JP4486742B2 - 液体濃度計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アスピレータ等のエジェクタポンプを用いた分光分析式の液体濃度計に関するものであって、例えば半導体製造プロセスあるいは液晶製造プロセス等におけるウェット処理工程で用いられる薬液中の被測定成分濃度の測定等に適した液体濃度計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
分光分析器は、例えば、半導体製造プロセスあるいは液晶製造プロセスにおけるウェット処理工程で用いられる薬液中の過酸化水素濃度の測定装置等に広く利用されている。このような分光分析器を用いた濃度測定装置においては、通常、試料液を試料セル内に導入し、この試料セルに特定の波長の光(例えば、紫外線)を照射し、その透過光あるいは反射光の強度に基づいて、被測定成分の濃度を算出するようにしている。そして、試料セルへの試料液の供給は、例えば、送液ポンプ等を用いて行うようにしている(例えば、特開平4−249745号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように送液ポンプを用いて試料液を試料セルに供給する場合、試料セルあるいは試料セルに接続された配管には、ときにはかなり高い圧力がかかることになる。このため、長期的にみれば、配管継手の緩み等による試料液の漏れ、あるいは試料セルの破損ないしは配管寸断等による試料液の噴出が生じるおそれがある。そして、試料液が過酸化水素、混酸、オゾン等、人体にとって好ましくない成分を含んでいる場合、このような試料液の漏れあるいは噴出は、安全上大きな問題となる。
【0004】
また、送液ポンプには駆動部や磨耗部があるので、その耐用期間(寿命)は比較的短い。このため、送液ポンプは比較的短い周期で定期的に交換する必要がある。そして、試料液が人体にとって好ましくない成分を含んでいる場合、交換作業には細心の注意を払う必要があるので、その作業に手間がかかり、ひいては濃度測定装置の保守管理コストが高くつくといった問題がある。
【0005】
さらに、半導体製造プロセス、液晶製造プロセス等では、試料液のクリーン度が高いことが要求されるので、濃度測定装置の各構成部材は、簡素であることが要求され、かつ異物(パーティクル)を出さない材質で形成されることが要求される。しかしながら、送液ポンプを用いた濃度測定装置では、このような要求を満たすのは困難であるといった問題がある。
【0006】
また、試料液が気泡を生成しやすい成分、例えば過酸化水素等を含んでいる場合、濃度測定時に、配管内あるいは試料セル内で生成された気泡が、試料セル壁に付着するなどして試料セル内に滞留することが多い。そして、濃度測定時に試料セル内に気泡が滞留すると、試料セル内で測定光の散乱等が起こり、分光分析の精度が低下し、正確に被測定成分濃度を測定することができなくなるといった問題がある。
【0007】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、試料液の漏れあるいは噴出などといった不具合を生じさせず、低コストで保守管理を行うことができる、分光分析器を用いた液体濃度計を提供することを解決すべき課題とする。さらには、試料液中に気泡を生成しやすい成分が含まれている場合でも正確に被測定成分濃度を測定することができる、分光分析器を用いた液体濃度計を提供することを解決すべき課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた本発明の第1の態様にかかる液体濃度計は、(i)試料液中に含まれている被測定成分の濃度を分光分析(例えば、吸光分析)により測定するようになっている液体濃度計であって、(ii)試料セル内に保持されている試料液中の被測定成分の濃度を測定する分光分析器と、(iii)試料セルの下部(ないしは、下端部)に接続され、試料液槽内の試料液を試料セルに供給する試料液供給通路と、(iv)試料セルの上部(ないしは、上端部)に接続される一方試料液槽内の試料液の液位と実質的に等しい高さの位置に配置された吸引口を有するエジェクタポンプ(例えば、アスピレータ)と、(v)エジェクタポンプ及び分光分析器の各動作を制御する制御手段とが設けられていて、(vi)制御手段が、エジェクタポンプを起動させた後、エジェクタポンプに吸引されている濃度を測定すべき試料液が分光分析器の光路位置よりも上昇したときにエジェクタポンプを停止させ、試料液が停止又は減速した状態で分光分析器に被測定成分の濃度を測定させるようになっていることを特徴とするものである。
【0009】
この液体濃度計によれば、エジェクタポンプの吸引により試料液が試料セル内に供給されるので、試料セルあるいはこれに接続される配管には高い圧力がかからない。このため、配管継手の緩み等による試料液の漏れ、あるいは試料セルの破損ないしは配管寸断等による試料液の噴出が生じない。したがって、試料液が人体にとって好ましくない成分を含んでいる場合でも、液体濃度計の安全性が確保される。
【0010】
また、エジェクタポンプには、送液ポンプとは違って駆動部や磨耗部がないので、その耐用期間(寿命)は非常に長く、ほとんど交換する必要がない。したがって、その保守管理コストを低減することができる。さらに、エジェクタポンプは、簡素な部材で構成され、かつ異物を出さない材質で形成されることが容易である。したがって、試料液のクリーン度を高めることができる。
【0011】
さらに、エジェクタポンプで試料液を吸引する際に該試料液は減圧(負圧)状態となるので、たとえ試料液が気泡を生成しやすい成分を含んでいて試料セル内等に気泡が存在しても、該気泡は膨張して浮力が大きくなり、速やかに上方に移動してエジェクタポンプ側に排出され、試料セル内には滞留しない。このため、分光分析の精度が高められ、正確に被測定成分濃度を測定することができる。
【0012】
本発明の第2の態様にかかる液体濃度計は、(i)試料液中に含まれている被測定成分の濃度を分光分析(例えば、吸光分析)により測定するようになっている液体濃度計であって、(ii)試料セル内に保持されている試料液中の被測定成分の濃度を測定する分光分析器と、(iii)試料セルの下部に接続され、試料液槽内の試料液を試料セルに供給する試料液供給通路と、(iv)試料セルの上部に接続された吸引口を有するエジェクタポンプ(例えば、アスピレータ)と、(v)試料液供給通路を開閉する開閉弁と、(vi)エジェクタポンプ、開閉弁及び分光分析器の各動作を制御する制御手段とが設けられていて、(vii)制御手段が、エジェクタポンプを起動させるとともに開閉弁を開かせた後、エジェクタポンプに吸引されている濃度を測定すべき試料液が分光分析器の光路位置よりも上昇したときに開閉弁を閉じさせる一方エジェクタポンプを停止させ、試料液が停止又は減速した状態で分光分析器に被測定成分の濃度を測定させるようになっていることを特徴とするものである。
【0013】
この第2の態様にかかる液体濃度計においても、基本的には、実施の形態1にかかる液体濃度計の場合と同様の作用・効果が得られる。ただし、分光分析器による被測定成分の濃度測定の直前に開閉弁によって試料液供給通路が閉じられるので、試料セル内の試料液はより強い減圧(負圧)状態となる。このため、試料セル内等に気泡が存在する場合、該気泡がより効果的に排除される。
【0014】
第2の態様にかかる液体濃度計においては、制御手段が、開閉弁を閉じさせた後で(試料セル内に所定時間負圧が継続するのを待ち)エジェクタポンプを停止させるようになっているのが好ましい。この場合、試料セル内では減圧(負圧)状態が継続されるので、試料セル内に気泡が存在する場合、該気泡が極めて効果的に排除される。
【0015】
なお、第2の態様にかかる液体濃度計では、エジェクタポンプが駆動していないときには開閉弁が閉じられるので、エジェクタポンプの吸引口が試料液槽内の試料液の液位よりも低い位置に配置されていても、試料液がエジェクタポンプの主流路、ひいては負圧生成流体の通路に流入しない。したがって、エジェクタポンプの吸引口は、試料液槽内の試料液の液位よりも低い位置に配置されていてもよい。
【0016】
上記各液体濃度計においては、試料液供給通路の内径は、試料液が流れる他の通路の内径よりも小さいのが好ましい。このようにすれば、試料セル内での試料液の液位の制御が容易となる。また、エジェクタポンプから排出される試料液が試料液槽に戻されるようになっている場合は、エジェクタポンプの主流路を流れる負圧生成流体が試料液と反応しない流体、例えば、純水、不活性ガス又は清浄な空気であるのが好ましい。このようにすれば、試料液槽内の試料液が汚染されない。
【0017】
上記各液体濃度計は、種々の試料液について濃度測定を行うことができる。例えば、試料液が、過酸化水素と、酸(例えば、塩酸、硫酸、フッ酸又は混酸)又はアルカリ(例えば、アンモニア)とを含む水溶液である場合でも、正確に被測定成分濃度を測定することができる。また、試料液が、人体にとって好ましくない成分(例えば、フッ酸、硝酸、酢酸、リン酸のうちの少なくと2つを含む混酸、又はオゾン)を含んでいる場合でも、安全に被測定成分濃度を測定することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
図1は、試料液を貯留する試料液槽1及び該試料液中の被測定成分の濃度を測定するための本発明にかかる液体濃度計2の概略構造を示す立面図である。なお、この実施の形態では、試料液は、半導体製造プロセスにおける半導体洗浄液であって、アンモニアと過酸化水素とを含んでいる混合液である。また、液体濃度計2は、試料液中のアンモニア濃度及び過酸化水素濃度を測定する。しかしながら、本発明にかかる液体濃度計2はこのような測定に限定されるものではなく、種々の試料液について種々の被測定成分の濃度を測定することができるのはもちろんである。
【0019】
図1に示すように、試料液槽1は、メインタンク1aとサブタンク1bとで構成されている。メインタンク1a内の試料液は、常時オーバーフロー(溢流)してサブタンク1bに流入するようになっている。なお、サブタンク1b内の試料液は、サブタンク1bの底部から、試料液循環パイプP0を介してポンプ20によって吸引され、フィルタ21でろ過された後、メインタンク1aの底部へ送り込まれる。つまり、試料液は、メインタンク1aとサブタンク1bとの間を循環しつつ、フィルタ21によって清浄化される(異物等が除去される)。
【0020】
試料液槽1(サブタンク1b)内の試料液は、第1パイプP1(内径2mm)を介して液体濃度計2に供給されるようになっている。この第1パイプP1の一端(上流端)はサブタンク1bと連通し、他端(下流端)は第1電磁弁3(開閉弁)の一方の接続端に接続されている。そして、第1電磁弁3の他方の接続端には第2パイプP2(内径2mm)の一端(上流端)が接続され、この第2パイプP2の他端はコネクタ4を介して試料セル5の下端部(試料液入口)に接続されている。なお、コネクタ4はPTFE材料で形成されている。第1電磁弁3は、試料液槽1(サブタンク1b)から試料セル5に至る試料液供給通路を自在に開閉する。つまり、第1電磁弁3は、試料液の流れをオン・オフする制御弁である。
【0021】
他方、試料セル5の上端部(試料液出口)は、継ぎ手6を介してアスピレータ7(エジェクタポンプの一種)の吸引口に接続されている。なお、継ぎ手6は、PTFE材料で形成されている。このように、試料セル5においては、試料液は下端部から試料セル5内に導入され、試料セル5内を上向きに流れた後、上端部からアスピレータ7側に排出される。したがって、試料液中に気泡が存在する場合、このような試料液の流れによって、気泡のアスピレータ2側への排出(泡抜き)が促進される。
【0022】
アスピレータ7は、その主流路に負圧生成流体である窒素ガスを流すことにより、その吸引口に負圧を発生させるようになっている。なお、窒素ガスは試料液中のどの成分とも反応しない。このアスピレータ7の主流路の入口側端部には第3パイプP3(内径4mm)の一端(下流端)が接続され、この第3パイプP3の他端(上流端)は第2電磁弁8の一方の接続端に接続されている。そして、第2電磁弁8の他方の接続端には第4パイプP4(内径4mm)の一端(下流端)が接続され、この第4パイプP4の他端(上流端)はフィルトレーションされたクリーンな窒素ガス源に接続されている。かくして、第2電磁弁8は、窒素ガス源からアスピレータ7の主流路に至る窒素ガス供給通路を自在に開閉する。つまり、第2電磁弁8は、負圧生成流体である窒素ガスの流れをオン・オフする制御弁である。
【0023】
アスピレータ7の主流路の出口側端部には、第5パイプP5(内径6mm)の一端(上流端)が接続され、この第5パイプP5の他端(下流端)は、試料液槽1のサブタンク1bに接続されている。なお、第5パイプP5には弁等の機器は介設されず、かつ試料液槽1側の端部は大気に開放されている。これは過酸化水素の分解により生成される気泡を、第5パイプP5を介して円滑かつ迅速に大気中に排出するためである。アスピレータ7には、不動作にその吸引口と主流路との間での気泡の移動を遮るものが何もないので、容易に気泡を排出することができる。
【0024】
第1〜第5パイプP1〜P5(とくに試料液を通すための各パイプP1、P2、P5)は、耐酸性ないしは耐アルカリ性を備えていることが必要であるので、PTFE、PFAなどといったフッ素樹脂系材料で形成される。また、第1、第2パイプP1、P2の内径を、第3〜第5パイプP3〜P5の内径よりも小さくするのは、安全上及び機能上の2つの理由による。1つは、第4パイプP4に供給される窒素ガスの圧力のトラブル等により試料セル5より下流側のパイプ(出口側パイプ)が万一閉塞しても、試料セル5内に急激な圧力上昇が生じないようにするためである(安全上の理由)。もう1つは、試料セル5内での液位の制御を容易にし(液だまりをできやすくする)、試料セル5内の気泡を、第5パイプP5を介して円滑かつ迅速に排出させるためである(機能上の理由)。
【0025】
以下、分光分析器の構成及び機能を具体的に説明する。
図2に示すように、この分光分析器においては、ランプ10(光源)から放射された所定の強度の光(例えば、紫外線)が、集光レンズ11を経由して干渉フィルタ12に導入される。この干渉フィルタ12は、ランプ10から放射された光(連続光)から所定波長の光(単色光)のみを取り出す(通過させる)ことができる光学フィルタであり、取り出される光の波長を、連続的又は段階的に変化させることができる。
【0026】
干渉フィルタ12で取り出された所定波長の光は、第1レンズ13を経由して試料セル5に照射される。この試料セル5内には、前記の試料液が保持されている。このため、試料セル5に照射された所定波長の光の一部は試料液によって吸収される。そして、試料セル5(試料液)を透過した所定波長の光は、第2レンズ14を経由して受光センサ15に導入され、該光の強度が電気信号(電圧)に変換される。この電気信号は、増幅器16によって増幅された後、A/D変換器17によりデジタルデータに変換される。このデジタルデータは、マイクロコンピュータ18に送られる。マイクロコンピュータ18では、あらかじめ試料液中の被測定成分濃度と電圧強度値との相関関係(ほぼ比例関係)がメモリ内に格納されている。そして、マイクロコンピュータ18は、この相関関係を用いて、上記デジタルデータから試料液の被測定成分濃度を演算し、その結果を表示器19に表示する。
【0027】
以下、この液体濃度計で試料液中の被測定成分濃度を測定する際の測定手順(測定シーケンス)を説明する。なお、この測定は図示していないコントローラ(制御手段)を用いて自動的に行われる。
被測定成分濃度を測定する際には、まず第2電磁弁8が開かれアスピレータ7が作動させられる。そして、その1秒後に第1電磁弁3が開かれる。このように、第1電磁弁3の開弁タイミングを、第2電磁弁8の開弁タイミングより遅らせる(後にする)のは、アスピレータ7の吸引動作が十分となるのを待つためであり、ひいては試料液が両パイプP2、P1を介して試料液槽1に逆流するおそれをなくすためである。
【0028】
かくして、試料液槽1のサブタンク1b内の試料液が、アスピレータ7の吸引力により、第1パイプP1と第1電磁弁3と第2パイプP2とコネクタ4とを介して試料セル5に導入される。そして、この試料液は、試料セル5内を上向きに流通した後、アスピレータ7を通過し、第5パイプP5を介してサブタンク1bに戻される。
【0029】
この状態で十分な量の試料液が試料セル5内を通過して、試料セル5内ないしは試料液供給通路内に滞留していた試料液が新たに供給された試料液で置換された後、第1電磁弁3が閉じられる。そして、その0.5秒後に第2電磁弁8が閉じられる。ここで、第1電磁弁3が閉じられた後第2電磁弁8が閉じられるまでの期間(0.5秒)、試料セル5内は、その上流側が第1電磁弁3によって閉止されているので、アスピレータ7の吸引力(負圧)によって強い減圧(負圧)状態が継続される。
【0030】
このとき、負圧の変動波が第1電磁弁3から試料セル5に向かって伝播し、この変動波は試料セル壁面に付着している気泡を該壁面から離脱させる(はねとばす)。また、試料セル5内の負圧の増加(圧力の低下)は気泡を膨張させ、その浮力ないしは上昇力を増加させる。このため、試料セル5内の気泡は、迅速かつ完全にアスピレータ7側に排出され、この後第5パイプP5を介して大気中に排出される。
【0031】
図3に、試料セル5内に圧力センサを設置し、試料セル5内の圧力を測定した結果を示す。図3に示す例では、Aで示す時点で第1電磁弁3が閉じられ、Bで示す時点で第2電磁弁8が閉じられてアスピレータ7が停止されている。
第2電磁弁8が閉じられた後、気泡の排出が確実に終了した(気泡の発生がおさまった)と予測されるタイミング(例えば、約5秒後)で、分光分析器により試料セル5内の試料液(液だまり)中の被測定成分濃度、すなわちアンモニア濃度及び過酸化水素濃度を測定し、その結果を表示器19に表示する。
【0032】
この液体濃度計によれば、アスピレータ7の吸引により試料液が試料セル5内に供給されるので、試料セル5あるいはこれに接続される各パイプP1、P2、P5等の配管系統には高い圧力がかからない。このため、コネクタ4、継ぎ手6の緩み等による試料液の漏れ、あるいは試料セル5の破損ないしは配管寸断等が生じない。したがって、液体濃度計の安全性ないしは信頼性が確保される。
【0033】
また、アスピレータ7は、駆動部や磨耗部がないので、その耐用期間は非常に長く、ほとんど交換する必要がない。したがって、液体濃度計の保守管理コストを低減することができる。さらに、アスピレータ7は、簡素な部材で構成され、かつ異物を出さない材料で形成されているので、試料液のクリーン度を高めることができる。
さらに、前記のとおり、分光分析器で試料液の被測定成分濃度を測定する時点では、試料セル5内に気泡が存在しないで、分光分析の精度が高められ、正確に被測定成分濃度を測定することができる。
【0034】
なお、上記実施の形態では、アスピレータ7の吸引口の位置が、試料液槽1(サブタンク1b)内の試料液の液位よりかなり低くなっているので、第1電磁弁3が設けられてないと、アスピレータ7の作動が停止されているときに、サイフォン現象により試料液がアスピレータ7の主流路、ひいては第3パイプP3に流入するおそれがある。しかしながら、アスピレータ7の吸引口が、試料液槽1(サブタンク1b)内の試料液の液位と実質的に等しい高さの位置に配置されている場合は、第1電磁弁3を省いてもよい。この場合は、アスピレータ7の作動が停止されているときでも、試料液がアスピレータ7の主流路、ひいては第3パイプP3に流入するおそれがないからである。
また、上記実施の形態では、負圧生成流体として窒素ガスを用いているが、試料液中の成分と反応しない流体であればどのようなものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 試料液を貯留する試料液槽及び該試料液中の被測定成分の濃度を測定するための本発明にかかる液体濃度計の概略構造を示す一部断面立面図である。
【図2】 図1に示す液体濃度計を構成する分光分析器の一部断面立面図である。
【図3】 試料液中の被測定成分濃度を測定する際における、試料セル内の圧力の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
P0…試料液循環パイプ、P1〜P5…第1〜第5パイプ、1…試料液槽、1a…メインタンク、1b…サブタンク、2…液体濃度計、3…第1電磁弁、4…コネクタ、5…試料セル、6…継ぎ手、7…アスピレータ、8…第2電磁弁、10…ランプ、11…集光レンズ、12…干渉フィルタ、13…第1レンズ、14…第2レンズ、15…受光センサ、16…増幅器、17…A/D変換器、18…マイクロコンピュータ、19…表示器、20…ポンプ、21…フィルタ。
Claims (12)
- 試料液中に含まれている被測定成分の濃度を分光分析により測定するようになっている液体濃度計であって、
試料セル内に保持されている試料液中の被測定成分の濃度を測定する分光分析器と、
試料セルの下部に接続され、試料液槽内の試料液を試料セルに供給する試料液供給通路と、
試料セルの上部に接続される一方、試料液槽内の試料液の液位と実質的に等しい高さの位置に配置された吸引口を有するエジェクタポンプと、
エジェクタポンプ及び分光分析器の各動作を制御する制御手段とが設けられていて、
制御手段が、エジェクタポンプを起動させた後、エジェクタポンプに吸引されている濃度を測定すべき試料液が分光分析器の光路位置よりも上昇したときにエジェクタポンプを停止させ、試料液が停止又は減速した状態で分光分析器に被測定成分の濃度を測定させるようになっていることを特徴とする液体濃度計。 - 試料液中に含まれている被測定成分の濃度を分光分析により測定するようになっている液体濃度計であって、
試料セル内に保持されている試料液中の被測定成分の濃度を測定する分光分析器と、
試料セルの下部に接続され、試料液槽内の試料液を試料セルに供給する試料液供給通路と、
試料セルの上部に接続された吸引口を有するエジェクタポンプと、
試料液供給通路を開閉する開閉弁と、
エジェクタポンプ、開閉弁及び分光分析器の各動作を制御する制御手段とが設けられていて、
制御手段が、エジェクタポンプを起動させるとともに開閉弁を開かせた後、エジェクタポンプに吸引されている濃度を測定すべき試料液が分光分析器の光路位置よりも上昇したときに開閉弁を閉じさせる一方エジェクタポンプを停止させ、試料液が停止又は減速した状態で分光分析器に被測定成分の濃度を測定させるようになっていることを特徴とする液体濃度計。 - 上記制御手段が、開閉弁を閉じさせた後でエジェクタポンプを停止させるようになっていることを特徴とする請求項2に記載の液体濃度計。
- 上記エジェクタポンプの吸引口が、試料液槽内の試料液の液位よりも低い位置に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の液体濃度計。
- 試料液供給通路の内径が、試料液が流れる他の通路の内径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の液体濃度計。
- エジェクタポンプから排出される試料液が試料液槽に戻されるようになっていて、エジェクタポンプの主流路を流れる負圧生成流体が試料液と反応しない流体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の液体濃度計。
- 上記負圧生成流体が、純水、不活性ガス又は清浄な空気であることを特徴とする請求項6に記載の液体濃度計。
- 上記試料液が、気泡を生成しやすい成分を含んでいることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の液体濃度計。
- 上記試料液が、過酸化水素と酸又はアルカリとを含む水溶液であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の液体濃度計。
- 上記酸が塩酸、硫酸、フッ酸又は混酸であり、上記アルカリがアンモニアであることを特徴とする請求項9に記載の液体濃度計。
- 上記試料液が、人体にとって好ましくない成分を含んでいることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の液体濃度計。
- 上記成分が、フッ酸、硝酸、酢酸、リン酸のうちの少なくと2つを含む混酸、又はオゾンであることを特徴とする請求項11に記載の液体濃度計。
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