JP2004253152A - 電源システム及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電源配線50に対して平行に接続された燃料電池と2次電池26とを備える電源システム15において、電源システム15全体のエネルギ損失が最小となるように、各電源が出力する電力を決定する。すなわち、燃料電池による発電に付随して生じるエネルギ損失量と、2次電池26による発電に付随して生じるエネルギ損失量との和が最小となるように、各電源の出力電力を決定する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池と蓄電器とを備える電源システム、およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、燃料電池と2次電池とを備える電源システムが知られている。このような電源システムでは、要求電力の大きさに応じて燃料電池および2次電池からの出力制御が行なわれる。出力制御の方法としては、例えば、要求電力の大きさが第1の基準値以下となるとき、すなわち燃料電池のシステムとしての効率(燃料電池補機における電力消費を考慮した燃料電池の発電効率)が特に低くなるときには、2次電池だけが電力を供給するよう制御することができる。また、要求電力が上記第1の基準値を超え第2の基準値以下となるとき、すなわち燃料電池のシステムとしての効率が2次電池の発電効率よりも高くなるときには、燃料電池だけが電力を供給するよう制御することができる。このような制御方法は、例えば特許文献1において開示されている。ここでは、要求電力の大きさが上記第2の基準値に相当する値を超えるときには、燃料電池のシステムとしての効率と2次電池の効率とが等しくなるように制御する。燃料電池と2次電池とはそれぞれ固有の特性を有するため、上記のように、それぞれの特性に基づいて特に効率が高くなる電源を優先的に用いることで、電源システム全体の効率を向上させることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−141092号公報
【特許文献2】
特開2002−118979号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、燃料電池と2次電池とのそれぞれの特性に基づいて上記のように出力制御を行なっても、必ずしもシステム全体の効率が最良とはならない場合があるという問題があった。例えば、要求電力が上記第2の基準値以上の場合に、燃料電池のシステムとしての効率と2次電池の効率とが等しくなるように制御したとしても、電源システム全体の効率が最良とはならない場合があった。互いに異なる特性を示す2つの電源を組み合わせて用いる場合に、両者の効率が等しくなるように発電を行なわせるからといって、組み合わせた全体の効率が最良となるとは限らないのである。
【0005】
このように、互いに異なる特性を示す2つの電源である燃料電池と2次電池とを備える電源システムにおいては、システム全体の効率をより高くする方法が望まれていた。なお、このことは、燃料電池と2次電池に限らず、燃料電池と他の電源という特性の異なる電源を組み合わせて用いる電源システムに共通する問題であった。
【0006】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池と蓄電器とを備える電源システムにおいて、システム全体の効率をより高めることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明は、電源配線に対して燃料電池と蓄電器とが並列に接続された電源システムであって、
前記燃料電池による発電に付随して生じるエネルギ損失量である燃料電池システム損失と、前記蓄電器による発電に付随して生じるエネルギ損失量である蓄電器システム損失と、の和である損失総量が、該損失総量の最小値を含む所定の範囲の値となるように、前記電源システムに対する負荷要求に応じて前記燃料電池の出力電力と前記蓄電器の出力電力とを決定する出力分配決定部と、
前記出力分配決定部で決定した電力が出力されるように、前記燃料電池および前記蓄電器の発電状態を制御する発電制御部と
を備えることを要旨とする。
【0008】
以上のように構成された本発明の電源システムによれば、燃料電池と蓄電器とのそれぞれにおける出力電力を決定する際に、燃料電池システム損失と、蓄電器システム損失との和である損失総量が、損失総量の最小値を含む所定の範囲の値となるように決定するため、電源システム全体の効率をより向上させることができる。
【0009】
本発明の電源システムにおいて、
前記出力分配決定部は、前記損失総量が最小値となるように、前記燃料電池の出力電力と前記蓄電器の出力電力とを決定する構成も好適である。
【0010】
これによって、電源システム全体の効率が最高となる状態により近づけることができる。
【0011】
このような電源システムにおいて、
前記出力分配決定部は、前記燃料電池が外部に出力する電力である燃料電池出力と、前記蓄電器が外部に出力する電力である蓄電器出力との組み合わせに対して、前記損失総量を対応させたエネルギ損失マップを備え、該エネルギ損失マップを参照し、前記損失総量が最も小さくなる前記組み合わせを選択して、前記燃料電池の出力電力と前記蓄電器の出力電力とを決定することとしても良い。
【0012】
このようにマップに基づいて決定を行なうことで、エネルギ損失量を求めるために行なう演算処理を削減することができる。なお、上記マップにおける燃料電池出力は、発電の主体である燃料電池本体からの出力としても良いし、燃料電池本体を含み燃料電池の発電に直接関わる装置全体からの出力としても良い。すなわち、燃料電池本体の出力から、燃料電池に付随する機器において燃料電池の発電に伴って消費される電力を減じた出力としても良い。
【0013】
本発明の電源システムにおいて、
前記発電制御部は、DC/DCコンバータを備え、
前記蓄電器は、前記DC/DCコンバータを介して前記電源配線に接続する2次電池であることとしても良い。
【0014】
このように、DC/DCコンバータを発電制御部の一部として用いることで、DC/DCコンバータによって電源配線の電圧を制御して、燃料電池および2次電池の出力電力を制御することができる。
【0015】
また、本発明の電源システムにおいて、
該電源システムは、さらに、発電の際に用いる流体を前記燃料電池に対して給排するための燃料電池補機を備え、
前記燃料電池システム損失は、理論起電力と実際に得られる電力との差である内部損失と、前記燃料電池補機を駆動することにより消費されるエネルギである補機駆動損失と、前記燃料電池に供給されながら該燃料電池における電気化学反応に利用されずに外部に排出された水素が有するエネルギである未反応水素排出損失と、を含むこととしても良い。
【0016】
これにより、燃料電池システム損失として、実際のエネルギ損失量に極めて近い値を得ることができる。
【0017】
あるいは、本発明の電源システムにおいて、
前記蓄電器システム損失は、前記蓄電器の充電時に失われるエネルギ量である充電損失と、前記蓄電器の放電時に失われるエネルギ量である放電損失と、を含むこととしても良い。
【0018】
これにより、蓄電器による発電に付随して生じるエネルギ損失として、実際のエネルギ損失量に極めて近い値を得ることができる。
【0019】
このような電源システムにおいて、
前記蓄電器システム損失は、さらに、前記蓄電器を充電する際に前記燃料電池で生じる前記燃料電池システム損失と、回生電力による充電履歴と、に基づいて求められるエネルギ損失量である燃料電池発電損失を含むこととしても良い。
【0020】
このような構成とすれば、電源システム全体の効率をより向上させることができる。このように燃料電池発電損失を考慮して、燃料電池におけるエネルギ損失量と、蓄電器におけるエネルギ損失量との関係を結びつけることにより、より正確に電源システム全体の効率向上を図ることが可能となる。
【0021】
なお、本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、電源システムを搭載する車両等の移動体や、電源システムの制御方法などの形態で実現することが可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の全体構成:
B.電源システム15の出力制御:
C.第2実施例:
D.変形例:
【0023】
A.装置の全体構成:
図1は、本発明の第1実施例である電気自動車10の構成の概略を表わすブロック図である。電気自動車10は、電力を消費する負荷として、駆動モータ32と高圧補機40と低圧補機46とを備えている。そして、これらの負荷に電力を供給する電源として、電源システム15を備えている。電源システム15と負荷との間には、配線50が設けられており、この配線50を介して、電源システム15と負荷との間で電力がやり取りされる。
【0024】
電源システム15は、燃料電池部22と、2次電池26とを備えている。燃料電池部22は、後述するように発電の本体である燃料電池を備えている。2次電池26は、DC/DCコンバータ28を介して配線50に接続されており、DC/DCコンバータ28と、燃料電池部22が備える燃料電池とは、配線50に対して並列に接続されている。この配線50には、電源システム15における電圧を測定するために電圧計52が設けられている。また、配線50には、燃料電池へ電流が逆流するのを防止するためのダイオード42が設けられている。さらに配線50には、この配線50に対する燃料電池の接続状態を入り切りするスイッチ20が設けられている。
【0025】
図2は、燃料電池部22の構成の概略を表わす説明図である。燃料電池部22は、燃料電池60と、燃料ガス供給部61と、ブロワ64とを備えている。燃料電池60としては種々の種類のものを適用可能であるが、本実施例では、燃料電池60として固体高分子型燃料電池を用いている。
【0026】
燃料ガス供給部61は、内部に水素を貯蔵し、水素ガスを燃料ガスとして燃料電池60に供給する装置である。例えば、燃料ガス供給部61は、水素ボンベや、水素吸蔵合金を内部に有する水素タンクを備えることとすれば良い。貯蔵された水素ガスは、水素ガス供給路62を介して燃料電池60のアノードに供給され、アノードから排出されるアノードオフガスは、アノードオフガス路63に導かれて再び水素ガス供給路62に流入する。このように、アノードオフガス中の残余の水素ガスは流路内を循環して再度電気化学反応に供される。また、アノードオフガス路63には、アノードオフガス路63を外部に連通させる流路に設けられた開閉弁を備えるオフガス排出部23が設けられている。オフガス排出部23を用いてアノードオフガスの一部を外部に排出することで、残余の水素ガスを燃料電池60に循環させることによってアノードオフガス中で水素以外の不純物(水蒸気や窒素など)の濃度が上昇しすぎるのを防いでいる。
【0027】
ブロワ64は、加圧した空気を酸化ガスとして酸化ガス供給路65を介して燃料電池60のカソード側に供給する。カソード排ガスは、カソード排ガス路66に導かれて外部に排出される。なお、水素ガス供給路62,酸化ガス供給路65には、それぞれ、各流路を通過するガス流量を検出するための流量センサ67,68が設けられている。さらに、アノードオフガス路63には、残余の水素ガスを燃料電池60に循環させるための水素ポンプ69が設けられている。また、水素ガス供給路62や酸化ガス供給路65において、水素ガスあるいは空気を加湿する加湿器をさらに設けることとしても良い。
【0028】
2次電池26としては、鉛蓄電池や、ニッケル−カドミウム蓄電池、ニッケル−水素蓄電池、リチウム2次電池など種々の2次電池を用いることができる。また、図1に示すように、2次電池26には、2次電池26の残存容量(SOC)を検出するための残存容量モニタ27が併設されている。本実施例では、残存容量モニタ27は、2次電池26における充電・放電の電流値と時間とを積算するSOCメータとして構成されている。あるいは、残存容量モニタ27は、SOCメータの代わりに電圧センサによって構成することとしてもよい。2次電池26は、その残存容量が少なくなるにつれて電圧値が低下するという性質を有しているため、電圧を測定することによって2次電池26の残存容量を検出することができる。
【0029】
2次電池26の残存容量が所定値以下になると、2次電池26は、燃料電池60によって充電される。また、電気自動車10の制動時(車両の走行時に運転者がブレーキを踏み込む動作を行なったとき)には、駆動モータ32を発電機として用いて車軸の有する運動エネルギを電気エネルギに変換することによって、2次電池26を充電することができる。
【0030】
DC/DCコンバータ28は、出力側の目標電圧値を設定することによって、配線50における電圧を調節し、これによって燃料電池60からの出力電圧を調節して燃料電池60の出力電力を制御する。また、DC/DCコンバータ28は、2次電池26と配線50との接続状態を制御するスイッチとしての役割も果たしており、2次電池26において充放電を行なう必要のないときには、2次電池26と配線50との接続を切断する。
【0031】
電源システム15から電力の供給を受ける負荷の一つである駆動モータ32は、同期モータであって、回転磁界を形成するための三相コイルを備えている。この駆動モータ32は、駆動インバータ30を介して電源システム15から電力の供給を受ける。駆動インバータ30は、上記駆動モータ32の各相に対応してスイッチング素子としてのトランジスタを備えるトランジスタインバータである。駆動モータ32の出力軸36は、減速ギヤ34を介して車両駆動軸38に接続している。減速ギヤ34は、駆動モータ32が出力する動力を、その回転数を調節した上で車両駆動軸38に伝える。
【0032】
また、他の負荷である高圧補機40は、電源システム15から供給される電力を、300V程度の電圧のまま利用する装置である。図1では、高圧補機40は、電源装置15から電力を供給される負荷として電源システム15の外側に示されているが、高圧補機40の中には燃料電池部22を構成する燃料電池補機も含まれている。高圧補機40に含まれる燃料電池補機としては、具体的にはブロワ64や水素ポンプ69が挙げられる(図2参照)。さらに、燃料電池60を冷却するために燃料電池60内部に冷却水を循環させるための冷却ポンプ(図示せず)も、燃料電池補機に含まれる。あるいは、上記冷却水を冷却するためにラジエータを用いる場合には、ラジエータが備えるラジエータファンも燃料電池補機に含まれる。燃料電池部22に含まれない高圧補機40としては、例えば電気自動車10が備える空調装置(エアコン)を挙げることができる。
【0033】
また、さらに他の負荷である低圧補機46は、駆動モータ32や高圧補機とは異なり駆動電圧が低い負荷であり、配線50に接続された降圧DC/DCコンバータ44によって電圧を12V程度に下げた電力が供給される。図1では、低圧補機46は、電源装置15から電力を供給される負荷として電源システム15の外側に示されているが、低圧補機46の中には燃料電池部22を構成する燃料電池補機も含まれている。低圧補機46に含まれる燃料電池補機としては、具体的には、燃料電池60に燃料ガスや酸化ガスや冷却水を給排する流路に設けた流量調節バルブやオフガス排出部23(図2参照)等が挙げられる。配線50の電圧が変動するときには、電圧計52の検出信号に基づいて降圧DC/DCコンバータ44が駆動され、低圧補機46に電力供給する際の電圧が略一定に保たれる。
【0034】
また、電気自動車10は、制御部48をさらに備えている。制御部48は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを実行するCPUと、CPUで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROMと、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAMと、各種の信号を入出力する入出力ポート等を備える。この制御部48は、既述した電圧計52による検出信号や、残存容量モニタ27が出力する信号、あるいは、アクセル開度や車速等の車両の運転に関する情報を取得する。また、DC/DCコンバータ28,スイッチ20,燃料電池部22,駆動インバータ30,高圧補機40,降圧DC/DCコンバータ44などに駆動信号を出力する。
【0035】
B.電源システム15の出力制御:
本実施例の電源システム15では、所望の電力を出力する際に、燃料電池60による発電に付随して生じるエネルギ損失量(燃料電池システム損失)と、2次電池26による発電に付随して生じるエネルギ損失量(2次電池システム損失)と、の和(以下、損失総量という)が、最小となるように、燃料電池部22および2次電池26の出力電力を制御している。図3は、燃料電池システム損失と2次電池システム損失と燃料電池システム効率と2次電池システム効率とのそれぞれを表わす説明図である。
【0036】
ここで、燃料電池システム損失とは、理論起電力と実際に得られる電力との差として現われる内部損失と、燃料電池補機が消費するエネルギである補機駆動損失と、燃料電池に供給されながら電気化学反応に利用されずに外部に排出された水素が有するエネルギである未反応水素排出損失と、を含む。
【0037】
上記内部損失は、燃料電池60を構成する部材が有する電気抵抗や、燃料電池60を構成する部材間の接触抵抗に起因する抵抗分極による損失を含んでいる。さらに上記内部損失は、燃料電池60の起電力の一部が活性化過電圧として消費されることによる活性化分極を含んでいる。このような損失の多くは熱として外部に放出される。また、この内部損失は、燃料電池温度や燃料電池に供給されるガス圧、あるいは燃料ガス中の水素濃度等によって変化する。本実施例では、燃料電池の運転条件として予め定めた条件下で燃料電池の発電を行なわせて、実験的に内部損失の大きさを測定している。
【0038】
補機駆動損失、すなわち燃料電池補機が消費する電力は、燃料電池部22が出力する電力に応じて予め求めることができる。燃料電池部22から出力すべき電力に応じて燃料電池60に供給すべきガス量が定まり、供給ガス量に応じてブロワ64や水素ポンプ69等の燃料電池補機の駆動量が定まるためである。本実施例では、燃料電池部22の出力に応じて設定される各燃料電池補機の駆動量に基づいて、燃料電池補機の消費電力の合計を予め算出している。
【0039】
未反応水素排出損失とは、具体的には、オフガス排出部23(図2参照)によって水素を含むアノードオフガスを外部に排出することによる損失であり、排出された水素が有するエネルギ量を表わす。このようなアノードオフガス排出の動作の条件(排出を行なう時間間隔等)は、燃料電池の出力の大きさに応じて定められている。そのため、本実施例では、燃料電池部22の出力に応じて予め排出水素量を算出し、未反応水素排出損失を求めている。なお、燃料電池で発電を行なう際には、燃料ガス中の水素が固体高分子電解質膜を透過して酸化ガス中に混入するという現象(クロスリーク)がわずかに生じる。このような水素のクロスリークによって発電に寄与しなくなる水素が有するエネルギ量を、未反応水素排出損失にさらに加えることとしても良い。具体的には、例えば、酸化ガス側に透過する水素量を予め実験的に測定し、発電に用いられる水素量に対する透過水素量の割合を見積もっておき、燃料電池60の出力電力に応じて損失エネルギ量を概算することができる。
【0040】
図3に示した燃料電池システム損失は、燃料電池部22の出力電力に応じて上記のように求めた内部損失と補機駆動損失と未反応水素排出損失とを合計したものである。
【0041】
2次電池システム損失とは、2次電池の充電時に失われるエネルギ量である充電損失と、2次電池の放電時に失われるエネルギ量である放電損失と、を含む。充電損失は、理論充電量と実際の充電量との差に相当する損失と、充電時にDC/DCコンバータ28で生じる損失との和として求められる。放電損失は、理論起電力と実際の放電量との差に相当する損失と、発電時にDC/DCコンバータ28で生じる損失との和として求められる。本実施例では、これら充電損失および放電損失は実験的に予め求められている。
【0042】
また、燃料電池システム効率(あるいは2次電池システム効率)とは、発電に伴って消費されたエネルギ量に対する発電により利用可能となったエネルギ量の割合を表わす。すなわち、出力とシステム損失との合計に対する出力の割合に相当する。
【0043】
図3に示すように、燃料電池システム損失および2次電池システム損失は共に、出力電力が大きくなるほどその値が大きくなる。このような燃料電池システム損失と2次電池システム損失とは、相手方の発電状態の影響を互いに受けない値と考えることができる。そのため、燃料電池部22と2次電池26とのそれぞれから所定量の電力を得るときの電源システム15全体でのエネルギ損失は、図3に基づいて求められる燃料電池システム損失と2次電池システム損失とを合計することにより算出することができる。図4は、燃料電池部22からの出力(燃料電池システム出力)と2次電池26からの出力(2次電池システム出力)との組み合わせに対して、燃料電池システム損失と2次電池システム損失との和である損失総量を対応させたエネルギ損失マップである。すなわち、損失総量が等しくなる動作ポイント(燃料電池部22の出力電力と2次電池26の出力電力との組み合わせとして示されるポイント)をつないだ曲線(等損失曲線)により構成されるマップである。図4に示すように、燃料電池部22の出力が大きくなるほど、また2次電池26の出力が大きくなるほど、損失総量は大きくなる。
【0044】
図5は、図4のエネルギ損失マップにおいて、電源システム15の出力電力が30kWとなる動作ポイントをつないだ直線(直線A)を重ねて示す説明図である。燃料電池部22からの出力と2次電池26からの出力とを組み合わせた動作ポイントが直線A上にあれば、電源システム15からは30kWの電力が出力される。この直線Aとエネルギ損失マップとを比較することで、電源システム15からの出力が30kWとなる各動作ポイントにおいて、電源システム15全体のシステム損失の大きさを知ることができる。図5中の点Bは、電源システム15からの出力が30kWとなる動作ポイントの中で、電源システム15全体のシステム損失が最小となる動作ポイントを示す。
【0045】
このように、電源システム15の出力電力が所定の値となる動作ポイントをつないだ直線と図4のエネルギ損失マップとを比較することで、電源システム15の出力電力に応じて、システム損失が最小となる動作ポイントを知ることができる。図6は、システム損失が最小となる動作ポイントを、電源システム15が出力し得る電力の範囲にわたって求めて太線で示している最適電力分配マップである。
【0046】
図6に示すように、電源システム15の出力が極めて小さいときには、2次電池26のみを用いることでシステム損失が最小となる(図6の最適電力分配マップにおける領域A)。これは、出力電力が非常に小さい値のときには燃料電池システム効率は低い値となるためである(図3参照)。電源システム15の出力が領域Aよりも大きな値となるときには、燃料電池部22のみを用いることでシステム損失が最小となる(図6の最適電力分配マップにおける領域B)。これは、このような大きさの電力を出力するときには、燃料電池部22ではシステム効率が最大に近い値となり、2次電池26に比べてシステム効率が極めて高くなるためである(図3参照)。電源システム15の出力がさらに大きな値となるときには、システム損失が最小となる動作ポイントは、燃料電池部22と2次電池26との両方から電力が供給される状態となる(図6の最適電力分配マップにおける領域C)。この領域Cでは、電源システム15からの出力が大きくなるにしたがって、燃料電池部22からの出力も2次電池26からの出力も共に増加する。そして、電源システム15の出力がさらに大きな値となるときには、システム損失が最小となる動作ポイントは、2次電池26の出力は一定値に保たれつつ、燃料電池部22の出力だけが増加するようになる(図6の最適電力分配マップにおける領域D)。これは、2次電池26からの出力が、許容される最大値に達するためである。
【0047】
電源システム15は、制御部48内のメモリに図6に示したような最適電力分配マップを記憶しており、このマップに基づいて、燃料電池部22および2次電池26の動作ポイントを決定する。図7は、電気自動車10で電源システム15を用いた運転が行なわれている間、制御部48において所定の間隔で繰り返し実行される出力制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。
【0048】
本ルーチンが実行されると、制御部48は、制動時であるかどうかを判断する(ステップS100)。制動時ではないと判断すると、制御部48は、アクセル開度および車速に関する情報を取得する(ステップS110)。そして、アクセル開度および車速に基づいて、駆動モータ32における要求電力PMreqを算出する(ステップS120)。モータ要求電力PMreqを算出すると、制御部48は、次に電源システム15における要求電力Preq を算出する(ステップS130)。電源システム要求電力Preq とは、モータ要求電力PMreqに、さらに、燃料電池補機を除く他の負荷(例えば電気自動車10が備える空調装置)における要求電力等を加えたものであり、電源システム15が出力すべき電力の総量である。
【0049】
電源システム要求電力Preq を算出すると、次に制御部48は、この電源システム要求電力Preq の値に基づいて、図6の最適電力分配マップを参照して、動作ポイント(電力分配)を決定する(ステップS140)。すなわち、電源システム要求電力Preq を電源システム15から出力するために、燃料電池部22と2次電池26とのそれぞれから出力すべき電力を決定する。そして制御部48は、燃料電池部22および2次電池26からステップ140で決定した電力が得られるように、電源システム15の各部に駆動信号を出力して(ステップS150)、本ルーチンを終了する。
【0050】
ステップS150における動作は、具体的には、以下のように行なわれる。図8は、燃料電池60における出力電流と、出力電圧あるいは出力電力との関係を示す説明図である。図8に示すように、燃料電池60から出力すべき電力PFCが定まれば、そのときの燃料電池60の出力電流の大きさIFCが定まる。燃料電池60の出力特性より、出力電流IFCが定まれば、そのときの燃料電池60の出力電圧VFCが定まる。ステップS150では、制御部48は、ステップS140で決定した燃料電池部22の出力電力に基づいて上記のように燃料電池60の出力電圧VFCを定め、出力電圧VFCを出力側の目標電圧とするようDC/DCコンバータ28に駆動信号を出力する。また、このとき、制御部48は、燃料電池60が発電すべき電力に応じた量のガスが燃料電池60に供給されるように、ブロワ64,水素ポンプ69,燃料ガス供給部61等に駆動信号を出力する。このように、配線50の電圧(燃料電池60の出力電圧)が上記出力電圧VFCとなるようにDC/DCコンバータ28を駆動すると共に、充分量のガスを燃料電池60に供給することで、燃料電池部22からはステップS140で決定した電力が出力されるようになる。
【0051】
また、ステップS150では、制御部48は、ステップS120で算出したモータ要求電力PMreqに基づいて駆動インバータ30に駆動信号を出力して、駆動モータ32における消費電力がモータ要求電力PMreqとなるように制御する。その結果、2次電池26からは、ステップ140で決定した電力が出力されるようになる。
【0052】
なお、ステップS100において制動時であると判断されるときには、制御部48は、回生運転モードを選択して(ステップS160)、本ルーチンを終了する。ここで、回生運転モードとは、駆動モータ32を発電機として用いることによって、車軸の有する運動エネルギを電気エネルギに変換し、これによって2次電池26を充電する運転モードである。回生運転モードでは、駆動モータ32側から駆動インバータ30を介して配線50に対して電力が供給され、この電力はさらにDC/DCコンバータ28を介して2次電池26に供給されて2次電池26の充電が行なわれる。
【0053】
以上のように構成された本実施例の電源システム15によれば、燃料電池部22と2次電池26とのそれぞれから出力すべき電力を決定する際に、損失総量が最小値となるように決定するため、電力分配を、電源システム15全体の効率が最高となる状態に常に近づけることができる。燃料電池システム効率および2次電池システム効率は、図3に示すように出力に応じてそれぞれ変化するが、これら個々のシステム効率から、燃料電池と2次電池とを組み合わせて用いたときに電源システム15全体の総合効率が最良となる電力分配を知ることは困難である。本実施例では、燃料電池システム損失と2次電池システム損失とを合計し、この合計量が最も小さくなるように電力分配を定めることで、結果的に電源システム15の総合効率の最適化をより容易に行なうことが可能となる。
【0054】
このような効果は、特に、図6の最適電力分配マップにおける領域Cにおいて顕著に得ることができ、燃料電池部22と2次電池26とのそれぞれから出力する電力量をより最適な値にすることができる。また、発電に用いる電源を切り替える動作を、電源システム15の総合効率を最適化するためにより望ましいタイミングで行なうことが可能となる。すなわち、図6中、領域Aから領域Bへ切り替える動作ポイント、あるいは領域Bから領域Cに切り替える動作ポイントを、より適切に設定することができる
【0055】
また、本実施例では、損失総量が最小値となる動作ポイントを決定するために、図6に示したような最適電力分配マップを記憶している。そのため、損失総量が最小となる動作ポイントを決定する際に損失を求めるために煩雑な計算を行なう必要が無く、動作ポイント決定の動作を簡素化することができる。
【0056】
C.第2実施例:
2次電池26を充電する際に、燃料電池部22を用いる場合と、回生運転モードで生じる回生電力を用いる場合とでは、充電時の効率が異なる。このような2次電池26の充電時に燃料電池部22で生じる損失をさらに考慮して2次電池システム損失を求める構成を、第2実施例として説明する。第2実施例の電源システム15は、図1に示した第1実施例の電源システム15と同様の構成を有しており、詳しい説明は省略する。
【0057】
図9は、2次電池26の出力と2次電池システム損失との関係を表わす説明図である。第1実施例の説明では、2次電池システム損失は、充電損失と放電損失とを含むこととしたが、第2実施例ではさらに、2次電池26を充電するために燃料電池部22で生じたエネルギ損失量である燃料電池発電損失を含むこととしている。図9中の曲線Aは、燃料電池システム効率が最も高くなる条件で燃料電池部22により2次電池26を充電したときの状態を表わす。図9中の曲線Bは、燃料電池システム効率がより低くなる条件で燃料電池部22により2次電池26を充電したときの状態を表わす。また、図9中曲線Cは、回生電力により2次電池26を充電したときの状態を表わす。回生電力により2次電池26を充電する際には、燃料電池部22は2次電池26に電力を供給しないため、曲線Cでは燃料電池発電損失は0となる。また、燃料電池部22により2次電池26を充電する際の燃料電池発電損失は、燃料電池の出力に応じて、図3に示した燃料電子システム損失に基づいて知ることができる。このように、燃料電池発電損失は、2次電池26を利用するためにどのくらい回生電力を用いたか(回生電力による充電履歴)と、燃料電池部22を用いて2次電池26を充電したときの燃料電池システム損失とから求められる。
【0058】
燃料電池発電損失を、回生電力による充電履歴と、燃料電池部22を用いて2次電池26を充電したときの燃料電池システム損失と(以下、これらを合わせて2次電池の充電状況という)に基づいて求めるには、例えば次のように行なえばよい。2次電池26の充電時に燃料電池発電損失を算出するための式の例を、以下に(1)式として示す。
【0059】
ただし、Tは演算時間;
PLOSS(T)は現在の燃料電池発電損失;
pLOSS(Δt)はt=TからΔt時間経過する間の燃料電池発電損失;
PLOSS(T+Δt)はt=T+Δtの時の燃料電池発電損失:
【0060】
また、上記のように充電の動作の度に燃料電池発電損失を算出する代わりに、図6の最適電力分配マップと同様のマップを、燃料電池発電損失をさらに考慮して作成して、予め制御部48に記憶しておくこととしても良い。例えば、2次電池26の充電状況ごとに図6のような最適電力分配マップを作成しておき、充電状況に応じてマップを切り替えて動作ポイントの決定を行なえばよい。
【0061】
このような第2実施例によれば、2次電池の充電状況に応じて燃料電池発電損失を求め、これに基づいて電源システム15全体でのエネルギ損失量が最小となる動作ポイントを定めるため、電源システム15全体の効率をより高めることができる。また、2次電池システム損失を求める際に燃料電池発電損失を考慮することで、見かけ上は互いに影響しない燃料電池システム損失と2次電池システム損失との関係を結びつけることができ、より正確に電源システム15全体の効率向上を図ることが可能となる。
【0062】
なお、2次電池の充電状況に応じて燃料電池発電損失が変動する大きさが許容できる範囲である場合には、2次電池システム損失を求める際に、燃料電池発電損失を所定値に固定することとしても良い。例えば、燃料電池システム効率が悪化した状態と、回生電力を用いる場合の中間の値として、燃料電池システム効率が最大の時の燃料電池発電損失を用いることができる。
【0063】
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0064】
D1.変形例1:
第1および第2実施例では、燃料電池システム損失と2次電池システム損失との和である損失総量が最小となるように制御したが、最小となる動作ポイントそのものでなくても、損失総量が最小となる状態に近づくように実際の動作ポイントが決定されればよい。
【0065】
例えば、動作ポイントを決定する際に、実測した供給ガス量(流量センサ67が検出した燃料ガス流量あるいは流量センサ68が検出した酸化ガス流量)に基づく制限をさらに加えて燃料電池部22の出力電力を決定しても良い。負荷の増大時にガス流量の増加が追いつかないときには、実際のガス流量に基づいて出力電力を制限する構成が可能である。
【0066】
また、動作ポイントを決定する際に、本発明の電源システムを搭載する車両の車速が低いとき(図7のステップS110で取得した車速が所定値以下のとき)に、燃料電池部22から出力すべき電力をより低く決定することとしても良い。このように燃料電池部22からの出力電力に制限を加えることで、車速が低いときに、オフガス排出部23から排出される水素量を削減したり、ブロワ64など燃料電池60の発電に伴って動作する各部が発生する作動音を低減することができる。
【0067】
あるいは、動作ポイントを決定する際に、2次電池26のSOCが低下しているときには、2次電池26が出力すべき電力をより低く決定することとしても良い。
【0068】
このような制限を加える場合には、実際の損失総量が、損失総量の最小値を含む所定の範囲の値となるように、燃料電池出力および2次電池出力が設定される。このような構成としても、電源システム全体の効率を向上させる同様の効果を得ることができる。
【0069】
D2.変形例2:
第1および第2実施例では、配線50に対して燃料電池60と2次電池26とを並列に接続する際に、2次電池26はDC/DCコンバータ28を介して配線50に接続している。これに対して、燃料電池60と2次電池26との接続位置を逆にする構成も可能である。このような電源システム115を搭載する電気自動車110の構成を図10に示す。図10では、図1の電気自動車10と共通する部分には同じ参照番号を付している。
【0070】
電源システム115において、損失総量が最小となるように動作ポイントを制御する際には、図8に示した燃料電池60の出力特性に代えて、2次電池26の出力特性に基づいて、DC/DCコンバータ28の出力側の電圧を設定すればよい。図11は、2次電池26の出力特性の例を表わす説明図である。図11に示すように、2次電池26の出力電流−出力電圧特性は、SOCによって変化するものであり、SOCが決まれば、そのときの出力電流−出力電圧特性が定まる。図11では、SOCの小さな順に、出力電流−出力電圧特性がG1,G2,…,G5となることを表わしている。そこでまず、残存容量モニタ27からSOCの情報を取得し、そのSOCに対応する出力電流−出力電圧特性(例えば図11中のG3)を選択する。そして、ステップS140で決定した2次電池26から出力すべき電力(図11中のPn)を出力するための2次電池26の出力電圧(図11中のVn)を決定する。そして、DC/DCコンバータの出力側の電圧の指令値として、この電圧を設定すればよい。このとき、ステップS140で決定した燃料電池の出力電力に応じたガスが供給されるように、燃料電池部22の各部に駆動信号を出力すると共に、モータ要求電力PMreqに応じた駆動信号を駆動インバータ30に出力することで、所望の電力分配にて所望の出力が得られる。
【0071】
このように、配線50に対して燃料電池60と2次電池26とが並列に接続されており、燃料電池60と2次電池26との出力電力を任意に設定可能であれば、実施例と同様の制御によって、電源システム全体の効率を向上させることができる。
【0072】
D3.変形例3:
第1および第2実施例では、燃料電池60に対して水素ガスを供給することとしたが、燃料ガス供給部61に改質器を備えさせ、燃料ガスとして改質ガスを用いることとしても良い。この場合には、燃料電池システム損失を求める際に、改質燃料から水素を生成する際の改質効率をさらに考慮すればよい。
【0073】
D4.変形例4:
また、図1の電源システム15あるいは図10の電源システム115が、2次電池26に代えて、あるいは2次電池26に加えて、キャパシタ等の他種の蓄電器を備えることとしてもよい。充放電可能な蓄電器であって、負荷に応じた出力制御を行なうことができればよい。
【0074】
D5.変形例5:
第1および第2実施例では、燃料電池と2次電池とを備える電源システムを示したが、燃料電池に代えて内燃機関を備えるハイブリッド型のエネルギ出力システムにおいても、同様の方法で、システム全体の効率向上を図ることが可能である。すなわち、2次電池システム損失と内燃機関システム損失との和が最小となるように、2次電池の出力電力および内燃機関の出力動力を設定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気自動車10の構成の概略を表わすブロック図である。
【図2】燃料電池部22の構成の概略を表わす説明図である。
【図3】燃料電池システム損失、2次電池システム損失、燃料電池システム効率、2次電池システム損失のそれぞれを表わす説明図である。
【図4】電源システム15全体のエネルギ損失の様子を表わすエネルギ損失マップを示す説明図である。
【図5】エネルギ損失マップと、電源システム15の出力電力が30kWとなる動作ポイントをつないだ直線(直線A)を重ねて示す説明図である。
【図6】最適電力分配マップを示す説明図である。
【図7】出力制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。
【図8】燃料電池60における出力電流と、出力電圧あるいは出力電力との関係を示す説明図である。
【図9】2次電池26の出力と2次電池システム損失との関係を表わす説明図である。
【図10】電気自動車110の構成の概略を表わすブロック図である。
【図11】2次電池26の出力特性の例を表わす説明図である。
【符号の説明】
10,110…電気自動車
15,115…電源システム
20…スイッチ
22…燃料電池部
23…オフガス排出部
27…残存容量モニタ
28…DC/DCコンバータ
30…駆動インバータ
32…駆動モータ
34…減速ギヤ
36…出力軸
38…車両駆動軸
40…高圧補機
42…ダイオード
44…降圧DC/DCコンバータ
46…低圧補機
48…制御部
50…配線
52…電圧計
60…燃料電池
61…燃料ガス供給部
62…水素ガス供給路
63…アノードオフガス路
64…ブロワ
65…酸化ガス供給路
66…カソード排ガス路
67,68…流量センサ
69…水素ポンプ
115…電源システム
Claims (8)
- 電源配線に対して燃料電池と蓄電器とが並列に接続された電源システムであって、
前記燃料電池による発電に付随して生じるエネルギ損失量である燃料電池システム損失と、前記蓄電器による発電に付随して生じるエネルギ損失量である蓄電器システム損失と、の和である損失総量が、該損失総量の最小値を含む所定の範囲の値となるように、前記電源システムに対する負荷要求に応じて前記燃料電池の出力電力と前記蓄電器の出力電力とを決定する出力分配決定部と、
前記出力分配決定部で決定した電力が出力されるように、前記燃料電池および前記蓄電器の発電状態を制御する発電制御部と
を備える電源システム。 - 請求項1記載の電源システムであって、
前記出力分配決定部は、前記損失総量が最小値となるように、前記燃料電池の出力電力と前記蓄電器の出力電力とを決定する
電源システム。 - 請求項2記載の電源システムであって、
前記出力分配決定部は、前記燃料電池が外部に出力する電力である燃料電池出力と、前記蓄電器が外部に出力する電力である蓄電器出力との組み合わせに対して、前記損失総量を対応させたエネルギ損失マップを備え、該エネルギ損失マップを参照し、前記損失総量が最も小さくなる前記組み合わせを選択して、前記燃料電池の出力電力と前記蓄電器の出力電力とを決定する
電源システム。 - 請求項1ないし3いずれか記載の電源システムであって、
前記発電制御部は、DC/DCコンバータを備え、
前記蓄電器は、前記DC/DCコンバータを介して前記電源配線に接続する2次電池である
電源システム。 - 請求項1ないし4いずれか記載の電源システムであって、
該電源システムは、さらに、発電の際に用いる流体を前記燃料電池に対して給排するための燃料電池補機を備え、
前記燃料電池システム損失は、理論起電力と実際に得られる電力との差である内部損失と、前記燃料電池補機を駆動することにより消費されるエネルギである補機駆動損失と、前記燃料電池に供給されながら該燃料電池における電気化学反応に利用されずに外部に排出された水素が有するエネルギである未反応水素排出損失と、を含む
電源システム。 - 請求項1ないし5いずれか記載の電源システムであって、
前記蓄電器システム損失は、前記蓄電器の充電時に失われるエネルギ量である充電損失と、前記蓄電器の放電時に失われるエネルギ量である放電損失と、を含む
電源システム。 - 請求項6記載の電源システムであって、
前記蓄電器システム損失は、さらに、前記蓄電器を充電する際に前記燃料電池で生じる前記燃料電池システム損失と、回生電力による充電履歴と、に基づいて求められるエネルギ損失量である燃料電池発電損失を含む
電源システム。 - 電源配線に対して燃料電池と蓄電器とが並列に接続された電源システムの制御方法であって、
(a)前記電源システムに対する負荷要求に応じて、前記燃料電池の出力電力と前記蓄電器の出力電力とを決定する工程と、
(b)前記(a)工程で決定した電力が出力されるように、前記燃料電池および前記蓄電器の発電状態を制御する工程と
を備え、
前記(a)工程は、前記燃料電池による発電に付随して生じるエネルギ損失量と、前記蓄電器による発電に付随して生じるエネルギ損失量との和である損失総量が、該損失総量の最小値を含む所定の範囲の値となるように、前記燃料電池の出力電力と前記蓄電器の出力電力とを決定する
制御方法。
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