、マボヤ、赤ホヤ、白ホヤなどが挙げられる。これらのホヤは一般に食用に供されるホヤであるが、本発明において利用できるホヤは食用に供されるホヤに限定されるものではない。
【0007】
ホヤの外皮の養鶏用飼料へ添加は、養鶏の食べやすさや嗜好性を考慮すれば、粒径が1mm〜3mmの乾燥粉砕物の形態で添加する事が望ましい。
【0008】
このような乾燥粉砕物は、例えば、ホヤの外皮を常温乾燥した後、第一粉砕工程により粒径が5mm〜15mmの粗粉砕物を得、続いて第二粉砕工程により微粉砕することにより製造することができる。ホヤの外皮の乾燥は加熱乾燥によってもよいが、加熱乾燥するとホヤ独特の臭味が乾燥機内のみならず処理室内にも充満し、作業環境が悪化することもあるので、加熱乾燥を行う際にはこの点に留意する必要がある。粉砕工程を2段階で行うのは、ホヤの外皮の乾燥物を粉砕するとはいえ、該乾燥物には水産物特有の粘り気があり、粒径が1mm〜3mmの均一な乾燥粉砕物を1段階で製造するのは困難だからである。
【0009】
ホヤの外皮を添加することができる養鶏用飼料に特段の制限などはなく、どのような養鶏用飼料にも添加することができる。代表的な養鶏用飼料は、例えば、粉砕穀類(とうもろこし、マイロ、小麦、小麦粉、大麦、ライ麦、燕麦、玄米、大豆、キャッサバなど)、ビートから、植物性油粕(大豆、綿実、菜種、落花生、ごまなど)、動物質性飼料(魚粉、肉粉、肉骨粉、フェザーミール、家禽処理副産物、血粉、脱脂粉乳など)、そうこう類(米ぬか、ふすま、麦ぬかなど)、製造粕類(コーングルテンフィード、コーングルテンミール、でんぷん類、糖蜜など)、油脂類(動物性油脂、植物性油脂など)、無機塩類(炭酸カルシウム、食塩、リン酸カルシウムなど)、ビタミン類、ミネラルなどを含有する。
【0010】
養鶏用飼料に対するホヤの外皮の添加量は、養鶏の食べやすさや嗜好性を考慮すれば、例えば、飼料重量に対して0.1%〜10%である。
【0011】
【実施例】
本発明の養鶏用飼料について実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
1.ホヤの外皮を添加した養鶏用飼料の製造例:
(ホヤの外皮の乾燥)
オホーツク海産の赤ホヤを漁獲後速やかに外皮と軟体部に分離した。分離した外皮には若干石が付着していたため、前処理としてこれを手で除去し、水洗した。水洗した外皮をバットの上に並べ、3日間天日干して乾燥させ、暗赤色の乾燥物を得た。
(第一粉砕工程)
上記の乾燥物を、剪断粗砕機(カッターミル:株式会社ホーライ製:スクリーン10mm)を用いて粗粉砕した。本装置の粉砕機構は、回転する3枚の刃により、主に剪断や切断するというものであり、粉砕の機構上、植物系の素材(繊維質)や廃棄物やペットボトルなどの粗粉砕に適しているものである。粉砕物のサイズはスクリーンに依存し、粒径が概ね10mmの橙色の粗粉砕物を得た。ホヤの外皮はその形状から嵩高い素材であるが、この工程により大幅に減容化され、部位間の色調の違いも均質化された。
(第二粉砕工程)
上記の粗粉砕物を、高速回転式粉砕機(ULTRA CENTRIFUGALMILL:Retsch製、スクリーン2mm)にてさらに粉砕した。本装置の粉砕機構は、高速で回転するディスク盤上に10数個のピンがあり、試料はピンの間で剪断、衝撃、摩擦により粉砕され、スクリーンを通過した試料がサイクロンに回収されるというものである。粉砕物のサイズはスクリーンの目開きにより決定され、粒径が概ね2mmの橙色の微粉砕物を得た。この微粉砕物の色調は第一粉砕工程で得られた粗粉砕物の色調よりも向上したものであった。
(養鶏用飼料への添加)
上記の方法で得られたホヤの外皮の乾燥粉砕物を採卵成鶏用配合飼料ダイナミック17(苫小牧飼料株株式会社製)に飼料重量の3%添加して本発明の養鶏用飼料を製造した。
【0012】
2.実験例:
(鶏への給餌)
ホクレン中央種鶏場(岩見沢市)から購入した雌のボリスB種(230日令〜240日令)16羽を用いて以下の実験を行った。
鶏をホヤの外皮を添加した飼料給餌群(試験群)とホヤの外皮を添加しない飼料給餌群(対照群)とに分け、鶏用ゲージに各々2羽飼いとした。給餌は、飼料を350g/2羽/日で与え、飲水には水道水を用いた。試験群の鶏の飼料摂取量、飲水量、外見、産卵率などは対照群の鶏のそれと同じであった。
(卵黄の色調増強作用)
実験開始2日後から試験群の鶏が産卵した卵の卵黄は、橙色が徐々に増し始め、概ね10日後にその色調増強作用はプラトーに達した。13日後にホヤの外皮を添加した飼料を給餌することを中止し、ホヤの外皮を添加しない飼料に変更したところ、20日後に産卵した卵の卵黄の色調は、対照群の鶏が産卵した卵の卵黄の色調と同程度に戻った。
(パネラーによる評価)
実験開始10日後に試験群の鶏が産卵した卵と対照群の鶏が産卵した卵を白色の磁器上に割り出し、成人15人の視覚嗜好検査に供した。その結果、全員が試験群の鶏が産卵した卵に嗜好性を示した。次いで各々の卵を目玉焼き、ゆで卵、卵かけご飯にして食し、食味検査に供したところ、目玉焼きについては15人中12人が、ゆで卵については15人中14人が、卵かけご飯については15人中11人が対照群の鶏が産卵した卵よりも試験群の鶏が産卵した卵の方が食味がよいと指摘した。食味についての具体的な感想としては、目玉焼きについてはうまみが強い、ゆで卵についてはねっとり感がよくパサパサしていない、卵かけご飯については生臭さがないというものが主なものであった。
【0013】
3.考察:
ホヤに外皮には赤色天然色素であるカロチノイドが含まれていることが知られているので、鶏卵の卵黄の色調増強作用は、カロチノイドが卵黄に移行したことによるものであると考えられた。鶏卵の食味向上作用は、カロチノイド以外にもホヤの外皮に含まれる成分が卵黄に移行したことによるものであると考えられた。また、鶏に対するホヤの外皮の投与量をコントロールすることで、鶏卵の卵黄の色調の度合をコントロールできることがわかった。
【0014】
【発明の効果】
本発明のホヤの外皮を添加した養鶏用飼料を鶏に給餌することで、鶏卵の卵黄の色調を増強させることができるとともに、鶏卵自体の食味を向上させることができる。従って、鶏卵の商品としての付加価値を高めることができる。また、本発明により、ホヤの外皮の有効利用を図ることができる。
Claims (6)
- ホヤの外皮を添加した養鶏用飼料。
- ホヤの外皮を乾燥粉砕物の形態で添加した請求項1記載の養鶏用飼料。
- ホヤの外皮を常温乾燥した後、第一粉砕工程により粒径が5mm〜15mmの粗粉砕物を得、続いて第二粉砕工程により粒径が1mm〜3mmの微粉砕物とするホヤの外皮の乾燥粉砕物の製造方法。
- ホヤの外皮を有効成分とする鶏卵の卵黄の色調増強剤。
- ホヤの外皮を有効成分とする鶏卵の食味向上剤。
- 産卵養鶏に請求項1記載の養鶏用飼料を給餌して産卵させて得られる鶏卵。
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