JP2002055376A - 電磁アクチュエータ及びカメラの絞り兼用シャッタ装置 - Google Patents

電磁アクチュエータ及びカメラの絞り兼用シャッタ装置

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JP2002055376A
JP2002055376A JP2000239775A JP2000239775A JP2002055376A JP 2002055376 A JP2002055376 A JP 2002055376A JP 2000239775 A JP2000239775 A JP 2000239775A JP 2000239775 A JP2000239775 A JP 2000239775A JP 2002055376 A JP2002055376 A JP 2002055376A
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JP
Japan
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rotor
electromagnetic actuator
frame member
aperture
coil
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Application number
JP2000239775A
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English (en)
Inventor
Junichi Matsumoto
本 淳 一 松
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Nidec Precision Corp
Original Assignee
Nidec Copal Corp
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Publication date
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  • Reciprocating, Oscillating Or Vibrating Motors (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】所定の角度範囲を回動するロータを備えた電磁
アクチュエータにおいて、小型化を図りつつ、ロータの
作動角度を大きくする。 【解決手段】出力ピン12を有するロータ10と、ロー
タ10を回動自在に支持する上側枠部材20及び下側枠
部材30と、ロータ10の回転中心軸を含む面と交差す
る方向に磁力線が発生するように上側枠部材20及び下
側枠部材30の周りに巻回された励磁用のコイル40
と、上側枠部材20の外周に取り付けられた円筒状のヨ
ーク50とを備え、コイル40を、ロータ10の回転中
心軸を含む面に対して出力ピン12から遠ざかる側に偏
倚させて巻回し、出力ピン12の作動角度を大きく設定
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の角度範囲を
回動するロータを備えた電磁アクチュエータ及びこれを
用いたカメラの絞り兼用シャッタ装置に関し、特に、ロ
ータを回動自在に支持する枠部材にコイルを巻回したタ
イプの電磁アクチュエータ及びカメラの絞り兼用シャッ
タ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カメラのシャッタ装置等において、駆動
源として適用される従来の電磁アクチュエータは、図9
に示すように、N極及びS極に着磁されかつ出力ピン1
aを有するロータ1と、ロータ1を回動自在に支持する
上側枠部材2及び下側枠部材3と、両枠部材2,3の周
りに巻回された励磁用のコイル4と、上側枠部材2の外
周に取り付けられた円筒状のヨーク5と、上側枠部材2
とヨーク5との間に挿入された磁性ピン(不図示)等に
より構成されている。
【0003】ここで、コイル4は、上側枠部材2及び下
側枠部材3の略中央部に形成された巻回溝2a,3aに
巻回されて、ロータ1の上下端面を取り囲むようにかつ
ロータ1の回転中心軸を通る面Lに対して左右対称とな
るように配置されている。したがって、図9に示すよう
に、この巻回溝2a,3aを画定する部分B(端面S
1)により、出力ピン1aの作動(移動)可能な角度範
囲が制限されることになり、この作動角度αは、約30
°程度であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近のデジ
タルスチルカメラ等においては、静止画像を撮影できる
だけでなく、動画も併せて撮影できるような機能が要求
されている。この要求を満たすにあたり、シャッタ羽根
には、露光用の開口部を開放する位置(開放位置)から
閉鎖する位置(閉鎖位置)まで移動させるシャッタ動作
の他に、開放位置から閉鎖位置までの間の途中の位置
(絞り位置)に止めて絞り動作を行なわせる必要があ
る。
【0005】このように、開放位置から閉鎖位置までの
途中に絞り位置を設けて、シャッタ羽根をこの絞り位置
に停止させるように制御する場合、駆動源として上記従
来のように作動角度(回動角度)αが狭い電磁アクチュ
エータを用いると、僅かな回転角度のズレが絞り口径を
大きく変化させることになり、結果的に所望の絞り動作
を行なわせるための制御が困難であるという問題があっ
た。一方、上記構成と同一の電磁アクチュエータで出力
ピン1aの移動量を大きくしようとすると、移動量X=
回転半径R×作動角度αの関係から、出力ピン1aの回
転半径を大きくすなわちロータ1を大きくする必要があ
り、結果的に電磁アクチュエータの大型化を招くという
問題があった。
【0006】本発明は、上記の点に鑑みて成されたもの
であり、その目的とするところは、小型化を図りつつ、
出力部の作動角度(移動範囲)すなわちロータの回動角
度を大きくすることができる電磁アクチュエータ及びこ
れを用いたカメラの絞り兼用シャッタ装置を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電磁アクチ
ュエータは、異なる極性に着磁されかつ回転中心軸から
偏倚した位置に出力部を有するロータと、このロータを
回動自在に支持する枠部材と、ロータの回転中心軸を含
む面と交差する方向に磁力線が発生するように枠部材の
周りに巻回された励磁用のコイルと、枠部材の外周に取
り付けられて磁路を形成するヨークとを備え、コイルへ
の通電及び非通電により所定の角度範囲を回動して出力
部により回転力を出力する電磁アクチュエータであっ
て、上記コイルは、ロータの回転中心軸を含む面に対し
て、出力部から遠ざかる側に偏倚して設けられている、
ことを特徴としている。この構成によれば、ロータの回
転中心軸を含む面に対して、コイルが出力部から遠ざか
る側に偏倚して設けられているため、出力部の作動角度
(移動範囲)を大きく(例えば、従来の2倍程度に)設
定することができる。
【0008】上記構成において、枠部材にはコイルを巻
回するための巻回溝が設けられており、この巻回溝は、
ロータの回転中心軸を含む面に対して出力部から遠ざか
る側の偏倚した位置に形成されている、構成を採用する
ことができる。この構成によれば、コイルを巻回する巻
回溝がロータの出力部から遠ざかる側に偏倚しているた
め、巻回溝を形成する部分の端面をロータの出力部から
離した位置に設けることができ、それ故に、出力部の作
動角度(移動範囲)を大きくすることができる。
【0009】上記構成において、ヨークは円筒状をな
し、枠部材は、ロータの一端部を回動自在に支持する第
1の枠部材と、ロータの他端部を回動自在に支持する第
2の枠部材とからなり、巻回溝は、第1の枠部材及び第
2の枠部材に対して環状に形成され、かつ、ロータの外
周面を取り囲む領域に位置する部分がヨークの内周面及
びロータの外周面と略平行となるべく円筒面状に形成さ
れている、構成を採用することができる。この構成によ
れば、ロータの外周面を取り囲む領域に位置する部分の
巻回溝の底面が、ヨークの内周面及びロータの外周面と
略平行な円筒面状に形成されているため、巻回溝を中央
部から偏倚させて形成しつつもコイルを巻回するための
容積を確保することができる。
【0010】また、本発明に係るカメラの絞り兼用シャ
ッタ装置は、露光用の開口部を開閉可能でかつ所定の口
径に絞り可能な絞り兼用のシャッタ羽根と、このシャッ
タ羽根を駆動する駆動源とを備えたカメラの絞り兼用シ
ャッタ装置であって、上記駆動源として、上記構成をな
す電磁アクチュエータを採用する、ことを特徴としてい
る。この構成によれば、大きな作動角度をもった電磁ア
クチュエータを駆動源としてシャッタ羽根を駆動するた
め、開放位置から閉鎖位置までの移動行程の途中に絞り
位置を設けて、シャッタ羽根に絞り動作を行なわせて
も、その絞り動作は高精度に行なわれる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付図面を参照しつつ説明する。図1ないし図4
は、本発明に係る電磁アクチュエータの一実施形態を示
すものである。尚、図1は分解斜視図、図2は横断面
図、図3は縦断面図、図4は平面図である。この実施形
態に係る電磁アクチュエータは、図1に示すように、ロ
ータ10と、ロータ10を回動自在に支持する上側枠部
材20及び下側枠部材30と、上側枠部材20及び下側
枠部材30の周りに巻回された励磁用のコイル40と、
上側枠部材20の外周に取り付けられて磁路を形成する
円筒状のヨーク50等を、その基本構成としている。
【0012】ロータ10は、異なる極性(N極とS極)
に着磁された円柱状の本体部11と、この本体部11の
中心を通る回転中心軸から偏倚した位置に出力部として
の出力ピン12を有し、又、回転中心軸の両端には、後
述する上側枠部材20の軸受け孔21に挿入される上側
軸部(一端部)13及び下側枠部材30の軸受け孔31
に挿入される下側軸部(他端部)14を有している。
尚、ロータ10は、上側軸部13、下側軸部14、及び
出力部12からなる軸部分に対して、本体部11が成型
時に一体的にモールドされて、その後N極及びS極に着
磁されたものである。
【0013】第1の枠部材としての上側枠部材20は、
図1に示すように、両側に切り欠き20aが設けられた
略キャップ(鍔付き帽子)形状をなし、その上壁部に
は、軸受け孔21及びコイル40を巻回するための巻回
溝22が形成されている。この巻回溝22は、上側枠部
材20と下側枠部材30とを結合した状態で、環状の溝
の一部を画定するように形成され、図2及び図3に示す
ように、ロータ10の回転中心軸を通る面Lに対して、
その中心線が出力ピン12から遠ざかる側に距離Dだけ
偏倚した位置に配置されている。また、この巻回溝22
は、図1ないし図3に示すように、軸受け孔21が形成
された上側の平坦面22aと、ロータ10の外周面11
aを取り囲む領域に位置する前後の円筒状面22bとに
より形成されている。
【0014】尚、上側枠部材20の下端部には、図3に
示すように、下側枠部材30に連結するためのフック等
をなす連結部23が形成されており、この連結部23を
下側枠部材30に向けて押し込むことにより、容易に連
結できるようになっている。
【0015】第2の枠部材としての下側枠部材30に
は、図1及び図3に示すように、その下壁部において、
軸受け孔31、コイル40を巻回するための巻回溝3
2、出力ピン12を遊挿させる開口33等が形成されて
いる。この巻回溝32は、上側枠部材20と下側枠部材
30とを結合した状態で、環状の溝の一部を画定するよ
うに形成され、図3に示すように、ロータ10の回転中
心軸を通る面Lに対して、その中心線が出力ピン12か
ら遠ざかる側に距離Dだけ偏倚した位置に配置されてい
る。また、この巻回溝32は、図1及び図3に示すよう
に、軸受け孔31が形成された下側の平坦面32aと、
上記上側枠部材20に形成された巻回溝22の円筒状面
22bと連続的に同一面上に連なるように形成された前
後の円筒状面32bとにより形成されている。
【0016】尚、下側枠部材30の下壁部の両側に位置
する縦壁部には、図1に示すように、上側枠部材20の
連結部23を受け入れる連結受部34が形成されてお
り、さらに続いて水平方向に拡がるフランジ部35が形
成されている。このフランジ部35には、ボルトを通す
貫通孔35aが設けられており、例えば、カメラの絞り
兼用シャッタ装置の地板等に形成されたボス部に対し
て、このフランジ部35が接合されボルトにより締結さ
れる。
【0017】上記上側枠部材20と下側枠部材30と
が、ロータ10を回動自在に支持した状態で結合される
と、巻回溝22と巻回溝32とは、ロータ10を縦方向
において取り囲み、かつ、その中心線がロータ10の回
転中心軸を通る面Lから距離Dだけ左側に(出力ピン1
2から遠ざかる側に)偏倚した環状の溝となり、この環
状の溝(巻回溝22,32)に対して、所定の巻き数だ
けコイル40が巻回されることになる。すなわち、この
ように配置(巻回)されたコイル40に電流を流すと、
ロータ10の回転中心軸を含む面Lと交差する方向に磁
力線が発生することになる。
【0018】上記のように、巻回溝22,32を偏倚さ
せたことにより、図2に示すように、巻回溝22を画定
する部分B2の端面S2は、面L寄り(図2において左
寄り)に後退した位置に設けることができ、これによ
り、出力ピン12の作動角度α2を大きく設定すること
ができる。この実施形態において、作動角度α2は、約
60°に設定されている。また、上記巻回溝22,32
は、図1及び図2に示すように、その側面(縦の底面)
が平坦面ではなく円筒状面22b,32bとして形成さ
れているため、距離Dだけ偏倚させつつもコイル40を
巻回するための十分な容積を確保することができる。
【0019】尚、上記電磁アクチュエータにおいては、
必要に応じて磁気的付勢力を発生させるために磁性ピン
(鉄ピン)を設けることができる。すなわち、上側枠部
材20の外周面において、巻回溝22を境として出力ピ
ン12が移動する側の領域に、あるいは、巻回溝22を
境として出力ピン12が移動する側と反対側の領域に、
取り付け溝を形成し、磁性ピンを挿着することができ
る。例えば、図4に示すように、取り付け溝24を形成
して磁性ピン60を挿着することにより、休止状態でロ
ータ10を保持するように付勢することができる。尚、
ここでは、取り付け溝を1箇所に設けた例を示したが、
それ以外の個数であってもよい。
【0020】図5ないし図8は、本発明の電磁アクチュ
エータを、カメラの絞り兼用シャッタ装置の駆動源とし
て適用した例を示すものである。この絞り兼用シャッタ
装置は、露光用の開口部100a,110aを有する地
板100及び押え板110と、開口部100a,110
aを開閉すると共に所望の口径に絞る絞り兼用のシャッ
タ羽根120と、シャッタ羽根120を駆動する駆動源
としての本発明に係る電磁アクチュエータ130等を備
えている。
【0021】地板100と押え板110とは、図5に示
すように、羽根室Wを画定するように結合されており、
この羽根室Wに絞り兼用のシャッタ羽根120が配置さ
れている。地板100の上面には、電磁アクチュエータ
130が配置されている。この電磁アクチュエータ13
0は、図5に示すように、突出した出力ピン12を有し
かつN極及びS極に着磁されて所定の角度範囲を回動す
るロータ10と、ロータ10を回動自在に支持する上側
枠部材20及び下側枠部材30と、出力ピン12から遠
ざかる側に偏倚して配置された励磁用のコイル40と、
上側枠部材20に取り付けられた円筒状のヨーク50等
を備えている。
【0022】そして、ロータ10は、図6に示す位置か
ら図8に示す位置まで約60°の角度範囲を移動するこ
とができるようになっている。尚、図4に示すような磁
性ピン60を設けて、シャッタ羽根120が、開口部1
00a,110aを開放する開放位置あるいは閉鎖する
閉鎖位置にあるとき、コイル40への非通電状態でそれ
らの位置に保持されるように、磁気的付勢力を作用させ
る構成としてもよい。
【0023】絞り兼用のシャッタ羽根120は、図6な
いし図8に示すように、第1シャッタ羽根121と第2
シャッタ羽根122との2枚羽根からなる。第1シャッ
タ羽根121は地板100の支持軸102により、又、
第2シャッタ羽根122は地板100の支持軸103に
より、それぞれ回動自在に支持されている。また、第1
シャッタ羽根121及び第2シャッタ羽根122の長孔
121a,122aには、ロータ10の出力ピン12が
連結されている。そして、図6に示すように、出力ピン
12が略下向きに(ロータ10が時計回りに)回転した
休止状態において、シャッタ羽根120は、それぞれの
絞り縁部121b,122bが開口部100aを完全に
開放する開放位置に至り、ストッパ104,105に当
接して停止し、その位置に位置決めされる。
【0024】一方、図7に示すように、出力ピン12が
略上向きに(ロータ10が反時計回りに約30°)回転
すると、シャッタ羽根120は、それぞれの絞り縁部1
21b,122bが開口部100aを所定の口径に絞る
絞り位置に至り、その位置に保持される。尚、絞り位置
が予め設定されている場合は、シャッタ羽根120の移
動を規制する規制手段(不図示)等を設けて、シャッタ
羽根120をその絞り位置に位置決めするように構成し
てもよい。
【0025】また、出力ピン12が図7に示す状態から
さらに上向きに(ロータ10がさらに反時計回りに約3
0°)回転すると、図8に示すように、シャッタ羽根1
20は開口部100aを完全に閉鎖する閉鎖位置に至
り、ストッパ104´,105´に当接して、その位置
に位置決めされる。
【0026】すなわち、第1シャッタ羽根121と第2
シャッタ羽根122とは、長孔121a,122aに挿
入された出力ピン12を介して連動させられる関係にあ
る。この連動関係の下で、例えば図5に示すように、地
板100の軸部109に捩じりスプリング150を取り
付け、その一端部151を第2シャッタ羽根122の一
部に掛止しかつ他端部152を出力ピン12に掛止し
て、休止状態において、この捩じりスプリング150に
よりロータ10が時計回りに付勢されて、第1シャッタ
羽根121と第2シャッタ羽根122とが開放位置に向
けて付勢されるように構成してもよい。
【0027】次に、上記絞り兼用シャッタ装置が、静止
画及び動画の撮影が可能なデジタルスチルカメラに搭載
された場合の動作について説明する。尚、デジタルスチ
ルカメラには、種々の制御を司る制御部(CPU等)、
撮像素子としてのCCD、CCDから出力された画像信
号の記憶処理等を行なう画像信号処理回路、シャッタの
レリーズ動作を行なう際のシャッタレリーズスイッチ、
動画撮影用のムービスイッチ、メインスイッチ等が設け
られている。
【0028】先ず、静止画を撮影する場合において、撮
影者がメインスイッチをONにすると、制御部から出力
される制御信号によりCCDがON状態になり作動させ
られる。このとき、図6に示すように、シャッタ羽根1
20は、開口部100aを全開した開放位置に位置し、
ストッパ104,105により位置決めされる。すなわ
ち、電磁アクチュエータ130のロータ10は、非通電
状態において、磁性ピン60を設けた場合はその磁気吸
引力により、又、捩じりスプリング150を設けた場合
はその付勢力により、時計回りに回転するように付勢さ
れて位置決めされた状態で保持される。
【0029】上記のように、開口部100aが開放され
た状態において、CCDに被写体光が届くと、CCDの
出力信号に基づいて、制御部は適正な絞りを行なうか否
かの判断と露出時間(シャッタ秒時)を演算する。そし
て、絞り動作を行なわない作動モードでは、図6に示す
状態のまま撮影に備えて待機することになる。
【0030】ここで、レリーズ動作が行なわれると、制
御部からの制御信号によりCCDがリセットされて電荷
の蓄積を開始し、所定時間(露出時間)経過した時点
で、コイル40に所定方向の電流が流される。これによ
り、電磁アクチュエータ130のロータ10が反時計回
りに約60°回転し、図8に示すように、第1シャッタ
羽根121及び第2シャッタ羽根122がそれぞれ直ち
に閉鎖位置へと移動させられ、第1シャッタ羽根121
及び第2シャッタ羽根122は、それぞれストッパ10
4´,105´に当接して停止する。
【0031】続いて、制御部は画像信号処理回路等を介
して撮影された画像の信号を取り込む制御を行ない、メ
モリカード等の記憶部に記憶させる。これにより、1回
の静止画撮影動作が完了する。その後、制御部から出力
される信号により、電磁アクチュエータ130のコイル
40へ逆向きの電流が流されると、ロータ10は時計回
りに約60°回転し、図6に示すように、第1シャッタ
羽根121及び第2シャッタ羽根122はそれぞれ直ち
に開放位置へと移動させられ、ストッパ104,105
に当接して停止する。
【0032】一方、被写体光に曝されたCCDの出力信
号に基づいて、制御部が絞りを行なうと判断した場合の
作動モードでは、先ず、制御部から出力される信号によ
り、電磁アクチュエータ130のコイル40に対して、
所定方向の電流が流される。この通電により、ロータ1
0が反時計回りに例えば約30°だけ回転すると、第1
シャッタ羽根121が時計回りにかつ第2シャッタ羽根
122が反時計回りに回転し、図7に示すような絞り位
置に至る。
【0033】図7に示す絞り状態においては、開口部1
00aの絞り口径は、第1シャッタ羽根121の絞り縁
部121bと第2シャッタ羽根122の絞り縁部122
bとにより画定される。すなわち、ロータ10の回動動
作は、出力ピン12、長孔121a,122aを介し
て、第1シャッタ羽根121及び第2シャッタ羽根12
2の揺動動作として、増幅されて変換されることにな
る。
【0034】したがって、ロータ10の回転角度が所定
の許容範囲から外れると、第1シャッタ羽根121の絞
り縁部121bと第2シャッタ羽根122の絞り縁部1
22bとにより画定される絞り口径は所望の値から大き
くずれることになる。それ故に、電磁アクチュエータ1
30の作動特性、すなわち、所定の通電に対するロータ
10の回動量(回転角度)は、高精度に制御される必要
がある。
【0035】ところで、本発明の電磁アクチュエータ1
30においては、ロータ10の作動角度α2が約60°
であり、従来に比べて2倍の大きさになっている。した
がって、ロータ10の回動量(回転角度)の誤差が従来
と同様の場合、絞り口径のバラツキ幅は半減されること
になり、一方、この誤差が従来の2倍のときに絞り口径
のバラツキは従来と同様になる。換言すれば、ロータ1
0の回転角度に対する絞り口径の変化が鈍感にすなわち
微調整が可能になったことにより、ロータ10の回転角
度を高精度に制御することができ、又、従来と同様の制
御を行なってもシャッタ羽根120をより高精度に位置
決めすることができ、これにより、高精度な絞りを行な
うことができる。
【0036】この絞り状態で、レリーズ動作が行なわれ
ると、制御部から出力される制御信号によりCCDがリ
セットされて電荷の蓄積を開始し、所定時間(露出時
間)経過した時点で、電磁アクチュエータ130のコイ
ル40に所定方向の電流が所定時間流される。これによ
り、ロータ10が反時計回りに約30°回転し、図8に
示すように、第1シャッタ羽根121が時計回りにかつ
第2シャッタ羽根122が反時計回りにそれぞれ回転し
て閉鎖位置に移動させられ、それぞれストッパ104
´,105´に当接して停止する。
【0037】続いて、制御部は画像信号処理回路等を介
して撮影された画像の信号を取り込む制御を行ない、メ
モリカード等の記憶部に記憶させる。これにより、1回
の静止画撮影動作が完了する。その後、制御部から出力
される信号により、電磁アクチュエータ130のコイル
40へ逆向きの電流が流されると、ロータ10は時計回
りに約60°回転し、図6に示すように、第1シャッタ
羽根121及び第2シャッタ羽根122はそれぞれ開放
位置へ移動させられ、ストッパ104,105に当接し
て停止する。
【0038】以上の制御シーケンスにより、開口部10
0aが再び開放されて、CCDに被写体光が届くと、こ
のCCDの出力信号に基づいて、制御部は絞りを行なう
か否かの判断と露出時間(シャッタ秒時)を演算する。
そして、絞り動作を行なわない作動モードでは、図6に
示す状態で撮影に備えて待機し、又、絞り動作を行なう
作動モードでは、図7に示す状態で撮影に備えて待機す
ることになる。
【0039】一方、動画を撮影する場合は、先ずCCD
の出力信号に基づいて、制御部が適正な絞りを行なうか
否かの判断と露出時間(シャッタ秒時)を演算する。そ
して、例えば図7に示すように絞り動作を行なった状態
で、ムービスイッチがONにされると、その間(OFF
とされるまで)制御部からの信号に応じて、CCDは電
荷の蓄積及び放出を連続的に繰り返して高速で連続撮像
を繰り返す。そして、CCDから出力された複数の連続
した画像信号は画像信号処理回路に導かれて、記憶等の
種々の処理が行なわれる。
【0040】以上述べたように、絞り兼用シャッタ装置
においては、絞りの口径を高精度に制御する必要がある
ため、本発明に係る電磁アクチュエータ130の如くロ
ータ10の作動角度α2が大きく設定されたものは、デ
ジタルスチルカメラ等において、静止画及び動画を撮影
する際に、駆動源として好ましく適用される。また、上
記絞り兼用シャッタ装置においては、シャッタ羽根12
0に一箇所の絞り位置を設定した場合を示したが、開放
位置から閉鎖位置に至る途中に複数の絞り位置を設け
て、シャッタ羽根120に絞り口径が異なる複数段の絞
り動作を行なわせるように構成することも可能である。
これにより、これら複数の絞り位置において、静止画あ
るいは動画を撮影することができる。
【0041】多段絞りとして、例えば、ロータ10が反
時計回りに、15°、30°、45°回転した3つの絞
り位置を設け、いずれかの位置に位置決めして絞り動作
を行なわせるようにしてもよい。この場合においても、
本発明の電磁アクチュエータ130により、高精度な位
置決めを行なうことができ、それ故に、高精度な絞りを
行なうことができる。すなわち、この複数段の絞りを行
なう構成においても、電磁アクチュエータ130の作動
角度α2が大きいことから、それぞれの絞り位置におい
て絞り口径を高精度に制御することができ、これによ
り、高画質の静止画あるいは動画を撮影することができ
る。
【0042】上記実施形態においては、巻回溝22,3
2として、断面が略矩形形状のものを採用したが、これ
に限定されるものではなく、その他の形状を採用するこ
とができる。また、ロータ10の作動角度α2として
は、約60°に設定したが、巻回溝22,32をさらに
偏倚させた位置に設けることで、さらに大きな作動角度
α2を設定することも可能である。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の電磁アクチ
ュエータ及びカメラの絞り兼用シャッタ装置によれば、
ロータの回転中心軸を含む面と交差する方向に磁力線が
発生するように枠部材の周りに巻回される励磁用のコイ
ルを、ロータの回転中心軸を含む面に対してロータの出
力部から遠ざかる側に偏倚して設けたことにより、出力
部の作動角度(移動範囲)を大き設定することができる
と共に、小型化を行なうことができる。したがって、こ
の電磁アクチュエータをカメラの絞り兼用シャッタ装置
等の駆動源として適用した場合は、シャッタ羽根による
絞り動作を高精度に制御することができ、又、装置の小
型化を行なうことができる。また、コイルを巻回する巻
回溝の一部を、ヨークの内周面及びロータの外周面と略
平行となるべく円筒面状に形成することにより、巻回溝
をロータの回転中心軸から偏倚させつつもコイルを巻回
するための容積を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁アクチュエータの一実施形態
を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示す電磁アクチュエータの横断面図であ
る。
【図3】図1に示す電磁アクチュエータの縦断面図であ
る。
【図4】図1に示す電磁アクチュエータの平面図であ
る。
【図5】本発明に係る電磁アクチュエータをカメラの絞
り兼用シャッタ装置に搭載した一実施形態を示す断面図
である。
【図6】図5に示す絞り兼用シャッタ装置において、シ
ャッタ羽根が開口部を開放する位置にある状態を示す平
面図である。
【図7】図5に示す絞り兼用シャッタ装置において、シ
ャッタ羽根が開口部を所定の口径に絞る位置にある状態
を示す平面図である。
【図8】図5に示す絞り兼用シャッタ装置において、シ
ャッタ羽根が開口部を閉鎖する位置にある状態を示す平
面図である。
【図9】従来の電磁アクチュエータを示す横断面図であ
る。
【符号の説明】
10 ロータ 20 上側枠部材(第1の枠部材) 21 軸受け孔 22 巻回溝、22a 平坦面、22b 円筒状面 24 取り付け溝 30 下側枠部材(第2の枠部材) 31 軸受け孔 32 巻回溝、32a 平坦面、32b 円筒状面 33 開口 34 連結受部 40 コイル 50 ヨーク 60 磁性ピン 100 地板 110 押え板 120 シャッタ羽根 130 電磁アクチュエータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる極性に着磁されかつ回転中心軸か
    ら偏倚した位置に出力部を有するロータと、前記ロータ
    を回動自在に支持する枠部材と、前記ロータの回転中心
    軸を含む面と交差する方向に磁力線が発生するように前
    記枠部材の周りに巻回された励磁用のコイルと、前記枠
    部材の外周に取り付けられて磁路を形成するヨークとを
    備え、前記コイルへの通電及び非通電により所定の角度
    範囲を回動して出力部により回転力を出力する電磁アク
    チュエータであって、 前記コイルは、前記ロータの回転中心軸を含む面に対し
    て、前記出力部から遠ざかる側に偏倚して設けられてい
    る、ことを特徴とする電磁アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記枠部材には、前記コイルを巻回する
    ための巻回溝が設けられており、 前記巻回溝は、前記ロータの回転中心軸を含む面に対し
    て、前記出力部から遠ざかる側の偏倚した位置に形成さ
    れている、ことを特徴とする請求項1記載の電磁アクチ
    ュエータ。
  3. 【請求項3】 前記ヨークは、円筒状をなし、 前記枠部材は、前記ロータの一端部を回動自在に支持す
    る第1の枠部材と、前記ロータの他端部を回動自在に支
    持する第2の枠部材とからなり、 前記巻回溝は、前記第1の枠部材及び第2枠部材に対し
    て環状に形成され、かつ、前記ロータの外周面を取り囲
    む領域に位置する部分が前記ヨークの内周面及びロータ
    の外周面と略平行となるべく円筒面状に形成されてい
    る、ことを特徴とする請求項1又は2記載の電磁アクチ
    ュエータ。
  4. 【請求項4】 露光用の開口部を開閉可能でかつ所定の
    口径に絞り可能な絞り兼用のシャッタ羽根と、前記シャ
    ッタ羽根を駆動する駆動源と、を備えたカメラの絞り兼
    用シャッタ装置であって、 前記駆動源は、請求項1ないし3いずれか一つに記載の
    電磁アクチュエータである、ことを特徴とするカメラの
    絞り兼用シャッタ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6726380B2 (en) 2002-08-30 2004-04-27 Nidec Copal Corporation Camera blade driving device
US6733192B2 (en) 2002-06-25 2004-05-11 Nidec Copal Corporation Electromagnetic actuator and camera blade driving device
US7156564B2 (en) 2003-09-17 2007-01-02 Nidec Copal Corporation Blade driving device for use in cameras

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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