JP4483303B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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この発明は、車両用の電動パワーステアリング装置に関し、特に、ラック軸に大きな外力が作用してモータに定格電流以上の過電流が流れた場合に、モータ駆動回路を構成する半導体素子を駆動するPWM信号のデューテイ比を制限してモータ電流を減少させ、操舵フィーリングを損うことなくモータを保護する保護機能を備えた電動パワーステアリング装置に関する。
車両用の電動パワーステアリング装置は、少なくとも操舵輪の操作により発生した操舵トルクを検出し、検出された操舵トルクに応じた電流を操舵補助用のモータに供給し、操舵力を補助するように構成されている。
図4は、従来の電動パワーステアリング装置の構成の概略を説明する図で、操向ハンドル1の軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a、4b、ラックピニオン機構5を経て操向車輪のタイロッド6に結合されている。軸2には操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、操舵補助用のモータ20がクラッチ21、減速ギア3を介して軸2に結合されている。
電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット30は、バッテリ14からイグニッションキー11及びリレー13を経て電力が供給される。コントロールユニット30は、後述するように、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速Vとに基づいて操舵補助指令値Iを演算し、必要に応じて前記演算された操舵補助指令値Iに種々の補正値を加算してモータ20に供給するモータ電流制御値Eを決定する。そして、モータ20に流れる電流を検出してフィードバック制御が行われる。
図5は、上記したコントロールユニット30の構成を説明するブロック図である。コントロールユニット30はCPUで構成されており、図5ではCPUで実行される機能を示している。即ち、例えば、位相補償器31は独立した回路で構成された位相補償器ではなく、CPUで実行される位相補償機能を示している。なお、図5に示すそれぞれの機能要素をハードウエアで構成することもできることは言うまでもない。
コントロールユニット30の機能及び動作を説明する。トルクセンサ10で検出された操舵トルクTは、操舵系の安定性を高めるために位相補償器31で位相補償され、位相補償された操舵トルクTAが操舵補助指令値演算器32に入力される。
操舵補助指令値演算器32は、入力された操舵トルクTA、及び車速センサ12で検出された車速Vとに基づいてモータ20に供給する電流の制御目標値である操舵補助指令値Iを決定するが、操舵補助指令値演算器32には車速Vをパラメータとして操舵トルクTAに対応する操舵補助指令値Iを格納したメモリ33が接続されており、車速Vと操舵トルクTAとから操舵補助指令値Iを求めることができる。
減算器30Aでは、入力された操舵補助指令値Iとモータ電流検出値iの差(I−i)が演算されて比例演算器35に入力されると共に、応答速度を高めるために微分補償器34に入力される。比例演算器35の出力は、フィードバック系の特性を改善するために積分演算器36に入力される。加算器30Bには比例演算器35の出力、微分補償器34の出力、積分演算器36の出力が入力され、モータ20に供給するモータ電流制御値Eが出力され、モータ駆動信号としてモータ制御回路37Aを経てモータ駆動回路37Bに入力される。モータ20に流れる電流iはモータ電流検出回路38で検出され、減算器30Aにフィードバックされ、フィードバック制御が行われる。
モータ制御回路37A及びモータ駆動回路37Bは、電界効果トランジスタFET1〜FET4で構成されるHブリッジ回路と、モータ電流制御値Eに基づいて決定されたデューテイ比DでFET1〜FET4のゲートを駆動するゲート駆動回路、その他から構成される。モータ制御回路37A及びモータ駆動回路37Bの詳細は後で説明する。
上記したコントロールユニット30には、モータがロックされるなど装置が故障を起こした場合に、モータに過電流が流れて焼損することを防止するため、第1過電流検出回路40が設けられており、モータ電流検出回路38で検出されたモータ電流は第1過電流検出回路40にも入力される。ここで装置の故障に基づく過電流が検出されたときは、モータ駆動回路37Bにモータへの給電を遮断する遮断信号BSが出力され、モータ20への給電が遮断されるように構成されている。
このほか、例えば据え切り状態で操向ハンドルを操作しているときなどでは、大きな操舵補助力を供給するためにPWM信号のデューテイ比Dは100%近くになっているが、この状態において、例えば、操向ハンドルが限界回転角度まで回転してラックエンドに当たったような場合は、操向ハンドルの回転が停止されるから、モータも突然に停止して回転速度が零になる。このとき、CPUでは操舵角速度やモータ電流、その他を検出するためのサンプリングが実行されているから、モータが停止する前のサンプリングによりPWM信号のデューテイ比Dが決定されていると、デューテイ比Dは100%近くにあるから、モータはロックされた状態にありながらモータ電流(過電流(ロック電流))が流れてモータが焼損してしまうおそれがある。
このため、本来の装置の故障ではないが、モータに流れる過電流を検出する第2過電流検出回路41が設けられており、所定の限界値を越えた過電流が検出されたときは、モータ制御回路37Aにモータ電流を制限する制限信号CSが出力され、PWM信号のデューテイ比Dを下げる処理を行うように構成されている。ここで、第2過電流検出回路41で検出される過電流値は、第1過電流検出回路40で検出される過電流値よりも小さく設定されている。
図6は、図5に示したモータ制御回路37A及びモータ駆動回路37Bの構成を説明する図である。モータ制御回路37Aは、FETゲート駆動回路371とFETのハイサイドを駆動する昇圧電源372から構成される。そして入力されたモータ電流制御値Eに基づいて決定されたデューテイ比Dの信号を、モータ駆動回路37BのFET1〜FET4のゲートに出力する。
この他、モータ制御回路37Aには、前記したモータへの給電を制限する制限信号CSが入力され、モータ電流制御値Eに基づいて決定されたPWM信号のデューテイ比Dを、所定の比率で制限する構成を備えている。前記したモータへの給電を制限する制限信号CSは、例えばモータ温度やバッテリ電圧に応じてデューテイ比Dを制限するようにしてもよい。バッテリ電圧に応じてデューテイ比Dを制限するときは、バッテリ電圧が高い状態でもモータへ大電流が流れないように制限することができる。
モータ駆動回路37Bは電界効果トランジスタ(FET)のゲートを駆動するゲート回路373とFET1〜FET4で構成されるHブリッジ回路から構成される。FET1又はFET2は、モータ電流制御値Eに基づいて決定されるデューテイ比D1のPWM信号(パルス幅信号)によりON/OFF制御され、モータに流れる電流の大きさが制御される。このときFET3又はFET4は導通状態に維持されるか、或いは、デューテイ比D1の小さい領域では、デューテイ比D1の関数で定義されるD2(D2=a・D1+b 但しa、bは定数)のPWM信号によりON/OFF制御するようにしてもよい。
また、ゲート回路373には、前記した装置の故障に基づく過電流が検出されたとき出力される遮断信号BSが入力される構成を備え、遮断信号BSが入力されるとモータ20への給電が遮断される。
モータを正方向に回転させるときは、FET1をデューテイ比D1のPWM信号で駆動し、FET3を導通状態(或いはデューテイ比D2で駆動)する。またモータを負方向に回転させるときは、FET2をデューテイ比D1のPWM信号で駆動し、FET4を導通状態(或いはデューテイ比D2で駆動)する。以上の構成は、電動パワーステアリング装置として公知のものである(特許文献1参照)。
特開平11−240459号公報。
上記したコントロールユニットでは、モータ駆動回路に第2過電流検出回路を設けてあるので、通常の操舵においてもモータに過電流が検出されたときは、デューテイ比Dを下げてモータ電流を制限する制御が行われることになる。しかしながら通常の操舵において過電流が検出されたとき、デューテイ比Dを下げてモータ電流を制限する制御を行うと、モータ電流が急激に変化して操舵フィーリングを悪くしてしまう。通常の操舵において、操舵フィーリングを悪くしないように、且つ、モータに過電流が流れないようにデューテイ比Dを調整することは極めて困難であった。この発明はこの課題を解決することを目的とするものである。
この発明は上記課題を解決するもので、請求項1の発明は、少なくともステアリングシャフトに発生する操舵トルク信号と車速信号とに基づいて演算された電流指令値と検出されたモータ電流値とから演算された電流制御値に基づいてステアリング機構に操舵補助力を与えるモータの出力を制御する電動パワーステアリング装置において、半導体素子をHブリッジに接続して構成したブリッジ回路の入力端子間に電源を、出力端子間にモータを接続し、モータと電源との間にモータ電流検出手段を接続したモータ駆動手段と、前記モータ駆動手段の前記ブリッジ回路の半導体素子を駆動するPWM信号のデューテイ比に基づいて前記モータ駆動手段を制御するモータ制御手段とを備え、前記モータ制御手段は、予め2以上の多段階に設定されたモータ電流のしきい値に対応して2以上の多段階にデューテイ比が設定されたデューテイ比制限手段を有し、前記デューテイ比制限手段は、検出されたモータ電流値が前記予め2以上の多段階に設定されたモータ電流のしきい値の中のいずれかのしきい値を越えたとき、当該越えたしきい値に対応するデューテイ比にPWM信号のデューテイ比を制限することを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
そして、前記デューテイ比制限手段は、検出されたモータ電流値が前記予め2以上の多段階に設定されたモータ電流のしきい値の中の第1のしきい値を越えたときは、前記PWM信号のデューテイ比を前記第1のしきい値に対応した第1のデューテイ比に制限し、検出されたモータ電流値が前記予め2以上の多段階に設定されたモータ電流のしきい値の中の第1のしきい値よりも大きい第2のしきい値を越えたときは、前記PWM信号のデューテイ比を前記第1のデューテイ比よりも小さい前記第2のしきい値に対応した第2のデューテイ比に制限する。
また、前記予め設定されたモータ電流のしきい値は、検出されたモータ電流が増加する場合のしきい値とモータ電流が減少する場合のしきい値とで、異なる値に設定するとよい。
また、前記予め設定されたモータ電流のしきい値は、検出されたモータ電流が増加する場合のしきい値よりもモータ電流が減少する場合のしきい値の方が小さく設定してもよい。
そして、前記モータ制御手段は、前記検出されたモータ電流値が予め設定された第1のしきい値を越えたときは、モータ電流値が減少して第1のしきい値以下になるまで前記デューテイ比制限手段を作動させるよう制御するとよい。
請求項6の発明は、少なくともステアリングシャフトに発生する操舵トルク信号と車速信号とに基づいて演算された電流指令値と検出されたモータ電流値とから演算された電流制御値に基づいてステアリング機構に操舵補助力を与えるモータの出力を制御する電動パワーステアリング装置において、半導体素子で構成したブリッジ回路を有するモータ駆動手段と、モータ電流を検出するモータ電流検出手段と、前記モータ駆動手段のブリッジ回路の半導体素子を駆動するPWM信号のデューテイ比に基づいて前記モータ駆動手段を制御するモータ制御手段とを備え、前記モータ制御手段は、予め2以上の多段階に設定されたモータ電流のしきい値に対応して多段階にデューテイ比が設定されたデューテイ比固定手段を有し、前記デューテイ比固定手段は、検出されたモータ電流値が前記多段階に設定されたモータ電流のしきい値の中のいずれかのしきい値を越えたとき、当該越えたしきい値に対応したデューテイ比にPWM信号のデューテイ比を固定することを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
そして、前記デューテイ比固定手段は、検出されたモータ電流値が予め設定されたモータ電流のしきい値の中の第1のしきい値を越えたときは、前記PWM信号のデューテイ比を前記第1のしきい値に対応した第1のデューテイ比に固定し、検出されたモータ電流値が予め設定されたモータ電流のしきい値の中の第2のしきい値を越えたときは、前記PWM信号のデューテイ比を前記第2のしきい値に対応した第のデューテイ比に固定し、検出されたモータ電流値が予め設定されたモータ電流のしきい値以下に減少するときは前記デューテイ比の固定を解除する。
また、前記予め設定されたモータ電流のしきい値は、検出されたモータ電流が増加する場合のしきい値とモータ電流が減少する場合のしきい値とで、異なる値に設定するとよい。
また、前記予め設定されたモータ電流のしきい値は、検出されたモータ電流が増加する場合のしきい値よりもモータ電流が減少する場合のしきい値の方を小さく設定してもよい。
また、前記デューテイ比固定手段は、検出されたモータ電流値が予め設定された第1のモータ電流のしきい値を越えたときは、モータ電流値が減少して第1のしきい値以下になるまで前記デューテイ比を固定するとよい。
請求項1の発明は、予め2以上の多段階に設定されたモータ電流のしきい値に対応して2以上の多段階のデューテイ比が設定されたデューテイ比制限手段を備え、検出されたモータ電流値が前記多段階に設定されたモータ電流しきい値の中のいずれかのしきい値を越えたとき、当該越えたしきい値に対応したデューテイ比にPWM信号のデューテイ比を制限するものであるから、モータ電流の変化に応じて第1段階、第2段階と段階を追って多段階にモータ電流値を制限することができ、モータの過熱焼損を防止できると共に、モータの駆動は継続されてモータ電流が急激に変化することがないので、操舵フィーリングを悪くしてしまうおそれがない。
請求項の発明は、予め2以上の多段階に設定されたモータ電流のしきい値に対応して2以上の多段階にデューテイ比が設定されたデューテイ比固定手段を備え、検出されたモータ電流値が前記多段階に設定されたモータ電流しきい値の中のいずれかのしきい値を越えたとき、当該越えたしきい値に対応したデューテイ比にPWM信号のデューテイ比を固定するものであるから、モータ電流に応じて第1段階、第2段階と段階を追って多段階にモータ電流値を固定することができ、モータの過熱焼損を防止できると共に、モータの駆動は継続されてモータ電流が急激に変化することがないので、操舵フィーリングを悪くしてしまうおそれがない。
以下、この発明の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態の電動パワーステアリング装置の全体構成の概略は、先に図3を参照して説明した従来構成と変わらないので、説明を省略し、以下、電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニットについて説明する。
図1は、この発明の実施の形態の電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニットの構成を説明するブロック図である。コントロールユニット50の構成は、先に図を参照して説明した従来のコントロールユニット30と類似しているが、モータに流れる過電流を検出する第2過電流検出回路41に代えてデューテイ比制限器51が設けられ、モータ制御回路37A及びモータ駆動回路37Bに代えてモータ制御回路52A及びモータ駆動回路52Bが設けられている。
その他の回路要素の機能は従来のコントロールユニット30と変わらないので、同一回路要素には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
デューテイ比制限器51について説明する。デューテイ比制限器51は、モータに流れる過電流の状態を検出し、過電流の状態に応じてモータ電流を制限するため、モータ制御回路52Aに対してデューテイ比処理信号DSを出力するものであり、モータ制御回路52Aは入力されたデューテイ比処理信号DSに基づいてPWM信号のデューテイ比Dを変更し、モータ電流を制限する。
図2は、モータ制御回路52A及びモータ駆動回路52Bの構成を示す図である。モータ制御回路52Aは、FETゲート駆動回路521とFETのハイサイドを駆動する昇圧電源522から構成される。そして入力されたモータ電流制御値Eに基づいて決定されたデューテイ比Dの信号を、モータ駆動回路52BのFET1〜FET4のゲートに出力する。この他、モータ制御回路52Aには前記したモータへの給電を制限するデューテイ比制限信号DSが入力され、モータ電流制御値Eに基づいて決定されたデューテイ比Dを、所定の比率で制限する構成を備えている。
モータ駆動回路52Bは電界効果トランジスタ(FET)のゲートを駆動するゲート回路523とFET1〜FET4で構成されるHブリッジ回路から構成され、ゲート回路523には、第1過電流検出回路40から、モータがロックされるなど装置が故障を起こした場合にゲート回路523にモータへの給電を遮断する遮断信号BSが入力される。
FET1又はFET2は、モータ電流制御値Eに基づいて決定されるデューテイ比D1のPWM信号(パルス幅信号)によりON/OFF制御され、モータに流れる電流の大きさが制御される。このときFET3又はFET4は導通状態に維持されるか、或いは、デューテイ比D1の小さい領域では、デューテイ比D1の関数で定義されるD2(D2=a・D1+b)のPWM信号によりON/OFF制御するように成してもよい。
なお、モータを正方向に回転させるときは、FET1をデューテイ比D1のPWM信号で駆動し、FET3を導通状態(或いはデューテイ比D2で駆動)する。またモータを負方向に回転させるときは、FET2をデューテイ比D1のPWM信号で駆動し、FET4を導通状態(或いはデューテイ比D2で駆動)する。
図3は、モータ電流検出値の変化の状態、サンプリング時期、過電流の検出時期、デューテイ比の制限状態等を説明するタイミングチャートで、横軸は時間軸である。
まず、モータ電流検出値iの変化の状態は線(A)で示されており、時刻a0においてモータ電流iは第1段階の所定電流値(例えば、88A)を越えたものとする。この状態は直ちに電流検出回路38で検出され、CPUに割込が掛かる。CPUの割込処理において、デューテイ比Dを所定値に固定する処理を指令するクランプフラグを立て(フラグF←1)、デューテイ比Dを第1段階の所定のデューテイ比D(例えばD=30%)に固定する。なお、この例ではモータの定格電流は80Aの場合を示しており、例示したモータ電流iの第1段階の所定のしきい値88Aは、モータの定格電流を10%オーバーした過電流状態である。
以上のとおり、デューテイ比制限器51はクランプフラグF=1を判定し、クランプフラグF=1のとき、即ち、モータ電流が過電流状態にあるときは、CPUではデューテイ比Dを所定値(例えばD=30%)に固定する。
次のサンプリング時刻a1において演算されたデューテイ比Dを読出し、クランプする第1段階の所定のデューテイ比D(例えばD=30%)と比較する。その時点でのデューテイ比Dが第1段階の所定のデューテイ比D(例えばD=30%)よりも大きい場合は、デューテイ比Dを既に設定された第1段階の所定のデューテイ比(例えばD=30%)に維持する。
さらに、サンプリング時刻a2において、モータ電流iが第2段階の所定のしきい値(例えば95A)を越えていることが電流検出回路38で検出されると、その時点での演算されたデューテイ比Dを読出し、クランプする第2段階の所定のデューテイ比D(例えばD=15%)と比較する。その時点でのデューテイ比Dが第2段階の所定のデューテイ比D(例えばD=15%)よりも大きい場合は、デューテイ比Dを第2段階の所定のデューテイ比(例えばD=15%)に固定する。
サンプリング時刻a3において、モータ電流iが第3段階のしきい値(例えば90A)以下に減少したことが電流検出回路38で検出されると、その時点での演算されたデューテイ比Dを読出し、クランプする第1段階の所定のデューテイ比D(例えばD=30%)と比較する。その時点での演算されたデューテイ比Dが第2段階の所定のデューテイ比D(例えばD=15%)より大きく、第1段階のデューテイ比Dより小さい場合は、デューテイ比Dを第1段階の所定のデューテイ比(例えばD=30%)に戻して固定する。
さらに、サンプリング時刻a4において、モータ電流iが第4段階のしきい値(例えば、82A)以下に減少したことが電流検出回路38で検出されると、この状態は直ちに電流検出回路38で検出される。そして、次のサンプリング時刻a5の時点で、デューテイ比Dを所定値に固定する処理を指令するクランプフラグをリセットする(フラグF←0)。サンプリング時刻a5において、デューテイ比Dの制限を解除する。
以上、説明したとおり、デューテイ比制限器51は、モータ電流iが増加する場合はモータ電流iの検出値に応じてデューテイ比Dを2段階に制限し、モータ電流iが減少する場合はモータ電流iの検出値に応じてデューテイ比Dの制限を2段階に解除するように構成した。
これにより、モータ電流iが第1段階のしきい値である所定電流値を越えていることが検出されたときは、デューテイ比Dを第1段階の所定値に固定してモータの駆動を継続することができる。そして、その後、さらにモータ電流iが第2段階のしきい値を越えていることが検出されたときは、デューテイ比Dを第1段階の所定値よりもさらに制限した第2段階の所定値に固定してモータの駆動を継続するから、モータ電流iを大幅に抑制しながらモータの駆動を継続することができ、操舵フィーリングを悪くすることなしにモータ駆動回路の過熱焼損を防止することができる。
さらに、モータ電流が減少する場合は、モータ電流検出値に応じてデューテイ比Dを2段階に解除するが、デューテイ比Dの制限解除を行うモータ電流のしきい値を、モータ電流が増加する場合のデューテイ比Dの制限を行うモータ電流のしきい値とは異なる値として、再びモータ電流が過電流状態に突入する可能性を排除している。
以上説明した実施の形態では、モータ電流検出値に応じてデューテイ比Dを2段階に制限するように構成されているが、デューテイ比Dを2以上の多段階に制限するように構成してもよい。即ち、予め設定された2以上の多段階のモータ電流しきい値に対応して2以上の多段階のデューテイ比を設定しておき、モータ電流検出値がモータ電流しきい値のどの段階に属するかを判定して、デューテイ比を2以上の多段階に制限する。この構成によれば、モータ電流値の変化に応じて2以上の多段階にモータ電流値を制限するから、デューテイ比Dを2段階に制限する構成よりもさらにモータ電流の急激な変化を抑え、一層操舵フィーリングの改善ができる。
この発明は、車両用の電動パワーステアリング装置であって、ラック軸に大きな外力が作用するなどしてモータに定格電流以上の過電流が流れた場合に、検出されたモータ電流に応じてモータ駆動回路を構成する半導体素子を駆動するPWM信号のデューテイ比を制限してモータ電流を減少させ、操舵フィーリングを損うことなくモータ駆動回路の過熱焼損を防止する保護機能を備えた電動パワーステアリング装置である。
電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニットの構成を説明するブロック図。 モータ制御回路及びモータ駆動回路の構成を示す図。 モータ電流の変化の状態、サンプリング時期、過電流の検出時期、デューテイ比の制限状態を説明するタイミングチャート。 従来の電動パワーステアリング装置の構成の概略を説明する図。 従来のコントロールユニットの構成を説明するブロック図。 従来のモータ制御回路及びモータ駆動回路の構成を示す図。
符号の説明
1 操向ハンドル
2 軸
3 減速ギア
4a、4b ユニバーサルジョイント
5 ラックピニオン機構
6 タイロッド
10 トルクセンサ
12 車速センサ
20 モータ
21 クラッチ
30 コントロールユニット
30A 減算器
30B 加算器
31 位相補償器
32 操舵補助指令値演算器
33 メモリ
34 微分補償器
35 比例演算器
36 積分演算器
37A モータ制御回路
37B モータ駆動回路
38 モータ電流検出回路
40 第1過電流検出回路
50 コントロールユニット
51 デューテイ比制限器
52A モータ制御回路
52B モータ駆動回路

Claims (10)

  1. 少なくともステアリングシャフトに発生する操舵トルク信号と車速信号とに基づいて演算された電流指令値と検出されたモータ電流値とから演算された電流制御値に基づいてステアリング機構に操舵補助力を与えるモータの出力を制御する電動パワーステアリング装置において、
    半導体素子をHブリッジに接続して構成したブリッジ回路の入力端子間に電源を、出力端子間にモータを接続し、モータと電源との間にモータ電流検出手段を接続したモータ駆動手段と、
    前記モータ駆動手段の前記ブリッジ回路の半導体素子を駆動するPWM信号のデューテイ比に基づいて前記モータ駆動手段を制御するモータ制御手段と
    を備え、
    前記モータ制御手段は、予め2以上の多段階に設定されたモータ電流のしきい値に対応して2以上の多段階にデューテイ比が設定されたデューテイ比制限手段を有し、
    前記デューテイ比制限手段は、検出されたモータ電流値が前記予め2以上の多段階に設定されたモータ電流のしきい値の中のいずれかのしきい値を越えたとき、当該越えたしきい値に対応したデューテイ比にPWM信号のデューテイ比を制限すること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記デューテイ比制限手段は、検出されたモータ電流値が前記予め2以上の多段階に設定されたモータ電流のしきい値の中の第1のしきい値を越えたときは、前記PWM信号のデューテイ比を前記第1のしきい値に対応した第1のデューテイ比に制限し、検出されたモータ電流値が前記予め2以上の多段階に設定されたモータ電流のしきい値の中の第1のしきい値よりも大きい第2のしきい値を越えたときは、前記PWM信号のデューテイ比を前記第1のデューテイ比よりも小さい前記第2のしきい値に対応した第2のデューテイ比に制限すること
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記予め設定されたモータ電流のしきい値は、検出されたモータ電流が増加する場合のしきい値とモータ電流が減少する場合のしきい値とで、異なる値に設定されていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記予め設定されたモータ電流のしきい値は、検出されたモータ電流が増加する場合のしきい値よりもモータ電流が減少する場合のしきい値の方が小さく設定されていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記モータ制御手段は、前記検出されたモータ電流値が予め設定された第1のしきい値を越えたときは、モータ電流値が減少して第1のしきい値以下になるまで前記デューテイ比制限手段を作動させること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 少なくともステアリングシャフトに発生する操舵トルク信号と車速信号とに基づいて演算された電流指令値と検出されたモータ電流値とから演算された電流制御値に基づいてステアリング機構に操舵補助力を与えるモータの出力を制御する電動パワーステアリング装置において、
    半導体素子で構成したブリッジ回路を有するモータ駆動手段と、
    モータ電流を検出するモータ電流検出手段と、
    前記モータ駆動手段のブリッジ回路の半導体素子を駆動するPWM信号のデューテイ比に基づいて前記モータ駆動手段を制御するモータ制御手段とを備え、
    前記モータ制御手段は、予め2以上の多段階に設定されたモータ電流のしきい値に対応して2以上の多段階にデューテイ比が設定されたデューテイ比固定手段を有し、
    前記デューテイ比固定手段は、検出されたモータ電流値が前記予め2以上の多段階に設定されたモータ電流のしきい値の中のいずれかのしきい値を越えたとき、当該越えたしきい値に対応したデューテイ比にPWM信号のデューテイ比を固定すること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  7. 前記デューテイ比固定手段は、検出されたモータ電流値が予め設定されたモータ電流のしきい値の中の第1のしきい値を越えたときは、前記PWM信号のデューテイ比を前記第1のしきい値に対応した第1のデューテイ比に固定し、検出されたモータ電流値が予め設定されたモータ電流のしきい値の中の第2のしきい値を越えたときは、前記PWM信号のデューテイ比を前記第2のしきい値に対応した第2のデューテイ比に固定し、検出されたモータ電流値が予め設定されたモータ電流のしきい値以下に減少するときはデューテイ比の固定を解除すること
    を特徴とする請求項6に記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 前記予め設定されたモータ電流のしきい値は、検出されたモータ電流が増加する場合のしきい値とモータ電流が減少する場合のしきい値とで、異なる値に設定されていること
    を特徴とする請求項6又は7に記載の電動パワーステアリング装置。
  9. 前記予め設定されたモータ電流のしきい値は、検出されたモータ電流が増加する場合のしきい値よりもモータ電流が減少する場合のしきい値の方が小さく設定されていること
    を特徴とする請求項6又は7に記載の電動パワーステアリング装置。
  10. 前記デューテイ比固定手段は、検出されたモータ電流値が予め設定された第1のモータ電流のしきい値を越えたときは、モータ電流値が減少して第1のしきい値以下になるまで前記デューテイ比を固定すること
    を特徴とする請求項6又は7に記載の電動パワーステアリング装置。
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