JP4481421B2 - カメラ用シャッタ装置及び濃度フィルタ装置 - Google Patents

カメラ用シャッタ装置及び濃度フィルタ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動画像等を主に撮影するデジタルムービカメラあるいは静止画像を主に撮影するデジタルスチルカメラ等における絞りを兼用したカメラ用シャッタ装置及び光の強度(光量)を調整する濃度フィルタ(NDフィルタ)を備えたカメラ用濃度フィルタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルムービカメラあるいはデジタルスチルカメラ等に適用される絞り兼用のシャッタ装置としては、一対の羽根がお互いに近接あるいは離隔する方向にスライドして往復動することにより、光を通過させる開口部の開閉あるいは絞りを行なうシャッタ(アイリスシャッタ)装置が知られている。
【0003】
この種のシャッタ装置としては、例えば図11に示すようなものが存在する。このシャッタ装置は、光を通過させる開口部1が形成された平面に沿ってスライドするように配置された第1羽根体2及び第2羽根体3と、これら第1羽根体2及び第2羽根体3をお互いに近接及び離隔する方向に連動させる連結リンク4と、第1羽根体2及び第2羽根体3に駆動力を付与する電磁アクチュエータ5等を備えている。
【0004】
ここで、第1羽根体2及び第2羽根体3は、それぞれ開口部1を絞る際の絞り縁部2a,3a、一端側から伸長する腕片2b,3b等を有し、この腕片2b,3bには、連結用のピン2c,3cが植設されている。また、連結リンク4は、支軸4aを中心に回動自在に配置されており、その両端部に長孔4b,4cが設けられており、この長孔4b,4cに対して、ピン2c,3cがそれぞれ遊挿されている。
さらに、電磁アクチュエータ5は、中心軸5a回りに所定の角度範囲を往復して回動するロータ5bと、このロータ5bに一体的に形成された腕部5c等を有し、この腕部5cの自由端側には長孔5dが形成されており、この長孔5dに対してピン3cが遊挿されている。
【0005】
したがって、電磁アクチュエータ5のロータ5bが、図11において時計回りに所定角度回転させられると、ピン3cを介して駆動力が伝達されて、第2羽根体3は右向き(矢印S1)に移動し、又、連結リンク4を介して駆動力が伝達されて、第1羽根体2は左向き(矢印S2)に移動し、開口部1を開放することになる。一方、電磁アクチュエータ5のロータ5bが逆向きに回転させられることにより、第1羽根体2及び第2羽根体3はそれぞれ逆向きに移動して、図11に示すように再び開口部1を閉鎖することになる。また、これらの動作の途中でロータ5bの回転を止めることにより、開口部1が絞り縁部2a,3aにより所定の大きさの口径に絞られることになる。
【0006】
また、他のシャッタ装置として、図11に示す連結リンク4の支軸4aと同軸に電磁アクチュエータの回動中心を配置し、この支軸4aをロータに直結あるいは連結リンク4をロータに直結したものが知られている(特開平8−19239号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術に係るシャッタ装置においては、電磁アクチュエータ5の回転による駆動量L(ロータ5bの腕部5cの長さ×回転角度)がほぼ第2羽根体3及び第1羽根体2の作動量(ストローク)になるため、この作動量をより大きくするには、回転可能な角度範囲が広い大型の電磁アクチュエータを用いることが必要になり、その結果、装置の大型化を招くという問題があった。
また、電磁アクチュエータの回転中心(回転軸)と連結リンク4の回転中心(支軸4a)を同軸とするシャッタ装置においては、上記の問題点に加えて、通電用のコイルを2分割にして配置すること、回転軸方向における高さを高くすることが必要になり、コスト増加、装置の大型化等を招くという問題があった。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、回転可能な角度範囲が比較的に狭い小型の駆動源を用いつつも、開口部の開閉あるいは絞りを行なう羽根体の作動量、すなわち、絞り量の変化代等を大きくすることのできるカメラ用シャッタ装置を提供することにある。
また、回転可能な角度範囲が比較的に狭い小型の駆動源を用いつつも、開口部を通過する光の強度(光量)を調整するための濃度フィルタの作動量(覆い量の変化幅)等を大きくすることのできるカメラ用濃度フィルタ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のカメラ用シャッタ装置は、お互いに近接及び離隔する方向に往復動することにより、光を通過させる開口部の開閉あるいは絞りを行なう第1羽根体及び第2羽根体と、第1羽根体及び第2羽根体を往復動させるべく駆動する駆動源とを備えたカメラ用シャッタ装置であって、上記駆動源の回動による駆動量を増幅して、第1羽根体及び第2羽根体を往復動させるように連動させる揺動レバーを有し、この揺動レバーは、第1羽根体の一部に回動自在に連結された第1連結点と、第2羽根体の一部に回動自在に連結された第2連結点と、これら第1連結点と第2連結点との中間でかつ駆動源の回動中心から偏倚した位置に配置された揺動支点と、この揺動支点から第1連結点又は第2連結点までの距離よりも短い距離の位置に配置されて駆動源の駆動力を及ぼす駆動力点とを備えている、ことを特徴としている。
この構成によれば、駆動源が所定の駆動量だけ回動すると、この駆動量が揺動レバーにより所定の大きさに増幅されて第1羽根体及び第2羽根体に伝達される。したがって、駆動源の駆動量が比較的小さくても、第1羽根体及び第2羽根体の作動量(移動量)が大きくなる。これにより、口径の大きい開口部に対して絞り動作を行なう場合にも、回動角度の狭い小型の駆動源を用いることができ、装置の小型化を行いつつ、絞り動作の作動量(ストローク)を増加させることができる。
【0010】
また、この構成によれば、駆動源の回動による駆動力が駆動力点に加えられると、揺動支点を中心として揺動レバーが所定角度回転する。そして、第1連結点及び第2連結点を介して、第1羽根体及び第2羽根体がそれぞれ逆向きに移動させられることになる。
この際に、揺動レバーの揺動支点は駆動源の回動中心から偏倚した位置にあり、かつ、駆動力点は揺動支点から第1連結点又は第2連結点までの距離よりも短い距離の位置にあるため、揺動レバーの回転角度は駆動源の回転角度よりも大きくなる。すなわち、駆動源の回転角度が増幅されて、揺動レバーはより大きな角度範囲を回転することになり、その分だけ、第1羽根体及び第2羽根体の作動量(移動量)も大きくなる。
【0011】
上記構成において、駆動源は、磁路を形成するヨークと、励磁用のコイルと、このコイルへの通電により発生した電磁力により所定の角度範囲を回動するロータとを有する電磁アクチュエータからなり、この電磁アクチュエータは、休止位置において、第1羽根体及び第2羽根体が開口部を閉鎖するように磁気的に付勢されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、非通電の休止状態においては、磁気的な付勢力が作用して、第1羽根体及び第2羽根体は開口部を閉鎖することになる。
【0012】
上記構成において、ヨークとロータとの間に、ロータの回動量を検出するためのホール素子が配置された、構成を採用することができる。
この構成によれば、ホール素子をヨークとロータとの間に配置するため、ホール素子により磁束密度の変化が高精度に測定され、これによりロータの回転角度位置が高精度に検出される。また、装置の小型化が行なわれる。
上記構成において、第1羽根体及び第2羽根体を収容する羽根室を有し、揺動レバーが、薄板状に形成されかつ上記羽根室内に配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、装置全体の薄型化及び小型化が行なわれる。
【0013】
また、本発明のカメラ用濃度フィルタ装置は、光を通過させるための開口部を通過する光の強度を調整する濃度フィルタと、濃度フィルタによる開口部の覆い量を調整するべく濃度フィルタを往復動させるように駆動する駆動源とを備えたカメラ用濃度フィルタ装置であって、上記駆動源の回動による駆動量を増幅して、濃度フィルタを往復動させるように連動させる揺動レバーを有し、この揺動レバーは、濃度フィルタを保持する保持体の一部に回動自在に連結された連結点と、駆動源の回動中心から偏倚した位置に配置された揺動支点と、この揺動支点から連結点までの距離よりも短い距離の位置に配置されて駆動源の駆動力を及ぼす駆動力点とを備えている、ことを特徴としている。
この構成によれば、駆動源が所定の駆動量だけ回動すると、この駆動量が揺動レバーにより所定の大きさに増幅されて濃度フィルタに伝達される。したがって、駆動源の駆動量が比較的小さくても、濃度フィルタの作動量(移動量)が大きくなる。これにより、口径の大きい開口部に対して覆い量の調整動作を行なう場合にも、回動角度の狭い小型の駆動源を用いることができ、装置の小型化を行いつつ、濃度フィルタによる覆い動作の作動量(ストローク)を増加させることができる。
【0014】
また、この構成によれば、駆動源の回動による駆動力が駆動力点に加えられると、揺動支点を中心として揺動レバーが所定角度回転する。そして、連結点を介して、濃度フィルタがその保持体と共に移動させられることになる。
この際に、揺動レバーの揺動支点は駆動源の回動中心から偏倚した位置にあり、かつ、駆動力点は揺動支点から連結点までの距離よりも短い距離の位置にあるため、揺動レバーの回転角度は駆動源の回転角度よりも大きくなる。すなわち、駆動源の回転角度が増幅されて、揺動レバーはより大きな角度範囲を回転することになり、その分だけ、開口部に対する濃度フィルタの作動量(移動量)も大きくなる。
【0015】
上記構成において、駆動源は、磁路を形成するヨークと、励磁用のコイルと、このコイルへの通電により発生した電磁力により所定の角度範囲を回動するロータとを有する電磁アクチュエータからなる、構成を採用することができる。
この構成によれば、電磁アクチュエータの回転の角度範囲が狭くてよいため、電磁アクチュエータそのものを小型化することができる。
【0016】
上記構成において、ヨークとロータとの間に、ロータの回動量を検出するためのホール素子が配置された、構成を採用することができる。
この構成によれば、ホール素子をヨークとロータとの間に配置するため、ホール素子により磁束密度の変化が高精度に測定され、これによりロータの回転角度位置が高精度に検出される。また、装置の小型化が行なわれる。
上記構成において、濃度フィルタを収容するフィルタ室を有し、揺動レバーが、薄板状に形成されかつ上記フィルタ室内に配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、装置そのものの薄型化及び小型化が行なわれるのは勿論のこと、シャッタ装置と併用される場合は、全体として積層方向(厚み方向)における薄型化を行なうことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図5は、本発明に係るカメラ用シャッタ装置及びカメラ用濃度フィルタ装置の一実施形態を示すものであり、図1(a),(b),(c)はそれぞれ正面図、側断面図、背面図を示し、図2は正面側から見た内部構造図を示し、図3は図2に示す装置を下側から見た断面図を示し、図4は背面側から見た内部構造図を示し、図5は図4に示す装置を下側から見た断面図を示す。尚、図1(b)においては、説明の便宜上、内部構造を一部(後述する第1羽根体40及び第2羽根体50、濃度フィルタ70等)省略している。
【0018】
この実施形態に係る装置は、絞り兼用のシャッタ機能(カメラ用シャッタ装置)と光の強度(光量)を可変に調整する濃度フィルタの機能(カメラ用濃度フィルタ装置)を兼ね備えた光量可変型カメラ用シャッタ装置であり、図1に示すように、順次に積層されたシャッタ地板10,フィルタ地板20,及びフィルタ押え板30と、これらシャッタ地板10とフィルタ地板20との間に配置された第1羽根体40及び第2羽根体50(図3参照)と、シャッタ地板10の外側に配置されて第1羽根体40及び第2羽根体50を駆動する駆動源としての電磁アクチュエータ60(図1(b)参照)と、電磁アクチュエータ60の駆動動作を第1羽根体40及び第2羽根体50に増幅して連動させる揺動レバー90と、フィルタ地板20とフィルタ押え板30との間に配置された濃度フィルタ70(図4及び図5参照)と、フィルタ押え板30の外側に配置されて濃度フィルタ70を駆動する駆動源としての電磁アクチュエータ80(図1(c)参照)と、電磁アクチュエータ80の駆動動作を濃度フィルタ70に増幅して連動させる揺動レバー110等を、その基本構成として備えている。
【0019】
ここで、シャッタ地板10,フィルタ地板20,及びフィルタ押え板30は、図1に示すように、それぞれ略矩形形状の輪郭をなし、それらの略中央領域には、光を通過させるための円形の開口部10a及び開口部20a、矩形形状の開口部30aがそれぞれ形成されている。また、シャッタ地板10とフィルタ地板20との間には、図1(b)に示すように、所定の間隔が空けられて、第1羽根体40及び第2羽根体50を往復動自在に案内して収容する羽根室Wが画定されている。一方、フィルタ地板20とフィルタ押え板30との間にも、図1(b)に示すように、所定の間隔が空けられて、濃度フィルタ70及びこれを保持する保持体としての保持プレート75を往復動自在に案内して収容するフィルタ室Fが画定されている。
【0020】
第1羽根体40は、図2に示すように、開口部10a,20aの近傍領域に位置付けられて開口部10a,20aの絞り機能をなす絞り縁部41と、この絞り縁部41に続いて上側に向かって略矩形状に切り欠かれた切り欠き部42と、両側端部領域において往復動方向に伸長して形成された長孔43a,43b,43cと、下側領域において往復動方向に略直交する方向に伸長して形成された長孔44等により、その基本形状が形成されている。そして、この第1羽根体40は、その長孔43a,43b,43cにシャッタ地板10から突出して設けられたガイドピン11a,11b,11cがそれぞれ遊嵌され、これらガイドピン11a,11b,11cに案内されて図2中の上下方向に往復動自在となっている。尚、図2は、第1羽根体40が上方の移動端に移動した状態を示している。
【0021】
第2羽根体50は、図2に示すように、開口部10a,20aの近傍領域に位置付けられて開口部10a,20aの絞り機能をなす絞り縁部51と、この絞り縁部51に続いて下側に向かって略矩形状に切り欠かれた切り欠き部52と、側端部領域において往復動方向に伸長して形成された長孔53a,53bと、下側領域において往復動方向に略直交する方向に伸長して形成された長孔54等により、その基本形状が形成されている。そして、この第2羽根体50は、第1羽根体40よりも装置の内側(後方側)に配置されて、その長孔53a,53bにシャッタ地板10に設けられたガイドピン11a,11bがそれぞれ遊嵌されており、これらガイドピン11a,11bに案内されて図2中の上下方向に往復動自在となっている。尚、図2は、第2羽根体50が下方の移動端に移動した状態を示している。
【0022】
これら第1羽根体40及び第2羽根体50が配置された羽根室Wの下側領域には、揺動レバー90が配置されている。
この揺動レバー90は、樹脂材料等により長尺な薄板状に成形されたものであり、両端部にそれぞれ設けられた第1係合ピン91及び第2係合ピン92と、これら第1係合ピン91及び第2係合ピン92の中間に形成された円孔93と、この円孔93から第1係合ピン91までの距離よりも短い距離の位置に形成された長孔94等により、その基本形状が形成されている。
【0023】
そして、この揺動レバー90は、図2に示すように、第1羽根体40及び第2羽根体50よりも装置の外側(手前側)に配置されて、その第1係合ピン91が第1羽根体40の長孔44に又第2係合ピン92が第2羽根体50の長孔54にそれぞれ遊嵌されており、又、中心に位置する円孔93にはシャッタ地板10から突出する支軸12が嵌挿されており、さらに、長孔94には後述するロータ61の腕部61cが遊嵌されている。ここで、支軸12の中心C1は、後述するロータ61の回動中心C2から所定距離D1(図3参照)だけ偏倚した位置に配置されている。
【0024】
すなわち、揺動レバー90は、支軸12回りに揺動自在となっており、この揺動レバー90の回動動作に連動して、第1羽根体40及び第2羽根体50が往復動するようになっている。例えば、揺動レバー90が図2中反時計回りに回転するとき、第1羽根体40及び第2羽根体50は、お互いに近接する方向(開口部10a,20aを閉鎖する方向)に移動し、一方、揺動レバー90が図2中時計回りに回転するとき、第1羽根体40及び第2羽根体50は、お互いに離隔する方向(開口部10a,20aを開放する方向)に移動する。
【0025】
上記構成においては、第1羽根体40の一部である長孔44に回動自在に連結された第1係合ピン91が第1連結点に相当し、第2羽根体50の一部である長孔54に回動自在に連結された第2係合ピン92が第2連結点に相当し、これら第1係合ピン91と第2係合ピン92との中間でかつ駆動源であるロータ61の回動中心C2から偏倚した位置に配置された円孔93(中心C1を持つ支軸12)が揺動支点に相当し、この円孔93(支軸12)から第1係合ピン91又は第2係合ピン92までの距離よりも短い距離の位置に配置された長孔94の部分が電磁アクチュエータ60の駆動力を及ぼす駆動力点に相当する。
【0026】
このように、揺動レバー90の揺動支点(C1)は電磁アクチュエータ60の回動中心C2から偏倚した位置にあり、かつ、駆動力点(長孔94)は揺動支点(C1)から第1連結点(第1係合ピン91)又は第2連結点(第2係合ピン92)までの距離よりも短い距離の位置にあるため、揺動レバー90の回転角度は電磁アクチュエータ60の回転角度よりも大きくなる。すなわち、電磁アクチュエータ60の回転角度が増幅されて、揺動レバー90はより大きな角度範囲を回転することになり、その分だけ、第1羽根体40及び第2羽根体50の作動量(移動量)も大きくなる。
また、揺動レバー90は、樹脂材料等により薄板状に成型されて、第1羽根体40及び第2羽根体50が配置された羽根室W内に配置されているため、特別に専用の収容室を設ける必要もなく、簡略な構造にして装置全体の薄型化及び小型化を行なうことができる。
【0027】
駆動源としての電磁アクチュエータ60は、図1(a)及び図3に示すように、回動中心C2回りに所定の角度範囲に亘って回動自在に配置されたロータ61と、このロータ61を回動自在に支持する外側支持枠62及び内側支持枠63と、通電により電磁力を発生させるための励磁用のコイル64と、ロータ61と同心上に配置されて磁路を形成するヨーク65と、磁束密度の変化を検出するホール素子66と、磁性部材67等により構成されている。
【0028】
ロータ61は、略円柱形状をなしており、図3に示すように、その軸方向両端部に形成された軸部61a,61bが、それぞれ外側支持枠62の軸受け孔62a及び内側支持枠63の軸受け孔63aに回動自在に嵌合され、その外周の一部から突出して装置の内部に向かう腕部61cの端部が前述揺動レバー90の長孔94に遊嵌されている。また、このロータ61は、中心軸(回動中心C2)を通る平面を境としてN極とS極とに着磁されている。
【0029】
外側支持枠62及び内側支持枠63には、図3に示すように、断面矩形形状の環状溝62b,63bが形成されており、この環状溝62b,63b内においてコイル64が巻回されている。また、内側支持枠63は、シャッタ地板10の外側に形成された連結爪13及び締結ネジ100等によりシャッタ地板10に固着され、外側支持枠62は、内側支持枠63に対して連結爪等により固着されるようになっている。
【0030】
ホール素子66は、図1(a)及び図3に示すように、外側支持枠62の外側でかつヨーク65の内側、すなわち、ロータ61とヨーク65との間に配置されており、ロータ61の回転に伴なって磁束密度が変化(磁場が変化)することにより、異なる電圧値を出力するものである。すなわち、ホール素子66の出力電圧値とロータ61の回転角度(回動量)さらには第1羽根体40及び第2羽根体50の作動位置(作動量)とを予め関係付けておき、得られた出力電圧からロータ61の回転角度位置(第1羽根体40及び第2羽根体50の作動位置あるいは作動量)を検出するものである。
【0031】
磁性部材67は、図1(a)に示すように、ヨーク65の内側に連結されてロータ61の回動中心軸C2と平行に伸長する円柱状の部材であり、コイル64に通電しない非通電時すなわち休止状態において、ロータ61を図1(a)中の反時計回りに回転させるように、すなわち、第1羽根体40及び第2羽根体50が開口部10aを閉鎖した位置に保持されるように、磁気的な反時計回りの回転付勢力を及ぼすものである。
【0032】
上記構成において、コイル64に所定方向の電流が流され、この電流値が徐々に増加させられると、発生した電磁力が休止状態で作用する磁気的付勢力に打ち勝った時点で、ロータ61が図1(a)及び図2中時計回りに回転し始め、腕部61c及び長孔94を介して、揺動レバー90が図2中時計回りに回転し始める。これにより、第1羽根体40は下方に向かって移動し、第2羽根体50は上方に向かって移動する。そして、最大限移動した時点で、第1羽根体40及び第2羽根体50は開口部10a,20aを完全に開放する。
【0033】
一方、コイル64に流す電流値を徐々に減少させると、ロータ61は図1(a)及び図2中反時計回りに回転し始め、腕部61c及び長孔94を介して、揺動レバー90が図2中反時計回りに回転し始める。これにより、第1羽根体40は上方に向かって移動し、第2羽根体50は下方に向かって移動する。そして、最大限移動した時点で、第1羽根体40及び第2羽根体50は開口部10a,20aを完全に閉鎖し、休止位置に復帰する。また、コイル64に逆向きの電流を流すと、ロータ61は図1(a)及び図2中反時計回りに迅速に回転して、第1羽根体40及び第2羽根体50は、休止位置に迅速に復帰する。尚、上記の動作において、ロータ61の回転速度及び回転角度量は、コイル64に流す電流量を制御することにより適宜所望の値に増減させられ、又、ロータ61の回転角度位置は、ホール素子66から出力される電圧値により逐次検出される。
さらに、ロータ61が所定角度回転した位置、すなわち、第1羽根体40の絞り縁部41及び第2羽根体50の絞り縁部51により略菱形の開口が画定された状態で、ロータ61の回動が停止するようにコイル64へ流す電流を制御することで、開口部10a,20aを所望の口径に絞るための絞り動作が行なわれる。
【0034】
上記の構成をなす電磁アクチュエータ60としては、前述のような揺動レバー90を採用したことにより、回動による駆動量が例えば約30°程度の回転角度範囲となる小型の電磁アクチュエータを採用することができるため、駆動量を大きく設定した大型の電磁アクチュエータを用いる場合に比べて、装置全体の小型化を行なうことができる。
以上述べた第1羽根体40及び第2羽根体50、電磁アクチュエータ60、揺動レバー90等により、開口部10a,20aを開閉すると共に所望の口径に絞ることのできる絞り兼用のカメラ用シャッタ装置が構成されている。
【0035】
カメラ用濃度フィルタ装置の一部をなす濃度フィルタ70は、ほとんど色の変化を生ずることなく光の強度(光量)を減少させる光学フィルタであり、一般にND(neutral density)フィルタとも称される。そして、この濃度フィルタ70は、図4に示すように、保持プレート75に貼付されて保持されている。
この保持プレート75は、図4に示すように、開口部10a,20a,30aの近傍領域に位置付けられて上側に向かって略矩形状に切り欠かれた切り欠き部75aと、両側端部領域において往復動方向に伸長して形成された長孔75b,75cと、下側領域において往復動方向に略直交する方向に伸長して形成された長孔75d等を備えた略U字形状に形成されている。そして、濃度フィルタ70は、切り欠き部75aの一部の領域を覆うように貼付されている。
【0036】
また、この保持プレート75は、その長孔75b,75cにフィルタ地板20から突出して設けられたガイドピン21a,21bがそれぞれ遊嵌されており、これらガイドピン21a,21bに案内されて図4中の上下方向に往復動自在となっている。尚、図4は、濃度フィルタ70が下方の移動端に移動して開口部10a,20aを開放した状態を示している。
【0037】
これら濃度フィルタ70及び保持プレート75が配置されたフィルタ室Fの下側領域には、揺動レバー110が配置されている。
この揺動レバー110は、樹脂材料等により長尺な薄板状に形成されており、図4に示すように、その一端部に設けられた係合ピン111と、その他端部に形成された長孔112と、これら係合ピン111及び長孔112の中間よりも長孔112寄りに形成された円孔113等により、その基本形状が形成されている。
【0038】
そして、この揺動レバー110は、図4に示すように、保持プレート75及び濃度フィルタ70よりも装置の外側(手前側)に配置されて、その係合ピン111が保持プレート75の長孔75dに遊嵌されており、又、その円孔113にはフィルタ地板20から突出する支軸22が嵌挿されており、さらに、長孔112には後述するロータ81の腕部81cが遊嵌されている。ここで、支軸22の中心C3は、後述するロータ81の回動中心C4から所定距離D2(図5参照)だけ偏倚した位置に配置されている。
【0039】
すなわち、揺動レバー110は、支軸22回りに揺動自在となっており、この揺動レバー110の回動動作に連動して、保持プレート75すなわち濃度フィルタ70が往復動するようになっている。例えば、揺動レバー110が図4中反時計回りに回転するとき、濃度フィルタ70が開口部10a,20aを開放する方向に保持プレート75は移動し、一方、揺動レバー110が図4中時計回りに回転するとき、濃度フィルタ70が開口部10a,20aを覆う方向に保持プレート75は移動する。
【0040】
上記構成においては、濃度フィルタ70を保持する保持プレート75の一部である長孔75dに回動自在に連結された係合ピン111が連結点に相当し、駆動源であるロータ81の回動中心C4から偏倚した位置に配置された円孔113(中心C3を持つ支軸22)が揺動支点に相当し、この円孔113(支軸22)から係合ピン111までの距離よりも短い距離の位置に配置された長孔112の部分が電磁アクチュエータ80の駆動力を及ぼす駆動力点に相当する。
【0041】
このように、揺動レバー110の揺動支点(C3)は電磁アクチュエータ80の回動中心C4から偏倚した位置にあり、かつ、駆動力点(長孔112)は揺動支点(C3)から連結点(係合ピン111)までの距離よりも短い距離の位置にあるため、揺動レバー110の回転角度は電磁アクチュエータ80の回転角度よりも大きくなる。すなわち、電磁アクチュエータ80の回転角度が増幅されて、揺動レバー110はより大きな角度範囲を回転することになり、その分だけ、保持プレート75すなわち濃度フィルタ70の作動量(移動量)も大きくなる。
【0042】
また、揺動レバー110は、樹脂材料等により薄板状に成型されて、濃度フィルタ70及び保持プレート75が配置されたフィルタ室F内に配置されているため、特別に専用の収容室を設ける必要もなく、簡略な構造にして装置全体の薄型化及び小型化を行なうことができる。
【0043】
駆動源としての電磁アクチュエータ80は、図1(c)及び図5に示すように、回動中心C4回りに所定の角度範囲に亘って回動自在に配置されたロータ81と、このロータ81を回動自在に支持する外側支持枠82及び内側支持枠83と、通電により電磁力を発生させるための励磁用のコイル84と、ロータ81と同心上に配置されて磁路を形成するヨーク85と、磁束密度の変化を検出するホール素子86等により構成されている。
【0044】
ロータ81は、略円柱形状をなしており、図5に示すように、その軸方向両端部に形成された軸部81a,81bが、それぞれ外側支持枠82の軸受け孔82a及び内側支持枠83の軸受け孔83aに回動自在に嵌合され、その外周の一部から突出して装置の内部に向かう腕部81cの端部が前述揺動レバー110の長孔112に遊嵌されている。また、このロータ81は、中心軸(回動中心C3)を通る平面を境としてN極とS極とに着磁されている。
【0045】
外側支持枠82及び内側支持枠83には、図5に示すように、断面矩形形状の環状溝82b,83bが形成されており、この環状溝82b,83b内においてコイル84が巻回されている。また、内側支持枠83は、フィルタ押え板30に固着された連結板120の外側に位置する連結爪120a及び締結ネジ130等を介して、フィルタ押え板30に固着され、外側支持枠82は、内側支持枠83に対して連結爪等により固着されるようになっている。
【0046】
ホール素子86は、図1(c)及び図5に示すように、外側支持枠82の外側でかつヨーク85の内側、すなわち、ロータ81とヨーク85との間に配置されており、ロータ81の回転に伴なって磁束密度が変化(磁場が変化)することにより、異なる電圧値を出力するものである。すなわち、ホール素子86の出力電圧値とロータ81の回転角度(回動量)さらには保持プレート75及び濃度フィルタ70の作動位置(作動量)とを予め関係付けておき、得られた出力電圧からロータ81の回転角度位置(濃度フィルタ70の作動位置あるいは覆い量)を検出するものである。
【0047】
上記構成において、コイル84に所定方向の電流が流されると、発生した電磁力により、ロータ81は図1(c)中時計回りに回転し始め、腕部81c及び長孔112を介して、揺動レバー110が図4中時計回りに回転し始める。これにより、保持プレート75はガイドピン21a,21bに沿って上方に移動し、最大限上方に移動した時点で、濃度フィルタ70が開口部10a,20aを最大限に覆うことになる。
【0048】
一方、コイル84に逆向きの電流が流されると、逆向きに発生した電磁力により、ロータ81は図1(c)中反時計回りに回転し始め、腕部81c及び長孔112を介して、揺動レバー110が図4中反時計回りに回転し始める。これにより、保持プレート75はガイドピン21a,21bに沿って下方に移動し、最大限下方に移動した時点で、濃度フィルタ70が開口部10a,20aを完全に開放することになる。
また、上記動作の途中において、ロータ81の回動を停止させて所望の回転角度位置に保持することにより、濃度フィルタ70が開口部10a,20aを覆う覆い量を適宜調整することができ、これにより、開口部10a,20aを通過する光の強度(光量)を調整することができる。尚、上記電磁アクチュエータ80の駆動に際しては、前述電磁アクチュエータ60のような磁性部材67を持たないため、初期設定の付勢力が働かず、その分だけ比較的小さい電流量でその回動を制御することができる。
【0049】
また、前述のような揺動レバー110を採用したことにより、上述の構成をなす電磁アクチュエータ80としては、回動による駆動量が例えば約30°程度の回転角度範囲となる小型の電磁アクチュエータを採用することができるため、駆動量を大きくした大型の電磁アクチュエータを用いる場合に比べて、装置全体の小型化を行なうことができる。
以上述べた濃度フィルタ70、保持プレート75、電磁アクチュエータ80、揺動レバー110等により、開口部10a,20aを通過する光の強度(光量)を調整するカメラ用濃度フィルタ装置が構成されている。
【0050】
次に、上記実施形態に係る光量可変型カメラ用シャッタ装置が、デジタルムービカメラ及びデジタルスチルカメラに搭載された場合の動作について、図6ないし図10を参照しつつ説明する。
本実施形態の装置が搭載されるデジタルムービカメラ及びデジタルスチルカメラにおいては、光の強度(光量)を検出する光検出センサ、種々の制御を司る制御部(CPU等)が設けられている。また、ホール素子66の出力電圧値とロータ61の回転角度すなわち第1羽根体40及び第2羽根体50による開口部10a,20aの絞り口径との関係が、制御マップとして予め制御部に記憶されている。さらに、ホール素子86の出力電圧値とロータ81の回転角度すなわち濃度フィルタ70による開口部10a,20aの覆い量に応じた光強度(光量)との関係が、制御マップとして予め制御部に記憶されている。
【0051】
先ず、デジタルムービカメラにおいて、動画像を撮影する場合は、撮影者が動画撮影用のボタンを操作すると、先ず、電磁アクチュエータ60のコイル64に対して所定方向にかつ所定量の電流が流されてロータ61が時計回りに回転することにより、図6(a)に示すように、休止状態において開口部10a,20aを閉鎖した位置(閉鎖位置)にある第1羽根体40及び第2羽根体50が、例えば図7(a)に示すように、開口部10a,20aを全開した位置(開放位置)に移動させられる。尚、この際に、濃度フィルタ70は、例えば図6(b)及び図7(b)に示すように、開口部10a,20aを開放した位置(開放位置)にある。
【0052】
続いて、光検出センサにより光の強度(光量)が検出されて、その検出信号が制御部に送られる。そして、この検出信号と制御マップとに基づいて適宜演算がなされる。ここで、光の強度(光量)が強過ぎる(明る過ぎる)場合は、開口部10a,20aの口径を絞るような制御信号すなわちコイル64に流す電流量を減じる制御信号が、制御部から電磁アクチュエータ60に送られて、第1羽根体40及び第2羽根体50はお互いに近接する方向に移動し、例えば図8(a)に示すように、最適な絞り口径となったところで停止する。尚、この状態においては、図8(b)に示すように、濃度フィルタ70は開口部10a,20aを開放した非作動の状態にある。
【0053】
尚、この絞り動作は、光検出センサにより光の強度(光量)をモニターしながら、制御マップ等に基づいて出力される制御信号により常に電磁アクチュエータ60の駆動量を制御して、絞り量が最適となるように自動的に制御されている。また、この絞り動作は、絞り過ぎによる光の回折現象を防ぐため、所定の口径よりも小さくならないように制御されている。
そして、最適な絞りとなった時点で、撮像素子(CCD)により動画像が撮影される。この動画像の撮影は、撮像素子(CCD)に蓄積された電荷を放出する動作を繰り返すことにより、連続したコマ撮り撮影を行なうものである。
【0054】
ところで、上記絞り動作が行なわれても、最適な光の強度(光量)に調整できない場合は、濃度フィルタ70による調整が行なわれる。すなわち、第1羽根体40及び第2羽根体50が、予め所定の作動位置に保持(所定の絞り口径にセット)される。そして、制御部から電磁アクチュエータ80に向けて制御信号が送られて、ロータ81が所定角度時計回りに回転し、図9に示すように、濃度フィルタ70が上方に移動し、絞り縁部41及び絞り縁部51により画定された開口部の全ての領域(図9(a))をあるいは一部の領域(図9(b))を覆うように制御される。この濃度フィルタ70による覆い動作は、光検出センサにより光の強度(光量)をモニターしながら、制御マップ等に基づいて出力される制御信号により常に電磁アクチュエータ80の駆動量を制御して、覆い量が最適となるように自動的に制御されている。
【0055】
続いて、この動画像を撮影していた図9に示す状態から、静止画像を撮影する場合は、既に最適な絞り口径に調整されているため、撮影者がレリーズ動作を行なうと、撮像素子(CCD)に蓄積されていた電荷を一旦放出してリセット(記録された画像を消去)し、露出動作を開始する。ここで、制御部により演算された適正時間(露出時間)が経過すると、制御部から制御信号が出力されて、電磁アクチュエータ80のコイル84に逆向きの電流が流され、ロータ81が反時計回りに迅速に回転して、第1羽根体40及び第2羽根体50はそれぞれ近接する方向に移動して、開口部10a,20aを閉鎖する。これにより、露出動作が終了し、静止画像が撮影される。
【0056】
次に、デジタルスチルカメラにおいて、静止画像を撮影する場合は、撮影者がレリーズ動作を行なうと、先ず、電磁アクチュエータ60のコイル64に対して所定方向にかつ所定量の電流が流されてロータ61が時計回りに回転する。そして、図6(a)に示すように、休止状態において開口部10a,20aを閉鎖した位置(閉鎖位置)にある第1羽根体40及び第2羽根体50は、図7(a)に示すように、開口部10a,20aを全開した位置(開放位置)に移動させられる。そして、所定の時間(露出時間)を経過した後、電磁アクチュエータ60のコイル64に対して逆向きでかつ所定量の電流が流されて、ロータ61が反時計回り(逆回り)に回転することにより、図6(a)に示すように、第1羽根体40及び第2羽根体50は、再び開口部10a,20aを閉鎖した位置(閉鎖位置)に移動する。
これにより、露出動作が終了して、静止画像が撮影される。尚、この静止画像の撮影において、光の強度を調整する必要がない場合は、濃度フィルタ70は、図6(b)及び図7(b)に示すように、開口部10a,20aを開放した位置(開放位置)にある。
【0057】
一方、光の強度(光量)が強過ぎる(明る過ぎる)場合は、制御部から制御信号が出力されて、電磁アクチュエータ80のコイル84に所定方向でかつ所定量の電流がながされる。そして、ロータ81が時計回りに回転することにより、濃度フィルタ70が上方に移動させられて、開口部10a,20aを適宜覆い(図10参照)、最適な状態に制御される。
その後、前述と同様に電磁アクチュエータ60の駆動が制御され、第1羽根体40及び第2羽根体50による露光動作が行なわれて、静止画像が撮影される。
【0058】
続いて、動画像を撮影する場合は、撮影者が動画撮影用のボタンを操作すると、先ず、電磁アクチュエータ60のコイル64に対して所定方向にかつ所定量の電流が流されてロータ61が時計回りに回転することにより、図6(a)に示すように、休止状態において開口部10a,20aを閉鎖した位置(閉鎖位置)にある第1羽根体40及び第2羽根体50が、図7(a)に示すように、開口部10a,20aを全開した位置(開放位置)に移動させられる。
【0059】
そして、光検出センサに検出された光の強度(光量)に関する検出信号と制御マップとに基づいて所定の演算がなされ、光の強度(光量)が強すぎる場合は、開口部10a,20aの口径を絞るような制御信号すなわちコイル64に流す電流量を減じる制御信号が、制御部から電磁アクチュエータ60に送られて、第1羽根体40及び第2羽根体50はお互いに近接する方向に移動し、例えば図8(a)に示すように、最適な絞り口径となったところで停止する。さらに、上記絞り動作が行なわれても、最適な光の強度(光量)に調整できない場合は、前述同様に、図9に示すような濃度フィルタ70による調整が行なわれる。
そして、最適な絞り及び光強度(光量)となった時点で、撮像素子(CCD)に蓄積された電荷を放出する動作を繰り返すことにより、連続したコマ撮り撮影を行なって、動画像が撮影される。
【0060】
以上述べたように、本発明の装置を適用することにより、動画像を主として撮影するデジタルムービカメラにおいても、静止画像を撮影することができ、又、静止画像を主として撮影するデジタルスチルカメラにおいても、動画像を撮影することができる。
【0061】
上記実施形態においては、絞り及びシャッタ機能をなすカメラ用シャッタ装置と、光の強度(光量)を調整するカメラ用濃度フィルタ装置とを兼ね備えた光量可変型カメラ用シャッタ装置について示したが、本発明に係るカメラ用シャッタ装置だけを種々のカメラに適用することができ、又、本発明に係るカメラ用濃度フィルタ装置を他のシャッタ装置と共に種々のカメラに適用することができる。
【0062】
また、上記実施形態においては、カメラ用シャッタ装置の揺動レバー90として、第1連結点(第1係合ピン91)と第2連結点(第2係合ピン92)とを結ぶ直線上の中間に、揺動支点(支軸12及び円孔93)を配置したものを採用したが、この揺動支点は第1連結点と第2連結点とを結ぶ直線から外れた位置に偏倚した構成であってもよく、又、揺動支点と第1連結点とを結ぶ直線上に駆動力点(長孔94及び腕部61c)を配置したものを採用したが、この駆動力点は、揺動支点から第1連結点又は第2連結点までの距離よりも短い距離の位置であれば、揺動支点と第1連結点とを結ぶ直線あるいは揺動支点と第2連結点とを結ぶ直線から外れた位置に偏倚した構成であってもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のカメラ用シャッタ装置によれば、光を通過させる開口部の開閉あるいは絞りを行なう第1羽根体及び第2羽根体を往復動させるべく駆動する駆動源の回動による駆動量を増幅して、第1羽根体及び第2羽根体を往復動させるように連動させる揺動レバーを設けたことにより、駆動源の駆動量が増幅されて第1羽根体及び第2羽根体に伝達されるため、駆動源の駆動量が比較的小さくても、第1羽根体及び第2羽根体の作動量(移動量)を大きくすることができる。
したがって、口径の大きい開口部に対して絞り動作を行なう場合にも、回動角度の狭い小型の駆動源を用いることができ、装置の小型化を行いつつ、絞り動作の作動量(ストローク)を増加させることができる。
【0064】
また、薄板状の揺動レバーとし、この揺動レバーを第1羽根体及び第2羽根体が収容される羽根室に配置することにより、装置の薄型化及び全体としての装置の小型化を行なうことができる。さらに、駆動源として、ヨーク、コイル、ロータ等から成る電磁アクチュエータを採用し、又、ヨークとロータとの間にホール素子を設けたことにより、ロータの回転角度位置すなわち絞り口径を高精度に制御することができ、又、装置の小型化を行なうことができる。
【0065】
また、本発明のカメラ用濃度フィルタ装置によれば、光を通過させるための開口部に対して、光の強度を調整する濃度フィルタを往復動させるように駆動する駆動源の回動による駆動量を増幅して、濃度フィルタを往復動させるように連動させる揺動レバーを設けたことにより、駆動源の駆動量が増幅されて濃度フィルタに伝達されため、駆動源の駆動量が比較的小さくても、濃度フィルタの作動量(移動量)を大きくすることができる。
したがって、口径の大きい開口部に対して覆い量の調整動作を行なう場合にも、回動角度の狭い小型の駆動源を用いることができ、装置の小型化を行いつつ、濃度フィルタによる調整代を増加させることができる。
【0066】
また、薄板状の揺動レバーとし、この揺動レバーを濃度フィルタが収容されるフィルタ室に配置することにより、装置の薄型化及び全体としての装置の小型化を行なうことができる。さらに、駆動源として、ヨーク、コイル、ロータ等から成る電磁アクチュエータを採用し、又、ヨークとロータとの間にホール素子を設けたことにより、ロータの回転角度位置すなわち濃度フィルタの覆い量を高精度に制御することができ、又、装置の小型化を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカメラ用シャッタ装置及び濃度フィルタ装置の一実施形態を示す概略図で、(a)は正面図、(b)は側断面図、(c)は背面図である。
【図2】カメラ用シャッタ装置の概略構成図である。
【図3】図2に示すカメラ用シャッタ装置を下側から見た断面図である。
【図4】カメラ用濃度フィルタ装置の概略構成図である。
【図5】図4に示すカメラ用濃度フィルタ装置を下側から見た断面図である。
【図6】カメラ用シャッタ装置及び濃度フィルタ装置の動作を説明する図で、(a)は開口部が閉鎖された状態、(b)は濃度フィルタが非作動の状態を示す図である。
【図7】カメラ用シャッタ装置及び濃度フィルタ装置の動作を説明する図で、(a)は開口部が全開された状態、(b)は濃度フィルタが非作動の状態を示す図である。
【図8】カメラ用シャッタ装置及び濃度フィルタ装置の動作を説明する図で、(a)は開口部が所定の口径に絞られた状態、(b)は濃度フィルタが非作動の状態を示す図である。
【図9】カメラ用シャッタ装置及び濃度フィルタ装置の動作を説明する図で、(a)は開口部が所定の口径に絞られかつ濃度フィルタが大きく作動した状態、(b)は開口部が所定の口径に絞られかつ濃度フィルタが僅かに作動した状態を示す図である。
【図10】カメラ用シャッタ装置及び濃度フィルタ装置の動作を説明する図で、(a)は濃度フィルタが大きく作動した状態でかつ開口部が閉鎖された状態、(b)は濃度フィルタが僅かに作動した状態でかつ開口部が閉鎖された状態を示す図である。
【図11】従来のカメラ用シャッタ装置を示す図である。
【符号の説明】
10a,20a 開口部
12,22 支軸(揺動支点)
40 第1羽根体
41 絞り縁部
50 第2羽根体
51 絞り縁部
60 電磁アクチュエータ(駆動源)
61 ロータ、 61c 腕部(駆動力点)
64 コイル
65 ヨーク
66 ホール素子
67 磁性部材
70 濃度フィルタ(NDフィルタ)
75 保持プレート(保持体)
80 電磁アクチュエータ(駆動源)
81 ロータ、 81c 腕部(駆動力点)
84 コイル
85 ヨーク
86 ホール素子
90 揺動レバー(増幅連動手段)
91 第1係合ピン(第1連結点)
92 第2係合ピン(第2連結点)
93 円孔(揺動支点)
94 長孔(駆動力点)
110 揺動レバー(増幅連動手段)
111 係合ピン(連結点)
112 長孔(駆動力点)
113 円孔(揺動支点)

Claims (8)

  1. お互いに近接及び離隔する方向に往復動することにより、光を通過させる開口部の開閉あるいは絞りを行なう第1羽根体及び第2羽根体と、第1羽根体及び第2羽根体を往復動させるべく駆動する駆動源とを備えたカメラ用シャッタ装置であって、 前記駆動源の回動による駆動量を増幅して、前記第1羽根体及び第2羽根体を往復動させるように連動させる揺動レバーを有し
    前記揺動レバーは、前記第1羽根体の一部に回動自在に連結された第1連結点と、前記第2羽根体の一部に回動自在に連結された第2連結点と、前記第1連結点と第2連結点との中間でかつ前記駆動源の回動中心から偏倚した位置に配置された揺動支点と、前記揺動支点から前記第1連結点又は第2連結点までの距離よりも短い距離の位置に配置されて前記駆動源の駆動力を及ぼす駆動力点とを備えている、
    ことを特徴とするカメラ用シャッタ装置。
  2. 前記駆動源は、磁路を形成するヨークと、励磁用のコイルと、前記コイルへの通電により発生した電磁力により所定の角度範囲を回動するロータと、を有する電磁アクチュエータからなり、
    前記電磁アクチュエータは、休止位置において、前記第1羽根体及び第2羽根体が前記開口部を閉鎖するように、磁気的に付勢されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のカメラ用シャッタ装置。
  3. 前記ヨークと前記ロータとの間には、前記ロータの回動量を検出するためのホール素子が配置されている、
    ことを特徴とする請求項2記載のカメラ用シャッタ装置。
  4. 前記第1羽根体及び第2羽根体を収容する羽根室を有し、
    前記揺動レバーは、薄板状に形成されかつ前記羽根室内に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のカメラ用シャッタ装置。
  5. 光を通過させるための開口部を通過する光の強度を調整する濃度フィルタと、濃度フィルタによる開口部の覆い量を調整するべく濃度フィルタを往復動させるように駆動する駆動源とを備えたカメラ用濃度フィルタ装置であって、
    前記駆動源の回動による駆動量を増幅して、前記濃度フィルタを往復動させるように連動させる揺動レバーを有し
    前記揺動レバーは、前記濃度フィルタを保持する保持体の一部に回動自在に連結された連結点と、前記駆動源の回動中心から偏倚した位置に配置された揺動支点と、前記揺動支点から前記連結点までの距離よりも短い距離の位置に配置されて前記駆動源の駆動力を及ぼす駆動力点とを備えている、
    ことを特徴とすカメラ用濃度フィルタ装置。
  6. 前記駆動源は、磁路を形成するヨークと、励磁用のコイルと、前記コイルへの通電により発生した電磁力により所定の角度範囲を回動するロータと、を有する電磁アクチュエータからなる、
    ことを特徴とする請求項5記載のカメラ用濃度フィルタ装置。
  7. 前記ヨークと前記ロータとの間には、前記ロータの回動量を検出するためのホール素子が配置されている、
    ことを特徴とする請求項6記載のカメラ用濃度フィルタ装置。
  8. 前記濃度フィルタを収容するフィルタ室を有し、
    前記揺動レバーは、薄板状に形成されかつ前記フィルタ室内に配置されている、
    ことを特徴とする請求項5ないし7いずれかに記載のカメラ用濃度フィルタ装置。
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