JP7162751B2 - ロータリ型圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、ベーンを備えるロータリ型圧縮機に関する。
従来、円筒状のシリンダ内部を偏心リングが偏心回転することで冷媒を圧縮するロータリ型圧縮機が知られている。このようなロータリ型圧縮機において、ベーンは、シリンダに形成されたベーン収容溝に収容されている。また、ベーンは、先端が偏心リングに常に接触するようにベーン収容溝を摺動することで、シリンダ内部の圧縮室を高圧室と低圧室とに分けるものである。特許文献1には、ベーンの摺動面に対して、表面の粗さの値が十点平均粗さで0.1μm以下となるような超平滑仕上げが行われた圧縮機が開示されている。特許文献1は、これにより、ベーンの潤滑性を向上させ、ベーン収容溝に面するベーン収容面とベーンとの摩耗を抑制しようとするものである。
特開平6-299981号公報
しかしながら、特許文献1に開示された圧縮機において、ベーン収容面とベーンとの接触そのものは、抑制されていない。このため、ベーンの摺動面に掛かる負荷が大きくなった際に、ベーンは、ベーン収容面と強く接触することで摺動抵抗が増大する。したがって、ベーンが偏心リングから離れてしまい、高圧室から低圧室に冷媒が漏出してしまう虞がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ベーンが偏心リングから離れることを抑制し、高圧室から低圧室に冷媒が漏出することを低減するものである。
本発明に係るロータリ型圧縮機は、内部に冷媒が満たされる密閉容器と、密閉容器に格納され、冷媒を圧縮する圧縮部と、密閉容器に格納され、圧縮部を駆動する電動部と、を備え、圧縮部は、径方向に凹状であり、潤滑油が流れるベーン収容溝が形成された円筒状のシリンダと、ベーン収容溝に収容されるベーンと、を有し、ベーン収容溝の側壁であるベーン収容面とベーンにおけるベーン収容面に対向する面とのいずれか一方には、縁部分に平面部が形成されており、平面部よりも内側にシリンダの径方向に並び、潤滑油が溜まる凹状の複数の潤滑溝が形成され、全ての潤滑溝は、頂点がシリンダの外側に位置するV字型の形状をしている。
本発明によれば、ベーン収容面又はベーンのいずれか一方には、他方と接触する面に潤滑液が溜まる溝である潤滑溝が複数形成されている。このため、潤滑溝に溜まっている潤滑油は、ベーンの摺動に伴って移動し、潤滑溝の端部に寄せ集められる。この際に、潤滑溝の端部に収まらない潤滑油は、潤滑溝の端部から溢れだし、潤滑溝の外側へと押し上げられる。これにより、ベーン収容面とベーンとの間に油膜が形成され、ベーン収容面とベーンとの摺動抵抗の増大が抑制される。したがって、ベーンは、偏心リングに常に当接し、高圧室から低圧室に冷媒が漏出することを抑制することができる。
実施の形態1に係るロータリ型圧縮機1を示す内部構成図である。 実施の形態1に係るシリンダ22を示す上視図である。 実施の形態1に係るベーン24を示す側面図である。 実施の形態1に係る潤滑溝48を示す拡大図である。 実施の形態1に係る潤滑溝48を示す断面図である。 実施の形態1に係るベーン24摺動時の油圧の発生状態を示すグラフである。 実施の形態1に係るシリンダ22及びベーン24を示す上視図である。 比較例に係るシリンダ222及びベーン224を示す上視図である。 比較例に係るクランク軸21の角位相とベーン224の摺動抵抗とを示すグラフである。 比較例に係るベーン224摺動時の油圧の発生状態を示すグラフである。 実施の形態2に係るベーン収容面143を示す側視図である。 実施の形態1、実施の形態2及び比較例に係る摩擦係数を示すグラフである。
実施の形態1.
以下、実施の形態1に係るロータリ型圧縮機1について、図面を参照しながら説明する。図1は、実施の形態1に係るロータリ型圧縮機1を示す内部構成図である。図1に示すように、ロータリ型圧縮機1は、密閉容器5、電動部6、圧縮部7、吸入管2及び吐出管3を有している。
(密閉容器5)
密閉容器5は、有底且つ有蓋の筒形状の容器であり、内部が密閉状態に保たれている。密閉容器5内は、圧縮された高温且つ高圧の冷媒ガスによって満たされており、密閉容器5の底部には、潤滑油が貯留される油溜まり8が形成されている。潤滑油は、主に圧縮部7の各摺動部を潤滑するものである。
(電動部6)
電動部6は、密閉容器5の上下方向の中央部に設けられるものであり、気密端子(図示せず)を介して外部から電力が供給されることで、圧縮部7を駆動させる。電動部6は、固定子11及び回転子12を有する。固定子11は、密閉容器5の内壁面に焼き嵌め等により固着支持された円環状の部材である。回転子12は、固定子11の内側面に対向して設けられた部材であり、固定子11に通電されることにより回転する。
(圧縮部7)
圧縮部7は、密閉容器5の下部に設けられ、電動部6から伝達される回転力によって冷媒を圧縮し、密閉容器5内に吐出するものである。圧縮部7は、クランク軸21、シリンダ22、偏心リング23、ベーン24、上軸受25、吐出マフラ26及び下軸受27を有する。なお、図1において、ロータリ型圧縮機1は、単一シリンダのロータリ型圧縮機が図示されているが、多段ロータリ型圧縮機であってもよい。
(クランク軸21)
クランク軸21は、密閉容器5の中央に設けられた筒状の部材である。クランク軸21は、回転子12に嵌入されており、回転子12の回転に伴って回転する。これにより、電動部6は、圧縮部7に回転力を伝達し、駆動させる。クランク軸21の内部である軸心部には、潤滑油が流れる油吸込み穴(図示せず)が形成されている。油吸込み穴は、クランク軸21の底部に貫通しており、油溜まり8の潤滑油が油吸込み穴を介して上昇する。油吸込み穴には、螺旋状の遠心ポンプ(図示せず)が設けられている。遠心ポンプは、密閉容器5の底に貯留されている潤滑油を汲み上げ、圧縮部7の各摺動部に供給する。クランク軸21は、主軸部31、副軸部32及び偏心軸部33からなる。主軸部31は、電動部6の回転子12に焼き嵌め又は圧入等されることで固定された長尺状の軸である。副軸部32は、シリンダ22を挟んで主軸部31の反対側に設けられた短尺状の軸である。偏心軸部33は、主軸部31と副軸部32との間に設けられ、円筒形状の偏心リング23が嵌合されると共に、シリンダ22の内部に収容されている部分である。
(シリンダ22)
図2は、実施の形態1に係るシリンダ22を示す上視図である。シリンダ22は、上面及び下面が開口した円筒状であり、上面に設けられた上軸受25及び下面に設けられた下軸受27によって閉塞されることで、内部に円筒状の空間である圧縮室41が形成されている。シリンダ22は、外周部がボルト等により密閉容器5に固定されている。図2に示すように、シリンダ22には、吸入ポート45及び吐出ポート46が形成されている。吸入ポート45は、シリンダ22の外周面から圧縮室41に貫通して形成され、吸入管2に接続される。吸入ポート45は、吸入管2から冷媒を圧縮室41内に吸入する。吐出ポート46は、シリンダ22の上端面を切り欠いて形成され、圧縮室41から圧縮された冷媒を吐出マフラ26内に吐出する。
更に、シリンダ22には、ベーン収容溝42及び背圧室44が形成されている。ベーン収容溝42は、圧縮室41からシリンダ22の径方向に延びる凹状の溝であり、ベーン24が収容されている。また、ベーン収容溝42には、油溜まり8から汲み上げられ、クランク軸21を流れた潤滑油が供給されている。背圧室44は、ベーン収容溝42よりシリンダ22の外側において、ベーン収容溝42に連通して形成された空間である。背圧室44の内径は、ベーン収容溝42のシリンダ22における周方向の幅よりも大径に形成されている。背圧室44には、ベーン24と直列に配置されたベーンスプリング47が収容されている。ベーンスプリング47は、例えばコイルバネで構成され、ベーン24を圧縮室41の中心方向に付勢するものである。ベーン収容溝42に面する壁面であるベーン収容面43は、吸入ポート45が位置する側の吸入側側面53及び吐出ポート46が位置する側の吐出側側面54からなる(図7参照)。
(偏心リング23)
偏心リング23は、円環状であり、クランク軸21の偏心軸部33に嵌合している。偏心リング23は、偏心軸部33と共に圧縮室41に収容されており、圧縮室41内で偏心軸部33と共に偏心回転して冷媒を圧縮するものである。
(ベーン24)
図3は、実施の形態1に係るベーン24を示す側面図である。図4は、実施の形態1に係る潤滑溝48を示す拡大図である。そして、図5は、実施の形態1に係る潤滑溝48を示す断面図である。ベーン24は、ベーン収容溝42に収容されている。ベーン24は、略直方体状に形成されており、シリンダ22における周方向Aの長さが径方向Bの長さ及び軸方向Cの長さよりも短い。図3に示すように、ベーン24のシリンダ22における周方向Aの表面には、頂点49が背圧室44側を向いたV字型且つ凹形状である潤滑溝48が複数形成されている。潤滑溝48には、潤滑油が溜まっている。また、図4に示すように、それぞれの潤滑溝48は、一定の幅Lを有すると共に、シリンダ22の径方向Bにおいて、一定の間隔Mを空けて形成されている。そして、図5に示すように、ベーン24は、潤滑溝48の設けられていない部分について、表面の粗さの値が十点平均粗さで0.1μm以下となるような超平滑な表面性状を有している。
それぞれの潤滑溝48は、ベーン24のシリンダ22における周方向Aの表面上をシリンダ22における軸方向Cに連通していない。即ち、潤滑溝48の上下方向の長さは、ベーン24の上下方向の長さ未満である。なお、潤滑溝48は、頂点49がシリンダ22の外側を向いたV字型の形状でなくてもよく、例えば、頂点49がシリンダ22の中心側を向いたV字型の形状であったり、頂点49がシリンダ22の外側及び内側の双方を向いた菱型の形状であったりしてもよい。更に、潤滑溝48は、ベーン24ではなく、ベーン収容面43に設けられていてもよい。この場合、それぞれの潤滑溝48は、ベーン収容面43上をシリンダ22における軸方向Cに連通していない。即ち、潤滑溝48の上下方向の長さは、ベーン収容面43の上下方向の長さ未満である。
ロータリ型圧縮機1の駆動直後のように、背圧室44に流入する密閉容器5内の冷媒ガスと圧縮室41内の冷媒ガスとの差圧がベーン24を押圧するために十分な圧力ではない場合、ベーン24は、ベーンスプリング47によって偏心リング23に押圧される。また、背圧室44に高圧の冷媒ガスが流入してからは、ベーン24は、背圧室44に流入した密閉容器5内の高圧の冷媒ガスと圧縮室41の冷媒ガスとの差圧とベーンスプリング47とによって、偏心リング23に押圧される。このため、ベーン24は、圧縮室41側の先端部が偏心リング23の外周に常に当接している。即ち、ベーン24は、偏心リング23の偏心回転に連動して、ベーン収容溝42をシリンダ22の径方向Bに往復運動する。これによって、シリンダ22の内周と偏心リング23の外周との間に形成される空間が、高圧室52と低圧室51とに仕切られる。
(上軸受25)
上軸受25は、側面視で略逆T字形状であり、シリンダ22の電動部6側の開口を閉塞すると共に、クランク軸21の主軸部31を回転自在に支持している。上軸受25には、シリンダ22に形成された吐出ポート46と連通し、圧縮した冷媒ガスを圧縮室41外に吐出する吐出孔(図示せず)が形成されている。上軸受25には、吐出孔を塞ぐように吐出弁(図示せず)が設けられており、シリンダ22から吐出ポート46を介して吐出される高温且つ高圧の冷媒ガスの吐出タイミングを制御する。即ち、吐出弁は、シリンダ22の圧縮室41内で圧縮される冷媒ガスが所定の圧力になるまで閉塞し、冷媒ガスが所定の圧力以上となったときに開口して、高温且つ高圧の冷媒ガスを圧縮室41外へ吐出させる。
(吐出マフラ26)
吐出マフラ26は、吐出孔を覆うように上軸受25の上部に設けられ、冷媒ガスに起因する騒音を抑制する。吐出マフラ26が上軸受25の上部に設けられることで、吐出マフラ26と上軸受25との間には、空間が形成される。吐出マフラ26には、吐出マフラ26と上軸受25との間に形成される空間と密閉容器5内とを連通する吐出穴(図示せず)が設けられている。シリンダ22から吐出ポート46を介して吐出される冷媒ガスは、吐出マフラ26と上軸受25との間に形成される空間に一旦吐出され、その後、吐出穴から密閉容器5内へ吐出される。概して、冷媒ガスは、吐出ポート46から間欠的に吐出される際に、脈動音などの騒音を生じさせる。冷媒ガスは、吐出マフラ26と上軸受25との間に形成される空間に一旦吐出されることで、圧力が低下し、吐出ポート46から圧縮された冷媒ガスが吐出する際の騒音が軽減される。
(下軸受27)
下軸受27は、側面視で略T字形状に形成され、シリンダ22の密閉容器5の底部側の開口を閉塞すると共に、回転軸の副軸部32を回転自在に支持している。
ここで、図2を用いて、圧縮部7の動作について、詳細に説明する。圧縮室41の内周と偏心軸部33に嵌合された偏心リング23の外周とベーン24とによって仕切られた高圧室52及び低圧室51は、クランク軸21の回転により、容積の増加及び減少が繰り返される。即ち、先ず、低圧室51と吸入ポート45とが連通し、低圧の冷媒ガスが低圧室51に吸入される。次に、吸入ポート45が閉じられ、高圧室52の容積が減少することに伴い高圧室52内の冷媒ガスが圧縮される。そして、高圧室52と吐出ポート46とが連通し、圧縮室41内の冷媒ガスが所定の圧力に達した際に、吐出ポート46から圧縮室41の外へ高圧且つ高温となった冷媒ガスが吐出される。
図6は、実施の形態1に係るベーン24摺動時の油圧の発生状態を示すグラフである。図6のX軸は、シリンダ22の径方向におけるシリンダ22の中心側からのベーン24の長さを示す。Y軸は、シリンダ22の軸方向におけるシリンダ22の底面からのベーン24の長さを示す。Z軸は、ベーン24とベーン収容面43との間に生じる油圧[MPa]を示す。図6を用いて、ベーン24の摺動時における油圧の発生状態について、説明する。先ず、ベーン24がシリンダ22の内側に向かいベーン収容溝42を摺動する際に、潤滑溝48に溜まっていた潤滑油は、ベーン24の摺動に伴って遅れて移動し、潤滑溝48のV字型の頂点49に寄せ集められる。次に、頂点49に収まらない潤滑油は、頂点49から溢れ出し、潤滑溝48の外側へと押し上げられる。これにより、ベーン収容面43とベーン24との間に油膜が形成される。即ち、図6に示すように、V字型の頂点49から溢れ出した潤滑油は、ベーン24とベーン収容面43との間に割り込むことで、ベーン24とベーン収容面43との間に圧力を発生させる。このため、ベーン24は、ベーン収容面43に接触しない。なお、前述のように、潤滑溝48は、頂点49がシリンダ22の中心側を向いたV字型であった場合、ベーン24がシリンダ22の外側に向かいベーン収容溝42を摺動する際に、ベーン24とベーン収容面43との間に油圧を発生させることが出来る。また、頂点49がシリンダ22の外側及び内側を向いた菱型の形状であった場合、いずれの摺動方向であっても、ベーン24とベーン収容面43との間に油圧を発生させることが出来る。
(吸入管2、吐出管3)
吸入管2は、密閉容器5の下部に接続され、低圧の冷媒が通る管である。吸入管2には、アキュムレータ4が設けられる。アキュムレータ4は、冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離するものである。吐出管3は、密閉容器5の上部に接続され、圧縮された冷媒をロータリ型圧縮機1の外に排出する管である。
ここで、ロータリ型圧縮機1の動作について説明する。ロータリ型圧縮機1は、電動部6が駆動すると、クランク軸21の偏心軸部33に嵌合された偏心リング23が偏心回転し、圧縮室41内において冷媒を圧縮する。吸入管2から流入した冷媒は、低圧且つ低温の吸入ガスから高圧且つ高温の吐出ガスに圧縮される。圧縮室41で圧縮された冷媒は、吐出ポート46を通じて、上軸受25の吐出孔から吐出マフラ26と上軸受25との間に形成される空間に吐出された後、吐出マフラ26の吐出穴から密閉容器5内に吐出される。圧縮室41から吐出マフラ26を介して密閉容器5内に吐出された高圧且つ高温の冷媒ガスは、電動部6内を通過し、密閉容器5内を上昇し、密閉容器5の上部に設けられた吐出管3から密閉容器5の外部へ吐出される。また、潤滑油は、圧縮室41内において高圧となった冷媒ガスと混合され、密閉容器5の中に吐出された際にはミスト状となる。その後、ミスト状の潤滑油は、密閉容器5内の回転子12の回転に伴う遠心力等によって吐出される冷媒ガスと分離されて密閉容器5の底部に戻される。
本実施の形態1によれば、ベーン収容面43とベーン24とのいずれか一方には、潤滑油が溜まる溝である潤滑溝48が形成されている。このため、潤滑溝48に溜まっている潤滑油は、ベーン24の摺動に伴って移動し、ベーン24の端部に寄せ集められる。この際に、潤滑溝48の端部に収まらない潤滑油は、潤滑溝48の端部から溢れだし、潤滑溝48の外側へと押し上げられる。これにより、ベーン収容面43とベーン24との間には、油膜が形成され、ベーン24とベーン収容溝42との摺動抵抗の増大が抑制される。したがって、ベーン24は、偏心リング23に当接し、高圧室52から低圧室51に冷媒が漏出することを抑制することができる。
また、本実施の形態1によれば、潤滑溝48の上下方向の長さは、ベーン収容面43又はベーン24のうち、潤滑溝48の形成されている一方の高さ未満である。このため、冷媒は、潤滑溝48の端部から流れ出さない。したがって、高圧室52の高圧の冷媒が低圧室51に漏出し、圧縮効率が低下することを抑制することが出来る。
更に、本実施の形態1によれば、潤滑溝48は、頂点49がシリンダ22の外側を向いたV字型の形状をしている。このため、ベーン24がシリンダ22の内側に向かいベーン収容溝42を摺動する際に、潤滑溝48に溜まっていた潤滑油は、ベーン24の摺動に伴って遅れて移動し、潤滑溝48のV字型の頂点49に寄せ集められる。この際に、頂点49に収まらない潤滑油は、頂点49から溢れ出し、潤滑溝48の外側へと押し上げられる。これにより、ベーン収容面43とベーン24との間に油膜が形成され、ベーン収容面43とベーン24との摺動抵抗の増大が抑制される。したがって、ベーン24は、偏心リング23に常に当接し、高圧室52から低圧室51に冷媒が漏出することを抑制することができる。
図7は、実施の形態1に係るシリンダ22及びベーン24を示す上視図である。図7を用いて、圧縮部7が駆動している際のベーン24に掛かる力について、説明する。圧縮部7が駆動している際、ベーン24の側面は、高圧室52側と低圧室51側との圧力の差により、偏心リング23に当接する端部が低圧室51側に荷重(F0)を受けるため、ベーン収容面43に対して傾きながら摺動する。このため、ベーン収容面43の吸入側側面53の内周側及び吐出側側面54の外周側には、ベーン24との摩擦が生じる。即ち、ベーン24には、吸入側側面53の内周側の摺動抵抗(F1)及び吐出側側面54の外周側の摺動抵抗(F2)が掛けられる。また、ベーン24には、ベーンスプリング47及び背圧室44と圧縮室41との差圧によって、ベーン24を偏心リング23に押し付ける力(F3)が掛かっている。
図8は、比較例に係るシリンダ222及びベーン224を示す上視図である。比較例に係る圧縮部7は、ベーン224及びベーン収容面243に潤滑溝が形成されていない。図8を用いて、圧縮部7が駆動している際のベーン224に掛かる力について、説明する。圧縮部7が駆動している際、ベーン224の側面は、高圧室52側と低圧室51側との圧力の差により、偏心リング23に当接する端部が低圧室51側に荷重(F0)を受けるため、ベーン収容面243に対して傾きながら摺動する。このため、ベーン収容面243の吸入側側面253の内周側及び吐出側側面254の外周側には、ベーン224との摩擦が生じる。即ち、ベーン224には、吸入側側面253の内周側の摺動抵抗(F1)及び吐出側側面254の外周側の摺動抵抗(F2)が掛けられる。また、ベーン24には、ベーンスプリング47及び背圧室44と圧縮室41との差圧によって、ベーン224を偏心リング23に押し付ける力(F3)が掛かっている。
図9は、比較例に係るクランク軸21の角位相とベーン224の摺動抵抗とを示すグラフである。図9の縦軸は、ベーン224に発生する力を示し、図9の横軸は、クランク軸21の角位相を示している。クランク軸21の角位相は、偏心リング23が背圧室44に最も近い状態を0°とし、偏心リング23が背圧室44から最も遠い状態を180°としたものであって、クランク軸21の回転方向に合わせて値が増加する。クランク軸21の角位相が180°付近において、ベーン224とベーン収容面43との接触する面積が最大化すると共に、高圧室52からの荷重(F0)が大きくなる。このため、図9に示すように、ベーン収容面43の摺動抵抗(F1+F2)は、角位相180°付近において、最大値をとる。
また、ベーン224を偏心リング23に押し付ける力(F3)は、クランク軸21の角位相が180°付近において、ベーンスプリング47が伸びきると共に、背圧室44と圧力室との差圧が小さくなる。このため、図9に示すように、ベーン224を偏心リング23に押し付ける力(F3)は、クランク軸21の角位相が180°付近において、最小値をとる。したがって、クランク軸21の角位相が180°付近の際に、F1+F2>F3を示すようになる。
図10は、比較例に係るベーン224摺動時の油圧の発生状態を示すグラフである。図10に示すように、ベーン224とベーン収容面243との間には、油圧が発生していないため、クランク軸21の角位相が180°付近の際、ベーン収容面43の摺動抵抗(F1+F2)の値は、小さくならない。即ち、ベーン224が偏心リング23に押し付けられる力よりも摺動に対し抵抗する力の方が大きいため、ベーン224は、偏心リング23から離れる。したがって、ベーン224が偏心リング23に再び接触する際に騒音が生じる虞がある。
これに対して、本実施の形態1によれば、ベーン収容面43とベーン24とのいずれか一方には、潤滑油が溜まる溝である潤滑溝48が形成されている。このため、ベーン24が摺動する際に、潤滑溝48に溜まり込んだ潤滑油は、ベーン24の摺動に伴って移動し、ベーン24の端部に寄せ集められる。この際に、潤滑溝48の端部に収まらない潤滑油は、潤滑溝48の端部から溢れだし、潤滑溝48の外側へと押し上げられる。これにより、ベーン収容面43とベーン24との間には、油膜が形成され、ベーン24とベーン収容溝42との摺動抵抗(F1+F2)の増大が抑制される。したがって、ベーン24が偏心リング23に常に当接するため、騒音が生じることを抑制することができる。
ここで、潤滑溝48は、ベーン収容面43及びベーン24のいずれにも形成されていてもよいが、本実施の形態1では、潤滑溝48がベーン収容面43及びベーン24のいずれか一方にのみ形成されている場合について例示している。これにより、ベーン収容面43及びベーン24の双方に潤滑溝48が形成されている際、一方の潤滑溝48から押し上げられた潤滑油が他方の潤滑溝48に入ったり、潤滑溝48同士が引っ掛かってしまい、摺動抵抗が大きくなったりすることを抑制できる。
実施の形態2.
図11は、実施の形態2に係るベーン収容面143を示す側視図である。図12は、実施の形態1、実施の形態2及び比較例に係る摩擦係数を示すグラフである。図12の縦軸は、ベーン24、ベーン124及びベーン224とベーン収容面43、ベーン収容面143及びベーン収容面243との摩擦係数を示し、各棒グラフは、それぞれ、左から実施の形態2、実施の形態1及び比較例を示す。図11に示すように、本実施の形態2は、ベーン収容面143が超平滑面である点で実施の形態1と相違する。本実施の形態2では、実施の形態1と同一の部分は同一の符合を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
ベーン収容面143は、表面の粗さの値が十点平均粗さで0.3μm以下となるような超平滑な表面性状を有している。なお、潤滑溝48は、ベーン124ではなく、ベーン収容面143に形成されていてもよく、この場合、ベーン124は、表面の粗さの値が十点平均粗さで0.3μm以下となるような超平滑な表面性状を有する。
概して、潤滑溝から押し上げられた潤滑油の厚さがベーン収容面の表面の凸部より薄い場合、ベーン収容面とベーンとは、接触する虞がある。本実施の形態2によれば、ベーン収容面143は、図11に示すように、表面の粗さの値が十点平均粗さで0.3μm以下となるような超平滑な表面性状を有している。このため、ベーン収容面143は、表面の凹凸が小さくなることで、厚さが潤滑溝48から押し上げられた潤滑油の厚さより厚くなりづらい。即ち、ベーン収容面143とベーン124との間には、油膜がより確実に形成される。図12に示すように、本実施の形態2の摩擦係数は、0.026μkである。また、実施の形態1の摩擦係数は、0.122μkである。そして、比較例の摩擦係数は、0.142μkである。即ち、本実施の形態2において、ベーン124とベーン収容面143とは、摩擦係数が小さく、摺動抵抗の増大が抑制される。したがって、ベーン124は、偏心リング23に常に当接するため、高圧室52から低圧室51に冷媒が漏出することを抑制することができる。
1 ロータリ型圧縮機、2 吸入管、3 吐出管、4 アキュムレータ、5 密閉容器、6 電動部、7 圧縮部、8 油溜まり、11 固定子、12 回転子、21 クランク軸、22 シリンダ、23 偏心リング、24 ベーン、25 上軸受、26 吐出マフラ、27 下軸受、31 主軸部、32 副軸部、33 偏心軸部、41 圧縮室、42 ベーン収容溝、43 ベーン収容面、44 背圧室、45 吸入ポート、46 吐出ポート、47 ベーンスプリング、48 潤滑溝、49 頂点、51 低圧室、52 高圧室、53 吸入側側面、54 吐出側側面、124 ベーン、143 ベーン収容面、222 シリンダ、224 ベーン、243 ベーン収容面、253 吸入側側面、254 吐出側側面。

Claims (2)

  1. 内部に冷媒が満たされる密閉容器と、
    前記密閉容器に格納され、冷媒を圧縮する圧縮部と、
    前記密閉容器に格納され、前記圧縮部を駆動する電動部と、を備え、
    前記圧縮部は、
    径方向に凹状であり、潤滑油が流れるベーン収容溝が形成された円筒状のシリンダと、
    前記ベーン収容溝に収容されるベーンと、を有し、
    前記ベーン収容溝の側壁であるベーン収容面と前記ベーンにおける前記ベーン収容面に対向する面とのいずれか一方には、
    縁部分に平面部が形成されており、前記平面部よりも内側に前記シリンダの径方向に並び、前記潤滑油が溜まる凹状の複数の潤滑溝が形成され
    全ての前記潤滑溝は、
    頂点が前記シリンダの外側に位置するV字型の形状をしている
    ロータリ型圧縮機。
  2. 前記ベーン収容面又は前記ベーンのうち、前記潤滑溝の形成されていない一方は、
    表面粗さの値が十点平均粗さで0.3μm以下の超平滑な表面性状を有する
    請求項1に記載のロータリ型圧縮機。
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