JP4480978B2 - 医療用処置具 - Google Patents

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Description

本発明は、体腔内に挿入し、生体組織に対して所定処理、例えば、結紮や縫合等を行う医療用処置具に関する。
現在、内視鏡の処置具チャンネルに挿通することにより体腔内に挿入し、生体組織に対して、所定の処理、例えば、結紮、縫合、生体サンプルの入手を行う医療用処置具は、様々なものが提供されている。この種の医療用処置具の1つとして、体腔内の病変部を結紮ワイヤにより結紮すると共に結紮した該結紮ワイヤを切断する操作を、一連の操作で行うことができる医療用結紮装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この医療用結紮装置は、生体内に留置される医療用結紮具と、該医療用結紮具を体内に誘導して結紮操作を行う操作装置とを備えている。医療用結紮具は、基端側に折り返し部を有する上記結紮ワイヤと、該結紮ワイヤを折り返し部の前方で進退自在に固定する固定部材とを有している。該固定部材は、第1部材と第2部材とから構成されている。
上記第1部材は、円筒状に形成され、先端側に設けられた圧入部と、基端側に設けられた環状の切断刃を有する大径部とを有している。この大径部の外周面には、係合爪が形成されている。また、第2部材は、円筒状に形成された第1部材の先端側に進退自在に配され、内部に上記圧入部が圧入される固定用内腔と、円筒部の外周に設けられて前記係合爪に係合可能な係合孔とを有している。
また、上記結紮ワイヤは、第2部材の先端から固定用内腔内を通って円筒部の側孔から外部に出て、更に、第1部材の大径部の基端側に設けられたワイヤガイドから内部に導かれて上記折り返し部となっている。
上記操作装置は、上記第2部材の基端側に当接する内側シースを有しており、該内側シースの基端側は、指かけリングを有する操作部本体が接続されている。また、操作部本体には、該操作部本体に対して進退自在なスライダが取り付けられており、該スライダには、内側シース内に挿通されて先端に係合部材を有する操作ワイヤが接続されている。この係合部材は、結紮ワイヤの上記折り返し部に係合するようになっている。即ち、操作部本体を固定した状態でスライダを進退操作することにより、結紮ワイヤを拡径又は縮径できるようになっている。
このように構成された医療用結紮装置により体腔内の病変部を結紮する場合には、内視鏡装置等を介して医療用結紮装置を体腔内に挿入し、病変部に結紮ワイヤを引っ掛ける。この状態で、操作部本体を固定してスライダを基端方向に移動させて操作ワイヤを後退させる。これにより、結紮ワイヤが第2部材の内部に引き込まれるので、該結紮ワイヤが縮径する。こうすることで、病変部が緊縛されて血流を止めることができる。そして、さらに、操作ワイヤを引っ張ることで、病変部が第2部材側に引っ張られるので、第2部材が、該病変部を介して第1部材側に押される。該第2部材の移動により、第1部材の圧入部が、固定用内腔内に相対的に移動する。従って、固定用内腔内の結紮ワイヤは、固定用内腔の内面と圧入部の外面との間に挟持されて固定される。また、結紮ワイヤは、挟持された基端側にて第1部材の切断刃によって切断される。更に、このとき、係合爪が係合孔内に嵌り、第1部材と第2部材とが互いに係合状態となる。
上述したように、病変部を緊縛後、該病変部を介して第2部材を第1部材に向けて移動させて両部材を係合させた時に、両部材間で結紮ワイヤを挟持して固体すると共に挟持位置後方で結紮ワイヤを切断して結紮処理を終了する。
特開2003−204966号公報(段落番号0046−0061、第9−14図)
しかしながら上記特許文献1記載の医療用結紮装置では、第2部材を第1部材側に移動させて結紮ワイヤの挟持及び切断を行うときに、生体組織である病変部を介して第2の部材を移動させていた。この際、病変部が軟性である場合には、該病変部が所望する方向、即ち、第2部材を押す方向には移動せずに、所望する方向とは別の異なる方向に逃げてしまう可能性があった。また、病変部が軟性である場合、病変部が潰れてしまい第2の部材へ力が確実に伝えられない可能性があった。そのため、第2部材と第1部材とを嵌合させて結紮ワイヤの挟持及び切断操作を行うことが難しい場合があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、生体組織に対して所定処理後、結紮ワイヤ等の線材を生体組織を介さずに固定及び切断することができる医療用処置具を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
請求項1に係る発明は、生体組織に対して所定処理を行う可撓性の線材と、該線材の進退操作を行う線材操作部と、前記線材に対して進退自在に設けられ、線材を保持する第1の線材保持部材と、該第1の線材保持部材の基端側に軸方向に進退自在に設けられ、第1の線材保持部材との間で前記線材を挟持可能な第2の線材保持部材と、該第2の線材保持部材の基端側に当接して設けられた可撓性を有する第1のシースと、該第1のシースを覆って第1のシースに対して進退自在に設けられた可撓性を有する第2のシースと、該第2のシースの進退操作を行うシース操作部とを備え、前記第1の線材保持部材及び前記第2のシースが、互いを接続させる接続手段を有し、前記第1の線材保持部材及び前記第2の線材保持部材が、前記線材を挟持したときに、互いを係止する係止手段及び線材を前記挟持位置よりも基端側で切断する切断手段を有し、前記第2の線材保持部材が、第1の線材保持部材に係止されたときに、前記接続手段の接続を解く接続解放手段を有する医療用処置具を提供する。
この発明に係る医療用処置具においては、線材操作部により線材を進退操作して、該線材による生体組織への所定処理が終了した後、シース操作部を基端方向に移動して、第2のシースを第1のシースに対して後退させると、接続手段により接続された第1の線材保持部材が基端方向、即ち、第2の線材保持部材に向けて移動する。この際、第2の線材保持部材は、第1のシースの先端に当接しているので、基端方向に移動することはない。つまり、第1の線材保持部材と第2の線材保持部材とが確実に接近する。そして、シース操作部のさらなる操作によって、両部材を互いに接近させて両部材間で線材を挟持する。また、この際、係止手段によって線材を挟持した状態で両部材を互いに係止することができると共に、切断手段によって線材を挟持位置よりも基端側で切断することができる。
更に、両部材が係止したときに、接続解放手段が接続手段の接続を解くので、第1の線材保持部材と第2のシースとが切り離される。よって、シース操作部を介して第2のシースを後退操作すると、該第2シースから線材を挟持固定及び切断した状態で互いに係止された第1部材及び第2部材を切り離すことができる。
このように、生体組織を介さずに、第1の線材保持部材を第2の線材保持部材の方向に移動させて、両部材間で所定処理終了後の線材を挟持して固定すると共に、挟持位置後方で線材を切断することができる。従って、生体組織の状態に係わらず、確実に線材の挟持固定及び切断を行うことができるので、操作性、作業性の正確性を向上することができる。また、第1の線材保持部材と第2の線材保持部材とを係止させることによる線材の挟持固定及び切断と、第1の線材保持部材と第2のシースとの接続解放とをシース操作部の一連の操作によって略同時に行うことができ、効率の良い作業を行うことができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の医療用処置具において、前記切断手段が、前記第1の線材保持部材の内部にて前記線材を切断する医療用処置具を提供する。
この発明に係る医療用処置具においては、線材を切断するときに、切断手段が第1の線材保持部材の内部にて線材を切断するので、切断後の線材の切断端部が第1の線材保持部材の外部に露出することはない。従って、生体内において他の処置具等との干渉を防止することができる。
請求項3に係る発明は、生体組織に対して所定処理を行う可撓性の線材と、該線材の進退操作を行う線材操作部と、前記線材に対して進退自在に設けられ、線材を保持する第1の線材保持部材と、該第1の線材保持部材の基端側に軸方向に進退自在に設けられ、第1の線材保持部材との間で前記線材を挟持する第2の線材保持部材と、該第2の線材保持部材の基端側に当接して設けられた可撓性を有する第1のシースと、該第1のシースを覆って第1のシースに対して進退自在に設けられた可撓性を有する第2のシースと、該第2のシースの先端に設けられ、前記線材を前記挟持位置よりも基端側で切断する切断刃を前記線材より先端側に配する切断部材と、該第2のシースの進退操作を行うシース操作部とを備え、前記第1の線材保持部材及び前記第2のシースが、互いを接続させる接続手段を有し、前記第1の線材保持部材及び前記第2の線材保持部材が、前記線材を挟持したときに、互いを係止する係止手段を有し、前記第2の線材保持部材が、第1の線材保持部材に係止されたときに、前記接続手段の接続を解く接続解放手段を有する医療用処置具を提供する。
この発明に係る医療用処置具においては、線材操作部により線材を進退操作して、該線材による生体組織への所定処理が終了した後、シース操作部を基端方向に移動して、第2のシースを第1のシースに対して後退させると、接続手段により接続された第1の線材保持部材が基端方向、即ち、第2の線材保持部材に向けて移動する。この際、第2の線材保持部材は、第1のシースの先端に当接しているので、基端方向に移動することはない。つまり、第1の線材保持部材と第2の線材保持部材とが確実に接近する。また、第2のシースの先端に設けられている切断刃も、第1の線材保持部材と共に第2の線材保持部材側に移動する。そして、シース操作部のさらなる操作によって、両線材保持部材を互いに接近させて両線材保持部材間で線材を挟持する。また、この際、係止手段によって線材を挟持した状態で両線材保持部材を互いに係止することができる。なお、このとき、切断刃と第1の線材保持部材との相対位置は変化しないので、切断刃によって線材が切断されない。
更に、両線材保持部材が係止したときに、接続解放手段が接続手段の接続を解くので、第1の線材保持部材と第2のシースとが切り離される。これにより、さらなるシース操作部の後退操作によって、切断刃が基端方向に移動して挟持位置よりも基端側で線材の切断を行う。
このように、生体組織を介さずに、第1の線材保持部材を第2の線材保持部材の方向に移動させて、両線材保持部材間で所定処理終了後の線材を挟持して固定すると共に、挟持位置後方で線材を切断することができる。従って、生体組織の状態に係わらず、確実に線材の挟持固定及び切断を行うことができるので、操作性、作業の正確性を向上することができる。
また、第1の線材保持部材と第2の線材保持部材とを係止させることによる線材の挟持固定と、第1の線材保持部材と第2のシースとの接続解放と、該接続解放による線材の切断とをシース操作部の一連の操作によって略同時に行うことができ、効率の良い作業を行うことができる。特に、線材の挟持固定を行った後に、該線材の切断を行えるので、両動作をそれぞれ確実に実施することができる。従って、作業の確実性をより向上することができる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の医療用処置具において、前記第2の線材保持部材が、切断後の前記線材の切断端部を内部に収納する線材収納部を有する医療用処置具を提供する。
この発明に係る医療用処置具においては、第2の線材保持部材が、切断後の線材の切断端部を線材収納部に収納するので、切断端部が第2の線材保持部材の外部に露出することはない。従って、生体内において他の処置具等との干渉を防止することができる。
請求項5に係る発明は、請求項3又は4に記載の医療用処置具において、前記切断部材が、前記第2のシースに着脱可能に設けられている医療用処置具を提供する。
この発明に係る医療用処置具においては、切断部材を第2のシースから着脱させて交換することができる。従って、切断刃を新品状態にでき、切断性を維持することができる。
請求項6に係る発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の医療用処置具において、前記接続手段が、前記第2のシースから先端方向に突出すると共に先端に第2のシースの内部に向けて突起した爪部を有する突出部と、前記第1の接続部材の外周に設けられて前記爪部に係止可能な係止孔とからなり、前記接続解放手段が、前記係止状態のときに、前記係止孔内に嵌合すると共に前記爪部を係止孔から押し出し可能な係合爪である医療用処置具を提供する。
この発明に係る医療用処置具においては、突出部の爪部が係止孔内に嵌って係止することで、第1の線材保持部材と第2のシースとが互いに接続される。また、第1の線材保持部と第2の線材保持部材との間で線材を挟持したときに、第2の接続部材部材の係合爪が係止孔内に嵌合すると共に、上記爪部を係止孔内から押しだす。これにより、第1の線材部材と第2のシースとの接続を確実に解くことができる。
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の医療用処置具において、前記係止手段が、前記係止孔と前記係合爪とからなる医療用処置具を提供する。
この発明に係る医療用処置具においては、第1の線材保持部材と第2の線材保持部材とが、線材を挟持したときに、係合爪が係止孔内に嵌ることで、両部材の係止が行える。このように、接続手段の係止孔と、接続解放手段である係合爪とを利用することで、両部材の係止が確実に行えるので、係止手段を別個に設ける必要がない。従って、構成の容易化を図ることができる。
請求項8に係る発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の医療用処置具において、前記線材が、生体組織を結紮する結紮ワイヤである医療用処置具を提供する。
この発明に係る医療用処置具においては、結紮ワイヤを体内の生体組織に引っ掛けた後、線材操作部を基端方向に操作することで、生体組織の結紮が行える。そして、結紮した後、該生体組織の状態に関係なく、第1の線材保持部材と第2の線材保持部材との間で結紮ワイヤを挟持固定及び切断を確実に行うことができる。
請求項9に係る発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の医療用処置具において、前記線材が、生体組織を縫合する縫合糸であり、該縫合糸の先端に接続された抜止部材と、該抜止部材を着脱自在に収納すると共に、先端に生体組織に穿刺する針部を有する縫合針本体とを備える医療用処置具を提供する。
この発明に係る医療用処置具においては、体内の生体組織に対して針部で穿刺しながら縫合針本体を操作して、該生体組織を縫合する。縫合後、抜止部材を縫合針本体から離脱させると共に、線材操作部を基端方向に操作することで、抜止部材と第1の線材保持部材との間に生体組織を引き寄せる。そして、この状態で、生体組織の状態に関係なく、第1の線材保持部材と第2の線材保持部材との間で縫合糸の挟持固定及び切断を確実に行うことができる。
この発明に係る医療用処置具によれば、生体組織を介さずに、第1の線材保持部材を第2の線材保持部材の方向に移動させて、両部材間で所定処理終了後の線材を挟持固定すると共に挟持位置後方で線材の切断を行うことができる。つまり、生体組織の状態に係わらず、確実に線材の挟持固定及び切断を行うことができるので、操作性、作業の正確性を向上することができる。
また、第1の線材保持部材と第2の線材保持部材とを係止させることによる線材の挟持固定及び切断と、第1の線材保持部材と第2のシースとの接続解放とをシース操作部の一連の操作によって略同時に行うことができ、効率の良い作業を行うことができる。
本発明に係る医療用処置具の第1実施形態について、図1から図18を参照して説明する。本実施形態の医療用処置具1は、図1に示すように、内視鏡システム2の構成品である内視鏡装置3の処置具チャンネル4内に挿通されて、体内の生体組織に対して所定処理を行うものである。なお、本実施形態においては、医療用処置具1は、生体組織を結紮する結紮装置として説明する。また、上記内視鏡システム2は、上記内視鏡装置3によって撮像された画像の表示、記録等を行なう内視鏡ユニット5を備えている。
上記内視鏡装置3は、図1及び図2に示すように、体内に挿入されるフレキシブルに湾曲可能な長尺な内視鏡挿入部10と、該内視鏡挿入部10の基端に接続された操作部11とを備えている。内視鏡挿入部10の先端は、任意に角度変更自在な湾曲部12が接続されており、該湾曲部12の先端に体内を観察する観察用撮像部13と、上記内視鏡ユニット5から供給された照明光を体内に照射する照射部14とを有している。また、上記処置具チャンネル4は、操作部11の近傍に設けられた処置具挿通孔15から内視鏡挿入部10の先端まで貫通するように該内視鏡挿入部10内に長さ方向に沿って形成されている。
上記観察用撮像部13は、図2に示すように、内視鏡挿入部10の先端、即ち、湾曲部12の先端に配された対物レンズ等の観察用光学系16と、該観察用光学系16の結像位置に配された個体撮像素子である内視鏡CCD17とから構成されている。また、内視鏡CCD17に接続されたケーブル18は、内視鏡挿入部10内を通って操作部11の後端まで引き出され、上記内視鏡ユニット5に接続されている。
上記照射部14は、内視鏡挿入部10の先端、即ち、湾曲部12の先端に配された照明レンズ20と、上記内視鏡ユニット5から供給された照明光を照明レンズ20まで導く光ファイバの束であるLGファイババンドル21とを有している。
上記操作部11は、図1に示すように、複数のスイッチ25と、操作ノブ26とを備えている。スイッチ25は、所望の機能を設定可能なプログラマブルなスイッチであり、例えば、そのうちの1つは、内視鏡CCD17により撮像されている内視鏡画像を記録する際に押下されるスイッチとして機能するようになっている。このスイッチ25の信号は、ケーブル27を介して上記内視鏡ユニット5に送られるようになっている。
上記操作ノブ26は、上記湾曲部12を任意の方向に湾曲させて、先端に配されている対物レンズ16、照明レンズ14及び処置具チャンネル4の出口の向き等の方向をコントロールできるようになっている。これにより、体内を任意の角度から観察することができるようになっている。
上記内視鏡ユニット5は、照明レンズ20に照明光を供給する光源装置30と、内視鏡CCD17に接続されたケーブル18の後端に接続され、内視鏡CCD17により撮像された撮像信号を処理するプロセッサ31と、該プロセッサ31に接続され、該プロセッサ31から出力された映像信号を記録する記録装置32とを有している。
上記光源装置30は、例えば、白色光を発生するランプ33と、該ランプ33から発生された白色光を面順次式に変換する赤、青、緑の色透過フィルタを取り付けた回転フィルタ34と、面順次光を集光してLGファイババンドル21に入射する集光レンズ35とを有している。なお、ランプ33は、操作部11に配されているスイッチ25の1つにより作動が制御されている。
上記プロセッサ31は、内視鏡CCD17を駆動するCCDドライブ回路36と、内視鏡CCD17から出力される撮像信号に対して信号処理を行い映像信号を生成する映像処理回路37とを有している。また、プロセッサ31は、ケーブル38を介して上記ケーブル27に接続されており、CCDドライブ回路36からのCCD駆動信号が内視鏡CCD17に送られると共に、内視鏡CCD17からの撮像信号が映像処理回路37に送られるようになっている。また、プロセッサ31は、両ケーブル38、27を介して送られるスイッチ25の信号に基づいて、ハードディスク等の上記記録装置32及びディスプレイ等のモニタ39に映像信号を出力するようになっている。更に、プロセッサ31には、キーボード等の入力手段40が接続されており、内視鏡CCD17により撮像された映像に、被検者の氏名、ID番号、診断情報等の様々な情報を付加できるようになっている。
上記医療用処置具1は、図3及び図4に示すように、生体組織に対して所定処理、即ち、結紮を行う可撓性の結紮ワイヤ(線材)50と、該結紮ワイヤ50の進退操作を行う線材操作部51と、結紮ワイヤ50に対して進退自在に設けられて該結紮ワイヤ50を保持する第1部材(第1の線材保持部材)52と、該第1部材52の基端側に軸方向に進退自在に設けられて第1部材52との間で結紮ワイヤ50を挟持可能な第2部材(第2の線材保持部材)53と、該第2部材53の基端側に当接して設けられた可撓性を有する内側シース(第1のシース)54と、該内側シース54を覆って該内側シース54に対して進退自在に設けられた可撓性を有する嵌合シース(第2のシース)55と、該嵌合シース55の進退操作を行う嵌合グリップ(シース操作部)56とを備えている。
また、上記第1部材52及び上記内側シース54は、互いを接続させる接続手段57を有している。また、第1部材52及び第2部材53は、結紮ワイヤ50を挟持したときに、互いを係止する係止手段58、及び結紮ワイヤ50を挟持位置よりも基端側で切断する切断手段59とを有している。さらに、上記第2部材53は、第1部材52に係止されたときに、上記接続手段57の接続を解く係合爪(接続解放手段)60を有している。これらについては、後に詳細に説明する。
また、本実施形態の医療用処置具1は、生体内に留置される医療用結紮具61と、該医療用結紮具61を体内に誘導して結紮操作を行う操作装置62とから構成されている。また、操作装置62は、上記処置具チャンネル4内に挿通される可撓性を有する挿入部63と、手元操作部64とから構成されている。
上記挿入部63は、例えば、ポリエチレン、PTFE等の可撓性を有するプラスチックにより形成された外側シース65と、該外側シース65の内側に進退自在に挿通された上記嵌合シース55と、該嵌合シース55の内側に配された上記内側シース54と、該内側シース54の内側に進退自在に挿通され、ステンレス等の金属撚り線で形成された操作ワイヤ66とから構成されている。
また、上記内側シース54及び上記嵌合シース55は、上記外側シース65と同様に、例えば、ポリエチレン、PTFE等の可撓性を有するプラスチックで形成しても良いし、金属製メッシュが入っていても構わないし、金属製のコイルシースでも構わない。
上記手元操作部64は、上記内側シース54の基端側に接続された操作部本体70と、上記操作ワイヤ66の基端側に接続されると共に、操作部本体70を覆って該操作部本体70に対して進退自在なスライダ71と、上記嵌合グリップ56と、上記外側シース65の基端側に接続されて外側シース65の進退操作を行うグリップ72とから構成されている。
上記操作部本体70の基端側には、指かけリング73が形成されている。また、上記スライダ71は、中央部が両端より窪んだ形状とされている。これにより、例えば、指かけリング73に親指を入れ、スライダ71を人指し指、中指で挟むことによって、片手でスライダ71を進退操作できるようになっている。
上記嵌合グリップ56は、上記操作部本体70より先端側に配されており、基端方向に向けて操作したときに、操作部本体70の先端に当接して、それ以上基端方向に移動しないようになっている。また、上記グリップ72は、嵌合グリップ56より先端側に配されている。これらグリップ72、嵌合グリップ56及びスライダ71を進退操作することによって、外側シース65、嵌合シース55、内側シース54及び操作ワイヤ66を相対的に操作できるようになっている。
また、上記操作ワイヤ66の先端には、フック形状の係合部材66aが固着されている。また、上記嵌合シース55の先端には、図4から図6に示すように、該嵌合シース55と同一の外径及び内径に形成されたステンレス等の金属部材からなる連結パイプ75が接続されている。また、該連結パイプ75には、嵌合シース55の先端方向に突出すると共に先端に嵌合シース55の内部に向けて突起した爪部76aを有する一対の連結フック(突出部)76が接続されている。該一対の連結フック76は、弾性を有する金属やプラスチック等で形成されており、互いに対向するように配されている。なお、連結フック76は、連結パイプ75内の溝部75aに埋没するように取り付けられており、連結パイプ75の外表面に段差が生じないようになっている。
上記医療用結紮具61は、図3から図5及び図7から図14に示すように、上記結紮ワイヤ50と、上記第1部材52と、上記第2部材53とを備えている。
上記結紮ワイヤ50は、例えば、ナイロンや、ポリオレフィン等の合成樹脂、絹糸、生体吸収性の糸であり、先端側がループ部50aとなっている。なお、結紮ワイヤ50は、単線、撚り線、網線のいずれの形態であっても構わない。また、結紮ワイヤ50の基端側は、上記係合部材66aに係合可能な折り返し部50bが形成されており、結紮ワイヤ50の両端末及び平行する2本のワイヤは固定具としての接続パイプ77によって接着や圧着等によって固定されている。
これにより、スライダ71を進退操作することにより、操作ワイヤ66及び係合部材66aを介して結紮ワイヤ50の進退操作ができるようになっている。即ち、これらスライダ71、操作ワイヤ66及び係合部材66aは、上記線材操作部51を構成している。
上記第1部材52は、ポリプロピレン、ABS,ポリアセタール、ポリカーボネイト等のプラスチックにより断面略楕円状の円筒状に形成されている。なお、第1部材52は、前述したプラスチック又は液晶ポリマー、ポリフタルアミド等の比較的剛性があり、流動性に優れた材質が好ましいが、ステンレス、アルミニウム等の金属でも構わない。
この第1部材52は、先端側に円柱部80が設けられ、基端側に該円柱部80に一体成型された円筒部81が設けられている。また、第1部材52の中心には、先端側から基端側に向けて断面略楕円状の挿入軸82が突設されている。また、円柱部80内には、該挿入軸82を囲撓するように、上記第2部材53の後述する圧入部90が圧入される固定用内腔84が設けられている。なお、固定用内腔84の長さは、1〜3mmが適当である。更に、固定用内腔84の先端部には、圧入部90の突き当て部85が形成されており、また、固定用内腔84の基端側端面には、上記第2部材53の後述する切断刃95の突き当て面86が形成されている。
また、第1部材52の先端面には、結紮ワイヤ50を1本ずつ挿通する先端孔87が形成されており、該先端孔87より、結紮ワイヤ50を上記固定用内腔84内に挿通できるようになっている。また、円筒部81の外周には、固定用内腔84内に挿通された結紮ワイヤ50を第1部材52の外部に導く一対の側孔88が形成されている。更に、円筒部81の外周には、側孔88から軸線を中心に周方向に90度偏倚した位置に、上記連結フック76の爪部76aに係止可能な一対の係止孔89が形成されている。
即ち、該係止孔89及び上記連結フック76は、上記接続手段57を構成している。
上記第2部材53は、第1部材52と同様の材質により形成され、断面略楕円状の円筒状に形成されている。この第2部材53は、先端側に小径部となる圧入部90が設けられ、基端側に大径部91が設けられている。また、第2部材53の中心には、軸方向に向けて上記挿入軸82を挿通可能な内腔92が設けられている。これにより、上述したように、第2部材53は、第1部材52に対して軸方向に進退できるようになっている。なお、内腔92の軸方向の略中間部には、挿入軸82が容易に基端方向に向けて移動しないように突起93が設けられている。なお、この突起93の高さは、0.1mm〜0.3mmが適当である。
上記圧入部90は、上記固定用内腔84内に圧入されたときに、該固定用内腔84内で前記結紮ワイヤ50を挟持できるように、外径の大きさが設定されている。即ち、図11に示す固定用内腔84の内径と圧入部90の外径との片側クリアランスLが、結紮ワイヤ50の外径よりも小さくなるように、圧入部90の外径が設定されている。なお、このクリアランスLは、圧入部90の外径で設定するのではなく、固定用内径84の内径により調整しても構わない。このように、圧入部90及び固定用内径84によって、第1部材52と第2部材53との間で結紮ワイヤ50を挟持できるようになっている。
また、上記大径部91の先端側の外周には、環状の切断刃95が先端方向を向いて嵌着されている。この切断刃95は、上記圧入部90を第1部材52の突き当て部85に当接させて結紮ワイヤ50を挟持したときに、該挟持位置よりも基端側で結紮ワイヤ50を切断するようになっている。また、この際、切断刃95の先端は、突き当て面86に当接するようになっている。
即ち、該切断刃95及び上記突き当て面86は、上記切断手段59を構成している。
更に、大径部91の基端側には、上記側孔88により第1部材52の外部に導かれた結紮ワイヤ50を第2部材53の内部に導く一対のスリット状のワイヤガイド96が形成されている。該ワイヤガイド96により内部に導かれた結紮ワイヤ50は、内側シース54内に挿入されて、上記折り返し部50bを介して係合部材66aに係合されるようになっている。また、大径部91の外周には、ワイヤガイド96から軸線を中心に周方向に90度偏倚した位置に、第1部材52の上記係止孔89に嵌合可能な一対の上記係合爪60が設けられている。該係合爪60は、大径部91の外周面から、半径方向外方に向けて突出するように形成されており、上記圧入部90を突き当て部85に当接させたときに、係止孔89に嵌合するようになっている。即ち、該係合爪60及び上記係止孔89は、上記係止手段58を構成している。
また、この係合爪60は、係止孔89内に嵌合したときに、上記連結フック76の爪部76aを係止孔89内から第1部材52の外部に押し出し、第1部材52と連結フック7 6との接続、即ち、接続手段57の接続を解く機能を有している。
なお、係合爪60は、図8に示すように、両係合爪60間の距離L1が、係止孔89間の距離L2以上の距離であることが好ましい。こうすることで、係止孔89内から爪部76aを確実に押し出すことが可能である。
このように構成された医療用処置具1により、体内の生体組織の病変部を結紮する場合について以下に説明する。
まず、図1に示す操作部11に配された所望するスイッチ25を押下して光源装置30を作動させ、該光源装置30から発せられた照明光をLGファイババンドル21を介して照明レンズ14から出射させる。また、プロセッサ31内のCCDドライブ回路36を作動させて内視鏡CCD17を駆動させる。
この状態で、内視鏡挿入部10を被検者の体内に、例えば、口から挿入する。この際、操作部11に設けられた操作ノブ26を操作することにより、内視鏡挿入部10の先端の湾曲部12を所望する方向に向けながら挿入する。こうすることで、内視鏡挿入部10を円滑に体内に挿入することができると共に、観察したい所望位置に照明光の照射を確実に行える。
また、対物レンズ16を介して内視鏡CCD17によって撮像された撮像信号は、ケーブル18、27、38を介してプロセッサ31に送られ、映像処理回路37によって映像信号に変換される。変換された映像信号は、記録装置32によって記録されると共にモニタ39に送られて内視鏡画像として表示される。この際、入力手段40から所定の情報、例えば、被検者名、被検者ID番号、観察部位等の情報を入力することにより、モニタ39に内視鏡画像と共に表示することが可能である。
そして、医師が、モニタ39に表示される内視鏡画像により、内視鏡挿入部10の先端が結紮を行う病変部に達したことを確認すると、モニタ39を見ながら該内視鏡挿入部10の先端を病変部の近傍に位置させる。次に、この状態で、医師は、医療用処置具1を、内視鏡装置3の処置具挿通孔15より処置具チャンネル4内に挿入する。この際、医師は、グリップ72を先端方向に移動させて、図2に示すように、外側シース65を結紮ワイヤ50のループ部50aを覆うように被せた状態で、処置具チャンネル4内に挿入する。つまり、ループ部50aは、外側シース65の内部に窄まった状態で収納されている。
また、このとき、図3及び図4に示すように、第1部材52の挿入軸82の端部は、第2部材53の内腔92に設けられた突起93に当接しているので、容易に基端方向に向けて移動しないようになっている。これにより、医療用処置具1を処置具チャンネル4内に挿入するときに、不意に第1部材52が、第2部材53に向けて移動しないようになっている。
そして、医師は、モニタ39に表示される内視鏡画像により、内視鏡挿入部10の先端面より挿入部63が突出したことを確認後、グリップ72を基端方向に移動させて、第1部材52及び第2部材53が露出する程度まで外側シース65を後退させる。これにより、図3に示すように、結紮ワイヤ50のループ部50aが外側シース65内から解放され、弾性的に復元して拡径する。ループ部50aの拡径後、医師は、モニタ39に表示される内視鏡画像を確認しながら内視鏡を操作して、ループ部50aを病変部に引っ掛ける。
ループ部50aを引っ掛けた後、線材操作部51を操作して結紮ワイヤ50を基端方向に移動させる。即ち、スライダ71を基端方向に向けて移動させることにより、操作ワイヤ66を後退させ、係合部材66aを介して結紮ワイヤ50を基端方向に向けて移動させる。この際、第1部材52は、接続手段57、即ち、係止孔89及び連結フック76により嵌合シース55に接続されているので、結紮ワイヤ50のみが、第1部材52の先端孔87から該第1部材52の内部に引き込まれる。これにより、ループ部50aが縮径して病変部が緊縛(結紮)される。この結紮により、病変部への血流を止めることができる。
また、スライダ71の操作の際、医師は、上述したように、指かけリング73を利用することによって、モニタ39を見ながら片手で容易に操作を行うことができる。また、ループ部50aを引っ掛ける際に、第1部材52を病変部に押し付けるように位置させることによって、病変部の結紮が容易に行える。
医師は、モニタ39に表示された内視鏡画像により、病変部が確実に緊縛されたことを確認後、嵌合グリップ56を基端方向に移動させて、嵌合シース55を後退させる。該嵌合シース55が後退すると、図4及び図5に示すように、接続手段57によって、嵌合シース55と第1部材52とが接続されているので、第1部材52が基端方向、即ち、第2部材53に向けて移動する。なお、この際、第1部材52の挿入軸82の端部と突起93との当接状態に打ち勝つ力で嵌合グリップ56を操作する。これにより、挿入軸82が、突起93を乗り越えて内腔内92内に挿入される。
つまり、相対的移動により、圧入部90が、挿入軸82に沿って先端方向に移動し、固定用内腔内84に圧入される。従って、固定用内腔84内の結紮ワイヤ50は、固定用内腔84の内面と圧入部90の外面との間に挟持され始める。そして、さらなる移動によって、圧入部90が突き当て部85に当接して、結紮ワイヤ50を確実に挟持して固定する。また、この際、図15及び図16に示すように、第2部材53の切断刃95が、結紮ワイヤ50の挟持位置の基端側で該結紮ワイヤ50を切断して、切断後、先端が突き当て面86に当接する。また、切断刃95は、第1部材52の内部にて、結紮ワイヤ50を切断するので、結紮ワイヤ50の切断端部が、第1部材52の外部に露出することはない。
更に、圧入部90が突き当て部85に当接した際に、図17に示すように、第2部材53の係合爪60が、接続手段57の接続を解く。即ち、係合爪60が、第1部材52の係止孔89内に嵌合すると共に、連結フック76の爪部76aを第1部材52の外部に押し出す。また、係合爪60及び係止孔89は、係止手段58を構成しているので、同時に第1部材52と第2部材53とが係止状態となる。
上述したように、第1部材52と第2部材53とが、結紮ワイヤ50を間に挟持した状態で、互いに係止されると共に連結フック76と第1部材52との接続が解かれる。
医師は、モニタ39に表示されている内視鏡画像、例えば、第1部材52と第2部材53とが互いに係止されたことを見て、確実に結紮ワイヤ50の挟持及び切断が行われたことを確認後、手元操作部64を操作して、挿入部63の先端を病変部からゆっくりと離間させる。これにより、図18に示すように、第1部材52及び第2部材53によって緊縛状態に保持された結紮ワイヤ50が、体内に留置される。これにより、病変部の緊縛処置が終了する。
上述したように、本実施形態の医療用処置具1によれば、病変部を介さずに、第1部材52を第2部材53の方向に移動させて、両部材52、53間で結紮ワイヤ50を挟持して固定すると共に、挟持位置後方で切断することができる。従って、病変部の状態に係わらず、確実に結紮ワイヤ50の挟持固定及び切断を行うことができるので、結紮処置の操作性、及び正確性を向上することができる。
また、結紮ワイヤ50の挟持固定及び切断操作を嵌合グリップ56の一連の操作により行うことができるので、時間を掛けずに効率の良い結紮作業を行うことができる。
また、結紮ワイヤ50の切断端部が第1部材52の外部に露出しないように、切断刃95が第1部材52の内部にて結紮ワイヤ50を切断するので、他の処置具や内視鏡挿入部10への干渉を防止することができる。
更に、切断刃95は、医療用結紮具61である第2部材53に設けられているので、切断刃95を繰り返し使用することはない。従って、切断刃95は、常に新品状態であるので、切れ味が低下することはない。
また、係止手段58は、接続手段57の係止孔89と、接続解放手段である係合爪60を利用して構成されているので、専用の係止手段を別個に設ける必要はない。従って、構成の容易化を図ることができる。
次に、本発明に係る医療用処置具の第2実施形態を、図19から図35を参照して以下に説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態の医療用処置具1では、切断刃95が第2部材53に設け、結紮ワイヤ50の挟持及び切断を同時に行っていたのに対し、第2実施形態の医療用処置具100では、第2部材53とは別に切断刃95を有する切断部材101が設けられて、第1部材52と第2部材53とが係止した後に、切断部材101により結紮ワイヤ50を切断する点である。
即ち、本実施形態の医療用処置具100は、図19から図30に示すように、嵌合シース55の先端に設けられ、結紮ワイヤ50を第1部材52と第2部材53との間で挟持する挟持位置よりも基端側で切断する切断刃95を結紮ワイヤ50よりも先端側に配する上記切断部材101を備えている。該切断部材101は、ステンレス等の金属により、連結パイプ75及び第2部材53を覆うように略円筒状に形成されると共に、第1部材52と同一外径になるように形成されている。切断部材101の先端側には、先端を二股に分けて一対の先端アーム102が先端方向に突出するように先端スリット103が形成されている。この先端アーム102の外表面の中心には、軸方向に伸びたワイヤスリット104が形成されており、該ワイヤスリット104内に第1部材52と第2部材53との間で外部に露出した結紮ワイヤ50を挿通できるようになっている。また、先端アーム102は、第1部材52の円柱部80の基端側に形成された後述するアーム受け部80a内に嵌るようになっている。また、ワイヤスリット104の先端縁には、上記切断刃95が形成されている。これにより、切断刃95は、結紮ワイヤ50よりも先端側に配されるようになっている。なお、切断刃95は、先端アーム102の先端を図19に示すように、アーム受け部80aの突き当て面80bに当接させたときに、アーム受け部80aから基端側にでないように形成されている。
また、上記先端スリット103は、第1部材52の係止孔89及び第2部材53の係合爪60に干渉しない大きさに形成されている。また、先端スリット103の基端側には、更に基端方向に向けて延在したフック用スリット105が形成されており、連結フック76に干渉しないようになっている。
また、切断部材101の基端側には、ワイヤスリット104と同一軸上において基端方向に延在するよう一対の連結アーム106が形成されている。そして、この連結アーム106の先端には、半径方向内方に向けて突出した連結爪107が形成されている。
また、本実施形態の連結パイプ75の外表面には、上記連結爪107が嵌合可能な一対の連結孔75bが形成されている。つまり、この連結孔75bは、連結パイプ75の基端側で、連結フック76から軸線を中心に周方向に90度偏倚した位置に形成されている。
つまり、連結アーム106の連結爪107を連結孔75bに嵌合させることにより、切断部材101を連結パイプ75に接続して嵌合シース55の先端方向に装着できるようになっている。このように、切断部材101は、連結アーム106により嵌合シース55に着脱可能となっている。
なお、連結孔75bは、図22に示すように、軸方向に長手方向を有する長方形状となっており、先端アーム102の先端を図19に示すように、アーム受け部80aの突き当て面80bに当接させたときに、連結爪107が、連結孔75bの略中間部に位置するようになっている。つまり、連結爪107を連結孔75bに嵌合させた状態で、嵌合シース55は軸方向に若干移動できるようになっている。
また、本実施形態の第1部材52は、上述したように、円柱部80の基端側に、縮径したアーム受け部80aが形成されており、該外径アーム受け部80aの先端側側面が突き当て面80bとなっている。なお、アーム受け部80aは、第1部材52の外径と先端アー102の外径との間に段差ができないようにその外径が設定されている。更に、第1部材52は、円筒部81にスリット111が形成され、該スリット111より固定用内腔84内から結紮ワイヤ50を第1部材52の外部に導くようになっている。また、第1部材52の先端は、先端方向に向けて順次径が小さくなるようテーパ部112が形成されている、
また、本実施形態の第2部材53は、大径部91の略中間部に、上記スリット111から第1部材52の外部に導かれた結紮ワイヤ50を第2部材53の内部に導く一対の側孔113が形成されている。該側孔113により内部に導かれた結紮ワイヤ50は、内側シース54に挿入されて、折り返し部50bを介して係合部材66aに係合されるようになっている。
また、第1部材52の先端には、ステンレス等の金属、又はABS、シリコン樹脂等のプラスチック材料により円筒状に形成された筒状部材115が配されている。結紮ワイヤ50は、該筒状部材115の内部を通った後に、第1部材52の先端孔87より第1部材52の内部に挿入されるようになっている。また、筒状部材115の基端側には、基端方向に向けて順次径が小さくなるようテーパ部116が形成されている。このテーパ部116及び上記第1部材52のテーパ部112は、環状凹部117を構成している。
なお、本実施形態においては、この筒状部材115も、医療用結紮具61を構成している一部である。
また、本実施形態においては、まず医療用結紮具61、即ち、結紮ワイヤ50、筒状部材115、第1部材52及び第2部材53を組み合わせた後、図23から図25に示すように、該医療用結紮具61に切断部材101を装着する。即ち、切断部材101を先端アーム102側から第2部材53側を覆うように挿入すると共に、先端アーム102の先端を第1部材52のアーム受け部80aの突き当て面80bに当接させて装着する。この際、先端アーム102を外方に押し広げることにより、ワイヤスリット104内に結紮ワイヤ50を挿通させ易い。なお、予め第1部材52、第2部材53及び切断部材101を組み合わせた後に、結紮ワイヤ50を装着しても構わない。
このように構成された医療用処置具100により、体内の生体組織の病変部を結紮する場合について以下に説明する。
スライダ71を先端方向に移動させて、係合部材66aを内側シース54の先端開口から突出させる。この状態で、結紮ワイヤ50の折り返し部50bを係合部材66aに引っ掛ける。引っ掛けた後、スライダ71を基端方向に移動させて、係合部材66aを内側シース54内に引き込むと共に、切断部材101を連結パイプ75の周囲に被せるように挿入し、連結アーム106の連結爪107を連結孔75bに嵌合させる。
また、この際、図21に示すように、嵌合シース55の連結フック76をフック用スリット105から一旦切断部材101の外部に出し、その後、第1部材52の係止孔89に嵌合させる。
これにより、図19から図21に示すように、第1部材52と嵌合シース55とが、接続手段57により互いに接続されると共に、嵌合シース55と切断部材101とが、連結爪107及び連結孔75bにより互いに接続された状態となる。
そして、医師は、モニタ39に表示される内視鏡画像を見ながら、内視鏡を操作して、ループ部50aを病変部に引っ掛ける。該ループ部50aを引っ掛けた後、スライダ71を基端方向に向けて移動させることにより、操作ワイヤ66を後退させ、係合部材66aを介して結紮ワイヤ50を基端方向に向けて移動させる。この際、第1部材52は、接続手段57、即ち、係止孔89及び連結フック76により嵌合シース55に接続されているので、結紮ワイヤ50のみが、第1部材52の先端孔87から該第1部材52の内部に引き込まれる。また、切断部材101は、第1部材52が移動しないので、同様に移動することはない。これにより、ループ部50aが縮径して病変部が緊縛(結紮)される。この結紮により、病変部への血流を止めることができる。
また、ループ部50aを引っ掛ける際に、筒状部材115を病変部に押し付けるように位置させることによって、病変部の結紮が容易に行える。
病変部の緊縛後、嵌合グリップ56を基端方向に移動させて、嵌合シース55を後退させる。該嵌合シース55が後退すると、接続手段57によって、嵌合シース55と第1部材52とが接続されているので、第1部材52が基端方向、即ち、第2部材53に向けて移動する。また、切断部材101の先端アーム102の先端は、突き当て面80bに当接しているので、第1部材52の基端方向に移動に伴って、切断部材101も押されて一体的に基端方向に移動する。この際、第1部材52と切断部材101との相対位置関係が変化しないので、切断刃95がアーム受け部80bより基端側に出ることはない。
なお、上記第1実施形態と同様に、第1部材52の挿入軸82の端部と突起93との当接状態に打ち勝つ力で嵌合グリップ56を操作して、突起93を乗り越えるように挿入軸82を内腔内92内に挿入する。
第1部材52の移動により、圧入部90が、挿入軸82に沿って先端方向に移動し、固定用内腔内84に圧入され、固定用内腔84内の結紮ワイヤ50が固定用内腔84の内面と圧入部90の外面との間に挟持され始める。そして、さらなる移動によって、図31及び図32に示すように、圧入部90が突き当て部85に当接して、結紮ワイヤ50を確実に挟持して固定する。この際、結紮ワイヤ50は、図32に示すように、挟持位置の基端側で第1部材52のスリット111から切断部材101のワイヤスリット104内に出た状態となっている。
また、図31に示すように、第2部材53の係合爪60が、第1部材52の係止孔89内に嵌合すると共に、連結フック76の爪部76aを第1部材52の外部に押し出す。また、係合爪60及び係止孔89は、係止手段58を構成しているので、同時に第1部材52と第2部材53とが係止状態となる。つまり、第1部材52と第2部材53とが、結紮ワイヤ50を間に挟持した状態で、互いに係止されると共に連結フック76と第1部材52との接続が解かれる。
連結フック76と第1部材52との接続が解かれた後、嵌合グリップ56を基端方向に引っ張ると、上述したように連結孔75bと連結爪107との間に若干の遊びがあるので、嵌合シース55のみが後退する。そして、さらなる嵌合シース55の移動により、連結孔75bの先端が連結爪107に当接し、切断部材101が嵌合シース55と共に基端方向に移動する。そして、図33及び図34に示すように、切断刃95が第1部材52のアーム受け部80aから結紮ワイヤ50に向けて移動して、該結紮ワイヤ50を切断する。この際、結紮ワイヤ50は、アーム受け部80aから外部に露出しないように切断される。
医師は、モニタ39に表示されている内視鏡画像、例えば、第1部材52と第2部材53との係止状態及び切断部材101が移動したことを見て、確実に結紮ワイヤ50の挟持及び切断が行われたことを確認後、内視鏡を操作して、挿入部63の先端を病変部からゆっくりと離間させる。その際、切断部材101も第1部材52及び第2部材53から取り外される。これにより、第1部材52及び第2部材53によって緊縛状態に保持された結紮ワイヤ50が、体内に留置される。これにより、病変部の緊縛処置が終了する。
なお、上述した、結紮ワイヤ50の切断の際、内側シース54を押して筒状部材115を病変部に押し付けると共に、操作ワイヤ66を引いた状態で、嵌合シース55を手前に引いて第1部材52と第2部材53とを係止することで、より確実に病変部を結紮した状態で、結紮ワイヤ50の挟持固定を行うことができる。
ここで、仮に、病変部の結紮状態が緩かった場合には、病変部の結紮状態を解くように結紮ワイヤ50を切断して、再度病変部の結紮を行うことが可能である。つまり、医療用処置具100を処置具チャンネル4内から取り出した後、医師は、例えば、図35に示すような一対の切断刃120有する公知の挟鉗子を挿入して、モニタ39の内視鏡画像を見ながら、環状凹部117から切断刃120を入れて結紮ワイヤ50を切断する(なお、図35においては、判り易いように挟鉗子の切断刃120のみを図示している)。この際、環状凹部117により、切断刃120は第1部材52と筒状部材115との間に案内される。従って、医師は、モニタ39を見ながらでも容易に挟鉗子を操作して結紮ワイヤ50を切断することができる。
上述したように、本実施形態の医療用処置具100によれば、病変部を介さずに、第1部材52を第2部材53の方向に移動させて、両部材52、53間で結紮ワイヤ50を挟持して固定することができる。また、結紮ワイヤ50の固定後、切断部材101により結紮ワイヤ50を挟持位置後方で切断することができる。このように、結紮ワイヤ50の切断を行う前に、該結紮ワイヤ50の挟持固定を行うので、より確実に生体組織を結紮することができる。従って、結紮作業の確実性を向上することができる。
また、結紮ワイヤ50の挟持固定及び切断操作を嵌合グリップ56の一連の操作により行うことができるので、時間を掛けずに効率の良い結紮作業を行うことができる。特に、結紮ワイヤ50の挟持固定及び切断が同時に行われないので、嵌合グリップ56を力を入れずに容易に操作でき、操作性を向上することができる。
また、結紮ワイヤ50の切断端部が第1部材52のアーム受け部80aより外部に露出しないように、切断されるので、上述した挟鉗子等の他の処置具や内視鏡挿入部10への干渉を防止することができる。
更に、切断部材101は、嵌合シース55に着脱可能に設けられているので、切断の毎に交換することができる。従って、切断刃95を新品状態にでき、切れ味が低下することはない。
次に、本発明に係る医療用処置具の第3実施形態を、図36から図40を参照して以下に説明する。なお、この第3実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第3実施形態と第2実施形態との異なる点は、第2実施形態の医療用処置具100では、切断刃95がワイヤスリット104の先端縁に設けられて、第1部材52のスリット111から外部に導かれた直後の結紮ワイヤ50を切断していたのに対し、第3実施形態の医療用処置具130では、切断刃95が、第2部材53の側孔113から第2部材53の内部に導かれる直前の結紮ワイヤ50を切断するように配されている点である。
即ち、本実施形態の医療用処置具130の切断部材101は、図36から図39に示すように、先端アーム102の外周面中心に、先端から基端側の軸方向に向けて先端ワイヤスリット131が形成されており、また、該先端ワイヤスリット131の基端側に手元ワイヤスリット132が形成されている。そして、手元ワイヤスリット132の先端縁に上記切断刃95が形成されている。
また、本実施形態の第2部材53は、切断後の結紮ワイヤ50の切断端部を内部に収納するワイヤ溝(線材収納部)133が設けられている。即ち、図36及び図37に示すように、大径部91の先端側に、第1部材52のスリット111から第1部材52の外部に導かれた結紮ワイヤ50を第2部材53の内部に導く一対の上記ワイヤ溝133が形成されている。
上述したように、本実施形態の結紮ワイヤ50は、第1部材52の固定用内腔84からスリット111及び切断部材101の先端ワイヤスリット131を通って切断部材101の外部に一旦出て、切断部材101の手元ワイヤスリット132及び第2部材53のワイヤ溝133を通って第2部材53の内部に導かれるようになっている。また、第2部材53の内部に導かれた結紮ワイヤ50は、内側シース54に挿入されて、折り返し部50bを介して係合部材66aに係合されるようになっている。
このように構成された医療処置具130では、図36に示すように、結紮ワイヤ50を切断する際、切断刃95は切断部材101の外部から第2部材53の内部に導かれた結紮ワイヤ50を切断する。この切断される結紮ワイヤ50は、基端方向に移動し難い状態であるので、切断刃95が結紮ワイヤ50に対して確実に当たることになる。つまり、切断刃95が、結紮ワイヤ50に対して滑りにくい角度で当たる。従って、結紮ワイヤ50の切断をより容易に行うことができ、結紮処理の操作性を向上することができる。
また、図40に示すように、切断後の結紮ワイヤ50の切断端部は、第2部材53のワイヤ溝133内に収納される。従って、切断後に結紮ワイヤ50の切断端部が第2部材53の外部に露出することはなく、他の処置具や内視鏡挿入部10等への干渉を防止することができる。
次に、本発明に係る医療用処置具の第4実施形態を、図41から図46を参照して以下に説明する。なお、この第4実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第4実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、医療用処置具を生体組織の病変部を結紮する結紮装置とすると共に、線材を結紮ワイヤ50としていたのに対し、第4実施形態の医療用処置具140は、出血等をしている病変部を縫合する縫合装置とすると共に、線材を縫合糸141とする点である。
即ち、本実施形態の医療用処置具140は、図40に示すように、上記縫合糸141の先端に接続された抜け止めチップ(抜止部材)142と、該抜け止めチップ142を着脱自在に収納すると共に、先端に生体組織に穿刺する針部143を有する縫合針本体144とを備えている。
上記縫合針本体144は、密巻きコイルによってパイプ状に形成されたものであり、処置具チャンネル4内で湾曲できるように可撓性を有している。また、縫合針本体144の先端には、上記針部143が取り付けられている。該針部143は、ステンレス等の金属部材により、先端を尖鋭な細長形状に形成されると共に、外径が縫合針本体144と同一になるように形成されている。また、針部143には、側面に開口部145が形成されている。この開口部145には、縫合針本体144の内孔144aと連通する収納部146が形成され、上記抜け止めチップ142を収納できるようになっている。
上記抜け止めチップ142は、円柱状に形成されており、中間部の窪み142aに上記縫合糸141の先端が縛りつけられている。該抜け止めチップ142は、軸方向を縫合針本体144の軸方向と一致させて収納部146内に収納されている。また、収納部146内には、抜け止めチップ142の端部に嵌合する嵌合孔146aが形成されており、抜け止めチップ142の端部を嵌合孔146aに嵌合するように、収納させることで容易に収納部146から脱落しないようになっている。
また、縫合針本体144の内孔144a内には、収納部146内に収納されている抜け止めチップ142を該収納部146から押し出す可撓性を有する押し出しワイヤ147が進退自在に配されている。該押し出しワイヤ147は、手元操作部64で進退操作できるようになっている。
また、縫合糸141は、抜け止めチップ142から第1部材52及び第2部材53を通って係合部材66aに係合されている。
また、本実施形態においては、外側シース65は、嵌合シース55及び縫合針本体144を覆うようになっている。つまり、縫合針本体144は、外側シース65内にて嵌合シース55とは別に進退自在となるように構成されている。また、該縫合針本体144の操作も、手元操作部64で操作できるようになっている。
更に、第1部材52の先端孔87及び側孔88は、一対ではなく、それぞれ1つずつ形成されている。
このように構成された医療用処置具140により、病変部を縫合する場合について以下に説明する。
まず、医師は、モニタ39に表示される内視鏡画像により、内視鏡挿入部10の先端が縫合を行う病変部に達したことを判断すると、モニタ39を見ながら内視鏡挿入部10の先端を病変部の近傍に位置させる。次に、医師は、この状態で、医療用処置具140を処置具挿入孔15より処置具チャンネル4内に挿入する。この際、医師は、グリップ72を先端方向に移動させて、図41に示すように、外側シース65を嵌合シース55及び縫合針本体144の周囲に覆うように被せた状態で処置具チャンネル4内に挿入する。
そして、医師は、モニタ39に表示される内視鏡画像により、内視鏡挿入部10の先端面より外側シース65が突出したことを確認後、グリップ72を基端方向に移動させて、外側シース65を後退させる。そして、医師は、モニタ39を見ながら縫合針本体144を操作して、図42に示すように、止血しようとする病変部手間の粘膜に針部143を穿刺すると共に、病変部を挟んだ反対側の粘膜にも穿刺して、針部143を貫通させる。
なお、この際、縫合糸141は、縫合針本体144の動きを規制しないように、十分長い長さとされている。
この状態において、図43に示すように、押し出しワイヤ147を先端方向に押し出して、抜け止めチップ142を嵌合孔146aから外して、収納部146から押し出す。これにより、抜け止めチップ142は、縫合針本体144から離脱した状態となる。抜け止めチップ142の離脱後、縫合針本体144の引き抜き操作を行うことで、図44に示すように、抜け止めチップ142が生体組織に引っ掛かった状態となると共に、該抜け止めチップ142に接続された縫合糸141が針部143によって穿刺された両粘膜を貫通した状態となる。
次に、この状態でスライダ71を基端方向に操作して、操作ワイヤ66aを引っ張ることで、図45に示すように、穿刺した粘膜部分を引き寄せる。即ち、縫合糸141が、貫通した両粘膜部分を寄せ合わして出血部である病変部を閉じる。そして、第1部材52を粘膜部分に当接させた状態で、病変部を閉じる。その後、嵌合グリップ56を基端方向に移動させて嵌合シース55を引っ張り操作することで、第1部材52と第2部材との間で縫合糸141を挟持しながら確実に切断刃95によって切断することができる。縫合糸141の切断後、図46に示すように、病変部が閉じた状態で縫合され、第1部材52及び第2部材53によって確実に固定される。これにより、病変部の縫合処置が終了する。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
上記各実施形態において、係止手段を接続手段の係止孔と、接続解放手段である係合爪を利用して構成したが、これに限られず、別個に設けても構わない。
また、第2実施形態及び第3実施形態において、接続部材を連結パイプを介して嵌合シースに着脱自在に設けたが、着脱式に限られず、嵌合シースの先端に固定しても構わない。また、第3実施形態において、第1部材の先端側に筒状部材を設けた構成にしたが、第3実施形態だけに限られず、その他各実施形態に適用しても構わない。
更に、本実施形態の医療用処置具を結紮装置及び縫合装置に適用した例を示したが、これに限られるものではない。
本発明に係る医療用処置具の第1実施形態を説明するための、内視鏡システムの構成図である。 図1に示す内視鏡装置の内視鏡挿入部先端の断面図であって、処置具チャンネル内に医療用処置具を挿通している状態を示す図である。 図1に示す本実施形態の医療用処置具の構成図である。 図3に示す医療用処置具の先端を示す断面図である。 図3に示す医療用処置具の先端を示す斜視図である。 図3に示す医療用処置具の医療用結紮具を示す斜視図である。 嵌合シースの先端に設けられた連結フックを示す斜視図である。 図6に示す医療用結紮具を示す図であって、(a)は上面図、(b)は側面図である。 図3に示す医療用処置具の断面矢視A−A図である。 図3に示す医療用処置具の断面矢視B−B図である。 図3に示す医療用処置具の断面矢視C−C図である。 図3に示す医療用処置具の断面矢視D−D図である。 図3に示す医療用処置具の断面矢視E−E図である。 図3に示す医療用処置具の断面矢視F−F図である。 結紮ワイヤにより病変部を結紮した後に、第1部材と第2部材とを互いに係止して、結紮ワイヤを切断した状態を示す断面図である。 図15に示す状態の斜視図である。 図15に示す状態のときに、係合爪が係止孔から連結パイプの連結爪を押し出して、第1部材と嵌合シースとの接続が解いた状態を示す断面図である。 図16に示す状態から、嵌合シースを後退させた状態を示す断面図である。 本発明の医療用処置具の第2実施形態を示す医療用結紮具周辺の断面図である。 図19に示す医療用処置具の側面から見た断面図である。 図19に示す医療用処置具の斜視図である。 図19に示す医療用処置具の嵌合シースの先端に設けられた連結フックを示す斜視図である。 図19に示す医療用処置具の医療用結紮具を示す斜視図である。 図23に示す医療用結紮具の上面図である。 図23に示す医療用結紮具の側面図である。 図19に示す医療用処置具の断面矢視G−G図である。 図19に示す医療用処置具の断面矢視H−H図である。 図19に示す医療用処置具の断面矢視i−i図である。 図19に示す医療用処置具の断面矢視J−J図である。 図19に示す医療用処置具の断面矢視K−K図である。 結紮ワイヤにより病変部を結紮した後に、第1部材と第2部材とを互いに係止して、結紮ワイヤを挟持した状態を示す図であって、係合爪が係止孔から連結パイプの連結爪を押し出して、第1部材と嵌合シースとの接続が解いた状態を示す断面図である。 図31に示す状態のときの結紮ワイヤの状態を示す断面図である。 図31に示す状態から切断部材を移動させて結紮ワイヤを切断した状態を示す断面図である。 図33に示す状態のときの結紮ワイヤの状態を示す断面図である。 生体組織を結紮した後に、再度結紮を行う場合の前処置として、挟鉗子により結紮ワイヤを切断する状態を示す断面図である。 本発明の医療用処置具の第3実施形態を示す医療用結紮具周辺の断面図である。 図36に示す医療用処置具の断面矢視L−L図である。 図36に示す医療用処置具の医療用結紮具を示す上面図である。 図36に示す医療用処置具の医療用結紮具を示す側面図である。 図36に示す医療用処置具により、生体組織の結紮後、結紮ワイヤを切断した状態を示す断面図である。 本発明の医療用処置具の第4実施形態を示す、挿入部先端の断面図である。 図41に示す医療用処置具の縫合針本体により、病変部周辺の粘膜を穿刺した状態を示す図である。 図41に示す医療用処置具の縫合針本体から抜け止めチップを離脱させた状態を示す縫合針本体の側面図である。 図41の状態から、縫合針本体を引き抜いた状態を示す図である。 図43の状態から、縫合糸を引っ張り病変部を閉じるように粘膜を重ねた状態を示す図である。 図45の状態から、ストッパにより縫合糸を固定した状態で、該縫合糸を切断した状態を示す図である。
符号の説明
1、100、130、140 医療用処置具
50 結紮ワイヤ(線材)
51 線材操作部
52 第1部材(第1の線材保持部材)
53 第2部材(第2の線材保持部材)
54 内側シース(第1のシース)
55 嵌合シース(第2のシース)
56 嵌合グリップ(シース操作部)
57 接続手段
58 係止手段
59 切断手段
60 係合爪(接続解放手段)
76 連結フック(突出部)
76a 爪部
89 係止孔
95 切断刃
101 切断部材
133 ワイヤ溝(線材収納部)
141 縫合糸(線材)
142 抜け止めチップ(抜止部材)
143 針部
144 縫合針本体

Claims (9)

  1. 生体組織に対して所定処理を行う可撓性の線材と、
    該線材の進退操作を行う線材操作部と、
    前記線材に対して進退自在に設けられ、線材を保持する第1の線材保持部材と、
    該第1の線材保持部材の基端側に軸方向に進退自在に設けられ、第1の線材保持部材との間で前記線材を挟持可能な第2の線材保持部材と、
    該第2の線材保持部材の基端側に当接して設けられた可撓性を有する第1のシースと、
    該第1のシースを覆って第1のシースに対して進退自在に設けられた可撓性を有する第2のシースと、
    該第2のシースの進退操作を行うシース操作部とを備え、
    前記第1の線材保持部材及び前記第2のシースが、互いを接続させる接続手段を有し、
    前記第1の線材保持部材及び前記第2の線材保持部材が、前記線材を挟持したときに、互いを係止する係止手段及び線材を前記挟持位置よりも基端側で切断する切断手段を有し、
    前記第2の線材保持部材が、第1の線材保持部材に係止されたときに、前記接続手段の接続を解く接続解放手段を有することを特徴とする医療用処置具。
  2. 請求項1に記載の医療用処置具において、
    前記切断手段が、前記第1の線材保持部材の内部にて前記線材を切断することを特徴とする医療用処置具。
  3. 生体組織に対して所定処理を行う可撓性の線材と、
    該線材の進退操作を行う線材操作部と、
    前記線材に対して進退自在に設けられ、線材を保持する第1の線材保持部材と、
    該第1の線材保持部材の基端側に軸方向に進退自在に設けられ、第1の線材保持部材との間で前記線材を挟持する第2の線材保持部材と、
    該第2の線材保持部材の基端側に当接して設けられた可撓性を有する第1のシースと、
    該第1のシースを覆って第1のシースに対して進退自在に設けられた可撓性を有する第2のシースと、
    該第2のシースの先端に設けられ、前記線材を前記挟持位置よりも基端側で切断する切断刃を前記線材より先端側に配する切断部材と、
    該第2のシースの進退操作を行うシース操作部とを備え、
    前記第1の線材保持部材及び前記第2のシースが、互いを接続させる接続手段を有し、
    前記第1の線材保持部材及び前記第2の線材保持部材が、前記線材を挟持したときに、互いを係止する係止手段を有し、
    前記第2の線材保持部材が、第1の線材保持部材に係止されたときに、前記接続手段の接続を解く接続解放手段を有することを特徴とする医療用処置具。
  4. 請求項3に記載の医療用処置具において、
    前記第2の線材保持部材が、切断後の前記線材の切断端部を内部に収納する線材収納部を有することを特徴とする医療用処置具。
  5. 請求項3又は4に記載の医療用処置具において、
    前記切断部材が、前記第2のシースに着脱可能に設けられていることを特徴とする医療用処置具。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の医療用処置具において、
    前記接続手段が、前記第2のシースから先端方向に突出すると共に先端に第2のシースの内部に向けて突起した爪部を有する突出部と、前記第1の接続部材の外周に設けられて前記爪部に係止可能な係止孔とからなり、
    前記接続解放手段が、前記係止状態のときに、前記係止孔内に嵌合すると共に前記爪部を係止孔から押し出し可能な係合爪であることを特徴とする医療用処置具。
  7. 請求項6に記載の医療用処置具において、
    前記係止手段が、前記係止孔と前記係合爪とからなることを特徴とする医療用処置具。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の医療用処置具において、
    前記線材が、生体組織を結紮する結紮ワイヤであることを特徴とする医療用処置具。
  9. 請求項1から7のいずれか1項に記載の医療用処置具において、
    前記線材が、生体組織を縫合する縫合糸であり、
    該縫合糸の先端に接続された抜止部材と、
    該抜止部材を着脱自在に収納すると共に、先端に生体組織に穿刺する針部を有する縫合針本体とを備えることを特徴とする医療用処置具。
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