JP4483111B2 - プラント運転監視装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラントの運転状態を監視するプラント運転監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプラント運転監視装置は、プラントを構成する各種機器のプロセスデータのレベルやその短期間における変化率に各々設定されたしきい値に対し、レベルや変化率がこのしきい値を越えない場合はプラントの運転状態は正常状態にあるとし、しきい値を越えた場合にはプラントの運転状態が異常状態にあるとして警報を発するものである。
【0003】
また上記技術以外にも、特開2000−29513号公報には、プロセスデータのある短い期間における平均値と移動平均値との残差の尖り度あるいは歪み度を算出して上記しきい値を求めてる技術が開示されている。一方、特開平7−210239号公報には、モデル式を用いたプラントの異常判定技術が開示されている。さらに、特開2000−99333号公報には、AI手法の1つである事例ベース推論を利用したプラントの監視技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記各種従来技術では、プラントの緩やかな状態変化の傾向を検出することができない。例えば、プラントの構成機器の1つである弁が経年的に徐々に目詰まりしている場合、当該弁を通過する流体の流量(プロセス値)は徐々に小さくなる傾向となるが、従来技術では、このようなプロセス値の緩やかな単調変化を検出することができない。この緩やかな単調変化は、プラントの差し迫った異常状態を示すものではないが、プラントの運転状態を把握する上で極めて重要である。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたものであり、プラントの緩やかな状態変化の傾向を監視することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、プラント運転監視装置に係わる第1の手段として、プラントから時々刻々と入力されるプロセス値を時系列的なプロセスデータに変換するデータ登録部と、上記プロセスデータを順次記憶する記憶部と、該記憶部に記憶された所定の検査区間K内の複数のプロセスデータを統計処理することによりプロセス値の変化傾向を検出する監視部とを具備する手段を採用する。
【0007】
また、プラント運転監視装置に係わる第2の手段として、上記第1の手段において、監視部は、検査区間Kの始点taと終点tbとの間に境界点tcを設定することにより検査区間Kを第1検査区間T1と該第1検査区間T1以外の第2検査区間T2とに区分し、上記境界点tcを終点tbに向けて所定幅で順次移動させた場合の複数の第1検査区間T1及び第2検査区間T2について最小二乗法による一次近似式と当該一次近似式に対するプロセス値の分散とをそれぞれ求め、この各分散が所定の分散しきい値よりも小さく、かつ一次近似式の傾きが所定の傾斜しきい値よりも大きい場合にプロセス値が一定の変化傾向を有すると判断するという手段を採用する。
【0008】
さらに、プラント運転監視装置に係わる第3の手段として、上記第2の手段において、監視部は、第1検査区間T1及び第2検査区間T2の各分散の中で最も小さい分散を求め、当該最も小さい分散が所定の分散しきい値よりも小さい場合に、この最も小さい分散に対応する境界点tcをプロセス値の変化開始点とするという手段を採用する。
【0009】
プラント運転監視装置に係わる第4の手段として、上記第1〜第3いずれかの手段において、データ登録部は、プロセス値と共に制御における目標値及び制御量をも時系列的に記憶部に順次記憶させ、監視部は、制御量の目標値への追従状態に基づいてプラントがプラント制御装置の制御下にあるか否かを監視するという手段を採用する。
【0010】
プラント運転監視装置に係わる第5の手段として、上記第1〜第4いずれかの手段において、監視部は、プロセス値のレベルが所定のレベルしきい値を越えた場合あるいはプロセス値の変化率が所定の変化率しきい値を越えた場合にプラントが異常であると判断するという手段を採用する。
【0011】
一方、本発明では、プラント運転監視方法に係わる第1の手段として、プラントから時々刻々と得られるプロセス値のうち、所定の検査区間K内のプロセス値を統計処理することにより当該プロセス値の変化傾向を検出するという手段を採用する。
【0012】
また、プラント運転監視方法に係わる第2の手段として、上記第1の手段において、検査区間Kの始点taと終点tbとの間に境界点tcを設定することにより検査区間Kを第1検査区間T1と該第1検査区間T1以外の第2検査区間T2とに区分し、前記境界点tcを終点tbに向けて所定幅で順次移動させた場合の複数の第1検査区間T1及び第2検査区間T2について最小二乗法による一次近似式と当該一次近似式に対するプロセス値の分散とをそれぞれ求め、この各分散が所定の分散しきい値よりも小さく、かつ一次近似式の傾きが所定の傾斜しきい値よりも大きい場合にプロセス値が一定の変化傾向を有すると判断するという手段を採用する。
【0013】
さらに、プラント運転監視方法に係わる第3の手段として、上記第2の手段において、第1検査区間T1及び第2検査区間T2の各分散の中で最も小さい分散を求め、当該最も小さい分散が所定の分散しきい値よりも小さい場合に、この最も小さい分散に対応する境界点tcをプロセス値の変化開始点とするという手段を採用する。
【0014】
プラント運転監視方法に係わる第4の手段として、上記第1〜第3いずれかの手段において、プロセス値と共に制御における目標値及び制御量をも時系列的に順次記憶し、制御量の目標値への追従状態に基づいてプラントがプラント制御装置の制御下にあるか否かを監視するという手段を採用する。
【0015】
プラント運転監視方法に係わる第5の手段として、上記第1〜第4いずれかの手段において、プロセス値のレベルが所定のレベルしきい値を越えた場合あるいはプロセス値の変化率が所定の変化率しきい値を越えた場合にプラントが異常であると判断するという手段を採用する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係わるプラント運転監視装置及び方法の一実施形態について説明する。
【0017】
図1は、本実施形態におけるプラント運転監視装置のブロック図である。この図に示すように、本プラント運転監視装置は、プラントデータ登録部1、プラントデータ記憶部2、プラントデータ監視部3、パラメータ設定部4及び出力部5から構成されている。
【0018】
プラントデータ登録部1は、プラント制御装置から取得したプラント状態量(アナログ量)を時系列的なプラントデータ(デジタル値)に変換し、該プラントデータをプラントデータ記憶部2に記憶させるものである。ここで、上記プラント状態量は、▲1▼プラントを構成する各種機器のプロセス値、▲2▼これら各種機器を制御するためにプラント制御装置に入力される目標値と制御量とである。
【0019】
プラントデータ登録部1は、連続的なアナログ量としてのプロセス値を所定のタイムインターバルでサンプリングすることによりデジタル化し、このデジタルデータにタイムスタンプを付与することにより時系列的なプロセスデータに変換する。また、プラントデータ登録部1は、同じくアナログ量である目標値及び制御量を同様にして各々デジタル化し、タイムスタンプを付与することにより時系列的な目標値データ及び制御量データに変換する。
【0020】
プラントデータ記憶部2は、プラントデータ登録部1から時々刻々と入力されるプラントデータ(つまり▲1▼プロセスデータ、▲2▼目標値データ、▲3▼制御量データ)を1組とし、タイムスタンプに対応させて順次記憶するデータベースである。すなわち、このプラントデータ記憶部2は、外部からタイムスタンプを指定することにより、上記4つのデータからなるプラントデータを読み出せるように構成されている。
【0021】
プラントデータ監視部3は、このようなプラントデータに基づいてプラントの運転状態を監視するものである。このプラントデータ監視部3は、プラントデータ記憶部2(データベース)から読み出したプラントデータのうち、プロセスデータに統計処理を施すことによりプロセス値の緩やかな単調変化を監視すると共に、目標値データ及び制御量データに基づいてプラントがプラント制御装置の制御下にあるか否かを監視する。
【0022】
また、当該プラントデータ監視部3は、付加的な監視処理として、プロセスデータに基づくプロセス値のレベル監視とプロセスデータに基づくプロセス値の変化率監視をも行う。これらプラントデータ監視部3による各種監視処理は、パラメータ設定部4から提供される各種パラメータをも参照して行われるようになっている。なお、上記各種監視処理の詳細については後述する。
【0023】
パラメータ設定部4は、上記プラントの運転状態監視に必要な各種しきい値、例えば分散しきい値や傾斜しきい値及びレベルしきい値や変化率しきい値等を上記各種パラメータとしてプラントデータ記憶部2に提供するものである。これら各種パラメータの詳細については、説明の都合上後述する。出力部5は、運転状態の監視結果をプラントの運転を監視する監視員に出力するものであり、例えばプラントの異常を監視員に知らせる警報装置及びプラントの運転状態の変化傾向を監視員に表示する表示装置等から構成される。
【0024】
次に、このように構成されたプラント運転監視装置の動作について、図2をも参照して詳説する。
【0025】
〔単調変化監視処理〕
まず最初に、本プラント運転監視装置によるプロセス値の単調変化監視処理について説明する。上述したように、本プラント運転監視装置のプラントデータ記憶部2には、その記憶容量に応じた一定期間に亘る複数のプラントデータ(▲1▼プロセスデータ、▲2▼目標値データ、▲3▼制御量データ)が順次記憶されている。
【0026】
プラントデータ監視部3は、このような時系列的なプラントデータのうち、所定時間幅の検査区間K内の全プロセスデータを読み出して統計処理を施すことにより、当該検査区間Kにおけるプロセス値の変化傾向を検出する処理を実施する。そして、プラントデータ監視部3は、ある検査区間Kにおけるプロセス値の変化傾向を検出する処理を終了すると、時系列的に次の検査区間K’に該当する全プロセスデータをプラントデータ記憶部2から読み出して同一の変化傾向の検出処理を繰り返し行う。すなわち、プラントデータ監視部3は、ある検査区間Kにおけるプロセス値の変化傾向の検出処理が終了すると、時系列的に次に新しい検査区間K’に対するプロセス値の変化傾向の検出処理を順次繰り返し行う。
【0027】
図2は、上記統計処理の詳細を説明するための第1の説明図である。この図において、横軸は時間(t)を示す時間軸、縦軸はプロセスデータが示すプロセス値のレベル(y)を示すレベル軸であり、また×印は、プロセスデータ(正確にはプロセスデータが示すプロセス値)である。図示するように、検査区間Kには複数のプロセスデータが含まれている。プラントデータ監視部3は、検査区間Kの始点taと終点tbとの間に境界点tcを設定することにより当該検査区間Kを第1検査区間T1と該第1検査区間T1以外の第2検査区間T2とに区分する。ここで、始点taは、終点tbに対して時間的に古い(過去の)時刻である。
【0028】
第1検査区間T1は、初期的には、統計処理するための必要最小限のプロセスデータのデータ数となる最小検査期間に設定され、したがって第2検査区間T2は、検査区間Kの期間幅から上記最小検査期間(第1検査区間T1)を減じた期間幅に設定される。そして、この境界点tcは、最終的に第2検査区間T2が最小検査期間となるまで(つまり時点tc”まで)終点tbに向けて所定幅で順次移動させる。このように境界点tcを検査区間K内の複数位置に設定することにより、当該境界点tcの位置に応じた期間幅の複数の第1検査区間T1と第2検査区間T2とが設定される。
【0029】
プラントデータ監視部3は、このような各期間幅の第1検査区間T1及び第2検査区間T2について、第1検査区間T1内に含まれる全プラントデータに最小二乗法を適用することにより、当該第1検査区間T1におけるプラントデータの一次近似式(y=a1・t+b1)を求めると共に当該一次近似式の傾きa1に対するプラントデータの分散σ1をそれぞれ算出し、また第2検査区間T2内の全プラントデータについても最小二乗法を適用して第2検査区間T2におけるプラントデータの一次近似式(y=a2・t+b2)と当該一次近似式の傾きa2に対するプラントデータの分散σ2をそれぞれ算出する。
【0030】
なお、周知のように、上記一次近似式を一般式としてy=a・t+bとし、またプラントデータが示すプロセス値が関数f(t)で与えられるとした場合、分散σは下式(1)によって与えられる。したがって、一次近似式と各プラントデータのプロセス値から分散σを容易に算出することができる。この式(1)における「N」は全プロセス値の個数である。
【0031】
【数1】
Figure 0004483111
【0032】
続いて、図3は、上記境界点tcの位置に応じた第1検査区間T1及び第2検査区間T2の一次近似式及び分散σ1,σ2の変化を示している。この図では一例として、検査区間Kの始点taから時点Bまでの間におけるプロセス値はほぼ一定にであり、時点Bから終点tbとの間におけるプロセス値は単調減少している状態を示している。
【0033】
このような検査区間Kにおけるプロセス値の変化傾向に対して、図3(a)は、始点taと時点Bとの間に位置する時点Aに上記境界点tcを設定した場合(第1検査区間T1=最小検査期間)を示し、図3(b)は、時点Bに境界点tc’を設定した場合を示し、また図3(c)は、時点Bと終点tbとの間に位置する時点Cに境界点tc”を設定した場合(第2検査区間T2”=最小検査期間)を示している。
【0034】
まず、図3(a)の場合、第1検査区間T1の各プロセスデータはほぼ一定なので、一次近似式(y=a1・t+b1)は、図示するように傾きa1=0となり一定値b1を取る。また、この一次近似式に対する各プロセスデータの分散σ1は小さな値となる。これに対して、第2検査区間T2の各プロセスデータは、時点Aから時点Bまでの間ではほぼ一定であるが、時点Bからは単調減少傾向にあるので、一次近似式(y=a2・t+b2)は、図示するように傾きa2を持って傾斜する直線となる。また、第2検査区間T2におて、この一次近似式に対する各プロセスデータの分散σ2は、上述したように各プロセスデータが時点Aから時点Bまでの間ではほぼ一定かつ時点Bからは単調減少傾向にあるため、比較的大きな値となる。
【0035】
続いて、図3(b)の場合、第1検査区間T1’の各プロセスデータはほぼ一定なので、一次近似式(y=a1’・t+b1’)は、図示するように傾きa1’=0となり一定値b1’を取る。また、この一次近似式に対する各プロセスデータの分散σ1’は小さな値となる。一方、第2検査区間T2’の各プロセスデータは、時点Bからは単調減少傾向にあるので、一次近似式(y=a2’・t+b2’)は、図示するように傾きa2’を持って傾斜する直線となる。また、第2検査区間T2’におて、この一次近似式に対する各プロセスデータの分散σ2’は、各プロセスデータが時点Bから単調減少傾向にあるため、比較的小さな値となる。
【0036】
さらに、図3(c)の場合、第1検査区間T1”の各プロセスデータは時点Bまでの間ではほぼ一定であるが、時点Bから時点Cまでの間では単調減少傾向にあるので、一次近似式(y=a1”・t+b1”)は、図示するように傾きa1”=0となり一定値b1”を取る。また、この一次近似式に対する各プロセスデータの分散σ1”は、時点Bまでの間ではほぼ一定であるが、時点Bから時点Cまでの間では単調減少傾向にあるので、比較的大きな値となる。これに対して、第2検査区間T2”の各プロセスデータは単調減少傾向にあるので、一次近似式(y=a2”・t+b2”)は、図示するように傾きa2”を持って傾斜する直線となる。また、第2検査区間T2”におて、この一次近似式に対する各プロセスデータの分散σ2”は、各プロセスデータが時点Cでは既に単調減少を開始した後であるため、比較的小さな値となる。
【0037】
以上のように、図3(b)の場合、すなわちプロセスデータが単調減少を開始する時点Bに境界点tc’が設定された場合には、第1検査区間T1’及び第2検査区間T2’の何れの分散σ1’,σ2’も最も小さな値となる。境界点tc’を始点時点ta側に移動させると、図3(a)のように第1検査区間T1の分散σ1は小さいものの、第2検査区間T2の分散σ2は、時点Bに境界点tc’を設定した場合における第2検査区間T2’の分散σ2’よりも大きくなる。また逆に、境界点tc’を終点tb側に移動させると、図3(c)のように第2検査区間T2”の分散σ2”は小さいものの、第1検査区間T1”の分散σ1”は、時点Bに境界点tc’を設定した場合における第1検査区間T1’の分散σ1’よりも大きくなる。
【0038】
プラントデータ監視部3は、上述したように検査区間K内で境界点tcを移動させることにより各々設定される第1検査区間T1及び第2検査区間T2について、一次近似式と各区間の分散σ1,σ2とを演算すると共に、σ1+σ2=σaが最小となる場合の境界点tcをプロセスデータが単調減少を開始する変化開始点とする。
【0039】
より具体的には、第1検査区間T1及び第2検査区間T2の各分散σ1,σ2を所定の分散しきい値と比較し、各分散σ1,σ2の何れもが当該分散しきい値を下回った場合における境界点tcをプロセスデータの変化開始点と認定する。そして、プラントデータ監視部3は、このときの第2検査区間T2の一次近似式(y=a2・t+b2)の傾きa2の絶対値と所定の傾斜しきい値とを比較し、当該絶対値が傾斜しきい値を越えている場合にプロセスデータに単調減少傾向が生じていると判断する。
【0040】
〔制御量監視処理〕
次に、プラントデータ監視部3による制御量監視処理について説明する。
プラントデータ監視部3は、プラントデータ記憶部2から時系列的に連続する目標値データ及び制御量データとプロセスデータとを順次読み出し、制御量データに基づくプラント制御上の制御量(MV)が所定の制御量しきい値の範囲内にあるか否か、また当該制御量がある一定期間に亘って制御量しきい値の範囲内にない場合には、プロセスデータに基づくプロセス値(PV)が目標値データに基づく目標値(SP)に追従しているか否かを監視する。
【0041】
例えば、プラントデータ監視部3は、制御量(MV)が上昇して制御量しきい値の上限を越えると、この状態の継続時間を計時する。そして、この継続時間が一定期間に亘って継続している場合は、プロセス値(PV)と目標値(SP)との差の絶対値つまり|SP−PV|を算出し、この絶対値が徐々に増加する傾向にある場合には、プロセス値(PV)が目標値(SP)に追従していない、つまりプラントがプラント制御装置の制御下にないと判断する。
【0042】
〔レベル監視処理〕
次に、プラントデータ監視部3によるレベル監視処理について説明する。
プラントデータ監視部3は、プラントデータ記憶部2から時系列順で順次読み出したプロセスデータに基づいてプロセス値のレベルが異常レベルにあるか否かを監視する。すなわち、パラメータ設定部4から供給されるレベルしきい値は、プロセス値の下限を示す下限しきい値と上限を示す上限しきい値から構成されており、プラントデータ監視部3は、このようなレベルしきい値とプロセスデータに基づいくプロセス値とを順次比較することにより、プロセス値が正常範囲を逸脱して異常レベルに達しているか否かを監視する。
【0043】
〔変化率監視処理〕
さらに、プラントデータ監視部3による変化率監視処理について説明する。
プラントデータ監視部3は、プラントデータ記憶部2から時系列順で順次読み出したプロセスデータに基づいてプロセス値の変化率が異常変化率にあるか否かを監視する。すなわち、パラメータ設定部4から供給される変化率しきい値はプロセス値の変化率の上限を示すものであり、プラントデータ監視部3は、このような変化率しきい値とプロセスデータに基づいくプロセス値の変化率とを順次比較することにより、プロセス値が正常範囲を逸脱して異常に高速で変化しているか否かを監視する。
【0044】
以上の各種監視処理の結果、▲1▼プロセス値の単調変化(単調減少だけではなく単調増加も含む)、▲2▼プラントがプラント制御装置の制御下にないこと、▲3▼プロセス値のレベル異常、あるいは▲4▼プロセス値の変化率異常が検出されると、プラントデータ監視部3は、当該監視結果を知らせる報知信号を出力部5に出力する。この結果、出力部5は、上記監視結果をプラントの監視員に知らせる。
【0045】
本実施形態によれば、従来から行われているプロセス値やその変化率の異常のみならず、図4に示すようにプロセス値の緩やかな単調変化つまり単調減少や単調増加及びその変化開始点をも検出することができる。すなわち、検査区間Aでは、プロセス値の一定状態が単調上昇に転じたことが、検査区間Bではプロセス値の単調上昇が、検査区間Cではプロセス値の単調上昇が短調減少に転じたことが、さらに検査区間Dでは、プロセス値の単調減少がそれぞれ検出される。
【0046】
したがって、プラントの運転状態が異常を来す前段階において、プロセス値の単調変化つまり異常の予兆を検出することができるので、当該異常の発生に先立って的確な予防措置を取ることが可能となる。しかも、プラント制御上の目標値と制御量の変化傾向の相関をも監視することによりプラントがプラント制御装置によって正常に制御されているか否かをも監視するので、プラント制御上の異常発生をも確認することができる。
【0047】
なお、上記実施形態では、プロセス値の緩やかな単調変化を検出するための手法として、所定時間幅の検査区間Kを設定すると共にこの検査区間Kに対して境界点tcを指定することにより第1検査区間T1及び第2検査区間T2を設定し、さらに境界点tcを終点tbに向けて所定時間幅で順次移動させることにより境界点tcの位置に応じた期間幅の複数の第1検査区間T1と第2検査区間T2とを設定するようにした。そして、このように設定された複数の第1検査区間T1及び第2検査区間T2について統計的な手法である一次近似式と分散とを演算し、この演算結果に基づいて単調変化の発生や変化開始点を判定するようにしている。
【0048】
ここで、検査区間Kの時間幅や最小検査期間及び境界点tcを移動させる際の時間幅は、プロセス値の属性(何の機器に関するものか)あるいはプラントの種類(石油プラントかその他の種類のプラントか)等に基づいて最適化する必要がある。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、プラントから時々刻々と得られるプロセス値のうち、所定の検査区間K内のプロセス値を統計処理することにより当該プロセス値の変化傾向を検出するので、プラントの緩やかな状態変化の傾向を監視することが可能となる。したがって、プラントが異常に至る前段階において、プラントの運転状態の変化を認知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係わるプラント運転監視装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】 上記プラント運転監視装置におけるプロセス値の単調変化監視処を説明するための第1の説明図である。
【図3】 上記プラント運転監視装置におけるプロセス値の単調変化監視処を説明するための第2の説明図である。
【図4】 本発明の一実施形態における検査区間Kの単調変化の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1……プラントデータ登録部
2……プラントデータ記憶部
3……プラントデータ監視部
4……パラメータ設定部
5……出力部
K……検査区間
ta……始点
tb……終点
tc,tc’,tc”……境界点
T1,T1’,T1”……第1検査区間
T2,T2’,T2”……第2検査区間
σ1,σ2……分散

Claims (8)

  1. プラントから時々刻々と入力されるプロセス値を時系列的なプロセスデータに変換するデータ登録部(1)と、
    前記プロセスデータを順次記憶する記憶部(2)と、
    該記憶部(2)に記憶された所定の検査区間K内の複数のプロセスデータを統計処理することによりプロセス値の変化傾向を検出する監視部(3)と、を具備し、
    監視部(3)は、検査区間Kの始点taと終点tbとの間に境界点tcを設定することにより検査区間Kを第1検査区間T1と該第1検査区間T1以外の第2検査区間T2とに区分し、前記境界点tcを終点tbに向けて所定幅で順次移動させた場合の複数の第1検査区間T1及び第2検査区間T2について最小二乗法による一次近似式と当該一次近似式に対するプロセス値の分散とをそれぞれ求め、この各分散が所定の分散しきい値よりも小さく、かつ一次近似式の傾きが所定の傾斜しきい値よりも大きい場合にプロセス値が一定の変化傾向を有すると判断することを特徴とするプラント運転監視装置。
  2. 監視部(3)は、第1検査区間T1及び第2検査区間T2の各分散の中で最も小さい分散を求め、当該最も小さい分散が所定の分散しきい値よりも小さい場合に、この最も小さい分散に対応する境界点tcをプロセス値の変化開始点とする、ことを特徴とする請求項1記載のプラント運転監視装置。
  3. データ登録部(1)は、プロセス値と共に制御における目標値及び制御量をも時系列的に記憶部(2)に順次記憶させ、監視部(3)は、制御量の目標値への追従状態に基づいてプラントがプラント制御装置の制御下にあるか否かを監視する、ことを特徴とする請求項1または2記載のプラント運転監視装置。
  4. 監視部(3)は、プロセス値のレベルが所定のレベルしきい値を越えた場合あるいはプロセス値の変化率が所定の変化率しきい値を越えた場合にプラントが異常であると判断することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のプラント運転監視装置。
  5. プラントから時々刻々と得られるプロセス値のうち、所定の検査区間Kの始点taと終点tbとの間に境界点tcを設定することにより検査区間Kを第1検査区間T1と該第1検査区間T1以外の第2検査区間T2とに区分し、前記境界点tcを終点tbに向けて所定幅で順次移動させた場合の複数の第1検査区間T1及び第2検査区間T2について最小二乗法による一次近似式と当該一次近似式に対するプロセス値の分散とをそれぞれ求め、この各分散が所定の分散しきい値よりも小さく、かつ一次近似式の傾きが所定の傾斜しきい値よりも大きい場合にプロセス値が一定の変化傾向を有すると判断することを特徴とするプラント運転監視方法。
  6. 第1検査区間T1及び第2検査区間T2の各分散の中で最も小さい分散を求め、当該最も小さい分散が所定の分散しきい値よりも小さい場合に、この最も小さい分散に対応する境界点tcをプロセス値の変化開始点とする、ことを特徴とする請求項5記載のプラント運転監視方法。
  7. プロセス値と共に制御における目標値及び制御量をも時系列的に順次記憶し、制御量の目標値への追従状態に基づいてプラントがプラント制御装置の制御下にあるか否かを監視する、ことを特徴とする請求項5または6記載のプラント運転監視方法。
  8. プロセス値のレベルが所定のレベルしきい値を越えた場合あるいはプロセス値の変化率が所定の変化率しきい値を越えた場合にプラントが異常であると判断することを特徴とする請求項5〜7いずれかに記載のプラント運転監視方法。
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