JP4483656B2 - 流体機械 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮機構が吐出した流体から潤滑油を分離する油分離部材が設けられた流体機械に関するものである。
従来より、圧縮機構を備える流体機械に設けられて、その圧縮機構が吐出した流体から潤滑油を分離する油分離部材が知られている。圧縮機構を備える流体機械では、圧縮機構で流体を圧縮する時に摺動部に供給された潤滑油が油滴になって流体に混入する。そして、流体から潤滑油を分離しなければ、潤滑油が流体と共にケーシング外に吐出され、摺動部に十分な潤滑油を供給することができなくなって焼き付き等のトラブルの原因になる。油分離部材は、このようなトラブルを解消するために流体機械に設けられる。
この種の油分離部材としては、流体が通過することができる程度に糸状の部材などが密集して構成された部材が使用される。例えば、メッシュ状に網目が構成された部材や、タワシのように不規則に糸状の部材が密集して構成された部材が使用される。流体に含まれる潤滑油は、流体が糸状の部材によって形成される隙間を通過する際に糸状の部材に付着して捕捉される。
特許文献1には、油分離部材である環状デミスタが設けられている流体機械が開示されている。環状デミスタは、円筒壁状に形成されて圧縮機構の吐出口を囲うように立設されている。環状デミスタは、上端から下端に亘って厚さが均一に形成されている。この流体機械では、圧縮機構から潤滑油を含有する流体が環状デミスタの内側に吐出され、その流体が環状デミスタを外側へ向かって通過する際に潤滑油が取り除かれる。環状デミスタを通過した流体は、その環状デミスタの外側に開口する吐出管から吐出される。
特開平9−170581号公報
ここで、壁状に立設された油分離部材では、通過した流体から捕捉した潤滑油がその油分離部材の下端から溜まっていく。そして、従来の油分離部材では、捕捉した潤滑油の量が多くなって下端に溜まる潤滑油の量が増加すると、油分離部材で捕捉されずに通過する潤滑油の量が増加するという問題がある。具体的には、このような油分離部材は、下端に溜まる潤滑油の量が増加するのに伴い、流体が通過することができる面積が減少する。そして、この流体の通過面積が減少すると、油分離部材を通過する際の流体の流速が大きくなるので、潤滑油が油分離部材に付着しにくくなり、油分離部材で捕捉されずに通過する潤滑油の量が増加する。
また、油分離部材を通過する際の流体の流速が大きくなると、油分離部材の内部に溜まる潤滑油が流体の通過に伴って再飛散するおそれがある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、壁状に立設された油分離部材を備える流体機械において、その油分離部材を通過した流体に含まれる潤滑油の量を減少させることにある。
第1の発明は、密閉容器状のケーシング(21)と、上記ケーシング(21)に収納されて圧縮した流体を吐出通路(57,62)から該ケーシング(21)内に吐出する圧縮機構(40)と、上記ケーシング(21)内に開口して上記圧縮機構(40)からケーシング(21)内に吐出された流体をケーシング(21)外に吐出するための吐出管(23)とを備える流体機械(20)を対象とする。そして、上記圧縮機構(40)が吐出した流体から潤滑油を分離する油分離部材(70)を備え、上記油分離部材(70)は、厚み方向へ流体が通過可能な円筒壁状に形成されて上記吐出通路(57,62)の出口を囲うように立設され、流体が通過する際に該流体中の潤滑油を捕捉するように構成されると共に、上記油分離部材(70)は、下端が上端よりも厚く形成されているものである。
第1の発明では、圧縮機構(40)が吐出した流体から潤滑油を取り除くために、下端が上端よりも厚く形成されている円筒壁状の油分離部材(70)が、吐出通路(57,62)の出口を囲うように設けられている。圧縮機構(40)が吐出した流体は、吐出通路(57,62)から円筒壁状の油分離部材(70)の内側の空間に流入し、油分離部材(70)を内側から外側へ向かって通過する。その際、流体に含まれる潤滑油が油分離部材(70)によって捕捉される。油分離部材(70)で潤滑油が取り除かれた流体は、その後吐出管(23)からケーシング(21)外へ吐出される。
また、第1の発明では、壁状に形成されて立設された油分離部材(70)が、下端が上端より幅広に形成されている。油分離部材(70)は、厚み方向へ流体が通過する際にその流体中の潤滑油を捕捉するが、捕捉した潤滑油がその油分離部材(70)の下端から溜まっていく。この第1の発明では、油分離部材(70)の下端の幅が大きいので、同じ量の潤滑油が上端と下端の幅が同じ油分離部材に溜まった場合に比べてその溜まった潤滑油の油面の高さが低くなる。
第2の発明は、上記第1の発明において、油分離部材(70)が上端から下端へ向かって厚みが次第に増すように形成されるものである
第2の発明では、油分離部材(70)の厚さが下側へ向かうに従って徐々に増加する。この油分離部材(70)は、同じ量の潤滑油に対して下側ほど油面が上昇しにくい。
第3の発明は、上記第1の発明において、油分離部材(70)が上端から下端へ向かって厚みが段階的に増すように形成されるものである
第3の発明では、油分離部材(70)の厚さが上端から下端へ向かって段階的に大きくなる。この油分離部材(70)は、厚さが変化している箇所の下側がその上側より同じ量の潤滑油に対して油面が上昇しにくい。
第4の発明は、上記第1の発明において、油分離部材(70)が、厚み方向へ流体が通過可能な壁状に形成された様々な高さの複数の捕捉用部材(66)を積層して構成され、下端における上記捕捉用部材(66)の積層枚数が上端における捕捉用部材(66)の積層枚数よりも多くなっているものである
第4の発明では、油分離部材(70)が様々な高さの複数の捕捉用部材(66)を積層して構成されている。この油分離部材(70)は、下端の捕捉用部材(66)の積層枚数が上端の積層枚数よりも多くなっており、その結果、下端が上端よりも厚くなっている。
第5の発明は、上記第1の発明において、上記ケーシング(21)内における圧縮機構(40)の上側には、該圧縮機構(40)の駆動軸(30)に連結される電動機(26)が配置されており、上記圧縮機構(40)と上記電動機(26)との間の空間に上記油分離部材(70)が配置されている。
第5の発明では、下端が上端よりも厚く形成されている円筒壁状の油分離部材(70)が、圧縮機構(40)と電動機(26)との間の空間に設けられている。この油分離部材(70)は、圧縮機構(40)が吐出した流体に含まれる潤滑油を捕捉するが、下端が上端よりも厚く形成されているので、上端と下端の幅が同じ油分離部材に比べて内部に溜まった潤滑油の油面が上昇しにくい。
本発明では、油分離部材(70)で流体から捕捉した潤滑油が溜まっていく下端の幅を大きくすることで、同じ量の潤滑油が上端と下端の幅が同じ油分離部材に溜まった場合に比べてその溜まった潤滑油の油面の高さが低くようにしている。つまり、この発明によれば、潤滑油が下端から溜まっていっても、その溜まった潤滑油の油面が上昇しにくくなって流体が通過することができる面積が減少しにくくなる。これにより、潤滑油が下端から溜まっていっても、油分離部材(70)を通過する際の流体の流速が増加しにくくなるので、油分離部材(70)で捕捉されずに通過する潤滑油の量を減少させることができる。また、油分離部材(70)を通過する際の流体の流速が増加しにくくなると、内部に溜まる潤滑油の再飛散を抑制することができる。従って、油分離部材(70)を通過した流体に含まれる潤滑油の量を減少させることができる。
また、上記第4の発明では、下端が上端よりも厚い油分離部材(70)を構成するにあたって、様々な高さの複数の捕捉用部材(66)を下端の積層枚数が上端の積層枚数よりも多くなるように積層している。このため、油分離部材(70)を製作するにあたって、型枠を用いて成形したり、部材の切断加工などを行う必要がなく、例えば汎用品であるシート状の部材で厚み方向へ流体が通過可能なものを積層して貼り付けるだけで本発明に係る油分離部材(70)を製作することができる。従って、この第4の発明によれば、油分離部材(70)を容易に製作することができる。
また、本発明では、圧縮機構(40)が吐出した流体から潤滑油を取り除くために、潤滑油が下端から溜まってもその溜まった潤滑油の油面が上昇しにくい油分離部材(70)が設けられている。このため、上述したように潤滑油が下端から溜まっていっても流体が通過することができる面積が減少しにくく、油分離部材(70)を通過する際の流体の流速が増加しにくくなるので、油分離部材(70)を通過した流体に含まれる潤滑油の量を減少させることができる。よって、本発明によれば、吐出管(23)から吐出される潤滑油の量を減少させることができる。これにより、流体機械(20)における油上がり等のトラブルを防止して、流体機械(20)の信頼性を向上させることができる。
また、上記第5の発明では、圧縮機構(40)と電動機(26)との間の空間に、潤滑油が下端から溜まってもその溜まった潤滑油の油面が上昇しにくい油分離部材(70)が設けられている。ここで、油分離部材(70)の高さを決める際には、その下部に補足した潤滑油が溜まっても流体が通過することができる面積が確保されるように、潤滑油によって閉塞される部分の高さを見込んで油分離部材(70)を高めに設定する場合がある。このような場合に、従来のような厚みが一定の油分離部材では、高さを比較的高くしなければならなくなる。このため、この従来の油分離部材を用いた流体機械では、油分離部材を設置するための空間が大きくなり、そのため流体機械全体の大型化を招くおそれがあった。
それに対し、この第5の発明では、下端が上端よりも厚く形成された油分離部材(70)を用いている。そして、この油分離部材(70)では、捕捉されて下部に溜まる潤滑油の高さが上記従来のものに比べて低く抑えられる。従って、この発明の油分離部材(70)では、捕捉した潤滑油が下部に溜まった状態で流体の通過可能な面積が確保されるようにした場合でも、その高さを比較的低く抑えることができる。このため、この発明の流体機械(20)では、油分離部材(70)が設置される空間、即ち電動機(26)と圧縮機構(40)の間の空間を従来よりも狭く設定することができ、その結果、流体機械(20)の小型化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。実施形態の流体機械(20)の縦断面図を図1に示す。この流体機械(20)は、圧縮機構(40)と電動機(26)とをケーシング(21)内に備えた圧縮機(20)である。この圧縮機(20)は、例えば冷媒回路に設けられて冷媒を圧縮するために使用される。
圧縮機(20)は、縦長で円筒形の密閉容器であるケーシング(21)を備えている。このケーシング(21)の内部には、下寄りの位置に圧縮機構(40)が配置され、上寄りの位置に電動機(26)が配置されている。
ケーシング(21)には、その胴部を貫通するように吸入管(22)が設けられている。吸入管(22)は2本設けられ、共に圧縮機構(40)に接続されている。また、ケーシング(21)には、その上部の鏡面部材を上下方向に貫通する吐出管(23)が設けられている。吐出管(23)は、その入口が電動機(26)の上側の空間に開口している。
上記電動機(26)は、ステータ(27)とロータ(28)とにより構成されている。ステータ(27)は、ケーシング(21)の内壁に固定されている。ステータ(27)は、コア(27a)とコア(27a)に巻き付けられたコイル(27b)とで構成されている。このステータ(27)では、コア(27a)の上端側と下端側とへコイル(27b)がはみ出した状態になっている。ロータ(28)は、ステータ(27)の内側に配置されており、後述するクランク軸(30)の上部に取り付けられている。
圧縮機構(40)は、揺動ピストン型のロータリ圧縮機を構成している。この圧縮機構(40)は、シリンダ(41,42)とピストン(47)を2つずつ備えている。圧縮機構(40)では、下から上へ向かって順に、リアヘッド(45)と、第1シリンダ(41)と、中間プレート(46)と、第2シリンダ(42)と、フロントヘッド(44)とが積み重ねられた状態となっている。
また、圧縮機構(40)には、クランク軸(30)が設けられている。クランク軸(30)の下部は、リアヘッド(45)、第1シリンダ(41)、中間プレート(46)、第2シリンダ(42)、及びフロントヘッド(44)を貫通している。このクランク軸(30)の下部には、2つの偏心部(32,33)が形成されている。これら偏心部(32,33)は、その軸心がクランク軸(30)の軸心に対して偏心している。下側の第1偏心部(32)と上側の第2偏心部(33)とでは、クランク軸(30)の軸心に対する偏心方向が180°ずれている。第1偏心部(32)は第1シリンダ(41)内に、第2偏心部(33)は第2シリンダ(42)内に、それぞれ配置されている。
第1及び第2シリンダ(41,42)の内部には、円筒状のピストン(47)が1つずつ配置されている。第1シリンダ(41)内では、第1偏心部(32)がピストン(47)を貫通している。第2シリンダ(42)内では、第2偏心部(33)がピストン(47)を貫通している。ピストン(47,47)の外周面とシリンダ(41,42)の内周面との間に圧縮室(43)が形成される。また、図示しないが、ピストン(47)の側面には平板状のブレードが突設されており、このブレードは揺動ブッシュを介してシリンダ(41,42)に支持されている。
第1及び第2シリンダ(41,42)には、それぞれ吸入ポート(48)が1つずつ形成されている。各吸入ポート(48)は、シリンダ(41,42)を半径方向に貫通し、その終端がシリンダ(41,42)の内周面に開口している。これら各吸入ポート(48)には、吸入管(22)が1本ずつ挿入されている。
フロントヘッド(44)には、その上面にクランク軸(30)の軸受けとなる軸受部(44a)が突設されている。また、フロントヘッド(44)には、その上面に開口して該フロントヘッド(44)を上下方向に貫通する流体通路(62)が形成されている。流体通路(62)は、第2シリンダ(42)の圧縮室(43)と後述する吐出側空間(60)とを連通するように形成されている。流体通路(62)は、比較的面積が小さい入口側通路(62a)と比較的面積が大きい出口側通路(62b)とによって構成されている。出口側通路(62b)の下部には、入口側通路(62a)を開閉するリード弁からなる吐出弁が設けられている。なお、図1では吐出弁の図示は省略する。
フロントヘッド(44)の上面には、油分離部材であるデミスタ(70)が設けられている。このデミスタ(70)は、金属製の細い繊維を密集させて円筒壁状に成形したものであって、軸受部(44a)の周囲を囲うように立設されている。デミスタ(70)は、流体通路(62)の出口側通路(62b)の出口も囲っている。つまり、デミスタ(70)の下端における内周の半径は、クランク軸(30)の軸心から流体通路(62)の出口側通路(62b)の外側端までの距離よりも長くなっている。また、デミスタ(70)は、その上部がコア(27a)からはみ出したコイル(27b)よりも内側になるように配置されている。
デミスタ(70)は、上端から下端へ向かって厚みが次第に増すように形成されている。具体的に、デミスタ(70)の外周面は下側へ向かって外側に広がるテーパ−状に形成され、内周面は上端から下端に亘って径が一様に形成されている。デミスタ(70)を径方向に切った断面は、外側が斜面で内側が鉛直面の台形になっている。なお、デミスタ(70)は、上端から下端へ向かって厚みが次第に増すように形成されていればよく、外周面も内周面も下側へ向かって広がるテーパ−状に形成してもよい。また、デミスタ(70)は、外周面の径が上端から下端に亘って一様で、内周面が下側へ向かって内側に広がるテーパ−状に形成してもよい。
デミスタ(70)の上端部には、円板状のカバー部材(67)が設けられている。カバー部材(67)の中央には、クランク軸(30)が貫通する貫通孔が形成されている。カバー部材(67)は、内周部が軸受部(44a)の上端に固定され、外周部がデミスタ(70)の上端に固定されている。カバー部材(67)の外周部は、デミスタ(70)に被せるように下側に折れ曲がった蓋状になっている。これによって、円筒壁状のデミスタ(70)の内側には、該デミスタ(70)とカバー部材(67)とによって区画される吐出側空間(60)が形成される。吐出側空間(60)には、流体通路(62)の出口側通路(62b)が開口している。
リアヘッド(45)には、その下面にクランク軸(30)の軸受けとなる軸受部(45a)が突設されている。また、リアヘッド(45)には、その下面に開口して該リアヘッド(45)を上下方向に貫通する流体通路(65)が形成されている。流体通路(65)は、第1シリンダ(41)の圧縮室(43)と後述する吐出室(59)とを連通するように形成されている。流体通路(65)は、比較的面積が小さい入口側通路(65a)と比較的面積が大きい出口側通路(65b)とによって構成されている。出口側通路(65b)の上部には、入口側通路(65a)を開閉するリード弁からなる吐出弁が設けられている。なお、図1では吐出弁の図示は省略する。
リアヘッド(45)の下面には、中央に貫通孔を有する碗状部材(69)が取り付けられている。碗状部材(69)は、貫通孔周辺でリアヘッド(45)の軸受部(45a)に固定され、外縁部でリアヘッド(45)の外周部に固定されている。リアヘッド(45)の下側には、リアヘッド(45)と碗状部材(69)とによって、第1シリンダ(41)内で圧縮された冷媒が吐出される吐出室(59)が形成されている。
圧縮機構(40)には、リアヘッド(45)からフロントヘッド(44)に亘って該圧縮機構(40)を貫通する流体通路(57)が形成されている。流体通路(57)は、フロントヘッド(44)の上面に開口して、吐出室(59)と流体通路(62)の出口側通路(62b)とを連通している。フロントヘッド(44)に形成された流体通路(62)とこの圧縮機構(40)を貫通する流体通路(57)とは、本発明に係る吐出通路を構成している。
ケーシング(21)内の底部には、潤滑油が貯留されている油溜りが形成されている。クランク軸(30)の下端部には、油溜りに浸漬された遠心式の油ポンプ(18)が設けられている。油ポンプ(18)は、クランク軸(30)の回転により油溜りの潤滑油を汲み上げるように構成されている。この油ポンプ(18)は、クランク軸(30)内を上下方向に延びて圧縮機構(40)に連通する給油通路に接続されている。そして、油ポンプ(18)は、給油通路を通じて圧縮機構(40)の摺動部に油溜りの潤滑油を供給するように構成されている。
−運転動作−
上記圧縮機(20)の動作について説明する。圧縮機(20)は、電動機(26)を駆動させるとその動作を開始する。具体的に、電動機(26)が駆動して発生する動力がクランク軸(30)を通じて圧縮機構(40)に伝達されると、偏心部(32,33)が回動する。上記偏心部(32,33)が回動すると、この偏心部(32,33)に摺動自在に外接するピストン(47,47)が第1シリンダ(41)及び第2シリンダ(42)内で揺動運動を行う。
冷媒は、ピストン(47,47)の揺動運動に従って吸入ポート(48,48)から第1シリンダ(41)及び第2シリンダ(42)の各圧縮室(43,43)に吸入される。吸入された冷媒は、各圧縮室(43,43)で圧縮され、その後に吐出弁を通って流体通路(62,65)より吐出される。
第1シリンダ(41)の圧縮室(43)で圧縮された冷媒は、流体通路(65)から吐出室(59)に吐出され、流体通路(57)を通って吐出側空間(60)に流入する。第2シリンダ(42)の圧縮室(43)で圧縮された冷媒は、流体通路(62)から吐出側空間(60)に吐出される。なお、圧縮機構(40)から吐出される冷媒には、比較的多くの油滴が含まれている。
吐出側空間(60)に流入した冷媒は、該吐出側空間(60)の側面側を区画するデミスタ(70)を通過する。上面側はカバー部材(67)によって区画されているので、必ずデミスタ(70)を通過する。冷媒がデミスタ(70)を通過する際には、冷媒に含まれる潤滑油が、デミスタ(70)を構成する金属繊維に付着して冷媒から取り除かれる。デミスタ(70)で捕捉された潤滑油は、そのデミスタ(70)の下部へと流れ落ち、その後にフロントヘッド(44)の上面やケーシング(21)の内面を伝ってケーシング(21)の底部へ流れてゆく。その際、デミスタ(70)で捕捉された潤滑油の一部は、デミスタ(70)の下部に溜まった状態となる。
デミスタ(70)を通過した冷媒は、電動機(26)の内部の隙間を通過し、電動機(26)の上側の空間に流入して吐出管(23)からケーシング(21)の外部へ吐出される。
−実施形態の効果−
上記実施形態に係るデミスタ(70)では、冷媒から捕捉した潤滑油が溜まっていく下端の幅を大きくすることで、同じ量の潤滑油が従来のような厚みが一定のデミスタに溜まった場合に比べてその溜まった潤滑油の油面の高さが低くようにしている(図2参照)。つまり、この実施形態に係るデミスタ(70)によれば、潤滑油が下端から溜まっていっても、溜まった潤滑油の油面が上昇しにくくなって冷媒が通過することができる面積が減少しにくくなる。これにより、潤滑油が下端から溜まっていっても、デミスタ(70)を通過する際の冷媒の流速が増加しにくくなるので、デミスタ(70)で捕捉されずに通過する潤滑油の量を減少させることができる。また、デミスタ(70)を通過する際の冷媒の流速が増加しにくくなると、内部に溜まる潤滑油の再飛散を抑制することができる。従って、デミスタ(70)を通過した冷媒に含まれる潤滑油の量を減少させることができる。
また、上記実施形態によれば、デミスタ(70)を通過した冷媒に含まれる潤滑油の量を減少させることができるので、吐出管(23)から吐出される潤滑油の量を減少させることができる。これにより、流体機械(20)における油上がり等のトラブルを防止して、流体機械(20)の信頼性を向上させることができる。
−実施形態の変形例1−
実施形態の変形例1について説明する。この変形例1では、デミスタ(70)の高さを上記実施形態のものより低くしている。本発明に係るデミスタ(70)は、上記実施形態のようにデミスタ(70)を通過した冷媒に含まれる潤滑油の量を減少させることも可能であるが、一方で従来のような厚みが一定のデミスタと同程度の油分離効果を高さの低いもので得ることができる。
この変形例1の流体機械(20)の縦断面図を図3(A)に示す。また、厚みが一定のデミスタが設けられた従来の流体機械の縦断面図を図3(B)に示す。この変形例1の流体機械(20)のデミスタ(70)は、従来の流体機械のデミスタよりも高さが低いが、下端の幅が広くなっている。従って、この変形例1のデミスタ(70)は、同じ量の潤滑油が従来の厚みが一定のデミスタに溜まった場合に比べてその溜まった潤滑油の油面の高さが低くなる。このため、潤滑油が溜まった状態において、両方のデミスタは、冷媒が通過することができる面積がほとんど変わらないので、デミスタを通過した冷媒に含まれる潤滑油の量もほとんど変わらない。
この変形例1の流体機械(20)は、デミスタ(70)の高さを低くしているので、従来の流体機械とを比較すると電動機(26)と圧縮機構(40)との距離が短くなってその間の空間が狭くなっている。その結果、この変形例1の流体機械(20)は、従来の流体機械よりケーシング(21)の高さが低くなっている。
−実施形態の変形例2−
実施形態の変形例2について説明する。この変形例2は、上記実施形態におけるデミスタ(70)の形状を変更したものである。この変形例2の流体機械(20)におけるデミスタ(70)の縦断面図を図4に示す。
この変形例2のデミスタ(70)は、上端から下端へ向かって厚みが段階的に増すように形成されている。具体的に、デミスタ(70)は、実施形態と同様に円筒壁状に形成されている。デミスタ(70)の内周面は、上端から下端に亘って径が一様に形成されている。デミスタ(70)の外周面は、上端から真ん中まで径が一様に形成され、その真ん中で径が大きくなって下端まで一様に形成されている。つまり、デミスタ(70)は、上端から真ん中まで厚さが一様に形成され、その真ん中で厚さが大きくなって下端まで一様に形成されている。なお、この変形例2のデミスタ(70)では、厚みが増加する箇所が1箇所であるが、厚みが増加する箇所が2箇所以上であってもよい。また、デミスタ(70)は、外周面の径を上端から下端に亘って一様に形成して、内側へ厚みが段階的に増すように形成してもよい。
−実施形態の変形例3−
実施形態の変形例3について説明する。この変形例3のデミスタ(70)は、高さが異なる2枚の捕捉用部材(66a,66b)を下端の積層枚数が上端の積層枚数より多くなるように積層して構成したものである。この変形例3の流体機械(20)におけるデミスタ(70)の縦断面図を図5に示す。
この変形例3のデミスタ(70)は、高さが低い筒状の捕捉用部材(66a)と、該捕捉用部材(66a)の内側に挿入された高さが高い筒状の捕捉用部材(66b)とを備えている。上記両捕捉用部材(66a,66b)の下端は一致している。内側の捕捉用部材(66b)の外径は、外側の捕捉用部材(66a)の内径と一致している。上記両捕捉用部材(66a,66b)は、共に厚み方向へ冷媒が通過可能で、厚さが上端から下端に亘って一様に形成されている。
なお、デミスタ(70)は、高さの高い捕捉用部材(66b)を外側に配置して、高さの低い捕捉用部材(66a)を内側に配置してもよい。また、デミスタ(70)は、3枚以上の捕捉用部材(66,66,‥)によって構成してもよい。
上記変形例3では、下端が上端よりも厚いデミスタ(70)を構成するにあたって、高さが異なる2枚の捕捉用部材(66a,66b)を下端の積層枚数が上端の積層枚数よりも多くなるように積層している。このため、デミスタ(70)を製作するにあたって、型枠を用いて成形したり、部材の切断加工などを行う必要がなく、例えば汎用品であるシート状の部材で厚み方向へ冷媒が通過可能なものを積層して貼り付けるだけで本変形例3に係るデミスタ(70)を製作することができる。従って、この変形例3によれば、デミスタ(70)を容易に製作することができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、圧縮機構が吐出した流体から潤滑油を分離する油分離部材及びその油分離部材を備える流体機械について有用である。
実施形態の圧縮機の縦断面図である。 潤滑油が下端に溜まった状態のデミスタの断面図で、実施形態のデミスタと従来のような厚みが一定のデミスタとを比較した断面図である。 (A)は実施形態の変形例1の圧縮機の縦断面図であり、(B)は従来の圧縮機の縦断面図である。 実施形態の変形例2の圧縮機の縦断面図である。 実施形態の変形例3の圧縮機の縦断面図である。
20 流体機械
21 ケーシング
23 吐出管
26 電動機
30 クランク軸(駆動軸)
40 圧縮機構
57 流体通路(吐出通路)
62 流体通路(吐出通路)
66 捕捉用部材
70 デミスタ(油分離部材)

Claims (5)

  1. 密閉容器状のケーシング(21)と、上記ケーシング(21)に収納されて圧縮した流体を吐出通路(57,62)から該ケーシング(21)内に吐出する圧縮機構(40)と、上記ケーシング(21)内に開口して上記圧縮機構(40)からケーシング(21)内に吐出された流体をケーシング(21)外に吐出するための吐出管(23)とを備える流体機械であって、
    上記圧縮機構(40)が吐出した流体から潤滑油を分離する油分離部材(70)を備え、
    上記油分離部材(70)は、厚み方向へ流体が通過可能な円筒壁状に形成されて上記吐出通路(57,62)の出口を囲うように立設され、流体が通過する際に該流体中の潤滑油を捕捉するように構成されると共に、
    上記油分離部材(70)は、下端が上端よりも厚く形成されていることを特徴とする流体機械。
  2. 請求項1において、
    上記油分離部材(70)は、上端から下端へ向かって厚みが次第に増すように形成されていることを特徴とする流体機械
  3. 請求項1において、
    上記油分離部材(70)は、上端から下端へ向かって厚みが段階的に増すように形成されていることを特徴とする流体機械
  4. 請求項1において、
    上記油分離部材(70)は、厚み方向へ流体が通過可能な壁状に形成された様々な高さの複数の捕捉用部材(66)を積層して構成され、下端における上記捕捉用部材(66)の積層枚数が上端における捕捉用部材(66)の積層枚数よりも多くなっていることを特徴とする流体機械
  5. 請求項1において、
    上記ケーシング(21)内における圧縮機構(40)の上側には、該圧縮機構(40)の駆動軸(30)に連結される電動機(26)が配置されており、上記圧縮機構(40)と上記電動機(26)との間の空間に上記油分離部材(70)が配置されていることを特徴とする流体機械。
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