JP4486016B2 - 通信端末 - Google Patents

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Description

本発明は、通信機能を有する通信端末に関する。
近年、対応する通信端末(電子キー)が利用されたときに作動制御装置により制御対象の作動を許可する電子キーシステムが提案されている。特許文献1には、対応する電子キー(携帯機)の所持者が車外の所定領域に進入してきた場合に、作動制御装置(車両側の送受信装置)により車載ドアのアンロックを自動的に許可する電子キーシステム(車両用遠隔操作装置)が開示されている。尚、車載ドアのアンロックが許可されている状態でドアアウトサイドハンドルに触れると車載ドアがアンロックされる。
この種の電子キーシステムによると、電子キーの所持者は、乗車時にメカニカルキーを用いた煩雑な操作を行う必要がない。従って、電子キーシステムは、利便性に優れる。しかも、電子キーシステムによると、メカニカルキーと比較して複製が格段に困難な電子キーを利用しなければ、車載ドアのアンロックが許可されない。従って、電子キーシステムは、セキュリティレベルが高い。
このような電子キーシステムに供される電子キーは、作動制御装置から送信されてくるリクエスト信号を受信するための媒体となる受信アンテナを備えている。そして、互いに直交する3軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)の各々に対する感度を良好にするべく、X軸アンテナ、Y軸アンテナ、Z軸アンテナを有する複合アンテナを受信アンテナとして備える電子キーが提案されている。
図8及び図9に示すように、複合アンテナ110は、ケース110a内にX軸アンテナ110x、Y軸アンテナ110y、Z軸アンテナ110zが収容されている。棒状をなすX軸アンテナ110xの下方には、同じく棒状をなすY軸アンテナ110yが設けられている。つまり、X軸アンテナ110xとY軸アンテナ110yとは、X軸アンテナ110xが上側、Y軸アンテナ110yが下側となるように重ね合わせられている。そして、X軸アンテナ110xとY軸アンテナ110yとにより平面視十字状をなしている。そして、これらX軸アンテナ110x及びY軸アンテナ110yを取り囲むように、ループ状をなすZ軸アンテナ110zが設けられている。
特開2002−029385号公報(段落番号0002〜0007)
ところで、常日頃から身体に装着される腕時計に電子キーとしての機能が内蔵されていれば、腕時計とは別に電子キーを持ち歩く必要が無くなって便利である。
しかしながら、腕時計に電子キーとしての機能を持たせようとすると、時計としての機能を実現するための部品(時計機能用部品)に加えて、電子キーとしての機能を実現するための部品(通信機能用部品)が新たに必要となってくる。尚、図10に示すように、時計機能用部品としては、時を刻む態様で時針、分針、秒針を回転させるムーブメント120等が挙げられる。一方、通信機能用部品としては、複合アンテナ110、電池130、IC140等が挙げられる。
そして、これらの部品全てを腕時計100のケース100a内に収容する必要があるが、このとき、ムーブメント120の下方に複合アンテナ110等を設けると、腕時計100の厚みが増して腕時計としての商品価値が損なわれてしまう。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、その目的は、厚型化を回避して薄型化に貢献することが可能な通信端末を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、IDコードを含む信号を送信する電子キーとしての通信機能を第1機能とし、同第1機能と、第1機能とは別の第2機能として時計機能とを併せ持つ通信端末であって、第1機能を実現するための部品である第1機能用部品は、基板とアンテナとを含み、前記基板上には、前記アンテナが実装されており、第2機能を実現するための部品である第2機能用部品は、時計機能を実現するべく時を刻む態様で時計の針を回転させるムーブメントを含み、前記ムーブメントの周辺に前記アンテナを配置するとともに、前記ムーブメントの厚み領域に前記アンテナの厚みの領域が重なるように配置されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項1に記載の通信端末において、第1機能用部品は、互いに直交する3軸方向の各々に対する感度を良好にするべく備えられた3つのアンテナを含み、前記3つのアンテナのうち2つのアンテナは、バーアンテナにより構成されて、前記基板の一方の面に実装され、前記2つのアンテナ厚みの領域が、前記ムーブメントの厚み領域に重なるように配置されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の通信端末において、前記3つのアンテナのうち残りの1つのアンテナは、前記基板の他方の面に実装され、前記残りの1つのアンテナ厚みの領域が、第1機能を実現するための電源として機能し、前記基板の他方の面に配設された電池の厚み領域に重なるように配置されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の通信端末において、前記3つのアンテナのうち前記残りの1つのアンテナ前記電池を取り囲むように配置されているループアンテナにより構成されていることを特徴とする。
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明によると、アンテナ厚みの領域が、ムーブメントの厚み領域に重なるように配置されている。このため、アンテナの厚みの領域の全てがムーブメントの厚み領域に重ならないように配置されている構成よりも厚みが抑制される。従って、厚型化を回避して薄型化に貢献することができる。
請求項に記載の発明によると、3つのアンテナのうち2つのアンテナの厚みの領域が、ムーブメントの厚み領域に重なるように配置されている。このため、該2つのアンテナの厚みの領域の全てがムーブメントの厚み領域に重ならないように配置されている構成よりも厚みが抑制される。従って、厚型化を回避して薄型化に貢献することができる。
請求項に記載の発明によると、3つのアンテナのうち残りの1つのアンテナの厚みの領域が、第1機能を実現するための電源として機能する電池の厚み領域に重なるように配置されている。このため、該残りの1つのアンテナの厚みの領域の全てが電池の厚み領域に重ならないように配置されている構成よりも厚みが抑制される。従って、厚型化を回避して薄型化に貢献することができる。
請求項に記載の発明によると、3つのアンテナのうち残りの1つのアンテナが、電池を取り囲むように配置されているループアンテナにより構成されている。言い換えると、ループアンテナの内部空間が有効に活用されている。このため、ループアンテナの外側に電池が配置されている構成よりも面積が抑制される。従って、大型化を回避して小型化に貢献することができる。
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の発明によれば、厚型化を回避して薄型化に貢献することができる。
以下、本発明を自動車の電子キーシステムに具体化した一実施形態を説明する。
図1に示すように、電子キーシステム1は、電子キー2とドア施解錠制御装置3とを備えている。電子キー2は、自動車の所有者によって所持されるものである。ドア施解錠制御装置3は、自動車側に設けられるものである。電子キーシステム1は、電子キー2とドア施解錠制御装置3との間での双方向通信が可能である。そして、電子キーシステム1は、対応する電子キー2が利用されたときにドア施解錠制御装置3により車載ドアのアンロック(解錠)を許可する。加えて、電子キーシステム1は、対応する電子キー2が利用されたときにドア施解錠制御装置3により車載ドアのロック(施錠)を許可する。
電子キー2は、無線通信による受信機能及び無線通信による送信機能を有している。電子キー2は、受信アンテナ21、受信回路22、マイコン23、送信回路24、送信アンテナ25、アンロックスイッチ26、ロックスイッチ27を備えている。受信アンテナ21は、ドア施解錠制御装置3から送信されてくるリクエスト信号を受信するための媒体である。受信回路22は、受信アンテナ21によりリクエスト信号が受信されたとき、リクエスト信号を復調して受信信号を生成する。そして、受信回路22は、受信信号をマイコン23に出力する。
マイコン23は、不揮発性のメモリ23aを備えている。メモリ23aには、電子キー2毎に個別に設定されたIDコード(電子キー2のIDコード)が記憶されている。マイコン23は、受信回路22から受信信号が入力されたとき、リクエスト信号に応答するために、電子キー2のIDコードを含む信号(IDコード信号)を生成する。そして、マイコン23は、IDコード信号を送信回路24に出力する。送信回路24は、マイコン23から入力されたIDコード信号を所定周波数(本実施形態では300MHz)の電波に変調する。送信アンテナ25は、送信回路24により変調されたIDコード信号を送信するための媒体である。
尚、電子キー2は、上記したようにリクエスト信号に応答してIDコード信号を送信するための電源として機能する電池28を備えている。電池28は、ボタン型電池(一次電池)である。
アンロックスイッチ26は、自動車から離れた地点(本実施形態では、自動車から最長で約5m離れた地点)から遠隔操作により車載ドアをアンロックさせたい場合に操作されるものである。アンロックスイッチ26は、電子キー2の外部から押圧操作可能なボタンを備えたプッシュスイッチである。アンロックスイッチ26は、ボタンが押圧操作されたとき、車載ドアをアンロックするための操作が行われた旨の検出信号をマイコン23に出力する。
マイコン23は、アンロックスイッチ26から検出信号が入力されたとき、ドア施解錠制御装置3に対して車載ドアのアンロックを要求するために、車載ドアのアンロックを要求する旨の操作コード(アンロック要求用操作コード)と電子キー2のIDコードとを含む信号(アンロック要求用IDコード信号)を生成する。そして、マイコン23は、アンロック要求用IDコード信号を送信回路24に出力する。送信回路24は、マイコン23から入力されたアンロック要求用IDコード信号を所定周波数(本実施形態では300MHz)の電波に変調する。送信アンテナ25は、送信回路24により変調されたアンロック要求用IDコード信号を送信するための媒体としても機能する。
ロックスイッチ27は、自動車から離れた地点(本実施形態では、自動車から最長で約5m離れた地点)から遠隔操作により車載ドアをロックさせたい場合に操作されるものである。ロックスイッチ27は、電子キー2の外部から押圧操作可能なボタンを備えたプッシュスイッチである。ロックスイッチ27は、ボタンが押圧操作されたとき、車載ドアをロックするための操作が行われた旨の検出信号をマイコン23に出力する。
マイコン23は、ロックスイッチ27から検出信号が入力されたとき、ドア施解錠制御装置3に対して車載ドアのロックを要求するために、車載ドアのロックを要求する旨の操作コード(ロック要求用操作コード)と電子キー2のIDコードとを含む信号(ロック要求用IDコード信号)を生成する。そして、マイコン23は、ロック要求用IDコード信号を送信回路24に出力する。送信回路24は、マイコン23から入力されたロック要求用IDコード信号を所定周波数(本実施形態では300MHz)の電波に変調する。送信アンテナ25は、送信回路24により変調されたロック要求用IDコード信号を送信するための媒体としても機能する。
尚、電池28は、アンロック要求用IDコード信号、ロック要求用IDコード信号を送信するための電源としても機能する。
ドア施解錠制御装置3は、無線通信による送信機能及び無線通信による受信機能を有している。ドア施解錠制御装置3は、送信回路31、送信アンテナ32、受信アンテナ33、受信回路34、セキュリティ電子制御ユニット(以下、セキュリティECUと称す)35を備えている。送信回路31は、セキュリティECU35から入力されるリクエスト信号を所定周波数(本実施形態では134KHz)の電波に変調する。送信アンテナ32は、送信回路31により変調されたリクエスト信号を送信するための媒体である。
ここで、リクエスト信号は、図2に2点鎖線で示す車外の所定領域A32の範囲内に送信される。本実施形態においてリクエスト信号は、車外においてドアアウトサイドハンドルから約1m離れた地点まで達するように送信される。その結果、車外の所定領域A32の範囲内において、電子キー2とドア施解錠制御装置3との間での双方向通信が可能となる。つまり、リクエスト信号は、電子キー2とドア施解錠制御装置3との間での双方向通信を確立するためのトリガ信号である。これにより、リクエスト信号が送信されている車外の所定領域A32の範囲内に電子キー2が持ち込まれたとき、電子キー2によりリクエスト信号が受信されて同電子キー2からIDコード信号が送信されることになる。
受信アンテナ33は、リクエスト信号に応答して電子キー2から送信されてくるIDコード信号を受信するための媒体である。受信回路34は、受信アンテナ33によりIDコード信号が受信されたとき、IDコード信号を復調して受信信号を生成する。そして、受信回路34は、受信信号をセキュリティECU35に出力する。
セキュリティECU35は、不揮発性のメモリ35aを備えている。メモリ35aには、対応する電子キー2のIDコードと同一のIDコード(基準IDコード)が記憶されている。セキュリティECU35は、対応する電子キー2の所持者による乗車に伴う自動車に対する接近(車外の所定領域A32に対する進入)を監視するため、車載ドアがロックされている状態において、送信回路31にリクエスト信号を出力する。加えて、セキュリティECU35は、対応する電子キー2の所持者による降車に伴う車外への退出(車外の所定領域A32に対する進入)を監視するため、後述するドアロックスイッチ60が操作されたとき、送信回路31にリクエスト信号を出力する。つまり、これらの場合、セキュリティECU35は、車外通信制御を実行する。
そして、セキュリティECU35は、車外通信制御に基づいて、受信回路34から受信信号が入力されたとき、受信信号に含まれているIDコードと基準IDコードとが一致しているか否かを判断する。つまり、この場合、セキュリティECU35は、IDコード照合を実行する。
セキュリティECU35には、ドア電子制御ユニット(以下、ドアECUと称す)40が電気的に接続されている。そして、セキュリティECU35は、IDコード照合により両IDコードが一致したとき、ドアECU40にIDコード一致信号を出力する。つまり、この場合、セキュリティECU35は、対応する電子キー2が利用された旨を認識して車載ドアのアンロックやロックを許可する。
ドアECU40は、車載ドアをアンロックさせるものであるとともに、車載ドアをロックさせるものでもある。ドアECU40には、タッチセンサ50及びドアロックスイッチ60が電気的に接続されている。
タッチセンサ50は、ドアアウトサイドハンドルに設けられている。ドアアウトサイドハンドルは、車載ドアを車外から開ける場合に操作されるものである。タッチセンサ50は、ドアアウトサイドハンドルが触れられている旨を検出するためのものである。タッチセンサ50は、ドアアウトサイドハンドルが触れられているとき、ドアアウトサイドハンドルが触れられている旨を示す検出信号をドアアウトサイドハンドルが触れられている期間に亘ってドアECU40に出力する。
ドアECU40は、タッチセンサ50から検出信号が入力されているとき、ドアアウトサイドハンドルが触れられている旨を認識する。そして、ドアECU40は、セキュリティECU35からIDコード一致信号が入力されている状態で、ドアアウトサイドハンドルが触れられている旨を認識したとき、車載ドアをアンロックする。
ドアロックスイッチ60は、ドアアウトサイドハンドルに設けられている。ドアロックスイッチ60は、車載ドアを車外からロックする場合に操作されるものである。ドアロックスイッチ60は、車載ドアを車外からロックするための操作が行われた旨を検出するためのものである。ドアロックスイッチ60は、外部から押圧操作可能なボタンを備えたプッシュスイッチである。ドアロックスイッチ60は、ボタンが押圧されているとき、ボタンが押圧されている旨を示す検出信号をボタンが押圧されている期間に亘ってドアECU40に出力する。
ドアECU40は、ドアロックスイッチ60から検出信号が入力されているとき、車載ドアを車外からロックするための操作が行われている旨を認識する。そして、ドアECU40は、セキュリティECU35からIDコード一致信号が入力されている状態で、車載ドアを車外からロックするための操作が行われている旨を認識したとき、車載ドアをロックする。
このように本実施形態の電子キーシステム1は、対応する電子キー2の所持者が車外の所定領域A32に進入してきた場合に、ドア施解錠制御装置3により車載ドアのアンロックやロックを自動的に許可する。
ところで、対応する電子キー2のアンロックスイッチ26が操作されたとき、電子キー2からアンロック要求用IDコード信号が無線通信により送信される。そして、アンロック要求用IDコード信号が受信アンテナ33により受信されたとき、受信回路34からセキュリティECU35に受信信号(アンロック要求用操作コードと電子キー2のIDコードとを含む)が入力される。
セキュリティECU35は、受信回路34から入力された受信信号に基準IDコードと一致するIDコードが含まれており、且つ同受信信号にアンロック要求用操作コードが含まれているとき、対応する電子キー2が利用されて車載ドアをアンロックするための操作が行われた旨を認識する。そして、セキュリティECU35は、このように認識したとき、ドアECU40にアンロック指令信号を出力する。その結果、ドアECU40は、セキュリティECU35からアンロック指令信号が入力されたとき、車載ドアをアンロックする。
このように本実施形態の電子キーシステム1は、対応する電子キー2のアンロックスイッチ26が操作されたときにドア施解錠制御装置3により車載ドアのアンロックを許可する。
一方、対応する電子キー2のロックスイッチ27が操作されたとき、電子キー2からロック要求用IDコード信号が無線通信により送信される。そして、ロック要求用IDコード信号が受信アンテナ33により受信されたとき、受信回路34からセキュリティECU35に受信信号(ロック要求用操作コードと電子キー2のIDコードとを含む)が入力される。
セキュリティECU35は、受信回路34から入力された受信信号に基準IDコードと一致するIDコードが含まれており、且つ同受信信号にロック要求用操作コードが含まれているとき、対応する電子キー2が利用されて車載ドアをロックするための操作が行われた旨を認識する。そして、セキュリティECU35は、このように認識したとき、ドアECU40にロック指令信号を出力する。その結果、ドアECU40は、セキュリティECU35からロック指令信号が入力されたとき、車載ドアをロックする。
このように本実施形態の電子キーシステム1は、対応する電子キー2のロックスイッチ27が操作されたときにドア施解錠制御装置3により車載ドアのロックを許可する。
次に、電子キーシステム1の特徴点について説明する。
さて、上記のような電子キーシステム1に供される電子キー2は、図3に外観形状を示すように腕時計そのものである。つまり、電子キー2(腕時計)は、腕(一般的には左腕の手首)を取り巻くように装着される。言い換えると、本実施形態では、腕時計に受信アンテナ21、受信回路22、マイコン23、送信回路24、送信アンテナ25、アンロックスイッチ26、ロックスイッチ27、電池28を設けたものを電子キー2として用いている。ちなみに、図3から明らかなように、本実施形態の電子キー2は、時針、分針、秒針を備えたアナログ式の腕時計である。
受信アンテナ21、受信回路22、マイコン23、送信回路24、送信アンテナ25は、ケース2aの内部に収容されている(図3には現れない)。一方、アンロックスイッチ26、ロックスイッチ27は、ケース2aの外部に臨むように設けられている(図3参照)。
アンロックスイッチ26は、時針が4時を示す位置に対応して設けられている。そして、アンロックスイッチ26に対応して「UNLOCK」の文字が施されている。要するに、「UNLOCK」の文字により、アンロックスイッチ26を操作することで車載ドアをアンロックすることができる旨が示唆されている。
ロックスイッチ27は、時針が2時を示す位置に対応して設けられている。そして、ロックスイッチ27に対応して「LOCK」の文字が施されている。要するに、「LOCK」の文字により、ロックスイッチ27を操作することで車載ドアをロックすることができる旨が示唆されている。
このように本実施形態の電子キー2は、時刻を示す時計でありながら、自動車に搭載された機器を遠隔操作するために常日頃から身体に装着される身体装着型車両用リモートコントローラーである。
尚、時針が6時を示す位置に対応してLED2bが設けられている。LED2bは、アンロックスイッチ26、ロックスイッチ27が操作される度に短時間に亘って点灯されるものである。要するに、LED2bが点灯されることでアンロックスイッチ26、ロックスイッチ27の操作が有効化された旨が示唆されるように配慮されている。これにより、いわゆるアンサーバック機能が実現されている。加えて、電池28の消耗状態を視認できるように配慮されている。
ここで、図4に示すように、受信アンテナ21は、X軸アンテナ21x、Y軸アンテナ21y、Z軸アンテナ21zを備えている。X軸アンテナ21xは、互いに直交する3軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)のX軸方向に対して特に感度が良い。Y軸アンテナ21yは、Y軸方向に対して特に感度が良い。Z軸アンテナ21zは、Z軸方向に対して特に感度が良い。従って、これら3つのアンテナ(X軸アンテナ21x、Y軸アンテナ21y、Z軸アンテナ21z)の協働により、電子キー2は、ドア施解錠制御装置3から送信されるリクエスト信号を確実に受信可能である。
アンロックスイッチ26の固定接点は、マイコン23に電気的に接続されている。一方、アンロックスイッチ26の可動接点は、インダクタ29を介してGNDに電気的に接続されている。
ロックスイッチ27の固定接点は、マイコン23に電気的に接続されている。一方、ロックスイッチ27の可動接点は、インダクタ29を介してGNDに電気的に接続されている。
次に、電子キーシステム1の最大の特徴点について説明する。
図5〜図7に示すように、ケース2a内には、円板状をなすプリント回路板70が収容されている。プリント回路板70の一方の面(上面)には、X軸アンテナ21x、Y軸アンテナ21y(第1のY軸アンテナ21ya、第2のY軸アンテナ21yb)等の電装部品が実装されている。第1のY軸アンテナ21yaと第2のY軸アンテナ21ybとは、直列に接続されている。X軸アンテナ21x、第1のY軸アンテナ21ya、第2のY軸アンテナ21yb、の各々は、バーアンテナにより構成されている。プリント回路板70の他方の面(下面)には、Z軸アンテナ21z、受信回路22、マイコン23、インダクタ29等の電装部品が実装されている。Z軸アンテナ21zは、ループアンテナにより構成されている。また、プリント回路板70の他方の面側には、電池28が配設されている。
また、ケース2a内においてプリント回路板70の上方には、ムーブメント80が収容されている。ムーブメント80は、時計用電池、時計用電池から電力を得るモータ、モータの回転駆動力に基づいて回転される複数の歯車、歯車等を組み付けるための取付板を備えている。そして、ムーブメント80は、複数の歯車が互いに連動して回転することにより、時を刻む態様で時針、分針、秒針を回転させる。尚、図5及び図7では、ムーブメント80の構成部品を個別に図示せずに、それらをまとめたものが円板状をなすムーブメント80として示されている。
ここで、ムーブメント80には、当然のことながら厚み(図7において上下方向の長さ)が存在する。そして、ケース2a内であって、ムーブメント80の周辺においてムーブメント80の厚みに相当する領域には、空きスペースSが存在している。そして、プリント回路板70の上面に実装されている電装部品(X軸アンテナ21x、第1のY軸アンテナ21ya、第2のY軸アンテナ21yb等)の大半が、空きスペースSに配置されている。
尚、プリント回路板70の上面に実装されているX軸アンテナ21x、第1のY軸アンテナ21ya、第2のY軸アンテナ21yb、プリント回路板70の下面に実装されているZ軸アンテナ21z、受信回路22、マイコン23、インダクタ29は、通信機能(第1機能)を実現するための部品(第1機能用部品)に相当する。一方、ムーブメント80は、時計機能(第2機能)を実現するための部品(第2機能用部品)に相当する。要するに、電子キー2(腕時計)は、通信機能を第1機能としたとき、同第1機能と、第1機能とは別の第2機能(時計機能)とを併せ持つ通信端末であると言える。
そして、本実施形態の電子キー2(腕時計)にあっては、第1機能用部品の一部(X軸アンテナ21x、第1のY軸アンテナ21ya、第2のY軸アンテナ21yb)の厚みの領域が、第2機能用部品(ムーブメント80)の厚み領域に重なるように配置されている。特に、X軸アンテナ21x、第1のY軸アンテナ21ya、第2のY軸アンテナ21yb、の各々の厚みの領域において大半が、第2機能用部品(ムーブメント80)の厚み領域に重なるように配置されている。
また、電池28にも、当然のことながら厚み(図7において上下方向の長さ)が存在する。一方、Z軸アンテナ21zにも、当然のことながら厚み(図7において上下方向の長さ)が存在する。そして、Z軸アンテナ21zは、電池28を取り囲むように配置されている。言い換えると、Z軸アンテナ21zの厚みの領域の大半が、電池28の厚み領域に重なるように配置されている。
以上、詳述したように本実施形態によれば、次のような作用、効果を得ることができる。
(1)第1機能用部品の一部(X軸アンテナ21x、第1のY軸アンテナ21ya、第2のY軸アンテナ21yb)の厚みの領域が、第2機能用部品(ムーブメント80)の厚み領域に重なるように配置されている。このため、第1機能用部品の厚みの領域の全てが第2機能用部品(ムーブメント80)の厚み領域に重ならないように配置されている構成よりも厚みが抑制される。従って、厚型化を回避して薄型化に貢献することができる。
(2)第1機能用部品の一部(X軸アンテナ21x、第1のY軸アンテナ21ya、第2のY軸アンテナ21yb)が、第2機能用部品(ムーブメント80)の周辺に存在している空きスペースSに配置されている。このため、第1機能用部品を配置するためのスペースが新たに設けられている構成よりも容積が抑制される。従って、大型化を回避して小型化に貢献することができる。
(3)3つのアンテナ(X軸アンテナ21x、Y軸アンテナ21y、Z軸アンテナ21z)のうち2つのアンテナ(X軸アンテナ21x、Y軸アンテナ21y)の厚みの領域の大半が、第2機能用部品(ムーブメント80)の厚み領域に重なるように配置されている。このため、該2つのアンテナ(X軸アンテナ21x、Y軸アンテナ21y)の厚みの領域の全てが第2機能用部品(ムーブメント80)の厚み領域に重ならないように配置されている構成よりも厚みが抑制される。従って、厚型化を回避して薄型化に貢献することができる。
(4)3つのアンテナ(X軸アンテナ21x、Y軸アンテナ21y、Z軸アンテナ21z)のうち2つのアンテナ(X軸アンテナ21x、Y軸アンテナ21y)の厚みの領域の大半が、ムーブメント80の周辺においてムーブメント80の厚み領域に重なるように配置されている。このため、該2つのアンテナ(X軸アンテナ21x、Y軸アンテナ21y)の厚みの領域の全てがムーブメント80の周辺においてムーブメント80の厚み領域に重ならないように配置されている構成よりも厚みが抑制される。従って、厚型化を回避して薄型化に貢献することができる。
(5)3つのアンテナ(X軸アンテナ21x、Y軸アンテナ21y、Z軸アンテナ21z)のうち残りの1つのアンテナ(Z軸アンテナ21z)の厚みの領域の大半が、電池28の厚み領域に重なるように配置されている。このため、該残りの1つのアンテナ(Z軸アンテナ21z)の厚みの領域の全てが電池28の厚み領域に重ならないように配置されている構成よりも厚みが抑制される。従って、厚型化を回避して薄型化に貢献することができる。
(6)3つのアンテナ(X軸アンテナ21x、Y軸アンテナ21y、Z軸アンテナ21z)のうち残りの1つのアンテナ(Z軸アンテナ21z)が、電池28を取り囲むように配置されているループアンテナにより構成されている。言い換えると、ループアンテナ(Z軸アンテナ21z)の内部空間が有効に活用されている。このため、ループアンテナ(Z軸アンテナ21z)の外側に電池28が配置されている構成よりも面積が抑制される。従って、大型化を回避して小型化に貢献することができる。
尚、前記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・第1機能用部品の一部(X軸アンテナ21x、第1のY軸アンテナ21ya、第2のY軸アンテナ21yb)に留まらず、第1機能用部品の厚みの領域の全てが、第2機能用部品(ムーブメント80)の厚み領域に重なるように配置されている構成を採用してもよい。
・X軸アンテナ21x、第1のY軸アンテナ21ya、第2のY軸アンテナ21ybに代えて又は加えて、それらとは別の部品(例えば、電気抵抗器、コンデンサ、ダイオード等)の厚みの領域が、第2機能用部品(ムーブメント80)の厚み領域に重なるように配置されている構成を採用してもよい。この場合、少なくとも1つの部品の少なくとも一部の厚みの領域が、第2機能用部品(ムーブメント80)の厚み領域に重なるように配置されていればよい。
・第2機能用部品(ムーブメント80)の厚み領域に重なるように配置される部品が、X軸アンテナ21x、第1のY軸アンテナ21ya、第2のY軸アンテナ21ybよりも背の高いものである構成を採用してもよい。
・第2機能用部品(ムーブメント80)の厚み領域に重なるように配置される部品が、X軸アンテナ21x、第1のY軸アンテナ21ya、第2のY軸アンテナ21ybよりも背の低いものである構成を採用してもよい。
・プリント回路板70の上面に実装される部品のうち最も背の高い部品(例えば、X軸アンテナ21x、第1のY軸アンテナ21ya、第2のY軸アンテナ21yb)の厚み(背の高さ)とムーブメント80の厚みとが等しく、且つ該部品の厚みの領域の全てが第2機能用部品(ムーブメント80)の厚み領域に重なるように配置されている構成を採用してもよい。この場合、電子キー2を最も薄くすることができる。
・Z軸アンテナ21zに代えて又は加えて、それらとは別の部品(例えば、受信回路22、マイコン23、インダクタ29等)の厚みの領域が、電池28の厚み領域に重なるように配置されている構成を採用してもよい。この場合、これらの部品の厚みの領域の全てが、電池28の厚み領域に重ならないように配置されている構成でも構わないが、少なくとも1つの部品の少なくとも一部の厚みの領域が、電池28の厚み領域に重なるように配置されている構成が好ましい。
・電池28の厚み領域に重なるように配置される部品が、Z軸アンテナ21zよりも背の高いものである構成を採用してもよい。
・電池28の厚み領域に重なるように配置される部品が、Z軸アンテナ21zよりも背の低いものである構成を採用してもよい。
・プリント回路板70の下面に実装される部品のうち最も背の高い部品(例えば、Z軸アンテナ21z)の厚み(背の高さ)と電池28の厚みとが等しく、且つ該部品の厚みの領域の全てが電池28の厚み領域に重なるように配置されている構成を採用してもよい。この場合、電子キー2を最も薄くすることができる。
・時計機能以外の機能を第2機能とする通信端末に具体化してもよい。
電子キーシステムの構成を示すブロック図。 車外の所定領域を示す説明図。 電子キーの外観形状を示す正面図。 電子キーの構成を示す電気回路図。 電子キーの内部構成を示す正面図。 電子キーの内部構成を示す背面図。 電子キーの概略構成を示す断面図。 従来の複合アンテナを示す平面図。 従来の複合アンテナを示す側面図。 従来の複合アンテナを内蔵した腕時計を示す断面図。
符号の説明
2…電子キー(通信端末)、21x…X軸アンテナ(第1機能用部品)、21ya…第1のY軸アンテナ(第1機能用部品)、21yb…第2のY軸アンテナ(第1機能用部品)、21z…Z軸アンテナ(第1機能用部品)、22…受信回路(第1機能用部品)、23…マイコン(第1機能用部品)、28…電池、29…インダクタ(第1機能用部品)、70…プリント回路板(基板)、80…ムーブメント(第2機能用部品)、S…空きスペース。

Claims (4)

  1. IDコードを含む信号を送信する電子キーとしての通信機能を第1機能とし、同第1機能と、第1機能とは別の第2機能として時計機能とを併せ持つ通信端末であって、
    第1機能を実現するための部品である第1機能用部品は、基板とアンテナとを含み、前記基板上には、前記アンテナが実装されており、第2機能を実現するための部品である第2機能用部品は、時計機能を実現するべく時を刻む態様で時計の針を回転させるムーブメントを含み、前記ムーブメントの周辺に前記アンテナを配置するとともに、前記ムーブメントの厚み領域に前記アンテナの厚みの領域が重なるように配置されていることを特徴とする通信端末。
  2. 請求項1に記載の通信端末において、
    第1機能用部品は、互いに直交する3軸方向の各々に対する感度を良好にするべく備えられた3つのアンテナを含み、
    前記3つのアンテナのうち2つのアンテナは、バーアンテナにより構成されて、前記基板の一方の面に実装され、前記2つのアンテナ厚みの領域が、前記ムーブメントの厚み領域に重なるように配置されていることを特徴とする通信端末。
  3. 請求項に記載の通信端末において、
    前記3つのアンテナのうち残りの1つのアンテナは、前記基板の他方の面に実装され、前記残りの1つのアンテナ厚みの領域が、第1機能を実現するための電源として機能し、前記基板の他方の面に配設された電池の厚み領域に重なるように配置されていることを特徴とする通信端末。
  4. 請求項に記載の通信端末において、
    前記3つのアンテナのうち前記残りの1つのアンテナ前記電池を取り囲むように配置されているループアンテナにより構成されていることを特徴とする通信端末。
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