JP4484129B2 - 熱電対 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は鉄などの金属の溶湯の温度を迅速に測定する高速応答性熱電対に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、約1500℃の鉄溶湯の温度を測定するための熱電対には、比較的融点が高く、大気中で安定なPt−Rh素線を、アルミナ、シリカフアイバなどの石英ガラスからなる管に固定した構造のものが使用される。上述の熱電対は、製鋼溶湯の温度測定に1〜2回程度使つただけで、その後は正確な温度測定が不能となり、廃棄しているのが現状である。熱電対を多数回にわたつて反復使用できないので、結局多数の熱電対を使用することになり、経費負担が嵩む。
【0003】
また、Pt−Rh素線を用いた熱電対は、不活性ガス雰囲気での使用はできず、大気中での使用可能温度は1500℃が限界である。例えば、鉄溶湯の温度測定では、保証温度の上限を超えており、正確な温度測定ができないうえ、寿命が短いという問題がある。Pt−Rh素線を用いたPR熱電対の熱起電力は、CA熱電対の約1/15、W−Re熱電対の約1/7と小さく、測定精度が劣り、応答性が悪いので、溶鉱炉の溶湯の温度を測定する現場では、温度が安定するまでの約10〜15秒間、作業者は溶解炉の近傍に居ることを余儀なくされる。
【0004】
金属溶湯のための熱電対として、窒化珪素、サーメツト、アルミナ、炭化珪素などの材料からなる保護管の内部に、Pt−Rh素線またはW−Re素線を収容した構造のものは、耐熱衝撃性に劣るので、温度測定時に予熱などの処理を行う必要があつた。窒化珪素 Si3N4からなる保護管を用いた熱電対は、温度1700℃以上の鉄溶湯に直接浸すと、比較的短時間の内に保護管に亀裂などが発生し、破損に至る。サーメツト製の保護管は窒化珪素 Si3N4保護管の1.5倍の耐熱衝撃性を有する。
【0005】
特開平6−160200号公報に開示される気密端子付シース型熱電対は、アルメル線とクロメル線の異種金属線からなる熱電対素線を、ステンレス製シースの内部に無機絶縁材とともに収容し、シースの基端を気密に封止したものであり、過渡的な温度変化などにより端子部に温度勾配が生じても、測定誤差が生じない。
【0006】
W−Re素線を用いた熱電対は、大気中および不活性ガス雰囲気中での使用が可能であり、大気中での使用可能温度は400℃が限界であり、不活性ガス雰囲気中での使用可能温度は2300℃が限界であるが、W−Re素線は大気中では酸化し易いので、鉄溶湯の温度測定には使用できない。
【0007】
従来の金属溶湯用熱電対は、温度1450℃以上の溶湯の温度測定に使用すると、繰返しの熱衝撃により、数回で亀裂が発生して破壊に至る。また、従来の熱電対は合金素線を保護管の内部に挿入した構造であるので、保護管の先端部に空気溜まりが生じ、応答性が悪くなり、合金素線が切れ易い。さらに、従来の熱電対は金属溶湯の温度測定に際して、合金素線や保護管に鉄の溶湯やスラグなどが付着し易く、溶湯の除去や熱電対の交換に手数がかかり、また応答性が悪く、耐久性が低下するという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は上述の問題に鑑み、外部保護管により耐久性を向上し、内部保護管を分割することにより先端部の測温応答性を向上した高速応答性熱電対を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の構成はセラミツクス製の外部保護管と、該外部保護管から閉鎖された先端部が外部へ突出するように前記外部保護管の内部に第1固定部材により固定されたセラミツクス製の端部保護管と、該端部保護管の内部に充填し耐熱性セラミツクスからなる充填材と、該充填材の内部に埋設されかつ前記先端部で互いに結合された測温部を構成するW−Re素線からなる1対の合金素線と、前記端部保護管の基端の開放端部を封止する耐熱ガラス製の封止部材と、前記端部保護管の開放端部の外周壁に第2固定部材により固定されかつ前記外部保護管の内部にあつて該外部保護管の内周壁に他の固定部材により固定され前記合金素線が貫通し、該合金素線を外部温度である前記金属溶湯温度から遮熱するための不活性ガス層を内部に形成する基部保護管とを具備し、前記外部保護管の内周壁と前記端部保護管の外周壁の間と及び前記外部保護管の内周壁と前記基部保護管の外周壁の間とで空気層を形成したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明による金属溶湯温度を測定するための高速応答性熱電対は、セラミツクス製外部保護管と、該外部保護管から閉鎖状の先端部が外部に突出するように外部保護管の内部に第1固定部材を介して固定されたセラミツクス製端部保護管と、該端部保護管の内部に充填された耐熱性セラミツクス製充填材と、該充填材の内部に埋設されかつ先端部側で互いに結合された温度測定部を構成するW−Re素線からなる1対の合金素線と、端部保護管の先端部とは反対側の開放状の端部を封止する耐熱ガラス製封止部材と、および端部保護管の開放状の端部の外周に第2固定部材を介して固定されかつ外部保護管の内部に配置され、外部保護管の内周壁に他の固定部材により固定され合金素線が貫通し、該合金素線を外部温度である前記金属溶湯温度から遮熱するための不活性ガス層を内部に形成した中空状の基部保護管と、外部保護管の内周壁と端部保護管の外周壁の間と及び外部保護管の内周壁と基部保護管の外周壁の間とで形成された空気層とから構成される。
【0011】
外部保護管は窒化珪素 Si3N4を主成分とする材料からなる第1層と、窒化珪素 Si3N4を主成分とする材料に窒化硼素BNを添加したものからなる第2層とを、交互に密着状態に同心円状または渦巻状に積層した積層構造に形成され、最外層には第2層が配置される。充填材を構成する耐熱製セラミツクスは、窒化珪素 Si3N4と、酸化マグネシウムMgO と、リン酸アルミニウムとから構成される。
【0012】
端部保護管の熱伝導率は、基部保護管の熱伝導率よりも大きい。端部保護管は窒化珪素Si3N4を主成分とする材料から構成されており、基部保護管はステンレス鋼またはアルミナAl2O3を主成分とする材料から構成される。
【0013】
第1固定部材は炭化珪素 SiCのセラミツクスフアイバまたはアルミナ Al2O3のセラミツクスフアイバと、ジルコニアZrO2,アルミナ Al2O3,シリカSiO2の内から選択された少くとも1つの無機系ガラスとから構成される。第2固定部材はジルコニアZrO2,アルミナ Al2O3,シリカSiO2の内から選択された少くとも1つの無機系ガラス、または窒化珪素 Si3N4系セラミツクス,酸化マグネシウムMgO 系セラミツクス,リン酸アルミニウム系セラミツクスの内から選択された少くとも1つの耐熱製セラミツクスから構成される。
【0014】
【実施例】
図1に示すように、本発明による高速応答性熱電対は、セラミツクス製の外部保護管1と、外部保護管1の内部に第1固定部材13と第2固定部材14により固定された内部保護管2とから構成される。内部保護管2は先端部5を備えた端部保護管3と、端部保護管3に第2固定部材14により固定された基部保護管4とから構成される。外部保護管1と端部保護管3とは遮熱度を高めるための空気層16を形成するように第1固定部材13により互いに結合され、外部保護管1と基部保護管4とは遮熱度を高めるための空気層17を形成するように固定部材15により互いに結合される。端部保護管3の先端部5は鉄溶湯などの被温度測定物体からの受熱領域となる。基部保護管4は不活性ガスを充填した不活性ガス層18を形成される。端部保護管3は開放状の端部19を外部保護管1の内部に配置され、閉鎖状の端部20を有する先端部5が外部保護管1から外部へ突出される。
【0015】
端部保護管3の開放状の端部19は、耐熱ガラス製封止部材12により封止される。端部保護管3の内部には、耐熱性セラミツクスからなる充填材6が充填される。端部保護管3の充填材6には組成の異なる1対の合金素線7,8が互いに隔置して埋設される。合金素線7,8は先端部5で互いに結合されて測温部9を構成する。合金素線7,8は互いに隔置されて封止部材12を貫通し、基部保護管4の内部の不活性ガス層18により外部温度から遮熱される。基部保護管4の開放端部31は、無機系ガラス製封止部材32により封止され、合金素線7,8は封止部材32を貫通して熱電対操作部(図示せず)へ伸延される。
【0016】
端部保護管3の熱伝導率は、基部保護管4の熱伝導率よりも大きい材料から作製されており、例えば金属溶湯から受熱した熱は、端部保護管3から基部保護管4へ伝達され難いように構成される。端部保護管3の熱容量が小さいので、端部保護管3が金属溶湯の温度へ直ちに追従し、測温応答性が向上される。端部保護管3は窒化珪素Si3N4を主成分とする材料から構成され、少くとも先端部5は熱伝導率が高いセラミツクス材料、例えば熱伝導率が30W/m・kの高靭性の窒化珪素からなる。端部保護管3はセラミツクス粉末から押出成形機により成形され、温度1850℃、圧力100atmの窒素雰囲気で4時間焼成される。基部保護管4はステンレス鋼またはアルミナAl2O3を主成分とする材料から構成される。基部保護管4は熱伝導率が端部保護管3よりも低い、例えば熱伝導率が17W/m・kのステンレス鋼から管状に形成される。端部保護管3と基部保護管4とは、例えばアルミナ、シリカ系の接着剤すなわち第2固定部材14により結合される。
【0017】
外部保護管1は窒化珪素 Si3N4を主成分とする材料からなる第1層11と、窒化珪素 Si3N4を主成分とする材料に、撥湯性の窒化硼素BN10〜40vol.%を添加した第2層10とを交互にまたはランダムに密着し、同心円状または渦巻状に積層した積層構造に形成され、最外層には撥湯性の窒化硼素BNを含む第2層10が配置される。第1層11と第2層10とを交互に積層する場合には、第1層11のシートと第2層10のシートとを巻き上げることにより渦巻状ないし円筒状に積層できる。
【0018】
図3には溶融金属と窒化硼素BN添加量との接触角の関係が示される。窒化珪素を主成分とする材料に10vol.%以下の窒化硼素BNを添加した材料では、接触角が小さく、金属溶融の撥湯現象が現れず、外部保護管1の第2層10に金属溶融が付着する事態が発生する。したがつて、外部保護管1の第2層10を形成する材料は、窒化珪素に10vol.%以上の窒化硼素BNを添加する必要がある。図4には窒化硼素BNの添加量と接合強度との関係が示される。窒化珪素を主成分とする材料に40vol.%以上の窒化硼素BNを添加した材料では、接合強度が急激に低下し、第1層11と第2層10を積層した場合に、強固な積層強度を確保できないことが分かつた。したがつて、外部保護管1の第2層10を構成する窒化珪素に対する窒化硼素BNの添加量は、接触角と接合強度を考慮して10〜40vol.%が適正であることが分かる。
【0019】
充填材6を構成する耐熱性セラミツクスは、窒化珪素 Si3N4と酸化マグネシウムMgO とリン酸アルミニウムとから構成される。第1固定部材13は炭化珪素 SiCのセラミツクスフアイバ、アルミナ Al2O3のセラミツクスフアイバ、ジルコニアZrO2,アルミナ Al2O3,シリカSiO2の内から選択された少くとも1つのガラスなどから構成される。第2固定部材14はジルコニアZrO2,アルミナ Al2O3,シリカSiO2の内から選択された少くとも1つの無機系ガラス、または窒化珪素 Si3N4系セラミツクス,酸化マグネシウム MgO系セラミツクス,リン酸アルミニウム系セラミツクスの内から選択された少くとも1つの耐熱性セラミツクスから構成される。封止部材32はジルコニアZrO2,アルミナ Al2O3,シリカSiO2の内から選択された少くとも1つの無機系ガラスから構成される。
【0020】
合金素線7,8は組成の異なるW−Re線から構成され、合金素線7,8は酸化腐食を防止するために耐酸化性材料をコーテイングされる。例えば、合金素線7はW−5Re線からなり、合金素線8はW−26Re線からなる。充填材6は空隙が発生しないように端部保護管3の内部に充填される。
【0021】
外部保護管1は次のようにして作製される。例えば、第1層11と第2層10との厚さはそれぞれ30〜350μmであり、最外層には第2層10が配置される。第1層11と第2層10との積層数は35〜45である。外部保護管1は窒化珪素を主成分にし少量の焼結助剤を添加したものを基本成分とし、該基本成分の粉末からドクタブレード装置を用いてシートS1を作製し、上記基本成分の粉末に撥湯成分である窒化硼素BNを添加した粉末からドクタブレード装置を用いてシートS2を作製した。次いで、シートS1とシートS2とを交互に積層し、層状かつ円筒状の成形体を形成し、該成形体をCIPにより2次成形した。シートS1,S2の積層数を40層に成形した時のシートS1,S2の厚さは、例えば100μmであつた。この成形体を温度1850℃の窒素雰囲気で4時間焼成し、外部保護管1を得た。
【0022】
次に、端部保護管3の開放状の端部19を耐熱ガラス製の封止部材12により封止し、端部保護管3の開放状の端部19を基部保護管4の端部へ挿入し、端部保護管3と基部保護管4とを第2固定部材14により結合して内部保護管2を構成した。次いで、内部保護管2を外部保護管1へ挿入し、端部保護管3の閉鎖状の端部20を外部保護管1の開口部21から20mm突き出した状態に、端部保護管3と外部保護管1とを第1固定部材13により結合し、基部保護管4と外部保護管1とを固定部材15により結合した。
【0023】
上記の熱電対を用いて、温度1450℃の金属溶湯の温度測定を行つた。本発明品Aの高速応答性熱電対を、従来品Bの熱電対とを比較するために、従来品Bとして保護管が積層構造のものを作製した。本発明品Aを従来品Bとを比較した結果を図5〜7に示す。図5に示すように、本発明品Aでは起電力が安定化するまでの時間は6秒であつた。図6に示すように、本発明品Aでは金属溶湯に500回程度繰返し浸漬して金属溶湯の温度を測定できたことを確認した。本発明品Aは500回程度繰返して金属溶湯に浸漬した後も、外部保護管1には破損やスラグの付着が発生しなかつた。一方、図5に示すように、従来品Bでは起電力が安定化するまでの時間は10秒であつた。図6に示すように、従来品Bでは金属溶湯に100回程度繰返し浸漬して金属溶湯の温度を測定できたが、それ以上の温度測定は熱電対の損傷により不能であつた。
【0024】
端部保護管3の熱伝導率Xと基部保護管4の熱伝導率Yが相違する本発明品A,Cの高速応答性熱電対をそれぞれ作製し、本発明品A,Cの金属溶湯の測温応答性を試験した。本発明品Aは端部保護管3の熱伝導率Xが基部保護管4の熱伝導率Yより大きい熱電対、本発明品Cは端部保護管3の熱伝導率Xが基部保護管4の熱伝導率Yより小さい熱電対である。図7から分かるように、本発明品Aでは上述したように、起電力が安定化するまでの時間は6秒であつたのに対して、本発明品Cでは起電力が安定化するまでの時間は8秒程度であつた。このことから、端部保護管3の熱伝導率Xが基部保護管4の熱伝導率Yよりも大きい熱電対が、測温応答性に優れることが分かつた。
【0025】
【発明の効果】
本発明による金属溶湯温度を測定するための高速応答性熱電対は、耐久性に優れた外部保護管に挿入された内部保護管を、端部保護管と基部保護管に分割し、端部保護管の内部に耐熱性セラミツクス製の充填材を充填することにより、端部保護管の先端部の熱を伝え易くかつ先端部の受熱量を大きくし、基部保護管の内部に不活性ガスを充填して遮熱構造にすることにより、測温応答性と耐久性が向上される。
【0026】
温度測定部である端部保護管の先端部で金属溶湯などの被温度測定物体から受熱した熱は、基部保護管へは伝達され難くなるので、端部保護管の熱容量が小さくなり、被温度測定物体の温度へ直ちに追従し、測温応答性が向上される。
【0027】
外部保護管の積層構造により、熱衝撃により亀裂が生じても、一気に内部まで進展せず、亀裂が積層構造の境界層で偏向して破壊エネルギを増大するので、外部保護管の寿命が延長され、内部保護管の保護が可能になる。
【0028】
外部保護管の最外層を窒化硼素BNを添加した窒化珪素から形成したので、金属溶湯の外部保護管の外面に対する接触角が大きくなり、外部保護管の外面が金属溶湯を弾いて金属溶湯の付着を防止するので、耐久性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高速応答性熱電対を示す断面図である。
【図2】同熱電対の先端部を示す断面図である。
【図3】窒化硼素BN添加量と溶融金属の接触角との関係を表す線図である。
【図4】窒化硼素BN添加量と接合強度との関係を表す線図である。
【図5】本発明の高速応答性熱電対と従来の熱電対との測温応答性を比較して表す線図である。
【図6】本発明の高速応答性熱電対と従来の熱電対との温度測定可能回数による耐久性を比較して表す線図である。
【図7】高速応答性熱電対における端部保護管と基部保護管との熱伝導率を考慮した場合の、本発明の高速応答性熱電対と従来の熱電対との測温応答性を比較して表す線図である。
【符号の説明】
1:外部保護管 2:内部保護管 3:端部保護管 4:基部保護管 5:先端部 6:充填材 7:合金素線 8:合金素線 9:温度測定部 10:第2層
11:第1層 12:封止部材 13:第1固定部材 14:第2固定部材
15:固定部材 16:空気層 17:空気層 18:不活性ガス層 19:開放状の端部 20:閉鎖状の端部 21:開口部
Claims (7)
- 金属溶湯温度を測定するための熱電対であつて、セラミツクス製の外部保護管と、該外部保護管から閉鎖された先端部が外部へ突出するように前記外部保護管の内部に第1固定部材により固定されたセラミツクス製の端部保護管と、該端部保護管の内部に充填し耐熱性セラミツクスからなる充填材と、該充填材の内部に埋設されかつ前記先端部で互いに結合された測温部を構成するW−Re素線からなる1対の合金素線と、前記端部保護管の基端の開放端部を封止する耐熱ガラス製の封止部材と、前記端部保護管の開放端部の外周壁に第2固定部材により固定されかつ前記外部保護管の内部にあつて該外部保護管の内周壁に他の固定部材により固定され前記合金素線が貫通し、該合金素線を外部温度である前記金属溶湯温度から遮熱するための不活性ガス層を内部に形成する基部保護管とを具備し、前記外部保護管の内周壁と前記端部保護管の外周壁の間と及び前記外部保護管の内周壁と前記基部保護管の外周壁の間とで空気層を形成したことを特徴とする熱電対。
- 前記端部保護管の熱伝導率は前記基部保護管の熱伝導率よりも大きい、請求項1に記載の熱電対。
- 前記端部保護管は窒化珪素Si3N4を主成分とする材料から構成され、前記基部保護管はステンレス鋼またはアルミナAl2O3を主成分とする材料から構成される、請求項1,2に記載の熱電対。
- 前記外部保護管は窒化珪素Si3N4を主成分とする材料からなる第1層と、窒化珪素Si3N4を主成分とし窒化硼素BNを添加した材料からなる第2層とを、交互に同心円状または渦巻き状に密着させた積層構造に形成され、該積層構造体の最外層には前記第2層が配置される、請求項1〜3のいずれかに記載の熱電対。
- 前記充填材を構成する耐熱性セラミツクスは、窒化珪素Si3N4と酸化マグネシウムMgOとリン酸アルミニウムとから構成される、請求項1〜4のいずれかに記載の熱電対。
- 前記第1固定部材は、炭化珪素SiCまたはアルミナAl2O3のセラミツクスフアイバ、ジルコニアZrO2系ガラス、アルミナAl2O3系ガラス、シリカSiO2系ガラスの内から選択された少くとも1つから構成される、請求項1〜5のいずれかに記載の熱電対。
- 前記第2固定部材は、ジルコニアZrO2,アルミナAl2O3,シリカSiO2系ガラスの内から選択された少くとも1つの無機系ガラス、または窒化珪素Si3N4,酸化マグネシウムMgOおよびリン酸アルミニウム系セラミツクスから選択された少くとも1つの耐熱性セラミツクスからなる、請求項1〜6のいずれかに記載の熱電対。
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