JP4484452B2 - 燃料電池搭載車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搭載した燃料電池を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換える制御手段が設けられた燃料電池搭載車に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる燃料電池搭載車は、燃料電池にて発電した電力にて、走行駆動用の電動モータを作動させるものであり、制御手段により燃料電池を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換えるように構成してある。
このような燃料電池搭載車において、従来では、以下のようにして燃料電池を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換えるように、制御手段を構成していた。
即ち、燃料電池の発電電力の余剰分を蓄電する二次電池と、その二次電池の残存容量を検出する残存容量検出手段とを設け、制御手段は、残存容量検出手段にて検出される検出残存容量が発停制御用の設定残存容量以下になると燃料電池の運転を開始し、検出残存容量が前記設定残存容量よりも大きくなると燃料電池の運転を停止して、燃料電池を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換えるように構成していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−240212号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、燃料電池が停止状態のときは、二次電池に蓄電されている電力にて電動モータを作動させるようになっているので、走行状態の変動等により電動モータの消費電力が少なくなって、二次電池の放電量が少なくなる場合がある。
しかしながら、従来の燃料電池搭載車では、上述したように、残存容量検出手段にて検出される検出残存容量が前記設定残存容量以下になると燃料電池の運転を開始し、前記検出残存容量が前記設定残存容量よりも大きくなると燃料電池の運転を停止するという条件にて、燃料電池を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換えることから、上述のように、電動モータの消費電力が少なくなって二次電池の放電量が少なくなると、燃料電池が停止状態となる時間が長くなって、その停止状態の間に燃料電池の温度が低くなり易い。そして、その停止状態の間に燃料電池の温度が低くなり過ぎると、次に燃料電池の運転が再開されたときの燃料電池の発電効率が低くなり、全体としての燃料電池の発電効率が低下することになる。
つまり、燃料電池の発電効率は燃料電池の温度により異なるものであって、燃料電池を高発電効率にて運転させることが可能な燃料電池の温度(以下、高効率運転温度と称する場合がある)があり、そして、燃料電池の運転が開始されると、発熱反応である発電反応により燃焼電池の温度が昇温するのであるが、上述のように、停止状態の間に燃料電池の温度が低くなり過ぎると、次に燃料電池の運転が再開されたときに、燃料電池の温度が高効率運転温度に達しなかったり、高効率運転温度に達するのに時間がかかったりして、燃料電池が発電効率の低い温度にて運転される時間が長くなって、燃料電池の発電効率が低下するのである。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料電池の発電効率の向上を図り得る燃料電池搭載車を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1記載の発明〕
請求項1に記載の燃料電池搭載車は、搭載した燃料電池を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換える制御手段が設けられたものであって、
前記燃料電池を冷却する冷却用流体の保有熱にて車室内を暖房する暖房手段が設けられ、
前記制御手段が、前記暖房手段の暖房作動中はその停止中よりも前記燃料電池を停止状態にする時間が短くなるように、前記燃料電池を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換えるように構成されている点を特徴構成とする。
即ち、暖房手段が暖房作動すると、燃料電池を冷却する冷却用流体の保有熱にて車室内が暖房され、制御手段により、暖房手段の暖房作動中はその停止中よりも燃料電池を停止状態にする時間が短くなるように、燃料電池が運転状態と停止状態とに間欠的に切り換えられる。
そして、暖房手段の暖房作動中において、燃料電池が停止状態となっている間に燃料電池の温度が低下するのを抑制することが可能となることから、次に燃料電池の運転が再開されたときに、燃料電池が発電効率の低い温度にて運転される時間を短縮化して、燃料電池の発電効率を向上することが可能となり、又、燃料電池の温度が低下するのを抑制することが可能となることにより、前記冷却用流体の温度が低下するのを抑制することも可能となるので、暖房手段の暖房能力を向上することも可能となる。
ちなみに、従来の燃料電池搭載車では、暖房手段の暖房作動中と停止中とにかかわらず、残存容量検出手段にて検出される検出残存容量が前記設定残存容量以下になると燃料電池の運転を開始し、前記検出残存容量が前記設定残存容量よりも大きくなると燃料電池の運転を停止するという同条件にて、燃料電池を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換えることになるが、暖房手段の暖房作動中において、走行状態の変動等により電動モータの消費電力が少なくなって、二次電池の放電量が少なくなると、燃料電池が停止状態となる時間が長くなって、燃料電池の温度が低下し易くなる、延いては、前記冷却用流体の温度が低下し易くなるので、上述したように燃料電池の発電効率が低いという問題に加えて、前記冷却用流体の保有熱にて車室内を暖房する暖房手段の暖房能力が低くなるという問題もあった。
従って、燃料電池の発電効率の向上を図ることができ、しかも、暖房能力の向上をも図ることができる燃料電池搭載車を提供することができるようになった。
【0007】
〔請求項2記載の発明〕
請求項2に記載の燃料電池搭載車は、請求項1において、前記燃料電池の発電電力の余剰分を蓄電する二次電池の残存容量を検出する残存容量検出手段が設けられ、
前記制御手段は、前記残存容量検出手段にて検出される検出残存容量が運転開始用の設定残存容量以下になると前記燃料電池の運転を開始し、前記検出残存容量が運転停止用の設定残存容量以上になると前記燃料電池の運転を停止して、前記燃料電池を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換えるように構成され、且つ、前記運転開始用の設定残存容量を前記暖房手段の暖房作動中はその停止中よりも大きく設定して、前記暖房手段の暖房作動中はその停止中よりも前記燃料電池を停止状態にする時間を短くするように構成されている点を特徴構成とする。
即ち、制御手段により、前記運転開始用の設定残存容量が暖房手段の暖房作動中はその停止中よりも大きく設定される状態で、残存容量検出手段の検出残存容量に基づいて、その検出残存容量が運転開始用の設定残存容量以下になると燃料電池の運転が開始され、前記検出残存容量が運転停止用の設定残存容量以上になると燃料電池の運転が停止されることにより、暖房手段の暖房作動中はその停止中よりも燃料電池を停止状態にする時間が短くなるように、燃料電池が運転状態と停止状態とに間欠的に切り換えられる。
つまり、制御手段により、残存容量検出手段の検出残存容量に基づいて、燃料電池を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換えるように構成する場合に、基本的な制御構成はそのまま利用しながら、前記運転開始用の設定残存容量として、暖房手段の停止中に対応するものと、その停止中に対応するものよりも大きい暖房手段の暖房作動中に対応するものとの2つを設定するだけの簡単な変更にて、しかも、新たな部品を追加することなく、暖房手段の暖房作動中はその停止中よりも燃料電池を停止状態にする時間が短くなるように、燃料電池を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換えるようにすることが可能となるのである。
従って、請求項1記載の特徴構成を低廉化を図りながら実施するようにする上で好ましい具体構成を提供することができるようになった。
【0008】
〔請求項3記載の発明〕
請求項3に記載の燃料電池搭載車は、搭載した燃料電池を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換える制御手段が設けられたものであって、
前記燃料電池を冷却する冷却用流体の保有熱にて車室内を暖房する暖房手段と、
前記燃料電池の温度を検出する燃料電池温度検出手段と
前記燃料電池の発電電力の余剰分を蓄電する二次電池の残存容量を検出する残存容量検出手段とが設けられ、
前記制御手段が、前記暖房手段の暖房作動中において、前記燃料電池温度検出手段にて検出される前記燃料電池の温度が運転開始用の設定温度以下になると、前記燃料電池を運転状態にし、前記残存容量検出手段にて検出される検出残存容量が運転停止用の設定残存容量以上になると前記燃料電池を停止状態にするように構成されている点を特徴構成とする。
即ち、暖房手段が暖房作動すると、燃料電池を冷却する冷却用流体の保有熱にて車室内が暖房され、その暖房手段の暖房作動中は、制御手段により、燃料電池温度検出手段にて検出される燃料電池の温度が運転開始用の設定温度以下になると、燃料電池が運転状態にされる。
そして、前記運転開始用の設定温度として、次に燃料電池の運転が再開されたときに、燃料電池が発電効率の低い温度にて運転される時間の短縮化が可能な温度に設定することにより、燃料電池の発電効率を向上することが可能となり、又、燃料電池の温度が低下するのを抑制することが可能となるので、前記冷却用流体の温度が低下するのを抑制することも可能となって、暖房手段の暖房能力を向上することも可能となる。
ちなみに、従来の燃料電池搭載車では、燃料電池の温度に関係なく、残存容量検出手段にて検出される検出残存容量が前記設定残存容量以下になると燃料電池の運転を開始し、前記検出残存容量が前記設定残存容量よりも大きくなると燃料電池の運転を停止するという条件にて、燃料電池を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換えることになるが、暖房手段の暖房作動中において、走行状態の変動等により電動モータの消費電力が少なくなって、二次電池の放電量が少なくなると、燃料電池が停止状態となる時間が長くなって、燃料電池の温度が低下し易くなる、延いては、前記冷却用流体の温度が低下し易くなるので、上述したように燃料電池の発電効率が低いという問題に加えて、その冷却用流体の保有熱にて車室内を暖房する暖房手段の暖房能力が低くなるという問題があった。
従って、燃料電池の発電効率の向上を図ることができ、しかも、暖房能力の向上をも図ることができる燃料電池搭載車を提供することができるようになった。
【0011】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
図1に示すように、燃料電池搭載車は、走行駆動用の電動モータMを駆動源として車体(図示省略)を走行させる電気自動車として構成し、前記電動モータMに電力を供給するための燃料電池1及びそれを発電作動させるための付属設備を備える燃料電池システムF、前記燃料電池1の発電電力の余剰分を蓄電する二次電池としてのバッテリー2、前記燃料電池1や前記バッテリー2から供給される直流電力を三相交流電力に変換して前記電動モータMに供給するインバータ3、並びに、車両全体の動作を統括して管理する車両制御部5を搭載してある。前記バッテリー2は、前記燃料電池1の発電電力の余剰分の他に、車体走行中にブレーキ操作により減速するときに前記電動モータMから発生する回生電力を蓄電することが可能なように構成してある。
前記燃料電池1の出力直流電力は、コンバータ31により電圧を所定の電圧に変換してバッテリー2やインバータ3に供給するように構成してある。
【0012】
電動モータMの動力は、トランスミッション4に伝えられ、このトランスミッション4内部の変速機構により変速された後、左右の車輪Wに伝えられるように構成してある。
【0013】
前記燃料電池1は、周知であるので詳述はしないが、例えば、固体高分子膜を電解質層(図示省略)とするセル(図示省略)の複数を積層状態に設けた固体高分子型に構成し、各セルの燃料極(図示省略)に燃料ガスとして水素含有ガスを供給し、各セルの酸素極(図示省略)に空気を供給して、水素と酸素との電気化学的な反応により発電を行うように構成してある。ちなみに、各セルは、前記電解質層の両面に前記燃料極と前記酸素極とを振り分け配置して構成してある。
【0014】
次に、前記燃料電池システムFにおける燃料電池1を発電作動させるための付属設備について説明する。
図1に示すように、前記付属設備は、燃料電池1の前記燃料極に燃料ガスとして水素含有ガスを供給するための燃料ガス供給設備6、燃料電池1の前記酸素極に空気を供給するため空気供給設備7、燃料電池1の前記燃料極から排出される燃料極排ガス、並びに、燃料電池1の前記酸素極から排出される酸素極排ガス及び電気化学反応により発生した水を外部に排出させるための排気設備8、燃料電池1を冷却するための冷却設備9、各部の動作を電気的に制御するための燃料電池制御部10の夫々を備えて構成してある。そして、この燃料電池制御部10を用いて、燃料電池1を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換える制御手段を構成してある。
【0015】
詳述すると、図1に示すように、前記燃料電池1に供給する燃料ガスとしての水素含有ガスの一例である水素ガスを高圧状態で充填した状態で貯蔵する水素ボンベ11を備え、この水素ボンベ11から水素ガス供給管12を通して水素ガスを燃料電池1に供給するように構成すると共に、その水素ガス供給管12には、レギュレータ13、電磁遮断弁14を設けてあり、これら水素ボンベ11、水素ガス供給管12、レギュレータ13及び電磁遮断弁14等により前記燃料ガス供給設備6を構成してある。尚、前記水素ボンベ11内の水素貯蔵量が減ったときには水素ガスを充填する必要があるが、水素ガスの充填作業は図示しない充填用の供給管を通して行う。
【0016】
モータ駆動式のコンプレッサ15によって、エアークリーナ16及び吸気管17を通して車体外部から空気を吸引するとともに、その空気を空気供給管18を通して燃料電池1の前記酸素極に供給するように構成してあり、それらコンプレッサ15、エアークリーナ16、吸気管17、及び、空気供給管18等により前記空気供給設備7を構成してある。尚、この空気供給設備7から供給される空気は加湿器19にて加湿された後に燃料電池1の前記酸素極に供給される。
【0017】
一方、燃料電池1の前記燃料極から排出される燃料極排ガスを導く燃料極排気管20、及び、燃料電池1の前記酸素極から排出される酸素極排ガスを導く酸素極排気管21を設け、更に、燃料極排気管20から燃料極排ガスが供給され、且つ、酸素極排気管21から酸素極排ガスが供給されると共に、供給された燃料極排ガス及び酸素極排ガスを混合して、その混合気を大気中に排出する排気管22を設けてある。前記燃料極排気管20には、その流路を開閉自在な燃料極排気遮断弁23を設けてある。そして、これら燃料極排気管20、酸素極排気管21、排気管22及び燃料極排気遮断弁23等により、排気設備8を構成してある。
又、燃料電池1の前記酸素極にて電気化学反応により発生した水も、酸素極排ガスと共に酸素極排気管21を通じて排気管22に導かれ、その排気管22にて外部に排出されるようになっている。
尚、前記燃料極排気遮断弁23は、通常は閉状態であり、設定時間が経過する毎に流路を開放させて燃料極内の不純物を排出させるようになっている。
【0018】
又、燃料電池1の内部を冷却するための冷却用流体としての冷却水を冷却水循環ポンプ24にて循環させる冷却水循環路25を設け、その冷却水循環路25には、ラジエータファン26にて車室外に送風される空気に前記冷却水の保有熱を放熱させるラジエータ27と、暖房用ファン28にて送風路(図示省略)を通じて車室内に送風される空気に前記冷却水の保有熱を放熱させる暖房用熱交換器29とを互いに並列接続した状態で設け、更に、冷却水を前記ラジエータ27と前記暖房用熱交換器29とに分流させると共に、その分流比を調節自在な三方弁30を設けてある。
そして、これら冷却水循環ポンプ24、冷却水循環路25、ラジエータファン26、ラジエータ27、暖房用ファン28、暖房用熱交換器29及び三方弁30等により冷却設備9を構成してある。
又、三方弁30、暖房用熱交換器29及び暖房用ファン28により、燃料電池1を冷却する冷却用流体としての冷却水の保有熱にて車室内を暖房する暖房手段Dを構成してあり、暖房用ファン28を作動させることにより、暖房手段Dが暖房作動状態に切り換えられることになり、暖房用ファン28を停止させることにより、暖房手段Dが停止状態に切り換えられることになる。
【0019】
前記のコンプレッサ15、冷却水循環ポンプ24等の補機にも、前記燃料電池1及びバッテリー2から電力が供給されるように構成してある。
【0020】
以下、前記車両制御部5及び前記燃料電池制御部10について説明する。
車両制御部5と燃料電池制御部10との間で、各種制御情報が通信されるように構成してある。
この車両制御部5には、シフトポジションレバー32の位置を検出するシフトポジションセンサS1、車室内の温度を検出する車室温度センサS2、アクセル操作具(図示省略)の操作量を検出するポテンショメータ式のアクセル操作量検出センサS3、電動モータMの回転速度を検出する回転速度センサS4、及び、車輪Wの回転速度に基づいて車速を検出する車速センサS5等による各種の検出情報、並びに、電動モータMの作動を指令するアクセルスイッチ(図示省略)、車室内の空調を指令する空調指令スイッチ33、及び、車室内の空調目標温度を設定する温度設定部34等からの各種指令情報が入力されるように構成してある。
【0021】
前記シフトポジションレバー32の位置としては、「駐車位置」、「後進走行位置」、「中立位置」、「前進走行位置」があり、運転者により運転状況に対応して切り換え操作されることになる。
【0022】
車両制御部5は、アクセル操作具の操作量に応じて電動モータMの出力を制御するモータ制御、及び、車室内を温度設定部34にて設定される目標空調温度になるように空調する空調制御等を実行するが、それらの各制御は周知であるので簡単に説明する。
車両制御部5は、前記モータ制御では、前記アクセルスイッチがオンのときは、アクセル操作量検出センサS3、回転速度センサS4及び車速センサS5夫々の検出情報に基づいて目標走行駆動力を求め、電動モータMから前記目標走行駆動力を出力するように、インバータ3を制御する。
尚、車両制御部5は、前記モータ制御において、アクセル操作量検出センサS3によりアクセル操作具の操作量がゼロである状態が検出され、且つ、車速センサS5にて車速がゼロである状態が検出されているときは、回転速度センサS4の検出情報に基づいて電動モータMの回転速度が設定アイドリング回転速度になるようにインバータ3を制御する。
その設定アイドリング回転速度としては、通常時設定アイドリング回転速度と、その通常時設定アイドリング回転速度よりも速い暖房時設定アイドリング回転速度とを設定してあり、詳細は後述するが、暖房手段Dが暖房作動中のときで、燃料電池制御部10からアイドルアップ指令が指令されているときは、前記設定アイドリング回転速度として前記暖房時設定アイドリング回転速度を用い、暖房手段Dの停止中のときで、アイドルアップ指令が指令されていないときは、前記設定アイドリング回転速度として前記通常時設定アイドリング回転速度を用いるように構成してある。ちなみに、前記通常時設定アイドリング回転速度としては、0rpmも含むものであり、暖房手段Dの停止中のときのアイドリング状態としては、電動モータMを停止させる状態も含むものである。
【0023】
又、車両制御部5は、前記アクセルスイッチがオンのときに、アクセル操作量検出センサS3によりアクセル操作具の操作量がゼロで無い状態が検出されるか、又は、車速センサS5にて車速がゼロで無い状態が検出されているときは、燃料電池制御部10に対して、負荷状態であることを示す負荷状態情報を送信し、前記アクセルスイッチがオンのときに、アクセル操作量検出センサS3によりアクセル操作具の操作量がゼロである状態が検出され、且つ、車速センサS5にて車速がゼロである状態が検出されているときは、アイドリング状態であることを示すアイドリング状態情報を送信し、前記アクセルスイッチがオフになると、燃料電池制御部10に対して、発電停止指令を送信するように構成してある。
【0024】
車両制御部5は、前記空調制御では、車室温度センサS2の検出温度と前記目標空調温度とに基づいて、冷房装置(図示省略)の冷房作動の要否及び前記暖房手段Dの暖房作動の要否を判断すると共に、冷房作動の要否の判断結果に基づいて、前記冷房装置の冷房作動を制御し、又、暖房作動の要否の判断結果に基づいて、暖房作動が必要なときは、前記暖房用ファン28を作動させて前記暖房手段Dを暖房作動させ且つ車室温度センサS2の検出温度が前記目標空調温度になるように前記暖房用ファン28の送風量を制御すると共に、その暖房手段Dが暖房作動中であることを示す暖房作動状態情報を燃料電池制御部10に対して送信し、暖房作動が不要なときは、前記暖房用ファン28を停止させて前記暖房手段Dを停止させると共に、その暖房手段Dが停止中であることを示す暖房停止状態情報を燃料電池制御部10に対して送信する。
【0025】
前記燃料電池制御部10は、前記バッテリー2の残存容量を検出する残存容量検出部S6、及び、前記燃料電池1から流出し且つ暖房用熱交換器29及びラジエータ27に流入する前の冷却水の温度を検出する冷却水出口温度センサS7等による各種検出情報が入力され、それら各種検出情報、及び、前記車両制御部5から送信される各種制御情報に基づいて、前記電磁遮断弁14、前記コンプレッサ15、前記冷却水循環ポンプ24、前記ラジエータファン26及び前記三方弁30等の作動を制御するように構成してある。
尚、前記燃料電池1から流出し且つ暖房用熱交換器29及びラジエータ27に流入する前の冷却水の温度は、燃料電池1の温度と同一又は略同一であって、燃料電池1の温度に対応するものであるので、冷却水出口温度センサS7にて、燃料電池1の温度を検出する燃料電池温度検出手段を構成してある。
【0026】
以下の説明において、燃料電池制御部10により燃料電池1を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換える点について説明するが、前記運転状態は、電磁遮断弁14を開弁し、コンプレッサ15及びラジエータファン26を作動させる状態であり、前記停止状態は、電磁遮断弁14を閉弁し、コンプレッサ15及びラジエータファン26を停止させる状態である。
尚、燃料電池制御部10は、冷却水循環ポンプ24については、燃料電池1を運転状態としているときは常時、燃料電池1を停止状態にしているときは、車両制御部5から前記暖房作動状態情報が送信されてから前記暖房停止状態情報が送信されるまでの間、予め設定された運転条件にて運転し、その他のときは停止する。
【0027】
前記残存容量検出部S6は、バッテリー2の電圧、温度、充電電力量及び放電電力量等に基づいて残存容量(即ち、SOC)を演算するように構成してある。
【0028】
前記燃料電池制御部10について説明を加える。
燃料電池制御部10は、車両制御部5から前記負荷状態情報が送信されると、負荷時発電制御を実行し、車両制御部5から前記アイドリング状態情報が送信されると、アイドリング時発電制御を実行し、車両制御部5から前記発電停止指令が送信されると、燃料電池1を停止状態に切り換えるように構成してある。
【0029】
そして、燃料電池制御部10は、前記負荷時発電制御では、暖房手段Dの暖房作動中は、暖房手段Dの停止中よりも燃料電池1を停止状態にする時間が短くなるように、燃料電池1を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換える。
尚、暖房手段Dの暖房作動中は暖房手段Dの停止中よりも燃料電池1を停止状態にする時間が短くなるように、燃料電池1を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換えるに当たっては、電動モータMの消費電力が同一であるとしたときに、暖房手段Dの暖房作動中は暖房手段Dの停止中よりも燃料電池1を停止状態にする時間が短くなるようにする。
ちなみに、燃料電池制御部10は、車両制御部5から前記暖房作動状態情報が送信されることにより、暖房手段Dが暖房作動中であると判断し、車両制御部5から前記暖房停止状態情報が送信されると、暖房手段Dが停止中であると判断する。
【0030】
具体的には、燃料電池制御部10は、前記負荷時発電制御では、残存容量検出部S6にて検出される検出残存容量が運転開始用の設定残存容量以下になると燃料電池1の運転を開始し、前記検出残存容量が運転停止用の設定残存容量以上になると燃料電池1の運転を停止して、燃料電池1を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換え、且つ、前記運転開始用の設定残存容量を暖房手段Dの暖房作動中はその停止中よりも大きく設定して、暖房手段Dの暖房作動中はその停止中よりも燃料電池1を停止状態にする時間を短くする。
【0031】
又、燃料電池制御部10は、前記アイドリング時発電制御では、前記検出残存容量が前記運転停止用の設定残存容量よりも小さいときは燃料電池1を運転し、前記検出残存容量が前記運転停止用の設定残存容量以上になると燃料電池1の運転を停止し、且つ、暖房手段Dが暖房作動されると、車両制御部5に対して前記アイドルアップ指令を送信し、暖房手段Dが停止されると、車両制御部5に対してアイドルアップ停止指令を送信する。
【0032】
そして、車両制御部5は、燃料電池制御部10からのアイドルアップ指令を受信すると、設定アイドリング回転速度として前記暖房時設定アイドリング回転速度を用いて、電動モータMの回転速度が暖房時設定アイドリング回転速度になるようにインバータ3を制御し、燃料電池制御部10からのアイドルアップ停止指令を受信すると、設定アイドリング回転速度として前記通常時設定アイドリング回転速度に変更して、電動モータMの回転速度が通常時設定アイドリング回転速度になるようにインバータ3を制御する。ちなみに、前記通常時設定アイドリング回転速度として0rpmに設定されているときは、電動モータMは停止状態になる。
【0033】
燃料電池制御部10は、上述の負荷時発電制御及びアイドリング時発電制御の夫々において、燃料電池1を運転状態としているときは、冷却水出口温度センサS7の検出温度が、予め設定された目標運転温度になるように、三方弁30を制御する。具体的には、ラジエータ27による放熱量の方が暖房用熱交換器29による放熱量よりも大きくなるように構成してあるので、冷却水出口温度センサS7の検出温度が低いほど、暖房用熱交換器29を通流する冷却水の流量が多くなるように、三方弁30を制御することになる。従って、暖房用ファン28が作動して暖房手段Dが暖房作動しているときは、暖房手段Dの停止中よりも暖房用熱交換器29での放熱量が大きくなって、冷却水出口温度センサS7の検出温度が低くなる傾向となるので、暖房用熱交換器29を通流する冷却水の流量が暖房手段Dの停止中よりも多くなるように、三方弁30が制御されることになる。
【0034】
ちなみに、前記目標運転温度は、燃料電池1の温度が前記高効率運転温度範囲である状態に対応する冷却水の温度に設定し、前記燃料電池1を固体高分子型にて構成している場合は、例えば70°C程度に設定する。
【0035】
次に、図2ないし図4に基づいて、負荷時発電制御及びアイドリング時発電制御夫々における燃料電池制御部10の制御動作について、説明を加える。
尚、運転停止用の設定残存容量Puとして、例えば、前記最大充電電力量よりも少ない値に設定し、運転開始用の設定残存容量Pdは前記運転停止用の設定残存容量Puよりも小さい値に設定すると共に、その設定残存容量Pdとして、暖房手段Dの停止中に対応する下位運転開始用設定残存容量Pd1と、その下位運転開始用設定残存容量Pd1よりも大きくて、暖房手段Dの暖房作動中に対応する上位運転開始用設定残存容量Pd2との2つを設定してある。
又、図中、冷却水温を示す図において、温度範囲Thは、前記高効率運転温度範囲に対応する冷却水の温度範囲を示す。
【0036】
燃料電池制御部10は、前記負荷時発電制御では、暖房手段Dの停止中は、図2に示すように、前記検出残存容量が下位運転開始用設定残存容量Pd1以下になると燃料電池1の運転を開始し、前記検出残存容量が運転停止用の設定残存容量Pu以上になると燃料電池1の運転を停止し、燃料電池1を運転状態としているときは、冷却水出口温度センサS7の検出温度が目標運転温度Tpになるように三方弁30の作動を制御し、暖房手段Dの暖房作動中は、図3に示すように、前記検出残存容量が上位運転開始用設定残存容量Pd2以下になると燃料電池1の運転を開始し、前記検出残存容量が運転停止用の設定残存容量Pu以上になると燃料電池1の運転を停止し、燃料電池1を運転状態としているときは、冷却水出口温度センサS7の検出温度が目標運転温度Tpになるように三方弁30の作動を制御する。
【0037】
次に、図4に基づいて、前記アイドリング時発電制御における制御動作について説明する。
図4に示すように、例えば、前記検出残存容量が運転停止用の設定残存容量Pu以上になって、燃料電池1を停止状態にしているときに、暖房手段Dが停止状態から暖房作動状態に切り換えられると、燃料電池制御部10は、車両制御部5に対して、アイドルアップ指令を送信する。すると、車両制御部5により、電動モータMのアイドリング回転速度が通常時設定アイドリング回転速度Rdから暖房時設定アイドリング回転速度Ruに上昇される。
そして、そのアイドリング回転速度の上昇により、負荷が増大して、前記検出残存容量が運転停止用の設定残存容量Puよりも小さくなるので、燃料電池制御部10は、燃料電池1を運転状態に切り換える。燃料電池1の発電電力分が、アイドリング回転速度の上昇による負荷増大分で消費されるので、前記検出残存容量が運転停止用の設定残存容量Puよりも小さい状態が維持されて、燃料電池制御部10は、燃料電池1の運転を継続することになる。
【0038】
そして、その状態で、暖房手段Dが暖房作動状態から停止状態に切り換えられると、燃料電池制御部10は、車両制御部5に対して、アイドルアップ停止指令を送信する。すると、車両制御部5により、電動モータMのアイドリング回転速度が暖房時設定アイドリング回転速度Ruから通常時設定アイドリング回転速度Rdに減速されて、負荷が減少し、燃料電池1の発電電力の余剰分がバッテリー2に蓄電されることになる。そして、前記検出残存容量が増加して運転停止用の設定残存容量Pu以上になると、燃料電池制御部10は、燃料電池1を停止状態に切り換えることになる。
燃料電池制御部10は、燃料電池1を運転状態としているときは、冷却水出口温度センサS7の検出温度が目標運転温度Tpになるように三方弁30の作動を制御する。
【0039】
従って、車両の走行中、即ち、アクセル操作量検出センサS3によりアクセル操作具の操作量がゼロで無い状態が検出されるか、又は、車速センサS5にて車速がゼロで無い状態が検出されているときに、暖房手段Dが暖房作動されると、電動モータMの消費電力が同一であるとしたときに、暖房手段Dの停止中よりも燃料電池1を停止状態にする時間が短くなるように、燃料電池1が運転状態と停止状態とに間欠的に切り換えられるので、暖房手段Dの暖房作動中において、燃料電池1が停止状態となっている間に冷却水の温度が低下するのを抑制することが可能となって、次に燃料電池1の運転が再開されたときに、燃料電池1が前記高効率運転温度よりも低い温度にて運転される時間の短縮化が可能となり、もって、次に燃料電池1の運転が再開されたときに、燃料電池1の発電効率が低下するのを抑制することが可能となり、又、暖房手段Dの暖房能力を向上することも可能となる。
又、車両が停車してアイドリング状態のとき、即ち、アクセル操作量検出センサS3によりアクセル操作具の操作量がゼロである状態が検出され、且つ、車速センサS5にて車速がゼロである状態が検出されている状態のときに、暖房手段Dが暖房作動されると、電動モータMのアイドリング回転速度が上昇されて負荷が増加するので、その負荷増加分を燃料電池1で発電することになって、冷却水の温度を上昇させることが可能となるので、暖房手段Dの暖房能力を向上することが可能となる。
【0040】
〔第2実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態においては、燃料電池搭載車の構成は、図1に基づいて説明した第1実施形態における構成と同様であるので、その説明を省略する。
又、車両制御部5の制御構成は、上記の第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
燃料電池制御部10は、第1実施形態と同様に、車両制御部5から前記負荷状態情報が送信されると、負荷時発電制御を実行し、車両制御部5から前記アイドリング状態情報が送信されると、アイドリング時発電制御を実行し、車両制御部5から前記発電停止指令が送信されると、燃料電池1を停止状態に切り換えるように構成してあるが、負荷時発電制御の制御構成が第1実施形態と異なるので、以下、負荷時発電制御について説明する。
【0041】
燃料電池制御部10は、前記負荷時発電制御では、暖房手段Dの停止中は、残存容量検出部S6にて検出される検出残存容量が運転開始用の設定残存容量以下になると燃料電池1の運転を開始し、前記検出残存容量が運転停止用の設定残存容量以上になると燃料電池1の運転を停止して、燃料電池1を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換え、暖房手段Dの暖房作動中は、燃料電池1が停止状態のときに冷却水出口温度センサS7の検出温度が運転開始用の設定温度以下になると燃料電池1の運転を開始し、前記検出残存容量が運転停止用の設定残存容量以上になると燃料電池1の運転を停止して、燃料電池1を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換える。
【0042】
前記運転開始用の設定温度としては、前記検出残存容量が運転開始用の設定残存容量以下になると燃料電池1の運転を開始する場合に比べて、電動モータMの消費電力が同一であるとしたときに、次に燃料電池1の運転が再開されたときに燃料電池1が発電効率の低い温度にて運転される時間を短くすることが可能な温度に設定する。
【0043】
次に、負荷時発電制御における燃料電池制御部10の制御動作について、説明を加える。
運転停止用の設定残存容量Puは、第1実施形態と同一の値に設定し、運転開始用の設定残存容量は、第1実施形態における下位運転開始用設定残存容量Pd1と同一の値に設定してある。
暖房手段Dの停止中における負荷時発電制御の制御動作は、図2に基づいて説明した第1実施形態と同様であるので、説明を省略して、暖房手段Dの暖房作動中における負荷時発電制御の制御動作を図5に基づいて説明する。尚、図5中、冷却水温を示す図において、温度範囲Thは、前記高効率運転温度範囲に対応する冷却水の温度範囲を示す。
【0044】
燃料電池1が停止状態のときに冷却水出口温度センサS7の検出温度が運転開始用の設定温度Ta以下になると燃料電池1の運転を開始し、残存容量検出部S6にて検出される残存容量が運転停止用の設定残存容量Pu以上になると燃料電池1の運転を停止し、燃料電池1を運転状態としているときは、冷却水出口温度センサS7の検出温度が目標運転温度Tpになるように冷却水循環ポンプ24の作動を制御する。
【0045】
従って、暖房手段Dの停止中に燃料電池1が停止状態となったときに、燃料電池1の温度が低下し過ぎるのを防止することが可能となるので、燃料電池1の発電効率を向上することが可能となり、又、冷却水の温度が低下し過ぎるのも防止することが可能となるので、暖房手段Dの暖房能力を向上することも可能となる。
【0054】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の第1実施形態においては、制御手段10を、燃料電池1を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換えるように構成するに、二次電池2の残存容量を検出する残存容量検出手段S6の検出情報に基づいて切り換えるように構成する場合について例示したが、このように構成する場合に限定されるものではなく、例えば、停止状態とする設定停止時間を設定して、残存容量検出手段S6の検出残存容量が運転停止用の設定残存容量以上になると、前記設定停止時間の間停止状態とし、前記設定停止時間が経過すると運転を開始する形態で、燃料電池1を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換えるように構成しても良い。この場合、暖房手段Dの暖房作動中はその停止中よりも燃料電池1を停止状態にする時間を短くするように構成するには、前記設定停止時間を暖房手段Dの暖房作動中はその停止中よりも短く設定する。
【0055】
(ロ) 上記の実施形態においては、燃料電池1の運転形態として、一定出力を出力するように運転する場合について例示したが、残存容量検出手段S6の検出情報に応じて出力を調整して運転するように構成しても良い。
【0056】
(ハ) 上記の実施形態においては、暖房手段Dの暖房作動の開始及び停止の指令を、車両制御部5により自動的に行うように構成する場合について例示したが、人為操作式のスイッチにて人為的に行うように構成しても良い。
【0057】
(ニ) 二次電池2の残存容量を検出する残存容量検出部S6の具体構成は、上記の実施形態において例示した構成に限定されるものではなく、例えば、二次電池2の電圧に基づいて残存容量を検出するように構成しても良い。
【0058】
(ホ) 上記の実施形態においては、燃料電池温度検出手段として、燃料電池1から流出し且つ暖房用熱交換器29及びラジエータ27に流入する前の冷却水の温度を検出する冷却水出口温度センサS7にて構成する場合について例示したが、燃料電池1の温度を直接検出する温度センサにて構成しても良い。
【0059】
(ヘ) 運転開始用の設定残存容量、運転停止用の設定残存容量、目標運転温度、運転開始用の設定温度及び運転切り換え用の設定温度夫々は、燃料電池1、バッテリー2及び冷却設備9等の特性に適応するように、種々に設定することが可能である。
【0060】
(ト) 燃料電池1としては、上記の実施形態において例示した固体高分子型に限定されるものではなく、例えば、電解質としてリン酸を用いたリン酸型等、種々の型式のものを用いることが可能である。
燃料電池1に燃料ガスとして供給する水素含有ガスとしては、上記の実施形態において例示した純水素ガスに限定されるものではない。例えば、天然ガスやアルコール等の炭化水素系の原燃料を水蒸気を用いて、水素ガスを含有する改質ガスに改質処理して、その改質ガスを水素含有ガスとして用いることができる。この場合は、原燃料を貯留するボンベ等の貯留部、及び、原燃料を水蒸気を用いて改質ガスに改質処理する改質装置を搭載することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態にかかる燃料電池搭載車のブロック図
【図2】 第1実施形態にかかる燃料電池搭載車の制御動作を説明する図
【図3】 第1実施形態にかかる燃料電池搭載車の制御動作を説明する図
【図4】 第1実施形態にかかる燃料電池搭載車の制御動作を説明する図
【図5】 第2実施形態にかかる燃料電池搭載車の制御動作を説明する
【符号の説明】
1 燃料電池
2 二次電池
10 制御手段
D 暖房手段
S6 残存容量検出手段
S7 燃料電池温度検出手段

Claims (3)

  1. 搭載した燃料電池を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換える制御手段が設けられた燃料電池搭載車であって、
    前記燃料電池を冷却する冷却用流体の保有熱にて車室内を暖房する暖房手段が設けられ、
    前記制御手段が、前記暖房手段の暖房作動中はその停止中よりも前記燃料電池を停止状態にする時間が短くなるように、前記燃料電池を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換えるように構成されている燃料電池搭載車。
  2. 前記燃料電池の発電電力の余剰分を蓄電する二次電池の残存容量を検出する残存容量検出手段が設けられ、
    前記制御手段は、前記残存容量検出手段にて検出される検出残存容量が運転開始用の設定残存容量以下になると前記燃料電池の運転を開始し、前記検出残存容量が運転停止用の設定残存容量以上になると前記燃料電池の運転を停止して、前記燃料電池を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換えるように構成され、且つ、前記運転開始用の設定残存容量を前記暖房手段の暖房作動中はその停止中よりも大きく設定して、前記暖房手段の暖房作動中はその停止中よりも前記燃料電池を停止状態にする時間を短くするように構成されている請求項1記載の燃料電池搭載車。
  3. 搭載した燃料電池を運転状態と停止状態とに間欠的に切り換える制御手段が設けられた燃料電池搭載車であって、
    前記燃料電池を冷却する冷却用流体の保有熱にて車室内を暖房する暖房手段と、
    前記燃料電池の温度を検出する燃料電池温度検出手段と
    前記燃料電池の発電電力の余剰分を蓄電する二次電池の残存容量を検出する残存容量検出手段とが設けられ、
    前記制御手段が、前記暖房手段の暖房作動中において、前記燃料電池温度検出手段にて検出される前記燃料電池の温度が運転開始用の設定温度以下になると、前記燃料電池を運転状態にし、前記残存容量検出手段にて検出される検出残存容量が運転停止用の設定残存容量以上になると前記燃料電池を停止状態にするように構成されている燃料電池搭載車。
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